JP3017308B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP3017308B2
JP3017308B2 JP3090822A JP9082291A JP3017308B2 JP 3017308 B2 JP3017308 B2 JP 3017308B2 JP 3090822 A JP3090822 A JP 3090822A JP 9082291 A JP9082291 A JP 9082291A JP 3017308 B2 JP3017308 B2 JP 3017308B2
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    • B60G2400/82Ground surface
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2500/00Indexing codes relating to the regulated action or device
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    • B60G2600/00Indexing codes relating to particular elements, systems or processes used on suspension systems or suspension control systems
    • B60G2600/02Retarders, delaying means, dead zones, threshold values, cut-off frequency, timer interruption
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/16Running
    • B60G2800/162Reducing road induced vibrations

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関するものであり、さらに詳細には、ばね上とば
ね下との間に、減衰力特性が可変なショックアブソーバ
を備えた車両のサスペンション装置に関するものであ
る。
【0002】
【先行技術】従来の車両のサスペンション装置において
は、車体側、すなわち、ばね上と、車輪側、すなわち、
ばね下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのシ
ョックアブソーバが設けられているのが一般である。こ
のショックアブソーバとして、減衰力特性を変化させる
ことのできるものが知られており、減衰力特性可変式の
ショックアブソーバとしては、減衰力特性が高低2段も
しくは多段に変更可能なもの、あるいは、無段連続的に
変更可能なものが提案されている。
【0003】かかる減衰力可変式のショックアブソーバ
においては、ショックアブソーバが発生する減衰力が、
車体の上下振動に対して、加振方向に働くときに、ショ
ックアブソーバの減衰力を低減衰側、すなわち、ソフト
側に変更し、他方、減衰力が制振方向に働くときは、シ
ョックアブソーバの減衰力を高減衰側、すなわち、ハー
ド側に変更して、ばね上に伝達される加振エネルギーに
対して、制振エネルギーを大きくし、車両の乗り心地お
よび走行安定性を同時に向上させるように制御されるの
が通常であり、特開昭60−248419号公報は、ば
ね上とばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下と
の相対速度の向きとが一致するか否かに基づき、一致し
たときには、減衰力が加振方向に働いていると判定し、
他方、一致していないときは、減衰力が制振方向に働い
ていると判定し、制御するようにした方法を開示してい
る。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】このように、ばね上と
ばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対
速度の向きとが一致するか否かに基づき、減衰力の変更
制御する減衰力可変式のショックアブソーバにおいて
は、一般に、ステアリングホィールのわずかな操作によ
り、ばね上とばね下との相対変位の向きと、ばね上とば
ね下との相対変位速度の向きとが、煩雑に、一致、不一
致を繰り返すため、減衰力特性をハードに維持すべき高
旋回状態において、突然、減衰力特性が、ソフトに切り
換えられて、走行安定性を低下させたり、バンプ時に、
車輪に突き上げ力が作用すると、車輪がバンプストッパ
に当たり、大きな音や振動が発生したり、リバウンド時
に、車輪がリバウンドストッパに当たり、大きな音や振
動が発生したり、あるいは、減衰力特性が、ソフト側に
大きく変更されるときは、ショックアブソーバの圧力変
動に起因して、大きな音や振動が発生したりするという
問題があった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、ばね上とばね下との間に、シ
ョックアブソーバを備え、車体の上下振動に応じて、前
記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御する制御
手段を備えた車両のサスペンション装置において、走行
安定性に優れ、バンプ時やリバウンド時に、車輪がスト
ッパに当たり、大きな音や振動が生ずることを、確実に
防止するとともに、減衰力特性の変更による大きな音や
振動の発生を効果的に防止することのできる車両のサス
ペンション装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、前記制御手段
が、前記ショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感
度を変更するしきい値を、ばね上とばね下とのストロー
ク量が、第1の所定値以下のとき、または、第2の所定
値以上のときに、基準しきい値から、減衰力特性の変更
制御感度が、ソフトになりにくく、かつ、ハードになり
やすいような補正しきい値に変更するとともに、ばね上
とばね下とのストローク量が、前記第1の所定値以下に
なったために、前記補正しきい値に変更されたときは、
ばね上とばね下とのストローク量が、前記第1の所定値
より大きい第3の所定値以上になったときに、前記補正
しきい値を、前記基準しきい値に変更し、ばね上とばね
下とのストローク量が、前記第2の所定値以上になった
ために、前記補正しきい値に変更されたときは、ばね上
とばね下とのストローク量が、前記第2の所定値より小
さい第4の所定値以下になったときに、前記補正しきい
値を、前記基準しきい値に変更するしきい値設定手段を
備えることによって達成される。
【0007】
【発明の作用】本発明によれば、車体の上下振動に応じ
て、ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御する制
御手段が、ショックアブソーバの減衰力特性の変更制御
感度を変更するしきい値を、ばね上とばね下とのストロ
ーク量が、第1の所定値以下のとき、または、第2の所
定値以上のときに、基準しきい値から、減衰力特性の変
更制御感度が、ソフトになりにくく、かつ、ハードにな
りやすいような補正しきい値に変更するしきい値設定手
段を備えているので、高旋回状態においては、ショック
アブソーバの減衰力特性は、ソフトになりにくく、か
つ、ハードになりやすく、したがって、走行安定性を十
分に確保することが可能になるし、バンプ時やリバウン
ド時に、車輪が、バンプストッパやリバウンドストッパ
に当たることも、また、ショックアブソーバの減衰力特
性が、ソフト側に大きく変更されることも防止されるか
ら、ショックアブソーバの圧力変動に起因して、大きな
音や振動が発生したりすることを効果的に防止すること
ができ、さらには、しきい値設定手段は、ばね上とばね
下とのストローク量が、第1の所定値以下になったため
に、補正しきい値に変更されたときは、ばね上とばね下
とのストローク量が、第1の所定値より大きい第3の所
定値以上になったときに、補正しきい値を、基準しきい
値に変更し、ばね上とばね下とのストローク量が、第2
の所定値以上になったために、補正しきい値に変更され
たときは、ばね上とばね下とのストローク量が、第2の
所定値より小さい第4の所定値以下になったときに、補
正しきい値を、基準しきい値に変更するように構成され
ているから、走行安定性を確保すべく、ショックアブソ
ーバの減衰力特性の変更制御感度を変更するしきい値
を、基準しきい値から、減衰力特性の変更制御感度が、
ソフトになりにくく、かつ、ハードになりやすいような
補正しきい値に変更したにもかかわらず、ばね上とばね
下とのストローク量のわずかな変動により、しきい値
が、基準しきい値に復帰してしまい、ショックアブソー
バの減衰力特性が、ソフトになって、走行安定性を確保
すべき走行状態において、走行安定性が低下すること
を、確実に防止することが可能になる。
【0008】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好ましい
実施例につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の
好ましい実施例に係る車両のサスペンション装置を含む
車両の略斜視図である。
【0009】図1において、本発明の好ましい実施例に
係る車両のサスペンション装置は、各車輪に対応して設
けられ、各車輪の上下振動を減衰させるたショックアブ
ソーバ1、2、3、4を備えている。各ショックアブソ
ーバ1、2、3、4は、それぞれ、図示しないアクチュ
エータにより、減衰係数が異なった10の減衰力特性に
切り換え可能に構成されており、また、図示しない圧力
センサを備えている。図1において、5は左前輪、6は
左後輪であり、右前輪および右後輪は図示されていな
い。また、7は、各ショックアブソーバ1、2、3、4
の上部外周に配設されたコイルスプリングであり、8
は、各ショックアブソーバ1、2、3、4のアクチュエ
ータに対して、制御信号を出力して、各ショックアブソ
ーバ1、2、3、4の減衰力特性を変更制御するコント
ロールユニットである。
【0010】また、車両9のばね上には、各車輪のばね
上の上下方向の加速度を検出する第1加速度センサ1
1、第2加速度センサ12、第3加速度センサ13、第
4加速度センサ14が、インストルパネルのメータ内に
は、車速を検出する車速センサ15が、また、車両9の
重心には、横加速度センサ16が、それぞれ、設けられ
ている。図1において、17は、ショックアブソーバ
1、2、3、4の減衰力特性の制御を、ドライバーが、
ハードモード、ソフトモードまたはコントロールモード
のいずれかに切り換えるモード選択スィッチを示し、ハ
ードモードが選択されたときは、減衰力特性がハードに
なるような範囲の減衰係数のみが選択され、その範囲内
でのみ、ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特
性の変更制御がなされ、ソフトモードが選択されたとき
は、減衰力特性がソフトになるような範囲の減衰係数の
みが選択され、その範囲内でのみ、ショックアブソーバ
1、2、3、4の減衰力特性の変更制御がなされるが、
コントロールモードが選択されたときは、あらかじめ、
コントロールユニット8内に記憶されたマップあるいは
テーブルにしたがって、所定のように、ショックアブソ
ーバ1、2、3、4の減衰力特性の変更制御がなされる
ようになっている。
【0011】図2は、左前輪に対して設けられたショッ
クアブソーバ1の要部略断面図である。ただし、圧力セ
ンサは、便宜上、省略されている。図2において、ショ
ックアブソーバ1は、シリンダ21を備え、シリンダ2
1内には、ピストンとピストンロッドが一体的に結合さ
れたピストンユニット22が摺動可能に嵌装されてい
る。シリンダ21およびピストンユニット22は、それ
ぞれ、ばね下およびばね上に結合されている。
【0012】ピストンユニット22には、2つのオリフ
ィス23、24が形成されている。一方のオリフィス2
3は常に開いており、他方のオリフィス24は、それぞ
れ、第1アクチュエータ41により、その通路面積が、
10段階に変更可能に形成されている。図3は、ショッ
クアブソーバ1に設けられた第1アクチュエータ41の
分解略斜視図であり、図2および図3に示されるよう
に、第1アクチュエータ41は、ピストンユニット22
に固定されたスリーブ25内に、回転自在に設けられた
シャフト26と、シャフト26を回転させるステップモ
ータ27と、シャフト26の下端部に一体に取付けら
れ、その円周に沿って、9つの円形孔28を有する第1
オリフィスプレート29と、スリーブ25の下端部に一
体的に設けられ、その円周に沿って、円弧状の長孔30
が形成された第2オリフィスプレート31を備えてい
る。ここに、第1オリフィスプレート29に形成された
9つの円形孔28と、第2オリフィスプレート31に形
成された長孔30は、ステップモータ27の回転による
シャフト26および第1オリフィスプレート29の回転
にしたがって、9つの円形孔28が、0ないし9個の範
囲で、長孔30と連通可能なように形成されている。
【0013】シリンダ21内の上室32および下室33
内は、所定の粘度を有する流体で満たされており、オリ
フィス23、24を通って、上室32および下室33間
を移動可能になっている。図2および図3においては、
ショックアブソーバ1の構造のみを示したが、他の車輪
に対して設けられたショックアブソーバ2、3、4もま
た、図2に示されたショックアブソーバ1と同様の構造
を有しており、それぞれ、図3に示されたのと同様な第
2アクチュエータ42、第3アクチュエータ43、第4
アクチュエータ44を備えている。
【0014】図4は、ショックアブソーバ1、2、3、
4の減衰力特性を示すグラフであり、D1 ないしD10
は、それぞれ、ショックアブソーバ1、2、3、4の減
衰係数を示している。図4において、縦軸は、ショック
アブソーバ1、2、3、4が発生する減衰力を、横軸
は、ばね上の変位速度Xs とばね下の変位速度Xu との
差、すなわち、ばね上とばね下の相対変位速度(Xs −
Xu )を示している。図4に示されるように、ショック
アブソーバ1、2、3、4の減衰力特性は、減衰係数D
1 ないしD10のいずれかを選択することによって、10
段階に変更することが可能なように構成されている。図
4において、D1 は、最もソフトな減衰力を発生させる
減衰係数を、D10は、最もハードな減衰力を発生させる
減衰係数を、それぞれ、示している。ここに、減衰係数
Dk (kは正の整数で、1〜10)は、第1オリフィス
プレート29に形成された9つの円形孔28のうち、
(10−i)個の円形孔28が、第2オリフィスプレー
ト31に形成された長孔30と連通している場合に選択
されるようになっている。したがって、減衰係数D1
は、第1オリフィスプレート29に形成された9つの円
形孔28のすべてが、第2オリフィスプレート31に形
成された長孔30と連通している場合に選択され、減衰
係数D10は、第1オリフィスプレート29に形成された
9つの円形孔28のすべてが、第2オリフィスプレート
31に形成された長孔30と連通している第1オリフィ
スプレート29に形成された9つの円形孔28のいずれ
もが、第2オリフィスプレート31に形成された長孔3
0と連通しないときに選択されることになる。
【0015】図5は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の振動モデル図であり、msはばね上質
量、muはばね下質量、xsはばね上変位、xuはばね
下変位、ksはコイルスプリング7のばね定数、ktは
タイヤのばね定数、Dk はショックアブソーバ1、2、
3、4の減衰係数である。図6は、ステップモータ27
の略斜視図であり、ステップモータ27は、筒状体5
0、筒状体50内に収容されたロータ51、ステータ5
2および蓋53から構成されている。図7は、ロータ5
1およびステータ52の略平面図であり、通常のステッ
プモータと同様に、ロータ51の外周部には、複数の矩
形形状の歯が形成され、ステータ52の内周部には、こ
れと対応して、複数の矩形形状の歯が形成されており、
ステータ52には、ソレノイド54が巻回されている。
ロータ51には、2本のストッパピン55、56が形成
されており、図8に示されるように、蓋53には、スト
ッパピン55、56に対応する位置に、円周方向に2つ
の溝57、58が形成されている。溝57は、ロータ5
1に形成されたストッパピン55と係合して、ステップ
モータ27の可動範囲を規制するものであり、他方、溝
58は、ストッパピン56と係合するものであって、ス
トッパピン55、56を、溝57、58と係合させるこ
とによって、蓋53を被せたときに、ロータ51の重心
が回転中心と一致するように位置合わせを可能とするも
のである。したがって、蓋53の中心から、溝57、5
8の両端部を見た円周角は、溝58の方が、溝57より
大きくなっており、専ら、溝57によって、ステップモ
ータ28の可動範囲が決定されるように、溝57、58
が形成されている。図8において、ロータ51が、時計
方向に回転すると、減衰係数Dk が、より大きくなっ
て、減衰力特性は、よりハードになり、他方、反時計方
向に回転すると、減衰係数Dk が、より小さくなって、
減衰力特性は、よりソフトになるようになっており、ま
た、ロータ51の矩形形状の歯が、ステータ52の隣接
する矩形形状の歯に対向する位置に移動させられたと
き、すなわち、ステップモータ27が、一段回転される
と、減衰係数Dk が1つだけ変化するようになってい
る。従って、ストッパピン55が、溝57の右端部であ
る第1基準位置に位置しているとき、減衰係数Dk は、
D10となり、ショックアブソーバ1が、最もハードな減
衰力を発生し、他方、ストッパピン55が、溝57の左
端部である第2基準位置に位置しているとき、減衰係数
Dk は、D1 となり、ショックアブソーバ1が、最もソ
フトな減衰力を発生するようになっている。
【0016】図9は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の制御系のブロックダイアグラムであ
る。図9において、本発明の実施例に係る車両のサスペ
ンション装置の制御系を構成するコントロールユニット
8は、制御実行手段80と、しきい値設定手段81とを
備えている。
【0017】しきい値設定手段81には、各車輪の第1
車高変位センサ71、第2車高変位センサ72、第3車
高変位センサ73および第4車高変位センサ74の検出
した車高変位xsiの検出信号が入力されており、しきい
値設定手段81は、入力された車高変位xsiに基づき、
あらかじめ記憶しているマップあるいはテーブルにした
がい、ばね上とばね下とのストローク量Siを算出し、
算出されたばね上とばね下とのストローク量Siの値に
したがって、ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰
力特性の変更制御感度を変更するしきい値α、βを設定
して、しきい値信号を、制御実行手段80に出力する。
【0018】制御実行手段80には、ショックアブソー
バ1、2、3、4に、それぞれ設けられた第1圧力セン
サ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ63、第
4圧力センサ64の検出した各ショックアブソーバ1、
2、3、4の減衰力Fsi(ここに、iは、各車輪を示
し、i=1、2、3、4である。)の検出信号、第1加
速度センサ11、第2加速度センサ12、第3加速度セ
ンサ13、第4加速度センサ14の検出したばね上の上
下方向の加速度ai の検出信号、車速センサ15の検出
した車速Vの検出信号、モード選択スィッチ16からの
モード信号およびしきい値設定手段81からのしきい値
信号が入力されており、制御実行手段80は、これらの
入力信号に基づいて、あらかじめ記憶しているマップあ
るいはテーブルにしたがい、制御実行信号を生成して、
第1アクチュエータ41、第2アクチュエータ42、第
3アクチュエータ43、第4アクチュエータ44に出力
し、ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特性を
制御する。
【0019】ここに、減衰力Fsiは、連続値をとり、ば
ね上に対して、上向きに作用するとき、すなわち、ばね
上とばね下間が縮んでいるときに正の値に、下向きに作
用するとき、すなわち、ばね上とばね下間が伸びている
ときに負の値になるように設定され、ばね上の上下方向
の加速度ai は、上向きのときに正の値に、下向きのと
きに負の値になるように、また、車高変位xsiは、上向
きに変位するときに正の値に、下向きに変位するときに
負の値になるように、それぞれ、設定されている。
【0020】図10は、モード選択スィッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合において、走
行状態に応じた減衰係数選択制御のルーチンを示すフロ
ーチャートであり、図10の減衰係数選択制御のルーチ
ンは、減衰係数Dkiの変更が、あまりに頻繁におこなわ
れ、その結果、変更時に、大きな音や振動が生じたり、
応答遅れが生ずることを防止するために、走行状態に応
じて、変更制御し得る減衰係数Dkiの範囲を制限するも
のである。
【0021】図10において、まず、制御実行手段80
に、車速センサ15により検出された車速Vおよび第1
加速度センサ11、第2加速度センサ12、第3加速度
センサ13、第4加速度センサ14の検出したばね上の
上下方向の加速度ai が、それぞれ、入力される。つい
で、制御実行手段80は、車速Vが、低速値である第1
の所定車速V1 、たとえば、3km/h以下か否かを判定す
る。
【0022】その結果、車速Vが、第1の所定車速V1
以下のときは、きわめて低速であるから、スコットや制
動ダイブ防止するため、ショックアブソーバ1、2、
3、4の減衰力特性がハードになるように、制御実行手
段80は、減衰係数DkiをD8iに固定する。他方、車速
Vが、第1の所定車速V1 を越えているときには、さら
に、制御実行手段80は、ばね上の上下方向の加速度a
i の所定時間内の変動量に基づき、悪路を走行中か否か
を判定する。
【0023】その結果、YESのとき、すなわち、悪路
を走行中と判定したときは、制御実行手段80は、さら
に、車速Vが、第3の所定車速V3 、たとえば、50km
/h以上か否かを判定する。その判定結果がYESのと
き、すなわち、車速Vが、第3の所定車速V3 以上であ
ると判定したときは、走行安定性の向上を重視して、制
御実行手段80は、減衰力特性を比較的ハードな範囲内
で変更制御するために、減衰係数Dkiを、D5iないしD
7iの範囲に設定する。
【0024】これに対して、判定結果がNOのとき、す
なわち、車速Vが、所定車速V3 未満であると判定した
ときは、走行安定性と乗り心地の向上の両立を図ること
が可能であるから、制御実行手段80は、減衰力特性
を、比較的ソフトな状態からハードな状態の範囲内で変
更制御することを可能とするために、減衰係数Dkiを、
D3iないしD7iの範囲に設定する。
【0025】他方、悪路ではなく、通常の道路を走行中
であると判定したときは、制御実行手段80は、さら
に、車速Vが第2の所定車速V2 、たとえば、30km/h
以下か否かを判定する。その結果、YESのとき、すな
わち、車速Vが、第2の所定車速V2 以下の低速走行状
態にあると判定したときは、乗り心地の向上を重視する
ため、制御実行手段80は、減衰力特性が比較的ソフト
な範囲内で変更制御されるように、減衰係数Dkiを、D
1iないしD3iの範囲に設定する。
【0026】これに対して、NOのとき、すなわち、車
速Vが、第2所定車速V2 を越えていると判定したとき
は、制御実行手段80は、さらに、車速Vが、第4の所
定車速V4 、たとえば、60km/h以下か否かを判定す
る。その結果、車速Vが、第4の所定車速V4 以下の比
較的中速走行状態にあると判定したときは、走行安定性
と乗り心地の向上させるという2つ要請の両立を図るこ
とが可能であるから、制御実行手段80は、減衰力特性
を、比較的ソフトな状態からハードな状態の範囲内で変
更制御することを可能とするために、減衰係数Dkiを、
D2iないしD6iの範囲に設定する。
【0027】他方、車速Vが、第4の所定車速V4 を越
えていると判定したときは、制御実行手段80は、さら
に、車速Vが、第5の所定車速V5 、たとえば、80km
/h以下か否かを判定する。その結果、YESのとき、す
なわち、車速Vが、第5の所定車速V5 以下の中速走行
状態にあると判定したときは、走行安定性と乗り心地の
向上という2つの要請の両立を図りつつ、ショックアブ
ソーバ1、2、3、4の減衰力特性を、ややハードに変
更制御するために、制御実行手段80は、減衰係数Dki
を、D4iないしD8iの範囲に設定する。
【0028】これに対して、NOのとき、すなわち、車
速Vが、第5の所定車速V5 を越えた高速走行状態にあ
ると判定したときは、走行安定性の向上を重視して、制
御実行手段80は、減衰力特性、がハードな範囲内で変
更制御されるように、減衰係数Dkiを、D7iないしD10
i の範囲に設定する。図11は、モード選択スィッチ1
6により、コントロールモードが選択された場合に実行
される各ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特
性変更制御の基本ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【0029】図11において、まず、制御実行手段80
には、第1加速度センサ11、第2加速度センサ12、
第3加速度センサ13、第4加速度センサ14の検出し
たばね上の上下方向の加速度ai および第1圧力センサ
61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ63、第4
圧力センサ64の検出した減衰力Fsiの検出信号が入力
される。
【0030】ついで、コントロールユニット8は、入力
された上下方向の加速度ai を積分して、ばね上の変位
速度Xsiを算出する。コントロールユニット8は、さら
に、算出されたばね上の変位速度Xsiに所定の定数K
(K<0)を乗じて、理想の減衰力であるスカイフック
減衰力Faiを算出し、式にしたがって、hαを算出
し、hαが正か否かを判定する。
【0031】 hα=Fsi(Fai−αFsi)・・・・・・・・・・・・・ その結果、hαが正であるときは、コントロールユニッ
ト8は、制御実行信号を、hαが正と判定されたショッ
クアブソーバ1、2、3、4の第1アクチュエータ4
1、第2アクチュエータ42、第3アクチュエータ4
3、第4アクチュエータ44に出力して、ステップモー
タ27を、図8において、時計方向に、一段だけ回転さ
せ、減衰係数Dkiが、前回の減衰係数Dkiより1つ大き
いD(k+1)iになるように、すなわち、よりハードになる
ように変更し、他方、hαが正でないと判定したとき
は、コントロールユニット8は、さらに、式にしたが
って、hβを算出し、hβが負か否かを判定する。
【0032】 hβ=Fsi(Fai−βFsi)・・・・・・・・・・・・・ その結果、hβが負でないときは、コントロールユニッ
ト8は、制御信号を出力することなく、すなわち、減衰
係数Dkiが、前回の減衰係数Dkiのまま、保持して、次
のサイクルに移行する。他方、hβが負であるときは、
コントロールユニット8は、制御実行信号を、hβが負
と判定されたショックアブソーバ1、2、3、4の第1
アクチュエータ41、第2アクチュエータ42、第3ア
クチュエータ43、第4アクチュエータ44に出力し
て、ステップモータ27を、図8において、反時計方向
に、一段だけ回転させ、減衰係数Dkiが、前回の減衰係
数Dkiより1つ小さいD(k-1)iになるように、すなわ
ち、よりソフトになるように変更する。
【0033】ここに、しきい値αおよびβは、減衰係数
Dkiの変更が、あまりに頻繁におこなわれ、その結果、
減衰係数Dkiの変更時に、大きな切換え音や振動が発生
したり、応答遅れが生ずることを防止するためのしきい
値であって、通常、α>1および0<β<1に設定され
る。すなわち、FsiとFaiが同符号のときは、式の
(Fai−αFsi)は、α>1であるので、Fsiにαが乗
ぜられていない場合に比して、Fsiと異符号になりやす
く、その結果、hαは負になりやすいから、減衰係数D
kiの変更がおこなわれにくく、さらに、式の(Fai−
βFsi)は、0<β<1であるので、Fsiにβが乗ぜら
れていない場合に比して、Fsiと同符号になりやすく、
その結果、hβは正になりやすいから、減衰係数Dkiの
変更がおこなわれにくくなるように設定されている。
【0034】これに対して、FsiとFaiが異符号の場合
には、実際の減衰力Fsiを、理想的な減衰力であるスカ
イフック減衰力Faiと一致させることは不可能であり、
減衰係数Dkiをゼロに近い値にすること、すなわち、よ
りソフトになるように変更することが、FsiをFaiによ
り近づける上で望ましいことになる。本実施例において
は、FsiとFaiが異符号のときは、hαおよびhβは、
いずれも、負の値となり、その結果、コントロールユニ
ット8によって、減衰係数Dkiは、前回の減衰係数Dki
より1つ小さいD(k-1)iに、すなわち、よりソフトにな
るように変更されるから、かかる要請を満足することが
可能になる。
【0035】なお、図11フローチャートにおいて変更
制御される減衰係数Dkiの範囲は、図10の走行状態に
応じた減衰係数選択制御のルーチンにより制限され、ス
テップモータ27を、図8において、時計方向に、一
段、回転させて、減衰係数Dkiを、前回の減衰係数Dki
より1つ大きいD(k+1)iに変更すべき場合でも、前回の
減衰係数Dkiが、減衰係数選択制御のルーチンに選択さ
れた減衰係数Dkiの上限値に等しい場合には、制御実行
手段80は、減衰係数Dkiを、前回の減衰係数Dkiのま
ま、保持し、また、ステップモータ27を、反時計方向
に、一段、回転させて、減衰係数Dkiが、前回の減衰係
数Dkiより1つ小さいD(k-1)iになるように変更すべき
場合でも、前回の減衰係数Dkiが、減衰係数選択制御の
ルーチンに選択された減衰係数Dkiの下限値に等しい場
合には、制御実行手段80は、減衰係数Dkiを、前回の
減衰係数Dkiのまま、保持する。
【0036】図12は、しきい値設定手段81によって
実行されるしきい値α、βを設定するためのルーチンを
示すフローチャートである。まず、各車輪の第1車高変
位センサ71、第2車高変位センサ72、第3車高変位
センサ73および第4車高変位センサ74の検出した車
高変位xsiの検出信号が、しきい値設定手段81に入力
される。
【0037】しきい値設定手段81は、入力された車高
変位xsiに基づき、ばね上とばね下とのストローク量S
iを、次式にしたがって、算出する。 Si=xsi−xui・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 次いで、しきい値設定手段81は、算出されたばね上と
ばね下とのストローク量Siが、第1の所定値S1以下
か否かを判定する。
【0038】その結果、YESのときは、バンプ状態に
あると判定し得るから、しきい値設定手段81は、しき
い値α、βを、ショックアブソーバ1、2、3、4の減
衰力特性の変更制御感度が、ソフトになりにくく、か
つ、ハードになりやすいような補正しきい値αh 、βh
に設定して、制御実行手段80に出力する。他方、NO
のときは、しきい値設定手段81は、さらに、算出され
たばね上とばね下とのストローク量Siが、第2の所定
値S2以上か否かを判定する。
【0039】その結果、YESのときは、リバウンド状
態にあると判定し得るから、しきい値設定手段81は、
しきい値α、βを、ショックアブソーバ1、2、3、4
の減衰力特性の変更制御感度が、ソフトになりにくく、
かつ、ハードになりやすいような補正しきい値αh 、β
h に設定して、制御実行手段80に出力する。他方、N
Oのときは、しきい値設定手段81は、しきい値α、β
を、基準しきい値αs 、βs に設定して、制御実行手段
80に出力する。
【0040】図13(a) 、(b) は、減衰力、ばね上とば
ね下の相対変位速度(Xsi−Xui)としきい値α、βの
関係を示すグラフであり、しきい値設定手段81には、
このグラフがマップの形で記憶されている。図13(a)
、(b) において、Rhは、減衰力特性がハード側に変
更される特性領域、すなわち、減衰係数Dkiが、前回の
減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに変更される特性
領域を、Rsは、減衰力特性がソフト側に変更される特
性領域、すなわち、減衰係数Dkiが、前回の減衰係数D
kiより1つ小さいD(k-1)iに変更される特性領域を、そ
れぞれ、示しており、しきい値αh 、βh の間の領域お
よびしきい値αs 、βs の間の領域は、減衰力特性の変
更がなされない領域、すなわち、不感帯領域を示してい
る。
【0041】図13(a) 、(b) から明らかなように、図
13(b) に示されたしきい値αh 、βh は、図13(b)
に示されたしきい値αs 、βs に比して、その傾きが小
さくなるように設定されており、その結果、減衰力特性
がソフト側に変更される特性領域Rsは、しきい値α、
βとして、αh 、βh が選択された場合には、しきい値
α、βとして、αs 、βs が選択された場合に比して小
さく、他方、減衰力特性がハード側に変更される特性領
域Rhは、しきい値α、βとして、αh 、βhが選択さ
れた場合には、しきい値α、βとして、αs 、βs が選
択された場合に比して大きく、したがって、しきい値
α、βとして、αh 、βh が選択された場合には、減衰
力特性が、ソフト側には変更されにくく、かつ、ハード
側に変更されやすくなるように、しきい値αh 、βh 、
αs 、βs が設定されている。
【0042】このように、しきい値α、βを、補正しき
い値αh 、βhに設定したのは、走行安定性を重視すべ
き走行状態にあるためであるから、ばね上とばね下との
ストローク量Siのわずかな変化によって、しきい値
α、βが、補正しきい値αh 、βh から基準しきい値α
s 、βs に復帰してしまうと、走行安定性を損なうおそ
れがある。
【0043】そこで、本実施例においては、しきい値設
定手段81は、ばね上とばね下とのストローク量Si
が、第1の所定値S1以下であったために、しきい値
α、βを、補正しきい値αh 、βh に設定した場合に
は、以降のサイクルにおいて、ばね上とばね下とのスト
ローク量Siが、第1の所定値S1より大きくなったの
みでは、補正しきい値αh 、βh を、基準しきい値αs
、βs には変更せず、ばね上とばね下とのストローク
量Siが、第1の所定値S1より大きい第3の所定値で
あるS3以上になったときにはじめて、補正しきい値α
h 、βh を、基準しきい値αs 、βs には変更するよう
に、ばね上とばね下とのストローク量Siが、第1の所
定値S1より大きい第3の所定値であるS3以上で、第
2の所定値S2より小さいか否かを判定し、この判定結
果がYESのときに、補正しきい値αh 、βh を、基準
しきい値αs 、βs には変更して、制御実行手段80
に、しきい値信号を出力するようにしている。
【0044】さらに、しきい値設定手段81は、ばね上
とばね下とのストローク量Siが、第2の所定値S2以
上であったために、しきい値α、βを、補正しきい値α
h 、βh に設定した場合には、以降のサイクルにおい
て、ばね上とばね下とのストローク量Siが、第2の所
定値S1より小さくなったのみでは、補正しきい値α
h、βh を、基準しきい値αs 、βsには変更せず、ばね
上とばね下とのストローク量Siが、第2の所定値S2
より小さい第4の所定値であるS4以下になったときに
はじめて、補正しきい値αh 、βh を、基準しきい値α
s 、βs には変更するように、ばね上とばね下とのスト
ローク量Siが、第2の所定値S2より小さい第4の所
定値であるS4以下で、第1の所定値S1より大きいか
否かを判定し、この判定結果がYESのときに、補正し
きい値αh 、βh を、基準しきい値αs 、βs には変更
して、制御実行手段80に、しきい値信号を出力する。
【0045】以上、本実施例によれば、ばね上とばね下
とのストローク量Siが、第1の所定値S1以下、ある
いは、ばね上とばね下とのストローク量Siが、第2の
所定値S2以上である高旋回状態、バンプ時、あるい
は、リバウンド時に、しきい値設定手段81により、し
きい値α、βが、ショックアブソーバ1、2、3、4の
減衰力特性の変更制御感度が、ソフトになりにくく、か
つ、ハードになりやすいような補正しきい値αh 、βh
に設定され、制御実行手段80により、ショックアブソ
ーバ1、2、3、4の減衰力特性の変更制御がなされる
から、走行安定性を向上させることが可能になるととも
に、バンプ時やリバウンド時に、車輪が、バンプストッ
パやリバウンドストッパに当たり、大きな音や振動が発
生することも、また、ショックアブソーバ1、2、3、
4の減衰力特性が、ソフト側に大きく変更されて、ショ
ックアブソーバ1、2、3、4の圧力変動に起因して、
大きな音や振動が発生することも、効果的に防止するこ
とができる。
【0046】さらに、本実施例によれば、しきい値設定
手段により、ばね上とばね下とのストローク量Siが、
第1の所定値S1以下になったために、しきい値α、β
が、補正しきい値αh 、βh に変更されたときは、ばね
上とばね下とのストローク量Siが、第1の所定値S1
より大きい第3の所定値S3以上になったときに、はじ
めて、補正しきい値αh 、βh を、基準しきい値αs 、
βs に変更し、ばね上とばね下とのストローク量Si
が、第2の所定値S2以上になったために、しきい値
α、βが、補正しきい値αh 、βh に変更されたとき
は、ばね上とばね下とのストローク量Siが、第2の所
定値S2より小さい第4の所定値S4以下になったとき
に、はじめて、補正しきい値αh 、βh を、基準しきい
値αs 、βs に変更するようにしているから、走行安定
性を確保すべく、ショックアブソーバ1、2、3、4の
減衰力特性の変更制御感度を変更するしきい値を、基準
しきい値αs 、βs から、減衰力特性の変更制御感度
が、ソフトになりにくく、かつ、ハードになりやすいよ
うな補正しきい値αh 、βh に変更したにもかかわら
ず、ばね上とばね下とのストローク量Siのわずかな変
動により、しきい値α、βが、基準しきい値αs 、βs
に復帰してしまい、ショックアブソーバ1、2、3、4
の減衰力特性が、ソフトになって、走行安定性を確保す
べき走行状態において、走行安定性が低下することを、
確実に防止することが可能になる。
【0047】本発明は、以上の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種
々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包
含されるものであることは言うまでもない。たとえば、
前記実施例においては、いずれも、各しきい値α、β
を、α>1、0<β<1に設定しているが、α>βであ
ればよく、α>1、0<β<1に設定することは必ずし
も必要でない。ただし、走行安定性を重視するという観
点からは、α>1、α>β>0となるように、しきい値
α、βを設定することが望ましい。
【0048】さらに、前記実施例においては、2つのス
トッパピン55、56を、ステップモータ27のロータ
51に形成し、これと係合する溝57、58を、ステッ
プモータ27の蓋53に形成しているが、ストッパピン
55、56を、ステップモータ27の蓋53に形成し、
これと係合する溝57、58を、ステップモータ27の
ロータ51に形成してもよく、さらには、ストッパピン
55、56の一方を、ステップモータ27のロータ51
に、他方を、ステップモータ27の蓋53に形成し、ロ
ータ51に形成されたストッパピン55、56の一方と
係合する溝57、58を、ステップモータ27の蓋53
に、ステップモータ27の蓋53に形成された他方のス
トッパピン55、56と係合する溝57、58を、ステ
ップモータ27のロータ51に形成するようにしてもよ
い。
【0049】また、前記実施例においては、ショックア
ブソーバ1、2、3、4の減衰力を変化させるアクチュ
エータとして、ステップモータ27を用い、オープン制
御により、ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰力
を制御しているが、ステップモータ27の代わりに、D
Cモータを用い、フィードバック制御により、ショック
アブソーバ1、2、3、4の減衰力を制御するようにし
てもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ばね上とばね下との間
に、ショックアブソーバを備え、車体の上下振動に応じ
て、前記ショックアブソーバの減衰力特性を変更制御す
る制御手段を備えた車両のサスペンション装置におい
て、走行安定性に優れ、バンプ時やリバウンド時に、車
輪がストッパに当たり、大きな音や振動が生ずること
を、確実に防止するとともに、減衰力特性の変更による
大きな音や振動の発生を効果的に防止することのできる
車両のサスペンション装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施例に係る車両の
サスペンション装置を含む車両の略斜視図である。
【図2】図2は、各ショックアブソーバの要部略断面図
である。
【図3】図3は、アクチュエータの分解略斜視図であ
る。
【図4】図4は、ショックアブソーバの減衰係数を示す
グラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例に係る車両のサスペン
ション装置の振動モデル図である。
【図6】図6は、ステップモータの略斜視図である。
【図7】図7は、ロータおよびステータの略平面図であ
る。
【図8】図8は、蓋の略底面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例に係る車両のサスペン
ション装置の制御系のブロックダイアグラムである。
【図10】図10は、走行状態に応じた減衰係数選択制
御のルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図11は、制御実行手段によって実行される
各ショックアブソーバの減衰力特性変更制御の基本ルー
チンを示すフローチャートである。
【図12】図12は、しきい値設定手段によって実行さ
れるしきい値設定のルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図13】図13は、減衰力、ばね上とばね下の相対変
位速度(Xsi−Xui)としきい値α、βの関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1、2、3、4 ショックアブソーバ 5 左前輪 6 左後輪 7 コイルスプリング 8 コントロールユニット 9 車両 11 第1加速度センサ 12 第2加速度センサ 13 第2加速度センサ 14 第4加速度センサ 15 車速センサ 16 モード選択スィッチ 21 シリンダ 22 ピストンユニット 23、24 オリフィス 25 スリーブ 26 シャフト 27 ステップモータ 28 円形孔 29 第1オリフィスプレート 30 長孔 31 第2オリフィスプレート 32 上室 33 下室 41 第1アクチュエータ 42 第2アクチュエータ 43 第3アクチュエータ 44 第4アクチュエータ 50 筒状体 51 ロータ 52 ステータ 53 蓋 54 ソレノイド 55、56 ストッパピン 57、58 溝 61 第1圧力センサ 62 第2圧力センサ 63 第3圧力センサ 64 第3圧力センサ 71 第1車高変位センサ 72 第2車高変位センサ 73 第3車高変位センサ 74 第4車高変位センサ 80 制御実行手段 81 しきい値設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね上とばね下との間に、ショックアブ
    ソーバを備え、車体の上下振動に応じて、前記ショック
    アブソーバの減衰力特性を変更制御する制御手段を備え
    た車両のサスペンション装置において、前記制御手段
    が、前記ショックアブソーバの減衰力特性の変更制御感
    度を変更するしきい値を、ばね上とばね下とのストロー
    ク量が、第1の所定値以下のとき、または、第2の所定
    値以上のときに、基準しきい値から、減衰力特性の変更
    制御感度が、ソフトになりにくく、かつ、ハードになり
    やすいような補正しきい値に変更するとともに、ばね上
    とばね下とのストローク量が、前記第1の所定値以下に
    なったために、前記補正しきい値に変更されたときは、
    ばね上とばね下とのストローク量が、前記第1の所定値
    より大きい第3の所定値以上になったときに、前記補正
    しきい値を、前記基準しきい値に変更し、ばね上とばね
    下とのストローク量が、前記第2の所定値以上になった
    ために、前記補正しきい値に変更されたときは、ばね上
    とばね下とのストローク量が、前記第2の所定値より小
    さい第4の所定値以下になったときに、前記補正しきい
    値を、前記基準しきい値に変更するしきい値設定手段を
    備えたことを特徴とする車両のサスペンション装置。
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