JPH0786840A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JPH0786840A
JPH0786840A JP25493293A JP25493293A JPH0786840A JP H0786840 A JPH0786840 A JP H0786840A JP 25493293 A JP25493293 A JP 25493293A JP 25493293 A JP25493293 A JP 25493293A JP H0786840 A JPH0786840 A JP H0786840A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空管増幅器の動作をシミュレートする。 【構成】 入力信号に応じて真空管式電力増幅器のグリ
ッドに接続されたフィルタ特性をシミュレーションする
Igブロック90、92の出力信号を、真空管式電力増幅器に
おけるグリッド電圧の変化に応じたプレート電流をシミ
ュレートするIp/Eg ブロック98、100 に供給する。Igブ
ロック90、92は、遮断周波数を可変できる高域通過フィ
ルタ手段83の出力信号レベルが大きくなるに連れて、該
遮断周波数を制御ブロック78によって高くする。加算器
102 から得られるIp/Eg ブロック98、100 の加算出力の
レベルをレベル検出部104 で検出し、このレベルが大き
くなるに連れて、乗算器110 、加算器112 、加算器94、
96を用いて、Ip/Eg ブロック98、100 のバイアスを深く
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号処理装置に関し、
特に入力信号にエフェクトを付加するものに関する。
【0002】
【従来の技術】楽音信号に付加されるエフェクトには様
々なものがあり、例えばディストーションやオーバード
ライブがある。このディストーションやオーバードライ
ブのエフェクトをディジタル信号処理により得る場合、
クリップまたはテーブル変換による非線形処理と、ハイ
パスフィルタまたはローパスフィルタ処理とを組み合わ
せることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電気ギター
では、真空管式ギターアンプの音色が好まれる傾向があ
る。特に、過大入力を与えた場合の音色変化が特徴的で
ある。上述したような非線形処理とフィルタ処理との組
合せで得られる音色変化は、この真空管式ギターアンプ
へ過大入力を与えた場合の音色変化とは異なるものであ
り、演奏家が必ずしも満足するものではなかった。同様
に、ダイオードを用いたクリップ回路によってディスト
ーション効果と同様な効果を上記の処理の組合せで得よ
うとしても、演奏家が満足するものとはならない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決したもので、第1の発明は、アナログ信号伝送装
置の入力信号対出力信号の伝達特性の静特性をシミュレ
ートするシミュレーション手段と、このシミュレーショ
ン手段の入力側に設けられ周波数特性が変更制御可能な
フィルタ手段と、このフィルタ手段の出力信号に応じて
このフィルタ手段の周波数特性を制御するフィルタ制御
手段とを、具備するものである。
【0005】第2の発明は、アナログ信号伝送装置の入
力信号対出力信号の伝達特性の静特性をシミュレーショ
ンするシミュレーション手段と、このシミュレーション
手段の出力信号のレベルを検出し、この検出結果に基づ
いて入力信号に付加するバイアスを変化させるバイアス
変化手段とを、具備するものである。
【0006】
【作用】一般に真空管増幅器では、そのグリッドと基準
電位点との間に、抵抗器が接続されている。また、前段
の増幅器から入力信号をグリッドに供給する場合、直流
分を阻止するため、コンデンサを介して入力信号が供給
される。この抵抗器とコンデンサとが高域通過フィルタ
を構成している。そして、このような真空管増幅器にお
いてグリッドへのバイアス電圧を越えるような過大入力
信号をグリッドに供給すると、所定レベル(バイアス電
圧)より大きな入力信号の部分ではグリッド電流が流
れ、真空管のグリッド抵抗値が無限大から小さな値とな
り、真空管増幅器の出力信号は歪んだものとなる。以
下、このような真空管増幅器の動作をオーバードライブ
と称する。このようなオーバードライブのときのグリッ
ド抵抗は、上記抵抗器に並列に接続されているものであ
るので、上記高域通過フィルタの時定数が小さくなり、
高域通過フィルタの遮断周波数が高くなる。
【0007】第1の発明の第1の実施例では、この状態
をシミュレーション可能とするためになされたもので、
その第1の実施例は真空管増幅器のシミュレーション手
段の入力側に高域通過フィルタ手段が設けられており、
その遮断周波数は可変できるように構成されている。そ
して、この高域通過フィルタ手段の出力信号、即ち、真
空管増幅器のシミュレーション手段への入力信号が所定
値を越えると、該入力信号レベルと該所定値との差に応
じて、高域通過フィルタの遮断周波数が高くなり、真空
管増幅器での信号の増幅をシミュレーションできる。
【0008】また、真空管式電力増幅器では、過大入力
によってオーバードライブすると、電源電圧の降下によ
ってバイアス点が変動し、クロスオーバー歪が発生す
る。
【0009】第2の発明では、この状態をシミュレーシ
ョンするために、真空管増幅器のシミュレーション手段
の出力信号のレベル変化が大きくなるほど、このシミュ
レーション手段の入力側のバイアスを深くするバイアス
変化手段が設けてある。
【0010】また、第1の発明の第2の実施例では、ダ
イオードクリップ回路をシミュレーションしたものを示
しておく。
【0011】
【実施例】第1の発明の第1の実施例と第2の発明の実
施例を図1乃至図4によって説明する。この実施例は、
図4に示すような三極真空管式B級プッシュプル増幅器
を、DSP(ディジタル信号処理装置)を使用して、シ
ミュレーションするものである。
【0012】図4のB級プッシュプル増幅器では、初段
の三極真空管2からなる位相反転段4によって、入力端
子6に供給された信号の位相を反転させた位相反転信号
が真空管2のプレートから、位相を反転させていない位
相非反転信号がカソードから、それぞれ出力される。な
お、6、8は、真空管2のカソード抵抗器、負荷抵抗器
である。
【0013】位相反転段4からの位相反転信号は、直流
阻止コンデンサ10を介して駆動段11の三極真空管1
2のグリッドに供給される。同様に位相非反転信号は、
直流阻止コンデンサ14を介して駆動段11の三極真空
管16のグリッドに供給される。18、20は、真空管
12、16のグリッド抵抗器、22、24及び23、2
5は同カソード抵抗器及びバイパスコンデンサ、、2
6、28は同負荷抵抗器である。なお、グリッド抵抗器
18、20、カソード抵抗器22、24の値は、駆動段
がB級プッシュプル増幅器として動作するように選択さ
れている。
【0014】駆動段11の真空管12において、コンデ
ンサ10を介して入力された信号によってグリッド電圧
が変化し、このグリッド電圧の変化が、プレート電流の
変化、即ち出力信号となる。この出力信号は、直流阻止
コンデンサ30を介して出力段31の三極真空管32の
グリッドに供給されている。同様に、駆動段11の真空
管16からの出力信号は、直流阻止コンデンサ34を介
して出力段31の三極真空管36のグリッドに供給され
ている。これによって、真空管12と同様に、真空管3
2、36のプレート電流が変化し、出力信号として取り
出される。38、40は、真空管32、36のグリッド
抵抗器、42、44及び43、45は、同カソード抵抗
器及びバイパスコンデンサである。グリッド抵抗器3
8、40、カソード抵抗器42、44の値は、出力段3
1がB級プッシュプル増幅器として動作するように選択
されている。
【0015】真空管32、36の出力信号は、出力トラ
ンス46の一次側に入力され、二次側からスピーカ(図
示せず)に供給されている。各真空管2、12、16に
は、負荷抵抗器8、26、28及び電圧降下抵抗器57
を介して+Bの直流電圧が印加され、真空管32、36
には、出力トランス46の一次側を介して+Bの直流電
圧が印加されている。この+Bの直流電圧は、交流電源
48からの交流電圧を変圧器50によって変圧し、整流
ダイオード52、54によって整流した後、抵抗器5
6、コンデンサ58、60からなる平滑回路62によっ
て平滑することによって、得ている。
【0016】駆動段11において、直流阻止コンデンサ
10、グリッド抵抗器18によってハイパスフィルタが
構成されており、位相反転段4から入力される信号が小
レベルの状態(通常の増幅動作)では、真空管12のグ
リッド抵抗器は大きな値であるので、このハイパスフィ
ルタの時定数は、コンデンサ10、抵抗器18の値によ
って定まるが、グリッドに通常の増幅動作を越える大振
幅の信号が入力されることにより、グリッド電流が流
れ、グリッド抵抗が小さくなると、これがグリッド抵抗
器18に並列に接続され、時定数が小さくなり、ハイパ
スフィルタの遮断周波数が小さくなる。また、以上のよ
うに時定数が、入力信号の振幅の中心に対して非対称に
変化すると、結果的にコンデンサ10に直流成分が蓄積
され、この蓄積電荷による真空管12のグリッドバイア
スが深くなる現象も発生する。
【0017】このようなハイパスフィルタの遮断周波数
の変動及びバイアスの変化は、他の真空管16、32、
36によっても同様に生じる。
【0018】また、出力段31において、過大入力によ
り出力信号がオーバードライブすると、電源電圧が降下
し、バイアスが深くなり、その結果、クロスオーバー歪
が発生する。
【0019】このようなB級プッシュプル増幅器の動作
をDSPによってシミュレーションするために、DSP
が実現する手段をブロック化して示すと、図1のように
なる。即ち、位相反転段4に対応する位相反転ブロック
4a、駆動段11に対応する駆動ブロック11a、出力
段31に対応する出力ブロック31aが設けられてい
る。
【0020】位相反転ブロック4aは、入力信号を2つ
に分岐させ、分岐出力の一方をそのまま、即ち位相非反
転の状態で駆動ブロック11aに供給し、分岐出力の他
方を位相反転回路64に供給し、位相を反転させて、駆
動ブロック11aに供給する。
【0021】駆動段11aは、位相非反転信号に応じ
て、真空管16のグリッド電流をシミュレートした出力
信号を発生するIgブロック66と、入力信号であるグ
リッド電圧と、そのグリッド電圧に対する真空管16の
プレート電流をシミュレーションした出力信号(実際は
負荷抵抗を介して電圧に変換された出力信号)を発生す
るIp/Egブロック68を有している。同様に、位相
反転信号に対しても、真空管12のグリッド電流をシミ
ュレートするIgブロック70と、同プレート電流をシ
ミュレートするIp/Egブロック72が設けられてい
る。
【0022】Igブロック66、70は共に同一の構成
であり、図4における直流阻止コンデンサ10、14及
びグリッド抵抗器18、20によって構成されたハイパ
スフィルタをシミュレートするものである。これらIg
ブロックの詳細な構成を図2に示す。
【0023】位相非反転信号または位相反転信号xは、
加算器74に供給され、この加算器74の出力信号y
は、Igブロック66、70の出力信号としてIp/E
gブロック68、72に供給される。さらに、この加算
器74の出力信号は、さらに乗算器76において、後述
する制御ブロック78から供給される係数Kと乗算さ
れ、その乗算出力は加算器80に供給される。この加算
器80の出力信号は、遅延回路82において1サンプル
遅延され、その遅延出力は、加算器80、74に供給さ
れている。
【0024】この回路における伝達関数y/xは、数1
で表される。
【数1】 y/x=(1−Z-1)/〔1−(1−K)Z-1〕 この伝達関数から、このIgブロック66、70の加算
器74、乗算器76、加算器80、遅延回路82がハイ
パスフィルタ83として動作することが判る。そして、
Kの値を大きくすればする程、遮断周波数が高くなる。
【0025】Igブロック66、70の出力信号のレベ
ルが大きくなる(真空管12、16のグリッド電圧が大
きくなったのに相当する)と、上記Kの値を大きくする
ために、制御ブロック78が設けられている。制御ブロ
ック78は、比較器90を備えており、出力信号yと基
準値Vとを比較して、選択装置92を制御している。そ
の動作は、出力信号yが基準値Vより小さいとき、選択
装置92は0を選択し、出力信号yが基準値Vよりも大
きいとき、選択装置92は乗算器86の出力を選択する
ようになされている。従って、出力信号yが基準値Vよ
り小さいとき、加算器88でのK0+0の加算結果を係
数Kとして乗算器76に供給している。また、出力信号
yが基準値Vより大きいとき、このIgブロック66、
70の出力信号に相当する加算器74の出力信号yと基
準値vとの差を加算器84によって求め、その差に係数
K1・Cを乗算器86によって乗算し、この乗算値に基
準値K0を加算器88によって加算し、この加算値をK
として乗算器76に供給している。なお、Vは真空管1
2、16においてグリッド電流が流れ始めるグリッド電
圧、Cは適当な定数で、例えば16である。K1は、グ
リッド電流が流れたときのグリッド抵抗値を表す定数で
ある。
【0026】上記のように制御ブロック78が構成され
ているので、出力信号yが基準値Vより大きいときのK
は、数2によって表される。
【数2】K=K0+K1*C*(y−V) 従って、Igブロック66、70の出力信号yがV以下
の場合には、KとしてK0が供給され、遮断周波数はK
0に応じたものとなるが、出力信号yがVよりも大きく
なると、(y−V)に比例してK0よりも大きくなった
Kが供給され、Igブロック66、70の遮断周波数が
高くなる。また、以上のような処理をすることは、ハイ
パスフィルタ83の係数Kの値を入力信号の振幅の中心
に対して非対称の変化をさせることになり、結果的に図
4において説明したコンデンサ10、14への電荷の蓄
積によるバイアス点の変化もシミュレートすることにな
る。なお、加算器74から出力信号yが供給されるごと
に、前述の演算処理に従って演算を行ってもよいが、各
yの値に応じたKの値を予めテーブルに記憶させてお
き、yが入力されるごとに、そのyに応じたKの値を出
力するようにしてもよい。
【0027】これらIgブロック66、70からのグリ
ッド電流をシミュレートした出力信号が、Ip/Egブ
ロック68、72に供給され、Ip/Egブロック6
8、72は、入力されたグリッド電圧Egから真空管1
2、16のプレート電流に相当する出力信号を発生す
る。この出力信号は、例えば数3に示すような3次関数
によって表され、Igブロック66、70からの出力信
号が、大きな値の場合、クリップした状態の出力信号を
生じる。
【数3】 f(X)=2*{(〔−1/7〕*X+〔1/14〕*X+〔4/7〕}*X なお、XはIgブロック66、70からの出力信号であ
る。Ip/Egブロック68、72としては、Igブロ
ック66、70から出力信号が供給されるごとに、数3
に従って演算を行うものを使用することもできるし、予
め各Xの値に応じたf(X)の値をテーブルとして記憶
させておき、Xの値に対応したf(X)を読みだすよう
にしてもよい。
【0028】これらIp/Egブロック68、72から
の出力信号は、それぞれ出力ブロック31aのIgブロ
ック90、92に供給される。これらIgブロック9
0、92は、図4の直流阻止コンデンサ30、34、グ
リッド抵抗器38、40からなるハイパスフィルタをシ
ミュレートしたもので、駆動ブロック11aのIgブロ
ック66、70と同一の構成で、パラメータが多少異な
るものである。これらIgブロック90、92の出力信
号は、後述するようにして加算器94、96によってバ
イアスの変化を加えられた後、Ip/Egブロック9
8、100に供給される。これらIp/Egブロック9
8、100も、駆動ブロック11aのIp/Egブロッ
ク68、72と同一の構成で、パラメータと、グリッド
電圧対プレート電流の変換特性が多少異なるものであ
る。これらIp/Egブロック98、100の出力信号
は、加算器102によって加算され、出力される。な
お、上記IgブロックやIg/Egブロックのパラメー
タやグリッド電圧対プレート電流の変換特性の違いは、
シミュレーションしようとするコンデンサや抵抗の値、
及び真空管の特性の違いにより生じるものである。
【0029】また、加算器102の出力信号は、Ip/
Egブロック98、100のバイアスを変化させるため
に、レベル検出部104に供給される。このレベル検出
部104は、例えば図3に示すように、絶対値回路10
6を有し、加算器102の出力信号の絶対値を検出す
る。この絶対値は、ローパスフィルタ108に供給され
る。このローパスフィルタ108は、遮断周波数が例え
ば0.2Hzと非常に低いもので、図4において出力段
31からの出力信号がオーバードライブ状態になったと
きに生じた電源電圧+Bの電圧降下が平滑回路62の影
響を受けて、緩やかに生じるのをシミュレートするため
に設けられている。このローパスフィルタ108の出力
信号が、レベル検出部104の出力信号として出力され
る。なお、絶対値回路106に代えて、自乗回路を使用
することもできる。また、レベル検出部104において
検出されたレベルの変化(エンベロープ)特性を適当
(例えば自乗特性)に変換するため、テーブルや演算等
による変換手段を設けてもよい。
【0030】このレベル検出部104の出力信号は、乗
算器110によって適当な定数が乗算された後、加算器
112に供給され、ここで予め定めた標準バイアスと加
算され、加算器94、96に供給される。従って、レベ
ル検出部104で検出されたレベルが大きくなると、加
算器94、96に供給されるバイアスも大きくなり、バ
イアスが深くかかった状態がシミュレートされる。この
ようにしてB級プッシュプル増幅器の出力信号をシミュ
レートすることができる。
【0031】上記の実施例では、駆動ブロック11aも
B級プッシュプルとしてシミュレートしたが、例えばA
級、またはAB級の駆動段としてシミュレートすること
もできる。但し、その場合には、A級またはAB級に応
じて数3を変更する必要がある。また、上記の実施例で
は、駆動ブロック11aにおいては、出力信号のオーバ
ードライブ状態による電源電圧の降下によるバイアス点
の変動をシミュレートしていないが、これは、図4のバ
イパスコンデンサ59によって電源電圧の降下の影響が
駆動段11まであまり及ぼさないこと等、駆動ブロック
11aにおいて、このバイアスの変動の影響が少ないか
らであるが、より精度よくシミュレートする場合には、
出力ブロック31aと同様にしてバイアス点の変動をシ
ミュレートしてもよい。
【0032】上記の実施例は、本発明をB級プッシュプ
ル増幅器に実施したものであるが、A級のシングル増幅
器に実施することもできる。この場合、例えば図1にお
けるIgブロック90及びIp/Egブロック98のみ
を設ければよい。但し、この場合、Ip/Egブロック
82において使用する数3は、A級増幅器に応じたもの
に変更する必要がある。また、A級においても、クリッ
プされた出力信号に基づく電圧降下もシミュレートする
場合には、Igブロック90及びIp/Egブロック9
8に加えて、レベル検出部104、乗算器110、加算
器112、加算器94を追加すればよい。
【0033】第1の発明の第2の実施例を図5に示す。
この実施例は、図5(b)に示すようにダイオード11
4、116を逆並列に接続したダイオードクリップ回路
118の前段に直流阻止コンデンサ120と抵抗器12
2によって構成されたハイパスフィルタ124を設けた
構成をシミュレートするものである。図5(b)の回路
において、ダイオード114または116が導通してい
ない状態では、ダイオード114、116の抵抗値は無
限大であるので、ハイパスフィルタ124の時定数は、
コンデンサ120、抵抗器122の値によって決定され
る。しかし、入力信号が供給されて、ダイオード114
または116が導通すると、ダイオード114または1
16の抵抗値が無限大から低下し、ハイパスフィルタ1
24の時定数は小さくなり、遮断周波数が高くなる。
【0034】この状態をシミュレートするために、図5
(a)に示すようにハイパスフィルタブロック126と
ダイオードクリップブロック128とが設けられてい
る。そして、このダイオードクリップブロック128の
出力信号が制御ブロック130に供給され、この制御ブ
ロック130がハイパスフィルタ126の時定数を変化
させる。
【0035】ハイパスフィルタ126としては、図2に
示すハイパスフィルタ83と同一構成のものを、制御ブ
ロック130としては、制御ブロック78と同一の構成
のものをそれぞれ使用することができる。但し、数3に
おける各定数K0、C、K1等は適宜変更する必要があ
る。また、ダイオードクリップブロック128は、予め
定めた正負の閾値レベル+L、−Lの間のレベルの入力
信号が供給されている間には、入力信号をそのまま出力
し、+Lより大きいレベルの入力信号が供給されるた場
合、+Lを出力し、−Lよりも小さなレベルの入力信号
が供給された場合、−Lを出力するように構成したテー
ブルによって、実現することができる。なお、図2によ
ると、図5(a)の実施例の場合、制御ブロック130
の入力は、ハイパスフィルタ126の出力信号を入力す
ることになるが、破線で示したように、ダイオードクリ
ップブロック128の出力信号を入力するようにしても
よい。また、場合によっては、ハイパスフィルタ124
の抵抗器122が省略されたものをシミュレートするこ
ともあるが、その場合はダイオードクリップ回路118
の後段に接続されるものの入力インピーダンスを抵抗器
122の代わりとしてシミュレートすればよい。さら
に、以上説明では、2本のダイオードを逆向きの並列接
続したものをシミュレートしているが、ダイオードクリ
ップブロックのテーブルを代えたり、制御ブロック13
0の閾値レベルを正だけと変更することにより1本のダ
イオードも容易にシミュレートできる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本第1の発明によれば、
入力信号に応じて真空管増幅器の出力信号に相当する出
力信号を生成する真空管増幅器のシミュレーション手段
の入力側に、遮断周波数を可変できる高域通過フィルタ
手段を設け、この高域通過フィルタ手段の出力信号レベ
ルが大きくなるに連れて上記遮断周波数を高くするよう
に制御しているので、真空管増幅器の入力側に直流阻止
コンデンサやグリッド抵抗器によって構成されたハイパ
スフィルタの遮断周波数が、グリッド電流の変化に従っ
て変化する状態をシミュレートすることができ、真空管
増幅器の動作を正確にシミュレートすることができる。
【0037】また、本第2の発明によれば、入力信号に
応じて真空管増幅器の出力信号に相当する出力信号を生
成する真空管増幅器のシミュレーション手段の出力信号
のレベルが大きくなるに連れて、このシミュレーション
手段の入力信号に対するバイアスを深くしているので、
真空管増幅器において、出力信号がオーバードライブし
た状態における電源電圧の変動によるバイアスの変動を
シミュレートすることができ、真空管増幅器の動作を正
確にシミュレートすることができる。
【0038】さらに、本第1の発明の第2の実施例によ
れば、入力信号に応じてダイオードクリップ回路の出力
信号に相当する出力信号を発生するダイオードクリップ
回路のシミュレーション手段の入力側に、遮断周波数を
可変できる高域通過フィルタ手段を設け、シミュレーシ
ョン手段の出力信号のレベルが大きくなるに連れて、遮
断周波数を高く制御しているので、ダイオードクリップ
回路の入力側に直流阻止コンデンサ等によって構成され
たハイパスフィルタの遮断周波数が、ダイオードの導通
状態の変化に従って変化する状態をシミュレートするこ
とができ、ダイオードクリップ回路の動作を正確にシミ
ュレートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による信号処理装置の第1の実施例のブ
ロック図である。
【図2】同第1の実施例のIgブロック66または70
の詳細なブロック図である。
【図3】同第1の実施例のレベル検出部104の詳細な
ブロック図である。
【図4】同第1の実施例によってシミュレートするB級
プッシュプル増幅器の回路図である。
【図5】第1の発明の第2の実施例のブロック図及び該
第2の実施例でシミュレートするダイオードクリップ回
路の回路図である。
【符号の説明】
68 72 98 100 Ip/Egブロック(真空
管増幅器のシミュレーション手段) 83 126 ハイパスフィルタ(高域通過フィルタ手
段) 78 130 制御ブロック(フィルタ制御手段) 104 レベル検出部(バイアス変化手段) 110 乗算器(バイアス変化手段) 112 加算器(バイアス変化手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H03G 5/16 D 9067−5J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号伝送装置の入力信号対出力
    信号の伝達特性の静特性をシミュレートするシミュレー
    ション手段と、このシミュレーション手段の入力側に設
    けられ周波数特性が変更制御可能なフィルタ手段と、こ
    のフィルタ手段の出力信号に応じてこのフィルタ手段の
    周波数特性を制御するフィルタ制御手段とを、具備する
    信号処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の信号処理装置において、
    前記シミュレーション手段は真空管増幅器の静特性をシ
    ミュレーションしたものであり、前記フィルタ手段は遮
    断周波数を変更制御可能な高域通過フィルタ手段である
    信号処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の信号処理装置において、
    前記シミュレーション手段はダイオードクリップ回路の
    静特性をシミュレーションしたものであり、前記フィル
    タ手段は遮断周波数を変更制御可能な高域通過フィルタ
    手段である信号処理装置。
  4. 【請求項4】 アナログ信号伝送装置の入力信号対出力
    信号の伝達特性の静特性をシミュレーションするシミュ
    レーション手段と、このシミュレーション手段の出力信
    号のレベルを検出し、この検出結果に基づいて入力信号
    に付加するバイアスを変化させるバイアス変化手段と
    を、具備する信号処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の信号処理装置において、
    前記シミュレーション手段は真空管増幅器の静特性をシ
    ミュレーションしたものである信号処理装置。
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