JPH0534630A - カラー画像読取装置 - Google Patents

カラー画像読取装置

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Publication number
JPH0534630A
JPH0534630A JP21786491A JP21786491A JPH0534630A JP H0534630 A JPH0534630 A JP H0534630A JP 21786491 A JP21786491 A JP 21786491A JP 21786491 A JP21786491 A JP 21786491A JP H0534630 A JPH0534630 A JP H0534630A
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JP
Japan
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color
optical system
color image
diffraction grating
light
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Application number
JP21786491A
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English (en)
Inventor
Michitaka Seya
通隆 瀬谷
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射型1次元ブレーズド回折格子への入射角
の相違による反射回折角の誤差を補正し±1次回折光の
格子ピッチ断面方向の受光素子面上におけるボケの発生
を防止しR,G,Bの3つの色光でカラー画像を高精度
に読み取ることができるカラー画像読取装置を得るこ
と。 【構成】 カラー画像を結像光学系2により3つのライ
ンセンサーを同一基板面上に配置した受光手段4面上に
結像させ、該受光手段4で該カラー画像を読取る際、該
結像光学系2と該受光手段4面との間の光路中に入射光
束を3つの色光に色分解する反射型1次元ブレーズド回
折格子より成る色分解手段3を設けると共に該カラー画
像と該色分解手段3との間の光路中に副走査断面に於い
て負の屈折力を有する第1アナモルフィック光学系91
と、該色分解手段3と該受光手段4との間の光路中に副
走査断面に於いて正の屈折力を有する第2アナモルフィ
ック光学系92とを設けたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー画像読取装置に関
し、特に副走査断面に於いて所定の屈折力を有するシリ
ンドリカルレンズより成るアナモルフィック光学系と反
射型1次元ブレーズド回折格子より成る色分解手段そし
て3つのラインセンサー(受光素子)を同一基板面上に
設けた受光手段とを利用することにより、入射角度の相
違による反射回折角のズレによる受光素子面上のボケを
防止し、原稿面上のカラー画像情報を高精度に読取るよ
うにした例えばカラースキャナやカラーファクシミリ等
に好適なカラー画像読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より原稿面上のカラー画像情報を光
学系を介してラインセンサー(CCD)面上に結像させ
て、このときのラインセンサーからの出力信号を利用し
てカラー画像情報をデジタル的に読取る装置が種々と提
案されている。
【0003】例えば図16は従来のカラー画像読取装置
の光学系の要部概略図である。同図では原稿面11上の
カラー画像からの光束を結像レンズ19で集光し後述す
るラインセンサー面上に結像させる際、該光束を3Pプ
リズム20を介して例えば赤色(R)、緑色(G)、青
色(B)の3色に色分解した後、各々のラインセンサー
21,22,23面上に導光している。そして各ライン
センサー21,22,23面上に結像したカラー画像を
各々副走査方向にライン走査し各色光毎に読取りを行な
っている。
【0004】図17は従来のカラー画像読取装置の光学
系の要部概略図である。同図では原稿面11上のカラー
画像からの光束を結像レンズ29で集光し後述するライ
ンセンサー面上に結像させる際、該光束を2色性を有す
る波長選択透過膜が付加された2つの色分解用のビーム
スプリッター30,31を介して3色に対応する3つの
光束に分離している。
【0005】そして該3つの色光に基づくカラー画像を
3つのラインセンサーを同一基板面上に設けた所謂モノ
リシック3ラインセンサー32面上に各々結像させてい
る。これによりカラー画像を副走査方向にライン走査し
各色光毎に読取りを行なっている。
【0006】図18は図17に示したモノリシック3ラ
インセンサー32の説明図であり、該モノリシック3ラ
インセンサー32は同図に示すように3つのラインセン
サー(CCD)25,26,27を互いに平行となるよ
うに同一基板面上に有限距離離して配置しており、該ラ
インセンサー面上には各々の色光に基づく不図示の色フ
ィルターが設けられている。
【0007】又、各ラインセンサー25,26,27の
間隔S1,S2は様々な製作上の条件から一般的に例え
ば0.1〜0.2mm程度で製作されており、又各単一
素子28の画素幅W1,W2は例えば7μm×7μm、
10μm×10μm程度で設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図16に示すカラー画
像読取装置では3つの独立のラインセンサーを必要と
し、又高精度化が要求され、しかも製作上困難な3Pプ
リズムを必要とする為、装置全体が複雑化し、又高価と
なってくる。更に結像光束と各ラインセンサーとの合致
調整を各々独立に3回行なう必要があり、組立調整が面
倒となる等の問題点があった。
【0009】
【外1】 今、製作上好ましいラインセンサーの各ライン間の距離
を0.1〜0.2mm程度とするとビームスプリッター
30,31の板厚xは35〜70μm程度となる。
【0010】一般にこのような薄い厚さで光学的に平面
性を良好に維持したビームスプリッターを構成すること
は大変難しく、このような厚さのビームスプリッターを
用いるとラインセンサー面上に結像させるカラー画像の
光学性能が低下してくるという問題点があった。
【0011】一方、図19に示すようにモノリシック3
ラインセンサーの中央のライン26に対する他の2つの
ライン25,27のライン間の距離S1,S2は一般的
に各反対方向に等距離、かつ副走査方向の画素サイズ
(図18参照)W2の整数倍になるように設定してい
る。これは次の理由からによる。
【0012】即ち、図19に示すように通常の結像光学
系45のみを用いて上記に示したモノリシック3ライン
センサーでカラー画像の読取りを行なう場合、3つのラ
インセンサー25,26,27で同時に読取れる原稿面
11上の読取位置は同図に示す如く異なる3つの位置2
5´,26´,27´となる。
【0013】この為、原稿面11上の任意の位置に対す
る3色(R,G,B)の各信号成分は同時に読取ること
ができず、それぞれ3ラインセンサーで読取り後、一致
させ合成する必要が生じてくる。
【0014】これには3ラインセンサーの各ライン間の
距離S1,S2を各画素サイズW2の整数倍となるよう
に設定し、これに応じた冗長ラインメモリーを具備した
上で例えばB信号(B色光に基づく信号成分)に対し各
G,R信号(G,R色光に基づく信号成分)を遅延させ
ることによって比較的容易に3色の合成信号成分を得て
いる。
【0015】従って上記の如く3ラインセンサーの中央
のラインセンサー26に対する他の2つのラインセンサ
ー25,27間の距離S1,S2は副走査方向の画素サ
イズW2の整数倍となるように設定しているのである。
【0016】しかしながら上記に示したカラー画像読取
装置において冗長ラインメモリーを3ラインセンサーの
ライン間距離相当に充当することは高価なラインメモリ
ーを複数列具備しなければならず、これはコスト的にみ
て極めて不利となり、又装置全体が複雑化してくる等の
問題点があった。
【0017】本発明は色分解手段としての反射型1次元
ブレーズド回折格子を用い色分解してカラー画像を読取
る際、該カラー画像と該反射型1次元ブレーズド回折格
子との間に副走査断面のみ負の屈折力を有するシリンド
リカルレンズより成る第1アナモルフィック光学系と、
該反射型1次元ブレーズド回折格子と受光手段との間に
副走査断面のみ正の屈折力を有するシリンドリカルレン
ズより成る第2アナモルフィック光学系とを設けること
により該反射型1次元ブレーズド回折格子の入射角の異
なることに起因する反射各点からの反射回折角のズレに
よる±1次回折光の格子ピッチ断面方向(副走査方向)
の受光素子面上におけるボケの発生を効果的に防止し、
例えばR,G,Bの3つの色光でカラー画像をデジタル
的に高精度に読取ることのできるカラー画像読取装置の
提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像読取
装置は、カラー画像を結像光学系により3つのラインセ
ンサーを同一基板面上に配置した受光手段面上に結像さ
せ、該受光手段で該カラー画像を読取る際、該結像光学
系と該受光手段面との間の光路中に入射光束を3つの色
光に色分解する反射型1次元ブレーズド回折格子より成
る色分解手段を設けると共に、該カラー画像と該色分解
手段との間の光路中に副走査断面に於いて負の屈折力を
有する第1アナモルフィック光学系と、該色分解手段と
該受光手段との間の光路中に副走査断面に於いて正の屈
折力を有する第2アナモルフィック光学系とを設けたこ
とを特徴としている。
【0019】
【実施例】図1(A)、(B)は各々本発明の実施例1
の要部平面図(主走査断面)と要部側面図(副走査断
面)である。図中、1は原稿面でありカラー画像が形成
されている。2は結像光学系であり、本実施例に於いて
は射出側の主光線が光軸と平行となって射出する所謂射
出型テレセントリック系となるように構成しており、カ
ラー画像に基づく光束を後述する反射型1次元ブレーズ
ド回折格子を介して受光手段(モノリシック3ラインセ
ンサー)面上に結像させている。
【0020】91は第1アナモルフィック光学系であり
副走査断面に於いて負の屈折力を有するシリンドリカル
レンズより成っており、カラー画像1と後述する色分解
手段3との間に設けている。本実施例の第1アナモルフ
ィック光学系91は該副走査断面において入射してきた
光束を光軸に対して平行となるように変換して射出させ
ている。
【0021】3は色分解手段であり、反射型1次元ブレ
ーズド回折格子より構成しており、入射光束をラインセ
ンサーの画素の並び方向と直交する方向に所定の色光例
えばR(赤)、G(緑),B(青)の3原色の色光に分
解し反射回折させている。
【0022】92は第2アナモルフィック光学系であり
副走査断面に於いて正の屈折力を有するシリンドリカル
レンズより成っており色分解手段3と後述する受光手段
4との間に設けている。本実施例に於いての第2アナモ
ルフィック光学系92は受光手段4面上に反射型1次元
ブレーズド回折格子3で3つの各色光に色分解された光
束を正しく結像させている。
【0023】4は受光手段であり、3つのラインセンサ
ー(CCD)8,9,10を互いに平行となるように同
一基板面上に配置した所謂モノリシック3ラインセンサ
ーより成っている。又各ラインセンサー8,9,10の
ライン間隔は色分解手段3の色分解方向に対応し各々異
なった値に設定している。
【0024】本実施例では原稿面1上のカラー画像を不
図示のミラー等より成る走査手段によりライン走査し、
該カラー画像からの光束を結像光学系2により集光し、
第1アナモルフィック光学系91により副走査断面のみ
屈折させ光軸に対して平行光束となるように変換してい
る。そして該平行光束は1次元ブレーズド回折格子3を
介して3つの色光に色分解し第2アナモルフィック光学
系92により副走査断面のみ屈折させた後に各色像を各
々対応するラインセンサー8,9,10面上に結像させ
ている。そして受光手段4により各々の色光に基づくカ
ラー画像をデジタル的に読取っている。
【0025】ここで本発明の効果を明確にする為反射型
1次元ブレーズド回折格子を用いた従来のカラー画像読
取装置を例にとり該回折格子の基本的な光学的作用につ
いて図2〜図4を用いて説明する。
【0026】図2(A),(B)は各々従来のカラー画
像読取装置の光学系の要部平面図(主走査断面)と要部
側面図(副走査断面)である。
【0027】図3は図2に示した結像光学系を通過した
後の光束の光路を示した一部分の説明図、図4は図3に
示した反射型1次元ブレーズド回折格子の一部分の拡大
説明図である。
【0028】図2に於いての色分解用の反射型1次元ブ
レーズド回折格子3は図3に示すように、該回折格子3
により反射回折された光束を−1次光5、0次光6、そ
して+1次光7の3方向に分離し結像光学系2による集
束球面波の光束として各々ラインセンサー8,9,10
面上に結像している。
【0029】集束球面波のうち格子ピッチ断面内(副走
査断面内)(図2(B),図3)において光軸に対して
図面上上側から1次元ブレーズド回折格子3へ入射する
光束(以下「上側光束」という)と光軸上より1次元ブ
レーズド回折格子3へ入射する光束、そして光軸に対し
て図面上下側から1次元ブレーズド回折格子3へ入射す
る光束(以下「下側光束」という)とではそれぞれ該1
次元ブレーズド回折格子3に対する入射角が異なってい
る。
【0030】例えば図3に示すように上側光束の入射角
をθ1 、光軸上の光束の入射角をθ 0 そして下側光束の
入射角をθ2 としたとき、θ1 >θ0 >θ2 となる関係
で1次元ブレーズド回折格子3へ入射している。
【0031】ここで反射回折における1次回折での反射
回折角θ´と入射各θとは次式に示す関係がある。
【0032】sinθ´−sinθ=±λ/P λ:波長、符号正:+1次、符号負:−1次、P:格子
ピッチ 従って上式より反射回折角θ´は θ´=sin-1(±λ/P+sinθ) ‥‥‥(1) より求めることができる。
【0033】この反射回折角θ´が上述した副走査断面
内で各々異なる。この為結像光学系による集束球面波内
に1次元ブレーズド回折格子を配置した場合、結像面
(受光素子面)内で各次数の回折光の反射回折角θ´の
ズレに相当するボケが生じることになる。
【0034】ここで具体的に数値例を挙げて説明する。
例えば光軸上における光束の入射角θ0 が45°、集束
球面波の収束角βを5.5°、格子ピッチPを160μ
m、光軸に沿った1次元ブレーズド回折格子から受光素
子(3ラインセンサー)面までの距離L0 を35.2m
mとする。この場合、例えば+1次回折光において波長
λ+1=606nmとして上側光束では入射角θ1 =5
0.5°で反射回折角θ1',+1 =50.8°となり、又
下側光束では入射角θ2 =39.5°で反射回折角θ2
´,+1 =39.8°となる。又光軸上の光束においては
入射角θ0 =45°で反射回折角θ0´,+1 =45.3
°となる。
【0035】この3つの反射回折光束が3ラインセンサ
ー4面に向かう光路を図5に示す。図5は±1次光及び
0次光の反射回折光束が3ラインセンサー4面へ向かう
光路図を示したものである。
【0036】同図から明らかなように上側、下側の両光
束はこの断面内において一種の収差をもった形となり+
1次光では3ラインセンサー4の受光素子面上の手前で
集束(結像)してしまい、このとき受光素子面上では幾
何光学的に略75μmのボケが生じてしまう。
【0037】又、同様に波長λ-1=471nmの−1次
回折光においても上記に示した+1次回折光と同様にボ
ケが生じてくる。即ち−1次回折光の上側、下側の両光
束は3ラインセンサー4の受光素子面上の後方で集束
(結像)してしまい、このとき受光素子面上ではやはり
幾何光学的に58μmのボケが生じてしまう。一方、0
次回折光においては反射型1次元ブレーズド回折格子は
単なる鏡面として作用する為、前述した±1次回折光で
発生する受光素子面上におけるボケは生じない。
【0038】尚、上記算出に用いた反射型1次元ブレー
ズド回折格子の形状は格子厚d1 =d2 =d3 =74
9.5nm、各段幅W1 =W2 =W3 =W4 でかつ周期
ピッチPは
【0039】
【数1】 である。又このときの各次光の回折光における効率ピー
ク波長λは各々次式より求めた。±1次光に対しては
【0040】
【数2】 より(n,m)=(4,2)で波長λ+1は606nm、
波長λ-1は471nm、又0次光に対しては 2d・cosθ0 =m・λ0 ‥‥‥‥(2) より波長λ0 は530nmである。
【0041】又、前述したボケ量は幾何光学的な算出に
基づいて求めたが厳密にキルヒホッフ(kirch h
off)回折によるシミュレーションを行い点像強度分
布を求めた結果を図6〜図8に示す。各図に示すように
双方におけるボケ量は比較的良い一致を示している。
【0042】一般にカラー画像読取装置においてカラー
画像情報を高精度に読み取る為には上記に示したボケ量
は読取時における副走査方向の分解能を損ね許容するこ
とができない量である。
【0043】そこで本実施例においては反射型1次元ブ
レーズド回折格子3で反射回折された全ての光束が正し
く受光手段4面上に集束(結像)させるようにする為、
カラー画像1と該反射型1次元ブレーズド回折格子3と
の間に副走査断面のみ負の屈折力を有するシリンドリカ
ルレンズより成る第1アナモルフィック光学系91を設
けている。そして結像光学系2から射出してきた光束を
該副走査断面に於いて光軸に対し平行光束となるように
変換させ該反射型1次元ブレーズド回折格子3へ入射す
る全ての光束に対し入射角が一定となるようにしてい
る。
【0044】これにより該反射型1次元ブレーズド回折
格子3による反射回折角も±1次回折光に対し各波長に
於いて各々一定となるようにしている。又、反射型1次
元ブレーズド回折格子3と受光手段4面との間に副走査
断面のみ正の屈折力を有するシリンドリカルレンズより
成る第2アナモルフィック光学系92を設けている。そ
して第2アナモルフィック光学系92により反射型1次
元ブレーズド回折格子3で3つの色光に色分解した光束
を受光手段4面上にて主走査断面と同一面内で正しく結
像するようにしている。
【0045】即ち、カラー画像1面上の物点から受光手
段4面上の像点に至る光路長が主走査断面と副走査断面
とで光学的に略同等となるようにしている。この様に本
実施例に於いては前述した如く副走査断面に於いて各光
束が反射型1次元ブレーズド回折格子面への入射角θが
異なることに起因する反射回折角θ´のズレによる受光
手段面上でのボケを効果的に防止している。
【0046】更に本実施例に於いては正の屈折力を有す
るシリンドリカルレンズを収差の許容される範囲内でそ
の焦点距離を短焦点に設定することにより副走査断面内
の最終的な集束角を大きくしている。
【0047】即ちシリンドリカルレンズの開口数(N、
A)を明るくすることにより回折限界で決まる結像スポ
ット径を小さくすることができ、これにより一般に光学
的作用に伴なう受光素子開口による解像力の劣化を効果
的に防止している。
【0048】尚、本実施例に於いての第1アナモルフィ
ック光学系を結像光学系内に含んで構成しても同様な効
果を得ることができる。
【0049】次に本実施例における1次元ブレーズド回
折格子を反射型より構成したときの特長について透過型
の1次元ブレーズド回折格子と比較して述べる。
【0050】透過型の回折格子はApplied Op
tics誌17巻15号2273〜2279頁(197
8.8.1号)に開示されているように、該透過型の回
折格子に入射した入射光束は透過回折されて主に3方向
に分離されている。この透過型の回折格子は例えばブレ
ーズド波長をλ0 としたとき該ブレーズド波長λ0 に対
し必要な格子厚dT はdT=m・λ0 /(nλ0 −1)
となる。
【0051】ここでnλ0 は媒質の屈折率、m,λ0
前述の実施例と同様な値を用いm=2,λ0 =530n
mとし屈折率nλ0 =1.5程度として算出した場合、
透過型の回折格子の格子厚dT はdT =2120nm必
要となる。
【0052】一方、本発明における反射型1次元ブレー
ズド回折格子の場合(光軸上の光束の入射角が45°)
は前述の如く格子厚dR は749.5nmである。従っ
て透過型の回折格子の格子厚dT は反射型の回折格子の
格子厚dR に比べ約3倍も深い段差を必要とする。
【0053】これは反射型の回折格子を制作するにあた
り極めて困難を伴うものであり、例えば媒質の屈折率を
高めてやれば多少緩和されるものの一般的に1次元ブレ
ーズド回折格子としては加工性及びコスト面等その他か
ら判断して例えばSiO2 のような媒質の屈折率nx
1.5程度のものが多く使用されている。
【0054】更に装置内のスペース効率からみても反射
型の回折格子の方が装置全体のコンパクト化を容易に図
ることができる等の利点を有している。
【0055】本実施例においては結像光学系を射出型テ
レセントリック系となるように構成している。これは次
の理由からによる。
【0056】即ち、主走査断面内の画角に応じた各光束
の回折格子への入射角が一定でない場合ブレーズド波長
λ0 は次式に従って変化してくる。
【0057】
【数3】 具体的に示すと画角に応じた主走査面内の入射角α´を
20°とし、テレセントリック系でない通常の結像光学
系と反射型1次元ブレーズド回折格子を用いた場合ブレ
ーズド波長λ0 は約30nmもシフトしてしまう。
【0058】このブレーズド波長λ0 のシフトズレを防
止する為に本実施例においては結像光学系を射出型テレ
セントリック系になるように構成し、該結像光学系から
の出射光の各画角の主光線が常に主走査断面内で垂直入
射するようにしている。
【0059】図9は本発明の実施例2の光学系の要部概
略図である。本実施例においては色分解手段としての反
射型1次元ブレーズド回折格子40の形状を円筒形より
構成することにより、結像光学系を通常の光学系(テレ
セントリック系ではない)より構成している。
【0060】今、画角αで入射した光束が結像光学系2
により射出側で例えば角度α´で出射したとする。この
とき図10に示すように円筒形状でない通常の反射型1
次元ブレーズド回折格子を用いたとする。そうするとそ
れから反射回折された光束が受光手段4の1つのライン
センサー4に入射する際の距離は軸上においてL0 、出
射角α´の軸外ではL1 となる。ここにL1 =L0 /c
osα´である。(尚、図9,図10においては破線で
示すように光路を展開した状態で示している。通常の光
学系ではα≒α´となっている。)この為、1次元ブレ
ーズド回折格子と受光素子面との間の各出射角α´に対
する光路長は軸上(α´=0)と軸外(α≠0)では異
なり一定とはならない。
【0061】そこで本実施例においては上記の問題点を
解決する為に図9に示すように主走査断面内(有限画
角)における出射角α´の存在により反射型1次元ブレ
ーズド回折格子40が作り付けられた基板を結像光学系
の射出瞳を中心とする円筒面とし、各画角に対応する射
出主光線が常に該回折格子40に垂直入射するようにし
ている。これにより当該断面内の入射角依存によるブレ
ーズド波長のシフトを効果的に防止している。
【0062】一方、当該回折格子40で反射回折された
後、3ラインセンサー4の受光素子面に至る光路長は軸
上(α´=0)でL0 =g−R、軸外(α´≠0)でL
1 ´=g/cosα´−Rとなり、双方は一定とはなら
ず前記(4)式と同様の内容で各ラインセンサーの受光
素子面に反射回折光は正しく結像しない。
【0063】これを除去する為に反射型1次元ブレーズ
ド回折格子40の格子ピッチPを図11に示すように光
軸に対し主走査断面内で対称に軸上から軸外(中心部か
ら周辺部)に向かうにつれて大きくなるように(図11
におけるP→P´)設定している。
【0064】これにより1次回折角を変化させ結果的に
軸上から軸外まで全て正しく直線上に平行に並んだライ
ンセンサー(受光素子)4面上に結像させている。
【0065】この様に本実施例においては反射型1次元
ブレーズド回折格子40の形状を円筒形より構成し、か
つ格子ピッチの配列を前述の如く適切に設定している。
これにより結像光学系を通常の光学系で構成しても正し
く分光分離を行い、カラー画像情報を各色光ごとに高精
度に読取っている。
【0066】図12は本発明の実施例3に係る受光手段
50の概略図である。前述の実施例2では反射型1次元
ブレーズド回折格子40の基板を主走査断面内で円筒面
としたが本実施例においては逆に受光手段としてのモノ
リシック3ラインセンサー50のセンターライン52を
挟む両側の2つのラインセンサー51,53を平行から
外し同図に示すような構成としている。これにより該回
折格子基板を平板のままとし、前記(4)式に従うZ方
向のシフトをラインセンサーの受光部の各画素の位置シ
フトにより吸収している。
【0067】一方、1次元ブレーズド回折格子の基板を
平板とすることにより発生する入射角α´に依存するブ
レーズド波長のシフトに関しては図13に示すように該
回折格子60の主走査断面方向の軸上から軸外(中心部
から周辺部)に向かって格子厚を連続的に格段共に同比
率で厚くしていくことにより解決している。
【0068】図14は本発明の実施例4の色分解手段と
しての反射型1次元ブレーズド回折格子70の説明図で
ある。
【0069】本実施例においての反射型の回折格子70
は3次元構造より成っており格子ピッチPを光軸中心か
ら主走査断面方向の周辺部に向かうにつれて徐々に大き
くしていく(Pc→Pe)と共に前記実施例3と同様に
格子厚を軸上から軸外(中心部から周辺部)に向けて連
続的に厚くしていく(hc→he)ことにより画角α´
によるブレーズド波長のシフトを効果的に防止してい
る。
【0070】この様に平板基板上に形成された3次元構
造よりなる反射型の回折格子70を用いることにより結
像光学系にテレセントリック系を用いずにカラー画像読
取装置を構成している。
【0071】又、以上の実施例で示したうちで格子ピッ
チ及び格子厚の格子面上での変化を連続的であるとした
が、この変化に限らす例えば複数のステップで分割して
変化を与えても前述の実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0072】図15は本発明の実施例5の結像光学系を
通過した後の光束の光路を示した説明図である。同図に
於いて図1に示した要素と同一要素には同符番を付して
いる。
【0073】本実施例に於いては色分解手段としての反
射型1次元ブレーズド回折格子と前述した第1アナモル
フィック光学系を構成する負の屈折力を有するシリンド
リカルレンズそして第2アナモルフィック光学系を構成
する正の屈折力を有するシリンドリカルレンズとを一体
的に成形し、該一体化された光学部材100を結像光学
系と受光手段との間に設けている。
【0074】この様に一体的に成形した光学部材100
を用いることによっても前述の実施例と同様な効果を得
ることができる。
【0075】又、本実施例に於いてはこの様な形態を採
ることにより通常厳しい精度が要求されている両シリン
ドリカルレンズ間の光軸合わせが不要となり、これによ
り組立調整の簡略化が図れかつ装置全体のコンパクト化
を図っている。
【0076】又、光学部材100の製作工程としては色
分散の比較的小さな樹脂等を用い、回折格子部を含めコ
ンプレッション等のモールド成型プロセスで容易に製作
することができる。
【0077】又、光学部材100の入射側及び射出側の
レンズ面を非球面形状より形成すれば更に結像性能の向
上及び高NA化を図ることができるので良い。
【0078】尚アナモルフィック光学系としては副走査
断面に於いて所定の屈折力を有する光学部材なら何を用
いて構成しても本発明は前述の実施例と同様に適用する
ことができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によればカラー画像を色分解手段
としての反射型1次元ブレーズド回折格子を介してモノ
リシック3ラインセンサーより成る受光手段で読み取る
際、該カラー画像と該反射型1次元ブレーズド回折格子
との間に副走査断面に於いて負の屈折力を有するシリン
ドリカルレンズより成る第1アナモルフィック光学系と
該反射型1次元ブレーズド回折格子と受光手段との間に
副走査断面に於いて正の屈折力を有するシリンドリカル
レンズより成る第2アナモルフィック光学系とを設ける
ことにより、結像光学系からの出射光束である集束球面
波が反射型1次元ブレーズド回折格子に入射する際、副
走査断面内で各光束の格子面への入射角が異なることに
起因する反射回折角のズレによる±1次回折光の副走査
方向のボケを効果的に防止することができ、高精度にカ
ラー画像の読取りができるカラー画像読取装置を達成す
ることができる。
【0080】又、併せて反射型の回折格子を3次元構造
より構成することで結像光学系にテレセントリック系を
用いずに通常の光学系を用いて構成することができるカ
ラー画像読取装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部平面図と要部側面
【図2】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
平面図と要部側面図
【図3】 図2の結像光学系を通過した後の光束の光
路を示した一部分の説明図
【図4】 図3に示した反射型1次元ブレーズド回折
格子の一部分の拡大説明図
【図5】 各次光の反射回折光が3ラインセンサーへ
向かう光路を示した光路図
【図6】 従来の+1次光における回折パターン図
【図7】 従来の0次光における回折パターン図
【図8】 従来の−1次光における回折パターン図
【図9】 本発明の実施例2の要部概略図
【図10】 本発明の構成と比較説明する為の要部概略
【図11】 本発明の実施例2の回折格子の説明図
【図12】 本発明の実施例3の受光手段の要部概略図
【図13】 本発明の実施例3の回折格子の説明図
【図14】 本発明の実施例4の回折格子の斜視図
【図15】 本発明の実施例5の結像光学系を通過した
後の光束の光路を示した一部分の説明図
【図16】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【図17】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【図18】 モノリシック3ラインセンサーの説明図
【図19】 従来のカラー画像読取装置の光学系の要部
概略図
【符号の説明】
1 原稿面 2 結像光学系 91 第1アナモルフィック光学系 92 第2アナモルフィック光学系 3,40,60 反射型1次元ブレーズド回折格子 4,50 受光手段(モノリシック3ラインセ
ンサー) 5,6,7 反射回折光 8,9,10 ラインセンサー 51,52,53 ラインセンサー 70 反射型回折格子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像を結像光学系により3つのラ
    インセンサーを同一基板面上に配置した受光手段面上に
    結像させ、該受光手段で該カラー画像を読取る際、該結
    像光学系と該受光手段面との間の光路中に入射光束を3
    つの色光に色分解する反射型1次元ブレーズド回折格子
    より成る色分解手段を設けると共に、該カラー画像と該
    色分解手段との間の光路中に副走査断面において負の屈
    折力を有する第1アナモルフィック光学系と、該色分解
    手段と該受光手段との間の光路中に副走査断面において
    正の屈折力を有する第2アナモルフィック光学系とを設
    けたことを特徴とするカラー画像読取装置。
  2. 【請求項2】 前記3つのラインセンサーは互いに平行
    となるように配置しており、前記結像光学系は射出型テ
    レセントリック系より構成しており、前記色分解手段は
    入射光束を該ラインセンサーの画素の並び方向と直交す
    る方向に色分解していることを特徴とする請求項1記載
    のカラー画像読取装置。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2アナモルフィック光学系
    はシリンドリカルレンズより構成していることを特徴と
    する請求項1記載のカラー画像読取装置。
  4. 【請求項4】 前記反射型1次元ブレーズド回折格子の
    格子ピッチは前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけ
    て順次大きくなるように設定していることを特徴とする
    請求項1記載のカラー画像読取装置。
  5. 【請求項5】 前記反射型1次元ブレーズド回折格子の
    格子厚は前記結像光学系の光軸中心から周辺にかけて順
    次厚くなるように設定していることを特徴とする請求項
    1記載のカラー画像読取装置。
  6. 【請求項6】 前記第1アナモルフィック光学系は副走
    査断面内において入射光束を略平行光束として射出させ
    る作用を有していることを特徴とする請求項1記載のカ
    ラー画像読取装置。
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