JP3081040B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents

車両のサスペンション装置

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JP3081040B2 JP03324188A JP32418891A JP3081040B2 JP 3081040 B2 JP3081040 B2 JP 3081040B2 JP 03324188 A JP03324188 A JP 03324188A JP 32418891 A JP32418891 A JP 32418891A JP 3081040 B2 JP3081040 B2 JP 3081040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置に関し、特に、ばね上とばね下との間に、減衰係数
が複数段に変更可能な減衰係数可変式のショックアブソ
ーバを備えるものの改良に係わる。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両のサスペンション装置にお
いては、車体側としてのばね上と、車輪側としてのばね
下との間に、車輪の上下振動を減衰させるためのショッ
クアブソーバが装備されている。このショックアブソー
バには、減衰係数可変式のものとして、減衰係数が大小
2段に変更可能なもの、減衰係数が多段又は無段連続的
に変更可能なもの等種々のものがある。
【0003】そして、このような減衰係数可変式のショ
ックアブソーバの制御方法は、基本的には、ショックア
ブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が上下変化
をしない目標の減衰力いわゆるスカイフックダンパー力
となるようショックアブソーバの減衰係数を変更制御す
るものである。その具体的な制御方法として、例えば特
開昭60−248419号公報には、ばね上とばね下と
の間の相対変位の符号とその微分値であるばね上ばね下
間の相対速度の符号とが一致するか否かを調べ、一致す
るときにはショックアブソーバの減衰係数を大きくして
該ショックアブソーバが発生する減衰力を大きくし、不
一致のときにはショックアブソーバの減衰係数を小さく
して該ショックアブソーバが発生する減衰力を小さくす
ることが開示されている。
【0004】また、このような制御においては、中立位
置付近の変位に対してショックアブソーバの減衰係数が
頻繁に切換えられるのを防止するために不感帯を設ける
ことが一般に行われている。例えば、実開昭63−40
213号公報には、ばね上ばね下間相対変位の符号とば
ね上ばね下間相対速度の符号との一致・不一致に基づい
て減衰係数を変更制御するに当たり、ばね上ばね下間相
対変位に対して不感帯領域を設け、該不感帯領域内では
常にショックアブソーバの減衰係数を小さいものに保持
するとともに、舵角や舵角速度等のばね上入力が大きい
ときには上記不感帯領域の幅を小さくして、車両のロー
リングを抑制し得るようにすることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、減衰係数が
複数段に変更可能なショックアブソーバの制御におい
て、上記の不感帯領域を設ける場合、制御の容易化の観
点からは、通常、減衰係数の大小の相違に拘らずいずれ
の切換え段でも同一の不感帯領域を設けることが考えら
れる。しかし、減衰係数が小さい切換え段では、大きい
切換え段に比べて減衰力の絶対値が小さいため、小さな
外力の入力に対しても減衰係数の変更が頻繁にかつ不必
要に行われてチャタリングが発生するという欠点があ
る。また、減衰係数が大きい切換え段の方から小さい切
換え段の方に複数段に跨がって大きく変化するときに
は、大きな切換え音や振動が発生するという問題もあ
る。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、上述の如く減衰係数が
複数段に変更可能なショックアブソーバの制御において
不感帯領域を設けるに当たり、減衰係数の大きさに応じ
て不感帯領域を適宜変更して、減衰力を効果的に発生さ
せつつ減衰係数の不必要な切換えを防止し、チャタリン
グ、大きな切換え音や振動の発生を防止し得る車両のサ
スペンション装置を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、ばね上とばね下との間に配
設され、減衰係数が複数段に変更可能なショックアブソ
ーバと、該ショックアブソーバの実際に発生する減衰力
が、ばね上が上下変化をしない目標の減衰力となるよう
ショックアブソーバの減衰係数を変更制御する制御手段
とを備えた車両のサスペンション装置において、さら
に、上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減
衰力との差が所定の範囲内のとき上記制御手段に対しそ
の変更制御を禁止する禁止手段と、上記ショックアブソ
ーバの現在選択されている減衰係数が小さい程上記所定
範囲の下限しきい値を小さくする下限しきい値変更手段
とを備える構成とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、ばね上とば
ね下との間に配設され、減衰係数が複数段に変更可能な
ショックアブソーバと、該ショックアブソーバの実際に
発生する減衰力が、ばね上が上下変化をしない目標の減
衰力となるようショックアブソーバの減衰係数を変更制
御する制御手段とを備えた車両のサスペンション装置に
おいて、さらに、車速を検出する車速検出手段と、該車
速検出手段からの信号を受け、上記制御手段で選択され
るショックアブソーバの減衰係数を、低車速時に低いも
のに、高車速時に高いものにそれぞれ限定する限定手段
と、上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減
衰力との差が所定の範囲内のとき上記制御手段に対しそ
の変更制御を禁止する禁止手段と、上記車速検出手段か
らの信号を受け、低車速時に上記所定範囲の下限しきい
値を小さくする下限しきい値変更手段とを備える構成と
する。
【0009】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
ショックアブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上
が上下変化をしない目標の減衰力となるよう制御手段よ
ってショックアブソーバの減衰係数が変更される制御に
おいては、上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目
標の減衰力との差が所定の範囲内のとき、禁止手段によ
り上記制御手段の変更制御が禁止される。これにより、
ショックアブソーバの減衰係数が頻繁に変更されるのを
防止することができる。しかも、上記所定範囲の下限し
きい値は、下限しきい値変更手段によって上記ショック
アブソーバの現在選択されている減衰係数が小さい程小
さくなるように変更され、小さな外力の入力に対して減
衰係数の変更が頻繁に行われることはない。
【0010】また、請求項2記載の発明では、ショック
アブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が上下変
化をしない目標の減衰力となるよう制御手段によってシ
ョックアブソーバの減衰係数が変更される制御において
は、上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減
衰力との差が所定の範囲内のとき、禁止手段により上記
制御手段の変更制御が禁止され、また、上記制御手段で
選択されるショックアブソーバの減衰係数は、限定手段
によって低車速時に小さいものに、高車速時に大きいも
のにそれぞれ限定され、この限定された範囲内でショッ
クアブソーバの減衰係数が変更される。これにより、シ
ョックアブソーバの減衰係数が頻繁にかつ大幅に変更さ
れるのを防止することができる。しかも、上記変更規制
の所定範囲の下限しきい値は、下限しきい値変更手段に
よって、ショックアブソーバの減衰係数が小さいものに
限定される低車速時に小さくなるように変更され、小さ
な外力の入力に対して減衰係数の変更が頻繁に行われる
ことはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は本発明の一実施例に係わるサスペン
ション装置を装備する車両の部品レイアウトを示す。
【0013】図1において、1,2,3及び4は左右の
前輪5(左側の前輪のみ図示する)及び後輪6(左側の
後輪のみ図示する)に各々対応して設けられた四つのシ
ョックアブソーバであって、各車輪の上下動を減衰させ
るものである。該各ショックアブソーバ1〜4は、内蔵
するアクチュエータ(図2及び図3参照)により減衰係
数が相互に異なった10段に変更可能に設けられてお
り、また、実際に発生する減衰力の大きさを検出する圧
力センサ(図示せず)を内蔵している。7は上記各ショ
ックアブソーバ1〜4の上部外周に配設されたコイルス
プリング、8は上記各ショックアブソーバ1〜4内のア
クチュエータに対して制御信号を出力してその減衰係数
を変更制御するコントロールユニットであり、該コント
ロールユニット8に向けて上記各ショックアブソーバ1
〜4内の圧力センサから検出信号が出力される。
【0014】また、11,12,13及び14は各車輪
毎のばね上の上下方向の加速度を検出する四つの加速度
センサ、15は従動輪たる前輪5の回転速度から車速を
検出する車速検出手段としての車速センサ、16はステ
アリングシャフトの回転から前輪5の舵角を検出する舵
角センサ、17はドライバーがショックアブソーバ1〜
4の減衰係数についてハードモード、ソフトモードまた
はコントロールモードのいずれかに切り換えるモード選
択スイッチであり、該モード選択スイッチ17により、
ハードモードが選択されたときは、大きな減衰係数が選
択され、減衰力がハードなものになる。また、ソフトモ
ードが選択されたときは、小さな減衰係数が選択され、
減衰力がソフトなものになる。さらに、コントロールモ
ードが選択されたときは、予めコントロールユニット8
内に記憶されたマップあるいはテーブルに基づいて、シ
ョックアブソーバ1〜4の減衰係数の変更制御が行われ
る。この変更制御については、後に詳述する。
【0015】図2は上記ショックアブソーバ1〜4の構
造を示す。但し、この図では、ショックアブソーバ1〜
4に内蔵される圧力センサは、便宜上省略している。
【0016】図2において、21はシリンダであって、
該シリンダ21内には、ピストンとピストンロッドとを
一体的に成形してなるピストンユニット22が摺動自在
に嵌装されている。上記シリンダ21及びピストンユニ
ット22は、それぞれ別々に設けられた結合構造を介し
てばね下及びばね上に結合されている。
【0017】上記ピストンユニット22には、二つのの
オリフィス23、24が形成されている。そのうちの一
方のオリフィス23は常に開いており、他方のオリフィ
ス24は、その通路面積(絞り)がアクチュエータ25
により10段階に変更可能に設けられている。上記アク
チュエータ25は、図3にも示すように、ピストンユニ
ット22内に固定して配置されたスリーブ26と、該ス
リーブ26内を貫通しかつ回転自在に設けられたシャフ
ト27と、該シャフト27を所定の角度毎に回転させる
ステップモータ28と、上記シャフト27の下端に回転
一体に連結され、円周方向に所定の間隔毎に形成された
九つの円形孔29,29,…を有する第1オリフィスプ
レート30と、上記スリーブ26の下端に取付けられ、
円周方向に沿って円弧状に形成された長孔31を有する
第2オリフィスプレート32とを備えている。そして、
ステップモータ28が作動して第1オリフィスプレート
30が回動することにより、該第1オリフィスプレート
30の円形孔29が第2オリフィスプレート32の長孔
31と対向したりしなくなったりし、また、その対向す
る円形孔29の個数も零から九つまで順次変わるように
なっている。
【0018】上記シリンダ21内の上室33、下室34
及びこの両室33,34に通じるピストンユニット22
内の空洞は、適度の粘性を有する流体で満たされてい
る。この流体は、上記オリフィス23,24のいずれか
を通って上室33と下室34との間を移動するようにな
っている。
【0019】図4はサスペンション装置の振動モデルを
示し、msはばね上質量、muはばね下質量、zs はば
ね上変位、zu はばね下変位、ks はコイルスプリング
7のばね定数、kt はタイヤのばね定数、Dk はショッ
クアブソーバ1〜4の減衰係数である。
【0020】図5はショックアブソーバ1〜4の減衰係
数を示す図であり、D1 〜D10は、それぞれショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数を示している。図5におい
て、縦軸はショックアブソーバ1〜4の発生する減衰力
を、横軸はばね上の変位速度Xs (dzs /dt)とば
ね下の変位速度Xu (dzu /dt)との差、すなわ
ち、ばね上とばね下との間の相対変位速度(Xs −Xu
)を示している。減衰係数D1 〜D10は、各ショック
アブソーバ1〜4で10段階に変更可能なものであっ
て、D1 は最もソフトな減衰力を発生させる減衰係数を
示し、D10は最もハードな減衰力を発生させる減衰係数
を示す。ここで、減衰係数Dk (k =1〜10)は、第
1オリフィスプレート30に形成された九つの円形孔2
9,29,…のうち、(10−k )個の円形孔29が、
第2オリフィスプレート32に形成された長孔31と連
通することで選択されるようになっている。従って、減
衰係数D1は、第1オリフィスプレート30の九つの円
形孔29,29,…全てが第2オリフィスプレート32
の長孔31と連通することで選択され、減衰係数D10
は、第1オリフィスプレート30の九つの円形孔29,
29,…のいずれもが第2オリフィスプレート32の長
孔31と連通しないことで選択されることになる。
【0021】図6及び図7は上記ステップモータ28の
構造を示す。すなわち、ステップモータ28は、筒状体
40と、該筒状体40内に収容されたロータ41及びス
テータ42と、上記筒状体40に取付けられる蓋43と
を有する。上記ロータ41の外周部には複数の矩形状の
歯41a,41a,…が形成されているとともに、上記
ステータ42の内周部には、これと対応して複数の矩形
状の歯42a,42a,…が形成されており、また、ス
テータ42には、ソレノイド44が巻回されている。ロ
ータ41には、2本のストッパピン45,46が形成さ
れている。一方、上記蓋43の裏面には、図8に示すよ
うに、上記両ストッパピン45,46に対応する位置の
円周方向に二つの溝47,48が形成されている。その
うち、溝47は、ストッパピン45と係合してステップ
モータ28の可動範囲を制限するものであり、他方、溝
48はストッパピン46と係合するものである。そし
て、上記両ストッパピン45,46をそれぞれ溝47,
48と係合させることによって、蓋43を被せたときに
ロータ41の重心が回転中心と一致するようになってい
る。従って、蓋43の中心から溝47,48の両端部を
見た円周角は、溝48の方が溝47より大きく設定され
ており、専ら溝47によって、ステップモータ28の可
動範囲が決定されるようになっている。また、上記ロー
タ41が、図7で時計回りに回転すると、ショックアブ
ソーバ1〜4の減衰係数Dk がより大きくなって減衰力
はよりハードになり、他方反時計回りに回転すると、減
衰係数Dk がより小さくなって減衰力はよりソフトにな
るようになっており、さらに、ロータ41の矩形状の歯
41aがステータ42の隣接する矩形状の歯42aに対
向する位置に移動させられたとき、つまり、ステップモ
ータ28が一段回転したとき、減衰係数Dk が1つだけ
変化するようになっている。従って、ストッパピン45
が図8で溝47の左端部である第1基準位置に位置して
いるとき、減衰係数Dk はD10となり、ショックアブソ
ーバ1〜4が最もハードな減衰力を発生し、他方、スト
ッパピン45が図8で溝47の右端部である第2基準位
置に位置しているとき、減衰係数Dk はD1 となり、シ
ョックアブソーバ1〜4が最もソフトな減衰力を発生す
るようになっている。
【0022】図9はサスペンション装置の制御系のブロ
ック構成を示す。図9中、第1の圧力センサ51、加速
度センサ11及びアクチュエータ25aは車体左側の前
輪5に、第2の圧力センサ52、加速度センサ12及び
アクチュエータ25bは車体右側の前輪5に、第3の圧
力センサ53、加速度センサ13及びアクチュエータ2
5cは車体左側の後輪6に、第4の圧力センサ54、加
速度センサ14及びアクチュエータ25dは車体右側の
後輪6にそれぞれ対応して設けられたものである。尚、
アクチュエータ25a〜25dは、図2中のアクチュエ
ータ25と同じものであり、圧力センサ51〜54は、
ショックアブソーバ1〜4にそれぞれ内蔵されたもので
ある。
【0023】また、15,16及び17はそれぞれ前述
した車速センサ、舵角センサ及びモード選択スイッチ、
55は車両の走行路面の摩擦係数(μ)を検出する路面
μセンサであって、該路面μセンサ55は、従来公知の
方法、例えば車速とその微分値である車体加速度とから
摩擦係数を検出するようになっている。これらセンサ・
スイッチ類の検出信号は全てコントロールユニット8に
入力されており、該コントロールユニット8からは制御
信号がそれぞれ第1〜第4のアクチュエータ25a〜2
5dに対して出力され、この制御信号に基づいたアクチ
ュエータ25a〜25dの作動により、各ショックアブ
ソーバ1〜4の減衰係数Dkiが変更制御される。尚、減
衰係数Dkiの前側の添字kは、切換え段を意味し、1〜
10の値をとる。後側の添字iは、アクチュエータ25
a〜25dないしそれを内蔵するショックアブソーバ1
〜4の番号を意味し、1〜4の値をとる。
【0024】次に、上記コントロールユニット8による
ショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更制御を
説明する。この変更制御は、図10及び図11にそれぞ
れ示すフローチャートに従って行われる。図10は、シ
ョックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを10段のう
ち、限定した範囲の複数段の間で変更するようにするた
めの減衰係数限定ルーチンのフローチャートであり、図
11は、モード選択スイッチ16によりコントロールモ
ードが選択された場合に実行される減衰係数Dkiの変更
制御の基本ルーチンのフローチャートである。
【0025】図10において、スタートした後、先ず始
めに、ステップS1 で車速センサ15により検出された
車速V、及び第1〜第4加速度センサ11〜14により
検出されたばね上の上下方向の加速度ai の各信号を入
力する。
【0026】続いて、ステップS2 で車速Vが極低車速
値である第1の所定車速V1 (例えば3km/h)以上であ
るか否かを判定し、その判定がNOのときは、ステップ
S3に進み、車速Vが極めて低速であるから、スコット
や制動ダイブを防止するために、ショックアブソーバ1
〜4の減衰係数Dkiがハードになるように該減衰係数D
kiをD8iに固定する。この場合、減衰係数DkiはD8iに
固定されるので、図11に示された減衰係数の変更制御
の基本ルーチンは行われない。
【0027】一方、車速Vが第1の所定車速V1 を越え
ているYESのときには、ステップS4 に進み、ばね上
の上下方向の加速度ai の絶対値が所定値ai0以上の悪
路走行中であるか否かを判定する。この判定がYESの
悪路走行中のときには、ステップS5 に進んで車速Vが
第3の所定車速V3 (例えば50km/h)以上であるか否
かを判定する。
【0028】上記ステップS5 の判定がYESのときに
は、ステップS6 で走行安定性の向上を重視して減衰係
数Dkiを比較的ハードな範囲内で変更制御するために、
減衰係数DkiをD5i〜D7iの範囲に設定する。その結
果、図11に示された減衰係数の変更制御の基本ルーチ
ンにおいて、減衰係数Dkiは、D5iが下限値になり、た
とえさらにソフトに変更すべき条件が成立しても、減衰
係数Dkiは、D5iに保持され、他方、D7iが上限値にな
り、たとえよりハードに変更すべき条件が成立しても、
減衰係数Dkiは、D7iに保持されることになる。
【0029】これに対して、上記ステップS5 の判定が
NOのときには、ステップS7 に進み、走行安定性と乗
り心地の向上の両立を図ることが必要であるから、ショ
ックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを比較的ソフトな
状態からハードな状態の範囲内で変更制御することを可
能にするために、該減衰係数Dkiを、D3i〜D7iの範囲
に設定する。従って、図11に示された減衰係数の変更
制御の基本ルーチンにおいて、減衰係数Dkiは、D3iが
下限値になり、たとえさらにソフトに変更すべき条件が
成立しても、減衰係数DkiはD3iに保持され、他方、D
7iが上限値になり、たとえよりハードに変更すべき条件
が成立しても、減衰係数DkiはD7iに保持されることに
なる。
【0030】一方、上記ステップS4 の判定がNOのと
きには、つまり悪路ではなく通常の道路を走行中である
と考えられるときには、ステップS8 で、さらに車速V
が第2の所定車速V2 (例えば30km/h)以下であるか
否かを判定する。この判定がYESのときには、ステッ
プS9 において、乗り心地の向上を重視するために、シ
ョックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが比較的ソフト
な範囲内で変更制御されるように、該減衰係数DkiをD
1i〜D3iの範囲に設定する。従って、図11に示された
減衰係数の変更制御の基本ルーチンにおいて、減衰係数
DkiがD1iのときは、たとえさらにソフトに変更すべき
条件が成立した場合でも減衰係数DkiはD1iに保持さ
れ、他方、D3iが上限値になり、たとえよりハードに変
更すべき条件が成立しても減衰係数DkiはD3iに保持さ
れることになる。
【0031】上記ステップS8 の判定がNOのときに
は、ステップS10でさらに車速Vが第4の所定車速V4
(例えば60km/h)以下であるか否かを判定する。その
判定がYESのときには、ステップS11に進み、走行安
定性と乗り心地の向上させるという2つ要請の両立を図
ることが必要であるから、ショックアブソーバ1〜4の
減衰係数Dkiを比較的ソフトな状態からハードな状態の
範囲内で変更制御することを可能とするために、該減衰
係数DkiをD2i〜D6iの範囲に設定する。従って、図1
1に示された減衰係数の変更制御の基本ルーチンにおい
て、減衰係数DkiはD2iが下限値になり、たとえよりソ
フトに変更すべき条件が成立しても減衰係数DkiはD2i
に保持され、他方、D6iが上限値になり、たとえさらに
ハードに変更すべき条件が成立しても減衰係数DkiはD
6iに保持されることになる。
【0032】これに対して、上記ステップS10の判定が
NOのときには、ステップS12に進み、さらに車速Vが
第5の所定車速V5 (例えば80km/h)以下であるか否
かを判定する。この判定がYESのときには、ステップ
S13に進み、走行安定性と乗り心地の向上という2つの
要請の両立を図りつつ、ややハードにショックアブソー
バ1〜4の減衰係数Dkiを変更制御するために、該減衰
係数Dkiを、D4i〜D8iの範囲に設定する。従って、図
11に示された減衰係数の変更制御の基本ルーチンにお
いて、減衰係数DkiはD4iが下限値になり、たとえさら
にソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数Dkiは
D4iに保持され、他方、D8iが上限値になり、たとえさ
らにハードに変更すべき条件が成立しても、減衰係数D
kiは、D8iに保持されることになる。
【0033】上記ステップS12の判定がNOの高速走行
状態にあるときには、ステップS14に進み、走行安定性
の向上を重視して、ショックアブソーバ1〜4の減衰係
数Dkiがハードな範囲内で変更制御されるように、該減
衰係数DkiをD7i〜D10i の範囲に設定する。従って、
図11に示された減衰係数の変更制御の基本ルーチンに
おいて、減衰係数DkiはD7iが下限値になり、たとえさ
らにソフトに変更すべき条件が成立しても減衰係数Dki
はD7iに保持され、他方、たとえさらにハードに変更す
べき条件が成立しても減衰係数DkiはD10i に保持され
ることになる。
【0034】以上のルーチンによって、図11に示され
た減衰係数の変更制御の基本ルーチンにおいて選択され
るショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの上限値及
び下限値を車速等の走行状態に応じて設定して、選択さ
れるショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの範囲を
限定する限定手段61が構成されている。
【0035】一方、図11に示された減衰係数の変更制
御の基本ルーチンにおいては、スタートした後、先ず始
めに、ステップS21でショックアブソーバ1〜4の現在
選択されている減衰係数Dkiを認識し、ステップS22で
その減衰係数DkiがD3i以上であるか否かを判定する。
この判定がYESのときには、ステップS23でしきい値
α,βをαs ,βs にそれぞれ設定する一方、判定がN
Oのときには、ステップS24でしきい値α,βをαs ,
βh にそれぞれ設定する。
【0036】上記のしきい値α,βの設定後、ステップ
S25でばね上の上下方向の加速度ai 及び第1〜第4圧
力センサ51〜54により検出されたショックアブソー
バ1〜4の実際に発生する減衰力Fsiの各信号を入力す
る。続いて、ステップS26で上記加速度ai を積分して
ばね上の上下方向の変位速度Xsi(=Σai )を算出
し、ステップS27でこの変位速度Xsiに所定の定数K
(K<0)を乗じて、理想の減衰力であるスカイフック
ダンパー力Faiを算出する。
【0037】続いて、ステップS28において、下記の式
hαi =Fsi・(Fai−α・Fsi)・・・・・・・・・・・・・ に従って、hαi を算出する。
【0038】しかる後、ステップS29でhαi が正であ
るか否かを判定し、hαi が正であるYESのときに
は、ステップS34において、ショックアブソーバ1〜4
のアクチュエータ25a〜25dに制御信号を出力し
て、該アクチュエータ25a〜25dのステップモータ
28を図7の時計方向に一段だけ回転させ、減衰係数D
kiを、前回の減衰係数Dkiより一段大きいD(K+1)iに、
つまりよりハードになるように変更する。一方、hαi
が正でないNOのときは、ステップS30に進み、下記の
式に従って、 hβi =Fsi・(Fai−β・Fsi)・・・・・・・・・・・・・ hβi を算出する。
【0039】しかる後、ステップS31でhβi が負であ
るか否かを判定し、hβi が負であるYESのときは、
ステップS33において、hβi が負であるショックアブ
ソーバ1〜4のアクチュエータ25a〜25dに制御信
号を出力して、該アクチュエータ25a〜25dのステ
ップモータ28を図7の反時計方向に一段だけ回転さ
せ、減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより一段小さい
D(k-1)iになるように、つまりよりソフトになるように
変更する。一方、hβi が負でないNOのときには、ス
テップS32において、ステップモータ28を回転させる
ことなく、すなわち減衰係数Dkiを前回の減衰係数Dki
のまま変更することなく保持して、次のサイクルに移行
する。
【0040】ここで、α、βは、減衰係数Dkiの変更が
あまりに頻繁に行われるのを防止するためのしきい値で
あって、通常、α>1、0<β<1に設定される。
【0041】すなわち、FsiとFaiとが同符号の場合に
は、上記式の(Fai−α・Fsi)は、α>1であるの
で、Fsiにαが乗ぜられていない場合に比して、Fsiと
異符号になり易く、その結果、hαi は負になり易いか
ら、減衰係数Dkiのハード側への変更が行われ難くな
る。また、上記式の(Fai−β・Fsi)は、0<β<
1であるので、Fsiにβが乗ぜられていない場合に比し
て、Fsiと同符号になり易く、その結果、hβi は正に
なり易いから、減衰係数Dkiのソフト側への変更も行わ
れ難くなる。
【0042】これに対して、FsiとFaiとが異符号の場
合には、実際の減衰力Fsiを、理想的な減衰力であるス
カイフックダンパー力Faiと一致させることは不可能で
あり、減衰係数Dkiを零に近い値にすること、すなわち
よりソフトになるように変更することが、FsiをFaiに
より近づける上で望ましい。そこで、本実施例において
は、FsiとFaiとが異符号のときには、hαi 及びhβ
i が共に負の値となり、その結果、コントロールユニッ
ト8により、減衰係数Dkiは、前回の減衰係数Dkiより
一段小さいD(k-1)iに、つまりよりソフトになるように
変更されるから、かかる要請を満足することができるよ
うになっている。
【0043】さらに、FsiとFaiとが同符号の場合、下
限しきい値βが0に近付くよう小さくなる程、減衰係数
Dkiのソフト側への変更がより行われ難くなり、またβ
s ,βh は、0<βh <βs <1の大小関係が成立する
ように設定されている。従って、下限しきい値βをβh
に設定するとき(つまりショックアブソーバ1〜4の現
在選択されている減衰係数DkiがD3i以下のとき)に
は、下限しきい値βをβs に設定するとき(つまりショ
ックアブソーバ1〜4の現在選択されている減衰係数D
kiがD3i以上のとき)に比して減衰係数Dkiのソフト側
への変更がより行われ難くなっている。
【0044】図12は、以上のような減衰係数Dkiの変
更としきい値との関係を示す特性図である。この図にお
いて、Rh は、減衰係数Dkiがハード側に変更される特
性領域、つまり減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより
一段大きいD(k+1)iに変更される特性領域を、Rsは、
減衰係数Dkiがソフト側に変更される特性領域、つまり
減衰係数Dkiが前回の減衰係数Dkiより一段小さいD(k
-1)iに変更される特性領域をそれぞれ示しており、上限
しきい値αs と下限しきい値βs 又はβh との間の領域
は、減衰係数Dkiの変更が行われない領域つまり不感帯
領域を示している。下限しきい値が小さいβh の場合
は、大きいβs の場合に比べて特性領域Rs が狭く、一
段小さいD(k-1)iへの変更が行われ難くなる。
【0045】図11に示された減衰係数の変更制御の基
本ルーチンのうち、ステップS25〜S34により、ショッ
クアブソーバ1〜4の実際に発生する減衰力Fsiが、ば
ね上が上下変化をしないスカイフックダンパー力Faiと
なるようショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを変
更制御する制御手段62が構成され、特に、ステップS
29〜S32により、ショックアブソーバ1〜4の実際の減
衰力Fsiとスカイフックダンパー力Faiとの差が所定の
範囲(つまり図12中αs とβs 又はβh との間の不感
帯領域)内のとき上記制御手段62に対し、ショックア
ブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更を禁止する禁止手
段63が構成されている。また、ステップS21〜S24に
より、ショックアブソーバ1〜4の現在選択されている
減衰係数Dkiが小さい程上記所定範囲の下限しきい値β
を小さくする下限しきい値変更手段64が構成されてい
る。
【0046】したがって、このような減衰係数の変更制
御においては、ショックアブソーバ1〜4の実際に発生
する減衰力Fsiが、ばね上が上下変化をしないスカイフ
ックダンパー力Faiとなるように該ショックアブソーバ
1〜4の減衰係数Dkiが変更制御されるので、ばね上の
上下変化を可及的に抑制することができ、走行安定性を
高めることができる。
【0047】その上、上記ショックアブソーバ1〜4の
実際の減衰力Fsiとスカイフックダンパー力Faiとの差
が所定の範囲内のときには上記の変更制御は禁止され、
また、選択されるショックアブソーバ1〜4の減衰係数
Dkiの上限値及び下限値が車速等車両の走行状態に応じ
て設定され、この限られた範囲内でショックアブソーバ
1〜4の減衰係数Dkiが変更されるので、車両の走行状
態に応じて走行安定性と乗り心地との両立を図りなが
ら、ショックアブソーバの減衰係数の大幅な変更による
大きな切換え音や振動の発生を防止することができる。
しかも、上記変更禁止の所定範囲つまり不感帯領域の下
限しきい値βは、ショックアブソーバ1〜4の減衰係数
DkiがD3i以下の小さいときにはD3i以上の大きいとき
に比べて小さくなるので、小さな外力の入力に対してシ
ョックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiの変更が頻繁に
行われることもなく、チャタリングの発生を防止するこ
とができる。
【0048】図13は減衰係数の変更制御の基本ルーチ
ンの変形例を示すフローチャートの一部であり、この変
更制御では、不感帯領域のしきい値α,βをそれぞれシ
ョックアブソーバ1〜4の現在選択されている減衰係数
Dkiに応じて設定するようになっている。
【0049】すなわち、図13において、スタートした
後、先ず始めに、ステップS31で各ショックアブソーバ
1〜4の現在選択されている減衰係数Dkiを認識する。
続いて、ステップS32において、図14に示すような予
め記憶されたマップから、上記減衰係数Dkiに対応する
不感帯領域の上限しきい値αを読み込む。図14に示す
マップにおいて、上限しきい値αは、1以上であって、
減衰係数Dkiが二つ置きに大きくなるに従って段階的に
小さくなるように設定されている。
【0050】続いて、ステップS33において、図15に
示すような予め記憶されたマップから、上記減衰係数D
kiに対応する不感帯領域の下限しきい値βを読み込む。
図15に示すマップにおいて、下限しきい値βは、0と
1との範囲内であって、減衰係数Dkiが二つ置きに大き
くなるに従って段階的に大きくなるように設定されてい
る。このステップS33により、ショックアブソーバ1〜
4の現在選択されている減衰係数Dkiが小さい程不感帯
領域の下限しきい値βを小さくする下限しきい値変更手
段71が構成されている。
【0051】その後は、図11に示された基本ルーチン
のステップS25以下に移行し、ショックアブソーバ1〜
4の実際に発生する減衰力Fsiが、ばね上が上下変化を
しないスカイフックダンパー力Faiとなるようショック
アブソーバ1〜4の減衰係数Dkiを変更するとともに、
ショックアブソーバ1〜4の実際の減衰力Fsiとスカイ
フックダンパー力Faiとの差が不感帯領域内のとき上記
減衰係数Dkiの変更を禁止するような制御が行われる。
【0052】そして、このような制御の場合、不感帯領
域の下限しきい値βは、減衰係数Dkiが二つ置きに大き
くなるに従って段階的に大きくなるように設定され、換
言すれば減衰係数Dkiが小さくなる程次第に小さくなる
ように設定されているので、減衰係数Dkiのソフト側へ
の変更し易さを、現時点の減衰係数Dkiの大きさひいて
は外力の大きさに応じて適切に変更することができ、チ
ャタリング等の発生をより効果的に防止することができ
る。また、不感帯領域の上限しきい値αは、減衰係数D
kiが大きくなる程次第に小さくなるように設定されてい
るので、減衰係数Dkiのハード側への変更し易さを、現
時点の減衰係数Dkiの大きさひいては外力の大きさに応
じて適切に変更することができ、減衰効果を有効に発揮
して走行安定性の向上をより図ることができる。
【0053】図16は減衰係数の変更制御の基本ルーチ
ンの他の変形例を示すフローチャートの一部である。上
記実施例の変更制御の如くショックアブソーバ1〜4の
減衰係数Dkiの上限値及び下限値を、低車速時に低いも
のに、高車速時に高いものにそれぞれ変更する場合、低
車速時はショックアブソーバ1〜4の減衰係数Dkiが小
さくなっている時と一致することから、この変形例の変
更制御では、車速の大きさに応じて不感帯領域の下限し
きい値βを変更するようにしている。
【0054】すなわち、図16においては、スタートし
た後、先ず始めに、ステップS41で車速Vの信号を入力
し、ステップS42でこの車速Vが第1の所定車速V1
(例えば3km/h)以上でかつ第2の所定車速V2 (例え
ば30km/h)以下であるか否かを判定する。この判定が
NOのとき、つまり極低車速時又は中・高車速時のとき
には、ステップS43でしきい値α,βをαs ,βs にそ
れぞれ設定する一方、判定がYESの低車速時のときに
は、ステップS44でしきい値α,βをαs ,βhにそれ
ぞれ設定する。ここで、βs ,βh は、0<βh <βs
<1の大小関係が成立するように設定されている。上記
ステップS41〜S44により、低車速時に不感帯領域の下
限しきい値βを他の車速時に比べて小さくする下限しき
い値変更手段72が構成されている。
【0055】その後は、図11に示された基本ルーチン
のステップS25以下に移行する。
【0056】
【発明の効果】以上の如く、請求項1記載の発明におけ
る車両のサスペンション装置によれば、ショックアブソ
ーバの実際の減衰力と目標の減衰力との差が所定の範囲
内のときに該ショックアブソーバの減衰係数の変更制御
が禁止される上、ショックアブソーバの現在選択されて
いる減衰係数が小さい程上記所定範囲の下限しきい値が
小さくなるよう変更されるので、ショックアブソーバの
減衰係数の変更によりばね上の上下変化をなくすよう減
衰力を適切に発揮しながら、比較的小さな外力の入力に
対して該ショックアブソーバの減衰係数の変更が頻繁に
行われるのを防止することができ、チャタリングの発生
を防止することができる。
【0057】また、請求項2記載の発明における車両の
サスペンション装置によれば、ショックアブソーバの減
衰係数は低車速時に小さいものに、高車速時に大きいも
のにそれぞれ限定され、この限定された範囲内でショッ
クアブソーバの減衰係数が変更されるので、車速に応じ
て走行安定性と乗り心地との両立を高い次元で図りなが
ら、ショックアブソーバの減衰係数の大幅な変更による
大きな切換え音や振動の発生を防止することができる。
また、ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減衰
力との差が所定の範囲内のとき該ショックアブソーバの
減衰係数の変更制御が禁止される上、上記所定範囲の下
限しきい値は、ショックアブソーバの減衰係数が小さい
ものに限定される低車速時に小さくなるように変更され
るので、比較的小さな外力の入力に対して減衰係数の変
更が頻繁に行われるのを防止することができ、チャタリ
ングの発生を防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるサスペンション装置を
備える車両の部品レイアウトを示す斜視図である。
【図2】ショックアブソーバの主要部を示す縦断面図で
ある。
【図3】アクチュエータの分解斜視図である。
【図4】サスペンション装置の振動モデルを示す模式図
である。
【図5】ショックアブソーバの減衰係数を示す図であ
る。
【図6】ステップモータの斜視図である。
【図7】ステップモータのロータおよびステータの平面
図である。
【図8】ステップモータの蓋の底面図である。
【図9】サスペンション装置の制御系のブロック構成図
である。
【図10】減衰係数限定のルーチンを示すフローチャー
ト図である。
【図11】減衰係数の変更制御の基本ルーチンを示すフ
ローチャート図である。
【図12】減衰係数の変更としきい値との関係を示す特
性図である。
【図13】減衰係数の変更制御の基本ルーチンの変形例
を示すフローチャートの部分図である。
【図14】上限しきい値α設定用のマップ図である。
【図15】下限しきい値β設定用のマップ図である。
【図16】減衰係数の変更制御の基本ルーチンの他の変
形例を示すフローチャートの部分図である。
【符号の説明】
1,2,3,4 ショックアブソーバ 15 車速センサ(車速検出手段) 61 限定手段 62 制御手段 63 禁止手段 64,71,72 下限しきい値変更手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−74411(JP,A) 特開 平2−303913(JP,A) 特開 平2−3512(JP,A) 特開 昭61−184113(JP,A) 特開 昭61−75007(JP,A) 特開 昭60−244610(JP,A) 実開 平4−86509(JP,U) 実開 昭62−153108(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015 B60G 17/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ばね上とばね下との間に配設され、減衰
    係数が複数段に変更可能なショックアブソーバと、該シ
    ョックアブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が
    上下変化をしない目標の減衰力となるようショックアブ
    ソーバの減衰係数を変更制御する制御手段とを備えた車
    両のサスペンション装置において、 上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減衰力
    との差が所定の範囲内のとき上記制御手段に対しその変
    更制御を禁止する禁止手段と、 上記ショックアブソーバの現在選択されている減衰係数
    が小さい程上記所定範囲の下限しきい値を小さくする下
    限しきい値変更手段とを備えたことを特徴とする車両の
    サスペンション装置。
  2. 【請求項2】 ばね上とばね下との間に配設され、減衰
    係数が複数段に変更可能なショックアブソーバと、該シ
    ョックアブソーバの実際に発生する減衰力が、ばね上が
    上下変化をしない目標の減衰力となるようショックアブ
    ソーバの減衰係数を変更制御する制御手段とを備えた車
    両のサスペンション装置において、 車速を検出する車速検出手段と、 該車速検出手段からの信号を受け、上記制御手段で選択
    されるショックアブソーバの減衰係数を、低車速時に低
    いものに、高車速時に高いものにそれぞれ限定する限定
    手段と、 上記ショックアブソーバの実際の減衰力と目標の減衰力
    との差が所定の範囲内のとき上記制御手段に対しその変
    更制御を禁止する禁止手段と、 上記車速検出手段からの信号を受け、低車速時に上記所
    定範囲の下限しきい値を小さくする下限しきい値変更手
    段とを備えたことを特徴とする車両のサスペンション装
    置。
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