JPH078971Y2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、空気調和機の加湿装置、特にその取付構造
に関するものである。

〔従来の技術〕

第４図は、加湿装置を組み込んだ従来の空気調和機の断
面図であり、第５図は上記加湿装置の取付部の構成を示
す図である。

図において、（２）は空気調和機の後方もしくは下方よ
り空気を吸込み前方へ吹出す送風機、（１）はその吹き
出された空気を加熱もしくは冷却するフインチユーブ形
熱交換器、（３）は更にその空気を加湿する為の加湿装
置である。このように調和された空気は最終的に空気吹
出口部（５）から吹き出されることになる。

ここで加湿装置（３）の両側部（3d）には取付板（８）
が、ネジ（９）によりネジ止めされており、この取付板
（８）の先端部に設けられたＵ状切欠部（8a）を熱交換
器（１）のヘヤピン状伝熱管（1a）に引掛ける事によ
り、熱交換器（１）に固定している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の加湿装置の取付構造は以上のように構成されてい
たので、加湿装置（３）の取付板（８）を、熱交換器
（１）の空気吹出し側フインの間から押し込み、ヘヤピ
ン状伝熱管（1a）に引掛けねばならず、下方からの着脱
が困難であり、かつ振動等で、取付板でヘヤピン状伝熱
管（1a）に傷を付ける危険があつた。また加湿器が劣化
して加湿器表面に水滴が付いた場合、吹出空気により、
水滴が吹出口側へ飛び出すという問題があつた。

この考案は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、下方からの加湿装置の着脱を容易にし、また
ヘヤピン状伝熱管の傷付防止、さらには水滴の飛散をも
防止できる、取付構造を実現する事を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

熱媒体と被空調空気とを熱交換させるフインチューブ形
熱交換器、この熱交換器に被空調空気を供給する送風
機、上記熱交換器の下方に位置し、上記熱交換器に生じ
る結露水等を受容するドレンパン、空気吸込み口及び空
気吹出し口を有し、この空気吹出し口に対応して配設さ
れた上記熱交換器を通る風路を形成する外箱、及びコ字
形の上枠と、下方への流水用貫通孔が設けられた底板部
及びこの底板周縁に形成された立上り部から構成された
受皿状下枠とを有し、上記熱交換器から吹出される被加
湿空気を通過させることによって上記被加湿空気を加湿
する加湿器が上記上・下両枠間に挾持された直方体状の
加湿装置を備えたものにおいて、一端が上記空気吹出し
口部に固定され、他端が自由で上記熱交換器側に延在し
た片持梁状の弾性体からなる固定板を備え、この固定板
の自由端側に設けられた取付け面に上記加湿装置を載置
し、上記加湿装置の重量と上記固定板の弾性による復元
力の平衡する位置より更に該復元力の優る位置で上記加
湿装置の上部を上記熱交換器の空気吹出側に当接させた
ものである。

〔作用〕

この考案においては、フインチユーブ形熱交換器の空気
吹出し面部に対し鋭角をなす固定板取付面部の所定の位
置に加湿装置の一側部を取付けることにより、固定板の
弾性作用を利用して上記加湿装置の他側部を上記フイン
チユーブ形熱交換器の空気吹出側部に当接させたもので
ある。

〔実施例〕 第１図はこの考案の一実施例を示す空気調和機の断面
図、第2,第３図は、加湿装置取付部の構成を示す図であ
る。これらの図において、（3a）はコ字形の上枠、（3
b）は上記上枠（3a）と組合され直方体状の加湿装置
（３）を構成する受皿状下枠、（４）は加湿装置（３）
の下枠（3b）の両端下部に取付けられている取付板、
（６）は固定板であり、その一端部（6a）が熱交換器
（１）と外箱（10）の空気吹出し口部（５）との間に位
置すると共に他端部（6b）が上記空気吹出し口部（５）
の下側フランジ（5a）に溶接固定され、かつ上記フイン
チユーブ形熱交換器（１）の空気吹出し面部（1b）に対
し鋭角θ₁をなす取付け面部（6c）が上記一端部に形成
されたものである。加湿装置（３）は、その下枠（3b）
下部に取付けられた取付板（４）のネジ穴（4a）、固定
板（６）の取付け面部（6c）の所定の位置に設けられた
貫通穴（6d）を利用して、ネジ（７）にて固定される。
この時、第３図に示す如く、加湿装置（３）の上側部
（3c）は、熱交換器（１）の空気吹出側部に当接する
が、熱交換器（１）の空気吹出し面部（1b）に対する取
付け面部（6c）とのなす角θ₁、加湿装置の寸法H,及び
上記取付け面部（6c）への加湿装置（３）の取付け位置
の関係により、上記固定板（６）の弾性作用により、上
記加湿装置（３）の上側部（3c）が上記熱交換器（１）
の空気吹出し側部に強く押し当てられており、振動等が
加わつても簡単に動く事はない。また、（11）は上記フ
インチユーブ形熱交換器（１）の下方に位置するドレン
パンであり、上記熱交換器（１）、加湿装置（３）等に
生じる着露水等を直に或は補助ドレンパン（12）を経由
して受容し機外に排出するものである。

〔考案の効果〕

この考案における空気調和機においては、熱媒体と被空
調空気とを熱交換させるフインチューブ形熱交換器、こ
の熱交換器に被空調空気を供給する送風機、上記熱交換
器の下方に位置し、上記熱交換器に生じる結露水等を受
容するドレンパン、空気吸込み口及び空気吹出し口を有
し、この空気吹出し口に対応して配設された上記熱交換
器を通る風路を形成する外箱、及びコ字形の上枠と、下
方への流水用貫通孔が設けられた底板部及びこの底板周
縁に形成された立上り部から構成された受皿状下枠とを
有し、上記熱交換器から吹出される被加湿空気を通過さ
せることによって上記被加湿空気を加湿する加湿器が上
記上・下両枠間に挾持された直方体状の加湿装置を備え
たものにおいて、一端が上記空気吹出し口部に固定さ
れ、他端が自由で上記熱交換器側に延在した片持梁状の
弾性体からなる固定板を備え、この固定板の自由端側に
設けられた取付け面に上記加湿装置を載置し、上記加湿
装置の重量と上記固定板の弾性による復元力の平衡する
位置より更に該復元力の優る位置で上記加湿装置の上部
を上記熱交換器の空気吹出側に当接させたので加湿装置
の着脱が容易となり、従来のようにヘヤピン状伝熱管へ
傷がつく恐れもない。また、取付けられた状態において
は、加湿装置は斜めになつているため、加湿器表面上の
水滴は熱交換器側へ流れ込み、吹出口側へ飛散する事を
防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す空気調和機の断面
図、第2,第３図は加湿装置取付け部の構成を示す図、第
４図は従来の空気調和機を示す断面図、第５図は従来の
加湿装置取付け部の構成を示す図であるこれらの図にお
いて、（１）はフインチユーブ形熱交換器、（２）は送
風機（11）はドレンパン、（10）は外箱、（３）は加湿
装置、（５）は空気吹出し口部、（1b）は空気吹出し面
部、（6c）は取付け面部、（６）は固定板である。 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱媒体と被空調空気とを熱交換させるフイ
   ンチューブ形熱交換器、この熱交換器に被空調空気を供
   給する送風機、上記熱交換器の下方に位置し、上記熱交
   換器に生じる結露水等を受容するドレンパン、空気吸込
   み口及び空気吹出し口を有し、この空気吹出し口に対応
   して配設された上記熱交換器を通る風路を形成する外
   箱、及びコ字形の上枠と、下方への流水用貫通孔が設け
   られた底板部及びこの底板周縁に形成された立上り部か
   ら構成された受皿状下枠とを有し、上記熱交換器から吹
   出される被加湿空気を通過させることによって上記被加
   湿空気を加湿する加湿器が上記上・下両枠間に挾持され
   た直方体状の加湿装置を備えたものにおいて、一端が上
   記空気吹出し口部に固定され、他端が自由で上記熱交換
   器側に延在した片持梁状の弾性体からなる固定板を備
   え、この固定板の自由端側に設けられた取付け面に上記
   加湿装置を載置し、上記加湿装置の重量と上記固定板の
   弾性による復元力の平衡する位置より更に該復元力の優
   る位置で上記加湿装置の上部を上記熱交換器の空気吹出
   側に当接させたことを特徴とする空気調和機。