JPH0789315A - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JPH0789315A
JPH0789315A JP23862593A JP23862593A JPH0789315A JP H0789315 A JPH0789315 A JP H0789315A JP 23862593 A JP23862593 A JP 23862593A JP 23862593 A JP23862593 A JP 23862593A JP H0789315 A JPH0789315 A JP H0789315A
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JP
Japan
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damping coefficient
damping
shock absorber
shock absorbers
changed
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Application number
JP23862593A
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English (en)
Inventor
Toru Yoshioka
透 吉岡
Tetsurou Butsuen
哲朗 仏圓
Yasunori Yamamoto
康典 山本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ショックアブソーバの減衰係数の変更制御
を、各減衰係数の使用頻度を加味して行い、操安性及び
乗心地の向上を高い次元で図る。 【構成】 ばね上とばね下との間に、減衰係数が複数段
に変更可能なショックアブソーバを配設し、該ショック
アブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が上下変
動しないような目標の減衰力となるようショックアブソ
ーバの減衰係数を変更制御する。実際の減衰力と目標の
減衰力との差が所定の不感帯領域内のときショックアブ
ソーバの減衰係数の変更を禁止する。制御手段の制御の
下にショックアブソーバの所定の減衰係数が選択使用さ
れる使用頻度を計測し、ショックアブソーバの高い減衰
係数の使用頻度が高いときにはショックアブソーバの減
衰係数が高い方に変更し易くなり、ショックアブソーバ
の低い減衰係数の使用頻度が高いときにはショックアブ
ソーバの減衰係数が低い方に変更し易くなるように不感
帯領域のしきい値αi ,βi を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関し、特に、ばね上とばね下との間に、減衰係数
が複数段に変更可能な減衰係数可変式のショックアブソ
ーバを備えるものの改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のサスペンション装置にお
いては、車体側としてのばね上と、車輪側としてのばね
下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのショッ
クアブソーバが装備されている。このショックアブソー
バには、減衰係数可変式のものとして、減衰係数が大小
2段に変更可能なもの、減衰係数が多段又は無段連続的
に変更可能なもの等種々のものがある。
【0003】そして、このような減衰係数可変式のショ
ックアブソーバの制御方法は、基本的には、ショックア
ブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が上下変動
をしない目標の減衰力いわゆるスカイフックダンパー力
となるようショックアブソーバの減衰係数を変更制御す
るものである。その具体的な制御方法として、例えば特
開昭60−248419号公報には、ばね上とばね下と
の間の相対変位の符号とその微分値であるばね上ばね下
間の相対速度の符号とが一致するか否かを調べ、一致す
るときにはショックアブソーバの減衰係数を大きくして
該ショックアブソーバが発生する減衰力を大きくし、不
一致のときにはショックアブソーバの減衰係数を小さく
して該ショックアブソーバが発生する減衰力を小さくす
ることが開示されている。
【0004】また、このような制御においては、中立位
置付近の変位に対してショックアブソーバの減衰係数が
頻繁に切換えられるのを防止するために不感帯を設ける
ことが一般に行われている。例えば、実開昭63−40
213号公報には、ばね上ばね下間相対変位の符号とば
ね上ばね下間相対速度の符号との一致・不一致に基づい
て減衰係数を変更制御するに当たり、ばね上ばね下間相
対変位に対して不感帯領域を設け、該不感帯領域内では
常にショックアブソーバの減衰係数を小さいものに保持
するとともに、舵角や舵角速度等のばね上入力が大きい
ときには上記不感帯領域の幅を小さくして、車両のロー
リングを抑制し得るようにすることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のショ
ックアブソーバの減衰係数の変更制御では、各減衰係数
の使用頻度について何等考慮されていないことから種々
の問題がある。例えば、車両が高速道路を走行するとき
には、各車輪のショックアブソーバの減衰係数は、通
常、操安性を重視する観点からハード側(つまり高減衰
係数側)に変更され、その状態が維持される。この走行
中に一つの車輪のみに道路上の突起部等に起因して外乱
が作用したとき、該車輪のショックアブソーバの減衰係
数はソフト側(つまり減衰係数側)に変更されるが、こ
のことは、高速走行時での操安性を損なうことになる。
また、車両が悪路を低車速で走行するときには、ショッ
クアブソーバの減衰係数は、車輪に突上げ力が作用する
毎にソフト側からハード側に変更されるが、このハード
側への変更が遅いときには、その変更により操安性を高
めるという効果は充分に奏することができない。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上記ショックアブソー
バの減衰係数の変更制御において、各減衰係数の使用頻
度を加味して変更制御を行うことにより、操安性及び乗
心地の向上を高い次元で図り得る車両のサスペンション
装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、車両のサスペンション装置
として、ばね上とばね下との間に配設され、減衰係数が
複数段に変更可能なショックアブソーバと、該ショック
アブソーバが実際に発生する減衰力を検出する実減衰力
検出手段と、ばね上が上下変動しないようなショックア
ブソーバの目標の減衰力を決定する目標減衰力決定手段
と、上記実際の減衰力が上記目標の減衰力となるようシ
ョックアブソーバの減衰係数を変更制御する減衰係数制
御手段と、上記減衰係数制御手段の変更制御に対し所定
の規制を加える規制手段と、上記減衰係数制御手段の制
御の下にショックアブソーバの所定の減衰係数が選択使
用される使用頻度を計測する使用頻度計測手段と、上記
使用頻度に応じて、上記規制手段の規制内容を変更する
規制内容変更手段とを備える構成とする。
【0008】請求項2及び3記載の発明は、いずれも請
求項1記載の発明に従属し、その一つ態様を示すもので
ある。すなわち、請求項2記載の発明では、上記規制手
段は、実際の減衰力と目標の減衰力との差が所定の不感
帯領域内のときショックアブソーバの減衰係数の変更を
禁止するものであり、上記規制内容変更手段は、上記不
感帯領域のしきい値を変更するものである。また、請求
項3記載の発明では、上記規制手段は、ショックアブソ
ーバが変更可能な複数段の減衰係数の中からそれよりも
少ない数の減衰係数を限定し、その限定された減衰係数
間でのみ変更するように規制するものであり、上記規制
内容変更手段は、該規制手段により限定される減衰係数
の範囲を変更するものである。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
明に従属し、上記規制内容変更手段によるしきい値の変
更をより具体的に示す。すなわち、規制内容変更手段
は、ショックアブソーバの高い減衰係数の使用頻度が高
いときにはショックアブソーバの減衰係数が高い方に変
更し易くなり、ショックアブソーバの低い減衰係数の使
用頻度が高いときにはショックアブソーバの減衰係数が
低い方に変更し易くなるように不感帯領域のしきい値を
所定時間変更するものである。
【0010】請求項5及び6記載の発明は、いずれも請
求項3記載の発明に従属し、上記規制内容変更手段によ
る減衰係数の範囲の変更をより具体的に示す。すなわ
ち、請求項5記載の発明では、規制内容変更手段は、規
制手段により限定された減衰係数のうち、最も高い減衰
係数の使用頻度が高いときには該規制手段により限定さ
れる減衰係数の範囲を高い減衰係数の方に所定時間拡大
し、最も低い減衰係数の使用頻度が高いときには上記減
衰係数の範囲を低い減衰係数の方に所定時間拡大するも
のである。また、請求項6記載の発明では、規制内容変
更手段は、規制手段により限定された減衰係数のうちの
一つの減衰係数の使用頻度が高いときにはショックアブ
ソーバが該減衰係数に所定時間固定されるように、上記
規制手段により限定される減衰係数を一つにするもので
ある。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
車両の走行時には、ショックアブソーバが実際に発生す
る減衰力を実減衰力検出手段が検出するとともに、ばね
上が上下変動しないようなショックアブソーバの目標の
減衰力を目標減衰力決定手段が決定する。そして、上記
実減衰力検出手段の信号と上記目標減衰力決定手段の信
号とを受ける減衰係数制御手段の制御の下に、ショック
アブソーバの実際の減衰力が目標の減衰力となるようシ
ョックアブソーバの減衰係数が変更されることにより、
ばね上の上下変動が有効に抑制される。この場合、上記
減衰係数制御手段の変更制御に対し規制手段により所定
の規制が加えられる。例えば請求項2記載の発明では、
実際の減衰力と目標の減衰力との差が不感帯領域内のと
き減衰係数の変更が禁止され、減衰係数が頻繁に変更さ
れることが防止される。また、請求項3記載の発明で
は、ショックアブソーバの減衰係数が限定された範囲で
変更され、減衰係数の大幅な変更による音や振動の発生
が防止される。
【0012】また、上記減衰係数制御手段の制御の下に
ショックアブソーバの所定の減衰係数が選択使用される
使用頻度が使用頻度計測手段により計測され、該使用頻
度に応じて、上記規制手段の規制内容が規制内容変更手
段により変更される。これにより、使用頻度の高い減衰
係数に対しショックアブソーバが変わり易くなったり、
固定されたりして、ショックアブソーバの減衰係数を適
切にかつ迅速に変更することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】図1は本発明の第1実施例に係わるサスペ
ンション装置を装備する車両の部品レイアウトを示す。
【0015】図1において、1,2,3及び4は左右の
前輪5(左側の前輪のみ図示する)及び後輪6(左側の
後輪のみ図示する)に各々対応して設けられた四つのシ
ョックアブソーバであって、各車輪の上下動を減衰させ
るものである。該各ショックアブソーバ1〜4は、内蔵
するアクチュエータ25(図2及び図3参照)により減
衰係数が相互に異なった10段に変更可能に設けられて
おり、また、実際に発生する減衰力の大きさを検出する
実減衰力検出手段としての圧力センサ(図示せず)を内
蔵している。7は上記各ショックアブソーバ1〜4の上
部外周に配設されたコイルスプリング、8は上記各ショ
ックアブソーバ1〜4内のアクチュエータ25に対して
制御信号を出力してその減衰係数を変更制御するコント
ロールユニットであり、該コントロールユニット8に向
けて上記各ショックアブソーバ1〜4内の圧力センサか
ら検出信号が出力される。
【0016】また、11,12,13及び14は各車輪
毎のばね上の上下方向の加速度を検出する四つの上下加
速度センサ、15は従動輪たる前輪5の回転速度から車
速を検出する車速センサ、16はステアリングハンドル
の操舵角(つまりステアリング舵角)を検出する舵角セ
ンサ、17はドライバーがショックアブソーバ1〜4の
減衰係数についてハードモード、ソフトモードまたはコ
ントロールモードのいずれかに切り換えるモード選択ス
イッチであり、該モード選択スイッチ17により、ハー
ドモードが選択されたときは、大きな減衰係数が選択さ
れ、減衰力がハードなものになる。また、ソフトモード
が選択されたときは、小さな減衰係数が選択され、減衰
力がソフトなものになる。さらに、コントロールモード
が選択されたときは、予めコントロールユニット8内に
記憶されたマップあるいはテーブルに基づいて、ショッ
クアブソーバ1〜4の減衰係数の変更制御が行われる。
この変更制御については、後に詳述する。
【0017】図2は上記ショックアブソーバ1〜4の構
造を示す。但し、この図では、ショックアブソーバ1〜
4に内蔵される圧力センサは、便宜上省略している。
【0018】図2において、21はシリンダであって、
該シリンダ21内には、ピストンとピストンロッドとを
一体的に成形してなるピストンユニット22が摺動自在
に嵌装されている。上記シリンダ21及びピストンユニ
ット22は、それぞれ別々に設けられた結合構造を介し
てばね下及びばね上に結合されている。
【0019】上記ピストンユニット22には、二つのの
オリフィス23、24が形成されている。そのうちの一
方のオリフィス23は常に開いており、他方のオリフィ
ス24は、その通路面積(絞り)がアクチュエータ25
により10段階に変更可能に設けられている。上記アク
チュエータ25は、図3にも示すように、ピストンユニ
ット22内に固定して配置されたスリーブ26と、該ス
リーブ26内を貫通しかつ回転自在に設けられたシャフ
ト27と、該シャフト27を所定の角度毎に回転させる
ステップモータ28と、上記シャフト27の下端に回転
一体に連結され、円周方向に所定の間隔毎に形成された
九つの円形孔29,29,…を有する第1オリフィスプ
レート30と、上記スリーブ26の下端に取付けられ、
円周方向に沿って円弧状に形成された長孔31を有する
第2オリフィスプレート32とを備えている。そして、
ステップモータ28が作動して第1オリフィスプレート
30が回動することにより、該第1オリフィスプレート
30の円形孔29が第2オリフィスプレート32の長孔
31と対向したりしなくなったりし、また、その対向す
る円形孔29の個数も零から九つまで順次変わるように
なっている。
【0020】上記シリンダ21内の上室33、下室34
及びこの両室33,34に通じるピストンユニット22
内の空洞は、適度の粘性を有する流体で満たされてい
る。この流体は、上記オリフィス23,24のいずれか
を通って上室33と下室34との間を移動するようにな
っている。
【0021】図4はサスペンション装置の振動モデルを
示し、ms はばね上質量、mu はばね下質量、Zs はば
ね上変位、Zu はばね下変位、ks はコイルスプリング
7のばね定数、kt はタイヤのばね定数、Dk はショッ
クアブソーバ1〜4の減衰係数である。
【0022】図5はショックアブソーバ1〜4の減衰係
数を示す図であり、D1 〜D10は、それぞれショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数を示している。図5におい
て、縦軸はショックアブソーバ1〜4の発生する減衰力
を、横軸はばね上の変位速度つまりばね上絶対速度Xs
(dzs /dt)とばね下の変位速度つまりばね下絶対
速度Xu (dzu /dt)との差、すなわち、ばね上と
ばね下との間の相対速度(Xs −Xu )を示している。
減衰係数D1 〜D10は、各ショックアブソーバ1〜4で
10段階に変更可能なものであって、D1 は最もソフト
な減衰力を発生させる減衰係数を示し、D10は最もハー
ドな減衰力を発生させる減衰係数を示す。ここで、減衰
係数Dk (k =1〜10)は、第1オリフィスプレート
30に形成された九つの円形孔29,29,…のうち、
(10−k )個の円形孔29が、第2オリフィスプレー
ト32に形成された長孔31と連通することで選択され
るようになっている。従って、減衰係数D1 は、第1オ
リフィスプレート30の九つの円形孔29,29,…全
てが第2オリフィスプレート32の長孔31と連通する
ことで選択され、減衰係数D10は、第1オリフィスプレ
ート30の九つの円形孔29,29,…のいずれもが第
2オリフィスプレート32の長孔31と連通しないこと
で選択されることになる。
【0023】図6及び図7は上記ステップモータ28の
構造を示す。すなわち、ステップモータ28は、筒状体
40と、該筒状体40内に収容されたロータ41及びス
テータ42と、上記筒状体40に取付けられる蓋43と
を有する。上記ロータ41の外周部には複数の矩形状の
歯41a,41a,…が形成されているとともに、上記
ステータ42の内周部には、これと対応して複数の矩形
状の歯42a,42a,…が形成されており、また、ス
テータ42には、ソレノイド44が巻回されている。ロ
ータ41には、2本のストッパピン45,46が形成さ
れている。一方、上記蓋43の裏面には、図8に示すよ
うに、上記両ストッパピン45,46に対応する位置の
円周方向に二つの溝47,48が形成されている。その
うち、溝47は、ストッパピン45と係合してステップ
モータ28の可動範囲を制限するものであり、他方、溝
48はストッパピン46と係合するものである。そし
て、上記両ストッパピン45,46をそれぞれ溝47,
48と係合させることによって、蓋43を被せたときに
ロータ41の重心が回転中心と一致するようになってい
る。従って、蓋43の中心から溝47,48の両端部を
見た円周角は、溝48の方が溝47より大きく設定され
ており、専ら溝47によって、ステップモータ28の可
動範囲が決定されるようになっている。また、上記ロー
タ41が、図7で時計回りに回転すると、ショックアブ
ソーバ1〜4の減衰係数Dk がより大きくなって減衰力
はよりハードになり、他方反時計回りに回転すると、減
衰係数Dk がより小さくなって減衰力はよりソフトにな
る。さらに、ロータ41の矩形状の歯41aがステータ
42の隣接する矩形状の歯42aに対向する位置に移動
させられたとき、つまり、ステップモータ28が一段回
転したとき、減衰係数Dkが1つだけ変化するようにな
っている。従って、ストッパピン45が図8で溝47の
左端部である第1基準位置に位置しているとき、減衰係
数Dk はD10となり、ショックアブソーバ1〜4が最も
ハードな減衰力を発生し、他方、ストッパピン45が図
8で溝47の右端部である第2基準位置に位置している
とき、減衰係数Dk はD1 となり、ショックアブソーバ
1〜4が最もソフトな減衰力を発生するようになってい
る。
【0024】図9はサスペンション装置の制御系のブロ
ック構成を示す。図9中、第1の圧力センサ51、上下
加速度センサ11及びアクチュエータ25aは車体左側
の前輪5に、第2の圧力センサ52、上下加速度センサ
12及びアクチュエータ25bは車体右側の前輪5に、
第3の圧力センサ53、上下加速度センサ13及びアク
チュエータ25cは車体左側の後輪6に、第4の圧力セ
ンサ54、上下加速度センサ14及びアクチュエータ2
5dは車体右側の後輪6にそれぞれ対応して設けられた
ものである。尚、アクチュエータ25a〜25dは、図
2中のアクチュエータ25と同じものであり、圧力セン
サ51〜54は、ショックアブソーバ1〜4にそれぞれ
内蔵されたものである。
【0025】また、15,16及び17はそれぞれ上述
した車速センサ、舵角センサ及びモード選択スイッチ、
56は車両の車体前後方向の加減速度を検出する前後加
速度センサ、57は車両のヨーレートを検出するヨーレ
ートセンサであり、これらセンサ・スイッチ類の検出信
号は全てコントロールユニット8に入力されている。一
方、コントロールユニット8からは制御信号がそれぞれ
第1〜第4のアクチュエータ25a〜25dに対して出
力され、この制御信号に基づいたアクチュエータ25a
〜25dの作動により、各ショックアブソーバ1〜4の
減衰係数Dkiが変更制御される。尚、減衰係数Dkiの前
側の添字kは、切換え段を意味し、1〜10の値をと
る。後側の添字iは、アクチュエータ25a〜25dな
いしそれを内蔵するショックアブソーバ1〜4の番号を
意味し、1〜4の値をとる。
【0026】次に、上記コントロールユニット8による
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御を
説明する。この変更制御は、図10及び図11にそれぞ
れ示すフローチャートに従って行われる。図10はショ
ックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを変更制御する基
本制御のフローチャートであり、図11は上記基本制御
に先立って不感帯領域のしきい値を設定するためのしき
い値設定ルーチンのフローチャートである。
【0027】図10において、スタートした後、先ず始
めに、ステップS1 で制御フラグFが1にセットされて
いるか否かを判定する。この制御フラグFは、モード選
択スイッチ17でコントロールモードが選択されている
とき1にセットされ、ハードモード又はソフトモードが
選択されているとき0にリセットされる。そして、ハー
ドモード又はソフトモード選択時にはそのままリターン
し、コントロールモード選択時にはステップS2 に進
む。
【0028】ステップS2 で上下加速度センサ11〜1
4により検出されたばね上絶対加速度ΔXG1〜ΔXG4を
入力した後、ステップS3 でこのΔXG1〜ΔXG4を数値
積分法などにより積分して、上下方向のばね上絶対速度
XG1〜XG4を求める。このXG1〜XG4は、加速度センサ
11〜14の位置における上下方向のばね上絶対速度な
ので、ステップS4 でこれを各ショックアブソーバ1〜
4の位置における上下方向のばね上絶対速度Xs1〜Xs4
に変換する。
【0029】続いて、ステップS5 で上記ばね上絶対速
度Xs1〜Xs4と重力加速度gとの積に負符号を付して、
各ショックアブソーバ1〜4のスカイフックダンパー力
Fai(=−g・Xsi)(i=1〜4)を算出する。この
スカイフックダンパー力Faiは、スカイフックダンパー
理論においてばね上が上下変動しなくなる理想の減衰力
である。
【0030】続いて、ステップS6 で圧力センサ51〜
54により検出されたショックアブソーバ1〜4の実際
に発生する減衰力Fs1〜Fs4を入力した後、ステップS
7 において、下記の式により、 Y1i=Fsi・(Fai−α・Fsi) … Y2i=Fsi・(Fai−β・Fsi) … に従って、Y1i,Y2iを算出する。但し、α≧1,0<
β<1である。
【0031】そして、ステップS8 において、上記Y1i
が正である(Y1i>0)ならば、ショックアブソーバ1
〜4の減衰係数に、現在の減衰係数Dkiより一段大きい
D(K+1)iを設定する一方、上記Y2iが負である(Y2i<
0)ならば、ショックアブソーバ1〜4の減衰係数に、
現在の減衰係数Dkiより一段小さいD(K-1)iを設定す
る。続いて、ステップS9 において、ショックアブソー
バ1〜4の減衰係数が設定した減衰係数に変更されるよ
うに、対応するアクチュエータ25a〜25dに制御信
号を出力し、しかる後にリターンする。
【0032】ここで、α、βは、減衰係数Dkiの変更制
御に不感帯領域を設定するためのしきい値である。つま
り、FsiとFaiとが同符号の場合、上記式の(Fai−
α・Fsi)は、α≧1であるので、Fsiにαが乗ぜられ
ていない場合に比して、Fsiと異符号になり易く、その
結果、Y1iは負になり易いから、減衰係数Dkiのハード
側への変更が行われ難くなる。また、上記式の(Fai
−β・Fsi)は、0<β<1であるので、Fsiにβが乗
ぜられていない場合に比して、Fsiと同符号になり易
く、その結果、Y2iは正になり易いから、減衰係数Dki
のソフト側への変更も行われ難くなる。さらに、上限し
きい値αが1に近付くよう小さくなる程、減衰係数Dki
のハード側への変更がより行われ易くなり、また、下限
しきい値βが0に近付くよう小さくなる程、減衰係数D
kiのソフト側への変更がより行われ難くなる。以上のこ
とは、図12において、αが1に近付くよう小さくなる
と、減衰係数Dkiのハード側への変更を規制する不感帯
領域の一方の領域(Fa =αFs とFa =Fs とで挟ま
れた領域)が狭くなり、βが0に近付くよう小さくなる
と、減衰係数Dkiのソフト側への変更を規制する不感帯
領域の他方の領域(Fa =Fs とFa =βFs とで挟ま
れた領域)が広がることからも分かる。
【0033】以上によって、図10に示す基本制御のう
ち、前半部(ステップS2 〜S5 )の制御フローによ
り、請求項1記載の発明にいう、ばね上が上下変動しな
いようなショックアブソーバの目標の減衰力であるスカ
イフックダンパー力Fa を決定する目標減衰力決定手段
61が構成され、後半部(ステップS6 〜S9 )の制御
フローにより、請求項1記載の発明にいう、実際の減衰
力Fs が上記スカイフックダンパー力Fa となるようシ
ョックアブソーバ1〜4の減衰係数を各々独立に変更制
御する減衰係数制御手段62が構成されている。また、
ステップS7 は、上記減衰係数制御手段62の変更制御
に対し不感帯領域を設定して規制を加える規制手段63
としての機能を有する。
【0034】図11においては、スタートした後、先ず
始めに、ステップS11で車速センサ15により検出され
た車速Vが所定値a以上の高車速時であるか否かを判定
する。この判定がYESの高車速時には、ステップS12
で第1頻度フラグCf1が1にセットされているか否かを
判定する。該第1頻度フラグCf1は、ショックアブソー
バ1〜4の所定の減衰係数Dkiが選択使用される使用頻
度が高いときに1にセットされるものである。従って、
制御開始時には0にリセットされており、ステップS13
をスキップしてステップS14へ移行し、ショックアブソ
ーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御における不感帯領
域のしきい値αi ,βi にαb ,βb を設定する。
【0035】しかる後、ステップS15でショックアブソ
ーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD6 であるか否かを
判定する。この判定がYESのときには、ステップS16
で第1頻度カウンタC1 が10であるか否かを判定す
る。当初、この判定はNOとなり、ステップS17で第1
頻度カウンタC1 を1カウントアップするとともに第1
頻度フラグCf1を0にリセットし、リターンする。そし
て、第1頻度カウンタC1 が10を越えたとき、つまり
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD6 が
連続して10回選択使用されたときには、ステップS18
において、上記不感帯領域の上限しきい値αi をαb か
らαc (αb >αc )に変更するとともに、第1頻度フ
ラグCf1を1にセットし、第1頻度カウンタC1 及び第
1タイマーt1 をそれぞれ0にリセットし、しかる後、
リターンする。
【0036】上記ステップS15の判定がNOのときに
は、ステップS19でショックアブソーバ1〜4の現在の
減衰係数DkiがD4 であるか否かを判定する。この判定
がYESのときには、ステップS20で第1頻度カウンタ
C1 が10であるか否かを判定する。当初、この判定は
NOとなり、ステップS21で第1頻度カウンタC1 を1
カウントアップするとともに第1頻度フラグCf1を0に
リセットし、リターンする。そして、第1頻度カウンタ
C1 が10を越えたとき、つまりショックアブソーバ1
〜4の減衰係数DkiとしてD4 が連続して10回選択使
用されたときには、ステップS22において、上記不感帯
領域の下限しきい値βi をβb からβc (βb <βc )
に変更するとともに、第1頻度フラグCf1を1にセット
し、第1頻度カウンタC1 及び第1タイマーt1 をそれ
ぞれ0にリセットし、しかる後、リターンする。上記ス
テップS19の判定がNOのときには、ステップS23で第
1頻度カウンタC1 及び第1頻度フラグCf1をそれぞれ
0にリセットし、リターンする。
【0037】上記ステップS18又はS22で第1頻度フラ
グCf1を1にセットしたとき、つまり不感帯領域の上限
しきい値αi 又は下限しきい値βi を変更したときに
は、その後の制御サイクルにおいて、ステップS12から
ステップS13を経てステップS24へ移行し、第1タイマ
ーt1 を1カウントアップする。そして、この制御サイ
クルが10回繰り返され、ステップS13で第1タイマー
t1 が10を越えたときには、ステップS14へ移行し、
不感帯領域の上限しきい値αi 又は下限しきい値βi を
元のαb 又はβb に戻す。
【0038】一方、上記ステップS11の判定がNOの低
車速時には、ステップS25で第2頻度フラグCf2が1に
セットされているか否かを判定する。該第2頻度フラグ
Cf2は、上記第1頻度フラグCf1と同じく、ショックア
ブソーバ1〜4の所定の減衰係数Dkiが選択使用される
使用頻度が高いときに1にセットされるものである。従
って、制御開始時には0にリセットされており、ステッ
プS26をスキップしてステップS27へ移行し、ショック
アブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御における不
感帯領域のしきい値αi ,βi にαa ,βa を設定す
る。
【0039】しかる後、ステップS28でショックアブソ
ーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD3 であるか否かを
判定する。この判定がYESのときには、ステップS29
で第2頻度カウンタC2 が10であるか否かを判定す
る。当初、この判定はNOとなり、ステップS30で第2
頻度カウンタC2 を1カウントアップするとともに第2
頻度フラグCf2を0にリセットし、リターンする。そし
て、第2頻度カウンタC2 が10を越えたとき、つまり
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD3 が
連続して10回選択使用されたときには、ステップS31
において、上記不感帯領域の上限しきい値αi をαa か
らαb (αa >αb )に変更するとともに、第2頻度フ
ラグCf2を1にセットし、第2頻度カウンタC2 及び第
2タイマーt2 をそれぞれ0にリセットし、しかる後、
リターンする。上記ステップS28の判定がNOのときに
は、ステップS32で第2頻度カウンタC2 及び第2頻度
フラグCf2にそれぞれ0にリセットし、リターンする。
【0040】上記ステップS31で第2頻度フラグCf2を
1にセットしたとき、つまり不感帯領域の上限しきい値
αi をαb に変更したときには、その後の制御サイクル
において、ステップS25からステップS26を経てステッ
プS33へ移行し、第2タイマーt2 を1カウントアップ
する。そして、この制御サイクルが10回繰り返され、
ステップS26で第2タイマーt2 が10を越えたときに
は、ステップS27へ移行し、不感帯領域の上限しきい値
αi を元のαa に戻す。
【0041】ここで、上記不感帯領域のしきい値αi ,
βi として設定されるαa 〜αc ,βa 〜βc は、 αa >αb >αc >1 … 0<βa <βb <βc <1 … の大小関係がある。従って、ステップS14で設定した上
限しきい値αb を、ステップS18でこれよりも小さいα
c に変更することは、及びステップS27で設定した上限
しきい値αa を、ステップS31でこれよりも小さいαb
に変更することは、それぞれショックアブソーバ1〜4
の減衰係数Dkiが高い方に変更し易くなることを意味
し、ステップS14で設定した下限しきい値βb を、ステ
ップS22でこれよりも大きいβc に変更することはショ
ックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが低い方に変更し
易くなることを意味する。
【0042】以上のフローチャートのうち、ステップS
15〜S17,S19〜S21,S28〜S30により、請求項1記
載の発明にいう、上記減衰係数制御手段62の制御の下
にショックアブソーバ1〜4の所定の減衰係数D6 ,D
4 ,D3 が選択使用される使用頻度を計測する使用頻度
計測手段64が構成されている。また、フローチャート
全体により、請求項1記載の発明にいう、上記使用頻度
に応じて、上記規制手段63の規制内容である不感帯領
域のしきい値αi ,βi を変更する規制内容変更手段6
5が構成され、該規制内容変更手段65は、ショックア
ブソーバ1〜4の高い減衰係数D6 又はD3 の使用頻度
が高いときにはショックアブソーバ1〜4の減衰係数が
高い方に変更し易くなり、ショックアブソーバ1〜4の
低い減衰係数D4 の使用頻度が高いときにはショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数が低い方に変更し易くなるよ
うに不感帯領域のしきい値αi ,βi を所定時間変更す
るようになっている。
【0043】次に、上記第1実施例の作用・効果につい
て説明するに、車両の走行時にショックアブソーバ1〜
4が伸縮作動するとき、コントロールユニット8、特に
減衰係数制御手段62の制御の下に、ショックアブソー
バ1〜4の実際に発生する減衰力Fs が目標の減衰力で
あるスカイフックダンパー力Fa となるようショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数DkiがD1 〜D10の間で変更
されるので、ばね上の上下変動を可及的に抑制すること
ができる。この際、実際の減衰力Fs とスカイフックダ
ンパー力Fa との差が不感帯領域内のときには、減衰係
数Dkiの変更が禁止されるので、減衰係数Dkiが頻繁に
変更されることを防止できる。
【0044】しかも、上記ショックアブソーバ1〜4の
高い減衰係数D6 又はD3 の使用頻度が高いときには上
記不感帯領域の上限しきい値αi が基準しきい値αb 又
はαa からそれよりも小さいαc 又はαb に所定時間変
更され、ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが高
い方に変更し易くなる。逆に、上記ショックアブソーバ
1〜4の低い減衰係数D4 の使用頻度が高いときには上
記不感帯領域の下限しきい値βi が基準しきい値βb か
らそれよりも大きいβc に所定時間変更され、ショック
アブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが低い方に変更し易く
なる。この結果、ショックアブソーバ1〜4の減衰係数
Dkiの迅速な変更によりばね上の上下変動の抑制効果を
より高めることができ、操安性及び乗心地の向上を高い
次元で図ることができる。
【0045】さらに、本実施例では、上記不感帯領域の
基準しきい値αi ,βi を、車速Vに応じて変更してい
る。つまり、高車速時の基準上限しきい値αb は低車速
時の基準上限しきい値αa よりも小さく、高車速時の基
準下限しきい値βb は低車速時の基準下限しきい値βa
よりも大きいため、高車速時では低車速時より最適な減
衰係数Dkiに迅速に移行することができ、車速に応じて
減衰係数Dkiの変更制御を適切に行うことができる。
【0046】図13は本発明の第2実施例に係わる減衰
係数限定ルーチンのフローチャートであり、この減衰係
数限定ルーチンは、ショックアブソーバ1〜4の減衰係
数Dkiを変更制御する基本制御に先立って行われるもの
である。尚、第2実施例では、サスペンション装置のハ
ード的構成は、第1実施例のそれと全く同じであるの
で、その部品等を引用するときは、第1実施例の場合の
符号を使用する。
【0047】図13において、スタートした後、先ず始
めに、ステップS41で車速センサ15により検出された
車速Vが所定値a以上の高車速時であるか否かを判定す
る。この判定がYESの高車速時には、ステップS42で
第1頻度フラグCf1が1にセットされているか否かを判
定する。制御開始時には該第1頻度フラグCf1は0にリ
セットされており、ステップS43をスキップしてステッ
プS44へ移行し、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰
係数DHiにD6 を、下限減衰係数DSiにD4 を各々設定
する。
【0048】しかる後、ステップS45でショックアブソ
ーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD6 であるか否かを
判定する。この判定がYESのときには、ステップS46
で第1頻度カウンタC1 が10であるか否かを判定す
る。当初、この判定はNOとなり、ステップS47で第1
頻度カウンタC1 を1カウントアップするとともに第1
頻度フラグCf1を0にリセットし、リターンする。そし
て、第1頻度カウンタC1 が10を越えたとき、つまり
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD6 が
連続して10回選択使用されたときには、ステップS48
において、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係数D
HiをD6 からD10に変更するとともに、第1頻度フラグ
Cf1を1にセットし、第1頻度カウンタC1 及び第1タ
イマーt1をそれぞれ0にリセットし、しかる後、リタ
ーンする。
【0049】上記ステップS45の判定がNOのときに
は、ステップS49でショックアブソーバ1〜4の現在の
減衰係数DkiがD4 であるか否かを判定する。この判定
がYESのときには、ステップS50で第1頻度カウンタ
C1 が10であるか否かを判定する。当初、この判定は
NOとなり、ステップS51で第1頻度カウンタC1 を1
カウントアップするとともに第1頻度フラグCf1を0に
リセットし、リターンする。そして、第1頻度カウンタ
C1 が10を越えたとき、つまりショックアブソーバ1
〜4の減衰係数DkiとしてD4 が連続して10回選択使
用されたときには、ステップS52において、ショックア
ブソーバ1〜4の下限減衰係数DSiをD4からD1 に変
更するとともに、第1頻度フラグCf1を1にセットし、
第1頻度カウンタC1 及び第1タイマーt1 をそれぞれ
0にリセットし、しかる後、リターンする。上記ステッ
プS49の判定がNOのときには、ステップS53で第1頻
度カウンタC1 及び第1頻度フラグCf1にそれぞれ0に
リセットし、リターンする。
【0050】上記ステップS48又はS52で第1頻度フラ
グCf1を1にセットしたとき、つまりショックアブソー
バ1〜4の上限減衰係数DHi又は下限減衰係数DSiを変
更したときには、その後の制御サイクルにおいて、ステ
ップS42からステップS43を経てステップS54へ移行
し、第1タイマーt1 を1カウントアップする。そし
て、この制御サイクルが10回繰り返され、ステップS
43で第1タイマーt1 が10を越えたときには、ステッ
プS44へ移行し、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰
係数DHi又は下限減衰係数DSiを元のD6 又はD4 に戻
す。
【0051】一方、上記ステップS41の判定がNOの低
車速時には、ステップS55で第2頻度フラグCf2が1に
セットされているか否かを判定する。制御開始時には該
第2頻度フラグCf2は0にリセットされており、ステッ
プS56をスキップしてステップS57へ移行し、ショック
アブソーバ1〜4の上限減衰係数DHiにD3 を、下限減
衰係数DSiにD1 を各々設定する。
【0052】しかる後、ステップS58でショックアブソ
ーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD3 であるか否かを
判定する。この判定がYESのときには、ステップS59
で第2頻度カウンタC2 が10であるか否かを判定す
る。当初、この判定はNOとなり、ステップS60で第2
頻度カウンタC2 を1カウントアップするとともに第2
頻度フラグCf2を0にリセットし、リターンする。そし
て、第2頻度カウンタC2 が10を越えたとき、つまり
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD3 が
連続して10回選択使用されたときには、ステップS61
において、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係数D
HiをD3 からD6 に変更するとともに、第2頻度フラグ
Cf2を1にセットし、第2頻度カウンタC2 及び第2タ
イマーt2をそれぞれ0にリセットし、しかる後、リタ
ーンする。上記ステップS58の判定がNOのときには、
ステップS62で第2頻度カウンタC2 及び第2頻度フラ
グCf2にそれぞれ0にリセットし、リターンする。
【0053】上記ステップS61で第2頻度フラグCf2を
1にセットしたとき、つまりショックアブソーバ1〜4
の上限減衰係数DHiをD6 に変更したときには、その後
の制御サイクルにおいて、ステップS55からステップS
56を経てステップS63へ移行し、第2タイマーt2 を1
カウントアップする。そして、この制御サイクルが10
回繰り返され、ステップS56で第2タイマーt2 が10
を越えたときには、ステップS57へ移行し、ショックア
ブソーバ1〜4の上限減衰係数DHiを元のD3に戻す。
【0054】第2実施例の場合、ショックアブソーバ1
〜4の減衰係数Dkiを変更制御する基本制御は、図10
に示す第1実施例のそれと基本的には同じであるが、ス
テップS8 とS9 との間に、ショックアブソーバ1〜4
の減衰係数Dkiの変更制御における減衰係数の範囲を限
定する処理ステップが設けられる。つまり、ショックア
ブソーバ1〜4の現在の減衰係数Dkiが上限減衰係数D
Hiであるときには、Y1i>0であってもそれ以上にハー
ド側に変更されることはなくDHiに保持され、ショック
アブソーバ1〜4の現在の減衰係数Dkiが下限減衰係数
DSiであるときには、Y2i<0であってもそれ以上にソ
フト側に変更されることはなくDSiに保持される。よっ
て、第2実施例では、上記処理ステップは、ショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御に対し所定の
規制を加える規制手段を構成している。
【0055】図13のフローチャートのうち、ステップ
S45〜S47,S49〜S51,S58〜S60により、ショック
アブソーバ1〜4の所定の減衰係数D6 ,D4 ,D3 が
選択使用される使用頻度を計測する使用頻度計測手段7
1が構成されている。また、フローチャート全体によ
り、上記使用頻度に応じて、上記規制手段の規制内容で
ある減衰係数Dkiの範囲を変更する規制内容変更手段7
2が構成され、該規制内容変更手段72は、上記規制手
段により限定された減衰係数のうち、最も高い減衰係数
D6 又はD3 の使用頻度が高いときには該規制手段によ
り限定される減衰係数Dkiの範囲を高い減衰係数の方に
所定時間拡大し、最も低い減衰係数D4 の使用頻度が高
いときには上記減衰係数の範囲を低い減衰係数の方に所
定時間拡大するようになっている。
【0056】次に、上記第2実施例の作用・効果につい
て説明するに、車両の高速走行時には、ショックアブソ
ーバ1〜4の上限減衰係数DHiにD6 が、下限減衰係数
DSiにD4 が各々設定され、このD4 〜D6 の間で、シ
ョックアブソーバ1〜4の実際に発生する減衰力Fs が
目標の減衰力であるスカイフックダンパー力Fa となる
ようショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが変更さ
れる。また、車両の低速走行時には、ショックアブソー
バ1〜4の上限減衰係数DHiにD3 が、下限減衰係数D
SiにD1 が各々設定され、このD1 〜D3 の間で、ショ
ックアブソーバ1〜4の実際に発生する減衰力Fs がス
カイフックダンパー力Fa となるようショックアブソー
バ1〜4の減衰係数Dkiが変更される。この結果、ばね
上の上下振動を抑制することができるとともに、ショッ
クアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更による音や振
動の発生を抑制することができる。
【0057】しかも、上記ショックアブソーバ1〜4の
上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiは、高車速時で
は高い減衰係数に設定され、低車速時では低い減衰係数
に設定されるため、高車速時で操安性を高めることがで
きるとともに、低車速時で乗心地を高めることができ
る。
【0058】さらに、上記ショックアブソーバ1〜4の
上限減衰係数DHiとしてのD6 又はD3 の使用頻度が高
いときには、該上限減衰係数DHiがより高い減衰係数D
10又はD6 に所定時間変更され、ショックアブソーバ1
〜4の減衰係数Dkiがより高い方に変更されるようにな
る。逆に、上記ショックアブソーバ1〜4の下限減衰係
数DSiとしてのD4 の使用頻度が高いときには、該下限
減衰係数DSiがより低い減衰係数D1 に所定時間変更さ
れ、ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiがより低
い方に変更されるようになる。この結果、ショックアブ
ソーバ1〜4の減衰係数Dkiの範囲を限定していること
に拘らず、該減衰係数Dkiを適切に変更制御してばね上
の上下変動の抑制効果をより高めることができ、操安性
及び乗心地の向上を高い次元で図ることができる。
【0059】図14〜図16は本発明の第3実施例に係
わる減衰係数限定ルーチンのフローチャートであり、こ
の減衰係数限定ルーチンは、ショックアブソーバ1〜4
の減衰係数Dkiを変更制御する基本制御に先立って行わ
れるものである。尚、第3実施例では、サスペンション
装置のハード的構成は、第1実施例のそれと全く同じで
あるので、その部品等を引用するときは、第1実施例の
場合の符号を使用する。
【0060】図14〜図16において、スタートした
後、先ず始めに、ステップS101 で車速センサ15によ
り検出された車速Vが所定値a以上の高車速時であるか
否かを判定する。この判定がYESの高車速時には、ス
テップS102 で第1頻度フラグCf1が1にセットされて
いるか否かを判定する。制御開始時には該第1頻度フラ
グCf1は0にリセットされており、ステップS103 をス
キップしてステップS104 へ移行し、ショックアブソー
バ1〜4の上限減衰係数DHiにD10を、下限減衰係数D
SiにD4 を各々設定する。
【0061】しかる後、ステップS105 でショックアブ
ソーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD10であるか否か
を判定する。この判定がYESのときには、ステップS
106で第10頻度カウンタC10が10であるか否かを判
定する。当初、この判定はNOとなり、ステップS107
で第10頻度カウンタC10を1カウントアップするとと
もに、第1頻度フラグCf1及び第4〜第9頻度カウンタ
C4 〜C9 を各々0にリセットし、リターンする。そし
て、第10頻度カウンタC10が10を越えたとき、つま
りショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD10
が連続して10回選択使用されたときには、ステップS
108 において、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係
数DHiをD10のまま維持しかつ下限減衰係数DSiをD4
からD10に変更するとともに、第1頻度フラグCf1を1
にセットし、第10頻度カウンタC10及び第1タイマー
t1 をそれぞれ0にリセットし、しかる後、リターンす
る。
【0062】上記ステップS105 の判定がNOのときに
は、ステップS109 でショックアブソーバ1〜4の現在
の減衰係数DkiがD9 であるか否かを判定する。この判
定がYESのときには、ステップS110 で第9頻度カウ
ンタC9 が10であるか否かを判定する。当初、この判
定はNOとなり、ステップS111 で第9頻度カウンタC
9 を1カウントアップするとともに、第1頻度フラグC
f1、第4〜第8頻度カウンタC4 〜C8 及び第10頻度
カウンタC10を0にリセットし、リターンする。そし
て、第9頻度カウンタC9 が10を越えたとき、つまり
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD9 が
連続して10回選択使用されたときには、ステップS11
2 において、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係数
DHiをD10からD9 に、下限減衰係数DSiをD4 からD
9 に変更するとともに、第1頻度フラグCf1を1にセッ
トし、第9頻度カウンタC9 及び第1タイマーt1 をそ
れぞれ0にリセットし、しかる後、リターンする。
【0063】以下、同様に、ショックアブソーバ1〜4
の減衰係数DkiとしてD4 〜D8 のいずれか一つが連続
して10回選択使用されたときには、ショックアブソー
バ1〜4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiをそ
の使用頻度の高い減衰係数に変更するとともに、第1頻
度フラグCf1を1にセットし、第1タイマーt1 を0に
リセットする(ステップS113 〜S131 )。
【0064】そして、上記第1頻度フラグCf1を1にセ
ットしたとき、つまり高車速時でショックアブソーバ1
〜4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiを使用頻
度の高い減衰係数に変更したときには、その後の制御サ
イクルにおいて、ステップS102 からステップS103 を
経てステップS132 へ移行し、第1タイマーt1 を1カ
ウントアップする。そして、この制御サイクルが10回
繰り返され、ステップS103 で第1タイマーt1 が10
を越えたときには、ステップS104 へ移行し、ショック
アブソーバ1〜4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数
DSiをそれぞれ元のD10及びD4 に戻す。
【0065】一方、上記ステップS101 の判定がNOの
低車速時には、ステップS133 で第2頻度フラグCf2が
1にセットされているか否かを判定する。制御開始時に
は該第2頻度フラグCf2は0にリセットされており、ス
テップS134 をスキップしてステップS135 へ移行し、
ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係数DHiにD3
を、下限減衰係数DSiにD1 を各々設定する。
【0066】しかる後、ステップS136 でショックアブ
ソーバ1〜4の現在の減衰係数DkiがD3 であるか否か
を判定する。この判定がYESのときには、ステップS
137で第3頻度カウンタC3 が10であるか否かを判定
する。当初、この判定はNOとなり、ステップS138 で
第3頻度カウンタC3 を1カウントアップするととも
に、第2頻度フラグCf2、第1及び第2頻度カウンタC
1 ,C2 をそれぞれ0にリセットし、リターンする。そ
して、第3頻度カウンタC3 が10を越えたとき、つま
りショックアブソーバ1〜4の減衰係数DkiとしてD3
が連続して10回選択使用されたときには、ステップS
139 において、ショックアブソーバ1〜4の上限減衰係
数DHiをD3 のまま維持しかつ下限減衰係数DSiをD1
からD3 に変更するとともに、第2頻度フラグCf2を1
にセットし、第3頻度カウンタC3及び第2タイマーt2
をそれぞれ0にリセットし、しかる後、リターンす
る。
【0067】上記ステップS136 の判定がNOのときに
は、ステップS140 でショックアブソーバ1〜4の現在
の減衰係数DkiがD2 であるか否かを判定する。この判
定がYESのときには、ステップS141 で第2頻度カウ
ンタC2 が10であるか否かを判定する。当初、この判
定はNOとなり、ステップS142 で第2頻度カウンタC
2 を1カウントアップするとともに、第2頻度フラグC
f2、第1及び第3頻度カウンタC1 ,C3 を0にそれぞ
れリセットし、リターンする。そして、第2頻度カウン
タC2 が10を越えたとき、つまりショックアブソーバ
1〜4の減衰係数DkiとしてD2 が連続して10回選択
使用されたときには、ステップS143 において、ショッ
クアブソーバ1〜4の上限減衰係数DHiをD3 からD2
に、下限減衰係数DSiをD1 からD2 に変更するととも
に、第2頻度フラグCf2を1にセットし、第2頻度カウ
ンタC2 及び第2タイマーt2 をそれぞれ0にリセット
し、しかる後、リターンする。
【0068】上記ステップS140 の判定がNOのとき、
つまりショックアブソーバ1〜4の現在の減衰係数Dki
がD1 であるときには、ステップS144 で第1頻度カウ
ンタC1 が10であるか否かを判定する。当初、この判
定はNOとなり、ステップS145 で第1頻度カウンタC
1 を1カウントアップするとともに、第2頻度フラグC
f2、第2及び第3頻度カウンタC2 ,C3 をそれぞれ0
にリセットし、リターンする。そして、第1頻度カウン
タC1 が10を越えたとき、つまりショックアブソーバ
1〜4の減衰係数DkiとしてD1 が連続して10回選択
使用されたときには、ステップS146 において、ショッ
クアブソーバ1〜4の下限減衰係数DSiをD1 のまま維
持しかつ上限減衰係数DHiをD3 からD1 に変更すると
ともに、第2頻度フラグCf2を1にセットし、第1頻度
カウンタC1 及び第2タイマーt2 をそれぞれ0にリセ
ットし、しかる後、リターンする。
【0069】そして、上記第2頻度フラグCf2を1にセ
ットしたとき、つまり低車速時でショックアブソーバ1
〜4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiを使用頻
度の高い減衰係数に変更したときには、その後の制御サ
イクルにおいて、ステップS133 からステップS134 を
経てステップS147 へ移行し、第2タイマーt2 を1カ
ウントアップする。そして、この制御サイクルが10回
繰り返され、ステップS134 で第2タイマーt2 が10
を越えたときには、ステップS135 へ移行し、ショック
アブソーバ1〜4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数
DSiをそれぞれ元のD3 ,D1 に戻す。
【0070】第3実施例の場合、ショックアブソーバ1
〜4の減衰係数Dkiを変更制御する基本制御は、図10
に示す第1実施例のそれと基本的には同じであるが、ス
テップS8 とS9 との間に、ショックアブソーバ1〜4
の減衰係数Dkiの変更制御における減衰係数の範囲を限
定する処理ステップが設けられる。つまり、ショックア
ブソーバ1〜4の現在の減衰係数Dkiが上限減衰係数D
Hiであるときには、Y1i>0であってもそれ以上にハー
ド側に変更されることはなくDHiに保持され、ショック
アブソーバ1〜4の現在の減衰係数Dkiが下限減衰係数
DSiであるときには、Y2i<0であってもそれ以上にソ
フト側に変更されることはなくDSiに保持される。よっ
て、第3実施例では、上記処理ステップは、ショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御に対し所定の
規制を加える規制手段を構成している。
【0071】図14〜図16のフローチャートのうち、
ステップS105 〜S107 ,S109 〜S111 ,S136 〜S
138 等により、ショックアブソーバ1〜4の各減衰係数
D1〜D10が選択使用される使用頻度を計測する使用頻
度計測手段81が構成されている。また、フローチャー
ト全体により、上記使用頻度に応じて、上記規制手段の
規制内容である減衰係数Dkiの範囲を変更する規制内容
変更手段82が構成され、該規制内容変更手段82は、
上記規制手段により限定された減衰係数のうちの一つの
減衰係数Dkiの使用頻度が高いときにはショックアブソ
ーバ1〜4が該減衰係数Dkiに所定時間固定されるよう
に、上記規制手段により限定される減衰係数を一つにす
るものである。
【0072】次に、上記第3実施例の作用・効果につい
て説明するに、車両の高速走行時には、ショックアブソ
ーバ1〜4の上限減衰係数DHiにD10が、下限減衰係数
DSiにD4 が各々設定され、このD4 〜D10の間で、シ
ョックアブソーバ1〜4の実際に発生する減衰力Fs が
目標の減衰力であるスカイフックダンパー力Fa となる
ようショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが変更さ
れる。また、車両の低速走行時には、ショックアブソー
バ1〜4の上限減衰係数DHiにD3 が、下限減衰係数D
SiにD1 が各々設定され、このD1 〜D3 の間で、ショ
ックアブソーバ1〜4の実際に発生する減衰力Fs がス
カイフックダンパー力Fa となるようショックアブソー
バ1〜4の減衰係数Dkiが変更される。この結果、ばね
上の上下振動を抑制することができるとともに、ショッ
クアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更による音や振
動の発生を抑制することができる。
【0073】しかも、上記ショックアブソーバ1〜4の
上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiは、高車速時で
は高い減衰係数に設定され、低車速時では低い減衰係数
に設定されるため、高車速時で操安性を高めることがで
きるとともに、低車速時で乗心地を高めることができ
る。
【0074】さらに、上記ショックアブソーバ1〜4の
上限減衰係数DHiと下限減衰係数DSiとの間の減衰係数
のうちの一つの減衰係数の使用頻度が高いときには、上
記上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiが共にその使
用頻度の高い減衰係数に所定時間変更されて、ショック
アブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが該減衰係数に固定さ
れるので、ばね上上下振動の抑制効果を確保することが
できるとともに、ショックアブソーバ1〜4の弾性係数
Dkiの変更による音や振動の発生防止を確実に図ること
ができる。
【0075】尚、本発明は上記第1〜第3実施例に限定
されるものではなく、その他種々の変形例を包含するも
のである。例えば、上記第3実施例では、ショックアブ
ソーバ1〜4の10段の減衰係数DHiのうちの一つの減
衰係数の使用頻度が高いとき、ショックアブソーバ1〜
4の上限減衰係数DHi及び下限減衰係数DSiを共にその
使用頻度の高い減衰係数に変更することでショックアブ
ソーバ1〜4の減衰係数Dkiを該減衰係数に固定するよ
うにしたが、本発明は、第1実施例の如くショックアブ
ソーバ1〜4の変更制御に不感帯領域を設けるものの場
合、該不感帯領域の上限しきい値αi を無限大とし、下
限しきい値βi を0とすることでショックアブソーバ1
〜4の減衰係数Dkiを使用頻度の高い減衰係数に固定す
るようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】以上の如く、本発明における車両のサス
ペンション装置によれば、ショックアブソーバの実際の
減衰力が目標の減衰力となるようショックアブソーバの
減衰係数を変更することでばね上の上下変動を有効に抑
制しながら、上記減衰係数の使用頻度に応じて、ショッ
クアブソーバの減衰係数を適切にかつ迅速に変更するこ
とができるので、操安性及び乗心地の向上を高い次元で
図ることができる。
【0077】特に、請求項2記載の発明では、実際の減
衰力と目標の減衰力との差が不感帯領域内のときショッ
クアブソーバの減衰係数の変更が禁止されるので、減衰
係数の頻繁な変更を防止できるという効果をも有する。
【0078】また、請求項3記載の発明では、ショック
アブソーバの減衰係数が限定された範囲で変更されるの
で、減衰係数の大幅な変更による音や振動の発生を防止
できるという効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わるサスペンション装
置を備える車両の部品レイアウトを示す斜視図である。
【図2】ショックアブソーバの主要部を示す縦断面図で
ある。
【図3】アクチュエータの分解斜視図である。
【図4】サスペンション装置の振動モデルを示す模式図
である。
【図5】ショックアブソーバの減衰係数を示す図であ
る。
【図6】ステップモータの斜視図である。
【図7】ステップモータのロータおよびステータの平面
図である。
【図8】ステップモータの蓋の底面図である。
【図9】サスペンション装置の制御系のブロック構成図
である。
【図10】ショックアブソーバの減衰係数を変更制御す
る基本制御のフローチャート図である。
【図11】しきい値設定ルーチンのフローチャート図で
ある。
【図12】しきい値α,βの意義を説明するための図で
ある。
【図13】第2実施例に係わる減衰係数限定ルーチンの
フローチャート図である。
【図14】第3実施例に係わる減衰係数限定ルーチンの
フローチャートの部分図である。
【図15】同じくフローチャートの部分図である。
【図16】同じくフローチャートの部分図である。
【符号の説明】
1〜4 ショックアブソーバ 8 コントロールユニット 51〜54 圧力センサ(実減衰力検出手段) 61 目標減衰力決定手段 62 減衰係数制御手段 63 規制手段 64,71,81 使用頻度計測手段 65,72,82 規制内容変更手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね上とばね下との間に配設され、減衰
    係数が複数段に変更可能なショックアブソーバと、 該ショックアブソーバが実際に発生する減衰力を検出す
    る実減衰力検出手段と、 ばね上が上下変動しないようなショックアブソーバの目
    標の減衰力を決定する目標減衰力決定手段と、 上記実際の減衰力が上記目標の減衰力となるようショッ
    クアブソーバの減衰係数を変更制御する減衰係数制御手
    段と、 該減衰係数制御手段の変更制御に対し所定の規制を加え
    る規制手段と、 上記減衰係数制御手段の制御の下にショックアブソーバ
    の所定の減衰係数が選択使用される使用頻度を計測する
    使用頻度計測手段と、 上記使用頻度に応じて、上記規制手段の規制内容を変更
    する規制内容変更手段とを備えたことを特徴とする車両
    のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 上記規制手段は、実際の減衰力と目標の
    減衰力との差が所定の不感帯領域内のときショックアブ
    ソーバの減衰係数の変更を禁止するものであり、上記規
    制内容変更手段は、上記不感帯領域のしきい値を変更す
    るものである請求項1記載の車両のサスペンション装
    置。
  3. 【請求項3】 上記規制手段は、ショックアブソーバが
    変更可能な複数段の減衰係数の中からそれよりも少ない
    数の減衰係数を限定し、その限定された減衰係数間での
    み変更するように規制するものであり、上記規制内容変
    更手段は、該規制手段により限定される減衰係数の範囲
    を変更するものである請求項1記載の車両のサスペンシ
    ョン装置。
  4. 【請求項4】 上記規制内容変更手段は、ショックアブ
    ソーバの高い減衰係数の使用頻度が高いときにはショッ
    クアブソーバの減衰係数が高い方に変更し易くなり、シ
    ョックアブソーバの低い減衰係数の使用頻度が高いとき
    にはショックアブソーバの減衰係数が低い方に変更し易
    くなるように不感帯領域のしきい値を所定時間変更する
    ものである請求項2記載の車両のサスペンション装置。
  5. 【請求項5】 上記規制内容変更手段は、規制手段によ
    り限定された減衰係数のうち、最も高い減衰係数の使用
    頻度が高いときには該規制手段により限定される減衰係
    数の範囲を高い減衰係数の方に所定時間拡大し、最も低
    い減衰係数の使用頻度が高いときには上記減衰係数の範
    囲を低い減衰係数の方に所定時間拡大するものである請
    求項3記載の車両のサスペンション装置。
  6. 【請求項6】 上記規制内容変更手段は、規制手段によ
    り限定された減衰係数のうちの一つの減衰係数の使用頻
    度が高いときにはショックアブソーバが該減衰係数に所
    定時間固定されるように、上記規制手段により限定され
    る減衰係数を一つにするものである請求項3記載の車両
    のサスペンション装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100709011B1 (ko) * 2001-09-12 2007-04-18 주식회사 만도 차량의 댐퍼 제어 방법

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