JPH0789158B2 - 原子炉の運転方法及び燃料集合体 - Google Patents

原子炉の運転方法及び燃料集合体

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JPH0789158B2
JPH0789158B2 JP63016991A JP1699188A JPH0789158B2 JP H0789158 B2 JPH0789158 B2 JP H0789158B2 JP 63016991 A JP63016991 A JP 63016991A JP 1699188 A JP1699188 A JP 1699188A JP H0789158 B2 JPH0789158 B2 JP H0789158B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉の運転方法、水ロツド、燃料集合体及
び原子炉に係り、特に沸騰水型原子炉に適用して核燃料
物質の消費節約に好適な原子炉の運転方法及び燃料集合
体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の沸騰水型原子炉では、原子炉圧力容器内に炉心部
が位置し、この炉心部には多数の燃料集合体が装荷さ
れ、燃料集合体間に制御棒駆動装置にて操作される制御
棒が挿入されている。ところで、原子炉の発熱反応は燃
料棒内に存在する核分裂性物質(例えばウラン−235)
の核分裂の連鎖反応により維持される。すなわち、炉心
内では、中性子がウランに衝突しウランを分裂させ、ウ
ランが分裂する際の分裂エネルギーが熱エネルギーとな
る。また、ウランが分裂する際に2〜3個の中性子が発
生し、次のウランを分裂させ、以下連鎖反応によりウラ
ンは燃え続ける。この分裂反応を核分裂というが、ウラ
ンと中性子が衝突すれば常に核分裂を起こすとは限らな
い。ウランのうち中性子と衝突し核分裂を生じるのは、
ウラン235である。これは天然に存在するウランのうち
0.7%しかなく、残りは分裂しないウラン238である。そ
のため、ウラン235を約数%まで濃縮したものを原子炉
燃料として使用する。ところで、従来の原子炉では、こ
の核分裂の連鎖反応の制御は、制御棒の操作及び炉心に
供給される冷却剤の流量(以下、炉心流量という)の調
節によつて行われている。制御棒は核分裂に対して余分
となる中性子を吸収することによつて核分裂の連鎖反応
を制御し、炉心流量の調節は炉心内の蒸気泡の体積率
(ボイド率)を変化させて核分裂の連鎖反応を制御して
いる。
第7図は沸騰水型原子炉に用いられる代表的な燃料集合
体の中性子増倍率のボイド率に対する依存性を示してい
る。但し、この燃料集合体の燃焼度は0GWD/Tである。炉
心流量を増大すればボイド率が下がつて中性子の減速効
果が促進されるので、中性子増倍率が上がり反応度を増
加させることができる。第8図は、余分となる中性子の
吸収とボイド率の変化による反応度制御の方法を示した
ものである。第8図の横軸は一つの燃料サイクル(燃料
集合体を炉心に装荷した後の原子炉の起動から炉心内の
燃料集合体を交換するために原子炉の運転を停止するま
での期間)の経過時間を示し、縦軸は(A)では炉心平
均ボイド率を、(B)では炉心流量を、及び(C)では
炉心への制御棒挿入度を示している。第8図の特性は、
燃料サイクルにおける経過時間の途中からに状態、即ち
原子炉出力が定格出力になつて後の状態を示している。
燃料サイクル初期においては、潜在的に反応度が高いの
でボイド率を上げて中性子の減速効果を弱め、反応度が
所定のレベルとなるように原子炉の運転が行なわれる。
運転時間の経過に伴う核分裂性物質の燃焼によつて反応
度が低下するので、炉心流量を徐々に増大させて炉心の
ボイド率を徐々に下げ反応度の低下を補償する運転を行
なう。しかし、ボイド率を変化できる幅が小さいため、
すぐにボイド率の下限値に達し、反応度低下の補償がで
きなくなる。このため、第8図に示すように、ボイド率
の変化幅による反応度補償分だけ制御棒を引き抜き、そ
の後、再び、炉心流量を徐々に増大させてボイド率を徐
々に低下させ核分裂性物質の燃焼に伴う反応度の低下を
補償している。
さて、燃料物質の有効利用を図るため、ボイド率を燃料
サイクルの初期で大きくしてプルトニウムを積極的に炉
心内に蓄積させ燃料サイクル末期でそのプルトニウムを
燃焼させる運転方法が考えられている。
前述した炉心流量を変化させる方法、特開昭57−125390
号公報及び特開昭57−125391号公報に記載された方法、
及びサブクール(飽和温度の冷却水が持つているエネル
ギー量から炉心に入る冷却水が持つているエネルギー量
の単位質量当たりの差)を調節してボイド率を変える方
法がある。
特開昭57−125390号公報及び特開昭57−125391号公報で
は、ボイド率を変化させる方法として、低速中性子吸収
水押棒及びこの水押棒よりも反応度価値が大きいステン
レス鋼にて構成される中性子吸収水押棒を設け、これら
の水押棒の炉心内への挿入量を制御して炉心内の冷却水
量を調節することを述べている。水押棒が、炉心内のボ
イド率を変える手段である。
〔発明が解決しようとする課題〕
炉心内の水素原子数を核燃料物質の燃焼に伴つて変えた
場合の利点を以下に説明する。
第9図は、沸騰水型原子炉に用いられる代表的な燃料集
合体について横軸に燃焼度及び縦軸に反応度の一つの指
標である無限増倍率をとつて特性を示したものである。
二本の線は同一の燃料集合体に対するものであるが、破
線は燃料集合体におけるボイド率を一定(ボイド率30
%)にて燃焼させた場合を、実線は最初高ボイド率(ボ
イド率50%)で運転して途中でボイド率を下げた(ボイ
ド率30%)場合を示す。第9図にて明らかなように、ボ
イド率を高くして燃焼させた後でボイド率を下げた方
が、より高い燃焼度を得ることができる。これはボイド
率が大きいほど水素原子の数は少なく中性子が減速され
ないので中性子のエネルギーが高くなり、ウラン238か
らプルトニウム239に転換される割合も増え、ウラン235
及びプリトニウム239が総量の減少が遅くなる。ただ
し、ボイド率が高いままでは反応度の絶対値は小さいの
で、ボイド率が低い場合に比べて反応度が臨界を維持で
きるので最低レベルに早く達してしまう。そこで、その
最低レベルに達した時点でボイド率を下げると中性子が
十分減速されて反応度が増して、ボイド率を一定で燃焼
させるよりも核分裂物質を長く燃焼させることができ
る。以上に述べたボイド率を変化させて燃料の有効利用
を図る運転方法を、スペクトルシフト運転という。
前述の水押棒を操作することによつて行われるスペクト
ルシフト運転では、水押棒及びこれを操作する駆動装置
が必要となり原子炉構造が複雑になると共に運転操作も
複雑になる。スペクトルシフト運転が可能なものとし
て、特開昭61−38589号公報に示された燃料集合体を用
いる例がある。この燃料集合体は、水ロツド内に発熱体
を配置している。しかしながら、発熱体として濃縮度の
低い燃料棒を用いているので、燃料集合体の構造が複雑
でその製造も面倒である。
この点、炉心流量の調節によるスペクトルシフト運転
は、そのような問題点を解消することができる。しか
し、炉心流量の調節によるスペクトルシフト運転におい
て以下のような問題がある。第10図に炉心流量に対する
炉心平均ボイド率の依存性を示す。炉心流量は、下限を
熱的限界によつて制限され、上限を再循環ポンプ、熱交
換器性能及び流動振動によつて制限されている。従つ
て、沸騰水型原子炉の定格出力の状態では、定格の100
%の炉心流量におけるボイド率を中心にある狭い範囲で
しかボイド率を変化させることができない。例えば、炉
心流量を変化できる幅を80〜120%とすると、ボイド率
の変化幅は約9%となる。このようなボイド率の変化幅
が狭くては有効なスペクトルシフト運転とはならない。
このようなことは、特開昭61−38589号公報に示された
燃料集合体を用いた場合では同じである。
前述のようにボイド率の変化幅が狭いと、原子炉出力を
調整するための制御棒操作を行う必要がある。
本発明の第1の目的は、炉心内のボイド率の変化幅を増
大させることができしかも制御棒の交換回数を低減でき
る原子炉の運転方法を提供することにある。
第2の目的は、原子炉出力を所定の原子炉出力に保持す
る制御操作が単純化される原子炉の運転方法を提供する
ことにある。
第3の目的は、原子炉起動時の原子炉出力上昇が短時間
に行える原子炉の運転方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、簡単な構造で内部のボイド率の
変化幅を増大させることができ水ロツド及び燃料集合体
を提供することにある。
本発明の第5の目的は、炉心内のボイド率の変化幅を増
大させることができしかも廃棄される制御棒の数を低減
でき、制御装置の構造を単純化できる原子炉を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記の第1の目的は、制御棒引抜きによる原子炉出力制
御操作終了後は、制御棒引抜き操作ではなく、炉心に供
給される冷却剤流量を調節することにより炉心内に配置
された水ロツド内に形成された冷却材液面のレベルを調
節し、原子炉出力の制御を行うことにより達成される。
第2の目的は、原子炉出力が設定された目標の原子炉出
力に達してから燃料サイクルの末期に至るまで、制御棒
を操作することなく、炉心に供給される冷却材流量を調
節することにより炉心内に配置された水ロツド内に形成
された冷却材液面のレベルを調節し、原子炉出力を目標
の原子炉出力に保持することによつて達成される。
上記第3の目的は、制御棒による原子炉出力上昇操作終
了後、制御棒の引抜き操作を行うことなく、炉心に供給
される冷却材流量を調節することにより炉心に配置され
た水ロツド内に形成された冷却材液面のレベルを調節
し、原子炉出力を設定された目標出力まで上昇させるこ
とによって達成される。
第4の目的は、燃料棒間に形成される第1の冷却材通路
内に配置され、しかも抵抗体よりも下方で開口して抵抗
体よりも上方に伸びる冷却材上昇流路及び冷却材上昇流
路に連絡されて抵抗体よりも上方で開口し冷却材上昇流
路にて導かれた冷却材を下方に導く冷却材下降流路を有
する第2冷却材通路を備え、冷却材上昇流路の流路面積
を冷却材下降流路の流路面積の25倍よりも大きくするこ
とによつて達成できる。
第5の目的は、複数の燃料棒、下端部に設けられた抵抗
体、燃料棒間に形成される第1冷却材通路、及び抵抗体
よりも下方で開口して抵抗よりも上方に伸びる冷却材上
昇流路及び冷却材上昇流路に連絡されて抵抗体よりも上
方で開口し冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を下方に
導く冷却材下降流路を有する第2冷却材通路を備え、冷
却材上昇流路の流路面積が冷却材下降流路の流路面積の
25倍よりも大きくしかも炉心に装荷された燃料集合体
と、炉心内に挿入される制御棒と、制御棒を全挿入およ
び全引抜きの2点動作させる制御棒駆動装置と、炉心に
供給する冷却材の流量を制御する手段とを備えることに
よつて達成できる。
〔作用〕
炉心を通過する冷却材の流量が低下すると水ロツドの冷
却材上昇流炉及び冷却材下降流路内に蒸気が充満され、
その冷却材流量が増加すると冷却材上昇流路内の蒸気量
が著しく減少する。このように、炉心に供給される冷却
材流量を調節することにより水ロツド内のボイド率の変
化を大きくすることができるので、原子炉出力の調整に
制御棒を操作する必要がなくなる。
従って、制御棒の交換回数及び廃棄される制御棒の数を
低減できると共に、原子炉出力の制御操作を単純化し、
起動時などにおける原子炉出力上昇を短時間に行なうこ
とができる。
〔実施例〕
本実施例を説明する前に、本発明の原理を説明する。第
11図は、その構造を示している。基本的には、燃料集合
体の下部に設けられた抵抗体(例えば下部タイプレート
6)よりも下方の領域に冷却材流入口4が開口した冷却
材上昇流路2と、この冷却材上昇流路2内を流れる冷却
材流を反転させて下方に導く冷却材下降流路3と、しか
も冷却材上昇流路の断面積が冷却材下降流路の断面積よ
りも大きく、下部タイプレート6より上方の領域に冷却
材吐出口5を有する水ロツド1を、燃料集合体に設けた
ものである。
下部タイプレート6に設けられた冷却材流孔を流れる冷
却材(冷却水)の流量が変化すると、下部タイプレート
6より下方の領域と下部タイプレート6より上方の領域
との間の差圧ΔPが変化する。縮流拡大による差圧は冷
却水流量のほぼ2乗に比例するので、たとえば下部タイ
プレート6を通過する冷却材水量が80%から120%に変
わつたとすると、差圧ΔPは約2.3倍になる。
一方、水ロツド1内の冷却水量と水ロツド1における出
入口間の差圧(冷却材入口4と冷却材吐出口5との差
圧)との関係は第12図に示すようになる。水ロツド1内
の冷却水流量を零から増加させると水ロツド1の出入口
間の差圧は極大値に達し、さらに冷却水量を増加すると
水ロツド1の出入口間の差圧は極小になつたのち単調に
増加する。これは、第13図に示した現象の起因してい
る。第13図(a)は、第12図のS点での水ロツド1内の
状態を示し、第13図(b)は第12図のT点での、及び第
13図(c)は第12図のU点での水ロツド1内の状態をそ
れぞれ示している。
水ロツド1内の冷却水も、水ロツド1の周囲にある燃料
棒から照射される中性子及びガンマ線によつて、0.5〜2
W/cm2程度の割合で発熱する。水ロツド1内を流れる冷
却水の流量が非常に小さい場合(第12図のS点の状態)
は、水ロツド1内の冷却水が中性子等の照射によつて発
熱するとともに蒸発し、この蒸気が第13図(a)に示す
ように冷却材上昇流路2及び冷却材下降流路3の上部に
充満する。冷却材上昇流路2内には液面L1が形成され、
水ロツド1の出入口差圧は液面L1と水ロツド1の冷却材
吐出口5(冷却材下降流路3の出口)の液面L2の静圧差
によつて生じる。冷却材上昇流路2内に流入する冷却水
流量は、蒸気になつて冷却材吐出口5から流出する流量
とバランスする。
冷却水量を第12図のS点から増加していくと、冷却材上
昇流路2内への冷却水量が冷却材の蒸発量を上回る。こ
のような場合(例えば第11図のT点)には第13図(b)
に示すように冷却水が冷却材下降流路3内に流下する。
このとき、冷却材上昇流路2内の静水頭の一部分が冷却
材下降流路3内を流れる冷却水の重量によつて打ち消さ
れるため、水ロツド1の差圧は極大値S0よりも減少す
る。しかし、さらに冷却水流量を増加させると、冷却材
流入口4から流入した末飽和水は冷却材上昇流路2及び
冷却材下降流路3内で沸騰が抑制されたまま(ボイド率
が著しく低減された状態で)冷却材吐出口5から流出す
る(第12図のU点の状態、第13図(c))。このため冷
却材上昇流路2及び冷却材下降流路3内にほとんど単相
流になる。従つて、第13図(c)の状態で冷却材上昇流
路2及び冷却材下降流路3内の冷却材吐出口5のレベル
における各静圧水頭が非常に小さくなる。しかし、水ロ
ツド1内の冷却水量が多いため、摩擦や冷却水流れの反
転による損失が増大し、水ロツド1の出入口間の差圧は
再び上昇する。
以上述べた現象によつて、水ロツド1の出入口間の差圧
の変化幅が少なくても、水ロツド1内の冷却水量の変化
幅は非常に大きくなり、ボイド率の変化幅も著しく増大
する。
次に、この水ロツド1の出入口差圧に対する水ロツド1
内ボイド率(蒸気の体積割合)の変化を評価した。その
結果を第14図に示す。ボイド率は水ロツド1の出入口差
圧の単調関数でなく、多価関数になる。水ロツド1の出
入口差圧をA点から増加するとボイド率は、始めから傾
きで単強に減少しB点(ボイド率約0.45)に達すると流
動が不安定となりD点までジヤンプする。すなわち、流
動状態が第13図(a)から第13図(b)を経て第13図
(c)の流動状態まで急激に変化する。このようなボイ
ド率のジヤンプは、炉心内の反応度に外乱が生じるため
好ましくない。よつて、ボイド率がジヤンプすることな
く水ロツド1の出入口差圧の増加に対して単調にボイド
率が減少するA点からB点の領域を更に拡大させたボイ
ド率の変化幅により大きくなる構造の水ロツド1を用い
ることが望ましい。
発明者等は、そのような水ロツドの構造を種々検討した
結果、以下の新たな現象を発見することができた。その
内容について以下に述べる。
水ロツドの構造として、第2図に示すものを一例として
考えた。すなわち、この水ロツド61は、内管21及びこの
内管21を取り囲む外管22とを有し、内管21と外管22との
間に形成される環状流路である冷却材上昇流路2及び内
管21内に形成される冷却材下降流路3を有している。冷
却材上昇流路2と冷却材下降流路3とは、互いに上端部
にて連絡されている。内管21と外管22との間に形成され
る環状流路は、内管21と外管22とに取付けられるリング
板23にて密封されている。冷却材流入口4を有する係合
部4Aの上端も、板24にて密封されている。係合部4Aの上
端の板24とリング板23とに内部に入口流路7を形成する
複数の入口管7Aが取付けられている。入口管7Aは、冷却
材流入口4と冷却材上昇流路2とを連絡している。冷却
材吐出口5は、外管22の下端と係合部4Aの上端との間に
形成される。第2図(b)は第2図(a)のX1−X1断面
を示し、第2図(c)は第2図(a)のX2−X2断面を示
している。
この水ロツド61の出入口差圧とボイド率との関係を評価
するため、第2図に示す水ロツド61を第10図の水ロツド
1の代わりに下部タイプレート6に取付けた状態で、外
管の内径を一定にして内管の内径及び水ロツドの全長を
パラメータとして解析を行つた。その結果を第15図〜第
18図に示す。第15図は内管内径を26mm,20.2mm,5mmと大
幅に変化させた時の結果である。内管内径が小さいほ
ど、すなわち冷却材下降流路3の断面積が小さいほど、
水ロツドの出入口差圧の増加に対してボイド率が大幅に
減少し、反応度制御として利用する場合には効果が大と
なることがわかる。また、内管内径20.2mm(冷却材下降
流路断面積=冷却材上昇流路断面積)では、水ロツドの
出入口差圧に対してボイド率が多価関数となる領域が存
在する。この領域は、第14図同様、ボイド率が急変する
ために原子炉の運転領域としては不向きである。しか
し、内管内計を5mmまで小さくすると、ボイド率は水ロ
ツドの出入口差圧の一価関数、すなわち、スムーズに変
化し、水ロツドを反応度制御に使用できることがわか
る。ところで、多価関数から一価関係に変化する条件を
見つけるため、さらに内管内径を種々変えたパラメータ
サーベイを行なつた。その結果を第16図に示す。内管内
径が4mm,5mmの時にはボイド率と水ロツドの出入口差圧
の関係は一価関数となるが、内管内径を6mmとすると多
価関数となり、内管内径が5mmと6mmとの間に一価関数と
多価関数の境界があることがわかつた。また、内管内径
が5mm以下についても検討したが、多価関数の領域は存
在しないこともわかつた。また、内管内径が5mmと6mmに
ついて、水ロツドの全長をパラメータとして解析した。
その結果を第17図,第18図に示す。両図より、一価関数
として多価関数の遷移条件は水ロツドの全長にあまり依
存しないことがわかる。そこで、一価関数と多価関数の
遷移条件を上昇流路面積と下降流路断面積で表わすと、
下記のように表現できる。
(上昇流路断面積)/(下降流路断面積)>25この条件
を満足すれば前述のようなボイド率がジヤンプする現象
を解消することができ、水ロツド内で全流量範囲で連続
的に水(または蒸気)の割合を変化させることができ
る。本発明は、このような現象を利用したものである。
沸騰水型原子炉に適用いた本発明の好適な実施例である
原子炉の運転方法について述べる。まず最初に本実施例
の運転方法を実施可能にする沸騰水型原子炉の構造を、
第3図及び第4図に基づいて説明する。
沸騰水型原子炉50は、原子炉圧力容器19,燃料集合体13
を装荷してなる炉心20及び再循環ポンプ51を有してい
る。原子炉圧力容器19に取り付けられる炉心シユラウド
52が、原子炉圧力容器19内に配置されている。ジエツト
ポンプ53が、原子炉圧力容器19と炉心シユラウド52との
間に配置される。炉心下部支持板54が、炉心シユラウド
52内に配置されて炉心シユラウド52に取付けられてい
る。複数の燃料支持金具55が、炉心下部支持板54を貫通
して炉心下部支持板54に設置されている。上部格子板56
が、炉心シユラウド52に取付けられている。炉心下部支
持板54よりも下方の下部プレナム57内に多数の制御棒案
内間58が設置されている。制御棒駆動装置ハウジング59
が原子炉圧力容器19の底部に取付けられている原子炉圧
力容器19と炉心シユラウド52の間の領域に連絡される再
循環配管60は、ジエツトポンプ53の上端部に開口してい
る。再循環ポンプ51が、再循環計配管60に設けられる。
制御棒17は、制御棒案内管58内に配置され、制御棒駆動
装置ハウジング59内に設置された制御棒駆動装置(図示
せず)に燃料集合体13は、下部タイプレート6が燃料支
持金具55内に挿入されて保持され、上端部が上部格子板
56にて保持される。制御棒17は、制御棒駆動装置の駆動
により燃料支持金具55を貫通して燃料集合体13の相互間
に挿入される。18は制御棒駆動装置である。本実施例に
用いられる制御棒駆動装置18は、後述するように全挿入
及び全引抜きの二点動作を行うものである。このため、
制御棒17は全挿入あるいは全引抜きの操作のみとなる。
このような制御棒駆動装置18は、制御棒17の挿入の深さ
を調節する機構は不要になり、著しく単純化できる。す
なわち、従来、制御棒毎に設けられている挿入深さ調節
用の水圧あるいはモータの駆動系統が一系統でよくな
り、さらに、制御棒深さを維持するためのラツチ機構も
全挿入位置及び全引抜き位置に対してのみ設ければよい
ことになる。しかし、本実施例の運転方法を実施するた
めに従来の途中の挿入深さで制御棒を保持できる制御棒
駆動装置を用いることは妨げられない。
制御棒駆動装置18の詳細構造を第5図に基づいて説明す
る。制御棒駆動装置18は、シリンダ40,下端部にピスト
ン42を有するインデツクスチユーブ41,ピストンチユー
ブ43,コレツトフインガ45を有するコレツトピストン44
及びコレツトスプリング46を有している。インデツクス
チユーブ41は、シリンダ40内に配置され、ピストン42は
シリンダ40の内面に沿つて摺動する。制御棒17は、イン
デツクスチユーブ41の上端部に着脱可能に取付けられ
る。ピストンチユーブ43も、シリンダ40内に配置され、
ピストンチユーブ43の大部分はインデツクスチユーブ41
内に挿入されている。コレツトピストン44は、インデツ
クスチユーブ41が配置されるピストン40内の空間と同心
状に設けられた環状空間内に配置されている。インデツ
クスチユーブ41の外面には、コレツトフインガ45と噛合
う溝状の2つの係合部47A及び47Bが設けられている。係
合部47Aはインデツクスチユーブ41の上部に、係合部47B
はインタツクスチユーブ41の下部に設けられている。シ
リンダ40内には、駆動水通路48A及び48Bが設けられてい
る。制御棒駆動装置ハウジング59に取付けられて操作バ
ルブ49Aを有する挿入駆動水配管30Aが、駆動水通路48A
に連絡される。操作バルブ49Bを有する引抜駆動水配管3
0Bは、制御棒駆動装置ハウジング59に取付けられて駆動
水通路48Bに連絡される。
このような水圧駆動型の制御棒駆動装置による制御棒操
作は、よく知られているので詳細な説明を省略する。挿
入駆動水配管30A及び駆動水通路48Aを通して駆動水がシ
リンダ40内に供給されてピストン42の下面に圧力が加え
られると、インデツクスチユーブ41は上昇し制御棒17が
炉心20内に挿入される。引抜駆動水配管30B及び駆動水
通路48Bにより駆動水がシリンダ40内に供給されてその
駆動水の圧力がピストンチユーブ43に設けられた内部通
路43A及び開口43Bを介してピストン42の上面に加えられ
ると、インデツクスチユーブ41は下降し制御棒17が炉心
20から引抜かれる。制御棒17が炉心20から完全に引抜か
れた状態では、コレツトフインガ45が係合部47Aに係合
され、インデツクスチユーブ41の下降を防止する。制御
棒17が炉心20内に完全に挿入された状態では、コレツト
フインガ45が係合部47Bに係合され、インデツクスチユ
ーブ41の下降を防止する。このように制御棒駆動装置18
は、コレツトフインガ45が係合部47Aと係合する位置と
コレツトフインガ45が係合部47Bと係合する位置との二
点間でインデツクスチユーブ41を移動させ、それらの二
点でインデックスチユーブ41を保持する動作を行う。
このため、多数の係合部を有する従来の水圧駆動型の制
御棒駆動装置に比べてインデツクスチユーブ41の構造が
単純化されて製造も容易になる。また、制御棒駆動装置
18の制御装置も、挿入深さを調節する必要がないので、
構成が単純化できる。
炉心への冷却水の供給は、以下のようにして行われる。
再循環ポンプ51を駆動して原子炉圧力容器19と炉心シユ
ラウド52との間の領域の冷却水を再循環系配管60にてジ
エツトポンプ53内に噴出させる。これによつて、原子炉
圧力容器19と炉心シユラウド52との間の領域の冷却水
が、更にジエツトポンプ53内に吸込まれる。ジエツトポ
ンプ53から吐出された冷却水は、下部プレナム57内に流
入し、燃料支持金具55内を通つて下部タイプレート6を
介して燃料集合体内に供給される。再循環ポンプ51は、
炉心流量を調節する手段である。
燃料集合体13の構成を第4図により詳細に説明する。燃
料集合体13は、燃料棒11,上部タイプレート9,下部タイ
プレート6,燃料スペーサ12,チヤンネルボツクス10及び
水ロツド61から構成される。燃料棒11の上下端部は、上
部タイプレート9及び下部タイプレート6に保持され
る。また、水ロツド61も、燃料棒同様、両端部が上部タ
イプレート9及び下部タイプレート6に保持される。係
合部4Aが下部タイプレート6に保持される。燃料スペー
サ12は、燃料集合体13の軸方向に複数個配置され、燃料
棒11の相互間の間隙を適切な状態に保持している。燃料
スペーサ12は水ロツド61に保持される。チヤンネルボツ
クス10は、上部タイプレート9に取り付けられ、燃料ス
ペーサ12で保持された燃料棒11の束の外周を取り囲んで
ある。下部タイプレート6は、上端部に燃料支持部14を
有し、しかも燃料支持部14の下方に空間15を有してい
る。冷却材流入口4は、空間15内に突出し、空間15に開
口している。燃料棒支持部14が、燃料棒11及び水ロツド
61の下端部を支持している。下部タイプレート6が、抵
抗体となる。水ロツド61の構造は、第2図の水ロツド61
と同じである。ただし、水ロツド61の寸法は、全長3.6
m,外管内径30mm,内管内径5mm,内管肉厚1mmである。燃料
集合体13は、燃料棒11相互間に形成される第1の冷却材
流路と、この第1冷却材流路とは別に冷却材上昇流路2
及び冷却材下降流路3を有する第2の冷却材流路とを備
えたものである。
このように構造を有する沸騰水型原子炉における本実施
例の運転方法を第1図及び第6図に基づいて述べる。水
ロツド61の体積が炉心内の冷却水の流れる部分の体積の
20%にすると、炉心流量によつて反応度を約4%変化さ
せることができる。燃焼によつて核燃料物質が劣化され
る際の反応度変化は、通常4%程度である。この値は、
燃料集合体13を用いた沸騰水型原子炉50の炉心流量の調
節によつて補償することができる。燃焼によつて核燃料
物質が劣化される際の反応度変化がもつと大きい場合に
は、水ロツド61の本数又は体積を増やせばよい。
第1図及び第6図において実線は本実施例の特性を、破
線は従来の運転方法の特性を示している。第6図は、1
つの燃料サイクル期間中における炉心平均ボイド率制御
棒挿入度及び原子炉出力の変化を示している。燃料サイ
クル期間は、炉心への燃料装荷作業終了後における原子
炉の起動から次の燃料交換のための原子炉停止までの期
間をいう。燃料サイクル期間における原子炉の起動時に
点Aから点Bまで(従来例では点Aから点B1まで)原子
炉出力を上昇させる。このとき、再循環ポンプ51の回転
数を調節して炉心流量を20%に保つたまま、制御棒駆動
装置により制御棒17を全部引き抜いて前述の原子炉出力
上昇を行う。すなわち、点Bではすべての制御棒17が全
引抜きされている(従来の点B1では一部の制御棒が炉心
に挿入されている)。原子炉出力の上昇と共に水ロツド
61内に蒸気が溜り、点Bでの水ロツド61内の状態は第1
図の下部中央部の(イ)に示すものとなる。すなわち、
水ロツド61の冷却材上昇流路2及び冷却材下降流路3の
大部分に蒸気が溜り、水ロツド61内で下部の所定レベル
に液面L1が形成される。この液面L1は制御棒17の引抜き
によつて生じる放射線による加熱に基づいて生じる。こ
の状態から制御棒17の操作を行わず、すなわちすべての
制御棒17が全引抜きされている状態で、炉心流量を徐々
に増加して行くと水ロツド61内の液面L1が徐々に上昇
し、炉心の平均ボイド率を著しく減少させる。このため
原子炉出力が点Bから設定された目標の原子炉出力であ
る点Cの定格出力(100%出力)まで上昇する。原子炉
出力の上昇は、燃料破損を避けるために所定の上昇率に
て行われる。点C(第6図のt1時点)における水ロツド
61内の状態は、第1図上部左側に(ロ)で示す水ロツド
61の状態になる。水ロツド61内の液面L1は、点Bよりも
上昇する。点B以後、燃料サイクル末期まで原子炉は定
格出力を保持して運転される。このとき核燃料物質は前
述したように燃焼によつて劣化し反応度が低下するの
で、炉心流量の増加により水ロツド61内の液面L1のレベ
ルを上昇させてボイド率を低下させ反応度の低下を補償
する。従来の運転方法では、炉心流量によるボイド率の
変化が小さいので第6図に示すように制御棒の引抜き操
作を併用して反応度の低下を補償している。本実施例
は、水ロツド61内の冷却水液面L1の上昇によつて水ロツ
ド61内のボイド率を大幅に変化させることができるの
で、制御棒引抜き操作を行う必要がなく、水ロツド61内
における冷却水の液面L1調節により点Cから点Dまで原
子炉出力を一定に保持できる。D点では第1図の右側に
(ハ)で示すように水ロツド61内は完全に水の状態にな
る。燃料サイクル期間終了間際の停止時(第6図のt2
点)に制御棒17が挿入され、原子炉の運転が停止され
る。第6図の起動時(原子炉出力が零から定格の100%
出力になるまでの期間)には詳細に示されていないが、
従来例の起動時では特公昭57−11038号公報コラム8,16
行からコラム10,15行の記載及びコラム10,37〜39行この
公報の第7図及び第8図に示すようにK−L−M−Kの
炉心流量制御によるキセノン蓄積操作及びキセノン蓄積
を利用した制御棒引抜き操作を所定回数行なつた後に、
定格の100%出力まで原子炉出力を増加させている。本
実施例では水ロツド61を用いている関係上、炉心ボイド
率の変化幅を大きく調節できるので、従来例のようにK
−L−M−Kの原子炉出力制御を行う必要がない。従つ
て、制御棒引抜きによる原子炉出力制御を行い、この原
子炉出力制御終了後における炉心20内の水ロツド61内の
冷却水液面L1のレベル調節(制御棒による原子炉出力上
昇操作は実施せず)により点Cまで原子炉出力を上昇さ
せる本実施例では、従来例に比べ点Cまでの原子炉出力
上昇に要する時間が短縮できる。また、原子炉起動時に
おける出力制御操作も、従来例よりも著しく簡単にな
る。更には原子炉起動時の初期において制御棒17が炉心
20から引抜かれてしまうので、原子炉起動時における制
御棒の使用期間が短縮され、制御棒17の劣化が少なくな
る。
前述した本実施例の点C以降における核燃料物質の劣化
に伴う反応度低下の補償操作は、特公昭57−11038号公
報のコラム12,8行からコラム13,13行に示された制御棒
のパターン交換の操作を行う必要がないので、著しく単
純化される。
なお、第1図の点Bにおける水ロツド61内の液面L1のレ
ベルは、点Bにおける原子炉出力及び炉心流量の条件に
対して水ロツド61の出入口間の圧力損失(特に下部タイ
プレート6の圧力損失)を設定することによつて定ま
る。点Bにおいて所定の蒸気領域の容積を水ロツド61内
に確保することができるので、以後の原子炉出力上昇の
制御を容易にかつ安全に行うことができる。
本実施例では、低炉心流量時(出入口差圧が小さい時)
に、水ロツド61内のボイド率は70%程度まで大きくでき
る。そのため、炉心平均ボイド率も十分増大し、反応度
を所定のレベルまで容易に低下できる。また、燃焼とと
もに反応度も下がるが、炉心流量を徐々に増加させて水
ロツド61内に液面L1を調節すると、水ロツド61内のボイ
ド率も下がり、すなわち、炉心平均ボイド率も低下する
ため、中性子減速作用が回復し、反応度の低下を補償で
きる。しかも、この場合、ボイド率の変化幅が大きいの
で、水ロツド61のみで全反応度領域を制御できる。すな
わち、水ロツド61内の液面L1のレベル調節により余剰反
応度を制御できる。その結果、制御棒17を原子炉の停止
時及び起動時のみで操作すればよく、制御棒の使用頻
度、すなわち原子炉運転中に制御棒17が炉心20内に挿入
されている期間が著しく減り、制御棒17の交換周期も伸
びる。このため、制御棒17の交換回数が著しく減少し、
廃棄物として処分される制御棒17の本数も著しく減少す
る。さらに、水ロツド61の外径を大きくしていくと、水
対ウラン面積比の範囲をすべてカバーできるので、燃料
サイクル期間の初期を除いて運転時には制御棒を全引抜
きできる。すなわち、水ロツド61による面積比の変化は
20%は十分可能であり、この値を反応度に換算すると、
4%となる。一方、1つの燃料サイクル中の潜在的な反
応度の変化は約4%であるので、制御棒全引抜きの条件
で水ロツド61のみで反応度補償ができる。その結果、制
御性が著しく向上し、制御棒の構造も簡素化できるの
で、安価でかつ信頼性の高い原子炉システムとなる。
本実施例は、燃料サイクル期間の初期において炉心内に
挿入された制御棒操作による原子炉出力の制御を行い、
この原子炉出力制御の操作後の燃料サイクル期間の大部
分において制御棒操作を実施せず炉心内に配置された水
ロツド内に形成された冷却水液面のレベルを調節して原
子炉出力を制御する運転方法ともいえる。また、本実施
例では循環ポンプの回転数のみの変化で反応度制御を行
なうため、駆動部分が減りさらに信頼性が向上する効果
もある。さらに、電源喪失等の過渡事故で再循環ポンプ
51が停止した場合には、炉心流量の低下により水ロツド
61内は高ボイド状態に移行し、中性子の減速作用を著し
く弱めるので、反応度が低下し、大きな事故まで発展す
ることはない。またさらに、本実施例では、前記したよ
うに、燃料サイクルの初期に余剰となる中性子を利用し
て核分裂性の燃料(Pu239)を生成できるというスペク
トルシフト運転が可能であり、その効果も大きい。特
に、点B以上の原子炉出力の領域では炉心20の制御棒挿
入度が著しく小さい(本実施例では零)ので、従来例で
は制御棒に吸収されていた中性子が燃料棒11内のウラン
−238に吸収され、ウラン−238に吸収される中性子量が
著しく増大する。また、水ロツド61内で蒸気領域が多く
存在する場合には、高速中性子の割合が多いので、ウラ
ン−238の中性子吸収量の増大は、新たな核分裂性物質
の生成をおおいに助ける。
ところで、前述の冷却材上昇流路と冷却材下降流路の断
面積の関係式を満足させるためには、冷却材上昇流路断
面積を大きくする必要がある。本実施例では、冷却材下
降流路が内部にあるので、水ロツド外径が一定の条件下
で冷却材上昇流路断面積を大きくすると内管外径が小さ
くなり、水ロツドの製造に必要な金属量が低減する。そ
の結果、この金属内に吸収される中性子も減り、中性子
経済が向上するという利点がある。また、本実施例で
は、冷却材流入口4から冷却材上昇流路2への入口流路
7として管を複数個を設けている。冷却材下降流路3か
ら排出された冷却水は、入口管7Aの相互間に形成される
隙間、すなわち出口流路8より吐出される。また入口管
7Aは水ロツド61下部と水ロツド61上部の連結を兼ねてお
り、機械強度的にも強い。さらに入口流路7は入口絞り
の役割を果たす。入口絞りの効果を第19図に示すが、入
口絞りを大きくすると、多価関数から一価関数に遷移す
ることが分かる。第19図の実線は第14図の特性と同じで
ある。破線の特性は、第14図で用いた水ロツドの冷却材
入口部に絞りを設けた場合の特性である。すなわち、内
管内に冷却材上昇流路が、内管と外管との間に冷却材下
降流路が形成されている水ロツドである。したがつて、
本実施例では、入口絞りの効果によりさらに上記遷移条
件に対して余裕が増え、スムーズな一価関数となること
が期待できる。
水ロツド61を燃料集合体13内に潜つて燃料集合体13間の
水ギヤツプ(制御棒17が挿入される水ギヤツプ)に配置
しても、燃料集合体13内に配置する場合と同じ効果が得
られる。この場合には、水ロツド61の係合部4Aは炉心下
部支持板54に支持され冷却材流入口4が炉心下部支持板
54よりも下方に配置される。水ロツド61の横断面は、水
ギヤツプにあわせて矩形にするとよい。
燃料集合体13の水ロツド61の替りに用いることができる
水ロツドの他の構造例を以下に述べる。
第20図及び第21図は、第2図に示した水ロツド61の下部
に相当する部分の他の実施例を示している。第20図に示
す水ロツド62は、係合部4Aを外管22に直接取付け、内管
21の下端部に取付けられて断面形状が矩形の複数の出口
管23を内管21から放射状に配置し、これらの出口管23の
一端を外管22に取付けたものである。図示されていない
が、内管21の下端は密封されている。冷却材流入口4か
ら流入した冷却水は、出口管23相互間の間隙を通つて冷
却材上昇流路2内に流入し、冷却材下降流路3内を下降
する冷却水は、出口管23内を通つて水ロツド62外に吐出
される。水ロツド62の入口流路7は隣接する出口管23の
側壁である金属板で形成されるため、製作が容易である
という利点がある。第21図に示す水ロツド63は、水ロツ
ド62の出口管23を断面形状が円の出口管24に替えたもの
である。このため、水ロツド63は、製造に必要な金属量
を水ロツド62よりも低減できる。これらの実施例では、
構造上、出口管23及び24が冷却材上昇流路2での入口絞
りの効果も兼ね備えている。
第22図に示す水ロツド64は、内管21A内を冷却材上昇流
路2にし、内管21Aと外管22Aに挾まれた環状部分が冷却
材下降流路3にしたものである。係合部4Aは、内管21A
の下端部に取付けられる。係る構造にすると、外管22A
の下端部に穴をあけるだけ冷却下降流路3の冷却材吐出
口5を設けることができる。
第23図に示す水ロツド65は、水ロツド64の冷却材上昇流
路2内、すなわち係合部4A内に絞り部材24を設けた例で
ある。係る構造にすると、第19図で示すように、絞り部
材24が抵抗となり圧力損失の変化による冷却水流量の応
答が鈍くなる。この結果、冷却材上昇流路2内の液面L1
の変動が安定する効果が期待できる。また、本実施例で
は、この絞り部材24を冷却材上昇流路2の入口部に設け
たが、絞り部材24の設置場所を水ロツド65内の冷却材上
昇流路2内の他の場合あるいは冷却材下降流路3内にし
ても、同じ効果が期待できる。
第24図は、更に別の水ロツドの実施例を示す。第24図
(b)は第24図(a)のX3−X3断面図である本実施例の
水ロツド66は、上端部が密封されて下端部に係合部4Aが
設けられた管25の内壁に半割りの管部材26を数ケ所取付
けたものである。管部材26の内部が冷却材下降流路3と
なり、管25の内部領域から管部材26の内部領域を除いた
部分が冷却材上昇領域2となる。管部材26の下端は、密
封されている。係る構造にすると内部流路を支持する必
要がなく、しかも入口流路及び出口流路を設ける必要が
ないため、構造が非常に簡単になる。
第25図の実施例は、横断面形状が十字型をしている水ロ
ツドの例である。本実施例の水ロツド67は、1本の管27
を中心に配置し、横断面がU字状の4つの通路部材28を
十字型になるように管27に取付けたものである。管27内
が冷却材下降流路3となり、通路部材28内が冷却材上昇
流路2となる。水ロツド67は、燃料集合体13Aの燃料棒1
1間に第25図のように配置され、水ロツド61と同様に軸
方向に伸びている。係る構造にすれば水ロツド67に隣接
する燃料棒11の本数を多くするこもできるので、反応度
を高くできて、燃料経済性が向上する。
第26図にさらに別の水ロツドの実施例を示す。本実施例
の水ロツド68は、内部に冷却材上昇流路2を形成する上
昇管29の外側に、内部に冷却材下降流路3を形成する複
数の細い下降管31を取付けたものである。冷却材下降流
路3は、水ロツド68の上端部で冷却材上昇流路2に連絡
されている。係る構造にすると、下降管30と上昇管29は
円管となるため、製作性が良く、更に上昇管29と下降管
30の連結部は溶接加工により容易に接続出来る。そのた
め、水ロツド68の信頼性が高くなる。
水ロツド62〜68は、いずれも冷却材上昇流路3の全流路
断面積が冷却材下降流路2のそれの25倍よりも大きくな
つている。また水ロツド62〜68を水ロツド61に替えて燃
料集合体13内に取付ける場合には、各水ロツドの下端部
に位置する係合部4Aが第4図(a)に示すように下部タ
イプレート6に係合される。水ロツド62〜68を個々に水
ロツド61と取替えて設置して得られる燃料集合体も、第
4図の燃料集合体と同じ機能を生じる。これらの燃料集
合体を第4図の燃料集合体13に替えて路心20内に装荷し
たとしても、第1図及び第6図に示すような原子炉の運
転が可能であり、同じ効果を得ることができることは言
うまでもない。
本発明における燃料集合体の他の実施例を第27図に示
す。本実施例の燃料集合体13Bは、水ロツド67と同様に
横断面形状を十字型にしたボイド調節装置32を有してい
る。ボイド調節装置32が水ロツド67と異つている部分
は、ボイド調節装置32の冷却材上昇流路2の側壁の一部
がチヤンネルボツクス10にて形成される点である。4つ
の冷却材上昇流路2は、対向して配置されて両端が管27
とチヤネルボツクス10に取付けられた一対の側壁33の間
に形成される。ボイド調節装置32も、水ロツド61と同様
に冷却材上昇流路2及び冷却材下降流路3を有してお
り、4つの冷却材上昇流路2の合計した流路断面積は、
冷却材下降流路3のそれの25倍よりも大きい。燃料棒11
は、直角状に配置された2つの側壁33によつて囲まれた
チヤネルボツクス10内の4つの領域で4行4列に配置さ
れている。本実施例の燃料集合体13Bも、第4図の燃料
集合体13と同じ機能を得ることができる。本実施例の燃
料集合体13Bを第3図の炉心20内に装荷しても、第1図
及び第6図に示す運転が可能であり、その運転によつて
得られる効果も生じる。前述した各実施例は、特願昭61
−217165号明細書の35頁,9行から55頁,13行に示された
燃料集合体にも適用できる。このうち、代表的な燃料集
合体の例を説明する。燃料集合体内に2本以上の水ロツ
ド61を設けることによつて、燃料集合体の平均のボイド
率の変化幅をより大きくできる。燃料経済性を向上させ
るため、9本の水ロツドを設けた燃料集合体が提案され
ている。この場合、燃料集合体の冷却水流路の横断面積
に占める全水ロツドの横断面積の占める割合は3割にも
なる。特願昭61−217165号明細書の35及び36頁に示す燃
料集合体に適用した例である。本実施例の燃料集合体13
Cを、第28図に示す。燃料集合体13Cは、特願昭61−1679
72号明細書の9頁,4行〜11頁,5行及び第1図に示された
燃料集合体の水ロッドをすべて前述の水ロツド61に替え
たものである。燃料集合体13C内に水ロツド62〜68のい
ずれかを設定することが可能である。本実施例の燃料集
合体13Cは、特願昭61−167972号明細書に示された燃料
集合体1の効果(同明細書の第3図に示す反応度利得の
効果)も得ることができる。燃料集合体13Cは、第4図
の燃料集合体13の機能も得ることができる。第3図に示
す原子炉の炉心20を燃料集合体13Cにて構成した場合
も、第1図及び第6図に示す運転が可能である。
特願昭61−217165号明細書の44〜48頁に示す燃料集合体
に適用した例であつて本発明の他の実施例である燃料集
合体を、第29図に示す。本実施例の燃料集合体13Dは、
特願昭60−126109号の第15図に示された燃料集合体に前
述の水ロツド61と実質的に同じ構成を有する水ロツド61
Aを適用したものである。水ロツド61Aは、水ロツド61の
係合部4Aの軸方向の長さを長くしたものである(他の構
成は水ロツド61と同じ)。前述の燃料集合体13(第4
図)と異なる点について説明する。大きく異なる点は、
燃料集合体13Dが下部タイプレート6内の空間15に配置
されたオリフイス34を有し、しかも水ロツド61Aの係合
部4Aが燃料棒支持部14及びオリフイス34を貫通してオリ
フイス34の下方に延びていることである。水ロツド61A
の冷却材流入口(係合部4Aの下端の開口)4がオリフイ
ス34よりも下方の空間15に開口し、水ロツド61Aの冷却
材吐出口5が燃料棒支持部14より上方で燃料集合体13D
の燃料ペレツト充填領域よりも下方にある。水ロツド61
Aの冷却材上昇流路2の流路面積は、水ロツド61と同様
に、冷却材下降流路3の流路面積の25倍よりも大きくな
つている。燃料集合体13は、水ロツド61の出入口間に差
圧を生じさせる抵抗体として下部タイプレート6の燃料
棒支持部14を用いている。しかし、本実施例の燃料集合
体13Dは上記抵抗体として燃料棒支持部14及びオリフイ
ス34を用いている。従つて、本実施例は、燃料集合体13
よりも水ロツドの出入口間の差圧が大きくなる。
オリフイス34は、抵抗装置である。オリフイス34は、第
30図及び第31図に示すようにリング35に断面が円である
13本の丸棒(円管でもよい)36を互いに間隔をおいて並
行に取付けたものである。隣接する丸棒36の相互間に
は、冷却水流路となる間隙37が形成されている。37A
は、間隙37の幅が最も狭くなるスロート部である。オリ
フイス34の間隙37は、スロート部37Aより上流側及び下
流側に向つて断面積が徐々に増大しており、角部のない
連続した面で構成される1対の側壁(隣接している丸棒
36の側面)にて画定されている。オリフイス34は、その
ような間隙37を複数有している。丸棒36は、抵抗部材で
ある。この抵抗部材は、冷却水の流れ方向に直角な方向
の寸法が流れ方向(FL)の下流に向つて連続して増加し
て最大寸法に達して後に連続して減少する断面形状を有
している。
オリフイス34のリング35が、下部タイプレート6の内面
に取付けられている。オリフイス34は、燃料集合体13D
の軸心に対して直角に設置されている。燃料棒支持部14
を貫通した水ロツド61Aの係合部4Aは、オリフイス34の
中央の丸棒36に設けられた孔部38を貫通してオリフイス
34より下方に突出している。
特願昭60−126109号明細書8頁,5行〜10頁,11行には、
「オリフイス34を小型にしたオリフイス5で流動試験を
行つたところ第26図に示す特性が得られたことを述べて
いる。第26図の横軸はレイノズル数Re、縦軸はオリフイ
ス係数Korを示している。上記小型オリフイスのオリフ
イス係数Korは、沸騰水型原子炉の自然循環状態(第19
図のB点)に対応するRe=13×104付近で約77となり、
沸騰水型原子炉の原子炉出力100%(第19図のC点)に
対応するRe=45×104で約60になる。第19図のC点での
オリフイス係数Korは、第19図のB点でそれよりも約22
%低下する。このため、C点での圧力損失は、B点のそ
れよりも約22%低下する。オリフイス5のオリフイス係
数Korは、Reが13×104〜30×104の範囲で約77とほぼ一
定であり、Reが30×104を越えるとゆるやかに減少す
る。Re=30×104の点は、第19図において炉心流量が約6
0%の時に対応する。」と記載されている。
特願昭60−126109号の第26図に示す特性が得られる理由
は、特願昭60−126109号明細書の10頁,17行〜12頁,17
行,第27図及び第28図に示さている。
本実施例の燃料集合体13Dに用いられるオリフイス34
は、炉心流量80〜110%に対して圧力損失が減少する圧
力損失の遷移領域を有している。従つて、燃料集合体13
Dは、第4図の燃料集合体13によつて得られる機能に加
えて特願昭60−126109号の第15図に示す燃料集合体によ
つて得られる機能をも生じる。このような燃料集合体13
Dにて前述の第3図に示す原子炉の炉心20を構成した場
合には、第1図及び第6図に示す原子炉の運転が可能と
なり、第1図の実施例と同じ効果が得られ、さらに特願
昭61−217165号明細書の48頁,16行から53頁,11行に記載
された効果を得た2回試験した燃料集合体13の無限増倍
率は、運転が経過するに伴つて徐々に減少する。
新しい燃料集合体13に添加されるガドリニアの濃度によ
つて、炉心20の平均余剰反応度が燃料サイクルの途中で
ピークを形成する場合がある。このような場合における
原子炉、例えば第3図に示す原子炉での運転方法につい
て説明する。第32図はその運転方法の特性を示したもの
である。第32図のt3時点は第6図のt1時点に、第32図の
t4時点は第6図のt2時点に該当する。原子炉起動後から
t3時点までに至る期間の原子炉出力制御は、第1図の点
Aから点Cに至るまでの原子炉出力制御と同じように行
われる。炉心20内の新しい燃料集合体13内のガドリニア
はt5時点で消滅し、炉心20の平均余剰反応度はt5時点で
ピークになる。従つて、ガドリニアの消滅に伴つて炉心
20の余剰反応度が徐々に増大する期間(t1時からt5時点
まで)は、原子炉出力が定格出力に保持されるようにt1
時点から再循環ポンプ51の回転数を減少させて炉心流量
を低下させ、炉心20内に配置された水ロツド61内の液面
L1を第1図(イ)の状態から徐々に低下させる。t5時点
に達したとすることができる。
以上述べた各々の実施例の燃料集合体にて第3図の炉心
20を構成する場合、炉心20内には燃料サイクルの経験回
数が異つて燃焼度の異なる3種類(または4種類)の燃
料集合体が存在する。第4図の燃料集合体13を例に取つ
て述べると、ある燃料サイクルの運転が開始される直前
の状態では、炉心20内に燃焼度0GWd/Tの新しい燃料集合
体13、燃焼度8GWd/(1つの燃料サイクルの運転を経
験)の燃料集合体13及び2つの燃料サイクルの運転を経
験した燃焼度16GWd/Tの燃料集合体13が装荷されてい
る。燃料度の0GWd/Tの新しい燃料集合体13の燃料棒11に
は、余剰反応度を抑制するために可燃性毒物であるガド
リニアが所定量含まれている。通常、このガドリニアは
1つの燃料サイクル末期で燃え付きるように添加される
ので、過去に少なくとも1つの燃料サイクルの運転を経
験した燃料集合体13には、ガドリニアが存在しない。こ
のため、ガドリニアを含んでいる新しい燃料集合体13の
無限増倍率はガドリニアの消滅に伴つて徐徐に増加しガ
ドリニアが消滅した時点(燃料サイクル末期)で最も高
くなる。燃料サイクルの運転を1回おきに炉心流量の低
下を停止し、それ以降は炉心20の平均余剰反応度の低下
に応じて炉心流量を増加し水ロツド61内の液面L1を上昇
させる。これにより原子炉出力は、t5時点以降も定格出
力に保持される。t4時点で制御棒17が炉心20内に挿入さ
れ、原子炉の運転が停止される。本実施例においても、
第1図及び第6図の実施例と同じ効果が得られる。
以上述べた各実施例の運転方法において、原子炉出力を
上昇させる場合には以下に述べることを考慮することが
望ましい。すなわち、炉心流量が急激に増加すると、冷
却材上昇流路2内の液面L1が急激に上昇してボイド率が
急激に低下する。このような炉心流量の急増は、原子炉
出力の大幅な増加につながり、炉心20内での燃料棒11の
破損にもつながる可能性がある。第19図に示すように冷
却材上昇流路2内に絞りを設けても、炉心流量の急増に
対して液面L1の急上昇をある程度抑制する効果が得られ
る。しかしながら、上記の液面L1の急上昇を完全に防止
することができない。このような問題に対しては、炉心
流量の急激な増大を防止することが望ましい。すなわ
ち、第33図及び第34図に示す装置を設置することが望ま
しい。
第33図及び第34図は、第3図に示す沸騰水型原子炉に適
用した炉心流量急増防止機構の構成を示すものである。
炉心流量制御装置39は、言及しなかつたが、前述した第
3図の沸騰水型原子炉にも設けられているものである。
炉心流量信号設定装置39が、炉心流量急増防止機構であ
る。炉心流量信号設定装置70は、操作信号を入力する炉
心流量信号設定器71、炉心流量信号設定器71から出力さ
れる炉心流量要求信号W0を入力する炉心流量信号変更器
72,炉心流量信号変更器72から出力された信号W0の炉心
流量信号設定器71への伝送を制御す開閉器76及び77、現
在の原子炉出力が設定された目標出力である定格出力
(100%出力)に達しているか否かを判定する原子炉出
力判定器75,炉周期演算器73及び炉周期判定器75を備え
ている。
炉心20内に配置されている中性子検出器69の出力である
中性子束信号Q0は、炉周期演算器73及び原子炉出力判定
器75に入力される。原子炉出力判定器75は、入力した中
性子束信号Q0に基づいて現在の原子炉出力を求め、この
現在の原子炉出力と目標出力である定格出力とを比較し
て前者の値が後者の値よりも小さい場合に閉信号SXを出
力する。開閉器77は閉信号SXを入力したときにのみ閉さ
れる。炉周期演算器73は、中性子束信号Q0に基づいて炉
周期を求める。炉周期は、炉心20内の中性子束がe倍に
なるまでの時間で示される。炉周期判定器74は、炉周期
演算器73にて求められた炉周期が所定値N(無限大に近
い所定の炉周期の値)よりも大きくなる場合に閉信号SY
を出力する。炉周期が無限大に近い状態では、原子炉が
定常状態になつている。開閉器76は、閉信号SYまたは操
作信号MXを入力したときに閉される。炉心流量設定器71
は、炉心流量要求信号W0を記憶している。炉心流量信号
変更器72は、炉心流量要求信号W0を入力して(W0+Δ
W)を求め、得られた(W0+ΔW)を新たな炉心流量要
求信号W0として出力する。ΔWは炉心流量の増加幅であ
る。ΔWの値は、炉心流量の増加量が大幅にならないよ
うにあらかじめ設定されている。
ある燃料サイクル原子炉起動時にすべての制御棒17を引
抜いて原子炉出力が点Bの値になつたとき(操作盤78に
表示)、オペレータは操作盤78の炉心流量増加用のボタ
ンを押す。この操作により操作盤78から操作信号がMX
出力される。操作信号MXは、炉心流量信号設定器71及び
開閉器76に入力される。炉心流量信号設定器71は、入力
した操作信号MXに基づいて記憶している点Bに対応する
炉心流量要求信号W0を初期値として出力する。炉心流量
信号設定器71から出力された炉心流量要求信号W0は、炉
心流量制御装置39に入力される。炉心流量制御装置39
は、入力した炉心流量要求信号W0に基づいて再循環ポン
プ51の回転数を制御する。炉心流量制御装置39は、原子
炉起動後直ちに操作盤78から出力されたポンプ起動信号
に基づいて再循環ポンプ51を所定回転数に制御している
ので、初期値の炉心流量要求信号W0が炉心流量制御装置
39に入力されても、再循環ポンプ51の回転数は変化しな
い。炉心流量信号変更器72は、前述したように(W0+Δ
W)を求め、この(W0+ΔW)の値炉心流量信号変更器
72内にあるレジスタ(図示せず)内に一時的に記憶す
る。炉心流量信号開閉器76は操作信号MXを入力して閉さ
れる。点Bの原子炉出力は定格出力よりも低いので、原
子炉出力判定器75は閉信号SXを出力する。従つて、開閉
器77は閉されている。開閉器76及び77が閉されることに
よつて、炉心流量信号器72内にあるレジスタに記憶され
た(W0+ΔW)が新たな炉心流量要求信号W0として炉心
流量信号設定器71に入力される。炉心流量信号設定器71
は、新たに入力した炉心流量要求信号W0を出力する。開
閉器76は、操作信号MXを入力した直後に開される。開閉
器76は、操作信号MXまたは閉信号SYを入力した時点だけ
短時間のあいだ閉されるのである。開閉器76は、開され
た後には閉信号SYが入力されないと再び閉されない。炉
周期が所定値Nよりも大きくなつて開閉器76が閉される
までは、炉心流量信号変更器72にて求められた(W0+Δ
W)の値は、前述のレジスタに一時的に記憶される。こ
の値は、開閉器76が閉されたときに炉心流量信号設定器
71に伝えられる。
このように点Bから点Cまでの原子炉出力の上昇操作
は、ΔWに対応する炉心流量を段階的に増加させること
によつて行われる。点Bから点Cへの原子炉出力上昇時
における炉心流量の増加分はΔWによつて定まるので、
このΔWを適切に設定することによ炉心流量が急増して
水ロツド61内の液面L1を急激に押上げる現象を防止でき
る。
オペレータの原子炉の運転停止操作により操作盤78から
出力されるランバツク信号MYまたは原子炉プラントから
出力されるトリツプ信号M2が炉心流量制御装置39に入力
されると、炉心流量制御装置39は点Bの炉心流量になる
ように再循環ポンプ51の回転数を低減する。
炉周期演算器23及び炉周期判定器74の代りにパルス発信
器を設置し、このパルス発信器からの「0」または
「1」のパルス信号に基づいて開閉器76の開閉を制御し
てもよい。開閉器76は、「0」で開され「1」で閉され
る。パルス発信器の起動は、操作信号MXにて行われる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、炉心に供給される冷却材流量を調節す
ることにより、冷却材上昇流路及び冷却材下降流路を有
するボイド率調節手段内の冷却材液面のレベルを調節し
平均ボイド率の変化幅を増大できるので、制御棒の交換
回数及び廃棄される制御棒の数を低減できる。また、原
子炉出力の制御操作を単純化し、起動時などにおける原
子炉出力上昇を短時間に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である原子炉の運転方法を示
す説明図、第2図は水ロツドの縦断面図、第3図は本発
明が適用される沸騰水型原子炉の縦断面図、第4図は第
3図の燃料集合体の縦断面図、第5図は第3図の制御棒
駆動装置の縦断面図、第6図は第1図の運転方法に置け
る各特性を示す説明図、第7図は中性子増倍係数と炉心
平均ボイド率との関係を示す特性図、第8図は従来の炉
心平均ボイド率を変え反応度を制御する運転方法を示す
説明図、第9図はスペクトルシフトの効果を説明する
図、第10図は炉心流量と炉心平均ボイド率との関係を示
す特性図、第11図は本発明の原理図、第12図は水ロツド
内の流量と出入口差圧との関係を示す図、第13図は第11
図の現象を示す図、第14図は第11図の解析結果を示す
図、第15図及び第16図は上昇管内径をパラメータとした
時の水ロツド内のボイド率と出入口差圧と関係を示す
図、第17図及び第18図は水ロツド全長をパラメータとし
た時の水ロツド内ボイド率と出入口差圧と関係を示す
図、第19図は入口絞りの効果を示す図、第20図及び第21
図は第2図の吐出口部の別の実施例を示す図、第22図〜
第26図は本発明の他の実施例を示す図、第27図及び第28
図は本発明の燃料集合体の他の実施例の横断面図、第29
図は本発明の他の実施例である燃料集合体の縦断面図、
第30図は第29図のオリフイスの平面図、第31図は第30図
のX4−X4断面図、第32図は本発明の原子炉運転方法の他
の実施例における特性を示す説明図、第33図は本発明の
原子炉の炉心流量制御装置の構成図、第34図は第33図の
炉心流量信号設定装置の詳細構成図である。 1……水ロツド、2…冷却材上昇流量、3……冷却材下
降流量、4……冷却材流入口、5……冷却材吐出口、6
……下部タイプレート、7……入口流路、8……出口流
路、9……上部タイプレート、10……チヤンネルボツク
ス、11……燃料棒、12……燃料スペーサ、13,13B,13C,1
3D……燃料集合体、14……燃料支持部、15……空間、17
……制御棒、18……制御棒駆動装置、19……圧力容器、
20……炉心、61,61A,62〜68……水ロツド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 俊次 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 柏井 進一 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 富山 明男 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 山下 淳一 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 林 達雄 東京都千代田区神田駿河台4丁目6番地 株式会社日立製作所内 (56)参考文献 特開 昭57−40686(JP,A)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉心内に挿入された制御棒を引抜いて原子
    炉出力を制御し、制御棒引抜きによる原子炉出力制御操
    作終了後は、前記制御棒引抜き操作ではなく、 前記炉心に供給される冷却材流量を調節することにより
    前記炉心内に配置された水ロツド内に形成された冷却材
    液面のレベルを調節し、原子炉出力の制御を行う原子炉
    の運転方法。
  2. 【請求項2】燃料サイクル期間の初期に炉心内に挿入さ
    れた制御棒操作による原子炉出力の制御を行い、前記制
    御棒操作後の前記燃料サイクル期間の大部分において前
    記制御棒操作を実施せず、前記炉心に供給される冷却材
    流量を調節することにより前記炉心内に配置された水ロ
    ツド内に形成された冷却材液面のレベルを調節し、原子
    炉出力の制御を行う原子炉の運転方法。
  3. 【請求項3】炉心内に挿入された制御棒の引抜き操作に
    より前記炉心内に配置された水ロツド内の所定レベルに
    冷却材の液面を形成させ、前記水ロツド内で前記所定レ
    ベルに前記液面が形成された後における原子炉出力の制
    御が、前記制御棒の引抜き操作ではなく、炉心流量制御
    に基づく前記液面のレベル調節により行われる原子炉の
    運転方法。
  4. 【請求項4】燃料サイクル期間において原子炉出力を設
    定された目標の原子炉出力まで上昇させ、原子炉出力が
    前記目標の原子炉出力に達してから、前記燃料サイクル
    の末期に至るまで、制御棒を操作することなく、前記炉
    心に供給される冷却材流量を調節することにより前記炉
    心内に配置された水ロツド内に形成された冷却材液面の
    レベルを調節し、原子炉出力を前記目標の原子炉出力に
    保持する原子炉の運転方法。
  5. 【請求項5】原子炉出力を設定された目標の原子炉出力
    まで上昇させ、原子炉出力が前記目標の原子炉出力に達
    した後の期間においては、炉心の余剰反応度の制御を、
    制御棒操作ではなく、前記炉心に供給される冷却材流量
    を調節することにより前記炉心内に配置された水ロツド
    内に形成された冷却材液面のレベルを調節して行う原子
    炉の運転方法。
  6. 【請求項6】炉心内に挿入された制御棒の引抜き操作に
    より原子炉出力を上昇させ、制御棒による原子炉出力上
    昇操作終了後、制御棒に引抜き操作を行うことなく、前
    記炉心に供給される冷却材流量を調節することにより前
    記炉心に配置された水ロツド内に形成された冷却材液面
    のレベレを調節し、原子炉出力を設定された目標出力ま
    で上昇させる原子炉の運転方法。
  7. 【請求項7】複数の燃料棒と、下端部に設けられた抵抗
    体と、前記抵抗体よりも下方で開口して前記抵抗体より
    も上方に伸び前記燃料棒間に配置された冷却材上昇流路
    及び前記冷却材上昇流路に連絡された前記抵抗体よりも
    上方で開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を
    下方に導く冷却材下降流路を有する水ロツドとを備えた
    燃料集合体が炉心に装荷されている原子炉の運転方法で
    あつて、 原子炉の起動時に前記炉心に挿入されている制御棒を引
    抜いて原子炉出力を制御し、制御棒の引抜きによる原子
    炉出力制御操作終了後は前記制御棒の引抜き操作を停止
    して、前記炉心に供給される冷却材流量を調節すること
    により前記水ロツド内に形成される冷却材液面のレベル
    を調節し、原子炉出力を制御する原子炉の運転方法。
  8. 【請求項8】複数の燃料棒と、下端部に設けられた抵抗
    体と、前記抵抗体よりも下方で開口して前記抵抗体より
    も上方に伸び前記燃料棒間に配置された冷却材上昇流路
    及び前記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体よりも
    上方で開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を
    下方に導く冷却材下降流路を有する水ロツドとを備えた
    燃料集合体が炉心に装荷されている原子炉の運転方法で
    あつて、 原子炉の起動時に制御棒を操作し、制御棒操作終了時の
    原子炉出力からこの原子炉出力を越えて設定された目標
    の原子炉出力に至るまでの間、前記制御棒操作を停止し
    て、前記炉心に供給される冷却材流量を調節することに
    より前記水ロツド内に形成された液面のレベルを調節す
    る原子炉の運転方法。
  9. 【請求項9】複数の燃料棒と、下端部に設けられた抵抗
    体と、前記抵抗体よりも下方で開口して前記抵抗体より
    も上方に伸び前記燃料棒間に配置された冷却材上昇流路
    及び前記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体よりも
    上方で開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を
    下方に導く冷却材下降流路を有する水ロツドとを備えた
    燃料集合体が炉心に装荷されている原子炉の運転方法で
    あつて、 原子炉出力を設定された目標の原子炉出力まで上昇さ
    せ、原子炉出力が前記目標の原子炉出力に達した後、制
    御棒の引抜き操作ではなく、前記炉心に供給される冷却
    材流量を調節することにより前記水ロツド内に形成され
    た冷却材の液面レベルを調節し、余剰反応度を制御する
    原子炉の運転方法。
  10. 【請求項10】複数の燃料棒と、下端部に設けられた抵
    抗体と、前記抵抗体よりも下方で開口して前記抵抗体よ
    りも上方に伸び前記燃料棒間に配置された冷却材上昇流
    路及び前記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体より
    も上方で開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材
    を下方に導く冷却材下降流路を有する水ロツドとを備え
    た燃料集合体が炉心に装荷されている原子炉の1つの燃
    料サイクル期間中での運転方法であつて、 原子炉出力を設定された目標の原子炉出力まで上昇さ
    せ、原子炉出力が前記目標の原子炉出力に達してから前
    記燃料サイクルの末期に至るまで、制御棒を操作するこ
    となく、前記炉心に供給される冷却材流量を調節するこ
    とにより前記ロツド内の液面レベルを調節し、原子炉出
    力を前記目標の原子炉出力に保持する原子炉の運転方
    法。
  11. 【請求項11】一端部に流体流入口を有して軸方向に伸
    びる第1流路と、前記第1流路に接続されて前記第1流
    路にて導かれた前記流体を前記流体流入口に導き流体吐
    出口が前記第1流路との接続部と前記流体流入口との間
    に位置している第2流路とを有し、前記第1流路の流路
    面積が前記第2流路の流路面積の25倍よりも大きい水ロ
    ツド。
  12. 【請求項12】前記第1流路が前記第2流路の周囲を取
    り囲んでいる請求項第11項記載の水ロツド。
  13. 【請求項13】前記第1流路の流体入口部に絞りを設け
    た請求項第11項記載の水ロツド。
  14. 【請求項14】前記第2流路が前記第1流路の周囲に取
    囲んでいる請求項第11項記載の水ロツド。
  15. 【請求項15】複数の燃料棒と下端部に設けられた抵抗
    体と、前記燃料棒相互間に形成された第1冷却通路と、
    前記第1冷却材通路とは別に設けられて前記第1冷却材
    通路内に配置され、前記抵抗よりも下方で開口して前記
    抵抗体よりも上方に伸びる冷却材上昇流路及び前記冷却
    材上昇流路に連絡されて前記抵抗体よりも上方で下降
    し、前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を下方に導
    く冷却材下降流路とを有する第2冷却材通路とを備え、
    前記冷却材上昇流路の流路面積が前記下降流路の流路面
    積の25倍よりも大きい燃料集合体。
  16. 【請求項16】前記抵抗体が前記燃料棒の下端部に支持
    する下部タイプレートの燃料支持部である請求項第15項
    記載の燃料集合体。
  17. 【請求項17】前記抵抗体が、前記燃料棒の下端部を支
    持する下部タイプレートの燃料支持部よりも下方に配置
    され、スロート部より上流側及び下流側に向かつて流路
    面積が徐々に増大して角部のない連続した面で構成され
    る対向した1対の側面にて形成される冷却材通路を有し
    ている請求項第15項記載の燃料集合体。
  18. 【請求項18】複数の燃料棒と、下端部に設けられた抵
    抗体と、前記抵抗体よりも下方で開口して前記抵抗体よ
    りも上方に伸び前記燃料棒間に配置された冷却材上昇流
    路及び前記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体より
    も上方で開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材
    を下方に導く冷却材下降流路を有する水ロツドとを備え
    て、前記冷却材上昇流路の流路面積が前記冷却材下降流
    路の流路面積の25倍よりも大きい燃料集合体。
  19. 【請求項19】前記冷却材上昇流路が前記冷却材下降流
    路の周囲を取り囲んでいる請求項第18項記載の燃料集合
    体。
  20. 【請求項20】複数の燃料棒、下端部に設けられた抵抗
    体、前記燃料棒間に形成された第1冷却材通路、及び前
    記第1冷却材通路とは別に設けられて前記第1冷却材通
    路内に配置され、しかも前記抵抗体よりも下方で開口し
    て前記抵抗体よりも上方に伸びる冷却材上昇流路及び前
    記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体よりも上方で
    開口し前記冷却材上昇流路にて導かれた冷却材を下方に
    導く冷却材下降流路を有する第2冷却材通路を備え、前
    記冷却材上昇流路の流路面積が前記冷却材下降流路の流
    路面積の25倍よりも大きくしかも炉心に装荷された燃料
    集合体と、前記炉心内に挿入される制御棒と、前記制御
    棒を全挿入および全引抜きの2点動作させる制御棒駆動
    装置と、前記炉心に供給する冷却材の流量を調節する手
    段とを備えた原子炉。
  21. 【請求項21】前記第2冷却材通路が、前記抵抗体より
    も下方で開口して前記抵抗体よりも上方に伸び前記燃料
    棒間に配置された冷却材上昇流路及び前記冷却材上昇流
    路に連絡されて前記抵抗体よりも上方で開口し前記冷却
    材上昇流路にて導かれた冷却材を下方に導く冷却材下降
    流路を有する水ロツドである請求項第20項記載の原子
    炉。
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