JPH078833A - 沈砂洗浄機 - Google Patents

沈砂洗浄機

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JPH078833A
JPH078833A JP15128392A JP15128392A JPH078833A JP H078833 A JPH078833 A JP H078833A JP 15128392 A JP15128392 A JP 15128392A JP 15128392 A JP15128392 A JP 15128392A JP H078833 A JPH078833 A JP H078833A
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washing
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settling
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Hiromichi Irifuji
弘道 入不二
Fumio Yagishita
文夫 八木下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 沈砂の洗浄によって砂分中の有機物量を約5
〜6%に減少させることが可能な高洗浄能力を有する沈
砂洗浄機を提供する。 【構成】 洗浄筒(3)内の洗浄された沈砂の一部は洗
浄水とととに洗浄水溢出口(15),(16),(1
7),(18)から洗浄筒(2)に環流し、再びらせん
羽根(19),(20)による遠心分離操作にかけられ
る。こうして沈砂の一部を常に上流側に環流することに
より有機物を砂粒から剥離する効果が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は下水処理において下水中に含まれる沈砂の除去
操作によって分離される沈砂中の有機物を洗浄除去する
ことによって沈砂を無公害化する沈砂洗浄機に関する。
【0001】
【従来の技術】下水処理によって下水から除去される沈
砂は埋立地等に投棄されるが、周囲に不快臭気をまき散
らさないようにするため砂分中の有機物量を一定値以下
に減らすように法的規制がなされている。すなわち、現
在砂分中の有機物量は平均的に15%〜20%を設計値
として設定しその除去率を55%とするように基準づけ
られている。このような基準を満たすため、従来被処理
沈砂量に対し約4倍以上の洗浄水を使用して沈砂を攪拌
洗浄し沈砂に付着した有機物を除去するようにした沈砂
洗浄機が使用されている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】砂分中の有機物により
不快臭気を感じないですむ有機物量は砂分に対し約5〜
6%が限界であるが、上記現在施行されている基準によ
れば、有機物除去操作後の砂分中の有機物量は約8〜1
1%で可とされている。これは従来使用されている沈砂
洗浄機の能力ではこれ以上有機物量を減らすことが不可
能であるために、止むを得ない妥協点としてこの数値が
許容値とされているからである。しかしこれでは現実に
は埋立地等に投棄された沈砂から有感不快臭気が発生す
ることを防止することは不可能である。
【0003】さらに下水処理によって分離される沈砂中
の有機物量は月日変動を考慮すると最大値25%にも達
することが知られており、この場合洗浄処理後の砂分中
の有機物量は前記8〜11%の数値よりいっそう高くな
り、不快臭気発生がより大きな問題となることは明らか
である。
【0004】本発明は、従来の沈砂洗浄機の上記問題点
にかんがみなされたものであって、沈砂の洗浄によって
砂分中の有機物量を約5〜6%に減少させることが可能
な高洗浄能力を有する沈砂洗浄機を提供しようとするも
のである。
【0005】
【課題を解決する手段】上記本発明の目的を達成する沈
砂洗浄機は、被洗浄沈砂を取入れる沈砂取入口と、洗浄
された沈砂を排出する沈砂排出口と、洗浄水の給水口と
を備え、さらに任意の高さにおいて洗浄水を溢出させる
ための洗浄水溢出口とを備える洗浄筒と、該洗浄筒内に
配設されたらせん羽根と、該らせん羽根を回転駆動する
ために該らせん羽根に連結された駆動装置と、該洗浄水
溢出口に連通し洗浄された沈砂の一部を溢出した洗浄水
とともに該洗浄水溢出口から該洗浄筒の上流側に環流さ
せる環流路と、溢出した洗浄水を排出する排水口とを備
えることを特徴とする。
【0006】本発明の一側面においては、上記沈砂洗浄
機において、該洗浄筒は、並列に配置された2本の洗浄
筒からなり、この中一方の洗浄筒には該沈砂取入口が形
成され、他方の洗浄筒には該沈砂排出口が形成されてお
り、これら2本の洗浄筒の下端部は相互に連通してお
り、前記一方の洗浄筒に配設されたらせん羽根の軸の下
端部には沈砂を前記他方の洗浄筒側に移送するための沈
砂移送手段が設けられている。
【0007】また本発明の他の側面においては、上記沈
砂洗浄機において、該洗浄水溢出口は両側に堰板差込溝
を有する案内部材とこの案内部材の堰板差込溝に両側を
着脱自在に挿入しうる堰板によって形成される。
【0008】さらに本発明の他の側面においては、上記
沈砂洗浄機において、該給水口には、該給水口の内周面
と離間する外周面を有し、この外周面には複数のノズル
孔が形成された管状の給水ノズルが該給水口と同心に配
設されており、この給水ノズルには弾性チューブが嵌装
されており、この弾性チューブは該複数のノズル孔から
給水される洗浄水の水圧により押されて該給水ノズルの
外周面から離間するように形成されている。
【0009】
【作用】本発明によれば、洗浄筒内に給水しつつらせん
羽根を回転駆動することにより沈砂に付着した有機物は
遠心分離されて洗浄水中に落ち、洗浄された沈砂はらせ
ん羽根によって沈砂排出口に運ばれる。洗浄された沈砂
の一部は洗浄水とともに洗浄水溢出口から環流路を通っ
て洗浄筒の上流側に環流し再びらせん羽根による遠心分
離操作にかけられる。こうして洗浄された沈砂の一部を
常に洗浄筒の上流側に環流させることにより、沈砂は全
体としてらせん羽根による遠心分離操作にくり返しかけ
られることになるとともに、沈砂の環流により洗浄され
る沈砂の量が増加し、洗浄操作中に相互に衝突する砂粒
の数が増えることにより、有機物を砂粒から剥離する効
果が高まる。
【0010】本発明の一側面において、洗浄筒を2本の
洗浄筒で構成し、一方の洗浄筒のらせん羽根の下端部に
沈砂移送手段を設けることにより、沈砂取入口より取入
れられた沈砂は一方の洗浄筒のらせん羽根によりその下
端部まで運ばれた後沈砂移送手段により他方の洗浄筒の
下端部に強制的に移送される。
【0011】本発明の他の一側面において、洗浄水溢出
口を案内部材に着脱自在に挿入しうる堰板により構成す
ることにより、この堰板は差し替えが自由であり、高さ
の異る複数の堰板を用意することにより、溢出水の水面
を任意のレベルに調節し、沈砂排出口から洗浄済み沈砂
とともに水が溢出することを防止することができる。
【0012】本発明の他の一側面において、給水口に弾
性チューブを嵌装した給水ノズルを配設することによ
り、給水時には弾性チューブは水圧により押されて給水
ノズルの外周面から離間し給水された洗浄水は弾性チュ
ーブと給水ノズルとの間に形成された間隙を通って洗浄
筒内に給水される。非給水時には弾性チューブが給水ノ
ズルの外周面に密着し、洗浄筒内の沈砂が給水ノズルの
ノズル孔に侵入することが防止される。
【0013】
【実施例】以下添付図面を参照して本発明の1実施例に
ついて説明する。図1は本発明にかかる沈砂洗浄機の1
実施例を示すもので、図2は図1のA−A矢視図、図3
は図1のB−B矢視図である。沈砂洗浄機1は、並列に
立設された2本の円筒状洗浄筒2、3を備えている。洗
浄筒2、3は据付ベース4上に垂直に立設されており、
各洗浄筒2、3の頂面にはらせん羽根軸挿通孔5、6が
開設されまたその上に軸受台7が固定されている。また
洗浄筒2、3の下端部2a、3aは連通孔8により相互
に連通している。
【0014】洗浄筒2の側部中間には被洗浄沈砂を取入
れる沈砂取入口9を備えた膨出部10が形成されてお
り、この膨出部10の側面には溢出した洗浄水を排出す
るための排水口11が形成されている。なお、53は投
入された沈砂が排水口11側に流出することを防止する
邪魔板である。
【0015】洗浄筒3の上部には洗浄された沈砂を排出
する沈砂排出口12が形成されており、この沈砂排出口
12には沈砂排出シュート13が接続されている。また
洗浄筒3の中央部からやや下方には洗浄水を給水するた
めの給水口14が形成されている。
【0016】図1、図2および図4を参照して洗浄水溢
出口の構成について説明する。図4(a)は洗浄水溢出
口附近の構造を示す横断面図、図4(b)は堰板の構造
を示す部分側面図、図4(c)は堰板附近の部分斜視図
である。
【0017】洗浄筒2および3のほぼ中央部の側壁には
両洗浄筒の軸心を結ぶ線から偏位して開口15、16が
形成されており、開口15、16の両側には両側に堰板
差込溝17aを有する案内部材17が溶接されている。
この案内部材17の堰板差込溝17aには両側を着脱自
在に挿入しうる堰板18が挿入されている。堰板18の
頂面18aの高さは排水口11の底面の高さよりも高い
位置に設定されている。堰板18の上方の洗浄筒2の側
壁には内部点検用の開口41が開設されており、この開
口41附近の洗浄筒2の側壁12はカバー42が開閉可
能にヒンジ結合されている(図4(a)参照)したがっ
てこのカバー42を開いて種々の高さの堰板18を外部
から差し替えこれによって洗浄筒3の水面WL2を任意
の高さに調節することができる。
【0018】なお、案内部材17の下部17bは図4
(b)、図4(c)に示すように傾斜面に形成されてお
り、これによって沈砂が案内部材17の底面に沈着する
ことを防止している。
【0019】各洗浄筒2、3の中には洗浄筒内に取入れ
られた沈砂を攪拌洗浄しかつ洗浄された沈砂を沈砂排出
口12に運搬するらせん羽根19、20が配設されてい
る。らせん羽根19の軸19aはその上端部を軸受台7
に固設された軸受21に、下端部を据付ベース4内に設
けられた軸受台22に固設された軸受23に支承されて
おり、らせん羽根20の軸20aは上端部を軸受台7中
に固設された軸受24に、下端部を据付ベース4内の軸
受台22に固設された軸受54に支承されている。らせ
ん羽根19は洗浄筒2のほぼ下半分の長さにわたって形
成されており、らせん羽根20は洗浄筒3のほぼ全長に
わたって形成されている。各らせん羽根19、20の軸
19a、20aの上端部には歯車25、26がそれぞれ
固設されており、これら歯車は中間の歯車27と噛合し
ている。歯車27の回転軸27aは減速装置28を介し
て電動モータ29に連結されている。
【0020】洗浄筒2の下端部2aにおいて、らせん羽
根19の軸19aの下端部には円板30が固定され、こ
の円板30上に3枚の長方形の板状の送り羽根31が円
周方向に等間隔で立設されている(図1および図3参
照)。この円板30と送り羽根31は、沈砂取入口9か
ら取入れられらせん羽根19によって下端部2aに運搬
された沈砂を連通孔8を介して次段の洗浄筒3の下端部
内に移送するための沈砂移送手段を構成する。
【0021】据付ブレード4の上面4aには軸挿通孔4
b、4bが開設されており、この軸挿通孔4b、4bに
嵌合したシール部材52、52を介してらせん羽根19
a、20aが挿通されている。円板30の下面には沈砂
が軸挿通孔4bに浸入することを防止するための1対の
サブブレード33、33(図3)が直径方向に対向して
立設されている。同様にらせん羽根20の軸20aの下
端部には小円板34が固設され、1対のサブレード3
5、35(図3)が同様の目的で直径方向に対向して立
設されている。
【0022】シール部材52、52と軸受23、54と
の間の各らせん羽根軸19a、20aには周方向に等間
隔で4枚の水切り板36が立設されている。これらの水
切り板36はらせん羽根軸19a、20aとともに回転
することにより据付ベース4内に漏洩浸入した水をはね
とばし、水が下方の軸受23、54に落下浸入すること
を防止するために設けられたものである。
【0023】各らせん羽根19、20には適宜の数の返
送用孔37が開設されている。返送用孔37はらせん羽
根19、20によって運ばれる沈砂の一部を落下させる
ものでこのために充分な孔径を有する。
【0024】堰板18を越えて洗浄筒2の開口15から
流出した溢出水中の砂がらせん羽根19の上方の水中で
固まるブリッジ現象を起こすことを防止するため、らせ
ん羽根19の頂部と開口15との間のらせん羽根軸19
aには各2〜3本の水平棒38とその先端に立設された
垂直棒39からなる攪拌部材40が固設されている。
【0025】洗浄筒3に開設された給水口14には図5
に示すように、給水口14の内周面と離間する外周面を
有し、この外周面には複数でノズル孔44が形成された
管状の給水ノズル43が配設されている。この給水ノズ
ル43は円板46に嵌め込まれておりこの円板46は洗
浄筒3に固着された管状部材45のフランジ45aにね
じ止めされている。給水ノズル43にはフランジ47が
設けられており、このフランジ47には流量計50が設
けられホース接続具51(図2参照)のフランジ49が
ねじ止めされている。この給水ノズル43には先端側に
ゴム・合成樹脂等の弾性部材からなる弾性チューブ48
が設けられており、この弾性チューブ48は複数のノズ
ル孔44から給水される洗浄水の水圧により押されて膨
出し、給水ノズル43の外周面から離間するような厚み
に形成されている。
【0026】洗浄筒3の下部の据付ベース4の頂部4a
附近には沈砂洗浄作業終了後に洗浄筒2、3内に残留し
ている洗浄水を排出するためのドレンノズル51(図3
参照)が取付けられている。またらせん羽根軸20aの
上端部の沈砂排出口12の上方にはらせん羽根20aに
より運ばれた沈砂のそれ以上の上昇を抑止する1〜4枚
の板からなる沈砂上昇抑止板52が固設されている。
【0027】次に上記構成の実施例の動作について説明
する。洗浄水は給水ノズル43から給水口14を介して
洗浄筒2、3内に連続的に注入され、洗浄筒2において
水面WL1を越える洗浄水は排水口11から溢出排水さ
れる。また洗浄筒3内において堰板18の頂辺の高さ1
8aによって定まる水面WL2を越える洗浄水は堰板1
8を越えて開口15から洗浄筒2内に落下する。
【0028】沈砂は沈砂取入口9から洗浄筒2内の洗浄
水中に投下される。電動モータ29を回転駆動しらせん
羽根19、20を図2および図3中矢印P方向に回転さ
せることにより、らせん羽根19はその上に沈着した沈
砂を洗浄筒2の下方に移送し、らせん羽根20は沈砂を
洗浄筒3の上方に移送する。
【0029】らせん羽根19、20はその上に乗った沈
砂を洗浄水中で攪拌し、沈砂に付着している有機物微粒
子を遠心力および砂粒どうしの衝突・摩擦により剥離す
る。沈砂および分離された有機物を含む水の一部はらせ
ん羽根19、20の返送用孔37によりその下にピッチ
のらせん羽根19、20上に落下し、かくして落下した
沈砂は再び遠心分離動作にかけられる。すなわち洗浄筒
2、3内における沈砂の滞留時間が増加することにな
り、それだけ微粒子の剥離される度合が増大する。
【0030】らせん羽根19によって洗浄されつつ洗浄
筒2の下端部2aに運ばれた沈砂はらせん羽根19とと
もに回転する送り羽根31によって強制的に洗浄筒3の
下端部に移送され、らせん羽根20に乗って上方に運ば
れ、沈砂排出口12から沈砂排出シュート13に排出さ
れる。
【0031】給水口14から連続的に給水される洗浄水
の一部は洗浄筒3の堰板18の頂面18aを越えて流下
し洗浄筒2内の洗浄水と合流する。この時らせん羽根2
0上の洗浄された沈砂の一部は洗浄水とともに堰板18
を越えて洗浄筒2の開口15から洗浄筒2内の洗浄水中
に環流され、らせん羽根19かららせん羽根20に至る
上記の経路をたどって再度遠心分離にかけられる。
【0032】単位時間当り使用する洗浄水の量が比較的
に多い場合には洗浄筒3の水面WL2が高いと、洗浄水
がらせん羽根20の回転によって運ばれて沈砂排出口1
2まで上昇し、沈砂排出口12から洗浄済み沈砂ととも
に沈砂排出シュート13内に流出するおそれがある。そ
こでこの場合は堰板18を高さの低いものに差し替える
ことによって水面WL2を下げ、洗浄水が沈砂排出口1
2まで上昇することを抑止する。
【0033】上記実施例の沈砂洗浄機を使用し沈砂を洗
浄し、洗浄効果およびCOD除去効果を測定した。洗浄
効果は1−処理後の有機物量/処理前の有機物量で表わ
した。N=洗浄水量/処理沈砂量をパラメータとして処
理沈砂量と洗浄効果、COD除去効果の関係を図6に示
す。実験において使用した沈砂の有機物量は14.3
%、沈砂の平均粒子径は460μ、(Rosinの実験
式にて)沈砂の均等係数は3.36であった。
【0034】図6によれば、処理沈砂量250kg/時
間の場合有機物残渣量は次のとおりである。 N=3の場合 処理前の沈砂中の有機物量最大値25%とすると 25%×(1−78%)=5.50% N=2の場合 処理前の沈砂中の有機物最大値25%とすると 25%×(1−75%)=6.25% N=2の場合 処理前の沈砂中の有機物設計値20%とすると 20%×(1−75%)=5.00% またCOD残渣量は次のとおりである。 N=3の場
合 処理前の沈砂中のCOD量最大値320ppmとすると 320ppm×(1−82%)=57.6ppm N=2の場合 処理前の沈砂中のCOD最大値320ppmとすると 320ppm×(1−79%)=67.2ppm N=2の場合 処理前の沈砂中のCOD設計値250ppmとすると 250ppm×(1−79%)=52.2ppm 上記の実験結果によれば、本実施例により本発明の目的
である処理後の砂分中の有機物量5〜6%という目標値
を達成することができる。またCOD除去効果について
も、処理後のCOD残渣量を法定基準値120ppm以
下に抑えることができる。なおN=2、処理沈砂量=2
50kg/時間の場合洗浄後の砂含水率は17.1%で
あり、処理後の沈砂には不快臭気はほとんどなかった。
【0035】図6から観測されるように、N=2の場合
と洗浄水をN=2の倍量としたN=4の場合とを比べて
見ても洗浄効果は8%程度の差にしかすぎない。したが
って本発明にかかる沈砂洗浄機により処理後の砂分中の
有機物量5〜6%を達成するためにN値は決定的な要因
ではなく、本発明の効果は、主として洗浄された沈砂の
一部を環流路を介して洗浄筒の上流側に環流し再び遠心
分離にかける操作を繰返すことにより生じるものと考え
られる。
【0036】また従来の沈砂洗浄機によれば、最高の洗
浄効果を挙げるにはN=4以上でなければならなかった
のに対し、本実施例によればN=2以下で有機物残渣量
5〜6%を達成することができるので、必要洗浄水の量
は従来のものに比べ半分以下ですみ洗浄効率が良い。
【0037】
【変更例】上記実施例においては洗浄筒を洗浄筒2、3
の2連構成としたが、1本の洗浄筒のみで形成してもよ
い。ただし上記実施例のように洗浄筒を2連構成にすれ
ば、沈砂取入口9から投入された沈砂をらせん羽根19
により順次一定量ずつ移送手段により次段のらせん羽根
20に送ることができるのに対し、1本のらせん羽根の
場合はらせん羽根の下端部に沈砂を送るためにらせん羽
根とは別体の沈砂移送手段を設けなければならずこれを
駆動するため別途駆動装置を設けなければならない等装
置が複雑化するばかりでなく、沈砂取入口から投入され
た沈砂が底面に集中的に滞積するので、これをらせん羽
根の下端部にスムーズに移送することが上記実施例に比
べて難しい。
【0038】また洗浄筒は3本以上を並設する構成にし
てもよい。
【0039】洗浄水溢出口は上記実施例においては開口
16に堰板18を配設した構成としているが、単に開口
部を設けたものであってもよい。
【0040】また洗浄水溢出口からの環流路は上記実施
例においては洗浄筒2のらせん羽根の上方に達するよう
に構成されているが、これに限らず、洗浄筒の該洗浄水
溢出口よりも上流側であればたとえばらせん羽根20の
下端部等他の場所であってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、洗浄された沈砂の一部
は洗浄水とともに洗浄水溢出口から環流路を通って洗浄
筒の上流側に環流し再びらせん羽根による遠心分離操作
にかけられる。したがって、洗浄された沈砂の一部を常
に洗浄筒の上流側に環流させることにより、沈砂は全体
としてらせん羽根による遠心分離操作にくり返しかけら
れることになるとともに、沈砂の環流により洗浄される
沈砂の量が増加し、洗浄操作中に相互に衝突する砂粒の
数が増えることにより、有機物を砂粒から剥離する効果
が高まる。こうして砂分中の有機物量を約5〜6%に減
少させることができる。
【0042】しかも必要な洗浄水は従来の装置の半分以
下ですむので洗浄効果も飛躍的に上昇する。
【0043】また本発明によれば、洗浄筒を2本の洗浄
筒で構成し、一方の洗浄筒のらせん羽根の下端部に沈砂
移送手段を設けることにより、沈砂取入口より取入れら
れた沈砂は一方の洗浄筒のらせん羽根によりその下端部
まで運ばれた後沈砂移送手段により他方の洗浄筒の下端
部に強制的に移送される。したがって沈砂移送手段はら
せん羽根の回転駆動源と同一の回転駆動源により回転駆
動することができ別途他の駆動源を設ける必要がない。
また沈砂を沈砂移送手段までらせん羽根で運ぶことがで
きるので、一定量の沈砂を順次沈砂移送手段に送ること
ができ、スムーズに沈砂を他方のらせん羽根に乗ること
ができる。
【0044】また本発明によれば、洗浄水溢出口を案内
部材に着脱自在に挿入しうる堰板により構成することに
より、この堰板は差し替えが自由であり、高さの異る複
数の堰板を用意することにより、溢出水の水面を任意の
レベルに設定することができ、これによって使用洗浄水
が比較的に多量の場合に洗浄水が洗浄済み沈砂とともに
沈砂排出口から流出することを防止することができる。
【0045】さらに、本発明によれば給水口に弾性チュ
ーブを嵌装した給水ノズルを配設することにより、給水
時には弾性チューブは水圧により押されて給水ノズルの
外周面から離間し給水された洗浄水は弾性チューブと給
水ノズルとの間に形成された間隙を通って洗浄筒内に給
水される。非給水時には弾性チューブが給水ノズルの外
周面に密着し、洗浄筒内の沈砂が給水ノズルのノズル孔
に侵入することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる沈砂洗浄機の1実施例を示す正
面図でカバーを取外して示しかつ一部を断面で示す図で
ある。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】図1におけるB−B矢視図である。
【図4】(a)は洗浄水溢出口附近の構造を示す横断面
図、(b)は堰板の構造を示す部分側面図、(c)は堰
板附近の部分斜視図である。
【図5】給水ノズルの1例を示す断面図である。
【図6】本実施例による沈砂洗浄効果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 沈砂洗浄機 2、3 洗浄筒 9 沈砂取入口 11 排水口 12 沈砂排出口 15、16、17、18 洗浄水溢出口 19、20 らせん羽根

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄沈砂を取入れる沈砂取入口と、洗
    浄された沈砂を排出する沈砂排出口と、洗浄水の給水口
    とを備え、さらに任意の高さにおいて洗浄水を溢出させ
    るための洗浄水溢出口とを備える洗浄筒と、該洗浄筒内
    に配設されたらせん羽根と、該らせん羽根を回転駆動す
    るために該らせん羽根に連結された駆動装置と、該洗浄
    水溢出口に連通し洗浄された沈砂の一部を溢出した洗浄
    水とともに該洗浄水溢出口から該洗浄筒の上流側に環流
    させる環流路と、溢出した洗浄水を排出する排水口とを
    備えることを特徴とする沈砂洗浄機。
  2. 【請求項2】 該洗浄筒は並列に配置された2本の洗浄
    筒からなり、この中一方の洗浄筒には該沈砂取入口が形
    成され、他方の洗浄筒には該沈砂排出口が形成されてお
    り、これら2本の洗浄筒の下端部は相互に連通してお
    り、前記一方の洗浄筒に配設されたらせん羽根の軸の下
    端部には沈砂を前記他方の洗浄筒側に移送するための沈
    砂移送手段が設けられている請求項1記載の沈砂洗浄
    機。
  3. 【請求項3】 該洗浄水溢出口は両側に堰板差込溝を有
    する案内部材とこの案内部材の堰板差込溝に両側を着脱
    自在に挿入しうる堰板によって形成される請求項1また
    は2記載の沈砂洗浄機。
  4. 【請求項4】 該給水口には、該給水口の内周面と離間
    する外周面を有し、この外周面には複数のノズル孔が形
    成された管状の給水ノズルが該給水口と同心に配設され
    ており、この給水ノズルには弾性チューブが嵌装されて
    おり、この弾性チューブは該複数のノズル孔から給水さ
    れる洗浄水の水圧により押されて該給水ノズルの外周面
    から離間するように形成されている請求項1〜3のいず
    れかに記載の沈砂洗浄機。
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