JP3055820B2 - 燃料集合体と炉心 - Google Patents

燃料集合体と炉心

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉(以下B
WRという)の燃料集合体に係わり、特に燃料集合体内
のウォータークロスまたはウォーターロッドの流路抵抗
を制御することによりスペクトルシフト運転を行うこと
ができる燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】BWRの炉心に装荷される従来の燃料集
合体の一例としては図21に示すように構成されたもの
があり、この燃料集合体1は角筒状のチャンネルボック
ス2内に燃料束3を収容している。
【0003】燃料束3は複数本の燃料棒11を、例えば
8行8列の正方格子状に配列し、その中央部に太径のウ
ォーターロッド5を配置し、これら燃料棒11及びウォ
ーターロッド5は軸方向に多段に配設されたスペーサ1
6により結束されている。また各燃料棒11及びウォー
ターロッド5の上端部には上部端栓46が、下端部には
下部端栓47がそれぞれ固着され、さらに、上部端栓4
6がハンドル8を有する上部タイプレート12に、下部
端栓47が冷却導入口15を有する下部タイプレート1
3にそれぞれ支持されている。
【0004】下部タイプレート13はその開口から減速
材と冷却材としての機能を併せ持つ炉水を図中矢印に示
すように内部に導入し、各燃料棒11相互間の間隙を下
から上方へ向けて昇流させ、その際に各燃料棒11から
放出される熱を除去して炉心上部へ流れ、気液二相流と
なる。
【0005】そして、ウォーターロッド5はその下端部
の開口5aより炉水を内部へ導入し、軸方向上方へ案内
して排出口5bより外部へ流出させ、各燃料棒11の上
端部に案内する。ここで、ウォーターロッド5内を流れ
る炉水は主として減速材として作用し、緩やかにウォー
ターロッド内を流れ、炉心上部で前記気液二相流と合流
して混合される。なお、22図に十字形の流路形状をし
たウォータークロス4をウォーターロッドの代りに配設
した例を示す。ウォータークロス4はやはり下部に冷却
材取り入れ口(図示せず)を有し上端は十字形のままの
開放端である。なお、図中符号6は制御棒である。この
制御棒6は図23のように構成されている。図23にお
いて、制御棒6を構成する制御棒シース117内にはポ
イズンチューブ118が収容され、制御棒翼を形づく
る。シース117の端部は中央構造材119に固定され
ている。このシース117上端にはガイドローラ116
を有するハンドル115が固定されている。さらにシー
ス117の下端には、下部スカート123が固定され、
この下部スカート123は図示しない制御棒駆動装置と
の切り離しを行なうハンドル120および、下部には速
度リミッタ121、制御棒駆動装置ソケット122を有
している。
【0006】従来のBWRは、特開昭54−12138
9号公報に記載されているように、中性子の減速を促進
させるために冷却材のみが流れるウォーターロッドを有
する燃料集合体を炉心内に装荷している。このようなウ
ォーターロッドの使用は、従来のBWR運転条件下で
は、ウラン原子に対する水素原子の数が多いほど反応度
が高くなるので、炉心に装荷された核燃料物質の有効活
用を可能にする。しかしながら、さらに核燃料物質の有
効活用を図るためには、核燃料物質の燃焼に伴って炉心
内の水素原子数を変えた方がよい。炉心内の水素原子数
を核燃料物質の燃焼に伴って変えた場合の利点を以下に
説明する。
【0007】図9は、BWRに用いられる代表的な燃料
集合体について横軸に燃焼度、縦軸に中性子の無限増倍
率を示したものである。図中二本の線はいずれも同一の
燃料集合体であるが、破線は燃料集合体内の冷却材流路
におけるボイド率を一定(40%)にして燃焼させた場
合を、実線は最初高ボイド率(50%)で運転して途中
でボイド率を下げた(30%)場合を示す。図9から明
らかな様に、始めボイド率を高くして燃焼させた後で、
ボイド率を下げた方が、燃料の寿命末期でより高い無限
増倍率を得ることができる。つまり、より高い取り出し
燃焼度を得ることができる。
【0008】これは、ボイド率が高く、ウラン原子数に
対する水素原子数の比が小さい、即ち水素原子数が少な
い方が、中性子の平均速度が大きく、ウラン238に吸
収され易いためである。BWRで用いられる核燃料物質
中には、ウラン235とウラン238が含まれており、
ウラン235が核燃料物質全体の数%で大部分をウラン
238が占めている。このうち、中性子を吸収して核分
裂を生じるのは主にウラン235のみであり、ウラン2
38はほとんど核分裂を生じない。従って、ウラン23
5が燃焼によって減少すると反応は低下する。
【0009】しかし、ウラン238も核分裂によって生
じる高エネルギの中性子を吸収するとプルトニウム23
9に変わる。ブルトニウム239は、ウラン235と同
じく、減速された熱中性子を吸収して核分裂を起こす。
ボイド率が高いほど、中性子のエネルギが高くてウラン
238からブルトニウム239に転換される割合が大き
く、ウラン235およびプルトニウム239の核分裂が
抑制される。従って、ボイド率が高いほど、ウラン23
5とプルトニウム239の総量の減少が遅い。
【0010】ただし、ボイド率が高いと、反応度の絶対
値は低い。このため、ボイド率が高いままでは、ボイド
率が低い場合に比べて反応度が臨界を維持できる最低レ
ベルに早く達してしまう。そこで、その時点でボイド率
を下げると、中性子の減速効果が増し、ボイド率一定で
燃焼した場合に比べてウラン235およびプルトニウム
239の核分裂が増し、反応度はより高くなる。従っ
て、臨界に必要な最低反応度になるまで、核燃料物質に
含まれる核分裂物質をより長く燃焼させることができ
る。
【0011】以上述べたことが、核分裂性物質の燃焼に
伴ってボイド率を変化させることにより核燃料物質の有
効活用を図る原理であって、スペクトルシフト運転とよ
ばれる。
【0012】このようなスペクトルシフト運転のため、
核燃料物質の燃焼に伴って炉心内の水素原子数を変える
方法としては、単純な構造で燃料集合体内平均ボイド率
を大幅に変化させることを可能とするため、原子力学会
「昭63年会」(1988.4/4−4/6)発表 No.
F15「大幅スペクトルシフトBWR炉心概念(1)」
及び、特開昭63−73187号公報には、図24,2
5に示すように燃料集合体1aの下部に抵抗体となる燃
料棒支持部14を設け、ウォーターロッド9に、前記抵
抗体14より下方の領域で開口した冷却材流入口42を
有し、内部に冷却材上昇流路40が形成された内管35
と、前記冷却材上昇流路40に連絡口34を介して連絡
され前記抵抗体14よりも上方の領域に開口した冷却材
吐出口43を有し、内部に冷却材下降流路41を形成
し、スペーサ37によって内管35に支持され上部に端
栓38を有する外管36とを設けることが提案されてい
る。
【0013】このように構成された燃料集合体において
は図26に示す様に、炉心を通過する冷却材の流量が低
下すると、ウォーターロッドの出入口差圧が小さくなり
流路内に蒸気が充満し、冷却材流量が増加すると逆に出
入口差圧が増加して流路内の蒸気量が著しく減少する。
従って、燃料集合体内平均ボイド率を大幅に変化させる
ことが可能となり、運転サイクル末期での反応の増加
が可能となる。即ち、冷却材流量を絞った運転サイクル
前半では、ウォーターロッド流路内において液相流が存
在する炉心下部で減速材密度が大きく、蒸気相が存在す
る炉心上部で減速材密度が小さくなる。従って、運転サ
イクルの前半では、主に原子炉下部が燃焼し、炉心上部
ではウラン238からプルトニウム239への転換が図
られ、運転サイクル後半には、サイクル前半で転換され
た炉心上部のプルトニウム239が主に燃焼に寄与する
ため、スペクトルシフト効果による燃料の燃料効率が高
まる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案の燃料集合体では、燃料集合体内平均ボイド率を
大幅に変化させる為には前記提案のウォーターロッドの
出入口差圧を炉心流量で制御する必要がある。ところで
BWRにおいては燃料集合体の冷却材流量は燃料集合体
の出力及び軸方向出力分布に依存する。集合体出力が大
きいほどボイド量が大きく二相圧損の増加により燃料集
合体の冷却材流量は減少する。また集合体出力は同じで
も軸方向の出力分布が下方ピークの方がボイド量が大き
く二相圧損の増加により燃料集合体の冷却材流量は減少
する。この出力分布による集合体冷却材流量の変動幅は
20%にも及ぶ。図26に示すようにこのウォーターロ
ッドの平均ボイド率はウォーターロッドの微妙な出入口
差圧の変化によって大きく変化する。従って例えば炉心
流量を110%定格にして運転している場合は全燃料集
合体のウォーターロッドは低ボイド率の約10%、炉心
流量が70%定格の場合は高ボイド率の約70%に確実
に制御できたとしてもその中間の炉心流量では燃料集合
体の出力に依存して10%ボイド、70%ボイドと大き
なばらつきを生じることになる。その結果燃料集合体の
出力をオンラインで監視、シミュレートする三次元核熱
水力計算プログラムの評価結果と炉内核計装の信号の誤
差が大きくなり炉内の精度の良い熱的制限(MCPR,
MLHGR)の評価にとって不利になる欠点があった。
また従来提案のウォーターロッドではウォーターロッド
内のボイド率を大幅に変えるスペクトルシフト運転をす
るにはこのような大幅な炉心流量の変更をする必要があ
り、MCPR等の制限上、流量を絞れない場合ウォータ
ーロッドによるスペクトルシフトができない欠点があっ
た。
【0015】本発明は上記の欠点をなくし炉心流量、及
び燃料集合体の出力分布に関係なく定格出力近傍の高出
力では自由にウォーターロッド内のまたはウォーターク
ロス内のボイド率変化によるスペクトルシフト運転を行
える燃料集合体および炉心を提供する事にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明においては、上部タイプレートと、下部タイプ
レートと、上端部が前記上部タイプレートに保持され下
端部が下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペ
レットを充填した複数の燃料棒を有し、冷却材流路を構
成する角筒状のチャンネルボックス内に収容されている
燃料集合体において、前記燃料棒間にウォータークロス
またはウォーターロッドを配設し、このウォータークロ
スまたはウォーターロッドの一部または全部が、燃料棒
支持部の上方または下方近傍領域に開口した冷却材入り
口を有する冷却材上昇流路と、前記冷却材上昇流路に連
絡されて前記燃料棒支持部近傍の軸方向位置で制御要素
案内鞘内に開口した冷却材吐出口を有し、前記冷却材上
昇流路内における冷却材の流れ方向とは逆に下方に冷却
材を導く冷却材下降流路とを備え、制御要素案内鞘に隣
接して前記下降流路を、更に下降流路に隣接して前記上
昇流路を配置し、制御要素案内鞘の上端は開放口を有し
下端は開放して制御要素の下方からの挿入口を形成し、
挿入口と燃料棒燃料有効部下端の間に前記下降流路の制
御要素案内鞘内への冷却材吐出口が位置することを特徴
とした燃料集合体、およびこの燃料集合体を配置して構
成される炉心を提供する。
【0017】
【作用】上述した構成よる本発明においては、制御要
素案内鞘の燃料棒支持部近傍に設けられた冷却材吐出口
が開いている時は吐出口の流路抵抗が小さくウォーター
クロスまたはウォーターロッド内は5%以下のボイド率
となり、制御要素が浅く挿入されて吐出口が塞がれてい
る時は吐出口の流路抵抗が大きくなりウォータークロス
またはウォーターロッド内は80%以上のボイド率とな
り、ボイド率制御が確実に行える。また制御要素が反応
度制御のため燃料集合体の燃料有効部分まで挿入される
動作中は、制御要素案内鞘内の圧力が高まっても、上端
が流路抵抗の小さい開放端から水または蒸気が逃がされ
るので制御棒の挿入はスムーズに行える。
【0018】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1から図7に基づ
いて説明する。
【0019】本一実施例の燃料集合体10は、4体の小
燃料束30、燃料集合体上部結束金具12b、チャンネ
ルボックス17、及びウォータークロス50、燃料集合
体下部ノズル18から構成されている。ウォータークロ
ス50は、チャンネルボックス17に1体として溶接さ
れ、チャンネルボックス17内の冷却材流路を4つの流
路に分割する。4個の小燃料束30はそれぞれ上部タイ
プレート12a、下部タイプレート13aを有し、ウォ
ータークロス50とチャンネルボックス17で囲まれた
各流路空間に配され、燃料集合体下部ノズル18の上に
下部タイプレート13aが載置される構造と成ってい
る。燃料棒11の上下端部は、上部タイプレート12a
及び下部タイプレート13aにて保持される。燃料スペ
ーサ16は、小燃料束30の軸方向に複数配置され、燃
料棒11相互間の間隙を適切に保持する。燃料スペーサ
16の軸方向の位置はタブ付き燃料棒(図示せず)によ
って保持される。チャンネルボックス17は、燃料集合
体下部ノズル18に固定ネジ22によって取付けられ、
燃料スペーサ16で保持された燃料棒11の小燃料束4
体の外周を取り囲み、1体の燃料集合体10を構成す
る。下部タイプレート13aは燃料集合体下部ノズル1
8の上に載置され、上端部に燃料棒支持部14aを有
し、しかも燃料棒支持部14aの下方に冷却材導入口1
5を有している。燃料棒支持部14aが、燃料棒11の
下端部を支持している。燃料棒11は、図7に示すよう
に上部端栓46及び下部端栓47にて両端が密封された
被覆管45内に多数の燃料ペレット48を装荷したもの
である。この被覆管45内の上端部にはガスプレナム4
9が形成されている。
【0020】本発明の特徴であるウォータークロス50
の詳細構造を図3および図4を参照して説明する。図3
および図4においてL形板材51の4枚とチャンネルボ
ックス17とで囲まれた部分の冷却材上昇流路53、冷
却材下降流路54がウォータークロス50を構成してい
る。
【0021】図4に図3のB−B矢視縦断面図を示す。
ウォータークロス50の上下端部は上、下端カバー材5
5,56によって封じられており、流路区画スペーサ5
2がL形板材51の間隔を保持し、冷却材上昇流路53
と冷却材下降流路54を形成している。ウォータークロ
ス50の中心には制御要素案内鞘24がはめ込まれ、案
内鞘24はL形材51によって保持されている。この案
内鞘24は上端カバー材55を貫通しその上方に開口し
ている。案内鞘24はウォータークロス50の中心を下
方に延びて下端カバー材56を貫通して燃料集合体下部
ノズル18の図5に示す燃料支持座61の貫通穴62に
挿入される。ウォータークロス50の翼状部の流路区画
スペーサ52は翼状部の流路を冷却材上昇流路53と下
降流路54に区画し、制御棒案内鞘24に隣接した流路
を冷却材下降流路54とする。流路区画スペーサ52は
上端カバー材55の下方で連絡口57を有し、冷却材上
昇流路53と冷却材下降流路54とを結び、下端は下端
カバー材56に至るまで伸び流路を分離する。翼状部の
下端は下部タイプレートの燃料棒支持部14aより下方
に位置する下端カバー材56で封じられている。冷却材
上昇流路53は燃料棒支持部14aより上方において冷
却材入り口42aを有する。また冷却材下降流路54は
下端近傍において制御棒案内鞘に吐出口43aを有す
る。次に燃料集合体下部ノズル18について図5(a)
から(d)を参照して説明する。
【0022】燃料集合体下部ノズル18の上部は燃料支
持座61が小燃料束30の下部タイプレート13aを載
せ、荷重を受ける。ウォータークロス50の下端は燃料
支持座61の溝64に挿入され冷却材流路が小燃料束3
0の流路間でつながらない様に分離する。溝64の中央
には制御要素案内鞘保持管68が配設され、制御要素案
内鞘24の為の貫通口62を形成し、案内鞘24が挿入
される。燃料集合体下部ノズル18の下部まで溝64を
構成する部材の延長部材(流路区画材)65が延びて4
つの燃料集合体下部ノズル流路63を区画構成する。こ
の燃料集合体下部ノズル流路63の下部にはオリフィス
板23を設けオリフィス口67が形成される。制御要素
案内鞘24の下端は後述する燃料支持金具20に設けら
れている制御要素案内管24aと接続する。
【0023】燃料支持金具20は制御棒案内管71の上
にはめ込まれ、中央には十字形の開口部25が設けら
れ、図1に示す様に燃料集合体10の間のウォーターギ
ャップに十字形の制御棒が挿入される案内をしてい
る。十字形の貫通口の周囲に燃料集合体下部ノズル18
を受ける開口73を4個有し、燃料支持金具の冷却材流
路を形成する。前記冷却材流路は十字形制御棒を囲む
燃料集合体10に各1個づつ設けられている。開口73
の中央には制御棒案内鞘24と接続し、燃料支持金具2
0を貫通し支持金具20の底部に制御要素挿入口26を
有する制御要素案内管24aが設けられ、支持板69で
支持されている。支持板69には冷却材を通す冷却材開
口27が設けられている。燃料支持金具20の下部側面
には開口73に通ずる冷却材流路の冷却材入り口(オリ
フィス)21を制御棒案内管71の開口部72と面する
位置に有する。
【0024】本燃料集合体と組み合わせて使用する制御
棒6aを図6に示す。この制御棒は基本的には従来例と
して図23に示した十字形制御棒6に円柱状の制御要素
7を付加したものであり、ポイズチューブ118を収容
したシース117で構成される制御棒翼と制御要素7か
らなる。制御要素7はSUSの中空管にB4 C,Hf等
の中性子吸収毒物を充填したもの、ただの中空管または
SUS棒でも良い。尚この例では従来の速度リミッタ
ー、制御棒接続切り離しハンドルは設けてない。
【0025】上述した本実施例に係る燃料集合体の作用
をBWRの炉心に装荷して原子炉を運転する場合を鑑み
て説明する。冷却水は図1の制御棒案内管71の開口7
2と燃料支持金具20の冷却材入り口(オリフィス)2
1を通って燃料集合体下部ノズル18のオリフィス開口
67を通り、下部タイプレート13aの燃料棒支持部1
4aに設けられた貫通口(図1中では省略)を通って各
小燃料束30の燃料棒11の間の冷却水流路に導かれ
る。下部タイプレート13aの冷却材導入口15に流入
した冷却水の一部は下部ノズル18に設けられたリーク
孔(図1中では省略)からチャンネル流路外のバイパス
流路に流れる。燃料棒支持部14aの上方の冷却材の一
部は図3および図4に示すようにウォータークロス50
の冷却材入り口42aから冷却材上昇流路53内に流入
し、連絡口57を経てさらに下降流路54を経て下端近
傍の吐出口43aから制御要素案内鞘24の内部へ吐出
される。
【0026】制御要素7の先端が吐出口43aより下方
にある場合は、冷却材吐出口43aから吐出される冷却
水は、炉心流量に応じて冷却材入り口42aから流入す
る冷却水の流量の多少に応じて液相または蒸気相とな
る。(図8曲線A参照)尚、本実施例では冷却材入り口
42aを燃料棒支持部14aより少し上側に設けている
が、下側でもよい。これは制御要素案内鞘内はバイパス
流路と同じ圧力であり、冷却材が流れすぎない様に、燃
料棒支持部14aの上方にしたほうが開口42a,43
aの設計がしやすい。
【0027】制御要素7の先端が吐出口43aより上方
にある場合は、吐出口43aが制御要素7に塞がれ吐出
口抵抗が大きい。ウォータークロス50の内部は中性子
及びガンマ線による加熱と熱伝導により蒸気ボイドが発
生し、吐出口43a及び冷却材上昇流路53、冷却材下
降流路54の圧損が増加し、冷却材入り口42aと吐出
口43aの差圧とウォータークロス流路内の圧損及び水
頭とバランスするまで冷却材上昇、下降流路53,54
の水位が下がる。その結果ウォータークロス50内は蒸
気が充満する。更に制御要素案内鞘内部58も冷却材の
供給が少なくなるのでボイドが発生し、ほぼ蒸気で満た
される(図8曲線C参照)。
【0028】制御棒6aが上方に挿入される場合は制御
要素7もウォータークロス中央の制御要素案内鞘内を上
方に挿入されることになる。この場合は流路58の上端
は開放構造なので圧力が高まる事無く、冷却水は上端の
開口から排出される。この結果制御棒挿入が容易とな
り、制御棒挿入時に燃料集合体が浮き上がるということ
も防止できる。
【0029】制御棒を下方に引き抜く場合は逆に制御要
素案内鞘内が減圧されることになるが、出力運転中は蒸
気が制御要素案内鞘内を占めており、その蒸気が膨張す
るので減圧度合いは小さい。また停止時は非沸騰水が占
めているので流路抵抗も小さく上端開口から逆流して制
御棒の引き抜きは容易に行える。本実施例の燃料集合体
10をBWRの炉心に装荷した場合の作用を述べる。
【0030】100%定格出力を炉心流量80〜115
%の間で確保する例で説明する。運転サイクルの大半の
期間(約70〜80%)炉心流量を80%に保ち、制御
棒による反応度調整で燃料の燃焼による反応度変化に対
応する。この時制御棒を引き抜いている燃料集合体にお
いては制御要素7の先端はウォータークロスの冷却材吐
出口43aより上方で燃料集合体の燃料有効部の下方に
位置するよう制御棒軸方向位置を設定している。全制御
棒を炉心の燃料有効部から全引き抜きしても定格出力が
維持できなくなった時点から、前記制御棒をさらに引き
抜いて制御要素7の先端を吐出口43aより下方に設定
する燃料集合体の数を反応度減少に応じて増加する。さ
らに最後に炉心流量を増加させサイクル末期で最大炉心
流量の115%にする。これにより、サイクル末期にお
ける炉心の反応度を増大して、サイクル寿命を延長する
ことが出来る。
【0031】本発明のウォータークロスの出入口差圧−
ボイド率特性を制御要素7の先端が吐出口43aより下
方にある場合に対して図8に示す曲線Aの様に設定する
と定格出力運転時に使用する炉心流量の範囲(この例で
は80〜115%定格炉心流量)では、ウォータークロ
ス内は10%以下のボイド率であり、従来提案のウォー
ターロッド(曲線B)で生じていた出力分布による燃料
集合体間のウォーターロッド内ボイドの有無のばらつき
が無くなる。また制御要素7の先端が吐出口43aより
上方にある場合は図8の曲線Cの様に定格出力で運用す
る炉心流量範囲ではウォータークロス内は80%以上の
ボイド率である。従って、出力運転時に余剰反応度及び
炉心出力分布を制御するために燃料集合体の燃料有効部
に挿入されている以外の制御棒については、制御要素7
の先端が吐出口43aのすぐ上で燃料有効部より下に位
置する軸方向位置に制御棒を設定する事により燃料集合
体下部の出力低下なしに定格出力時使用する炉心流量の
範囲では、ウォータークロス内は80%以上のボイド率
に保つ事が出来る。その結果本発明によれば、炉心流量
100%以下のサイクル大半の期間(約80%以上)に
亘って炉心流量、燃料集合体の出力レベルや軸方向出力
分布に影響されることなく、制御棒の軸方向位置の制御
によってウォータークロス50の内部にボイドが生じて
おり中性子の減速効果を抑制してプルトニウム239の
生成を促進する。
【0032】また、原子炉の起動時、停止時に炉心流量
が大幅に低いとき例えば65%定格炉心流量以下では制
御棒の位置によらずウォータークロス内は高ボイド率で
あるので原子炉の流量−出力曲線の傾きが大きくなって
炉心出力の制御がし易いという利点は従来提案の通り保
持できる。
【0033】更に、ウォータークロス内のボイド率が制
御棒によって正確に制御できるので三次元核熱水力シミ
ュレーションコードによる熱的制限、出力分布、燃焼度
分布、反応度評価の精度が向上し炉心の性能監視の精度
が高まる。また燃料集合体のウォータークロス中央の制
御要素案内鞘内部に制御要素が挿入できるので従来燃料
集合体よりも炉停止余裕が増加する。次に図10から図
20を参照して本発明の他の実施例を説明する。
【0034】図2の本発明の第1の実施例に示すウォー
タークロス50は冷却材上昇流路と冷却材下降流路を形
成するに当たり流路区画スペーサを用いているが、図1
0の第2の実施例はウォータークロスを形成するL字形
材51をプレス曲げ加工をして溶接する事によって、流
路区画を形成する例である。このような構造とする事に
よってスペーサー材52を省いて冷却材上昇、下降流路
75,76を形成でき製造を簡単化できる。
【0035】図11の第3の実施例は制御要素案内鞘2
4の外側に同心円の中空管52bを配して流路区画材と
して用い、ウォータークロスの翼部を冷却材上昇流路7
7とし環状部を冷却材下降流路78とする構造の例であ
る。制御要素案内鞘24は軸方向に複数配され冷却材が
環状部を流通出来る構造の支持スペーサー(図11では
省略してある)により中空管52b内に保持される。こ
の様な構造にする事により、制御要素案内鞘の部分とウ
ォータークロスの部分の構造がより単純な構造となり製
造がし易い。
【0036】また図11はウォータークロスの厚みが薄
く中央の制御要素案内鞘の中空管が細くなりすぎ、制御
棒価値の増加に対する寄与が小さい場合の対応として、
ウォータークロスの中心に隣接した燃料棒を取り除いて
制御要素案内鞘を大口径化し、制御棒価値を増加させる
場合の例でもある。このようにウォータークロス中心に
隣接する燃料棒を取り除いて制御要素案内鞘を大口径化
する構造は図2または図10の第1、第2の実施例の構
造のウォータークロスと組み合わせても良い。
【0037】図12,13はウォータークロス内に複数
の制御要素案内鞘24を配した場合の第4の実施例であ
る。このような構造は小燃料束30が図2で示した様な
4×4の格子よりも大きい、例えば6×6以上の小燃料
束から構成されるウォータークロスを有する大型燃料集
合体78に適した構造である。このような制御要素案内
鞘の本数を増加させる事により制御棒価値が増加し、燃
料集合体の大型化における炉停止余裕の減少を改善でき
る。また制御要素7をウォータークロス内の制御要素案
内鞘に挿入するので燃料集合体当たりの燃料棒の本数が
減少せず、燃料ペレットの装荷量が減少しないので燃料
経済性上有利である。またこのような大型燃料集合体に
おいては小燃料束の中心部の熱中性束の増加を図って出
力分布の平坦化するために、図21に示されているよう
な従来型のウォーターロッド5または図25に示されて
いる様なスペクトルシフト可能なウォーターロッド9を
組み込んでも良い。
【0038】図14,15は第1の実施例の変形で、制
御要素案内鞘24の下部に更に冷却材入り口42bを設
け、燃料集合体下部ノズル18の流路区画材65の中央
の図5(b)に示した中空管68の対応位置に開口を設
け流路63の冷却材を開口42bより制御要素案内鞘内
に取り込める構造になっている第5の実施例の燃料集合
10dである。冷却材入り口42bは図15に示す開
口42b,32間の出入口差圧を小さくし、冷却材流量
が大きくなり過ぎるのを防ぐ観点から流路抵抗体である
オリフィス23の上方に設けられる。
【0039】図14,15に示すように制御要素7の先
端が開口部42bより下方に位置する場合は、燃料集合
体下部ノズルの冷却材は開口42bから制御要素案内鞘
内に流れ込み上端開口32から上部プレナムに流れ出
る。この結果制御要素案内鞘内は非沸騰水が流れること
になる。これはサイクル末期に減速材の量を増加させ中
性子の減速を促進する運用の時に制御要素案内鞘の領域
もウォータークロスと同様に非沸騰水で占められ減速効
果が増す。
【0040】制御要素7の先端が開口部43aより上方
に位置する場合は、開口部43aが制御要素7に塞がれ
出口抵抗が大きいため流れ出す冷却水の量が低下し、ウ
ォータークロス内は前述のように中性子及びガンマ線に
よる加熱と熱伝導によりボイドが発生し、流路53,5
4の液面を押し下げ入り口42aと出口43aの差圧と
ウォータークロス流路内の圧損及び水頭とバランスする
まで流路53,54の水位が下がる。その結果ほぼ蒸気
で満たされる。また制御要素案内鞘内も開口42b及び
開口43aからの冷却材流量が少ないのでボイドが多量
に発生している。
【0041】制御要素7の先端位置が吐出口43aの上
から下方に抜かれ冷却材入り口42bの下に移動する
と、冷却材が冷却材入口42bから制御要素案内鞘内に
流れ込み上方に流れ始め、吐出口43aからの蒸気流も
吸引する形となりウォータークロス内の流れの変化が
(蒸気充満状態から液相単相流への移行)加速され、冷
却材入口42bの設けてない場合よりも原子炉の出力増
加の変化が迅速に出来る。
【0042】次に図16に示す燃料集合体80は、図
1,2に示した制御要素案内鞘を内蔵したウォーターク
ロスを有する例と異なり制御要素案内鞘を内蔵したウォ
ーターロッド19を有する燃料集合体の第6の実施例で
ある。図は角形のウォーターロッド19を1本配設した
場合の例であるが円筒形のウォーターロッドでも良い
し、またウォーターロッドが複数本組み込まれていても
良い。また、従来型のウォーターロッド5またはスペク
トルシフト機能を有するウォーターロッド9と組み合わ
せても良い。
【0043】ウォーターロッド19は、図17,図18
に示すように内管35、外管36、スペーサ37及び制
御要素案内鞘24から構成されている。制御要素案内鞘
24及び内管35はスペーサ37によって保持され、内
管35及び外管36の上端は環状端栓38aで封じられ
ている。制御要素案内管24aは端栓38aの上方に伸
び、上部タイプレート12内に挿入保持され、上部タイ
プレート12の上方に開口32を有している。内管35
は端栓38aの下方で連絡口34を有し、内管35と制
御要素案内管24aの間の環状流路41(冷却材下降流
路)と外管36と内管35の間の環状部の冷却材上昇流
路40(冷却材上昇流路)とを結ぶ。スペーサ37は環
状部の冷却材上昇または下降流路40,41を確保でき
る様に開口部を有している。内管35及び外管36の下
端は燃料棒支持部14より上方に位置する環状端栓39
aで封じられており、下部に環状部流路40に通じる冷
却材入り口42aを有する。制御要素案内鞘24は環状
端栓39aの上方位置に吐出口43aを有し案内鞘の下
端は下部タイプレート13の燃料棒支持部14を貫通
し、案内鞘支持板23aに支持され、下部タイプレート
の下端に開口する制御要素挿入口26を有している。
【0044】燃料支持金具20は制御棒案内管71の上
にはめ込まれ、下部側面に冷却材入り口21を制御棒案
内管71の開口部72と面する位置に有する(図16参
照)。前記冷却材入り口21は4体の各燃料束に1個づ
つ設けられている。燃料支持金具20には制御要素案内
管24aが燃料支持金具20の底部と案内管支持板69
によって固定され、制御要素案内管24aの上端は前記
本発明のウォーターロッド19の制御要素案内鞘24の
下端とかみ合う。また燃料支持金具20の中央には十字
形の開口部が設けられ、図の様に燃料集合体4体の中
央に十字形の制御翼6が挿入される案内をしている。
【0045】冷却水は図16の制御棒案内管71の側面
に形成された開口72と燃料支持金具20の側面に形成
された冷却材入り口(オリフィス)21を通って燃料集
合体下部タイプレート13の燃料棒支持部14に設けら
れた貫通口(図16中では省略)を通って各燃料束の燃
料棒11の間の冷却水流路に導かれる。下部タイプレー
ト13の冷却材導入口15に流入した冷却水の一部は下
部タイプレート13に設けられたリーク孔(図16中で
は省略)からチャンネル流路外のバイパス流路に流れ
る。図18に示すようにウォーターロッド19の冷却材
入り口42aから冷却材上昇流路40内に流入し、連絡
口34を経てさらに下降流路41を経て下端近傍の吐出
口43aから制御要素案内鞘24の内部58へ吐出され
る。
【0046】制御要素7の先端が吐出口43aより下方
にある場合は、冷却材吐出口43aから吐出される冷却
水は、炉心流量に応じて冷却材入り口42aから流入す
る冷却水の流量の多少に応じて液相または蒸気相とな
る。(図8曲線A参照)
【0047】制御要素7の先端が吐出口43aより上方
にある場合は、吐出口43aが制御要素7に塞がれ吐出
口抵抗が大きい。ウォーターロッド19の内部は中性子
及びガンマ線による加熱と熱伝導によりボイドが発生
し、吐出口43a及び冷却材上昇、下降流量40,41
の圧損が増加し、冷却材入り口42aと吐出口43aの
差圧とウォーターロッド流路内の圧損及び水頭とバラン
スするまで冷却材上昇、下降流路40,41の水位が下
がる。その結果ウォーターロッド19内は蒸気が充満す
る。更に制御要素案内鞘内部58も冷却材の供給が少な
くなるのでボイドが発生し、ほぼ蒸気で満たされる。
(図8曲線C参照)
【0048】制御棒6aが上方に挿入される場合は制御
要素7もウォーターロッド中央の制御要素案内鞘内を上
方に挿入されることになる。この場合は流路58の上端
は開放構造なので圧力が高まる事無く、冷却水は上端の
開口から排出される。この結果制御棒挿入がスムーズに
なされ、制御棒挿入時に燃料集合体が浮き上がるという
ことも防止できる。
【0049】制御棒を下方に引き抜く場合は逆に制御要
素案内鞘内が減圧されることになるが、出力運転中は蒸
気が制御要素案内鞘内を占めており、その蒸気が膨張す
るので減圧度合いは小さい。また停止時は非沸騰水が占
めているので流路抵抗も小さく上端開口から逆流して制
御棒の引き抜きはスムーズに行える。これによりウォー
ターロッド19を有する燃料集合体においても第1の実
施例と同じように制御要素7により、ボイド率の確実な
制御ができる。
【0050】また制御要素案内鞘24の下部に燃料棒支
持部14より下方の位置に開口を設け、冷却材を制御要
素案内鞘内に取り込める構造とする事により、制御要素
7の先端の軸方向位置の制御と相まって図14,15の
の実施例と同様の機能を得る事が出来る。
【0051】尚、制御要素案内鞘24と一体となったウ
ォーターロッド19は制御棒挿入または引き抜き時に上
下方向に移動するのを防ぐため下部タイプレートに固定
する方が良い。
【0052】図19,20は第1の実施例の変形で、燃
料集合体10を4体結合して大型の燃料集合体81とし
た場合の第7の実施例である。このような燃料集合体で
は燃料集合体下部ノズルと燃料支持金具を1体の構造に
し、チャンネルボックス17aは燃料支持金具に直接ネ
ジ固定する。このように大型燃料集合体にする事によっ
て、制御棒周囲の4体の集合体が1体になるので制御要
素7と案内鞘24の挿入組み合わせの部分の着座不良に
よる不具合が少なくなる利点がある。尚前述の他の実施
例においても4体を1体化する事によって同様の利点が
得られる。
【0053】原子炉の運転中に異常な過渡事象や事故が
発生した場合、原子炉またはプラントを保護するため制
御棒を急速挿入して原子炉を急速に未臨界または低出力
状態に移行させる必要がある。この様な場合にスクラム
用制御棒(急速挿入制御棒)はできるだけ軽量で挿入抵
抗が小さい方が都合がよい。そこで、スクラム用制御棒
は従来の十字形制御棒の形状(図6の制御棒において制
御要素7を有しない構造)がよい。その場合、冷却材入
り口42a,42bから制御要素挿入入口向きまたは制
御要素案内鞘上端開口32向きの冷却材の流れが生じ燃
料棒11を冷却する冷却材流量が減少するので、流量制
限器として制御要素先端部だけの形状の挿入物を開口4
3aの下方に開口42bを塞ぐ形で制御要素案内鞘24
の下端から挿入取り付けると良い。尚、この場合でもス
ペクトルシフト機能は炉心の流量制御により実現でき
る。またスクラム用の制御棒の本数は炉心の全制御棒本
数の4分の1以下で十分対応できるので、炉心のスペク
トルシフト運転の効果の低下は小さい。
【0054】実施例の説明に用いた十字形制御棒の例は
4 Cのポイズンチューブを有する構造のものである
が、Hf棒またはHf板を十字形に形成して十字形制御
棒とするものでも本発明の効果は同じである。またクラ
スター型制御棒と組み合わせて使用する燃料集合体にお
いて制御要素案内鞘と1体になったウォータロッドを図
18の様な構造で用いる事によっても本発明の効果を得
る事ができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、燃料集合体内部のウォ
ーターロッドまたはウォータークロス内のボイド率の大
きな変化幅が確実に制御でき、核燃料物質の有効利用が
図れる。また制御棒操作によりウォータークロスまたは
ウォーターロッド内が蒸気で満たされている状態から単
相の液相の流れに変化させる時、従来例に示されている
スペクトルシフト機能を有するウォーターロッドより迅
速に移行できる。ちなみに従来では3分程度を要するが
本提案では1分以下にすることが出来る。更に制御要素
を従来の十字形制御棒に追加しているので制御棒価値が
増加し、炉停止余裕が増す。更に、その結果BWRの炉
心においてウォーターロッドまたはウォータークロス内
のボイド率の制御をするスペクトルシフト運転炉心のよ
り正確なシミュレーション評価ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料集合体の縦断面
図。
【図2】図1のA−A矢視断面図。
【図3】図1のチャンネルボックスとウォータークロス
の一部切り欠いて示す斜視図。
【図4】図3のB−B矢視縦断面図。
【図5】(a)〜(e)は図1の燃料集合体の下部ノズ
ルを示す構造図。
【図6】(a)は制御要素を有する十字形制御棒全体
図、(b)は図6(a)のE−E矢視図。
【図7】図1に示された燃料棒の部分断面図。
【図8】ウォーターロッドまたはウォータークロス内の
ボイド率と出入口差圧の関係図。
【図9】スペクトルシフト運転を実施しない場合及びそ
れを実施した場合における燃焼度に対する中性子無限増
倍率の変化を示す特性図。
【図10】本発明の第2実施例を示す燃料集合体の横断
面図。
【図11】本発明の第3実施例を示す燃料集合体の横断
面図。
【図12】本発明の第4実施例を示す燃料集合体の横断
面図。
【図13】図12のF−F矢視縦断面図。
【図14】本発明の第5実施例を示す燃料集合体の
面図。
【図15】図14に示したウォータークロスの詳細図。
【図16】本発明の第6実施例を示す燃料集合体の縦断
面図。
【図17】図16のG−G矢視断面図。
【図18】図16に示したウォーターロッドの詳細図。
【図19】本発明の第7実施例を示す燃料集合体の縦断
面図。
【図20】図19のH−H矢視断面図。
【図21】従来の燃料集合体を示す縦断面図。
【図22】ウォータークロスを有する従来の燃料集合体
を示す横断面図。
【図23】従来の十字形制御棒の斜視図。
【図24】スペクトルシフト運転用のウォーターロッド
を有する燃料集合体の従来例を示す縦断面図。
【図25】図24に示したウォーターロッドの詳細図。
【図26】図24に示したウォーターロッドのボイド率
と出入口差圧との関係図。
【符号の説明】
…制御棒 10,10c,10d,80,81…燃料集合体 12,12a…上部タイプレート 13,13a…
下部タイプレート 16…スペーサ 17,17a…
チャンネルボックス 19…ウォーターロッド 24…制御要素
案内鞘 42,42a,42b…冷却材入り口 43,43a…
吐出口 50,74…ウォータークロス 53,75,7
7…冷却材上昇流路 54, 76,78…冷却材下降流路 57…連絡口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21C 7/27 G21C 3/30 N GDQ 3/32 K 7/32 7/26 S (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/32 G21C 7/08 G21C 7/10 G21C 5/02 G21C 5/14 G21C 7/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒を有し、冷却材流路を構成する
    角筒状のチャンネルボックス内に収容されている燃料集
    合体において、前記燃料棒間にウォータークロスを配設
    し、このウォータークロスは、前記下部タイプレートの
    燃料棒支持部の上方または下方近傍領域に開口した冷却
    材入り口を有する冷却材上昇流路と、前記冷却材上昇流
    路に連絡されて前記燃料棒支持部近傍の軸方向位置で制
    御要素案内鞘内に開口した冷却材吐出口を有し、前記冷
    却材上昇流路内における冷却材の流れ方向とは逆に下方
    に冷却材を導く冷却材下降流路とを備え、前記制御要素
    案内鞘に隣接して前記下降流路を、更に下降流路に隣接
    して前記上昇流路を配置し、制御要素案内鞘の上端は開
    放口を有し下端は開放して制御要素の下方からの挿入口
    を形成し、挿入口と燃料棒燃料有効部下端の間に前記下
    降流路の制御要素案内鞘内への冷却材吐出口が位置する
    ことを特徴とした燃料集合体。
  2. 【請求項2】 上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒を有し、冷却材流路を構成する
    角筒状のチャンネルボックス内に収容されている燃料集
    合体において、前記燃料棒間に配置されたウォーターロ
    ッドを有し、前記ウォーターロッドの少なくとも一部
    は、前記下部タイプレートの燃料棒支持部の上方または
    下方近傍領域に開口した冷却材入り口を有する冷却材上
    昇流路と、前記冷却材上昇流路に連絡されて前記燃料棒
    支持部近傍の軸方向位置で制御要素案内鞘内に開口した
    冷却材吐出口を有し、しかも前記冷却材上昇流路内にお
    ける冷却材の流れ方向とは逆に下方に冷却材を導く冷却
    材下降流路とを備え、制御要素案内鞘に隣接して前記下
    降流路を、更に下降流路に隣接して前記上昇流路を配置
    し、制御要素案内鞘の上端は開放口を有し、下端は開放
    して制御要素の下方からの挿入口を形成し、挿入口と燃
    料棒燃料有効部下端の間に前記下降流路の制御要素案内
    鞘内への冷却材吐出口が形成されて成ることを特徴とし
    た燃料集合体。
  3. 【請求項3】 特許請求範囲第1項または第2項の燃料
    集合体を炉心に装荷して炉心を構成し、十字形制御棒に
    棒状の制御要素を付加した制御棒と組み合わせて使用
    し、前記制御要素が燃料集合体の中のウォータークロス
    またはウォーターロッドと一体の制御要素案内鞘に挿入
    され、制御棒の軸方向挿入位置の制御により、前記燃料
    集合体のウォータークロスまたはウォーターロッド内の
    ボイド率を制御する事を特徴とする炉心。
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