JP3382288B2 - カラー画像読取装置 - Google Patents

カラー画像読取装置

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JP3382288B2
JP3382288B2 JP06751993A JP6751993A JP3382288B2 JP 3382288 B2 JP3382288 B2 JP 3382288B2 JP 06751993 A JP06751993 A JP 06751993A JP 6751993 A JP6751993 A JP 6751993A JP 3382288 B2 JP3382288 B2 JP 3382288B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像読取装置に関
し、特に副走査方向に配列した複数の格子を副走査方向
にそれぞれ格子毎に回動可能に構成した反射型1次元ブ
レーズド回折格子より成る色分解手段と3つのラインセ
ンサー(受光素子)を同一基板面上に設けた受光手段と
を利用することにより、原稿面上のカラー画像情報を高
精度に読取ることができる、例えばカラースキャナやカ
ラーファクシミリ等に好適なカラー画像読取装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より原稿面上のカラー画像情報を光
学系を介してラインセンサー(CCD)面上に結像させ
て、このときのラインセンサーからの出力信号を利用し
てカラー画像情報をデジタル的に読取る装置が種々と提
案されている。
【0003】例えば図9は従来のカラー画像読取装置の
光学系の要部概略図である。同図では原稿面11上のカ
ラー画像からの光束を結像レンズ19で集光し後述する
ラインセンサー面上に結像させる際、該光束を3Pプリ
ズム20を介して例えば赤色(R)、緑色(G)、青色
(B)の3色に色分解した後、各々のラインセンサー2
1,22,23面上に導光している。そして各ラインセ
ンサー21,22,23面上に結像したカラー画像を各
々副走査方向にライン走査し各色光毎に読取りを行なっ
ている。
【0004】図10は従来のカラー画像読取装置の光学
系の要部概略図である。同図では原稿面11上のカラー
画像からの光束を結像レンズ29で集光し後述するライ
ンセンサー面上に結像させる際、該光束を2色性を有す
る波長選択透過膜が付加された2つの色分解用のビーム
スプリッター30,31を介して3色に対応する3つの
光束に分離している。
【0005】そして該3つの色光に基づくカラー画像を
3つのラインセンサーを同一基板面上に設けた所謂モノ
リシック3ラインセンサー32面上に各々結像させてい
る。これによりカラー画像を副走査方向にライン走査し
各色光毎に読取りを行なっている。
【0006】図11は図10に示したモノリシック3ラ
インセンサー32の説明図であり、該モノリシック3ラ
インセンサー32は同図に示すように3つのラインセン
サー(CCD)25,26,27を互いに平行となるよ
うに同一基板面上に有限距離離して配置しており、該ラ
インセンサー面上には各々の色光に基づく不図示の色フ
ィルターが設けられている。
【0007】又、各ラインセンサー25,26,27の
間隔S1,S2は様々な製作上の条件から一般的に例え
ば0.1〜0.2mm程度で製作されており、又各単一
素子28の画素幅W1,W2は例えば7μm×7μm、
10μm×10μm程度で設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図9に示すカラー画像
読取装置では3つの独立のラインセンサーを必要とし、
又高精度化が要求され、しかも製作上困難な3Pプリズ
ムを必要とする為、装置全体が複雑化し、又高価となっ
てくる。更に結像光束と各ラインセンサーとの合致調整
を各々独立に3回行なう必要があり、組立調整が面倒と
なる等の問題点があった。
【0009】
【外1】 今、製作上好ましいラインセンサーの各ライン間の距離
を0.1〜0.2mm程度とするとビームスプリッター
30,31の板厚xは35〜70μm程度となる。
【0010】一般にこのような薄い厚さで光学的に平面
性を良好に維持したビームスプリッターを構成すること
は大変難しく、このような厚さのビームスプリッターを
用いるとラインセンサー面上に結像させるカラー画像の
光学性能が低下してくるという問題点があった。
【0011】一方、図12に示すようにモノリシック3
ラインセンサーの中央のライン26に対する他の2つの
ライン25,27のライン間の距離S1,S2は一般的
に各反対方向に等距離、かつ副走査方向の画素サイズ
(図11参照)W2の整数倍になるように設定してい
る。これは次の理由からによる。
【0012】即ち、図12に示すように通常の結像光学
系45のみを用いて上記に示したモノリシック3ライン
センサーでカラー画像の読取りを行なう場合、3つのラ
インセンサー25,26,27で同時に読取れる原稿面
11上の読取位置は同図に示す如く異なる3つの位置2
5´,26´,27´となる。
【0013】この為、原稿面11上の任意の位置に対す
る3色(R,G,B)の各信号成分は同時に読取ること
ができず、それぞれ3ラインセンサーで読取り後、一致
させ合成する必要が生じてくる。
【0014】これには3ラインセンサーの各ライン間の
距離S1,S2を各画素サイズW2の整数倍となるよう
に設定し、これに応じた冗長ラインメモリーを具備した
上で例えばB信号(B色光に基づく信号成分)に対し各
G,R信号(G,R色光に基づく信号成分)を遅延させ
ることによって比較的容易に3色の合成信号成分を得て
いる。
【0015】従って上記の如く3ラインセンサーの中央
のラインセンサー26に対する他の2つのラインセンサ
ー25,27間の距離S1,S2は副走査方向の画素サ
イズW2の整数倍となるように設定しているのである。
【0016】しかしながら上記に示したカラー画像読取
装置において冗長ラインメモリーを3ラインセンサーの
ライン間距離相当に充当することは高価なラインメモリ
ーを複数列具備しなければならず、これはコスト的にみ
て極めて不利となり、又装置全体が複雑化してくる等の
問題点があった。
【0017】本発明は階段状の複数のミラー素子より成
る格子を所定のピッチで配列し、該格子を回動可能に設
定した反射型1次元ブレーズド回折格子を用い入射光束
を少なくとも3色に色分解し、該色光に基づいてカラー
画像を読取る際、該回折格子で分光、分離される各色光
成分の分光エネルギー分布に従って発生する色のにじみ
による読取精度の低下を防止し、即ちカラー画像の読取
りにおける色のにじみによる解像力の低下を防止して、
例えばR,G,Bの3つの色光でカラー画像をデジタル
的に高精度に読取ることのできるカラー画像読取装置の
提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像読取
装置は、カラー画像を副走査手段を介して結像光学系に
より3つのラインセンサーを同一基板面上の副走査方向
に互いに平行となるように配置した受光手段面上に、該
結像光学系と該受光手段面との間の光路中に入射光束を
副走査方向に3つの色光に色分解する1次元ブレーズド
回折格子より成る色分解手段を介して結像させ、該受光
手段で該カラー画像を各色光に基づいて読取る際、該1
次元ブレーズド回折格子は階段状の複数のミラー素子よ
り成る格子を副走査方向に周期的に配列しており、該格
子は電気的手段により副走査方向に回動可能としている
ことを特徴としている。
【0019】
【実施例】図1(A)、(B)は各々本発明の実施例1
の要部平面図(主走査断面)と要部側面図(副走査断
面)、図1(C)は図1(A)に示した反射型の1次元
ブレーズド回折格子3の拡大断面説明図である。図2は
図1(C)に示した1次元ブレーズド回折格子を上方か
ら見たときの説明図である。
【0020】図中、1は原稿面であり、カラー画像が形
成されている。11は副走査手段であり、矢印11aの
如く副走査方向に回動可能となっている。2は結像光学
系であり、本実施例においては射出側の主光線が光軸と
平行となって射出する所謂射出型テレセントリック系と
なるように構成しており、カラー画像に基づく光束を後
述する反射型の1次元ブレーズド回折格子3を介して受
光手段4(モノリシック3ラインセンサー)面上に結像
させている。
【0021】3は色分解手段であり、反射型の1次元ブ
レーズド回折格子より構成している。1次元ブレーズド
回折格子3は階段状の複数のミラー素子より成る格子を
副走査方向(色分解方向)に周期的に繰り返し配列して
いる。該複数の格子は各々、図1(C)の矢印T1で示
すように電気的手段により副走査方向に回動可能となる
ように、即ち反射回折角が変更可能となるように構成し
ている。
【0022】該1次元ブレーズド回折格子3は入射光束
をラインセンサー(8,9,10)の画素の並び方向
(主走査方向)と直交する方向(副走査方向)に所定の
色光、例えばR(赤)、G(緑),B(青)の3原色の
色光に分解し反射回折させている。
【0023】4は受光手段であり、3つのラインセンサ
ー(CCD)8,9,10を副走査方向に互いに平行と
なるように同一基板面上に配置した所謂モノリシック3
ラインセンサーより成っている。各ラインセンサー8,
9,10面上には各々の色光に基づく不図示の色フィル
ターが設けられており、又各ラインセンサー8,9,1
0のライン間隔は色分解手段3の色分解方向に対応し各
々異なった値に設定している。
【0024】本実施例では原稿面1上のカラー画像を原
稿面1と結像光学系2との間に配置したミラー等より成
る副走査手段11によりライン走査している。そして該
カラー画像からの光束を結像光学系2により集光し、1
次元ブレーズド回折格子3により3つの色光に色分解し
ている。そして副走査断面において、該回折格子3を構
成する複数の格子を電気的手段により、それぞれ所定の
角度で微小回動させている。そして受光手段4によりカ
ラー画像を各々の色光に基づいてデジタル的に高精度に
読取っている。
【0025】次に本実施例に係る1次元ブレーズド回折
格子3の形状及び構成について説明する。
【0026】本実施例において1次元ブレーズド回折格
子3の複数の格子を構成する複数のミラー素子は図1
(C)に示すように格子ピッチ(副走査方向の格子幅に
相当)P内にステップ幅L1,L2,L3から成る3階
段の形状より成っており、該各格子で色分解される各次
回折光の偏向反射角が全て同一となるように形成してい
る。
【0027】尚、本実施例においてはミラー素子(格
子)の階段数を3段より形成しているが、これは3段以
上であれば、例えば4段でも5段でも同様である。
【0028】又、1次元ブレーズド回折格子3は、該格
子のピッチPの中央(副走査方向の格子の格子幅の中央
に相当)を回動中心とする回動用ヒンジ13がモノリシ
ックに設けられており、後述する電気的手段により各格
子が、この回動用ヒンジ13を中心に図中矢印T1に示
す如く副走査方向にそれぞれ回動可能となるように構成
している。
【0029】この格子の回動動作は電気的手段により、
例えば各格子の下部にそれぞれ電極板を設け、該電極板
と該格子の下部間に生じる電界の電位差等によってそれ
ぞれ回動させることができる。
【0030】これは公知の例えばDMD素子(電気機械
変調器)、米国特許4728185号に開示されている
発明と同様の技術を持って可能である。
【0031】又、本実施例においては図1(B)に示す
結像光学系2からの射出光束の幅に応じて副走査方向の
格子の配列数を設定している。
【0032】同様に主走査方向の格子の配列数も図1
(A)に示す原稿面1上の画像情報の読み取り幅に応じ
て結像光学系2からの射出光束の幅に対応して選択して
いる。但し、この主走査方向の格子の配列数は原則的に
は1つであっても良い。
【0033】このように本実施例においては図2に示す
如く3ステップ(3階段)のミラー素子から成る格子を
1グループとし、該1グループ毎に電気的手段によりそ
れぞれ副走査断面内で回動可能となるように構成するこ
とにより、カラー画像の読取りにおける色のにじみによ
る解像力の低下を防止し、これにより該カラー画像を高
精度に読み取っている。
【0034】次に本実施例において1次元ブレーズド回
折格子3を構成する各格子を電気的手段により、副走査
方向にそれぞれ回動させて読取り精度を向上させる原理
について説明する。
【0035】1次元ブレーズド回折格子3で分光、分離
された各次回折光のうち±1次回折光は各次成分中に図
3に示す分光エネルギー分布を有している。この成分内
の波長に基づくカラー画像が結像面であるラインセンサ
ー8,10面上の副走査断面内で所定の拡がりを持って
結像している。
【0036】即ち、結像面(受光手段4面)での各色光
の波長における結像位置(到達位置)の拡がり量をδと
したとき、該拡がり量δは図4に示す説明図(座標)か
ら以下の式より求めることができる。
【0037】 δ=L0 ・tan{sin-1(±λ/P+sinθ0 )−θ0 } …(1) 但し L0 :光軸に沿った1次元ブレーズド回折格子3
から受光素子面までの距離 λ :光束の波長 P :格子ピッチ θ0 :光軸上の光束の入射角 尚、図3に示す各次光の分光エネルギー分布は1次元ブ
レーズド回折格子3の回折効率と光源、そしてフィルタ
ー等の光学性能が全て総合されたときのものである。
【0038】ここで前記(1)式に従い結像面上での各
次光の拡がり量δを算出すると、例えば各次光のピーク
エネルギー値の10%の強度幅で±1次光成分の拡がり
量δは25μm程度となる。
【0039】但し、この拡がり量δは入射角θ0 =30
deg、格子ピッチP=120μm、回折格子3からラ
インセンサー面までの距離L0 =44mmとして算出し
ている。
【0040】尚、0次回折光においては1次元ブレーズ
ド回折格子3は単なる鏡面として作用する為、±1次回
折光で発生する色のにじみは存在しない。
【0041】一方、ラインセンサーの各単一素子の画素
幅(開口径)は一般的に10μmで設定されているもの
が多く、このことから上記の結像面上での±1次回折光
の拡がり量δは素子の開口径(開口幅)に対し2.5倍
程度の拡がりを持つことになり、これはカラー画像の解
像力を低下させる原因につながってくる。
【0042】カラー画像の色を忠実に読取るカラー画像
読取装置において、各R,G,Bの色光成分内の分光エ
ネルギー分布の波長幅を、例えば色のにじみが発生する
からといって、いたずらに狭くすることは読取精度を低
下させる原因となり、光学的に望ましくない。
【0043】ここで上記の現象について模式的に示した
図4を用いて説明する。
【0044】同図において副走査断面内においてのライ
ンセンサーの単一素子の画素幅(開口幅)をLS、1次
元ブレーズド回折格子3で分離された−1次光成分の光
束を5aとしたとき、同図から分かるように光束5aは
画素幅LSよりも大きく拡がった量を持って結像してい
ることが分かる。このときの拡がり量δをLBとする。
従来ではこれが原因となって受光素子面上において色の
にじみが発生し解像力を低下させていた。
【0045】又、このような装置においてカラー画像
(被写体)を副走査手段11で走査するのに伴ない、例
えば回折格子3で分離された−1次光成分の光束5aは
受光素子(画素幅LS)面上を速度Vで走査している。
【0046】このときの受光素子の一蓄積時間をtとし
たとき、該一蓄積時間tはt=LS/Vとなる。
【0047】そこで本実施例においては、この一蓄積時
間t内で拡がり量LBと画素幅LSの比、LB/LSだ
け回折格子3を構成する各格子を副走査方向にそれぞれ
回動させて相対速度を上げて上記の問題点を解決してい
る。
【0048】即ち、このとき各格子を回動させたときの
受光手段4面上における光像の速度をV´としたときV
´=V×LB/LSとなるように各格子を副走査手段に
よる走査方向と同一方向(副走査方向)にそれぞれ微小
回動させている。
【0049】これにより−1次回折光におけるバンド波
長幅内の波長成分に従う反射回折角の微小な異なりに起
因するラインセンサー面上での色のにじみの発生に伴な
う色再現及び解像力の低下を防止し、高精度にカラー画
像を読取っている。尚、+1次回折光に対しても−1次
回折光と同様である。
【0050】ここで具体的な数値例を挙げて説明する。
【0051】例えば副走査手段11による受光素子面上
の光像の等速走査速度(走査読取速度)Vを3.15m
m/sec(カラー画像面上の走査速度を20mm/s
ec、結像倍率βを1/6.35倍)、ラインセンサー
の単一素子の画素幅LSを10μmとしたとき、記録密
度400dpiで読取ったとすれば受光素子における一
蓄積時間tは t=0.01/3.15=3.175sec となる。この一蓄積時間t(3.175sec)に1次
元ブレーズド回折格子3を構成する各格子を副走査方向
に微小回動させて走査している。
【0052】このときの各格子の回折角は周波数315
Hzで約1´であり、これは電気的手段により、例えば
前述したDMD素子等を利用すれば容易に製作すること
ができる。
【0053】又、例えば等速走査速度Vが150mm/
sec程度のときでも周波数24KHzで充分対応する
ことができる。又、メカニカルな回動の戻り時間を考慮
して上記の2倍の速さで走査したとしても本実施例は充
分に実現できる。
【0054】次に本実施例の各要素の構成上の特徴につ
いて説明する。
【0055】本実施例においては結像光学系を射出型テ
レセントリック系となるように構成している。これは次
の理由からによる。
【0056】即ち、主走査断面内の画角に応じた各光束
の回折格子への入射角が一定でない場合ブレーズド波長
λ0 は次式に従って変化してくる。
【0057】
【数1】 具体的に示すと画角に応じた主走査面内の入射角α´を
20°とした場合、通常の光学系より成る結像光学系と
前述した反射型の1次元ブレーズド回折格子を用いた場
合、ブレーズド波長λ0 は約30nmもシフトしてしま
う。
【0058】このブレーズド波長λ0 のシフトズレを防
止する為に本実施例においては結像光学系を射出型テレ
セントリック系になるように構成し、該結像光学系から
の出射光の各画角の主光線が常に主走査断面内で垂直入
射するようにしている。
【0059】但し、画角を特に大きくとる必要のない光
学系を用いた場合にはテレセントリック光学系は必須で
ないことは言うまでもない。
【0060】本実施例における1次元ブレーズド回折格
子は反射型でも透過型でも適用可能である。本実施例で
は反射型より構成している。反射型より構成したときの
特長について透過型の1次元ブレーズド回折格子と比較
して述べる。
【0061】透過型の回折格子はApplied Op
tics誌17巻15号2273〜2279頁(197
8.8.1号)に開示されているように、該透過型の回
折格子に入射した入射光束は透過回折されて主に3方向
に分離されている。この透過型の回折格子は例えばブレ
ーズド波長をλ0 としたとき該ブレーズド波長λ0 に対
し必要な格子厚dT はdT =m・λ0 /(nλ0 −1)
となる。
【0062】ここでnλ0 は媒質の屈折率、m,λ0
m=2,λ0 =530nmとし屈折率nλ0 =1.5程
度として算出した場合、透過型の回折格子の格子厚dT
はdT =2120nm必要となる。
【0063】一方、反射型の1次元ブレーズド回折格子
の場合(例えば光軸上の光束の入射角が45°)は格子
厚dR は749.5nmである。透過型の回折格子の格
子厚dT は反射型の回折格子の格子厚dR に比べ約3倍
深い段差を必要とする。
【0064】一般に装置内のスペース効率からすると反
射型の回折格子の方が装置全体のコンパクト化には有利
である。
【0065】図5は本発明の実施例2の光学系の要部概
略図である。
【0066】本実施例においては色分解手段としての反
射型の1次元ブレーズド回折格子40の形状を円筒形よ
り構成することにより、結像光学系を通常の光学系(テ
レセントリック系ではない)より構成している。
【0067】今、画角αで入射した光束が結像光学系2
により射出側で例えば角度α´で出射したとする。この
とき図6に示すように円筒形状でない通常の反射型の1
次元ブレーズド回折格子を用いたとする。そうするとそ
れから反射回折された光束が受光手段4の1つのライン
センサーに入射する際の距離は軸上においてL0 、出射
角α´の軸外ではL1 となる。ここにL1 =L0 /co
sα´である(尚、図5、図6においては破線で示すよ
うに光路を展開した状態で示している。通常の光学系で
はα≒α´となっている。)。
【0068】この為、1次元ブレーズド回折格子と受光
素子面との間の各出射角α´に対する光路長は軸上(α
´=0)と軸外(α≠0)では異なり一定とはならな
い。
【0069】そこで本実施例においては上記の問題点を
解決する為に図5に示すように主走査断面内(有限画
角)における出射角α´の存在により反射型の1次元ブ
レーズド回折格子40が作り付けられた複数の格子から
成る基板を結像光学系の射出瞳を中心とする円筒面と
し、各画角に対応する射出主光線が常に該回折格子40
に垂直入射するようにしている。これにより当該断面内
の入射角依存によるブレーズド波長のシフトを効果的に
防止している。
【0070】一方、当該回折格子40で反射回折された
後、3ラインセンサー4の受光素子面に至る光路長は軸
上(α´=0)でL0 =g−R、軸外(α´≠0)でL
1 ´=g/cosα´−Rとなり、双方は一定とはなら
ず各ラインセンサーの受光素子面に反射回折光は正しく
結像しない。
【0071】これを除去する為に反射型の1次元ブレー
ズド回折格子40の格子ピッチPを次式(3)に基づ
き、図7に示すように光軸に対し主走査断面内で対称に
軸上から軸外(中心部から周辺部)に向かうにつれて大
きくなるように(図7におけるP→P´)ピッチ寸法を
各々設定している。
【0072】これにより1次回折角を変化させ結果的に
軸上から軸外まで全て正しく直線上に平行に並んだライ
ンセンサー(受光素子)4面上に結像させている。
【0073】ここに反射回折における1次回折での反射
回折角θ´と入射角θとは θ´=sin-1(±λ/P+sinθ) ……(3) λ:波長 P:格子ピッチ 符号正:+1次 符号負:−1次 で関係づけられている。
【0074】このように本実施例においては反射型の1
次元ブレーズド回折格子40の形状を円筒形より構成
し、かつ格子ピッチの配列を前述の如く適切に設定して
いる。これにより結像光学系を通常の光学系で構成して
も正しく分光分離を行なっている。
【0075】図8は本発明の実施例3の反射型の1次元
ブレーズド回折格子の説明図である。
【0076】同図においての複数の格子から成る反射型
の1次元ブレーズド回折格子80は同図に示すように該
回折格子80の主走査断面方向の軸上から軸外(中心部
から周辺部)に向かって格子厚を連続的に各段共に同比
率で厚くして形成している。これにより1次元ブレーズ
ド回折格子80の基板を平板とすることによって発生す
る入射角に依存するブレーズド波長のシフトを防止して
いる。
【0077】又、この他前述の実施例2で示したように
1次元ブレーズド回折格子の格子ピッチPを光軸中心か
ら主走査断面方向の周辺部に向かうにつれて徐々に変化
(大きく)させていくと共に本実施例の如く格子厚を軸
上から軸外(中心部から周辺部)に向けて連続的に変化
(厚く)させていくことにより、該回折格子の基板を平
板のまま結像光学系にテレセントリック系を用いなくて
も正しく分光分離が行なえるカラー画像読取装置を構成
することができる。
【0078】尚、以上の実施例で示したうちで格子ピッ
チ及び格子厚の格子面上での変化を連続的であるとした
が、この変化に限らず例えば格子毎の変化であっても、
又複数のステップで分割して変化を与えても前述の実施
例と同様の効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によればカラー画像を前述の如く
構成した色分解手段としての1次元ブレーズド回折格子
を介してモノリシック3ラインセンサーより成る受光手
段で読み取る際、1次元ブレーズド回折格子を構成する
複数の格子を各格子毎に電気的手段によりそれぞれ回動
させることにより、該回折格子により分光、分離される
際に生じる±1次回折光における各バンド波長幅の各波
長成分に従う回折角の微小な異なりに起因する受光素子
面上の色のにじみに伴なう色再現、及び解像力の低下を
防止することができ、高精度に又より高速にカラー画像
の読取りができるカラー画像読取装置を達成することが
できる。
【0080】又、併わせて反射型の1次元ブレーズド回
折格子の格子ピッチ又は格子厚を該格子面上で適切に変
化させて設定することにより、結像光学系にテレセント
リック光学系を用いずにコンペンショナルな通常の光学
系を用いて構成することができるカラー画像読取装置を
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部平面図と要部側面図
と反射型1次元ブレーズド回折格子の一部分の拡大断面
説明図
【図2】 図1(C)に示した回折格子を上方から見た
ときの説明図
【図3】 本発明の実施例1におけるラインセンサー上
の各次回折光の分光エネルギーを示す説明図
【図4】 本発明の実施例1を説明する為の光束の拡が
り量を示した説明図
【図5】 本発明の実施例2の要部概略図
【図6】 本発明の構成と比較説明する為の要部概略図
【図7】 本発明の実施例2の回折格子の説明図
【図8】 本発明の実施例3の回折格子の説明図
【図9】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部概
略図
【図10】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【図11】 モノリシック3ラインセンサーの説明図
【図12】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【符号の説明】
1 原稿面 2 結像光学系 3,40,80 反射型の1次元ブレーズド回折格子 4 受光手段(モノリシック3ラインセンサー) 5,6,7 反射回折光 8,9,10 ラインセンサー 11 副走査手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−289859(JP,A) 特開 平4−361471(JP,A) 特開 平4−21257(JP,A) 特開 平1−124817(JP,A) 特開 平5−292243(JP,A) 特開 平5−34630(JP,A) 特開 昭54−102138(JP,A) 特開 昭63−187125(JP,A) 特開 平4−37358(JP,A) 特開 平3−181269(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 1/04 G02B 27/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を副走査手段を介して結像光
    学系により3つのラインセンサーを同一基板面上の副走
    査方向に互いに平行となるように配置した受光手段面上
    に、該結像光学系と該受光手段面との間の光路中に入射
    光束を副走査方向に3つの色光に色分解する1次元ブレ
    ーズド回折格子より成る色分解手段を介して結像させ、
    該受光手段で該カラー画像を各色光に基づいて読取る
    際、該1次元ブレーズド回折格子は階段状の複数のミラ
    ー素子より成る格子を副走査方向に周期的に配列してお
    り、該格子は電気的手段により副走査方向に回動可能と
    していることを特徴とするカラー画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記格子は少なくとも3段以上の階段状
    のミラー素子から成り、該格子で色分解される各次回折
    光の偏向反射角は同一であることを特徴とする請求項1
    のカラー画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記1次元ブレーズド回折格子の格子ピ
    ッチは前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけて順次
    大きくなるように設定していることを特徴とする請求項
    1のカラー画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記1次元ブレーズド回折格子の格子厚
    は前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけて順次厚く
    なるように設定していることを特徴とする請求項1のカ
    ラー画像読取装置。
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