JP3895529B2 - 沸騰水型原子炉の炉心 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の炉心に係わり、特に、スペクトルシフトロッドを備えた燃料集合体を用いて炉心反応度を制御する沸騰水型原子炉の炉心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)余剰反応度
沸騰水型原子炉の炉心では、通常、多数の燃料集合体が正方格子状に配置されている。各燃料集合体は、正方格子状に配列された多数の燃料棒と、燃料棒配列の中心付近に設けられた少なくとも1本の水ロッドと、それら燃料棒及び水ロッドを束ねた燃料バンドルの上部及び下部をそれぞれ支持する上部タイプレート及び下部タイプレートと、燃料バンドルの周囲を取り囲み燃料集合体の外壁を形成するチャンネルボックスとを備えている。
【0003】
燃料棒は、例えばジルコニウムで形成された被覆管内に多数の燃料ペレットを充填することにより構成されており、このとき充填される燃料としては、通常、天然ウランのうち核分裂しやすいU−235の濃度を増加させた濃縮ウランを用いる。そして、主としてこのU−235の核分裂によって得られたエネルギーによって、冷却材である水を加熱するようになっている。また水ロッドは、燃料棒のような発熱要素ではなく、下部に設けた開口部から冷却材である水を取り入れて内部を通過させ、上部に設けた開口部から流出させるものである。これにより、燃料バンドル内における水と燃料とのバランス(H/U比)の、主として軸方向への均一化を図ることができ、燃料集合体ひいては炉心全体の核的特性を向上することができる。
【0004】
炉心は、所定の期間(=1サイクル)運転を実施した後に停止され、装荷されている燃料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換される。この交換時の新しい燃料集合体の燃料装荷量は、原子炉を1サイクルの間臨界に保つために必要な核分裂性物質量が装荷されるように設定されるが、運転期間の末期においてちょうど臨界になるように、あらかじめ余剰に設定される。つまり、運転末期以外では、原子炉は臨界を超過した状態となる。
【0005】
(2)余剰反応度制御
元来、沸騰水型原子炉の炉心では、この超過した反応度(以下、余剰反応度という)の制御は、燃料集合体間に挿入される制御棒の操作、及び炉心に供給される冷却材の流量(以下、炉心流量という)の調節によって行われている。すなわち、これらにより運転期間を通じて炉心は臨界状態を維持している。
【0006】
このとき、制御棒の挿入による反応度制御が、制御棒内に設置された中性子吸収材により余分な中性子を吸収することで余剰反応度を制御するのに対して、炉心流量による反応度制御は、炉心内の中性子スペクトルを調整する事により余剰反応度を制御する。
すなわち、沸騰水型原子炉では、その名が示すように沸騰水を冷却材として用いており、冷却材内で蒸気が発生している。この蒸気泡の体積率をボイド率というが、炉心流量を増加させるとこのボイド率が低下する。ボイド率の低下は飽和水割合の増加を意味しており、ひいてはH/U比の増加を意味する事となる。
【0007】
ここで、核分裂によって発生する中性子のエネルギーは高く、次の核分裂を起こさせるためには、そのエネルギーを低くする必要がある。沸騰水型原子炉では、中性子は主に冷却材の水素と衝突してエネルギーを失うため、H/U比を変えることで中性子のエネルギー、言い換えれば、中性子スペクトルを変化させることができる。沸騰水型原子炉の場合、運転中の中性子スペクトルはその最適分布(反応度が最大になる分布)より硬め(平均中性子エネルギーが高め)に設定されている。
【0008】
したがって、炉心流量を増加させ、H/U比を増加させることで中性子スペクトルを軟化させ、反応度を上昇させることができる。このような仕組みで、沸騰水型原子炉では炉心流量によっても余剰反応度を制御することができる。
【0009】
(3)炉心流量のみによる余剰反応度制御(全制御棒引き抜き運転)
ここで、運転期間中に制御棒を挿入する必要がなく、炉心流量のみで余剰反応度が制御できれば、原子炉の反応度制御操作が単純化されると共に、制御棒の交換回数及び廃棄される制御棒の数を低減できるメリットが生じる。しかしながら、通常の沸騰水型原子炉では、炉心流量で制御できる反応度の量は余剰反応度より少ないため制御棒操作を行わざるを得ない。
【0010】
そこで、このような運転期間中の制御棒操作が必要でない、全制御棒引抜き運転を可能にするために、例えば、特公平7−89158号公報に記載のように、水ロッドの代わりにスペクトルシフトロッドを用いた燃料集合体を提案している。
【0011】
このスペクトルシフトロッドは、お互いに連通した上昇管と下降管とで構成されており、炉心流量を調節することによって、稼動部無しで管内の減速材液面高さ(以下スペクトルシフトロッドの水位と呼ぶ)を変化させることができるものである。
【0012】
すなわち、スペクトルシフトロッドでは、上昇管の下端は例えば下部タイプレートの上面より下方に開口させる一方、下降管の下端は下部タイプレートの上面より上方に開口させている。この構造によれば、上昇管下端の開口部における圧力と下降管下端の開口部における圧力との差が下部タイプレート上面の流路における圧力損失分に等しくなるため、原子炉の運転中に、その圧力損失分の水頭を与える高さの液面が上昇管内に生じ、かつ、その水位を炉心流量によって上下方向に変化させることができる。つまり、炉心流量が増せば、スペクトルシフトロッドの水位が高くなるため、通常のボイド率変化によるH/U変化以上の変化を引き起こすことが可能となる。このように、水ロッドの代わりにスペクトルシフトロッドを用いることで、炉心流量による反応度制御量が増加し、制御棒操作なしに余剰反応度を制御することが可能となる。
【0013】
(4)余剰反応度制御量の増大
上記従来技術により全制御棒引き抜き運転が実現できるようになったが、炉心流量による反応度制御量はできる限り大きい方が望ましい。炉心流量による反応度制御量が大きくできれば、同じ余剰反応度を制御するために小さな炉心流量変化幅で制御することが可能となる。すなわち、炉心最低流量を引き上げることができるので、それだけ熱的余裕を増すことができる。または、増加した熱的余裕を使って燃料集合体設計あるいは炉心設計を最適化することで経済性を増すことが可能となる。また、炉心が持つ余剰反応度は、その燃料集合体設計あるいは炉心設計により異なるので、炉心流量による反応度制御量が大きければ、異なる設計に対する適応能力が増す、すなわち、同じスペクトルシフトロッド構造による設計裕度が増すことを意味する。
【0014】
以上のような余剰反応度制御量増大の観点にたつと、上記従来技術にはまだ改善の余地があった。このことについて、以下詳細に説明する。
【0015】
(4−1)各燃料集合体におけるスペクトルシフトロッドの水位分布
すなわち、個々の燃料集合体のスペクトルシフトロッドの水位は、その燃料集合体を流れる冷却材流量(以下、燃料集合体流量という)によって決まる。一方、燃料集合体流量は燃料集合体出力に依存する。これは、二相流部の圧損が単相流部の圧損より高いために生じる。すなわち、出力が高い燃料集合体ではボイド率が高くなり、二相流部の割合が出力の低い燃料集合体よりも高くなる。燃料集合体上端と下端の圧力差はどの燃料集合体においても同じであるため、二相流部の割合が高い高出力燃料集合体では流量が低くなる。したがって、同じ構造の燃料集合体の場合、出力の高い燃料集合体ではスペクトルシフトロッドの水位が低く、出力の低い燃料集合体ではスペクトルシフトロッドの水位が高くなる。このように、炉心内では、スペクトルシフトロッドの水位に不均一な分布が生じることになる。
【0016】
(4−2)スペクトルシフトロッドの水位設定
炉心流量は、余剰反応度の大きい運転サイクル初期においては比較的小さいが、余剰反応度が小さくなってくる運転サイクル末期において増大されるため、燃料集合体流量は運転サイクル初期に比べて末期は大きく増大することとなり、各燃料集合体におけるスペクトルシフトロッドの水位も、運転サイクル初期は比較的低いが運転サイクル末期は高く上昇することとなる。上記(4−1)で述べたように、出力の高低によって燃料集合体ごとにスペクトルシフトロッドの水位に不均一な分布が生じるが、この水位変動の傾向自体は同様となる。
【0017】
ここで、どの燃料集合体流量の時にスペクトルシフトロッドの水位をどこに設定するかは設計者の意図で決めることができる。すなわち前述したように、スペクトルシフトロッド内の水の水頭と下部タイプレート部における圧力損失がバランスしているので、下部タイプレートにおける流量に対する流体抵抗を調節することで、燃料集合体流量とスペクトルシフトロッド水位との関係を任意に決めることが可能である。このとき、運転サイクル末期において反応度の損失がないように設計すべきであるので、炉心流量が最大となる運転サイクル末期においてスペクトルシフトロッドが満水になるように設計するのがもっとも経済的である。
【0018】
但しこの場合、上記(4−1)で述べたように、高出力燃料集合体では水位が相対的に低く、低出力燃料集合体では相対的に水位が高いという水位差があるため、
▲1▼運転サイクル末期で低出力燃料集合体が満水になるように設計する;
▲2▼運転サイクル末期で高出力燃料集合体が満水になるように設計する;
の2つの設計が考えられる。
【0019】
上記▲1▼の場合、低出力燃料集合体は、例えば、運転サイクル初期で中水位、運転サイクル末期で満水となる一方、高出力燃料集合体は、低出力燃料集合体より常に水位が低いため、運転サイクル初期で低水位、運転サイクル末期で高水位(但し満水ではない)となる。
上記▲2▼の場合、高出力燃料集合体は、例えば、運転サイクル初期で中水位、運転サイクル末期で満水となる一方、低出力燃料集合体は、高出力燃料集合体より常に水位が高いため、運転サイクル初期は高水位、運転サイクル末期で満水となる。
【0020】
ここで、上記▲1▼の場合は、最も反応度を大きく得たい運転サイクル末期において高出力燃料集合体を満水状態とできず、その分反応度をロスしてしまい、経済性の面から好ましくないことになる。したがって、上記特公平7−89158号公報においては、上記▲2▼のような設計としている。
【0021】
(5)水位設定における課題
上記▲2▼のような水位設計とすることで、最も反応度を大きく得たい運転サイクル末期において高出力燃料集合体も低出力燃料集合体も満水状態とすることができ、反応度のロスが生じるのを防止できる。
【0022】
しかしながら、この場合、前述したように、低出力燃料集合体においては、運転サイクル初期が既に高水位であることから、末期に満水状態としたとしても、その水位変動量が小さいため、スペクトルシフトによる反応度制御の量も限られたものとなってしまう。すなわち、運転サイクル初期と末期とでスペクトルシフトによる反応度制御の量が小さくなってしまう。この結果、炉心全体で見たときに、スペクトルシフトロッドによる反応度制御幅を十分大きくとることができず、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)にスペクトルシフトロッド水位をなるべく低くし余剰反応度を減らしたいという要請に十分に対応できない。
【0023】
(6)異なる抵抗の複数種類の燃料集合体を混在させる炉心
そこで、これを解決するために、例えば特開平2−205794号公報に記載のように、複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した燃料集合体を複数備えた沸騰水型原子炉の炉心において、各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッド(スペクトルシフトロッド)であり、前記下部タイプレートが、下方から導入された冷却材を前記燃料バンドルに導く複数の冷却材通路を設けた上端部を備えており、前記複数の燃料集合体は、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が相対的に小さい高抵抗燃料集合体と、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が相対的に大きい低抵抗燃料集合体とを含んでおり、最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに略2等分したとき、前記内周側領域を前記高抵抗燃料集合体のみで構成し、前記外周側領域を前記低抵抗燃料集合体のみで構成した沸騰水型原子炉の炉心が提唱されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、沸騰水型原子炉炉心では、炉心の外周側領域では中性子の漏れの効果により出力が低く流量が大きい一方、内周側領域では逆に出力が大きく流量が小さい。そこで、上記特開平2−205794号公報に記載の沸騰水型原子炉の炉心は、相対的に燃料集合体出力が大きく燃料集合体流量が小さくなる内周側領域の燃料集合体を、下部タイプレートの冷却材通路総開口面積を小さくした高抵抗燃料集合体として圧力損失を増大させる。このとき、スペクトルシフトロッドの水位は下部タイプレートの流体抵抗(圧力損失)に依存しており、下部タイプレートの流体抵抗が大きいほど水位が高くなることから、内周側領域の燃料集合体のスペクトルシフトロッドの水位を高くして外周側領域の低抵抗燃料集合体とほぼ同じ高さの水位とし、スペクトルシフトロッド水位の運転サイクルに伴う変化を全燃料集合体で同一化するものである。
【0025】
これにより、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド水位をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立できる。
【0026】
しかしながら、上記特開平2−205794号公報の従来技術には、別の課題が存在する。
すなわち、炉心の内周側領域を高抵抗燃料集合体のみで構成し、外周側領域を低抵抗燃料集合体のみで構成するとしているが、実際はこのような配置とすることは極めて困難であり、実現するのは難しい。その理由は、以下のようである。
【0027】
一般に、原子炉の炉心においては、所定の期間(=1サイクル)運転を継続した後原子炉が停止され、装荷された燃料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換される。通常、交換される燃料集合体は炉心中の全燃料集合体のうち4分の1から3分の1程度である。つまり、一度装荷された燃料集合体は、炉心から取り出される迄に3サイクルから4サイクル程度の期間炉内に滞在することになる。各サイクルで交換される燃料集合体の数が一定であるものを平衡炉心と呼び、この平衡炉心では、滞在期間に応じ燃焼度の異なる燃料集合体が、炉内に混在する配置となっている。
【0028】
そして、燃焼履歴を持たない新燃料集合体だけからなる初装荷炉心においても、上記同様、始めの1サイクル(第1サイクル)の間運転を継続した後、装荷された燃料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換されることになる。そして、初装荷炉心からこのようにして何サイクルか燃料交換を行った後に平衡炉心へと移行する。
【0029】
ここで、先に述べたように、炉心の外周側では中性子が炉外に漏れやすいため、出力効率の面から、例えば、出力の大きな新しい(滞在期間の短い)燃料集合体はなるべく内周側領域に配置し、出力の低下した古い(滞在期間の長い)燃料集合体を外周側領域に配置する。すなわち、1つの燃料集合体でみると、新たに装荷されたときは炉心の内周側領域に配置されるが滞在期間が長くなると外周側領域に移されるというように、あるサイクルが終了するたびに炉心の全燃料集合体中の一部の燃料集合体の配置換えを行い、出力効率の面でより無駄のない経済的な原子炉運転が行えるようにすることが、近年の原子炉では極めて重要かつ必須となっている。
【0030】
ここで、上記特開平2−205794号公報の従来技術では、炉心の内周側領域を高抵抗燃料集合体のみで構成し、外周側領域を低抵抗燃料集合体のみで構成しているため、上記のような燃料集合体の配置換えは内周側領域内相互、あるいは外周側領域内相互でしか行うことができない。この結果、前述したような滞在期間の増大にしたがって炉心の内周側から外周側領域に移すといった出力効率の面で無駄のない経済的な原子炉運転が行うことが困難である。したがって、現実の沸騰水型原子炉の炉心には適用するのは極めて困難である。
【0031】
このため、実際の沸騰水型原子炉炉心においては、運転サイクル初期に全スペクトルシフトロッド水位を十分に低くするとともに運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位を満水状態とするといったように、スペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大させることは依然として困難である。
【0032】
本発明の目的は、実際の沸騰水型原子炉炉心に適用してスペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大できる沸騰水型原子炉の炉心を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した燃料集合体を複数備えた沸騰水型原子炉の炉心において、各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、前記下部タイプレートが、下方から導入された冷却材を前記燃料バンドルに導く複数の冷却材通路を設けた上端部を備えており、前記複数の燃料集合体は、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が互いに異なる複数種類の燃料集合体を含んでおり、最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記外周側領域及び前記内周側領域のいずれもが前記総開口面積が互いに異なる少なくとも2種類の燃料集合体を備え、かつ、前記内周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値よりも小さくする。
【0034】
本発明においては、炉心内周側領域の燃料集合体の冷却材通路の総開口面積の平均値を外周側領域よりも小さくすることにより、内周側領域の燃料集合体のスペクトルシフトロッドの水位を高くして外周側領域の低抵抗燃料集合体と比較的近い水位とし、全燃料集合体でスペクトルシフトロッド水位の運転サイクルに伴う変化をより近い挙動とすることができる。これにより、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド水位をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0035】
そしてこのとき、内周側領域の冷却材通路総開口面積平均値と外周側領域の冷却材通路総開口面積平均値との大小関係で規定して上記の作用を得るように構成することにより、この平均値の大小関係を満足する限りにおいては、燃料集合体の配置換えを適宜自由に行うことが可能となる。したがって、下部タイプレートの冷却材通路の総開口面積が相対的に小さい燃料集合体の配置位置を内周側領域内に制限し下部タイプレートの冷却材通路の総開口面積が相対的に小さい燃料集合体の配置位置を外周側領域内に制限する従来構造と異なり、滞在期間の増大にしたがって炉心の内周側から外周側領域に移すといった出力効率の面で無駄のない経済的な原子炉運転を容易に行える。これにより、実際の沸騰水型原子炉炉心に適用して、スペクトルシフトロッドによる反応度制御量の増大を図ることができる。
【0036】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した複数の燃料集合体と、それら燃料集合体をそれぞれ載置する複数の燃料支持金具とを備えた沸騰水型原子炉の炉心において、各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、各燃料支持金具は、外部を流れる冷却材を内部に取り入れるための側面開口部を含む冷却材導入路(側面開口部+オリフィス)を備え、前記複数の燃料支持金具は、前記冷却材導入路の開口面積が互いに異なる複数種類の燃料支持金具を含み、最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記内周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくする。
【0037】
炉心内周側と外周側とのスペクトルシフトロッドの水位の違いは、炉心に備えられた多数の燃料集合体に流量分布が存在する、すなわち内周側の燃料集合体流量が外周側の燃料集合体流量よりも小さくなることから生じるものである。そこで、本発明においては、炉心に備えられる多数の燃料集合体を載置する多数の燃料支持金具に、それぞれ冷却材導入路の開口面積が互いに異なる複数種類の燃料支持金具を用いることで、この流量分布の非均一性そのものを低減するようにする。すなわち、内周側領域の燃料支持金具の冷却材導入路の開口面積の平均値を大きくして流体抵抗値を小さくし、外周側領域の燃料支持金具の前冷却材導入路の開口面積の平均値を小さくして流体抵抗値を大きくする。
【0038】
これにより、内周側領域の燃料集合体流量を増大してそのスペクトルシフトロッドの水位を高くし、外周側領域の燃料集合体と比較的近い水位とし、全燃料集合体でスペクトルシフトロッド水位の運転サイクルに伴う変化を全燃料集合体でより近い挙動とすることができる。これにより、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド水位をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0039】
またこのとき、燃料支持金具は、燃料集合体の配置換え時にも移動せず同じ位置にとどまるので、従来構造のように出力効率の面で無駄のない経済的な原子炉運転を困難にすることはない。
【0050】
(3)さらに上記目的を達成するために、本発明は、複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した複数の燃料集合体と、それら燃料集合体をそれぞれ載置する複数の燃料支持金具とを備えた沸騰水型原子炉の炉心において、各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、前記下部タイプレートが、下方から導入された冷却材を前記燃料バンドルに導く複数の冷却材通路を設けた上端部を備えており、前記複数の燃料集合体は、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が互いに異なる複数種類の燃料集合体を含んでおり、各燃料支持金具は、外部を流れる冷却材を内部に取り入れるための側面開口部を含む冷却材導入路を備えており、前記複数の燃料支持金具は、前記冷却材導入路の開口面積が互いに異なる複数種類の燃料支持金具を含み、最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記内周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値よりも小さくし、前記内周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくする。
【0051】
(9)上記(8)において、好ましくは、最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記内周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値よりも小さくし、前記内周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくする。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図10により説明する。
図2は、本実施形態の炉心の適用対象である原子炉の構造を表す側断面図である。この図2において、冷却材を保有する原子炉圧力容器19内にはシュラウド20が設けられており、シュラウド20内部に本実施形態による炉心1が収納されている。冷却材は炉心1内に多数装荷された燃料集合体2の燃料(詳細は後述)で加熱されて沸騰し、水と蒸気の混合二相流となってシュラウドヘッド21に流れる。シュラウドヘッド21上方には多数の気水分離器22が接続され、さらに気水分離器22の上方には蒸気乾燥器23が設置されている。
【0053】
炉心1で発生した冷却材と蒸気の混合二相流は気水分離器22で冷却材と蒸気に分離される。気水分離器22を通過して分離された蒸気は蒸気乾燥器23で乾燥された後に主蒸気ノズル(図示せず)から流出してタービン(図示せず)に供給される。一方、主蒸気ノズルから蒸気として流出した冷却材を補充するための給水は、給水ポンプ(図示せず)より給水ノズル(図示せず)に送り込まれる。給水ノズルから原子炉圧力容器19内に供給された給水は、原子炉圧力容器19内で、気水分離器22で分離された冷却材と混合され、インターナルポンプ24によって、炉心1へ再循環される。
【0054】
一方炉心1の下部は、炉心シュラウド3の下部に固定された炉心下部支持板25によって横方向の動きが拘束支持されている。そして原子炉運転停止時には、燃料集合体2の間に、原子炉圧力容器19下部の制御棒駆動機構26で駆動される横断面十字形の制御棒(図示せず)が制御棒案内管27をガイドとして挿入されることにより、炉心1の出力が制御されるようになっている。
【0055】
このとき、制御棒案内管27の頂部には、図3に拡大構造を示す燃料支持金具10が設けられており、燃料集合体2は4体1組でこの燃料支持金具10の4つの挿入穴10aに挿入され載置される。これにより、燃料集合体2の荷重は、燃料支持金具10、制御棒案内管27、制御棒駆動機構26のハウジングを介し、最終的に原子炉圧力容器19の底板で支持するようになっている。なお、燃料支持金具10の側面には、外部を流れる冷却材を内部に取り入れる開口部10bが設けられ、この開口部10bにオリフィス11が設けられている。
【0056】
図4は、図2に示した上記炉心1に装荷される燃料集合体2の構造を表す縦断面図であり、図5は、図4に示した燃料集合体2のA−A断面による横断面図である。
【0057】
これら図4及び図5において、燃料集合体2は、9×9の正方格子状に配列された74本の燃料棒12と、燃料棒12の7本分のスペースに設けられた2本の水ロッド(いわゆるスペクトルシフトロッド)13と、これら燃料棒12及び水ロッド13の軸方向複数箇所を束ねて燃料バンドルとする複数のスペーサ14と、燃料バンドルの上部及び下部をそれぞれ支持する上部タイプレート15及び下部タイプレート16と、燃料バンドルの周囲を取り囲み燃料集合体2の外壁を形成する角筒状のチャンネルボックス17とを備えている。
【0058】
燃料棒12は、詳細は図示しないが、例えばジルコニウム製の被覆管に核分裂性物質(U−235やU−238等を含むウラン燃料ペレット、あるいはウラン−プルトニウム混合酸化物を含むMOX燃料ペレット等)が充填されており、燃料有効長(燃料ペレットが存在する部分)が通常の長さである燃料棒12aと、燃料有効長Lが燃料棒12aよりも短い短尺燃料棒(部分長燃料棒)12bとから構成されている。燃料棒12aは66本が配置されており、部分長燃料棒12bは図5に示す位置に8本が配置されている。
【0059】
図6は、図4に示した下部タイプレート16の詳細構造を表す図4中部分拡大図である。この図6に示すように、下部タイプレート16は、燃料支持金具10の内部から流れてきた冷却材を導入する開口部を備えた下端部16aと、導入された冷却材を燃料バンドルに導く複数の冷却材通路(フローホール)18を形成した上端部16bとを備えている。
【0060】
なお、本実施形態の炉心1においては、燃料集合体2として、互いに下部タイプレート16の上記冷却材通路18の開口面積が異なる2種類の燃料集合体2A,2B(図1参照)を用いる(燃料集合体2Aの開口面積のほうが、燃料集合体2Bの開口面積よりも小さくなっている、詳細は後述)。
【0061】
図7は、図2及び図4に示したスペクトルシフトロッド13の概略構成を燃料支持金具10の一部とともに表す縦断面図である。この図7において、スペクトルシフトロッド13は、燃料集合体2の下部に開口した冷却材(すなわち軽水)の取り入れ口である冷却材流入口13a1を備えここから取り入れた冷却材を上方へ流す冷却材上昇管13aと、冷却材流入口13a1よりも上方に開口した冷却材流出口13b1を備え冷却材上昇管13aに連結されて冷却材上昇管13aからの冷却材を下方へ流す冷却材下降管13bとを有している。
【0062】
またスペクトルシフトロッド13は、冷却材上昇管13aの上端の高さが燃料棒12の有効長上端の高さ(以下適宜、燃料棒有効長を24区分した1単位である「ノード」を用いて、上端高さ24ノードというように表す)と同じであり、冷却材流出口13b1の下端の高さは燃料棒12の有効長下端の高さよりも高い位置にある。
【0063】
また、冷却材入口オリフィス11は、燃料支持金具10の冷却材取り入れ口である開口部10b付近(すぐ裏側)に設置されるもので、燃料集合体2へ流入させる冷却材の量を調節するために設置されるものである。
【0064】
上記構成において、スペクトルシフトロッド13の冷却材上昇管13a中の水位5は、冷却材流入口13a1と冷却材流出口13b1との間の圧力差で定まる。この圧力差は燃料集合体2内での冷却材流れの圧力損失によって定まり、例えば冷却材流量が同じ条件であれば、冷却材流入口13a1と冷却材流出口13b1との高さの差を大きくすれば圧力差が大きくなって水位5は上昇する。またこの圧力差は、燃料集合体2に流れ込む冷却材流量の2乗にほぼ比例する。よって、炉内における冷却材流量を調整することによりスペクトルシフトロッド13内の水位5を制御することができる。
【0065】
すなわち例えば、インターナルポンプ(再循環ポンプ)24の速度調節によって運転サイクル初期の冷却材流量を低く運転サイクル末期の冷却材流量を高くすると、運転サイクル初期にはスペクトルシフトロッド13内の水位5が低いので中性子増倍率は低く押さえられ、運転サイクル末期には水位5が高いので中性子増倍率は高められる。これによって流量制御だけで大幅な反応度制御が可能となり、制御棒を用いずに運転サイクル初期の余剰反応度を抑えられる。
【0066】
図1は、本実施形態の最も大きな特徴である炉心1の燃料集合体配置を表す1/4炉心配置図である。
【0067】
図1において、この炉心1は、例えば電気出力135万kWの改良型BWR炉心であり、燃料集合体2の数は872体である。本実施形態の炉心1では、前述のように、燃料集合体2として、下部タイプレート16の冷却材通路18の開口面積が相対的に小さな燃料集合体2Aと、下部タイプレート16の冷却材通路18の開口面積が相対的に大きな燃料集合体2Bとを用い、燃料集合体2Bを、径方向外周側を中心に配置される図1中斜線で示す位置bに配設する一方、燃料集合体2Aを図1中白で示される位置aに配設する。この結果、図1中に詳細には記載しないが、最外周一層の燃料集合体2A,2Bの領域を除いて、炉心1を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、外周側領域及び内周側領域のいずれもが燃料集合体2A,2Bの両方を備え、かつ、内周側領域の燃料集合体2A,2Bの冷却材通路18の総開口面積の平均値は、外周側領域の燃料集合体2A,2Bの冷却材通路18の総開口面積の平均値よりも小さくなっている。
【0068】
領域bの燃料集合体2Bは、比較的炉心外周部あるいはコントロールセルと呼ばれる炉内滞在サイクル数の大きな燃料を集めた領域のものである。この領域bでは、領域aより燃料集合体2の出力が低くなるため、燃料集合体流量が大きい。そこで、一例として、この炉心1において運転サイクル期間中の炉心流量制御範囲を定格流量の90%から111%とした場合、この領域bには、冷却材通路18の流体抵抗の小さい下部タイプレート16を備えた燃料集合体2Bを配置することにより、約111%炉心流量でスペクトルシフトロッド13の水位5が満水になるように設定する。具体的には、例えば領域bに配置する燃料集合体2Bのうち一番燃料集合体流量が少なくなる(すなわち一番出力が高くなる)燃料集合体2Bを選び、それが111%炉心流量においてスペクトルシフトロッド水位5が満水になるように、燃料集合体2Bの流体抵抗(冷却材通路18開口面積)を決定する。
【0069】
一方、領域aには冷却材通路18の流体抵抗の大きい下部タイプレート16を備えた燃料集合体2Aを配置することにより、約111%炉心流量でスペクトルシフトロッド13の水位5が満水になるように設定する。具体的には、例えば領域aに配置する燃料集合体2Aのうち一番燃料集合体流量が少なくなる(すなわち一番出力が高くなる)燃料集合体2Aを選び、それが約111%炉心流量においてスペクトルシフトロッド水位5が満水になるように、燃料集合体2Aの流体抵抗(冷却材通路18開口面積)を決定する。
【0070】
以上により、炉心1は、111%炉心流量時には、すべての燃料集合体2A,2Bにおいてスペクトルシフトロッド13がほぼ満水(スペクトルシフトロッド水位5がほぼ24ノード位置)となるように設定されている。
【0071】
但し、炉心1の最外周1層の燃料集合体2の領域(燃料集合体2Aも2Bも存在する)については、最外層燃料集合体2の出力は中性子の漏れの発生によってそれより内側の層の他の燃料集合体2に比べて極端に低くなることから、余分な流量が流れないように、それら最外層燃料集合体2の燃料支持金具10の冷却材入口オリフィス11の口径を他のものよりも大きく絞って(口径を小口径として)いる。これにより、最外層燃料集合体2については、111%炉心流量においてもスペクトルシフトロッド13を満水にはならない。しかし、最外層部が炉心全体の反応度に与える影響はわずかであるので、111%炉心流量になる運転サイクル末期において最外層燃料集合体2のスペクトルシフトロッド13が満水にならなくても反応度の損失は無視できるぐらい小さい。
【0072】
以上のように構成した本実施形態による炉心1の作用効果を比較例を用いて以下に詳細に説明する。
【0073】
(1)反応度制御量増大作用
(1−1)比較例における反応度制御量
この作用を説明するために、本実施形態の比較例として、先に図1に示した領域a及び領域bのいずれにも、冷却材通路18の流体抵抗が比較的大きい下部タイプレート16を備えた燃料集合体2Aを配置した炉心を考える。この比較例は、前述した特公平7−89158号公報に対応するものである。
【0074】
このとき、上記本実施形態の炉心1と同様運転サイクル期間中の炉心流量制御範囲を定格流量の90%〜111%とし、燃料集合体2Aの冷却材通路18は、約111%炉心流量でスペクトルシフトロッド13の水位5が満水になるように設定する。具体的には、これら燃料集合体2Aのうちでも前述したように炉心内周側の高出力の集合体では水位が相対的に低く、炉心外周側の低出力の集合体では相対的に水位が高いという水位差があるため、最外層に配置された燃料集合体を除く全燃料集合体2Aのスペクトルシフトロッド13を満水(スペクトルシフトロッド水位5が24ノード位置)とするために、運転サイクル末期の約111%炉心流量で高出力の燃料集合体2Aを満水とできるように設計する。
【0075】
図8は、上記のように設計した比較例における、111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、図9は、90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図である。
【0076】
まず、図8において、前述したような最外層の燃料集合体2Aの特殊性により、この燃料集合体2Aのスペクトルシフトロッド13は満水にならないため、その平均値は、22.6ノードとなっている。
【0077】
一方、この90%炉心流量時においては、理想的には、スペクトルシフトロッド13の炉心平均の水位は24×(90/111)2 で16.8ノードにあることになり、その水位の変化幅は24−16.8 = 7.2ノードとなるはずである。しかしながら、図9においては、上記のように最外層の燃料集合体2Aの水位が低いにもかかわらず、その平均値は16.8ノードとなっている。すなわち、スペクトルシフトロッド水位の変化幅は、22.6−16.8=5.8ノードとなり、理想的な場合の81%程度にとどまってしまう。
【0078】
これは前述したように炉心内において各燃料集合体流量の分布が均一でないことに起因する。すなわち、図1に示した領域a及び領域bのいずれにも冷却材通路18の流体抵抗が同一の燃料集合体2Aを配置し、約111%炉心流量で高出力(すなわち炉心内周側)の燃料集合体2Aを満水とできるように設計した場合、高出力燃料集合体は、例えば運転サイクル初期の約90%炉心流量で中水位、運転サイクル末期の約111%炉心流量で満水とできるので、運転サイクル初期と末期で中水位から満水まで比較的大きな水位変動を得ることができる。しかしながら、低出力燃料集合体は、運転サイクルの間常に高出力燃料集合体より水位5が高いため、例えば運転サイクル初期の約90%炉心流量で高水位、運転サイクル末期の約111%炉心流量で満水となり、運転サイクル初期と末期で高水位から満水までの比較的小さな水位変動しか得ることができない。
【0079】
(1−2)本実施形態の炉心における反応度制御量
以上のような比較例に対し、本実施形態の炉心1では、領域bには、燃料集合体2Aに代えて、冷却材通路18の流体抵抗が比較的小さい下部タイプレート16を備えた燃料集合体2Bを配置し、燃料集合体2Aの冷却材通路18も、燃料集合体2Bの冷却材通路18も、約111%炉心流量でスペクトルシフトロッド13の水位5が満水になるように設定している。
【0080】
これにより、上記比較例における炉心内での各燃料集合体流量の分布の非均一性を緩和することができる。したがって、高出力である領域aの燃料集合体2Aを上記比較例同様に例えば約90%炉心流量で中水位約111%炉心流量で満水という大きな水位変動を確保しつつ、低出力である領域bの燃料集合体2Bについても運転サイクルの間常に高出力の燃料集合体2Aに近い水位5の高さとできるので、例えば約90%炉心流量で中水位、111%炉心流量で満水という挙動とし、運転サイクル初期と末期で中水位から満水までの比較的大きな水位変動を得ることができる。このような水位挙動を具体的に図10及び図11に示す。
【0081】
図10は、本実施形態の炉心1における111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記比較例の図8に相当する図である。図11は、本実施形態の炉心1における90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記比較例の図9に相当する図である。
【0082】
まず図10において、比較例と同様、最外層の燃料集合体2A,2Bの特殊性により、全燃料集合体2A,2Bの水位の平均値は22.6ノードとなっている。
【0083】
一方、図8においては、上記した炉心内での各燃料集合体流量の分布の均一化作用で低出力の燃料集合体2Bにおける水位5がより低下した結果、全燃料集合体2A,2Bの水位の平均値は16.2ノードまで下がっている。これにより、スペクトルシフトロッド水位の変化幅は22.6−16.2=6.4ノードとなり、一種類の下部タイプレート16を用いた上記比較例に比べ、約10%スペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大することが可能となる。すなわち、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド13の水位5をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド13の水位5を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0084】
(2)原子炉出力効率の向上及び運転経済性の向上
一般に、原子炉の炉心においては、所定の期間(=1サイクル)運転を継続した後原子炉が停止され、装荷された燃料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換される。通常、交換される燃料集合体は炉心中の全燃料集合体のうち4分の1から3分の1程度である。つまり、一度装荷された燃料集合体は、炉心から取り出される迄に3サイクルから4サイクル程度の期間炉内に滞在することになる。各サイクルで交換される燃料集合体の数が一定であるものを平衡炉心と呼び、この平衡炉心では、滞在期間に応じ燃焼度の異なる燃料集合体が、炉内に混在する配置となっている。
【0085】
そして、燃焼履歴を持たない新燃料集合体だけからなる初装荷炉心においても、上記同様、始めの1サイクル(第1サイクル)の間運転を継続した後、装荷された燃料集合体の一部が取り出されて新しい燃料集合体と交換されることになる。そして、初装荷炉心からこのようにして何サイクルか燃料交換を行った後に平衡炉心へと移行する。
【0086】
ここで、先に述べたように、炉心の外周側では中性子が炉外に漏れやすいため、出力効率の面から、例えば、出力の大きな新しい(滞在期間の短い)燃料集合体はなるべく内周側領域に配置し、出力の低下した古い(滞在期間の長い)燃料集合体を外周側領域に配置する。すなわち、1つの燃料集合体でみると、新たに装荷されたときは炉心の内周側領域に配置されるが滞在期間が長くなると外周側領域に移されるというように、あるサイクルが終了するたびに炉心の全燃料集合体中の一部の燃料集合体の配置換えを行い、出力効率の面でより無駄のない経済的な原子炉運転が行えるようにすることが、近年の原子炉では極めて重要かつ必須となっている。
【0087】
本実施形態の炉心1における領域aと領域bとの設定は、上記の燃料集合体2A,2Bの配置換えによる移動を考慮して決定されているものである。すなわち、下部タイプレート16は燃料集合体2A又は2Bに設置されその移動と共に随伴移動していくものであることから、ある燃料集合体設置領域を選択したら、その燃料集合体が最初のサイクルから取出されるサイクルまで設置されるすべての位置において同じ下部タイプレート抵抗特性の同じ種類の燃料集合体2A又は2Bが使用されることを前提とする必要がある。本実施形態における前記領域a,bの区分は、その観点から領域を設定しているものである。
【0088】
すなわち、炉心1の内周側領域の冷却材通路18総開口面積平均値が外周側領域の冷却材通路18総開口面積平均値よりも小さいという関係を満足する範囲で、図1に示すように領域aは炉心1の内周側領域のみならず外周側領域にも設定されており、同様に領域bは炉心1の外周側領域のみならず内周側領域にも設定されている。この結果、上記内周側領域から外周側領域への同一燃料集合体2A又は2Bの配置換えを適宜自由に行うことが可能となる。
【0089】
これにより、高抵抗燃料集合体の配置位置を内周側領域内に制限し低抵抗燃料集合体の配置位置を外周側領域内に制限する従来構造と異なり、滞在期間の増大にしたがって炉心1の内周側領域から外周側領域に移すといった出力効率の面で無駄のない経済的な原子炉運転を容易に行える。これにより、実際の沸騰水型原子炉炉心に確実に適用して、スペクトルシフトロッドによる反応度制御量の増大を図ることができる。
【0090】
なお、上記実施形態では、出力分布に応じて炉心1を内周側領域と外周側領域の2領域に分類し、2種類の流体抵抗値の下部タイプレート16を用いる例を示したが、これに限られず、炉心1を3つ以上の領域に区分しこれに合わせて3種類以上の流体抵抗値の下部タイプレート16を用いることによりスペクトルシフトロッド13の水位5の挙動をさらに同一化しさらにスペクトルシフトロッド13による反応度制御量の増大を図れることは言うまでもない。
【0091】
本発明の第2の実施形態を図12〜図14により説明する。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0092】
本実施形態の炉心1Aでは、872体の燃料集合体2はすべて同一のものを使用する一方、それらを載置する燃料支持金具10として、オリフィス11の冷却材の絞りが比較的小さい(開口面積が相対的に大きな)燃料支持金具10Aと、オリフィス11の冷却材の絞りが比較的大きい(開口面積が相対的に小さな)燃料支持金具10Bと、オリフィス11の冷却材の絞りがかなり大きい(開口面積が非常に小さな)燃料支持金具10Cとの3種類を用いる。
【0093】
図12は、本実施形態の炉心1Aの上記燃料支持金具10A〜Cの配置を表す1/4炉心配置図である。この図12において、この炉心1Aは、最外周1層目を構成する図12中網目模様で示す位置eに上記第1の実施形態と同様に燃料支持金具10Cを用いる一方、位置e以外のうち、径方向外周側を中心に配置される図1中斜線で示す位置dに燃料支持金具10Bを配設する一方、残りの図1中白で示される位置cに燃料支持金具10Aを配設する。
【0094】
この結果、図12中に詳細には記載しないが、最外周一層の領域(位置e)を除いて、炉心12を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、外周側領域及び内周側領域のいずれもが燃料支持金具10A,10Bの両方を備え、かつ、内周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材通路18の冷却材導入路(開口部10b及びオリフィス11)の開口面積の平均値は、外周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくなっている。
【0095】
上記構成の本実施形態の炉心1Aの作用効果を以下に説明する。
【0096】
元来、炉心内周側と外周側とのスペクトルシフトロッドの水位の違いは、炉心に備えられた多数の燃料集合体に流量分布が存在する、すなわち内周側の燃料集合体流量が外周側の燃料集合体流量より小さくなることから生じるものである。
【0097】
そこで、本実施の形態においては、炉心1Aに備えられる多数の燃料集合体2を載置する多数の燃料支持金具10A〜Cに関し、内周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材導入路10b,11の開口面積の平均値を大きくして流体抵抗値を小さくし、外周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材導入路10b,11の開口面積の平均値を小さくして流体抵抗値を大きくすることで、この流量分布の非均一性そのものを低減するようにする。
【0098】
これにより、内周側領域の燃料集合体2流量を増大してそのスペクトルシフトロッド13の水位5を高くし、外周側領域の燃料集合体2と比較的近い水位5とし、全燃料集合体2でスペクトルシフトロッド13の水位5の運転サイクルに伴う変化をより近い挙動とすることができる。これにより、上記第1の実施形態と同様、例えば約90%炉心流量で水位5を中水位、111%炉心流量で満水という挙動とし、運転サイクル初期と末期で中水位から満水までの比較的大きな水位変動を得ることができる。このような水位挙動を具体的に図13及び図14に示す。
【0099】
図13は、本実施形態の炉心1Aにおける111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記第1の実施形態の図10に相当する図である。図14は、本実施形態の炉心1Aにおける90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記第1の実施形態の図11に相当する図である。
【0100】
まず図13において、上記第1実施形態と同様、最外層の燃料集合体2A,2Bの特殊性により、全燃料集合体2A,2Bの水位の平均値は22.6ノードとなっている。
【0101】
一方、図14においては、上記した炉心1A内での各燃料集合体流量の分布の均一化作用で位置dの燃料支持金具10Bに載置された燃料集合体2における水位5がより低下した結果、全燃料集合体2の水位の平均値は16.2ノードまで下がっている。これにより、スペクトルシフトロッド水位の変化幅は22.6−16.2=6.4ノードとなり、前述の記第1の実施形態の比較例に比べ、約10%スペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大することが可能となる。すなわち、2種類のタイプレートを使った第1の実施形態の炉心1と同程度の効果を得る事ができる。
【0102】
したがって、本実施形態によっても、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド13の水位5をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド13の水位5を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0103】
またこのとき、燃料支持金具10A〜Cは、燃料集合体2の配置換え時にも移動せず同じ位置にとどまるので、従来構造のように出力効率の面で無駄のない経済的な原子炉運転を困難にすることはなく、また燃料集合体2の装荷パターンに関係なく異なる燃料支持金具10を用いて所望の特性を持たせることができる。
【0104】
なお、上記実施形態では、出力分布に応じて炉心1を内周側領域と外周側領域の2領域に分類し、2種類の流体抵抗値の燃料支持金具10を用いる例を示したが、これに限られず、炉心1Aを3つ以上の領域に区分しこれに合わせて3種類以上の流体抵抗値の燃料支持金具を用いることによりスペクトルシフトロッド13の水位5の挙動をさらに同一化しさらにスペクトルシフトロッド13による反応度制御量の増大を図れることは言うまでもない。
【0105】
本発明の第3の実施形態を図15〜図17により説明する。第1及び第2の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0106】
この実施形態は、第1の実施形態における下部タイプレート16によるスペクトルシフトロッド水位調整と、燃料支持金具10におけるオリフィス11による流量調整の効果とを組み合わせたものである。この組み合わせる意義は、以下のようである。
【0107】
すなわち、まず本実施形態の炉心1Bでは、第1の実施形態の炉心1と同様に、図1の位置bで示される位置には、位置aにおける燃料集合体2Aよりも下部タイプレート16の流体抵抗の小さな燃料集合体2Bを用いる。このとき、すでに説明したように下部タイプレート16は燃料集合体2A,2Bに設置されておりそれらの配置換えに随伴して移転するため、一度設置されると装荷されたばかりの新燃料の時期から複数のサイクルを経た取出しに近い時期までスペクトルシフトロッド13の水位特性を決定してしまう。したがって、第1の実施形態では、外周側領域に備えられる燃料集合体2をみだりに下部タイプレート16の流体抵抗の小さい燃料集合体2Bとするわけにはいかず、寿命を通して出力が低くなるもの(低くしてもよいもの)に対してのみ燃料集合体2Bを適用すべきであるため、この意味である程度の制約はある。
【0108】
そこで、本実施形態においては、外周側領域に存在し本来は燃料集合体2Bを配置してスペクトルシフトロッド13の水位下降を図りたかったにもかかわらず上記の制約によって燃料集合体2Bを配置できなかったもの、つまり寿命後期のみ出力が低くなる燃料に対して、第2の実施形態で用いた異なる冷却材入口オリフィス11を備えた燃料支持金具10A,10Bの分布を適用して上記水位制御を補う。
【0109】
図15は、本実施形態の炉心1Bの上記燃料支持金具10A〜Cの配置を表す1/4炉心配置図である。この図15において、この炉心1Bは、最外周1層目を構成する図15中網目模様で示す位置hに上記第2の実施形態と同様に燃料支持金具10Cを用いる一方、位置h以外のうち、斜線で示す位置gにオリフィス11の冷却材の絞りが比較的大きい(開口面積が相対的に小さな)燃料支持金具10Bを配設する一方、残りの図中白で示される位置fにオリフィス11の冷却材の絞りが比較的小さい(開口面積が相対的に大きな)燃料支持金具10Aを配設する。
【0110】
なお、位置gは、出力が低いにも係わらず上記制約によって流体抵抗が小さい下部タイプレート16を備えた燃料集合体2Bが適用されなかった位置を示しており、その位置に燃料支持金具10Bを適用して冷却材入口オリフィス11による流体抵抗を位置fの燃料支持金具10Aよりも大きくしたものである。
【0111】
以上のような配置の結果、詳細な図示は省略するが、本実施形態の炉心1Bは、まず燃料集合体2A,2Bの配置については、最外周一層の燃料集合体2A,2Bの領域(図15の位置hに相当)を除いて、炉心1Bを径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、外周側領域及び内周側領域のいずれもが燃料集合体2A,2Bの両方を備え、かつ、内周側領域の燃料集合体2A,2Bの冷却材通路18の総開口面積の平均値は、外周側領域の燃料集合体2A,2Bの冷却材通路18の総開口面積の平均値よりも小さくなっている。
【0112】
また、燃料支持金具10A,10Bについては、最外周一層の領域(位置h)を除いて、炉心1Bを径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、外周側領域及び内周側領域のいずれもが燃料支持金具10A,10Bの両方を備え、かつ、内周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材通路18の冷却材導入路(開口部10b及びオリフィス11)の開口面積の平均値は、外周側領域の燃料支持金具10A,10Bの冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくなっている。
【0113】
図16は、本実施形態の炉心1Bにおける111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記第1の実施形態の図10、上記第2の実施形態の図13に相当する図である。図17は、本実施形態の炉心1Bにおける90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位5の炉心内分布を示す図であり、上記第1の実施形態の図11、上記第2の実施形態の図8に相当する図である。
【0114】
まず図16において、上記第1及び第2実施形態と同様、最外層の燃料集合体2A,2Bの特殊性により、全燃料集合体2A,2Bの水位の平均値は22.6ノードとなっている。
【0115】
一方、図17においては、上記した炉心1B内での下部タイプレート16の流体抵抗値の大小及びオリフィス11の絞り(開口面積)の大小による各燃料集合体流量の分布の均一化作用で、位置bの燃料集合体2B(図1参照)における水位5の低下効果と、位置gの燃料支持金具10B(図15)に載置された燃料集合体2Aにおける水位5の低下効果とが加わった結果、全燃料集合体2の水位の平均値は15.8ノードまで下がっている。これにより、スペクトルシフトロッド水位の変化幅は22.6−15.8=6.8ノードとなり、第1の実施形態や第2の実施形態に比べ、さらにスペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大することが可能となる。
【0116】
したがって、本実施形態によれば、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド13の水位5をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド13の水位5を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを、さらに確実に両立させることができる。
【0117】
なお、上記実施形態では、出力分布に応じて炉心1B(但し最外周領域を除く)を内周側領域と外周側領域の2領域に分類し、2種類の流体抵抗値の燃料支持金具10及び2種類の流体抵抗値の下部タイプレート16の燃料集合体2A,2Bを用いる例を示したが、これに限られず、炉心1Bを3つ以上の領域に区分しこれに合わせて3種類以上の流体抵抗値の燃料支持金具を用いることによりスペクトルシフトロッド13の水位5の挙動をさらに同一化しさらにスペクトルシフトロッド13による反応度制御量の増大を図れることは言うまでもない。
【0118】
また、上記実施形態では、第1の実施形態である下部タイプレートの効果と第2の実施形態である冷却材入口オリフィスの効果を組み合わせたが、さらに、後述の第1参考例や第2参考例で示す核分裂性物質平均濃縮度及び可燃性毒物の平均濃度分布の効果を組み合わせることもできる。これらはそれぞれ独立して構成できるため、それぞれ独立に、あるいは、そのいくつかを組み合わせてスペクトルシフトロッド水位分布を調整しても良い。
【0119】
本発明の第1参考例を説明する。第1〜第3の実施形態と同等の部材の説明には同一の符号を用いる。
本参考例の考え方及び構成は、以下の通りである。炉心1内周側と外周側とのスペクトルシフトロッド13の水位5の違いは、炉心1に備えられた多数の燃料集合体2に流量分布が存在する、すなわち内周側の燃料集合体流量が外周側の燃料集合体よりも小さくなることから生じるものである。そして、このような流量分布は、炉心内の燃料集合体2相互の出力の大小によって生じるものである。
【0120】
そこで、本参考例においては、炉心に備えられる多数の燃料集合体2に、それぞれ装荷時の集合体平均核分裂性物質濃度が互いに異なる複数種類の燃料集合体を用いることで、この出力分布の非均一性そのものを低減するようにする。すなわち、第1の実施形態で用いた図1に示す2つの領域a,bにおいて、相対的に出力が低い領域bの燃料集合体2の装荷時の平均濃縮度を、相対的に出力が高い領域aの燃料集合体2の装荷時の平均濃縮度より高くする。
【0121】
この結果、最外周一層の燃料集合体2の領域を除いて、炉心1を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、内周側領域の燃料集合体2の核分裂性物質濃度の平均値を、外周側領域の燃料集合体2の核分裂性物質濃度の平均値よりも小さくして出力を低減する。
【0122】
これにより、内周側領域と外周側領域とで出力分布を平坦化して、両領域の燃料集合体2のスペクトルシフトロッド水位5を比較的近い水位とし、全燃料集合体2で運転サイクルに伴う変化をより近い挙動とすることができる。これにより、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド水位5をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位5を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0123】
なお、上記参考例では、出力分布に応じて炉心1を内周側領域と外周側領域の2領域に分類し、2種類の濃度の核分裂性物質を用いる例を示したが、これに限られず、炉心1を3つ以上の領域に区分しこれに合わせて3種類以上の濃度の核分裂性物質を用いることによりスペクトルシフトロッド13の水位5の挙動をさらに同一化しさらにスペクトルシフトロッド13による反応度制御量の増大を図れることは言うまでもない。
【0124】
本発明の第2参考例を説明する。第1〜第3の実施形態及び第1参考例と同等の部材の説明には同一の符号を用いる。
【0125】
本参考例の考え方及び構成は、以下の通りである。本参考例は、上記第1参考例と同様、流量分布が炉心内の燃料集合体2相互の出力の大小によって生じることに基づき、炉心1に備えられる多数の燃料集合体2に、それぞれ装荷時の集合体平均可燃性毒物濃度が互いに異なる複数種類の燃料集合体を用いることで、この出力分布の非均一性そのものを低減するようにする。すなわち、第1の実施形態で用いた図1に示す2つの領域a,bにおいて、相対的に出力が低い領域bの燃料集合体2の装荷時の可燃性毒物(例えば燃料棒12aのうち適宜のもののウラン燃料ペレットにガドリニアを添加する)の集合体平均の濃度を、相対的に出力が高い領域aの燃料集合体2の装荷時の可燃性毒物の集合体平均の濃度より低くする。
【0126】
この結果、最外周一層の燃料集合体2の領域を除いて、炉心1を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、内周側領域の燃料集合体2の可燃性毒物濃度の平均値を、外周側領域の燃料集合体2の可燃性毒物濃度の平均値よりも大きくして出力を低減する。
【0127】
これにより、内周側領域と外周側領域とで出力分布を平坦化して、両領域の燃料集合体2のスペクトルシフトロッド水位5を比較的近い水位とし、全燃料集合体2で運転サイクルに伴う変化をより近い挙動とすることができる。これにより、運転サイクル初期(例えば最低炉心流量時)に全スペクトルシフトロッド水位5をなるべく低くして余剰反応度を減らしたいというニーズと、運転サイクル末期において全スペクトルシフトロッド水位5を満水状態とし、最も大きな反応度を無駄なく得たいといニーズを両立させることができる。
【0128】
なお、上記参考例では、出力分布に応じて炉心1を内周側領域と外周側領域の2領域に分類し、2種類の濃度の可燃性毒物を用いる例を示したが、これに限られず、炉心1を3つ以上の領域に区分しこれに合わせて3種類以上の濃度の可燃性毒物を用いることによりスペクトルシフトロッド13の水位5の挙動をさらに同一化しさらにスペクトルシフトロッド13による反応度制御量の増大を図れることは言うまでもない。
【0129】
なお、以上説明した第1〜第3の実施形態及び第1、第2参考例においては、具体的な燃料集合体2および炉心1,1A,1B等および炉心流量幅を例示して説明したが、本発明は、スペクトルシフトロッドを用いたBWR燃料集合体および炉心であれば、その大きさや構成によらず、どの燃料集合体(例えば8×8、10×10格子、水ロッド1本あるいは3本以上、角形・楕円形その他の断面形状の水ロッド、水ロッド高さ24ノード以外の位置、スペクトルシフトロッドと通常の水ロッドとの混在配置等。但し、スペクトルシフトロッド13の下降管冷却材流出口の高さが下部タイプレートの上端以上かつ上昇管上端以下であることが必要)及び炉心(炉心流量の制御幅が異なる場合等)にも適用でき、これらの場合も同様の効果を得る。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、実際の沸騰水型原子炉炉心に適用してスペクトルシフトロッドによる反応度制御量を増大するすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の炉心の燃料集合体の配置を表す1/4炉心配置図である。
【図2】図1に示した炉心の適用対象である原子炉の構造を表す側断面図である。
【図3】図1に示した燃料支持金具の詳細構造を表す拡大斜視図である。
【図4】図2に示した炉心に装荷される燃料集合体の構造を表す縦断面図である。
【図5】図4に示した燃料集合体のA−A断面による横断面図である。
【図6】図4に示した下部タイプレートの詳細構造を表す図4中部分拡大図である。
【図7】図2及び図4に示したスペクトルシフトロッドの概略構成を燃料支持金具の一部とともに表す縦断面図である。
【図8】図1に示した本発明の一実施形態の炉心の比較例における、111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図9】図1に示した本発明の一実施形態の炉心の比較例における、90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図10】図1に示した本発明の一実施形態における、111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図11】図1に示した本発明の一実施形態における、90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態の炉心の燃料支持金具の配置を表す1/4炉心配置図である。
【図13】図12に示した炉心における111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図14】図13に示した炉心における90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図15】本発明の第3実施形態の炉心の燃料支持金具の配置を表す1/4炉心配置図である。
【図16】図15に示した炉心における111%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【図17】図15に示した炉心における90%炉心流量時のスペクトルシフトロッド水位の炉心内分布を示す図である。
【符号の説明】
1 炉心
1A,B 炉心
2 燃料集合体
2A,B 燃料集合体
5 スペクトルシフトロッド内の水位
10 燃料支持金具
10A,B 燃料支持金具
11 冷却材入口オリフィス
12a,b 燃料棒
13 スペクトルシフトロッド
13a 上昇管
13a1 冷却材流入口
13b 下降管
13b1 冷却材流出口
15 上部タイプレート
16 下部タイプレート
17 チャンネルボックス
18 冷却材通路
Claims (3)
- 複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した燃料集合体を複数備えた沸騰水型原子炉の炉心において、
各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、前記下部タイプレートが、下方から導入された冷却材を前記燃料バンドルに導く複数の冷却材通路を設けた上端部を備えており、
前記複数の燃料集合体は、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が互いに異なる複数種類の燃料集合体を含んでおり、
最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記外周側領域及び前記内周側領域のいずれもが、前記総開口面積が互いに異なる少なくとも2種類の燃料集合体を備え、かつ、
前記内周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値よりも小さくしたことを特徴とする沸騰水型原子炉の炉心。 - 複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した複数の燃料集合体と、それら燃料集合体をそれぞれ載置する複数の燃料支持金具とを備えた沸騰水型原子炉の炉心において、
各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、
各燃料支持金具は、外部を流れる冷却材を内部に取り入れるための側面開口部を含む冷却材導入路を備え、
前記複数の燃料支持金具は、前記冷却材導入路の開口面積が互いに異なる複数種類の燃料支持金具を含み、
最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記内周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくしたことを特徴とする沸騰水型原子炉の炉心。 - 複数本の燃料棒と少なくとも1本の水ロッドとで燃料バンドルを形成し、この燃料バンドルの下端部を下部タイプレートで保持した複数の燃料集合体と、それら燃料集合体をそれぞれ載置する複数の燃料支持金具とを備えた沸騰水型原子炉の炉心において、
各燃料集合体は、前記水ロッドが、前記下部タイプレートの内部から導入された冷却材を上方へ導く上昇管とこの上昇管に連通し該上昇管から導かれた冷却材を下方へと導く下降管とを備え、内部の水位を運転中に変化可能な可変水位型水ロッドであり、前記下部タイプレートが、下方から導入された冷却材を前記燃料バンドルに導く複数の冷却材通路を設けた上端部を備えており、
前記複数の燃料集合体は、前記下部タイプレートの前記冷却材通路の総開口面積が互いに異なる複数種類の燃料集合体を含んでおり、
各燃料支持金具は、外部を流れる冷却材を内部に取り入れるための側面開口部を含む冷却材導入路を備えており、
前記複数の燃料支持金具は、前記冷却材導入路の開口面積が互いに異なる複数種類の燃料支持金具を含み、
最外周一層の燃料集合体の領域を除いて、炉心を径方向中心からの距離によって外周側領域と内周側領域とに2等分したとき、前記内周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料集合体の前記冷却材通路の総開口面積の平均値よりも小さくし、前記内周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値を、前記外周側領域の燃料支持金具の前記冷却材導入路の開口面積の平均値よりも大きくしたことを特徴とする沸騰水型原子炉の炉心。
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