JPH065317B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH065317B2
JPH065317B2 JP62318906A JP31890687A JPH065317B2 JP H065317 B2 JPH065317 B2 JP H065317B2 JP 62318906 A JP62318906 A JP 62318906A JP 31890687 A JP31890687 A JP 31890687A JP H065317 B2 JPH065317 B2 JP H065317B2
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光也 中村
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料集合体に係り、特に沸騰水型原子炉に適
用して核燃料物質の消費を節約するのに好適な燃料集合
体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の沸騰水型原子炉は、特開昭54−121389号公報に記
載されているように、中性子の減速を促進するために冷
却水のみが流れる管(以下、水ロツドと称する)を有す
る燃料集合体を炉心内に装荷している。このような水ロ
ツドの使用は、従来の沸騰水型原子炉の運転条件下で
は、ラウン原子に対する水素原子の数が多いほど反応度
が高く、炉心に装荷された核燃料物質を有効に活用でき
る。
しかし、さらに核燃料物質の有効活用を図るためには、
核燃料物質の燃焼に伴つて炉心内の水素原子数を変えた
ほうがよい。
特開昭57−125390号公報及び特開昭57−125391号公報
は、その1つの方法を示している。すなわち、これらの
公報は、低速中性子吸収水押棒及びこの水押棒よりも反
応度価値が大きいステンレス鋼にて構成される中速中性
子吸収水押棒を設け、これらの水押棒の炉心内への挿入
量を制御して炉心内の冷却水量を調節することを述べて
いる。水押棒が、炉心内の水素原子数を変える手段であ
る。水押棒の炉心内への挿入量を増すと炉心内の冷却水
量が減り、この挿入量を減らすと炉心内の冷却水量が増
加する。以上述べた方法は種類の異なる水押棒を新たに
設け、駆動手段にて水押棒を操作しなければならなく、
構造,操作上複雑になる。
このような問題を解決するための静的な手段を用いた燃
料集合体が特開昭61−38589 号公報に示されている。こ
の公報は、水素原子数を変える手段として燃料集合体の
水ロツド内にウラン235濃度の低い燃料棒を設置し、
この燃料棒のウラン235の消失前後における水ロツド
内のボイド量の変化を利用することを記載している。
また、水押棒のような新たな操作手段を設ける必要のな
い方法として、炉心を流れる冷却水流量を調節する方法
がある。燃料サイクル始めの炉心を流れる冷却水流量を
少なくし、燃料サイクル途中からその冷却水流量を増や
すものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
炉心内の水素原子数を核燃料物質の燃焼に伴つて変えた
場合の利点を以下に説明する。
第10図は、沸騰水型原子炉に用いられる代表的な燃料
集合体について横軸に燃焼度、縦軸に反応度の一つの指
標である無限増倍率をとつて特性を示したものである。
2本の線はいずれも同一の燃料集合体であるが、破線は
燃料集合体内の冷却材流路における蒸気泡の体積率(ボ
イド率)を一定(ボイド率30%)にして燃焼させた場
合を、実線は最初高ボイド率(ボイド率50%)で運転
して途中でボイド率を下げた(ボイド率30%)場合を
示す。第10図より明らかなように、始めボイド率を高
くして燃焼させて後でボイド率を下げた方が、より高い
燃焼度を得ることができる。
これは、ボイド率が高く、ウラン原子数に対する水素原
子数の比が小さい、すなわち水素原子数が小さいほう
が、中性子の平均速度が大きく、ウラン238に吸収さ
れやすいためである。沸騰水型原子炉で用いられる核燃
料物質中には、ウラン235とウラン238とが含まれ
ており、ウラン235が核燃料物質全体の数%で大部分
をウラン238が占めている。このうち、中性子を吸収
して核分裂を生じるのは主にウラン235のみであり、
ウラン238はほとんど核分裂を生じない。したがっ
て、ウラン235が燃焼によつて減少すると反応度は低
下する。
しかし、ウラン238も核分裂によつて生じる高エネル
ギの中性子(高速中性子)を吸収するとプルトニウム2
39に変わる。プルトニウム239は、ゥラン235と
同じく、減速された熱中性子(高速中性子よりも飛程距
離が短かい)を吸収して核分裂を起こす。ボイド率が高
い程、高速中性子が多く存在してウラン238からプル
トニウム239に転換される割合が大きく、ウラン23
5及びプルトニウム239の核分裂が抑制される。従つ
て、ボイド率が高い程、ウラン235とプルトニウム2
39の総量の減少が遅い。
ただし、ボイド率が高いと、反応度の絶対値は低い。こ
のため、ボイド率が高いままでは、ボイド率が低い場合
に比べて反応度が臨界を維持できる最低レベルに早く達
してしまう。そこで、その時点でボイド率を下げると、
中性子の減速効果が増し、高ボイド率一定で燃焼した場
合に比べてウラン235及びプルトニウム239の核分
裂が増し、反応度はより高くなる。従つて、臨界に必要
な最低反応度になるまで、核燃料物質に含まれる核分裂
性物質をより長く燃焼させることができる。
以上述べたことが、核分裂性物質の燃焼に伴つてボイド
率を変化させることにより核燃料物質の有効活用を図る
原理であって、スペクトルシフト運転と呼ばれる。
構造の単純な水ロツド内に静的手段を設ける方法及び炉
心を流れる冷却水流量(炉心流量という)を変えること
によつて炉心内の水素原子数を変更する方法は、いずれ
も、炉心のボイド率の変化幅があまり大きくとれないと
いう問題があり、実際の原子炉に適用が困難である。
第11図は炉心流量に対する炉心平均ボイド率の依存性
を示すものである。炉心流量は、下限を熱的限界によつ
て制限され、上限を再循環ポンプ能力および流動振動に
よつて制限されている。従つて、沸騰水型原子炉が定格
の熱出力を出している状態では、定格の100%炉心流
量を中心に、ある狭い範囲でしかボイド率を変化させる
ことができない。例えば、炉心流量を変化できる幅を8
0〜120%までとすると、ボイド率の変化幅は約9%
となる。
また特開昭61−38589 号公報に示されたように水ロツド
内に燃焼に伴つて発熱量の低下する発熱体(核燃料物
質)を置いた構造でも、水ロツド内のボイド率は高々3
0%程度しか変化しない。水ロツド内の水は冷却に寄与
しないので、水ロツドの燃料集合体内に占める横断面積
はあまり大きくできない。仮りに燃料集合体内の冷却水
流炉の3割を水ロツドの横断面積にあてたとしても、3
0%のボイド率変化は燃料集合体全体にならすと9%
(30%×0.3)に相当する。また、発熱体として濃
縮度の低い燃料棒を用いているので、構造が複雑であ
り、製造が面倒である。
より大きなボイド率変化幅を達成するには、水ロツド内
の流量を極端に大きく変化させるか、あるいは水ロツド
内の核燃料物質の発熱量をもつと大幅に変化させるかす
れば良いが、そのような大幅な流量,発熱量の変化を可
動部なしに行うことはできない。可動部をつけた場合、
信頼性に問題が生じ、また機構が複雑となる等の問題が
ある。
本発明の目的は、単純な構造で内部の平均ボイド率を大
幅に変化させることが可能であつて異常時における反応
度の上昇を抑制できる燃料集合体を提供することであ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的は、燃料集合体の下端部に抵抗体を設け、水
ロツドが、抵抗体より下方の領域に開口した冷却材流入
口を有する冷却材上昇流路と、冷却材上昇流路に連絡さ
れて、抵抗体よりも上方の領域に開口した冷却材吐出口
を有し、しかも冷却材上昇流路内における冷却材の流れ
方向とは逆に冷却材を下方に導く冷却材下降流路とを備
え、しかも可燃性毒物を含有する燃料棒を、その水ロツ
ドに隣接させて配置することによって達成できる。
〔作用〕
炉心を通過する冷却材の流量が低下すると、水ロツドの
冷却材下降流路内に蒸気が充満され、その冷却材流量が
増加すると冷却材下降流路内の蒸気量が著しく減少す
る。従って、燃料サイクル末期での反応度増加が可能と
なる。また、水ロツドに隣接している燃料棒内の可燃性
毒物が水ロツド内のボイド率の急減によつて発生する熱
中性子を吸収するので、ボイド率急減時における反応度
上昇を抑制できる。
〔実施例〕 本発明の実施例を説明する前に、本発明の原理を説明す
る。第6図は、その構造を示している。基本的には、燃
料集合体の下部に設けられた抵抗体(例えば下部タイプ
レート)6よりも下方の領域に冷却材流入口4が開口し
た冷却材上昇流路2と、この冷却材上昇流路内を流れる
冷却材流を反転させて下方に導き、しかも冷却材吐出口
5が抵抗体6よりも上方の領域に開口した冷却材下降流
路3とを有する水ロツド1を、燃料集合体に設けたもの
である。抵抗体6には、複数の冷却材流通孔7が設けら
れている。
抵抗体6に設けられた冷却材流通孔7を流れる冷却材
(冷却水)の流量が変化すると、抵抗体6より下方の領
域と抵抗体6より上方の領域との間の差圧ΔPが変化す
る。縮流抗大による差圧は冷却水流量のほぼ2乗に比例
するので、たとえば抵抗体6を通過する冷却水流量が8
0%から120%に変わつたとすると、差圧ΔPは約
2.25倍になる。
一方、水ロツド1内の冷却水量と水ロツド1における出
入口間の差圧(冷却材流入口4と冷却材吐出口5との間
の差圧)との関係は第7図に示すようになる。冷却水流
量を零から増加させると水ロツド1の出入口間の差圧は
極大値に達し、さらに冷却水流量を増加すると水ロツド
1の出入口間の差圧は一たん極小になつたのち単調に増
加する。これは、第8図に示した現象に起因している。
第8図(a)は第7図のS点での水ロツド1内の状態を
示し、第8図(b)は第7図のT点での、及び第8図
(c)は第5図のU点での水ロツド1内の状態をそれぞ
れ示している。
水ロツド1内の冷却水も、水ロツド1の周囲にある燃料
棒から照射される中性子及びガンマ線によつて、0.5
〜2W/cm2程度の割合で発熱する。水ロッド1内を流
れる冷却水の流量が非常に少ない場合(第5図のS点の
状態)は、水ロツド1内の冷却水が中性子等の照射によ
つて発熱するとともに蒸発し、この蒸気が第8図(a)
に示すように冷却材上昇流路2及び冷却材下降流路3の
上部に充満する。冷却材上昇流路2内には液面L1がで
き、水ロツド1の出入口間の差圧はこの液面L1と水ロ
ツド1の冷却材吐出口5(冷却材下降流路3の出口)の
液面L2の静水頭差によつて発生する。冷却材上昇流路
2内に流入する冷却水流量は、蒸気になつて冷却材吐出
口5から流出すると流量とバランスする。
冷却水流量を第7図のS点から増加していくと、冷却材
上昇流路2内への冷却水の流入量が冷却水の蒸発量を上
回わる。このような場合(例えば第7図のT点)には第
8図(b)に示すように冷却水が冷却材下降流路3内を
流下する。このとき、冷却水上水流路2内の静水頭の一
部分が冷却材下降流路3内を流れる冷却水の重量によつ
て打消されるため、水ロツド1の出入口間の差圧は極大
値S0よりも減少する。しかし、さらに冷却水流量を増
加すると、冷却材流入口4から流入した未飽和水は冷却
材上昇流路2及び冷却材下降流路3内で沸騰が抑制され
たまま(ボイド率が著しく低減された状態で)冷却材吐
出口5から流出する(第7図のU点の状態、第8図
(c))。このため冷却材上昇流路2及び冷却材下降流
路3内はほとんど単相流となる。従つて、第8図(a)
の状態で冷却材上昇流路2及び冷却材下降流路3内の冷
却材吐出口5のレベルにおける各静水頭は打消し合つて
それらの静水頭差が非常に小さくなる。しかし、水ロツ
ド1内を流れる冷却水流量が大きいため、摩擦や冷却水
流れの反転による圧力損失が増大し、水ロツド1の出入
口間の差圧は再び上昇する。
以上述べた現象によつて、水ロツド1の出入口間の差圧
の変化量が少なくても、水ロツド1内の冷却水流量の変
化幅は非常に大きくなり、ボイド率の変化幅も著しく増
大する。
従つて、例えば炉心流量が80%の時における水ロツド
1の出入口間の差圧が第7図の極小値T0に対応する水
ロツド1の出入口間の差圧以下で、炉心流量120%の
時における水ロツド1の出入口間の差圧が第7図の極大
値S0に対応する水ロツド1の出入口間の差圧を超える
ように抵抗体6の抵抗を調節しておけば、燃料集合体内
を流れる冷却水流量(炉心流量)の変化によつて大幅な
ボイド率変化を実現することができる。上記の例で炉心
流量80%は極大値S0よりも左側、好ましくは第7図
のQ点(極小値T0と同じ出入口間の差圧)よりも左側
にあり、炉心流量120%は極小値T0よりも右側、好
ましくは第7図のR点(極大値S0と同じ出入口間の差
圧)よりも右側にある。
以上述べた原理を利用した本発明の好適な一実施例、す
なわち沸騰水型原子炉に適用する燃料集合体を第1図,
第2図,第3図及び第4図に基づいて説明する。
第2図に示すように本実施例の燃料集合体10は、燃料
棒11,上部タイプレート12,下部タイプレート1
3,燃料スペーサ16,チヤンネルボツクス17、及び
水ロツド18からなつている。燃料棒11の上下端部
は、上部タイプレート12及び下部タイプレート13に
て保持される。水ロツド19も、両端部が上部タイプレ
ート12及び下部タイプレート13に保持される。燃料
スペーサ16は、燃料集合体10の軸方向に幾つか配置
され、燃料棒11相互間の間隙を適切な状態に保持して
いる。燃料スペーサ16は、水ロツド19にて保持され
る。チヤンネルボツクス17は、上部タイプレート12
に取付けられ、燃料スペーサ16で保持された燃料棒1
1の束の外周を取囲んでいる。下部タイプレート13
は、上端部に燃料棒支持部14を有し、しかも燃料棒支
持部14の下方に空間15を有している。燃料棒支持部
14が、燃料棒11及び水ロツド19の下端部を支持し
ている。燃料棒11は、第3図に示すように上部端栓3
1及び下部端栓32にて両端が密封された被覆管30内
に多数の燃料ペレツト33を装荷したものである。ガス
プレナム34が、被覆管30内の上端部に形成される。
水ロツド19の直径(後述する外管21の外径)は燃料
棒11の直径よりも大きく、9本の水ロツド19は燃料
集合体10の横断面の中央部に配置されている。すなわ
ち、1本の水ロツド19は燃料集合体10の軸心に、他
の8本の水ロツド19は前述の1本の水ロツド19を取
囲むように配置される。
水ロツド19の詳細構造を第4図により説明する。水ロ
ツド19は、内管20,外管21及びスペーサ22から
構成される。外管21と内管20とは同心円状に配置さ
れ、外管21が内管20の外周を取囲んでいる。外管2
1の上端はカバー部23にて密封されており、カバー部
23の上部が上部タイプレート12内に挿入されて保持
される。カバー部23は、内管20の上端との間に間隙
を形成するように内管20の上端を被つている。内管2
0の上端部は、水ロツド19の軸心から放射状に配置さ
れた板状のスペーサ22を介して外管21の内面に固定
される。外管21の下端は封鎖部24にて封鎖される。
内管20の下端部は、封鎖部24を貫通してそれよりも
下方に突出している。内管20の下端部は、下部タイプ
レート13の燃料棒支持部14を貫通している。内管2
0の下端に形成された冷却水流入口28は、下部タイプ
レート13の空間15に開口している。内管20の内部
が、冷却水上昇流路25である。内管20と外管21と
の間に形成される環状通路が、冷却水下降流路26であ
る。外管21の下端部の管壁に、周方向に複数の冷却水
吐出口29が形成される。これらの冷却水吐出口29
は、周方向に等間隔に設けられている。冷却水吐出口2
9は、燃料棒支持部14よりも上方の領域に開口してい
る。本実施例では、燃料棒支持部14が第6図に示す抵
抗体6の機能を有している。冷却水上昇流路25と冷却
水下降流路26とは、水ロツド19の上端部に形成され
た反転部27によつて連絡されている。このように水ロ
ット19は、内部に冷却水上昇流路25,冷却水下降流
路26及び反転部27からなる逆U字状の冷却水流路を
有している。
本実施例の燃料集合体1を沸騰水型原子炉の炉心内に装
荷して(全燃料集合体が燃料集合体1)沸騰水型原子炉
を運転すると、冷却水の大部分は、下部タイプレート1
3の空間15及び燃料棒支持部14に設けられた貫通孔
18(第9図)を通つて炉心に装荷された燃料集合体1
0の燃料棒11相互間に直接導入される。下部タイプレ
ート13の空間に流入した冷却水の残りの部分は、冷却
水流入口28から水ロツド19の冷却水上昇流路25内
に流入し、さらに反転部27及び冷却水下降流路26を
介して冷却水吐出口29から燃料棒支持部14より上方
の領域に吐出される。冷却水吐出口29から吐出される
冷却水は、冷却水流入口28から水ロツド19内に流入
する冷却水の流量の多少に応じて前述したように液体ま
たは気体(蒸気)とする。本実施例は、炉心流量100
%(水ロツド19内では第5図の極大値S0での流量状
態)以下で第8図(a)の状態が水ロツド19内に生
じ、炉心流量110%(水ロツド19内では第7図のR
点での流量状態)で第8図(c)の状態が水ロツド19
内に生じるように、燃料棒支持部14の圧力損失、内管
20及び外管21の仕様があらかじめ設定されている。
このように、本実施例の燃料集合体10は、水ロツドの
構造を単純な二重管構造を用いているので、少なくとも
冷却水下降流路26内の冷却水の相状態を、原子炉出力
を制御する手段(炉心流量を調節する手段であり再循環
ポンプが該当)により気体及び液体の状態に順次変化さ
せることができる。すなわち、本実施例の燃料集合体1
0内の平均ボイド率の変化幅は、水ロツド19によるボ
イド率の変化幅が付加されるので著しく増大する。本実
施例の燃料集合体10を用いることによつて、第8図
(a)の状態で燃料集合体10の上部にプルトニウム転
換率増大に伴うプルトニウムの蓄積を図り、第8図
(c)の状態でそのプルトニウムを燃焼させるスペクト
ルシフト運転が、炉心流量制御によるボイド率の調節で
容易に達成できる。従つて、核燃料物質の有効利用を簡
単な構造で図ることができ、1つの燃料サイクルの運転
期間を著しく延ばすことができる。具体的に説明する
と、 本実施例では、9本の水ロツド19を用いているので、
全水ロツドの横断面積が燃料集合体10の冷却水流路横
断面積の30%を占めており、燃料集合体10の平均ボ
イド率の変化幅は9本の水ロツド19の作用のみによつ
て22.5%も増大する。
実際には、この値に第12図に示す9%が加えられる。
従つて、核燃料物質の著しい有効利用を図ることができ
る。
本実施例の燃料集合体10は、第1図に示すように燃料
棒11が14行14列に配置され、9本の水ロツド19
が燃料棒11間に配置されている。9本の水ロツド19
を配置している関係上、燃料集合体10は、160本の
燃料棒11を有している。これらの燃料棒11のうち2
0本の燃料棒41は、可燃性毒物であるガドリニアを含
有している。ガドリニアを含有するすべての燃料棒41
は、水ロツド19に隣接している。換言すれば、すべて
の水ロツド19が、燃料棒41に隣接している。
ガドリニアを含有する燃料棒41を水ロツド19に隣接
して配置させることによつて、以下に示す新たな効果を
得ることができる。通常、可燃性毒物は、余剰反応度を
抑制する目的で新燃料集合体(燃焼度が0KWd/Tの
燃料集合体)に含有され、この新燃料集合体の第1サイ
クル目の燃焼期間内で消失するように設計されている。
炉心内に装荷されて第2サイクル目の燃焼期間に入って
いる燃料集合体10には、ガドリニアが含まれていな
い。可燃性毒物を含む燃料集合体10(燃焼度が0KW
d/Tの新燃料集合体)が沸騰水型原子炉の炉心内に装
荷され、第8図(a)の状態にて原子炉が運転されてい
ると仮定する。炉心流量の急増及び原子炉圧力の急上昇
等の異常が生じると、第8図(a)の状態から第8図
(c)の状態に急変する。このような現象が生じると、
燃料集合体10のボイド率が急減し、水ロツド19内で
の熱中性子の発生量が急に多くなる。これは、第8図
(a)の状態ではボイドが多く水ロツド19における中
性子の減速効果が抑制されているが、第8図(c)の状
態になることによつて水ロツド19内が満されて減速効
果が著しく増大する。熱中性子の飛程距離は約2cmであ
り、第8図(a)の状態から第8図(c)の状態への急
変に伴う水ロツド19の減速効果の増大に比例して水ロ
ツド19内で多量に発生した。
熱中性子は水ロツド19に隣接していも燃料棒11付近
まで達する。このような状態で、もし水ロツド19に隣
接して可燃性毒物を含有する燃料棒がまつたく存在して
いない場合には、水ロツド19に隣接している燃料棒1
1の核分裂が活発化し水ロツド19の周囲で局部的に正
の反応度が急増する。これは、水ロツド19に隣接する
燃料棒11の破損にもつながりやすい。しかしながら、
本実施例の燃料集合体10は、水ロツド19に隣接して
ガドリニア含有の燃料棒41が配置されているので、第
8図(a)の状態から第8図(c)の状態への急変によ
り水ロツド19内で新たに発生した多量の熱中性子の大
部分は隣接している燃料棒41が配置されているので、
第8図(a)の状態から第8図(c)の状態への急変に
より水ロツド19内で新たに発生した多量の熱中性子の
大部分は隣接して燃料棒41内のガドリニアに吸収され
る。このように熱中性子の急増を抑制できる本実施例で
は、前述の異常状態発生時の過渡変化時での正の反応度
の急激な上昇を防止でき、燃料棒の破損を防止できる。
第5図は、燃料集合体10内のボイド率急減時における
反応度抑制効果を示したものである。第5図(A)に示
すように時間Tでボイド率が急激したとすると、燃料集
合体10の反応度の上昇は第5図(B)の実線のように
上昇する。ちなみにこの反応度の上昇度合は、燃料集合
体10からガドリニアを全部取除いた燃料集合体のそれ
(第5図(B)の破線)に比べて著しく抑制される。こ
れにより反応度上昇に伴う燃料棒破損の危険性が著しく
低下する。また、反応度の異常上昇に伴う制御棒挿入等
の操作が不要となる。
以上述べたように、可燃性毒物を含む燃料棒を水ロツド
19に隣接して配置している本実施例の燃料集合体10
は、初めて炉心内に装荷されて経験する第1サイクル目
の運転期間中にあつては炉心流量の急増及び原子炉圧力
の急上昇等のボイド率を急変させる異常状態の発生に伴
う炉心反応度の著しい増加を抑制することができ、更
に、その寿命期間中を通して炉心流量調節という簡単な
操作で燃料集合体10内のボイド率を調節できスペクト
ルシフト運転による燃料の有効利用が可能になる。
なお、燃焼度0KWd/Tの新しい燃料集合体10は、
第1サイクルの運転を経験してガドリニアが完全に消失
した状態で第2サイクル目の運転を経験することにな
る。第2サイクル目の運転を経験中の燃料集合体10
は、前述したようにガドリニアを含んでいないが、第1
サイクルの運転を経験している関係上、新燃料集合体に
比べて核分裂性物質の量が燃焼により減少している。従
つて、炉心流量の急増及び原子炉圧力の急上昇等の異常
事態が生じても、第1サイクルの運転を経験している第
2サイクル目の燃料集合体10における反応度の上昇度
合はガドリニアを含まない新燃料集合体におけるその度
合よりも著しく小さくなる。
すべて水ロツド19ではなく1本の水ロツド19に可燃
性毒物を含む燃料棒が隣接している場合でも、前述の異
常事態における反応度の上昇を抑制することができる。
しかしながら、その抑制効果は、すべての水ロツド19
に可燃性毒物が隣接している第1図の燃料集合体10の
その効果に比べれば小さい。
本実施例の考え方は、9行9列に燃料棒を配列した燃料
集合体及び8行8列の燃料棒を配列した燃料集合体にも
適用できる。これらの燃料集合体は、1本ないし2本の
水ロツド19が設けられ、この水ロツド19に隣接して
可燃性毒物を含有する燃料棒が配置されている。このよ
うに燃料集合体においても、前述の燃料集合体と同様な
効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である燃料集合体を第9図に基づい
て以下に説明する。
燃料集合体を炉心内に装荷した場合、その燃料集合体の
周囲には水ギヤツプが存在するため、燃料集合体の周辺
部に位置する燃料棒の周囲では熱中性子束が高いのに対
し、燃料集合体の中央部に位置する燃料棒の周囲では熱
中性子束が低いという熱中性子束分布となっている。こ
のため、第9図に示したように、水ロツド19を中央部
に集中して配置してなる燃料集合体42は、第1図に示
した水ロツド配置を有する燃料集合体10に比較して、
中央部で高速中性子が多くなりプルトニウムの生成割合
が著しく増加する(第8図(a)の状態で)。このた
め、燃料集合体42は、燃料集合体10に比べてより大
きなスペクトルシフト効果が得られ、核燃料物質のより
一層の有効利用を図ることができる。また燃料集合体4
2は、すべての水ロツド19が第1図に示した実施例と
同様にガドリニアを含有する燃料棒41に隣接するとと
もに、ガドリニアを含有する燃料棒20本のうち12本
(60%)が水ロツドに隣接しており、水ロツド19内
のボイド率急減時における反応度上昇を緩和することが
可能となる。本実施例も第1図の実施例と同じ効果を得
ることができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、単純な構造で燃料集合体内の平均ボイ
ド率を大幅に変化させることが可能となつて核燃料物質
の有効利用を図ることができるとともに、ボイド率急減
時の反応度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である燃料集合体の横断面
図、第2図は第1図に示す燃料集合体の縦断面図、第3
図は第2図に示された燃料棒の部分断面図、第4図は第
2図の水ロツドの詳細構造を示す図、第5図は水ロツド
内のボイド率急減時の反応度上昇を示す説明図、第6図
は本発明に用いられる水ロツドの原理を示す説明図、第
7図は第6図の水ロツドの出入口間に生じる差圧特性の
概念図、第8図は第6図の水ロツド内の流動状態を示す
説明図、第9図は本発明の他の実施例である燃料集合体
の横断面、第10図はスペクトルシフト運転を実施しな
い場合及びそれを実施した場合における燃焼度に対する
無限増倍率の変化を示す特性図、第11図は炉心流量と
炉心平均ボイド率との関係を示す特性図である。 10,42…燃料集合体、11…燃料棒、12…上部タ
イプレート、13…下部タイプレート、14…燃料棒支
持部、19…ガドリニア入燃料棒に隣接する水ロツド、
20…内管、21…外管、25…冷却水上昇流路、26
…冷却水下降流路、28…冷却水流入口、29…冷却水
吐出口、41…ガドリニア入燃料棒。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持されて下端部
    が下部タイプレートの燃料棒保持部に保持され、しかも
    内部に複数の燃料ペレツトを充填した複数の燃料棒と前
    記燃料棒間に配置された水ロツドとを有する燃料集合体
    において、前記水ロツドが、前記下部タイプレートより
    下方の領域に開口した冷却材流入口を有する冷却材上昇
    流路と、前記冷却材上昇流路に連絡されて前記下部タイ
    プレートよりも上方の領域に開口した冷却材吐出口を有
    し、しかも前記冷却材上昇流路内における冷却材の流れ
    方向とは逆に冷却材を下方に導く冷却材下降流路とを備
    えており、可燃性毒物を含有する少なくとも1本の燃料
    棒が前記水ロツドに隣接して配置されていることを特徴
    とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】前記燃料棒の配列が14行14列であり、
    かつ前記水ロツドは燃料棒4本が占有する空間に配置さ
    れる特許請求の範囲第1項記載の燃料集合体。
  3. 【請求項3】前記水ロツドの本数が9本である特許請求
    の範囲第1項記載の燃料集合体。
  4. 【請求項4】可燃性毒物を含有する前記燃料棒のうち6
    0%以上が、前記水ロツドと隣接している特許請求の範
    囲第1項記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】上部タイプレートと、下部タイプレート
    と、上端部が前記上部タイプレートに保持されて下端部
    が下部タイプレートの燃料棒保持部に保持され、しかも
    内部に複数の燃料ペレツトを充填した複数の燃料棒と前
    記燃料棒間に配置された水ロツドとを有する燃料集合体
    において、前記水ロツドが、前記下部タイプレートより
    下方の領域に開口した冷却材流入口を有する冷却材上昇
    流路と、前記冷却材上昇流路に連絡されて前記下部タイ
    プレートよりも上方の領域に開口した冷却材吐出口を有
    し、しかも前記冷却材上昇流路内における冷却材の流れ
    方向とは逆に冷却材を下方に導く冷却材下降流路とを備
    えており、前記水ロツドが燃料集合体横断面の中央部の
    みに配置され、可燃性毒物を含有する少なくとも1本の
    燃料棒が前記水ロツドに隣接して配置されていることを
    特徴とする燃料集合体。
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