JP3017297B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP3017297B2
JP3017297B2 JP3020783A JP2078391A JP3017297B2 JP 3017297 B2 JP3017297 B2 JP 3017297B2 JP 3020783 A JP3020783 A JP 3020783A JP 2078391 A JP2078391 A JP 2078391A JP 3017297 B2 JP3017297 B2 JP 3017297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関するものであり、さらに詳細には、ばね上とば
ね下との間に、減衰力特性が可変なショックアブソーバ
を備えた車両のサスペンション装置に関するものであ
る。
【0002】
【先行技術】従来の車両のサスペンション装置において
は、車体側、すなわち、ばね上と、車輪側、すなわち、
ばね下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのシ
ョックアブソーバが設けられているのが、一般である。
このショックアブソーバとして、減衰力特性を変化させ
ることのできるものが知られており、減衰力特性可変式
のショックアブソーバとしては、減衰力特性が高低2段
もしくは多段に変更可能なもの、あるいは、無段連続的
に変更可能なものが提案されている。
【0003】かかる減衰力可変式のショックアブソーバ
においては、ショックアブソーバが発生する減衰力が、
車体の上下振動に対して、加振方向に働くときに、ショ
ックアブソーバの減衰力を低減衰側、すなわち、ソフト
側に変更し、他方、減衰力が制振方向に働くときは、シ
ョックアブソーバの減衰力を高減衰側、すなわち、ハー
ド側に変更して、ばね上に伝達される加振エネルギーに
対して、制振エネルギーを大きくし、車両の乗り心地お
よび走行安定性を同時に向上させるように制御されるの
が通常であり、特開昭60−248419号公報は、ば
ね上とばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下と
の相対速度の向きとが一致するか否かに基づき、一致し
たときには、減衰力が加振方向に働いていると判定し、
他方、一致していないときは、減衰力が制振方向に働い
ていると判定し、制御するようにした方法を開示してい
る。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】このように、ばね上と
ばね下との相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対
速度の向きとが一致するか否かに基づき、減衰力の変更
制御する減衰力可変式のショックアブソーバにおいて
は、フィードバック制御により、ショックアブソーバの
減衰力を制御する場合には、ばね上とばね下との相対変
位の向きと、ばね上とばね下との相対速度の向きとは、
頻繁に、一致、不一致を繰り返すため、必然的に、制御
用のコンピュータが大型化するとともに高価なものとな
るという問題があった。
【0005】そこで、かかる問題を解決し、オープン制
御により、ショックアブソーバの減衰力を制御するとき
には、ステップモータを使用することが考えられるが、
ステップモータを使用した場合には、ばね上とばね下と
の相対変位の向きと、ばね上とばね下との相対速度の向
きとは、頻繁に、一致、不一致を繰り返すため、減衰力
が、ソフト側からハード側に、さらには、ハード側から
ソフト側にというように、きわめて高速度で、ソフト側
とハード側の間で、変更されるように、ステップモータ
を駆動する必要があり、かかる場合には、ステップモー
タが脱調して、車体の上下振動状態に応じて、ショック
アブソーバの減衰力を所望のように制御することができ
ず、かえって、走行安定性が損なわれるという問題があ
った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、ばね上とばね下との間に、シ
ョックアブソーバを備え、車体の上下振動に応じて、オ
ープン制御により、ショックアブソーバの減衰力を変更
するステップモータと、ステップモータに制御信号を出
力する制御手段とを備えた車両のサスペンション装置に
おいて、ステップモータが脱調した場合にも、走行安定
性および乗り心地の低下を防止することのできる車両の
サスペンション装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0007】
【発明の構成】本発明のかかる目的は、前記制御手段
が、車高変位速度に基づき算出した減衰力と実際の減衰
力との差が、所定値以上である状態が、所定時間にわた
り、継続したときに、前記ステップモータに制御信号を
出力して、前記ステップモータの脱調補正をおこなうよ
うに構成されることにより達成される。
【0008】本発明の好ましい実施態様においては、制
御手段が、車高変位速度に基づき算出した減衰力と実際
の減衰力との差が、所定値以上であるか否かの判定をお
こなっている間、ショックアブソーバの減衰力を変更す
る制御を停止するように構成されている。本発明の他の
好ましい実施態様においては、制御手段が、ステップモ
ータの脱調補正をおこなう際、ステップモータを、一段
だけ回転させ、さらに、車高変位速度に基づき算出した
減衰力と実際の減衰力との差が、所定値以上であるか否
かの判定をおこない、その判定結果にしたがって、さら
に、ステップモータの脱調補正をおこなうように構成さ
れている。
【0009】
【発明の作用】本発明によれば、制御手段が、車高変位
速度に基づき算出した減衰力と実際の減衰力との差が、
所定値以上である状態が、所定時間にわたって、継続し
たときに、ステップモータに制御信号を出力して、ステ
ップモータの脱調補正をおこなうように構成されている
ので、ステップモータが脱調した場合にも、走行安定性
および乗り心地の低下を防止することが可能になり、ま
た、車高変位速度に基づき算出した減衰力と実際の減衰
力との差が、所定値以上であるからといって、ただち
に、ステップモータに制御信号を出力することなく、車
高変位速度に基づき算出した減衰力と実際の減衰力との
差が、所定値以上である状態が、所定時間続いたときに
初めて、ステップモータに制御信号を出力して、ステッ
プモータの脱調補正をおこなっているので、応答遅れに
よる判定ミスにより、ステップモータの脱調補正がなさ
れることがなく、脱調補正が必要なときに、確実に、ス
テップモータの脱調補正を実行することが可能となる。
【0010】本発明の好ましい実施態様によれば、制御
手段が、車高変位速度に基づき算出した減衰力と実際の
減衰力との差が、所定値以上であるか否かの判定をおこ
なっている間、ショックアブソーバの減衰力を変更する
制御を停止するように構成されているから、正しくない
減衰力特性に基づいて、減衰力特性の変更制御がなさ
れ、かえって、不適切な減衰力特性に変更されることを
確実に防止しつつ、ステップモータが脱調した場合に
も、走行安定性および乗り心地の低下を防止することが
可能となるとともに、減衰力特性が変化しないため、判
定の高速化および誤判定を防止することができる。
【0011】本発明の他の好ましい実施態様によれば、
制御手段が、ステップモータの脱調補正をおこなう際、
ステップモータを、一段だけ回転させ、さらに、車高変
位速度に基づき算出した減衰力と実際の減衰力との差
が、所定値以上であるか否かの判定をおこない、その判
定結果にしたがって、さらに、ステップモータの脱調補
正をおこなうように構成されているから、脱調補正の際
に、ステップモータを数段にわたり回転させることによ
って、補正時に、脱調が生じることを防止して、確実
に、所望のように、ステップモータの脱調補正をおこな
うことができ、ステップモータが脱調した場合にも、走
行安定性および乗り心地の低下を防止することが可能に
なる。
【0012】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好ましい
実施例につき、詳細に説明を加える。図1は、本発明の
好ましい実施例に係る車両のサスペンション装置を含む
車両の略斜視図である。
【0013】図1において、本発明の好ましい実施例に
係る車両のサスペンション装置は、各車輪に対応して設
けられ、各車輪の上下振動を減衰させるたショックアブ
ソーバ1、2、3、4を備えている。各ショックアブソ
ーバ1、2、3、4は、それぞれ、図示しないアクチュ
エータにより、減衰係数が異なった10の減衰力特性に
切り換え可能に構成されており、また、図示しない圧力
センサを備えている。図1において、5は左前輪、6は
左後輪であり、右前輪および右後輪は図示されていな
い。また、7は、各ショックアブソーバ1、2、3、4
の上部外周に配設されたコイルスプリングであり、8
は、各ショックアブソーバ1、2、3、4のアクチュエ
ータに対して、制御信号を出力して、各ショックアブソ
ーバ1、2、3、4の減衰力特性を変更制御するコント
ロールユニットである。
【0014】また、車両9のばね上には、各車輪のばね
上の上下方向の加速度を検出する第1加速度センサ1
1、第2加速度センサ12、第3加速度センサ13、第
4加速度センサ14が、インストルパネルのメータ内に
は、車速を検出する車速センサ15が、それぞれ、設け
られている。図1において、16は、ショックアブソー
バ1、2、3、4の減衰力特性の制御を、ドライバー
が、ハードモード、ソフトモードまたはコントロールモ
ードのいずれかに切り換えるモード選択スィッチであ
り、ハードモードが選択されたときは、減衰力特性が、
ハードになるような範囲の減衰係数のみが選択され、そ
の範囲内でのみ、ショックアブソーバ1、2、3、4の
減衰力特性の変更制御がなされ、ソフトモードが選択さ
れたときは、減衰力特性が、ソフトになるような範囲の
減衰係数のみが選択され、その範囲内でのみ、ショック
アブソーバ1、2、3、4の減衰力特性の変更制御がな
されるが、コントロールモードが選択されたときは、あ
らかじめ、コントロールユニット8内に記憶されたマッ
プあるいはテーブルにしたがって、所定のように、ショ
ックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特性の変更制御
がなされるようになっている。
【0015】図2は、左前輪に対して設けられたショッ
クアブソーバ1の要部略断面図である。ただし、圧力セ
ンサは、便宜上、省略されている。図2において、ショ
ックアブソーバ1は、シリンダ21を備え、シリンダ2
1内には、ピストンとピストンロッドが一体的に結合さ
れたピストンユニット22が摺動可能に嵌装されてい
る。シリンダ21およびピストンユニット22は、それ
ぞれ、ばね下およびばね上に結合されている。
【0016】ピストンユニット22には、2つのオリフ
ィス23、24が形成されている。一方のオリフィス2
3は常に開いており、他方のオリフィス24は、それぞ
れ、第1アクチュエータ41により、その通路面積が、
10段階に変更可能に形成されている。図3は、ショッ
クアブソーバ1に設けられた第1アクチュエータ41の
分解略斜視図であり、図2および図3に示されるよう
に、第1アクチュエータ41は、ピストンユニット22
に固定されたスリーブ25内に、回転自在に設けられた
シャフト26と、シャフト27を回転させるステップモ
ータ27と、シャフト26の下端部に一体に取付けら
れ、その円周に沿って、9つの円形孔28を有する第1
オリフィスプレート29と、スリーブ25の下端部に一
体的に設けられ、その円周に沿って、円弧状の長孔30
が形成された第2オリフィスプレート31を備えてい
る。ここに、第1オリフィスプレート29に形成された
9つの円形孔28と、第2オリフィスプレート31に形
成された長孔30は、ステップモータ27の回転による
シャフト26および第1オリフィスプレート29の回転
にしたがって、9つの円形孔28が、0ないし9個の範
囲で、長孔30と連通可能なように形成されている。
【0017】シリンダ21内の上室32および下室33
内は、所定の粘度を有する流体で満たされており、オリ
フィス23、24を通って、上室32および下室33間
を移動可能になっている。図2および図3においては、
ショックアブソーバ1の構造のみを示したが、他の車輪
に対して設けられたショックアブソーバ2、3、4もま
た、図2に示されたショックアブソーバ1と同様の構造
を有しており、それぞれ、図3に示されたのと同様な第
2アクチュエータ42、第3アクチュエータ43、第4
アクチュエータ44を備えている。
【0018】図4は、ショックアブソーバ1、2、3、
4の減衰力特性を示すグラフであり、D1 ないしD
10は、それぞれ、ショックアブソーバ1、2、3、4の
減衰係数を示している。図4において、縦軸は、ショッ
クアブソーバ1、2、3、4が発生する減衰力を、横軸
は、ばね上の変位速度XS とばね下の変位速度XU との
差、すなわち、ばね上とばね下の相対変位速度(XS
U )を示している。図4に示されるように、ショック
アブソーバ1、2、3、4の減衰力特性は、減衰係数D
1 ないしD10のいずれかを選択することによって、10
段階に変更することが可能なように構成されている。図
4において、D1 は、最もソフトな減衰力を発生させる
減衰係数を、D10は、最もハードな減衰力を発生させる
減衰係数を、それぞれ、示している。ここに、減衰係数
k (kは正の整数で、1〜10)は、第1オリフィス
プレート29に形成された9つの円形孔28のうち、
(10−i)個の円形孔28が、第2オリフィスプレー
ト31に形成された長孔30と連通している場合に選択
されるようになっている。したがって、減衰係数M
1 は、第1オリフィスプレート29に形成された9つの
円形孔28のすべてが、第2オリフィスプレート31に
形成された長孔30と連通している場合に選択され、減
衰係数D10は、第1オリフィスプレート29に形成され
た9つの円形孔28のすべてが、第2オリフィスプレー
ト31に形成された長孔30と連通している第1オリフ
ィスプレート29に形成された9つの円形孔28のいず
れもが、第2オリフィスプレート31に形成された長孔
30と連通しないときに選択されることになる。
【0019】図5は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の振動モデル図であり、msはばね上質
量、muはばね下質量、xsはばね上変位、xuはばね
下変位、ksはコイルスプリング7のばね定数、ktは
タイヤのばね定数、Dk はショックアブソーバ1、2、
3、4の減衰係数である。図6は、ステップモータ27
の略斜視図であり、ステップモータ27は、筒状体5
0、筒状体50内に収容されたロータ51、ステータ5
2および蓋53から構成されている。図7は、ロータ5
1およびステータ52の略平面図であり、通常のステッ
プモータと同様に、ロータ51の外周部には、複数の矩
形形状の歯が形成され、ステータ52の内周部には、こ
れと対応して、複数の矩形形状の歯が形成されており、
ステータ52には、ソレノイド54が巻回されている。
ロータ51には、2本のストッパピン55、56が形成
されており、図8に示されるように、蓋53には、スト
ッパピン55、56に対応する位置に、円周方向に2つ
の溝57、58が形成されている。溝57は、ロータ5
1に形成されたストッパピン55と係合して、ステップ
モータ27の可動範囲を規制するものであり、他方、溝
58は、ストッパピン56と係合するものであって、ス
トッパピン55、56を、溝57、58と係合させるこ
とによって、蓋53を被せたときに、ロータ51の重心
が回転中心と一致するように位置合わせを可能とするも
のである。したがって、蓋53の中心から、溝57、5
8の両端部を見た円周角は、溝58の方が、溝57より
大きくなっており、専ら、溝57によって、ステップモ
ータ28の可動範囲が決定されるように、溝57、58
が形成されている。図8において、ロータ51が、時計
方向に回転すると、減衰係数Dk が、より大きくなっ
て、減衰力特性は、よりハードになり、他方、反時計方
向に回転すると、減衰係数Dk が、より小さくなって、
減衰力特性は、よりソフトになるようになっており、ま
た、ロータ51の矩形形状の歯が、ステータ52の隣接
する矩形形状の歯に対向する位置に移動させられたと
き、すなわち、ステップモータ27が、一段回転される
と、減衰係数Dk が1つだけ変化するようになってい
る。従って、ストッパピン55が、溝57の右端部であ
る第1基準位置に位置しているとき、減衰係数Dk は、
10となり、ショックアブソーバ1が、最もハードな減
衰力を発生し、他方、ストッパピン55が、溝57の左
端部である第2基準位置に位置しているとき、減衰係数
kは、D1 となり、ショックアブソーバ1が、最もソ
フトな減衰力を発生するようになっている。
【0020】図9は、本発明の実施例に係る車両のサス
ペンション装置の制御系のブロックダイアグラムであ
る。図9において、ショックアブソーバ1、2、3、4
に、それぞれ設けられた第1圧力センサ61、第2圧力
センサ62、第3圧力センサ63、第4圧力センサ64
の検出した各ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰
力FSi(ここに、iは各車輪を示し、i=1、2、3、
4である。)の検出信号、第1加速度センサ11、第2
加速度センサ12、第3加速度センサ13、第4加速度
センサ14の検出したばね上の上下方向の加速度ai
検出信号、車速センサ15の検出した車速Vの検出信
号、イグニッションスィッチ65からのイグニッション
がオン・オフ状態を示すIG信号、各車輪に、それぞ
れ、設けられた第1車高変位センサ71、第2車高変位
センサ72、第1車高変位センサ73、第4車高変位セ
ンサ74の検出した各車輪の車高変位z1 、z2
3 、z4 の検出信号およびモード選択スィッチ16か
らのモード信号が、それぞれ、コントロールユニット8
に入力されており、コントロールユニット8は、これら
の入力信号に基づき、あらかじめ記憶しているマップあ
るいはテーブルにより、制御信号を、第1アクチュエー
タ41、第2アクチュエータ42、第3アクチュエータ
43、第4アクチュエータ44に出力して、ショックア
ブソーバ1、2、3、4の減衰力特性を制御する。ここ
に、減衰力FSiは、連続値をとり、ばね上に対して、上
向きに作用するとき、すなわち、ばね上とばね下間が縮
んでいるときに正の値に、下向きに作用するとき、すな
わち、ばね上とばね下間が伸びているときに負の値にな
るように設定され、ばね上の上下方向の加速度ai は、
上向きのときに正の値に、下向きのときに負の値になる
ように設定されている。
【0021】図10は、モード選択スィッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合において、コ
ントロールユニット8によって実行される各ショックア
ブソーバ1、2、3、4の減衰力特性変更制御の基本ル
ーチンを示すフローチャートであり、添字i=1、2、
3、4である。図10において、まず、コントロールユ
ニット8には、第1加速度センサ11、第2加速度セン
サ12、第3加速度センサ13、第4加速度センサ14
の検出したばね上の上下方向の加速度ai および第1圧
力センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ6
3、第4圧力センサ64の検出した減衰力FSiが入力さ
れる。ついで、コントロールユニット8は、入力された
上下方向の加速度αi を積分して、ばね上の変位速度X
Siを算出する。
【0022】コントロールユニット8は、さらに、算出
されたばね上の変位速度XSiに所定の定数K(K<0)
を乗じて、理想の減衰力であるスカイフック減衰力Fai
を算出するとともに、次の式にしたがって、hαを算
出し、hαが正か否かを判定する。 hα=FSi(Fai−αFSi)・・・・・・・・・・・・・ その結果、hαが正であるときは、コントロールユニッ
ト8は、hαが正であるショックアブソーバ1、2、
3、4の第1アクチュエータ41、第2アクチュエータ
42、第3アクチュエータ43、第4アクチュエータ4
4に制御信号を出力して、ステップモータ27を、図8
において、時計方向に、一段だけ回転させ、減衰係数D
kiを、前回の減衰係数Dkiより1つ大きいD(k+1)iに、
すなわち、よりハードになるように変更し、他方、hα
が正でないときは、コントロールユニット8は、さら
に、式にしたがって、hβを算出し、hβが負か否か
を判定する。
【0023】 hβ=FSi(Fai−βFSi)・・・・・・・・・・・・・ その結果、hβが負であるときは、コントロールユニッ
ト8は、hβが負であるショックアブソーバ1、2、
3、4の第1アクチュエータ41、第2アクチュエータ
42、第3アクチュエータ43、第4アクチュエータ4
4に制御信号を出力して、ステップモータ27を、図8
において、反時計方向に、一段だけ回転させ、減衰係数
kiが、前回の減衰係数Dkiより1つ小さいD(k-1)i
なるように、すなわち、よりソフトになるように変更
し、これに対して、hβが負でないときには、コントロ
ールユニット8は、ステップモータ27を回転させるこ
となく、すなわち、減衰係数Dkiを、前回の減衰係数D
kiのまま、変更することなく保持して、次のサイクルに
移行する。
【0024】ここに、α、βは、減衰係数Dkiの変更
が、あまりに頻繁におこなわれ、その結果、変更時に、
大きな音や振動が発生したり、応答遅れが生ずることを
防止するためのしきい値であって、通常、α>1、0<
β<1に設定される。すなわち、FSiとFaiが同符号の
ときは、式の(Fai−αFSi)は、α>1であるの
で、FSiにαが乗ぜられていない場合に比して、FSi
異符号になりやすく、その結果、hαは負になりやすい
から、減衰係数Dkiの変更がおこなわれにくく、さら
に、式の(Fai−βFSi)は、0<β<1であるの
で、FSiにβが乗ぜられていない場合に比して、FSi
同符号になりやすく、その結果、hβは正になりやすい
から、減衰係数Dkiの変更がおこなわれにくくなる。
【0025】これに対して、FSiとFaiが異符号の場合
には、実際の減衰力FSiを、理想的な減衰力であるスカ
イフック減衰力Faiと一致させることは不可能であり、
減衰係数Di をゼロに近い値にすること、すなわち、よ
りソフトになるように変更することが、FSiをFaiによ
り近づける上で望ましいことになる。そこで、本実施例
においては、FSiとFaiが異符号のときは、hαもhβ
もともに、負の値となり、その結果、コントロールユニ
ット8により、減衰係数Dkiは、前回の減衰係数Dki
り1つ小さいD(k-1)iに、すなわち、よりソフトになる
ように変更されるから、かかる要請を満足することが可
能になる。
【0026】図11は、モード選択スィッチ16によ
り、コントロールモードが選択された場合において、運
転状態に応じた減衰係数選択制御のルーチンを示すフロ
ーチャートであり、図10に示された減衰力特性変更制
御の基本ルーチンに優先して、適用される。すなわち、
図10の減衰力特性変更制御の基本ルーチンでは、しき
い値αおよびβを用いて、減衰係数Dkiの変更が、あま
りに頻繁におこなわれ、その結果、変更時に、大きな音
や振動が発生したり、応答遅れが生ずることを防止して
いるが、それでも、hαおよびhβの符号のみに基づい
て、減衰係数Dkiの変更制御をしているため、なお、減
衰係数Dkiの変更が、かなり頻繁におこなわれ、変更時
に、大きな音や振動が発生したり、応答遅れが生ずるこ
とがあるため、図11の減衰係数選択制御のルーチンに
より、運転状態に応じて、変更制御し得る減衰係数Dki
の範囲を制限して、かかる問題の解消が図られている。
したがって、図10の減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンは、図11の減衰係数選択制御のルーチンにより選択
された減衰係数Dkiの範囲内においてのみ、減衰係数D
kiを変更制御し得るにとどまるようになっている。
【0027】図11において、まず、コントロールユニ
ット8に、車速センサ15により検出された車速Vが入
力されるとともに、第1加速度センサ11、第2加速度
センサ12、第3加速度センサ13、第4加速度センサ
14の検出したばね上の上下方向の加速度ai が入力さ
れる。ついで、コントロールユニット8は、車速Vが、
低速値である第1の所定車速V1 、たとえば、3km/h以
下か否かを判定する。
【0028】その結果、車速Vが、第1の所定車速V1
以下のときは、きわめて低速であるから、スコットや制
動ダイブ防止するため、ショックアブソーバ1、2、
3、4の減衰力特性がハードになるように、コントロー
ルユニット8は、減衰係数DkiをD8iに固定する。すな
わち、図10に示された減衰力特性変更制御の基本ルー
チンによる減衰力特性の変更制御はおこなわれない。
【0029】他方、車速Vが、第1の所定車速V1 を越
えているときには、さらに、コントロールユニット8
は、ばね上の上下方向の加速度aiの絶対値が、所定値
i0を越えているか否かを判定する。その結果、ばね上
の上下方向の加速度ai の絶対値が、所定値ai0を越え
ていると判定されたときは、悪路を走行中と判定し得る
から、コントロールユニット8は、さらに、車速Vが、
第3の所定車速V3 、たとえば、50km/h以上か否かを
判定する。
【0030】そして、車速Vが、第3の所定車速V3
上であると判定したときは、走行安定性の向上を重視し
て、コントロールユニット8は、減衰力特性を、比較的
ハードな範囲内で変更制御するために、減衰係数D
kiを、D5iないしD7iの範囲に設定する。その結果、図
10に示された減衰力特性変更制御の基本ルーチンにお
いて、減衰係数Dkiは、D5iが下限値になり、たとえ、
さらにソフトに変更すべき条件が成立しても、減衰係数
kiは、D5iに保持され、他方、D7iが上限値になり、
たとえ、よりハードに変更すべき条件が成立しても、減
衰係数Dkiは、D7iに保持されことになる。
【0031】これに対して、車速Vが、所定車速V3
満であると判定したときは、走行安定性と乗り心地の向
上の両立を図ることが可能であるから、コントロールユ
ニット8は、減衰力特性を、比較的ソフトな状態からハ
ードな状態の範囲内で変更制御することを可能とするた
めに、減衰係数Dkiを、D3iないしD7iの範囲に設定す
る。したがって、図10に示された減衰力特性変更制御
の基本ルーチンにおいて、減衰係数Dkiは、D3iが下限
値になり、たとえ、さらにソフトに変更すべき条件が成
立しても、減衰係数Dkiは、D3iに保持され、他方、D
7iが上限値になり、たとえ、よりハードに変更すべき条
件が成立しても、減衰係数Dkiは、D7iに保持されこと
になる。
【0032】他方、ばね上の上下方向の加速度ai の絶
対値が、所定値ai0以下とと判定されたときは、悪路で
はなく、通常の道路を走行中であると考えられるから、
コントロールユニット8は、さらに、車速Vが第2所定
車速V2 、たとえば、30km/h以下か否かを判定する。
その結果、車速Vが、第2所定車速V2 以下の低速走行
状態にあると判定したときは、乗り心地の向上を重視す
るため、コントロールユニット8は、減衰力特性が、比
較的ソフトな範囲内で変更制御されるように、減衰係数
kiを、D1iないしD3iの範囲に設定する。したがっ
て、図10に示された減衰力特性変更制御の基本ルーチ
ンにおいて、減衰係数Dkiが、D1iのときは、たとえ、
さらにソフトに変更すべき条件が成立した場合でも、減
衰係数Dkiは、D1iに保持され、他方、D3iが上限値に
なり、たとえ、よりハードに変更すべき条件が成立して
も、減衰係数Dkiは、D3iに保持されことになる。
【0033】これに対して、車速Vが、第2所定車速V
2 を越えていると判定したときは、コントロールユニッ
ト8は、さらに、車速Vが、第4所定車速V4 、たとえ
ば、60km/h以下か否かを判定する。その結果、車速V
が、第4所定車速V4 以下の比較的中速走行状態にある
と判定したときは、走行安定性と乗り心地の向上させる
という2つ要請の両立を図ることが可能であるから、コ
ントロールユニット8は、減衰力特性を、比較的ソフト
な状態からハードな状態の範囲内で変更制御することを
可能とするために、減衰係数Dkiを、D2iないしD6i
範囲に設定する。したがって、図10に示された減衰力
特性変更制御の基本ルーチンにおいて、減衰係数D
kiは、D2iが下限値になり、たとえ、よりソフトに変更
すべき条件が成立しても、減衰係数Dkiは、D2iに保持
され、他方、D6iが上限値になり、たとえ、さらにハー
ドに変更すべき条件が成立しても、減衰係数Dkiは、D
6iに保持されことになる。
【0034】これに対して、車速Vが、第4所定車速V
4 を越えていると判定したときは、コントロールユニッ
ト8は、さらに、車速Vが、第5所定車速V5 、たとえ
ば、80km/h以下か否かを判定する。その結果、車速V
が、第5所定車速V5 以下の中速走行状態にあると判定
したときは、走行安定性と乗り心地の向上という2つの
要請の両立を図りつつ、ややハードに、ショックアブソ
ーバ1、2、3、4の減衰力特性を変更制御するため
に、コントロールユニット8は、減衰係数Dkiを、D4i
ないしD8iの範囲に設定する。したがって、図10の減
衰力特性変更制御の基本ルーチンにおいて、減衰係数D
kiは、D4iが下限値になり、たとえ、さらにソフトに変
更すべき条件が成立しても、減衰係数Dkiは、D4iに保
持され、他方、D8iが上限値になり、たとえ、さらにハ
ードに変更すべき条件が成立しても、減衰係数Dkiは、
8iに保持されことになる。
【0035】これに対して、車速Vが、第5所定車速V
5 を越えた高速走行状態にあると判定したときは、走行
安定性の向上を重視して、コントロールユニット8は、
減衰力特性が、ハードな範囲内で変更制御されるよう
に、減衰係数Dkiを、D7iないしD10i の範囲に設定す
る。したがって、図10の減衰力特性変更制御の基本ル
ーチンにおいて、減衰係数Dkiは、D7iが下限値にな
り、たとえ、さらにソフトに変更すべき条件が成立して
も、減衰係数Dkiは、D7iに保持され、他方、たとえ、
さらにハードに変更すべき条件が成立しても、減衰係数
kiは、D10i に保持されことになる。
【0036】図12は、ステップモータ27の脱調補正
制御のルーチンを示すフローチャートである。図11の
減衰係数選択制御のルーチンにより、運転状態に応じ
て、変更制御し得る減衰係数Dkiの範囲を制限した場合
にも、所定時間経過した後、あるいは、ソフト側および
ハード側への減衰力特性の変更制御が、所定回数以上、
実行された後には、ステップモータ27が脱調し、コン
トロールユニット8が意図している減衰係数Dkiが選択
されていないことが起こり得る。そのような場合には、
図11の減衰係数選択制御のルーチンによって、運転状
態に応じて、変更制御し得る減衰係数Dkiの範囲を制限
し、図10の減衰力特性変更制御の基本ルーチンによ
り、ショックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特性を
変更制御しても、所望の減衰力を得ることはできない。
そこで、本実施例においては、図12に示されるフロー
チャートにより、所望の減衰力が発生するように、ステ
ップモータ27の脱調補正をおこなっている。
【0037】図12において、まず、車速センサ15に
よって検出された車速Vおよびイグニッションスィッチ
65からのIG信号が、コントロールユニット8に入力
される。ついで、コントロールユニット8は、フラグA
が1か否かを判定する。本実施例においては、イグニッ
ションスィッチ65がオフされたときには、フラグAが
1に設定されるようになっており、したがって、脱調補
正制御開始時には、フラグAは1であるから、この判定
は、YESとなる。この状態では、スコットや制動ダイ
ブを防止するために、ショックアブソーバ1、2、3、
4の減衰力特性をハードにする必要があるので、コント
ロールユニット8は、ステップモータ27を、図8にお
いて、時計方向に回転させて、ストッパピン55を、溝
57の右端部に当接させて、最もハードな第1基準位置
に位置合わせする。その後、図11に示された減衰係数
選択制御ルーチンに従って、コントロールユニット8
は、所定の減衰係数Dkiが選択されるように、ステップ
モータ27を、したがって、シャフト25を回転させ
る。この制御開始時においては、車速Vが第1の所定車
速V1 より小さいから、図11に示されるように、減衰
係数DkiはD8iに固定される。次いで、フラグAが0に
セットされて、次のサイクルに移行する。
【0038】次のサイクルにおいては、フラグAは0で
あるから、フラグAが1か否かの判定結果は、NOであ
り、次いで、フラグAが2か否か、さらに、フラグAが
3か否かが判定されるが、これらの判定結果は、いずれ
もNOであり、コントロールユニット8は、さらに、イ
グニッションスィッチ65がオフか否かを判定する。し
かし、すでに、エンジンと始動しているから、この判定
結果もまた、NOであり、コントロールユニット8は、
さらに、車速センサ15からの車速信号に基づき、車速
Vがゼロか否か、すなわち、車両が停止しているか否か
を判定する。
【0039】その結果、車速Vがゼロで、車両が停止し
ていると判定したときは、コントロールユニット8は、
ステップモータ27を、図8において、時計方向に回転
させて、ストッパピン55を、溝57の右端部に当接さ
せて、最もハードな第1基準位置に位置合わせする。そ
の後、図11の減衰係数選択制御のルーチンにしたがっ
て、コントロールユニット8は、所定の減衰係数Dki
選択されるように、ステップモータ27を、したがっ
て、シャフト25を回転させる。車両の停止状態では、
車速Vは、当然に、第1の所定車速V1 より小さいか
ら、図11に示されるように、減衰係数DkiはD8iに固
定される。次いで、フラグAを2にセットして、次のサ
イクルに移行する。
【0040】次のサイクルでは、フラグAが2であるか
ら、フラグAが2か否かの判定結果はYESであり、コ
ントロールユニット8は、車速Vが、低速の第6の所定
車速V6 、たとえば、20km/h以上か否かを判定する。
その結果、NOのときは、車両はごく低速で走行してい
ると判定され、したがって、減衰力特性の変更制御はゆ
るやかにおこなわれ、ステップモータ27が、脱調する
おそれはなく、すでに、ステップモータ27の脱調補正
がおこなわれているから、そのまま、次のサイクルに移
行する。
【0041】他方、YESのときは、車両は、ごく低速
で走行してはいないから、減衰力特性の変更制御が、高
速でおこなわれる可能性があり、したがって、一旦、ス
テップモータ27の脱調補正はなされたが、再び、脱調
するおそれがあるので、フラグAを0にセットして、次
のサイクルに移行する。車両が、第6の所定車速V6
上で走行しており、フラグAが0にセットされると、次
のサイクルでは、再び、車速Vがゼロか否かが判定され
る。
【0042】その結果、YES、すなわち、車速Vがゼ
ロの停止状態であると判定されたときは、上述したのと
同様に、コントロールユニット8は、ステップモータ2
7により、ストッパピン55が、溝57のハード側端部
に、確実に当接するまで、シャフト25を回転させる。
その後、図11の減衰係数選択制御のルーチンにしたが
って、コントロールユニット8は、所定の減衰係数Dki
が選択されるように、ステップモータ27により、シャ
フト25を回転させ、フラグAを2にセットして、次の
サイクルに移行する。
【0043】これに対して、車速Vがゼロでないときに
は、車両は走行状態にあるから、ソフト側とハード側と
の間での減衰力特性の変更制御が、高速で、しかも、頻
繁におこなわれている可能性があるから、このような走
行状態が、所定時間続いているときは、ステップモータ
27が脱調しており、ステップモータ27が所定の位置
に位置していないおそれがあり、したがって、このよう
な状態で、減衰力特性の変更制御を続行することは、か
えって、不適切な減衰力制御することになる。そこで、
コントロールユニット8は、このような走行状態が、所
定時間T0 継続しているときは、すなわち、時間Tが、
所定時間T0以上か否かを判定して、YESのときは、
ステップモータ27に、制御禁止信号を出力して、減衰
力特性の変更制御を停止させる。図13は、かかる場合
の制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0044】その後、第1車高変位センサ71、第2車
高変位センサ72、第1車高変位センサ73、第4車高
変位センサ74の検出した各車輪の車高変位zijおよび
第1圧力センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力セ
ンサ63、第4圧力センサ64の検出した減衰力FSij
が、コントロールユニット8に入力され、それぞれ、記
憶される。
【0045】この判定結果は、NOである場合には、コ
ントロールユニット8は、第1車高変位センサ71、第
2車高変位センサ72、第1車高変位センサ73、第4
車高変位センサ74から入力された各車輪の車高変位z
ijを微分して、車高変位速度xijを演算し、さらに、記
憶している減衰係数Dkiに、演算された車高変位速度x
ijを乗じて、目標減衰力FSTijを算出して、これを記憶
する。
【0046】こうして、コントロールユニット8は、第
1圧力センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力セン
サ63、第4圧力センサ64の検出した減衰力F
Sij を、次々に、記憶するとともに、第1車高変位セン
サ71、第2車高変位センサ72、第1車高変位センサ
73、第4車高変位センサ74から入力された各車輪の
車高変位zijを、次々に、微分して、車高変位速度xij
を演算し、さらに、記憶している減衰係数Dkiに、演算
された車高変位速度xijを乗じて、目標減衰力FSTij
算出して、これを記憶する動作を、所定回数N0 回、た
とえば5回繰り返した後、コントロールユニット8は、
各車輪の車高変位速度xijに基づき算出し、記憶してい
るN0 個の目標減衰力FSTij(j=1〜N0 )の和SF
STijを求めるとともに、記憶しているN0 個の第1圧力
センサ61、第2圧力センサ62、第3圧力センサ6
3、第4圧力センサ64の検出した減衰力FSij (j=
1〜N0 )の和SFSij を求め、その差の絶対値が、所
定値ΔF以上か否かを判定する。
【0047】その結果、(SFSTij−SFSij )の絶対
値が、所定値ΔF以上であると判定したときは、実際に
発生している減衰力FSij と目標減衰力FSTijとの差が
大きく、ステップモータ27が脱調している可能性が大
きいと認められるから、コントロールユニット8は、ス
テップモータ27の脱調補正をおこなうために、さら
に、(SFSTij−SFSij )が正か否かを判定して、ハ
ード側に脱調補正すべきか、あるいは、ソフト側に脱調
補正すべきかを判定する。
【0048】そして、(SFSTij−SFSij )が正であ
るときは、コントロールユニット8が記憶している減衰
係数Dkiに対応するステップモータ27の位置より、ス
テップモータ27がソフト側に位置していると認められ
るので、コントロールユニット8は、ステップモータ2
7を、図8において、時計まわりに、一段だけ回転さ
せ、減衰係数Dkiを、D(k+1)iとなるように補正して、
減衰力特性をハードにする。再度、同様の演算、判定、
補正をおこなう。
【0049】他方、(SFSTij−SFSij )が負である
ときは、コントロールユニット8が記憶している減衰係
数Dkiに対応するステップモータ27の位置より、ステ
ップモータ27がハード側に位置していると認められる
ので、コントロールユニット8は、ステップモータ27
を、図8において、反時計まわりに、一段だけ回転さ
せ、減衰係数Dkiを、D(k-1)iとなるように補正して、
減衰力特性をソフトにする。再び、同様の演算、判定、
補正をおこなう。
【0050】これに対して、(SFSTij−SFSij )の
絶対値が、所定値ΔF未満であると判定したときは、実
際に発生している減衰力FSij と目標減衰力FSTijとの
差が小さく、ステップモータ27は脱調していないと認
められるから、コントロールユニット8は、ステップモ
ータ27の脱調補正をおこなうことなく、再度、同様の
演算、判定をおこなう。
【0051】再度の判定の結果、(SFSTij−S
Sij )の絶対値が、所定値ΔF以上であり、かつ、
(SFSTij−SFSij )が正であるときは、コントロー
ルユニット8は、ステップモータ27を、図8におい
て、時計まわりに、一段だけ回転させ、減衰係数D
kiを、D(k+1)iとなるように補正したにもかかわらず、
依然として、コントロールユニット8が記憶している減
衰係数Dkiに対応するステップモータ27の位置より、
ステップモータ27がソフト側に位置していると認めら
れるので、コントロールユニット8は、ステップモータ
27を、図8において、時計まわりに、さらに一段だけ
回転させ、減衰係数Dkiを、D(k+1)iとなるように補正
して、減衰力特性をハードにし、フラグAを3にセット
する。
【0052】他方、再度の判定の結果、(SFSTij−S
Sij )の絶対値が、所定値ΔF以上であり、かつ、
(SFSTij−SFSij )が負であるときは、コントロー
ルユニット8は、ステップモータ27を、図8におい
て、反時計まわりに、一段だけ回転させ、減衰係数Dki
を、D(k-1)iとなるように補正したにもかかわらず、依
然として、ステップモータ27が、コントロールユニッ
ト8が記憶している減衰係数Dkiに対応するステップモ
ータ27の位置より、ステップモータ27が、ハード側
に位置していると認められるので、コントロールユニッ
ト8は、ステップモータ27を、図8において、反時計
まわりに、さらに一段だけ回転させ、減衰係数Dkiを、
(k-1)iとなるように補正して、減衰力特性をソフトに
し、フラグAを3にセットする。
【0053】これに対して、再度の判定の結果、(SF
STij−SFSij )の絶対値が、所定値ΔF未満になった
ときは、1回目の脱調補正により、ステップモータ27
の脱調が補正されたと認められるから、ステップモータ
27の脱調補正はおこなわなず、フラグAを3にセット
して、次のサイクルに移行する。他方、コントロールユ
ニット8が制御禁止信号を出力してから、所定時間t0
を経過しても、(SFSTij−SFSij )の絶対値が、所
定値ΔF未満であるときは、実際に発生している減衰力
Sij と目標減衰力FSTijとの差が小さく、ステップモ
ータ27は脱調していないと認められ、減衰力特性の変
更制御を禁止していることは適当でないから、フラグA
を3にセットして、次のサイクルに移行する。
【0054】本実施例によれば、車両が停止する毎に、
ステップモータ27の脱調補正をおこなうとともに、実
際に発生している減衰力FSij と目標減衰力FSTijとの
差が大きく、ステップモータ27が脱調している可能性
が大きいと認められる場合には、ハードに補正すべきと
きは、ハードになるように、ソフトに補正すべきとき
は、ソフトになるように、それぞれ、ステップモータ2
7の脱調補正をおこなっているので、所望のように、シ
ョックアブソーバ1、2、3、4の減衰力特性を変更制
御することが可能になり、ステップモータ27の脱調に
より、走行安定性および乗り心地が低下することを、効
果的に防止することができる。さらに、本実施例におい
ては、ステップモータ27の脱調補正は、ステップモー
タ27を、二段回転させる必要がある場合にも、一段づ
づ回転させることによってなされているので、脱調補正
の際に、ステップモータ27が脱調することを確実に防
止することができる。
【0055】本発明は、以上の実施例に限定されること
なく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種
々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包
含されるものであることは言うまでもない。たとえば、
前記実施例においては、ステップモータ27の脱調補正
を、一段づづ、2回おこなっているが、3回以上おこな
うようにしてもよい。
【0056】また、前記実施例においては、目標減衰力
STijの和と実際に発生している減衰力FSij の和の差
(SFSTij−SFSij )の絶対値が、所定値ΔF以上で
あるときに、ステップモータ27の脱調補正をおこなう
ようにしているが、目標減衰力FSTijと実際に発生して
いる減衰力FSij の差が、所定値以上である状態が、所
定回数あるいは所定時間にわたり、継続した場合に、
(SFSTij−SFSij )の正負を判定し、正の場合に
は、ハード側に、負の場合には、ソフト側に、それぞ
れ、脱調補正をおこなうようにしてもよい。
【0057】さらに、前記実施例においては、(SF
STij−SFSij )の絶対値が、所定値ΔF以上であると
きは、さらに、(SFSTij−SFSij )の正負を判定
し、正の場合には、ハード側に、負の場合には、ソフト
側に、それぞれ、脱調補正をおこなうようにしている
が、走行安定性の向上を重視して、(SFSTij−SF
Sij )の絶対値が、所定値ΔF以上のときは、ステップ
モータ27を、図8において、時計まわりに、一段づづ
回転させて、つねに、ハード側に、脱調補正するように
してもよく、また、目標減衰力FSTijと、実際に発生し
ている減衰力FSij の差が、所定値以上である状態が、
所定回数あるいは所定時間にわたり、継続した場合に、
走行安定性の向上を重視して、ステップモータ27を、
図8において、時計まわりに、一段づづ回転させて、つ
ねに、ハード側に、脱調補正するようにしてもよい。
【0058】また、前記実施例においては、しきい値
α、βを、α>1、0<β<1に設定しているが、α>
βであればよく、α>1、0<β<1に設定することは
必ずしも必要でない。ただし、走行安定性を重視すると
いう観点からは、α>1でかつα>β>0となるよう
に、しきい値α、βを設定することが望ましい。さら
に、前記実施例においては、第1車高変位センサ71、
第2車高変位センサ72、第3車高変位センサ73、第
4車高変位センサ74の検出した車高変位zijを微分し
て、車高変位速度xijを演算しているが、たとえば、ば
ね上およびばね下に、それぞれ、上下方向の加速度を検
出するセンサを設け、これらの積分値の差を求めるな
ど、その他の方法により、車高変位速度xijを演算する
ようにしてもよい。
【0059】また、前記実施例においては、2つのスト
ッパピン55、56を、ステップモータ27のロータ5
1に形成し、これと係合する溝57、58を、ステップ
モータ27の蓋53に形成しているが、ストッパピン5
5、56を、ステップモータ27の蓋53に形成し、こ
れと係合する溝57、58を、ステップモータ27のロ
ータ51に形成してもよく、さらには、ストッパピン5
5、56の一方を、ステップモータ27のロータ51
に、他方を、ステップモータ27の蓋53に形成し、ロ
ータ51に形成されたストッパピン55、56の一方と
係合する溝57、58を、ステップモータ27の蓋53
に、ステップモータ27の蓋53に形成された他方のス
トッパピン55、56と係合する溝57、58を、ステ
ップモータ27のロータ51に形成するようにしてもよ
いし、ストッパピン55、56、溝57、58以外の手
段により、ステップモータ27を、第1基準位置、第2
基準位置に、位置合わせする手段を構成してもよい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ばね上とばね下との間
に、ショックアブソーバを備え、車体の上下振動に応じ
て、オープン制御により、ショックアブソーバの減衰力
を変更するステップモータと、ステップモータに制御信
号を出力する制御手段とを備えた車両のサスペンション
装置において、ステップモータが脱調した場合にも、走
行安定性および乗り心地の低下を防止することのできる
車両のサスペンション装置を提供することが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施例に係る車両の
サスペンション装置を含む車両の略斜視図である。
【図2】図2は、各ショックアブソーバの要部略断面図
である。
【図3】図3は、アクチュエータの分解略斜視図であ
る。
【図4】図4は、ショックアブソーバの減衰係数を示す
グラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例に係る車両のサスペン
ション装置の振動モデル図である。
【図6】図6は、ステップモータの略斜視図である。
【図7】図7は、ロータおよびステータの略平面図であ
る。
【図8】図8は、蓋の略底面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例に係る車両のサスペン
ション装置の制御系のブロックダイアグラムである。
【図10】図10は、コントロールユニットによって実
行される各ショックアブソーバの減衰力特性変更制御の
基本ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図11は、運転状態に応じた減衰係数選択制
御のルーチンを示すフローチャートである。
【図12】図12は、ステップモータの脱調補正制御の
ルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図13は、ステップモータの脱調補正制御の
サブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1、2、3、4 ショックアブソーバ 5 左前輪 6 左後輪 7 コイルスプリング 8 コントロールユニット 9 車両 11 第1加速度センサ 12 第2加速度センサ 13 第2加速度センサ 14 第4加速度センサ 15 車速センサ 16 モード選択スィッチ 21 シリンダ 22 ピストンユニット 23、24 オリフィス 25 スリーブ 26 シャフト 27 ステップモータ 28 円形孔 29 第1オリフィスプレート 30 長孔 31 第2オリフィスプレート 32 上室 33 下室 41 第1アクチュエータ 42 第2アクチュエータ 43 第3アクチュエータ 44 第4アクチュエータ 50 筒状体 51 ロータ 52 ステータ 53 蓋 54 ソレノイド 55、56 ストッパピン 57、58 溝 61 第1圧力センサ 62 第2圧力センサ 63 第3圧力センサ 64 第3圧力センサ 65 イグニッションスイッチ 71 第1車高変位センサ 72 第2車高変位センサ 73 第3車高変位センサ 74 第4車高変位センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015 B60G 17/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね上とばね下との間に、ショックアブ
    ソーバを備え、車体の上下振動に応じて、オープン制御
    により、前記ショックアブソーバの減衰力を変更するス
    テップモータと、該ステップモータに制御信号を出力す
    る制御手段とを備えた車両のサスペンション装置におい
    て、前記制御手段が、車高変位速度に基づき算出した減
    衰力と実際の減衰力との差が、所定値以上である状態
    が、所定時間にわたり、継続したたときに、前記ステッ
    プモータに制御信号を出力して、前記ステップモータの
    脱調補正をおこなうように構成されたことを特徴とする
    車両のサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、車高変位速度に基づき
    算出した減衰力と実際の減衰力との差が、所定値以上で
    あるか否かの判定をおこなっている間、前記ショックア
    ブソーバの減衰力を変更する制御を停止するように構成
    されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサスペ
    ンション装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段が、前記ステップモータの
    脱調補正をおこなう際、前記ステップモータを、一段だ
    け回転させ、さらに、車高変位速度に基づき算出した減
    衰力と実際の減衰力との差が、所定値以上であるか否か
    の判定をおこない、その判定結果にしたがって、さら
    に、前記ステップモータの脱調補正をおこなうように構
    成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサス
    ペンション装置。
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