JPH0787514B2 - カラー画像読取装置 - Google Patents

カラー画像読取装置

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JPH0787514B2
JPH0787514B2 JP3163643A JP16364391A JPH0787514B2 JP H0787514 B2 JPH0787514 B2 JP H0787514B2 JP 3163643 A JP3163643 A JP 3163643A JP 16364391 A JP16364391 A JP 16364391A JP H0787514 B2 JPH0787514 B2 JP H0787514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像読取装置に関
し、特に格子ピッチを適切に設定した反射型1次元ブレ
ーズド回折格子より成る色分解手段と3つのラインセン
サー(受光素子)を同一基板面上に設けた受光手段とを
利用することにより、入射角度の相違による反射回折角
のズレによる受光素子面上のボケを防止し、原稿面上の
カラー画像情報を高精度に読取ることができる例えばカ
ラースキャナやカラーファクシミリ等に好適なカラー画
像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より原稿面上のカラー画像情報を光
学系を介してラインセンサー(CCD)面上に結像させ
て、このときのラインセンサーからの出力信号を利用し
てカラー画像情報をデジタル的に読取る装置が種々と提
案されている。
【0003】例えば図14は従来のカラー画像読取装置
の光学系の要部概略図である。同図では原稿面11上の
カラー画像からの光束を結像レンズ19で集光し後述す
るラインセンサー面上に結像させる際、該光束を3Pプ
リズム20を介して例えば赤色(R)、緑色(G)、青
色(B)の3色に色分解した後、各々のラインセンサー
21,22,23面上に導光している。そして各ライン
センサー21,22,23面上に結像したカラー画像を
各々副走査方向にライン走査し各色光毎に読取りを行な
っている。
【0004】図15は従来のカラー画像読取装置の光学
系の要部概略図である。同図では原稿面11上のカラー
画像からの光束を結像レンズ29で集光し後述するライ
ンセンサー面上に結像させる際、該光束を2色性を有す
る波長選択透過膜が付加された2つの色分解用のビーム
スプリッター30,31を介して3色に対応する3つの
光束に分離している。
【0005】そして該3つの色光に基づくカラー画像を
3つのラインセンサーを同一基板面上に設けた所謂モノ
リシック3ラインセンサー32面上に各々結像させてい
る。これによりカラー画像を副走査方向にライン走査し
各色光毎に読取りを行なっている。
【0006】図16は図15に示したモノリシック3ラ
インセンサー32の説明図であり、該モノリシック3ラ
インセンサー32は同図に示すように3つのラインセン
サー(CCD)25,26,27を互いに平行となるよ
うに同一基板面上に有限距離離して配置しており、該ラ
インセンサー面上には各々の色光に基づく不図示の色フ
ィルターが設けられている。
【0007】又、各ラインセンサー25,26,27の
間隔S1,S2は様々な製作上の条件から一般的に例え
ば0.1〜0.2mm程度で製作されており、又各単一
素子28の画素幅W1,W2は例えば7μm×7μm、
10μm×10μm程度で設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図14に示すカラー画
像読取装置では3つの独立のラインセンサーを必要と
し、又高精度化が要求され、しかも製作上困難な3Pプ
リズムを必要とする為、装置全体が複雑化し、又高価と
なってくる。更に結像光束と各ラインセンサーとの合致
調整を各々独立に3回行なう必要があり、組立調整が面
倒となる等の問題点があった。
【0009】又、図15に示すカラー画像読取装置はビ
ームスプリッター30,31の
【0010】
【数1】 今、製作上好ましいラインセンサーの各ライン間の距離
を0.1〜0.2mm程度とするとビームスプリッター
30,31の板厚xは35〜70μm程度となる。
【0011】一般にこのような薄い厚さで光学的に平面
性を良好に維持したビームスプリッターを構成すること
は大変難しく、このような厚さのビームスプリッターを
用いるとラインセンサー面上に結像させるカラー画像の
光学性能が低下してくるという問題点があった。
【0012】一方、図17に示すようにモノリシック3
ラインセンサーの中央のライン26に対する他の2つの
ライン25,27のライン間の距離S1,S2は一般的
に各反対方向に等距離、かつ副走査方向の画素サイズ
(図16参照)W2の整数倍になるように設定してい
る。これは次の理由からによる。
【0013】即ち、図17に示すように通常の結像光学
系45のみを用いて上記に示したモノリシック3ライン
センサーでカラー画像の読取りを行なう場合、3つのラ
インセンサー25,26,27で同時に読取れる原稿面
11上の読取位置は同図に示す如く異なる3つの位置2
5´,26´,27´となる。
【0014】この為、原稿面11上の任意の位置に対す
る3色(R,G,B)の各信号成分は同時に読取ること
ができず、それぞれ3ラインセンサーで読取り後、一致
させ合成する必要が生じてくる。
【0015】これには3ラインセンサーの各ライン間の
距離S1,S2を各画素サイズW2の整数倍となるよう
に設定し、これに応じた冗長ラインメモリーを具備した
上で例えばB信号(B色光に基づく信号成分)に対し各
G,R信号(G,R色光に基づく信号成分)を遅延させ
ることによって比較的容易に3色の合成信号成分を得て
いる。
【0016】従って上記の如く3ラインセンサーの中央
のラインセンサー26に対する他の2つのラインセンサ
ー25,27間の距離S1,S2は副走査方向の画素サ
イズW2の整数倍となるように設定しているのである。
【0017】しかしながら上記に示したカラー画像読取
装置において冗長ラインメモリーを3ラインセンサーの
ライン間距離相当に充当することは高価なラインメモリ
ーを複数列具備しなければならず、これはコスト的にみ
て極めて不利となり、又装置全体が複雑化してくる等の
問題点があった。
【0018】本発明は色分解手段としての反射型1次元
ブレーズド回折格子を用い色分解してカラー画像を読取
る際、該回折格子の格子ピッチ又は格子厚を格子面上に
おいて適切に変化させて設定することにより、該反射型
1次元ブレーズド回折格子の入射角の異なる反射各点か
らの反射回折角を制御し、±1次回折光の格子ピッチ断
面方向の受光素子面上におけるボケの発生を効果的に防
止し、例えばR,G,Bの3つの色光でカラー画像をデ
ジタル的に高精度に読取ることのできるカラー画像読取
装置の提供を目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像読取
装置は、カラー画像を結像光学系により3つのラインセ
ンサーを同一基板面上に配置した受光手段面上に結像さ
せ、該受光手段で該カラー画像を読取る際、該結像光学
系と該受光手段面との間の光路中に入射光束を3つの色
光に色分解する反射型1次元ブレーズド回折格子より成
る色分解手段を設けると共に、該反射型1次元ブレーズ
ド回折格子の格子ピッチがそのピッチ方向に連続的に変
化していることを特徴としている。
【0020】又、前記3つのラインセンサーは互いに平
行となるように配置しており、前記結像光学系は射出型
テレセントリック系より構成しており、前記色分解手段
は入射光束を該ラインセンサーの画素の並び方向と直交
する方向に色分解していることを特徴としている。
【0021】又、前記反射型1次元ブレーズド回折格子
の格子ピッチは少なくとも一方の周辺部から他方の周辺
部にかけて連続的に小さくなるように又は大きくなるよ
うに設定していることや、前記結像光学系の光軸中心か
ら周辺にかけて順次大きくなるように設定していること
等を特徴としている。
【0022】更には、前記反射型1次元ブレーズド回折
格子の格子厚は前記結像光学系の光軸中心から周辺にか
けて順次厚くなるように設定していることを特徴として
いる。
【0023】
【実施例】図1(A)、(B)は各々本発明の実施例1
の要部平面図(主走査断面)と要部側面図(副走査断
面)である。
【0024】図2は図1に示した結像光学系を通過した
後の光束の光路を示した一部分の説明図、図3(A)、
(B)は各々図2に示した反射型1次元ブレーズド回折
格子の一部分の拡大説明図である。
【0025】図中、1は原稿面であり、カラー画像が形
成されている。2は結像光学系であり、本実施例におい
ては射出側の主光線が光軸と平行となって射出する所謂
射出型テレセントリック系となるように構成しており、
カラー画像に基づく光束を後述する反射型1次元ブレー
ズド回折格子を介して受光手段(モノリシック3ライン
センサー)面上に結像させている。
【0026】3は色分解手段であり、反射型1次元ブレ
ーズド回折格子より構成しており、該1次元ブレーズド
回折格子3の格子ピッチはこのピッチ方向に小さくなる
ように又は大きくなるように連続的に変化させて形成し
ている。反射型1次元ブレーズド回折格子3は入射光束
をラインセンサーの画素の並び方向と直交する方向に所
定の色光例えばR(赤)、G(緑),B(青)の3原色
の色光に分解し反射回折させている。
【0027】4は受光手段であり、3つのラインセンサ
ー(CCD)8,9,10を互いに平行となるように同
一基板面上に配置した所謂モノリシック3ラインセンサ
ーより成っている。各ラインセンサー8,9,10面上
には各々の色光に基づく不図示の色フィルターが設けら
れており、又各ラインセンサー8,9,10のライン間
隔は色分解手段3の色分解方向に対応し各々異なった値
に設定している。
【0028】本実施例では原稿面1上のカラー画像を不
図示のミラー等より成る走査手段によりライン走査し、
該カラー画像からの光束を結像光学系2により集光し、
1次元ブレーズド回折格子3を介して3つの色光に色分
解した後に各色像を各々対応するラインセンサー8,
9,10面上に結像させている。そして受光手段4によ
り各々の色光に基づくカラー画像をデジタル的に読取っ
ている。
【0029】本実施例の色分解用の反射型1次元ブレー
ズド回折格子3は図2に示すように、該回折格子3によ
り反射回折された光束を−1次光5、0次光6、そして
+1次光7の3方向に分離し結像光学系2による集束球
面波の光束として各々ラインセンサー8,9,10面上
に結像している。
【0030】集束球面波のうち格子ピッチ断面内(図1
(B),図2)(副走査断面内)において光軸に対して
図面上上側から1次元ブレーズド回折格子3へ入射する
光束(以下「上側光束」という)と光軸上より1次元ブ
レーズド回折格子3へ入射する光束、そして光軸に対し
て図面上下側から1次元ブレーズド回折格子3へ入射す
る光束(以下「下側光束」という)とではそれぞれ該1
次元ブレーズド回折格子3に対する入射角が異なってい
る。
【0031】例えば図2に示すように上側光束の入射角
をθ1 、光軸上の光束の入射角をθ0 そして下側光束の
入射角をθ2 としたとき、θ1 >θ0 >θ2 となる関係
で1次元ブレーズド回折格子3へ入射している。
【0032】ここで反射回折における1次回折での反射
回折角θ´と入射各θとは次式に示す関係がある。
【0033】sinθ´−sinθ=±λ/P λ:波長、符号正:+1次、符号負:−1次、P:格子
ピッチ 従って上式より反射回折角θ´は θ´=sin-1(±λ/P+sinθ) ‥‥‥(1) より求めることができる。
【0034】この反射回折角θ´が上述した副走査断面
内で各々異なる。この為結像光学系による集束球面波内
に1次元ブレーズド回折格子を配置した場合、結像面
(受光素子面)内で各次数の回折光の反射回折角θ´の
ズレに相当するボケが生じることになる。
【0035】ここで具体的に数値例を挙げて説明すると
例えば光軸上における光束の入射角θ0 を45°、集束
球面波の収束角βを5.5°、格子ピッチPを160μ
m、光軸に沿った1次元ブレーズド回折格子から受光素
子(3ラインセンサー)面までの距離L0 を35.2m
mとする。この場合、例えば+1次回折光において波長
λ+1=606nmとして上側光束では入射角θ1 =5
0.5°で反射回折角θ1 ´,+1 =50.8°となり、
又下側光束では入射角θ2 =39.5°で反射回折角θ
2 ´,+1 =39.8°となる。又光軸上の光束において
は入射角θ0 =45°で反射回折角θ0 ´,+1 =45.
3°となる。
【0036】この3つの反射回折光束が3ラインセンサ
ー4面に向かう光路を図4に示す。図4は±1次光及び
0次光の反射回折光が3ラインセンサー4面へ向かう光
路図を示したものである。
【0037】同図から明らかなように上側、下側の両光
束はこの断面内において一種の収差をもった形となり+
1次光では3ラインセンサー4の受光素子面上の手前で
集束(結像)してしまい、このとき受光素子面上では幾
何光学的に略75μmのボケが生じてしまう。
【0038】又、同様に波長λ-1=471nmの−1次
回折光においても上記に示した+1次回折光と同様にボ
ケが生じてくる。即ち−1次回折光の上側、下側の両光
束は3ラインセンサー4の受光素子面上の後方で集束
(結像)してしまい、このとき受光素子面上ではやはり
幾何光学的に58μmのボケが生じてしまう。
【0039】一方、0次回折光においては反射型1次元
ブレーズド回折格子は単なる鏡面として作用する為、前
述した±1次回折光で発生する受光素子面上におけるボ
ケは生じない。
【0040】尚、上記算出に用いた反射型1次元ブレー
ズド回折格子の形状は格子厚d1 =d2 =d3 =74
9.5nm、各段幅W1 =W2 =W3 =W4 でかつ周期
ピッチPは
【0041】
【数2】 である。又このときの各次光の回折光における効率ピー
ク波長λは各々次式より求めた。±1次光に対しては
【0042】
【数3】 より(n,m)=(4,2)で波長λ+1は606nm、
波長λ-1は471nm、又0次光に対しては 2d・cosθ0 =m・λ0 ‥‥‥‥(2) より波長λ0 は530nmである。
【0043】又、前述したボケ量は幾何光学的な算出に
基づいて求めたが厳密にキルヒホッフ(kirch h
off)回折によるシミュレーションを行い点像強度分
布を求めた結果を図5〜図7に示す。各図に示すように
双方におけるボケ量は比較的良い一致を示している。
【0044】一般にカラー画像読取装置においてカラー
画像情報を高精度に読み取る為には上記に示したボケ量
は読取時における副走査方向の分解能を損ね許容するこ
とができない量である。
【0045】そこで本実施例においては反射型1次元ブ
レーズド回折格子で反射回折された全ての光束が正しく
受光素子面上に集束(結像)させるようにする為、該1
次元ブレーズド回折格子の格子ピッチを周辺部から他方
の周辺部に向かうにつれて、即ち図面上上側の周辺部か
ら下側の周辺部に向かうにつれて連続的に小さくなるよ
うに変化させて各々の反射各点の反射回折角を制御する
ようにしている。
【0046】これにより各光束が反射型1次元ブレーズ
ド回折格子面への入射角θが異なることに帰因する反射
回折角θ´のズレによる受光素子面上でのボケを効果的
に防止している。
【0047】即ち、前述した数値例に基づいて具体的に
説明すると+1次光の波長λ+1=606nmに於て上側
光束の反射回折角θ1 ´,+1 =50.8°に対しボケる
ことなく3ラインセンサーの受光素子面上に集束(結
像)させる為には本来反射回折角θ1 ´,+1は50.7
5°でなければならない。その為ここでの格子ピッチP
1 は198.5μm、が必要となってくる。
【0048】同様に下側光束に於ても反射回折角θ2
´,+1=39.8°に対しボケることなく3ラインセン
サーの受光素子面上に集束(結像)させる為には本来反
射回折角θ2 ´,+1 =39.86°でなければならな
い。その為ここでの格子ピッチP2 は135.0μmが
必要となってくる。
【0049】そこで本実施例においては格子ピッチを前
述の如く図面上上側周辺部から下側周辺部に向かうにつ
れて連続的に小さくなるように変化させている。即ち図
3(A)に示すように上側A部における格子ピッチP1
を198.5μm、光軸上B部における格子ピッチP0
を160μm、そして図3(B)に示すように下側C部
における格子ピッチP2 を135.0μmとなるように
連続的に小さくして設定している。これにより結像光学
系2を通過したカラー画像からの光束を全て受光素子面
上でボケることなく正しく集束(結像)させている。
【0050】又、上記に於ては+1次光のみについて説
明してきたが、もちろんこの格子ピッチPの変化は−1
次光の波長λ-1=471.1nmに対しても+1次回折
光と同様な効果を得ることができる。
【0051】次に本実施例における1次元ブレーズド回
折格子を反射型より構成したときの特長について透過型
の1次元ブレーズド回折格子と比較して述べる。
【0052】透過型の回折格子はApplied Op
tics誌17巻15号2273〜2279頁(197
8.8.1号)に開示されているように、該透過型の回
折格子に入射した入射光束は透過回折されて主に3方向
に分離されている。この透過型の回折格子は例えばブレ
ーズド波長をλ0 としたとき該ブレーズド波長λ0 に対
し必要な格子厚dTはdT =m・λ0 /(nλ0 −1)
となる。
【0053】ここでnλ0 は媒質の屈折率、m,λ0
前述の実施例と同様な値を用いm=2,λ0 =530n
mとし屈折率nλ0 =1.5程度として算出した場合、
透過型の回折格子の格子厚dT はdT =2120nm必
要となる。
【0054】一方、本発明における反射型1次元ブレー
ズド回折格子の場合(光軸上の光束の入射角が45°)
は前述の如く格子厚dR は749.5nmである。従っ
て透過型の回折格子の格子厚dT は反射型の回折格子の
格子厚dR に比べ約3倍も深い段差を必要とする。
【0055】これは反射型の回折格子を制作するにあた
り極めて困難を伴うものであり、例えば媒質の屈折率を
高めてやれば多少緩和されるものの一般的に1次元ブレ
ーズド回折格子としては加工性及びコスト面等その他か
ら判断して例えばSiO2 のような媒質の屈折率nx
1.5程度のものが多く使用されている。
【0056】更に装置内のスペース効率からみても反射
型の回折格子の方が装置全体のコンパクト化を容易に図
ることができる等の利点も有している。
【0057】本実施例においては結像光学系を射出型テ
レセントリック系となるように構成している。これは次
の理由からによる。
【0058】即ち、主走査断面内の画角に応じた各光束
の回折格子への入射角が一定でない場合ブレーズド波長
λ0 は次式に従って変化してくる。
【0059】具体的に示すと画角に応じた主走査面内の
入射角α´を20°とし、テレセントリック系でない通
常の結像光学系と反射型1次元ブレーズド回折格子を用
いた場合ブレーズド波長λ0 は約30nmもシフトして
しまう。
【0060】このブレーズド波長λ0 のシフトズレを防
止する為に本実施例においては結像光学系を射出型テレ
セントリック系になるように構成し、該結像光学系から
の出射光の各画角の主光線が常に主走査断面内で垂直入
射するようにしている。
【0061】図8は本発明の実施例2の光学系の要部概
略図である。本実施例においては色分解手段としての反
射型1次元ブレーズド回折格子40の形状を円筒形より
構成することにより、結像光学系を通常の光学系(テレ
セントリック系ではない)より構成している。
【0062】今、画角αで入射した光束が結像光学系2
により射出側で例えば角度α´で出射したとする。この
とき図9に示すように円筒形状でない通常の反射型1次
元ブレーズド回折格子を用いたとする。そうするとそれ
から反射回折された光束が受光手段4の1つのラインセ
ンサー4に入射する際の距離は軸上においてL0 、出射
角α´の軸外ではL1 となる。ここにL1 =L0 /co
sα´である。(尚、図8、図9においては破線で示す
ように光路を展開した状態で示している。通常の光学系
ではα≒α´となっている。)この為、1次元ブレーズ
ド回折格子と受光素子面との間の各出射角α´に対する
光路長は軸上(α´=0)と軸外(α≠0)では異なり
一定とはならない。
【0063】尚、ここで各光束における反射型1次元ブ
レーズド回折格子への入射角θと副走査方向における受
光素子面上の位置(分離距離)Zとは次式に示す関係が
ある。
【0064】 Z=L・tan{sin-1(±λ/p+sinθ)−θ} ……(4) 符号正:+1次、符号負:−1次、L;L0 orL1 この為、上記(4)式に示す如く受光素子面上の各入射
角α´によって位置Zは一定とはならず、即ち直線上に
平行に並ぶ各ラインセンサー面上には一定波長の光束が
正しく結像されない。
【0065】そこで本実施例においては上記の問題点を
解決する為に図8に示すように主走査断面内(有限画
角)における出射角α´の存在により反射型1次元ブレ
ーズド回折格子40が作り付けられた基板を結像光学系
の射出瞳を中心とする円筒面とし、各画角に対応する射
出主光線が常に該回折格子40に垂直入射するようにし
ている。これにより当該断面内の入射角依存によるブレ
ーズド波長のシフトを効果的に防止している。
【0066】一方、当該回折格子40で反射回折された
後、3ラインセンサー4の受光素子面に至る光路長は軸
上(α´=0)でL0 =g−R、軸外(α´≠0)でL
1 ´=g/cosα´−Rとなり、双方は一定とはなら
ず前記(4)式と同様の内容で各ラインセンサーの受光
素子面に反射回折光は正しく結像しない。
【0067】これを除去する為に反射型1次元ブレーズ
ド回折格子40の格子ピッチpを前記実施例1と同様に
副走査断面内において上側周辺部から下側周辺部にかけ
て連続的に小さくすると共に図10に示すように光軸に
対し主走査断面内で対称に軸上から軸外(中心部から周
辺部)に向かうにつれて大きくなるように(図10にお
けるP→P´)各々設定している。
【0068】これにより1次回折角を変化させ結果的に
軸上から軸外まで全て正しく直線上に平行に並んだライ
ンセンサー(受光素子)4面上に結像させている。
【0069】この様に本実施例においては反射型1次元
ブレーズド回折格子40の形状を円筒形より構成し、か
つ格子ピッチの配列を前述の如く適切に設定している。
これにより結像光学系を通常の光学系で構成しても正し
く分光分離を行い、カラー画像情報を各色光ごとに高精
度に読取っている。
【0070】図11は本発明の実施例3に係る受光手段
50の概略図である。前述の実施例2では反射型1次元
ブレーズド回折格子40の基板を主走査断面内で円筒面
としたが本実施例においては逆に受光手段としてのモノ
リシック3ラインセンサー50のセンターライン52を
挟む両側の2つのラインセンサー51,53を平行から
外し同図に示すような構成としている。これにより該回
折格子基板を平板のままとし、前記(4)式に従うZ方
向のシフトをラインセンサーの受光部の各画素の位置シ
フトにより吸収している。
【0071】一方、1次元ブレーズド回折格子の基板を
平板とすることにより発生する入射角α´に依存するブ
レーズド波長のシフトに関しては図12に示すように該
回折格子60の主走査断面方向の軸上から軸外(中心部
から周辺部)に向かって格子厚を連続的に格段共に同比
率で厚くしていくことにより解決している。
【0072】具体的に数値例を挙げて説明すると前述し
た実施例1の1次元ブレーズド回折格子を用いた場合、
入射角α´=20°においては格子厚dを入射角α´
=0°での格子厚d1 =749.5nmに対してd1
797.6nmと厚くすることによりブレーズド波長λ
0 =530nmを一定に保っている。
【0073】図13は本発明の実施例4の色分解手段と
しての反射型1次元ブレーズド回折格子70の説明図で
ある。
【0074】本実施例においての反射型の回折格子70
は3次元構造より成っており格子ピッチPを光軸中心か
ら主走査断面方向の周辺部に向かうにつれて徐々に大き
くしていく(Pc→Pe)と共に前記実施例1と同様に
副走査断面で上側周辺部から下側周辺部に向けて連続的
に格子ピッチPが小さくなるように変化させている。
【0075】これによりラインセンサー面上における回
折結像位置ズレを防止し、かつ±1次回折光の副走査断
面方向のボケの発生を押えている。又実施例3と同様に
格子厚を軸上から軸外(中心部から周辺部)に向けて連
続的に厚くしていく(hc→he)ことにより画角α´
によるブレーズド波長のシフトを効果的に防止してい
る。
【0076】この様に平板基板上に形成された3次元構
造よりなる反射型の回折格子70を用いることにより結
像光学系にテレセントリック系を用いずにカラー画像読
取装置を構成している。
【0077】尚、以上の実施例で示したうちで格子ピッ
チ及び格子厚の格子面上での変化を連続的であるとした
が、この変化に限らす例えば複数のステップで分割して
変化を与えても前述の実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0078】
【発明の効果】本発明によればカラー画像を色分解手段
としての反射型1次元ブレーズド回折格子を介してモノ
リシック3ラインセンサーより成る受光手段で読み取る
際、該1次元ブレーズド回折格子の格子ピッチ又は格子
厚を格子面上で適切に変化させて設定することにより、
結像光学系からの出射光束である集束球面波が反射型1
次元ブレーズド回折格子に入射する際、副走査断面内で
各光束の格子面への入射角が異なることに帰因する反射
回折角のズレによる±1次回折光の副走査方向のボケを
効果的に除去することができ高精度にカラー画像の読取
りができるカラー画像読取装置を達成することができ
る。
【0079】又、併せて反射型の回折格子を3次元構造
より構成することで結像光学系にテレセントリック系を
用いずにコンペンショナルな通常の光学系を用いて構成
することができるカラー画像読取装置を達成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部平面図と要部側面
【図2】 図1の結像光学系を通過した後の光束の光
路を示した一部分の説明図
【図3】 図2に示した反射型1次元ブレーズド回折
格子の一部分の拡大説明図
【図4】 各次光の反射回折光が3ラインセンサーへ
向かう光路を示した光路図
【図5】 従来の+1次光における回折パターン図
【図6】 従来の0次光における回折パターン図
【図7】 従来の−1次光における回折パターン図
【図8】 本発明の実施例2の要部概略図
【図9】 本発明の構成と比較説明する為の要部概略
【図10】 本発明の実施例2の回折格子の説明図
【図11】 本発明の実施例3の受光手段の要部概略図
【図12】 本発明の実施例3の回折格子の説明図
【図13】 本発明の実施例4の回折格子の斜視図
【図14】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【図15】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【図16】 モノリシック3ラインセンサーの説明図
【図17】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【符号の説明】
1 原稿面 2 結像光学系 3,40,60 反射型1次元ブレーズド回折格子 4,50 受光手段(モノリシック3ラインセンサ
ー) 5,6,7 反射回折光 8,9,10 ラインセンサー 51,52,53 ラインセンサー 70 反射型回折格子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を結像光学系により3つのラ
    インセンサーを同一基板面上に配置した受光手段面上に
    結像させ、該受光手段で該カラー画像を読取る際、該結
    像光学系と該受光手段面との間の光路中に入射光束を3
    つの色光に色分解する反射型1次元ブレーズド回折格子
    より成る色分解手段を設けると共に、該反射型1次元ブ
    レーズド回折格子の格子ピッチがそのピッチ方向に連続
    的に変化していることを特徴とするカラー画像読取装
    置。
  2. 【請求項2】 前記3つのラインセンサーは互いに平行
    となるように配置しており、前記結像光学系は射出型テ
    レセントリック系より構成しており、前記色分解手段は
    入射光束を該ラインセンサーの画素の並び方向と直交す
    る方向に色分解していることを特徴とする請求項1記載
    のカラー画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記反射型1次元ブレーズド回折格子の
    格子ピッチは少なくとも一方の周辺部から他方の周辺部
    にかけて連続的に小さくなるように又は大きくなるよう
    に設定していることを特徴とする請求項1記載のカラー
    画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記反射型1次元ブレーズド回折格子の
    格子ピッチは前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけ
    て順次大きくなるように設定していることを特徴とする
    請求項1記載のカラー画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記反射型1次元ブレーズド回折格子の
    格子厚は前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけて順
    次厚くなるように設定していることを特徴とする請求項
    1記載のカラー画像読取装置。
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