JP3015487B2 - 燃料集合体及び原子炉 - Google Patents

燃料集合体及び原子炉

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JP3015487B2 JP3061899A JP6189991A JP3015487B2 JP 3015487 B2 JP3015487 B2 JP 3015487B2 JP 3061899 A JP3061899 A JP 3061899A JP 6189991 A JP6189991 A JP 6189991A JP 3015487 B2 JP3015487 B2 JP 3015487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉(以下B
WRという)の燃料集合体に係わり、特に燃料集合体内
のウォーターロッドまたはウォータークロス内のボイド
量を制御することによりスペクトルシフト運転を行うこ
とができる燃料集合体及び原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】BWRの炉心に装荷される従来の燃料集
合体の一例としては、図16に示すように構成されたも
のがあり、この燃料集合体1は角筒状のチャンネルボッ
クス2内に燃料バンドル3を収容している。
【0003】燃料バンドル3は燃料棒11の複数本を、
例えば8行8列の正方格子状に配列して、その中央部に
太径のウォーターロッド5を配置し、これら燃料棒11
およびウォーターロッド5は軸方向に多段に配設された
スペーサ16により結束されている。また各燃料棒11
およびウォーターロッド5の上端部には、上部端栓46
が、下端部には下部端栓47がそれぞれ固着され、さら
に、上部端栓46が上部タイプレート12に、下部端栓
47が下部タイプレート13にそれぞれ支持されてい
る。
【0004】下部タイプレート13はその開口から減速
材と冷却材としての機能を併せ持つ炉水を、図中矢印に
示すように内部に導入し、各燃料棒11相互間の間隙を
下から上方へ向けて昇流させ、その際に各燃料棒11か
ら放出される熱を除去して炉心上部へ流れ、気液二相流
となる。
【0005】そして、ウォーターロッド5はその下端部
の開口5aより炉水を内部へ導入し、軸方向上方へ案内
して排出口5bより外部へ流出させ、各燃料棒11の上
端部に案内する。ここで、ウォーターロッド5内を流れ
る炉水は主として減速材として作用し、緩やかにウォー
ターロッド内を流れ、炉心上部で前記気液二相流と合流
して混合される。なお、図17に十字形の流路形状をし
たウォータークロス4をウォーターロッドのかわりに有
する例を示す。ウォータークロス4はやはり下部に冷却
材取り入れ口(図示せず)を有し上端は十字形のままの
開放端である。
【0006】従来のBWRは、特開昭54−12138
9号公報に記載されているように、中性子の減速を促進
させるために冷却材のみが流れるウォーターロッドを有
する燃料集合体を炉心内に装荷している。このようなウ
ォーターロッドの使用は、従来のBWR運転条件下で
は、ウラン原子に対する水素原子の数が多いほど反応度
が高くなるので、炉心に装荷された核燃料物質の有効活
用を可能にする。
【0007】しかしながら、さらに核燃料物質の有効活
用を図るためには、核燃料物質の燃焼に伴って炉心内の
水素原子数を変えた方がよい。
【0008】炉心内の水素原子数を核燃料物質の燃焼に
伴って変えた場合の利点を以下に説明する。
【0009】図15は、BWRに用いられる代表的な燃
料集合体について横軸に燃焼度、縦軸に中性子の無限増
倍率を示したものである。図中二本のいずれも同一の燃
料集合体であるが、破線は燃料集合体内の冷却材流路に
おけるボイド率を一定(40%)にして燃焼させた場合
を、実線は最初高ボイド率(50%)で運転して途中で
ボイド率を下げた(30%)場合を示す。図15から明
らかなように、はじめボイド率を高くして燃焼させた後
で、ボイド率を下げた方が、燃料の寿命末期でより高い
無限増倍率を、すなわちより高い取り出し燃焼度を得る
ことができる。
【0010】これは、ボイド率が高く、ウラン原子数に
対する水素原子数の比が小さい、すなわち水素原子数が
少い方が、中性子の平均速度が大きく、ウラン238に
吸収され易いためである。BWRで用いられる核燃料物
質中には、ウラン235とウラン238が含まれてお
り、ウラン235が核燃料物質全体の数%で大部分をウ
ラン238が占めている。このうち、中性子を吸収して
核分裂を生じるのは主にウラン235のみであり、ウラ
ン238はほとんど核分裂を生じない。従って、ウラン
235が燃焼によって減少すると反応度は低下する。
【0011】しかし、ウラン238も核分裂によって生
じる高エネルギの中性子を吸収するとプルトニウム23
9に変わる。プルトニウム239は、ウラン235と同
じく、減速された熱中性子を吸収して核分裂を起こす。
ボイド率が高いほど、中性子のエネルギが高くてウラン
238からプルトニウム239に転換される割合が大き
く、ウラン235およびプルトニウム239の核分裂が
抑制される。従って、ボイド率が高いほど、ウラン23
5とプルトニウム239の総量の減少が遅い。
【0012】ただし、ボイド率が高いと、反応度の絶対
値は低い。このため、ボイド率が高いままでは、ボイド
率が低い場合に比べて反応度が臨界を維持できる最低レ
ベルに早く達してしまう。そこで、その時点でボイド率
を下げると、中性子の減速効果が増し、ボイド率一定で
燃焼した場合に比べてウラン235およびプルトニウム
239の核分裂が増し、反応度はより高くなる。従っ
て、臨界に必要な最低反応度になるまで、核燃料物質に
含まれる核分裂性物質をより長く燃焼させることができ
る。
【0013】以上述べたことが、核分裂性物質の燃焼に
伴ってボイド率を変化させることにより核燃料物質の有
効活用を図る原理であって、スペクトルシフト運転とよ
ばれる。
【0014】このようなスペクトルシフト運転のため、
核燃料物質の燃焼に伴って炉心内の水素原子数を変える
方法としては、単純な構造で燃料集合体内平均ボイド率
を大幅に変化させることを可能とするため、原子力学会
「昭和63年会」(1988.4/4−4/6)発表N
o. F15「大幅スペクトルシフトBWR炉心概念
(1)」および、特開昭63−73187号公報には、
図18、図19に示すように燃料集合体の下部に抵抗体
(燃料棒支持部)14を設け、ウォーターロッド9の外
管36に、前記抵抗体より下方の領域で開口した冷却材
流入口42を有し内部に冷却材上昇流路40が形成され
た内管35をスペーサ37を介して配設し、この内管の
上部に穿設された連結口34を介して前記冷却材上昇流
路に連結され前記抵抗体14よりも上方の領域に開口し
た冷却材吐出口43を有する冷却材下降流路41を設け
ることが提案されている。なお図19において38は端
栓、39は環状端を示している。
【0015】このように構成された燃料集合体において
図20に示すように、炉心を通過する冷却材の流量が低
下すると、ウォーターロッドの出入口差圧が小さくなり
流路内の蒸気が充満し、冷却材流量が増加すると逆に出
入口差圧が増加して流路内の蒸気量が著しく減少する。
従って、燃料集合体内平均ボイド率を大幅に変化させる
ことが可能となり、運転サイクル末期での反応度増加が
可能となる。すなわち、冷却材流量を絞った運転サイク
ル前半では、ウォーターロッド流路内において液相流が
存在する炉心下部で減速材密度が大きく、蒸気相が存在
する炉心上部で減速材密度が小さくなる。従って、運転
サイクルの前半では、主に原子炉下部が燃焼し、炉心上
部ではウラン238からプルトニウム239への転換が
図られ、運転サイクル後半には、サイクル前半で転換さ
れた炉心上部のプルトニウム239が主に燃焼に寄与す
るため、スペクトルシフト効果による燃料の燃焼効率が
高まる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来提案の燃料集合体では、燃料集合体内平均ボイド率を
大幅に変化させるためには、前記提案のウォーターロッ
ドの出入口差圧を炉心流量で制御する必要がある。とこ
ろでBWRにおいては燃料集合体の冷却材流量は燃料集
合体の出力および軸方向出力分布に依存する。集合体出
力が大きいほどボイド量が大きく二相圧損の増加により
集合体の冷却材流量は減少する。また集合体出力は同じ
でも軸方向の出力分布が下方ピークの方がボイド量が大
きく、二相圧損の増加により集合体の冷却材流量は減少
する。この出力分布による集合体冷却材流量の変動幅は
20%にも及ぶ。図20に示すように、このウォーター
ロッドの平均ボイド率はウォーターロッドの微妙な出入
口差圧の変化によって大きく変化する。従って、例えば
炉心流量を110%定格にして運転している場合は、全
燃料集合体のウォーターロッドは低ボイド率の約10
%、炉心流量が70%定格の場合は高ボイド率の約70
%に確実に制御できたとしても、その中間の炉心流量で
は集合体の出力に依存して10%ボイド、70%ボイド
と大きなばらつきを生じることになる。その結果集合体
の出力をオンラインで監視、シミュレートする3次元核
熱水力計算プログラムの評価結果と炉内核計装の信号の
誤差が大きくなり、炉内の精度の良い熱的制限(MCP
R、MLHGR)の評価にとって不利になる欠点があっ
た。また従来提案のウォーターロッドではウォーターロ
ッド内のボイド率を大幅に変えるスペクトルシフト運転
をするには、このような大幅な炉心流量の変更をする必
要があり、MCPR等の制限上、流量を絞れない場合ウ
ォーターロッドによるスペクトルシフトができない欠点
があった。
【0017】本発明の目的は、上記の欠点をなくし、炉
心流量、および燃料集合体の出力分布に関係なく定格出
力近傍の高出力では自由にウォーターロッド内のボイド
率変化によるスペクトルシフト運転を行える燃料集合体
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的は、上部タイプ
レートと、下部タイプレートと、上端部が前記上部タイ
プレートに保持され下端部が下部タイプレートに保持さ
れ内部に複数の燃料ペレットを充填した複数の燃料棒と
を有し、冷却材流路を構成する角筒状のチャンネルボッ
クス内に収容されている燃料集合体において、前記燃料
棒間に配置されたウォーターロッドを有し、前記ウォー
ターロッドが、燃料棒支持部よりも下方の領域に開口し
た冷却材入り口を有する冷却材上昇流路と、前記冷却材
上昇流路に連絡されて前記燃料棒支持部よりも上方の領
域に開口した冷却材吐出口と、前記冷却材上昇流路内に
おける冷却材の流れ方向とは逆に下方に冷却材を導く冷
却材下降流路とを備え、前記上昇流路の下端開口は燃料
棒冷却のための炉水流れと隔離されていることを特徴と
した燃料集合体及び制御棒駆動部冷却水(又はパージ
水)の流量又は冷却水温度を制御する事によって達成さ
れる。
【0019】
【作用】本発明によれば、ウォーターロッドの下端開口
から取り入れられる冷却材の水温が低い時は、ウォータ
ーロッド内でのボイド発生量が小さくウォーターロッド
内は5%以下のボイド率となり、逆に水温が高い時はボ
イド発生量が大きくウォーターロッド内は80%以上の
ボイド率となる。
【0020】
【実施例】以下本発明は実施例について図面を参照して
説明する。
【0021】本実施例に係る原子炉は、圧力容器62の
中に炉心シュラウド63で囲まれた炉心7を内蔵してお
り、炉心7は、上部炉心格子板73と炉心支持板72に
よって燃料集合体10を保持する。燃料集合体10で囲
まれた十字形の制御棒6が炉心7の下部から挿入され上
下に駆動される。図2に示すように、前記駆動は、炉心
7の下方にあって燃料集合体10の重量を受け、炉心7
から制御棒6を下方に引き抜いた時制御棒を収容する制
御棒案内管61の内部を貫通する駆動軸を作動させる制
御棒駆動部65によってなされる。制御棒駆動部65
は、下部プレナム66の炉水より低温の冷却水によって
冷却され(またはパージ水が注入され)、その冷却水は
制御棒案内管61内を通って炉心7に導かれる。前記制
御棒駆動部冷却水を供給する系統は、制御棒駆動水ポン
プ80、フローコントロールバルブ82、熱交換器8
3、フローコントロールバルブ84、温度センサー85
により構成される。熱交換器83に供給される熱水は原
子炉冷却材浄化系の取り込み配管から分岐してもよい。
【0022】本実施例による燃料集合体を図3、図4に
示す。燃料集合体10は、燃料棒11、上部タイプレー
ト12、下部タイプレート13a、燃料スペーサ16、
チャンネルボックス17、ウォーターロッド19および
燃料支持金具20からなっている。燃料棒11の上下端
部は、上部タイプレート12および下部タイプレート1
3aにて保持される。ウォーターロッド19も、両端部
が上部タイプレート12および下部タイプレート13a
に保持される。燃料スペーサ16は、燃料集合体10の
軸方向に複数配置され、燃料棒11、およびウォーター
ロッド19の相互間の間隙を適切に保持する。燃料スペ
ーサ16の軸方向の位置はウォーターロッド19によっ
て保持される。チャンネルボックス17は、燃料支持金
具20にネジ22によって取り付けられ、燃料スペーサ
16で保持された燃料棒11の束4本の外周を取り囲
み、制御棒を囲む大型の燃料集合体を構成する(図4参
照)。下部タイプレート13aは燃料支持金具20の上
に載り、上端部に燃料棒支持部14aを有し、しかも燃
料棒支持部14aの下方に空間15を有している。燃料
棒支持部14aが、燃料棒11およびウォーターロッド
19の下端部を支持している。燃料棒11は、図5に示
すように上部端栓46および下部端栓47にて両端が密
封された被覆管45内に多数の燃料ペレット48を装荷
したものである。ガスプレナム49が、被覆管45内の
上端部に設けられている。ウォーターロッド19の直径
は燃料棒11の外径より大きく、燃料集合体10の横断
面の中央部に配置されている。
【0023】本発明の特徴であるウォーターロッド19
の詳細構造を図6により説明する。ウォーターロッド1
9は、内管35、外管36、スペーサ37からなる。内
管35はスペーサ37によって保持され、外管36の上
端は端栓38で封じられており、端栓38は上部が上部
タイプレート12内に挿入され保持されている。内管3
5は端栓38の下方で連結口34を有し、内管内の流路
40(冷却材上昇流路)と環状部の流路41(冷却材下
降流路)とを結ぶ。スペーサ37は環状部の冷却材下降
流路41を確保できるように開口部を有している。外管
36の下端は燃料棒支持部14aより上方に位置する環
状端39で封じられており、下部に冷却材吐出口43を
有する。内管35の下端は下部タイプレート13aの燃
料棒支持部14aを貫通して空間15に開口する冷却材
入り口42aを有する。開口42aはラッパ状に開口が
拡管されている。
【0024】燃料支持金具20は制御棒案内管61の上
にはめ込まれ、下部側面に冷却材入り口21を制御棒案
内管の開口部25と面する位置に有する。前記冷却材入
り口21は4本の各燃料束に1個ずつ設けられている。
燃料支持金具20には冷却水案内管24が燃料支持金具
20の底部と案内管支持板23によって固定され、冷却
水案内管24の上端は前記本発明のウォーターロッド1
9の下端の開口42aの中へ挿入される。案内管支持板
23には冷却材を通す開口が設けられている。また燃料
支持金具の中央には十字形の開口部が設けられ、図4の
ように燃料集合体の中央に十字形の制御棒6が挿入され
る案内をなしている。
【0025】本実施例による燃料集合体はBWRの炉心
に装荷されて運転される。炉心の燃料集合体を冷却する
水は、給水スパージャー75から注入される給水と、炉
心から出た蒸気、水の二相流を蒸気セパレータ68およ
び蒸気乾燥器69によって分離された高温水が混合して
ダウンカマー(圧力容器62と炉心シュラウド63の間
の環状部)を下降し、再循環ポンプ64によって加圧さ
れ下部プレナム66へ入る。下部プレナム66に入った
水は制御棒案内管61の上部の開口25と燃料支持金具
20の冷却材入り口21を通り、下部タイプレート13
aの燃料棒支持部14aに設けられた貫通口(図3中で
は省略)を通って燃料棒11の間の冷却水流路に導かれ
る。冷却水の一部は燃料支持金具に設けられたリーク孔
からバイパス流路へ流れる。
【0026】制御棒駆動部65は、下部プレナム66の
炉水より低温の冷却水によって冷却され(またはパージ
水が注入され)、その冷却水は制御棒案内管61内を通
って炉心7に導かれる。制御棒案内管の上端に位置する
燃料支持金具下方の空間に流入した冷却水の一部は、案
内管24を通ってウォーターロッド19の冷却材入り口
42から冷却材上昇流路40内に流入し、さらに下降流
路41を介して吐出口43から燃料棒支持部14aより
上方の位置の冷却水流路に吐出される。残りの燃料支持
金具20の中央の十字形の開口からバイパス流路へ流れ
る。
【0027】冷却材吐出口43から吐出される冷却水
は、冷却材入り口42aから流入する冷却水の流量の多
少および水温に応じて液相または蒸気相となる。
【0028】図13に示すように制御棒駆動部冷却水の
温度が高い、又は流量が少ない場合、ウォーターロッド
19の内部は中性子およびガンマ線による加熱と熱伝導
によるボイドが発生し、吐出口43および流路40,4
1の圧損が増加し、入り口42aと出口43の差圧とウ
ォーターロッド流路内の圧損および水頭とバランスする
まで内管40の水位が下がる。その結果ウォーターロッ
ド内は蒸気が充満する。
【0029】図14に示すように制御棒駆動部冷却水の
温度が低い、又は流量が多い場合、ウォーターロッド1
9の内部は中性子およびガンマ線による加熱と熱伝導に
よるボイド発生が少なく非沸騰の冷却水が流れる。
【0030】本実施例の燃料集合体10をBWRの炉心
に装荷した場合の作用を述べる。100%定格出力を炉
心流量80−115%の間で確保する例で説明する。運
転サイクルの大半の期間(約70−80%)炉心流量を
80%に保ち、制御棒による反応度調整で燃料の燃焼に
よる反応度変化に対応する。この時、全制御棒を炉心の
燃料有効部から全引き抜きしても定格出力が維持できな
くなった時点から、炉心流量を増加させ、さらに制御棒
駆動部冷却水温度を低下させながらサイクル末で最大炉
心流量の115%にする。
【0031】制御棒駆動部冷却水は、制御棒駆動水ポン
プ80の回転数またはフローコントロールバルブ82,
84の開度によって駆動部冷却水の温度及び流量が制御
できる。
【0032】本発明のウォーターロッドでは図20に示
されるような炉心流量による出入口差圧−ボイド率特性
ではなく、再循環ポンプによる炉心の冷却水の流れから
隔離された制御棒駆動部冷却水を使用しているので、炉
心流量または燃料集合体冷却チャンネル流量とは独立に
制御でき、従来提案のウォーターロッドで生じていた出
力分布による集合体間のウォーターロッド内ボイドの有
無のばらつきが無くなる。その結果、本発明によれば、
炉心流量100%以下のサイクル大半の期間(約80%
以上)に亘って炉心流量、燃料集合体の出力レベルや軸
方向出力分布に影響されることなく、制御棒駆動部の冷
却水温度又は流量の制御によってウォーターロッド19
の内部にボイドが生じており、中性子の減速効果を抑制
してプルトニウム239の生成を促進する。
【0033】また、原子炉の起動時、停止時に炉心流量
によって原子炉出力を大幅に変更する時もウォーターロ
ッド内を高ボイド率に維持することによって、原子炉の
流量−出力曲線の傾きが大きくなって炉心出力の制御が
し易いという利点は従来提案の通り保持できる。
【0034】さらに、ウォーターロッド内のボイド率が
制御棒駆動部冷却水温度又は流量によって正確に制御で
きるので、炉心の3次元核熱水力シミュレーションコー
ドによる熱的制限、出力分布、燃焼度分布、反応度評価
の精度が向上し炉心の性能監視の精度が高まる。
【0035】図4の第1の実施例に示すウォーターロッ
ドは、図6に示すように、冷却材上昇流路と冷却材下降
流路を有しているが、図7に示した例は冷却材上昇流路
のみの例である。この場合は上部の開口43aが十分絞
られた小口径の孔である。この場合出口孔の径を余り小
さくしないように開口42aのすぐ上にオリフィスのよ
うな流路抵抗体を設けてもよい(図示せず)。
【0036】図8に示す燃料集合体10aは、図4に示
した外管が角管形状のウォーターロッド19を1本有す
る例と異なり、前記ウォーターロッド19は丸形のウォ
ーターロッドを有する燃料集合体10aの例である(図
は集合体の4分の1の部分を示してある)。
【0037】図9はウォーターロッドの替わりにウォー
タークロス50を有した例である(図は燃料集合体の4
分の1の部分を示している)。この例では、チャンネル
ボックス17aは燃料支持部20と結合されている。4
個の小燃料束がそれぞれ上下タイプレートを有し、ウォ
ータークロス50とチャンネルボックス17aで囲まれ
た空間に配され、燃料支持金具20の上に下部タイプレ
ート13aが載る構造である。ウォータークロスを構成
する4枚のL形板材51とチャンネルボックス壁とで囲
まれた部分の冷却材流路53,54が、前記のウォータ
ーロッドと同じ働きをする。
【0038】図10に図9のB−B矢視図を示す。ウォ
ータークロス50の上下端部は封じられており、スペー
サ52が間隔を保持する。ウォータークロスの中心に内
管35がはめ込まれ、内管35はL形材51によって保
持される。内管35は上端カバー材55の下方で連絡口
34を有し、内管内の流路53(冷却材上昇流路)と翼
状部の流路54(冷却材下降流路)とを結ぶ。翼状部の
下端は燃料棒支持部14aより下方に位置する下端カバ
ー材56で封じられており、燃料棒支持部14aより上
方に冷却材吐出口43を有する。内管35の下端は燃料
支持金具20を貫通し、冷却材案内管24を構成し、燃
料支持金具20の底部と案内管支持板23によって固定
されている。冷却材案内管24の下端に開口42bを有
する。
【0039】燃料支持金具20は制御棒案内管の上には
め込まれ、下部側面に冷却材入り口21を制御棒案内管
の開口部25と面する位置に有する。前記冷却材入り口
21は、ウォータークロスを囲む4小燃料束単位に各1
個ずつ設けられている。案内管支持板23に冷却材を通
る開口が設けられている。また燃料支持金具20の中央
には十字形の開口部が設けられ、図9のように燃料集合
体の中央に十字形の制御棒6が挿入される案内をしてい
る。
【0040】冷却水は制御棒案内管の開口25と燃料支
持金具20の冷却材入り口21を通って下部タイプレー
ト13aの燃料支持金具14aに設けられた貫通口(図
10中では省略)を通って燃料棒11の間の冷却水流路
に導かれる。冷却水の一部は燃料支持金具に設けられた
リーク孔からバイパス流路へ流れる。
【0041】制御棒駆動部65は下部プレナム66の炉
水より低温の冷却水によって冷却され(またはパージ水
が注入され)、その冷却水は制御棒案内管61内を通っ
て炉心7に導かれる。制御棒案内管の上端に位置する燃
料支持金具下方の空間に流入した冷却水の一部は、案内
管24を通ってウォータークロス50の冷却材上昇流路
53内に流入し、さらに下降流路54を介して吐出口4
3から燃料支持金具14aより上方の位置の冷却水流路
に吐出される。残りは燃料支持金具20の中央の十字形
の開口からバイパス流路へ流れる。
【0042】冷却材吐出口43から吐出される冷却水
は、冷却材入り口42bから流入する冷却水の流量の多
少および水温に応じて液相または蒸気相となる。これに
よりウォータークロスを有する燃料集合体においても第
1の実施例と同じように制御棒駆動部冷却水の温度また
は流量により、ボイド率の確実な制御ができる。
【0043】なお、内管35を無くし吐出口43aを上
部に設けた図12のような冷却材上昇流路53のみの構
造にすることによって、ウォータークロスを有する燃料
集合体においても、第2の実施例と同じように制御棒駆
動部冷却水の流量または温度により、ボイド率の確実な
制御ができる。
【0044】また本発明の燃料集合体では制御棒を囲む
4個の燃料束を大型のチャンネルボックスで囲み、チャ
ンネルボックスと燃料支持金具をネジ固着しているが、
これはウォーターロッドの下端冷却材取り入れ口42a
と冷却材案内管24の噛み合わせがスムーズに適合する
のに適しているからである。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、燃料集合体内部のウォ
ーターロッドまたはウォータークロス内のボイド率の大
きな変化幅が確実に制御でき、核燃料物質の有効利用が
図れる。さらに、その結果、BWRの炉心においてウォ
ーターロッドまたはウォータークロス内のボイド率の制
御をするスペクトルシフト運転炉心のより正確なシミュ
レーション評価ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原子炉の実施例を示す縦断面図。
【図2】本発明による制御棒駆動部の冷却水系を示す
図。
【図3】本発明による燃料集合体の一実施例を示す縦断
面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】図3に示された燃料棒の部分断面図。
【図6】図3に示されたウォーターロッドの詳細構造を
示す縦断面図。
【図7】ウォーターロッドの第2の実施例を示す縦断面
図。
【図8】図3においてウォーターロッドの形状の異なっ
た例を示す部分横断面図。
【図9】ウォータークロスを有する燃料集合体の場合の
部分横断面図。
【図10】図9に示した燃料集合体の縦断面図。
【図11】ウォータークロスの一実施例を示す縦断面
図。
【図12】ウォータークロスの一実施例を示す縦断面
図。
【図13】ウォーターロッドの作用を説明する図。
【図14】ウォーターロッドの作用を説明する図。
【図15】スペクトルシフト運転を実施しない場合およ
びそれを実施した場合における燃焼度に対する中性子無
限増倍率の変化を示す特性図。
【図16】従来の燃料集合体を示す縦断面図。
【図17】ウォータークロスを有する従来の燃料集合体
を示す横断面図。
【図18】スペクトルシフト運転用のウォーターロッド
を有する従来の燃料集合体を示す縦断面図。
【図19】図18に示す燃料集合体のウォーターロッド
の縦断面図。
【図20】図19に示したウォーターロッドのボイド率
と出入口差圧との関係を示す図。
【符号の説明】
6 制御棒 7 炉心 10 燃料集合体 11 燃料棒 12 上部タイプレート 13 下部タイプレート 14a 燃料棒支持部 17 チャンネルボックス 19 ウォーターロッド 21 冷却材取り入れ口 24 冷却材案内管 25 開口 35 内管 36 外管 38 端栓 40 冷却材上昇流路 41 冷却材下降流路 42 冷却材入り口 43 吐出口 46 上部端栓 47 下部端栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 3/30 G21C 3/32 G21C 7/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒と、前記燃料棒間に配置された
    ウォーターロッドと、前記燃料棒およびウォーターロッ
    ドの結束体を囲繞し冷却材流路を構成する角筒状のチャ
    ンネルボックスとから成る燃料集合体において、前記ウ
    ォーターロッドが、燃料棒支持部よりも下方の領域に開
    口した冷却材入り口を有する冷却材上昇流路と、前記冷
    却材上昇流路に連結されて前記燃料棒支持部よりも上方
    の領域に開口した冷却材吐出口と、前記冷却材上昇流路
    内における冷却材の流れ方向とは逆に下方に冷却材を導
    く冷却材下降流路とを備え、上昇流路の下端開口は燃料
    棒冷却のための冷却材の流れと隔離されていることを特
    徴とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒と、前記燃料棒間に配置された
    ウォーターロッドと、前記燃料棒及びウォーターロッド
    の結束体を囲繞し冷却材流路を構成する角筒状のチャン
    ネルボックスとから成る燃料集合体において、前記ウォ
    ーターロッドが、燃料棒支持部よりも下方の領域に開口
    した冷却材入り口と上部タイプレートよりも下方の領域
    に開口した冷却材吐出口を有する冷却材上昇流路を有
    し、しかも上昇流路の下端開口は燃料棒冷却のための冷
    却材流れと隔離されていることを特徴とする燃料集合
    体。
  3. 【請求項3】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒と、前記燃料棒間に配置された
    ウォータークロスと、前記燃料棒及びウォータークロス
    の結束を囲繞し冷却材流路を構成する角筒状のチャンネ
    ルボックスとから成る燃料集合体において、前記ウォー
    タークロスが、燃料棒支持部よりも下方の領域に開口し
    た冷却材入り口を有する冷却材上昇流路と、前記冷却材
    上昇流路に連結されて前記燃料棒支持部よりも上方の領
    域に開口した冷却材吐出口と、前記冷却材上昇流路内に
    おける冷却材の流れ方向とは逆に下方に冷却材を導く冷
    却材下降流路とを備え、上昇流路の下端開口は燃料棒冷
    却のための冷却材流れと隔離されていることを特徴とす
    る燃料集合体。
  4. 【請求項4】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持され下端部が
    下部タイプレートに保持され内部に複数の燃料ペレット
    を充填した複数の燃料棒と、前記燃料棒間に配置された
    ウォータークロスと、前記燃料棒及びウォータークロス
    の結束を囲繞し冷却材流路を構成する角筒状のチャンネ
    ルボックスとから成る燃料集合体において、前記ウォー
    タークロスが、燃料棒支持部よりも下方の領域に開口し
    た冷却材入り口と上部タイプレートよりも下方の領域に
    開口した冷却材吐出口を有する冷却材上昇流路を有し、
    しかも上昇流路の下端開口は燃料棒冷却のための冷却材
    流れと隔離されていることを特徴とする燃料集合体。
  5. 【請求項5】請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに
    記載された燃料集合体を用い、前記ウォーターロッドま
    たはウォータークロス下端開口から取り入れられる非沸
    騰水の流量または温度が燃料棒冷却のための炉水と独立
    に制御できることを特徴とする原子炉。
  6. 【請求項6】請求項第5項記載の原子炉に於いて、前記
    ウォーターロッドまたはウォータークロスの非沸騰水が
    制御棒駆動部の冷却水またはパージ水であることを特徴
    とした原子炉。
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