JP2791077B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP2791077B2
JP2791077B2 JP1016162A JP1616289A JP2791077B2 JP 2791077 B2 JP2791077 B2 JP 2791077B2 JP 1016162 A JP1016162 A JP 1016162A JP 1616289 A JP1616289 A JP 1616289A JP 2791077 B2 JP2791077 B2 JP 2791077B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料集合体に係り、中性子スペクトルの制
御(炉心内の水素原子数の制御)に好適で且つ運転制御
性に優れた沸騰水型原子炉の燃料集合体に関する。
〔従来の技術〕
従来、中性子スペクトルを大幅に変化させる場合、特
開昭63−73187号公報及び昭和63年日本原子力学会年会
要旨集F15〜F18に記載されているように、沸騰水型原子
炉に用いられる燃料集合体の水ロツド内の冷却水流路を
上昇流路部と下降流路部に分けることが提案されてい
る。この燃料集合体は、冷却水は、下部タイプレートの
上流から水ロツド内の上昇部に流入し、上昇部内を上昇
した後、反転して下降部内に流入し、更に下降部内を下
降して下部タイプレートの下流側で水ロツドの外部を流
れる燃料集合体の冷却水の主流と合流する構造になつて
いる。このため、上昇部内に液面が形成され、この液面
より上方の水ロツド内に蒸気を溜めることが知られてい
た。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来例では、下部タイプレートの流入口を冷却水
の主流が通過するときに生じる下部タイプレートの圧力
損失が前述の水ロツド内に冷却水を流す駆動力になる。
従つて、出力の異なる燃料集合体では冷却水の主流の流
量も異なり下部タイプレートの圧力損失も異なるため、
炉心において水ロツド内の上昇流路部の液位に分布がで
きる。また、水ロツド内の上昇流路部に所定の液位を得
るためには、下部タイプレート流入口の大きさを変更す
る必要がある。
本発明の目的は、下部タイプレートの変更をせずに、
炉心における各水ロッド内の冷却材液面を一様にできる
燃料集合体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、水ロッドが、冷却材上昇流路と、冷却材
上昇流路で導かれた冷却水を下降させる冷却水下降流路
と、下部から流入した冷却材を、冷却水下降流路から流
出した冷却材と合流させて水ロッドの吐出口に導く冷却
材流路とを備えることにより達成できる。
〔作用〕
上記構成によつて、水ロツドの出入口差圧ΔPは冷却
水が液単相で流れる流路の流量Qとこの流路の形状で決
まる。流量Qは燃料集合体の圧力損失で定まるが、この
圧力損失は炉心内で一様なため、流路の形状が同じなら
ば差圧ΔPも等しくなり、水ロツド上昇部の液位は炉心
内で一様になる。液位の下流側には放射線加熱により連
続的に発生した蒸気が充満する。炉心を通過する冷却材
流量が増加すると燃料集合体の圧力損失も増加し流量Q
が増加するため、水ロツド上昇部の液位が上昇して蒸気
体積が減少する。つまり、炉心を通過する冷却の流量を
調節することによつて水ロツド内のボイド量を加減でき
る。また、差圧ΔPは冷却水が液単相で流れる流路の形
状を調節することによつて任意に設定できるため下部タ
イプレートは変更する必要がない。
〔実施例〕
上昇及び下降流路部を有する水ロツド内のボイド率
(蒸気の体積割合)を大幅に変化させる原理は、特開昭
63−73187号公報に詳細に記載されているので、ここで
は第2図及び第3図によつて簡単に説明する。
第2図は、冷却材上昇及び下降流路部を有する水ロツ
ド内の典型的な流動状態を示したものである。水ロツド
1の冷却材上昇流路部2は、燃料集合体の下部に設けた
抵抗体6よりも下方の領域に連通するように開口してい
る。冷却材下降流路部3は、冷却材上昇流路部2内を上
昇した冷却水を反転させて下方に導くものであつて、抵
抗体6よりも上方の領域に連通するように開口してい
る。抵抗体6には複数の冷却材流通孔7が設けてある。
抵抗体6に設けた冷却材流通孔7を冷却水が流れると、
抵抗体6より下方の領域と抵抗体6より上方の領域との
間に差圧ΔPが発生する。この差圧ΔPは、水ロツド1
内に冷却水を流す駆動力になる。しかし、冷却水流量の
小さい時には差圧ΔPが小さいので、冷却材上昇流路部
2内の液柱を押し上げることができず、冷却材上昇流路
部2内に液面が形成される。液柱より下流側、すなわち
液面より下流側には燃料棒から照射される中性子および
ガンマ線による冷却水の加熱によつて発生した蒸気がた
まる。このため、水ロツド1内の平均ボイド率は高くな
る。冷却水流量を増加すると冷却材上昇流路部2内の液
面が上昇し、水ロツド1内のボイド率は低下する。液面
が冷却材上昇流路部2の上端を越えると冷却材上昇流路
部2と冷却材下降流路部3との間で冷却水の重量の差が
なくなるため、冷却水は冷却材下降流路部3に向つてど
んどん流れ、水ロツド1内は冷却水だけの状態になる。
ここで、差圧ΔPは冷却水流量のほぼ2乗に比例する
ので、以上の動作原理によつてわずかな冷却水流量の変
化でも大増なボイド率変化を達成できる。
第3図には差圧ΔPと水ロツド1の平均ボイド率の関
係を示す。冷却材上昇流路部2と冷却材下降流路部3の
流路断面積比を調節すると、第3図に示すように差圧Δ
Pに対してボイド率が単調に減少するため、差圧ΔPに
対してボイド率が一意的に決まつて好ましい。これは、
特願昭63−16991号明細書に示された冷却材上昇流路部
2の流路面積を冷却材下降流路部3のそれの25倍よりも
大きくするという条件を満すことにより得られるもので
ある。
以上に述べた原理を利用した本発明の好適な一実施例
である燃料集合体を第1図及び第4図に基づいて説明す
る。
本実施例の燃料集合体20において、燃料棒21及び水ロ
ツド31は、ともに下端部及び上端部が下部タイプレート
上端部の燃料保持部16及び上部タイプレート17によつて
支持される。燃料集合体20は、チヤンネルボツクス22が
燃料棒21の束の外側を取囲んでいる。水ロツド31は、チ
ヤンネルボツクス22内で燃料棒21間に配置される。水ロ
ツド31の直径は、燃料棒21の直径より大きい。冷却水は
チヤネルボツクス22内において、第1冷却水流路である
燃料棒相互間に形成される流路23及び第2冷却水流路で
ある水ロツド31内の流路を流れる。
水ロツド31は、第1図に示すように冷却材上昇流路部
2,冷却材下降流路部3,抵抗体6,冷却材流路8およびスペ
ーサ9を備える。水ロツド31の上端部は端栓のカバー部
10にて密封されている。カバー部10の上端から上方に伸
びる端栓部が上部タイプレート17内に挿入され、これに
より水ロツド31が保持される。冷却材下降流路部3の下
端部は冷却材流路8に連結している。冷却材流路8は、
その連結部より下方に突出して抵抗体6に保持されてい
る。抵抗体6は、水ロツド31内でその下端部に設けられ
る。抵抗体6には複数の冷却水流入口(冷却材上昇流路
部入口4及び流通口7)が開口している。冷却材上昇流
路部入口4及び流通口7は、下側で水ロツド31内の下部
空間11に連結される。冷却材上昇流路部入口4は下流側
で冷却材上昇流路部2に、流通口7は下流側で冷却材流
路8に連絡される。冷却材流路8の上端は水ロツド31内
に設けられた支持板13に保持される。冷却材流路8は、
水ロツド31内の上端部に設けられた空間12に連絡され
る。水ロツド31は、支持板13より上方部で、空間12と連
通する複数の冷却水吐出口14を有している。水ロツド31
は、下部空間11,冷却材流路8及び空間12によつて冷却
水流入口19と冷却水吐出口14とを連絡する冷却材流路を
有しているとも言える。
冷却材上昇流路部2と冷却材下降流路部3とは、水ロ
ツド31の上端部に形成された反転部15によつて連絡され
る。このように、水ロツド31は、冷却材上昇流路部2,冷
却材下降流路部3及び反転部15からなる逆U字状冷却水
流路と、冷却水流路8とを有する。
本実施例の燃料集合体20を沸騰水型原子炉の炉心内に
装荷して沸騰水型原子炉を運転すると、燃料集合体20に
供給される冷却水の大部分は下部タイプレートの燃料保
持部16に設けられた貫通口18を通つて燃料集合体20内の
流路23に導かれる。残りの冷却水は、水ロツド31内に導
かれる。冷却水流入口19に流入した冷却水の一部は、流
通口7から冷却材流路8内に導入され、空間12に達す
る。冷却水流入口19に流入した冷却水の残りの部分は、
冷却材上昇流路部入口4を通つて冷却材上昇流路部2内
に流入し、更に反転部15及び冷却材下降流路部3を経て
下降流路部吐出口5から冷却材流路8内に吐出される。
下降流路部吐出口5から吐出される冷却水は、流通口7
から冷却材流路8内に流入する冷却水の流量、すなわち
冷却材上昇流量部入口4から冷却材上昇流路部2内に流
入する冷却水の流量に応じて第2図に示すように液体ま
たは気体(蒸気)となる。
水ロツド31内のボイド率(蒸気の体積割合)を変える
具体転な沸騰水型原子炉の運転方法としては、特願昭63
−16991号に示されたように、炉心に供給される冷却水
流量を調節する方法がある。すなわち、燃料サイクル始
めで炉心に供給される冷却水流量を少なくし、燃料サイ
クル途中からその冷却水流量を増やすものである。
冷却水流量が増加すると燃料棒相互間の二相流の損失
が増加するため燃料集合体出入口間の差圧が大きくな
る。一方、この差圧ΔP1は第1図の下部タイプレートの
燃料保持部16の上流側と水ロツド31の冷却水吐出口14と
の間の差圧に等しい。従つて、冷却材流路8にはこの差
圧ΔP1によつて冷却水が流れる。水ロツド31内の冷却材
上昇流路部2から反転部15を介して冷却材下降流路部3
に冷却水を流す駆動力は、水ロツド31内の下部空間11と
下降流路部吐出口5との間の差圧ΔP2である。この差圧
ΔP2は、前述の差圧ΔP1の一部となる。
本実施例では、燃料サイクル初期における炉心に供給
される冷却水流量が小さいときには第2図(a)の状態
が水ロツド31の逆U字状冷却水流路内に生じ、燃料サイ
クル末期での炉心に供給される冷却水流量が大きいとき
には第2図(c)の状態が前述の逆U字状冷却水流路内
に生じるように、下部タイプレート16,抵抗体6,冷却材
流路8,冷却材上昇流路部2及び冷却材下降流路部3の仕
様があらかじめ設定されている。
このように、本実施例に用いられる水ロツド31は蒸気
溜を内部に設けているとも言える。冷却材下降流路部3
は、燃料サイクル初期での炉心流量が小さいときには蒸
気溜として機能する。この蒸気領域の形成は、特開昭63
−73187号公報及び昭和63年日本原子力学会年会要旨集F
15〜F18に示されているように、中性子の減速効果抑制
及び核燃料物質中のウラン238のプルトニウム239への転
換促進をもたらす。燃料サイクル末期には、水ロツド31
内のボイド率が下がるため核分裂の効率が向上し、生成
されたプルトニウム239がほとんど燃やされる。この効
果は、ボイド率の変化幅が大きいほど大きい。従来、沸
騰水型原子炉においても炉心流量を増加させることによ
つて燃料棒相互流路23のボイド率を変化させる運転方法
が採用されているが、ボイド率の変化幅は数%程度であ
る。しかし、本実施例のように水ロツド31を採用する
と、水ロツド31によるボイド率変化幅が付加されるの
で、燃料集合体20内の平均ボイド率の変化幅は著しく増
大する。従つて、核燃料物質の有効利用を簡単な構造で
図ることができ、一つの燃料サイクルの運転期間を延ば
すことができる。
更に、本実施例では、特開昭63−73187号公報及び昭
和63年日本原子力学会年会要旨集F15〜F18に示された水
ロツドとは異なり、冷却材下降流路部3の吐出口である
下降流路部吐出口5を冷却材流路8に連絡させているた
めに、以下の効果が現われる。沸騰水型原子炉の燃料集
合体は、炉心装荷位置によつて出力が異なる。一方、燃
料集合体内を流れる冷却水流量は、燃料集合体出入口差
圧(下部タイプレートの上流側領域と上部タイプレート
の下流側領域との間の差圧)が等しくなるように分配さ
れる。その結果、出力の高い燃料集合体程、内部を流れ
る冷却水流量が小さくなる。しかし特開昭63−73187号
公報に示された水ロツドでは、水ロツド内に冷却水を流
す駆動力は冷却水が下部タイプレートの燃料保持部16の
貫通口18を通過する時に生じる圧力損失であり、冷却水
流量の約二乗に比例する。従つて、低炉心流量時に水ロ
ツドの冷却材上昇流路部に形成される液面のレベルは、
低出力の燃料集合体よりも高出力の燃料集合体で低くな
る。このため、炉心の半径方向において、冷却材上昇流
路部内の液面レベルに分布ができる。また、冷却水が冷
却材上昇流路部から冷却材下降流路部に流れ込む時の炉
心流量も、多燃料集合体で異なる。
一方、本実施例では水ロツド31の冷却材上昇流路部2
から冷却材下降流路部3に冷却水を流す駆動力は、前述
した差圧ΔP2である。この差圧ΔP2は、冷却材流路8内
を流れる冷却水流量で定まる。ここで、この冷却水流量
は燃料集合体20の出入口差圧(下部タイプレートの上流
側領域と上部タイプレート17の下流側領域との間の差
圧)で定まるが、この差圧は炉心全体で一様である。従
つて、本実施例の燃料集合体20が炉心のどの位置に装荷
されても、水ロツド31内の冷却水の流動状況は同じであ
る。各燃料集合体20の水ロツド31内には、実質的に同じ
レベルに液面が形成される。よつて、水ロツド31を使用
することにより沸騰水型原子炉の運転制御性は著しく改
善される。
次に、水ロツド31を使用したときのもう一つの効果に
ついて説明する。特開昭63−73187号公報の水ロツド
は、水ロツドの出入口差圧が下部タイプレートの貫通口
の大きさで決まるため、所定の水ロツドの特性を得るた
めにはこの貫通口の大きさを変える必要もでてくる。一
方、本実施例に用いられる水ロツド31は、抵抗体6が水
ロツド31内にあるため、従来の下部タイプレートの構造
を変更する必要がない。例えば、第1図において、冷却
材流路8の流通口7の仕様をあらかじめ設定することに
よつて第2図のような流動状態の変化を得ることができ
る。
前述した実施例において、反転部15は燃料棒21の燃料
ペレツト充填部の上端より上方の位置に、また冷却材下
降流路部3の下端は燃料ペレツト充填領域の下端部付近
に位置させるとよい。この時、水ロツド31の冷却材上昇
流路部2及び冷却材下降流路部3が液状の冷却水で満た
されているときの中性子減速効果、及び少なくとも冷却
材下降流路部3が蒸気で充満されているときのプルトニ
ウム転換効果を、水ロツド31の周囲の燃料棒21に対して
一様に波及させることができる。
第5図には、本実施例に用いる水ロツドの特性とし
て、水ロツド31内の逆U字状冷却水流路の出入口間の差
圧(下部空間11と下降流路部吐出口5との間の差圧)Δ
P2と水ロツド31内の平均ボイド率との関係を示したもの
である。第5図の特性は、冷却材上昇流路部2の内径が
25mm、冷却材下降流路部3の内径が5mm、冷却材下降流
路3の肉厚が1mm、冷却材流路8の外径が5mmの場合であ
る。また、燃料棒21から照射される中性子及びガンマ線
による発熱密度は500kcal/m3sの場合である。また、第
5図の特性は、冷却材上昇流路部入口4の抵抗係数を3
通りに変えた場合について示している。その抵抗係数が
大きいほど冷却材上昇流路部入口4の穴径が小さい。第
5図から明らかなように、水ロツド31の特性は、冷却材
上昇流路部入口4の抵抗係数の影響をほとんど受けな
い。
また、第6図は、冷却材流路8の外径を変えた時の水
ロツド31の特性を、差圧ΔP2と水ロツド31内の平均ボイ
ド率との関係で示したものである。冷却材流路8の外径
を5mm,7mm及び9mmと変化させても、冷却材上昇流路部2
の流路面積に占める割合が小さいため、水ロツド31全体
の平均ボイド率に与える影響は小さい。
このような水ロツド31を用いた場合、例えば、差圧Δ
P2を0.01MPaから0.03MPaまで変化させると、水ロツド31
内の平均ボイド率は66%から12%まで低下する。差圧Δ
P2は、冷却材上昇流路部2から冷却材流路8に流入する
冷却水流量のほぼ2乗に比例する。また、この冷却水流
量は燃料集合体20を流れる主流の冷却水流量(流路23内
を流れる冷却水流量)にほぼ比例する。このため、燃料
集合体20内を流れる冷却水流量が80%の時に差圧ΔP2
0.01MPaになるようにしておけば、120%の冷却水流量時
には差圧ΔP2は0.023MPaとなり、水ロツド31内の平均ボ
イド率は24%となる。従つて、水ロツド31内の平均ボイ
ド率の変化幅は42%である。水ロツド31の占める横断面
積が燃料集合体20の冷却水流路の横断面積の1割程度で
あるため、上記の水ロツド31内の平均ボイド率の変化幅
が燃料集合体平均で4.2%のボイド率の変化幅になる。
炉心流量(炉心に供給される冷却水流量)による燃料棒
相互間(水ロツド31の外側)のボイド率の変化幅は第7
図に示すように9%である。従つて、燃料集合体20で
は、合計13%のボイド率の変化幅になる。燃料集合体20
内に2本以上の水ロツド31を設けることによつて、燃料
集合体20の平均ボイド率の変化幅を更に大きくできる。
例えば、特開昭63−73187号公報に示された燃料経済性
を向上させるために9本の水ロツドを設けた燃料集合体
において、それらの水ロツド31に替えてもよい。この燃
料集合体では、全水ロツド31の横断面積を合計した値が
その燃料集合体の冷却水流路の横断面積に対して3割も
占めるため、ボイド率の変化幅を増加させる効果は大き
い。
なお、差圧ΔP2は前述のように燃料集合体出入口差圧
ΔP1の一部である。また、80%炉心流量時の差圧ΔP1
約0.12MPaであるため、この一部を担う差圧ΔP2を0.01M
Paにすることは可能である。さらに、冷却材流路8の面
積を小さくすると、この冷却材流路8では摩擦による圧
力損失が支配的になる。この圧力損失は冷却材流路8の
軸方向長さに比例するため、下降流路部吐出口5の位置
を軸方向に調節することによつて所定の差圧ΔP2を得る
ことが容易に実現できる。
本実施例では、冷却材流路8には冷却材下降流路部3
から蒸気が流出してくる。飽和蒸気のエンタルピ(約36
0kcal/kg)は冷却材流路8の入口サブクール(約10kcal
/kg)の36倍であるが、冷却材流路8の冷却水流量は冷
却材上昇流路部2での中性子とガンマ線発熱による蒸気
発生流量の100倍以上になるので、蒸気が混合したとき
の平均エンタルピは負になる。従つて、冷却材流路8に
混入した蒸気は凝縮して液体になる。
本発明の他の実施例である燃料集合体26を第8図に示
す。本実施例の燃料集合体26に用いられる水ロツド31A
は、水ロツド31において、冷却材流路8の上端を支持し
ている支持板13上方に形成される空間12の軸方向長さを
長くしたものである。この空間12は液状の冷却材だけが
流れているため、燃料棒21の上部における中性子減速の
効果が大きくなる。水ロツド31では、燃料サイクルの始
めでは冷却材上昇流路部2の上部は蒸気溜として機能す
るため、この領域では中性子の減速効果抑制及び核燃料
物質中のウラン238のプルトニウム239への転換効果をも
たらす。一方、燃料サイクル末期には冷却材上昇流路部
3は冷却水(液体)で満たされるため、核分裂の効率が
向上し燃料棒21の上部の出力が増加する。ここで、第8
図に示すような水ロツド31Aを用いれば、沸騰現象が激
しい燃料棒21上部に液体状の冷却水が充填される空間12
があるため、燃料サイクル末期にこの部分の出力が局所
的に増加することを防止でき、燃料棒21の健全性を維持
できる効果がある。
本発明の他の実施例である燃料集合体27を第9図に示
す。燃料集合体27に用いられる水ロツド31Bは、冷却材
流路部入口4と冷却材流路8に連通する流通口7とが下
部タイプレートの燃料保持部16に設けてある。冷却材流
路8における圧力損失は、下部タイプレートに設けられ
た流通口7の下流側と下降流路部吐出口5の間の流路形
状によつて所定の値に設定できる。冷却水の流れ及び水
ロツド31Bの特性は第1図の実施例と同様である。ま
た、第8図の実施例のように、空間12を大きくすること
も可能である。
本発明の他の実施例である燃料集合体28を第10図に示
す。燃料集合体28に含まれた水ロツド31Cは第9図の実
施例において、冷却材流路8で冷却材上昇流路部2と冷
却材下降流路部3を囲むように設置したものである。こ
の実施例では、第1図及び第9図に示す水ロツドのよう
に上部の支持板13が無くても、同様の効果を得ることが
できる。また、第8図の実施例のように、水ロツド上部
の空間12を大きくすることも可能である。
第11図及び第12図は本発明の他の実施例である燃料集
合体29及び30を示している。これらの燃料集合体は、前
述の各実施例とは冷却材上昇流路部と冷却材下降流路部
の構造が異なる。燃料集合体29の水ロツド31Dは、冷却
材上昇流路部2と冷却材下降流路部3を連結管24で結合
し、逆U字状冷却水流路を形成している。冷却材流路8
は、この逆U字状冷却水流路を囲むように設けてある。
燃料集合体30の水ロツド31Eは、冷却材下降流路部3
が冷却材上昇流路部2を囲むように設けてある。更に、
冷却材流路8は冷却材下降流路部3を囲んでいる。
水ロツド31D及び31Eは、水ロツド31と同様に、冷却水
流量と共にボイド率を変化させる機能を有する。
燃料集合体29及び30の何れの場合も、冷却材流路8内
を上昇した冷却水は、支持板13に設けた流通口13aを通
って冷却水吐出口14から排出される。
なお、前述の各水ロツドは燃料集合体内だけではな
く、燃料集合体の外に設置しても同様の効果がある。
さらに、水ロツドは、冷却材上昇流路部及び冷却材下
降流路部ともに軸方向に一様な横断面を有している必要
はなく、軸方向に横断面が変化する冷却材上昇流路部,
冷却材下降流路部及び冷却材流路を用いてもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、下部タイプレートの変更をせずに、
炉心における各水ロッド内の冷却材液面を一様にでき
る。また、可動部のない簡単な構造で、炉心流量を変化
させることにより、炉心内のボイド率を容易且つ安全に
制御でき、しかもボイド率の変化幅を大きくすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は沸騰水型原子炉に用いられる本発明の一実施例
である燃料集合体の部分縦断面図、第2図は冷却材上昇
流路及び冷却材下降流路を有する水ロツド内における冷
却水の流動状態を示す説明図、第3図は水ロツドの出入
口間に生じる差圧と水ロツド内の平均ボイド率の関係を
示す特性図、第4図は第1図の燃料集合体の横断面図、
第5図及び第6図は差圧ΔP2と水ロツド内の平均ボイド
率との関係を示す特性図、第7図は炉心流量と炉心平均
ボイド率との関係を示す特性図、第8図,第9図,第10
図,第11図及び第12図は本発明の他の実施例である燃料
集合体の水ロツドの部分の縦断面図である。 2……冷却材上昇流路部、3……冷却材下降流路部、4
……冷却材上昇流路部入口、5……下降流路部吐出口、
6……抵抗体、7……流通口、8……冷却材流路、11…
…下部空間、12……上部空間、13……支持板、14……冷
却水吐出口、15……反転部、16……下部タイプレートの
燃料保持部、17……上部タイプレート、19……冷却水流
入口、20,26,27,28,29,30……燃料集合体、21……燃料
棒、22……チヤンネルボツクス、23……流路、24……連
結管、31,31A,31B,31C,31D,31E……水ロツド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨山 明男 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 西田 浩二 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 折井 明仁 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社 日立製作所エネルギー研究所内

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端部が下部タイプレートに保持されて内
    部に複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒と、前
    記燃料棒間に配置された水ロッドを有する燃料集合体に
    おいて、 冷却材流入口及び冷却材吐出口を有する前記水ロッド
    が、 下端部に設けられた抵抗体よりも下方に形成されて前記
    冷却材流入口に連絡された下部領域に連通し、前記冷却
    材吐出口に連絡される冷却材流路と、 前記抵抗体を貫通して前記下部領域に連絡される冷却材
    上昇流路と、 前記冷却材上昇流路に連絡されて前記抵抗体よりも上方
    で前記冷却材流路に連絡される冷却材下降流路と を備えていることを特徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】下端部が下部タイプレートに保持されて内
    部に複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒と、前
    記燃料棒間に配置された水ロッドとを有する燃料集合体
    において、 冷却材流入口及び冷却材吐出口を有する前記水ロッド
    が、前記冷却材流入口及び前記冷却材吐出口を連絡する
    第1冷却材流路と、流入した冷却材を上方に導く上昇部
    及びその上昇した冷却材を反転させて下方に導く下降部
    を有する第2冷却材流路とを備え、 前記第2冷却材流路の前記上昇部の入口側が抵抗体を介
    して前記冷却材流入口に連絡され、前記第2冷却材流路
    の前記下降部の吐出側が前記抵抗体よりも上方で前記第
    1冷却材流路に連絡された ことを特徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】下端部が下部タイプレートの燃料保持部に
    保持されて内部に複数の燃料ペレットを充填した複数の
    燃料棒と、前記燃料棒間に配置された水ロッドとを有す
    る燃料集合体において、 冷却材吐出口を有する前記水ロッドが、下端部が前記燃
    料保持部に取付けられて前記燃料保持部よりも下方の下
    部領域に連絡され、上端部が前記冷却材吐出口に連絡さ
    れる第1冷却材流路と、流入した冷却材を上方に導く上
    昇部及びその上昇した冷却材を反転させて下方に導く下
    降部を有する第2冷却材流路とを備えており、 前記第2冷却材流路の前記上昇部の入口側が前記燃料保
    持部を介して前記下部領域に連絡され、前記第2冷却材
    流路の前記下降部の吐出側が前記燃料保持部よりも上方
    の位置で前記第1冷却材流路に連絡されたことを特徴と
    する燃料集合体。
  4. 【請求項4】前記水ロッドが、前記冷却材流路の上方
    に、前記冷却材流路の流路面積よりも大きい冷却材流路
    を配置した請求項1の燃料集合体。
  5. 【請求項5】前記冷却材上昇流路が前記冷却材下降流路
    の周囲を取囲んでいる請求項1の燃料集合体。
  6. 【請求項6】前記冷却材下降流路が前記冷却材上昇流路
    の周囲を取囲んでいる請求項1の燃料集合体。
  7. 【請求項7】前記冷却材上昇流路が前記冷却材流路の周
    囲を取囲んでいる請求項1の燃料集合体。
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