JPH078635Y2

JPH078635Y2 - 水硬性資料の投射式施工装置

Info

Publication number: JPH078635Y2
Application number: JP1988112802U
Authority: JP
Inventors: 寧重松; 知也安尾; 幸一冨川
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1988-08-30
Filing date: 1988-08-30
Publication date: 1995-03-01
Anticipated expiration: 2003-08-30
Also published as: JPH0233899U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案はコンクリート、モルタル、不定形耐火物などの
水硬性資料の投射式施工装置に関するものである。

〔従来の技術とその技術的課題〕

トンネル、坑道、ケーブルダクトで代表される筒状閉鎖
断面をライニングする方法として、圧縮空気を搬送媒体
としてコンクリートやモルタルを吹付ける手法が従来知
られており、ことに最近、工期短縮の要請等から、急結
剤を併用して施工することが多くなっている。

この方法は、圧縮空気で高速気流搬送する関係から秒単
位で硬化する急結剤の添加は比較的容易であり、瞬時に
ライニング層を固化させることができる。しかしなが
ら、反面、粉塵が多量に発生するため作業環境を悪化さ
せ、また、吐出された資料の1/3程度がリバウンドロス
になるという点に致命的な問題があった。

この対策として、インペラを高速回転させることにより
水硬性資料を放射上に投射する方法が提案されている。
この方法は圧縮エアを使用しないため粉塵やリバウンド
の発生を低減できる利点がある。しかしながら、従来の
この種の投射装置は、水硬性資料を硬化させることなく
急結剤と十分に撹拌混合することができないのがネック
となっており、投射する前に硬化して通路を閉塞するト
ラブルが多発しやすい。これを避けるには、投射インペ
ラ付近で急結剤を添加せざるを得ないが、そうすると未
混練のまま投射され、大量の粉塵を発生させるという問
題があった。

本考案は前記のような問題点を解消するために考案され
たもので、その目的とするところは、水硬性資料と急結
剤を効率良く撹拌混合して投射することができるこの種
の投射装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本考案は、投射インペラを回転
駆動する筒状ケーシングを非回転に内挿し、この筒状ケ
ーシングに複数の連続羽根を間欠的に設けるとともに連
続羽根間の軸に全連続羽根との配設比率を（2.5〜3.
5）:1とした撹拌羽根を設けた高速回転スクリューを内
挿し、かつ、筒状ケーシングには基端の連続羽根に相当
する部位に外部の圧送ポンプと接続した水硬性資料圧入
部を設けると共に、該水硬性資料圧入部またはその近傍
に外部の急結剤供給手段と接続した急結剤添加部を設け
たものである。

前記急結剤供給手段は、粉体急結剤を濃密搬送し得る機
能を有しているもの、たとえば、ケーシングにスクリュ
ーを回転自在に設けるとともに、該スクリューの軸線方
向に、２条のらせん状溝中にスネーク状ロータを内挿し
たステータと吐出ノズルとを直列に設け、かつ前記ケー
シングには数個所にエアレーション用エア添加部を接続
する一方、吐出ノズルには圧送用エア添加部を接続した
構造が好適である。

〔実施例〕

以下本考案を添付図面に基づいて説明する。

第１図ないし第３図は本考案による水硬性資料の投射式
施工装置の一例を示している。

第１図において、Ａは投射装置本体、Ｂは水硬性資料の
圧送ポンプ、Ｃは急結剤供給装置である。

投射装置本体Ａは、ベース100に軸受支持体101により回
転自在に支えられたスリーブ102の先端に投射インペラ1
03が設けられている。投射インペラ103は、公知のもの
と同様に対向する円盤104,105の間を複数の放射状羽根1
06で連結してなり、先端側の円盤105の内径側には第３
図のように内インペラ107が固定されている。そして、
軸受支持体101にはインペラ回転用モータ108が設置さ
れ、伝動要素によりスリーブ102が高速回転されるよう
になっている。

前記スリーブ102の内側には、同心状に投射方向調整ス
リーブ109が内挿されており、この投射方向調整スリー
ブ109は、前記投射インペラ103内に突出し、その部分に
所要の大きさの開口111が形成されている。そして、こ
の調整用スリーブ109もベース100に軸受支持体101′で
回転可能に支持され、調整用モータ110により任意の回
転角が与えられることで開口111の位置を変位させ、そ
れにより投射方向を変化させるようになつている。

以上の構成は従来の投射装置と同様であり、本考案の特
徴は、投射方向調整スリーブ109の内側に特定の水硬性
資料と急結剤の急速撹拌混合・送り装置を設けたことに
ある。

１は筒状ケーシングであり、鋼板などの金属材料または
これにゴム等の可撓材料で内張りしてなり、投射方向調
整スリーブ109と同心状にかつ、前端の吐出口10が内イ
ンペラ107に近く位置するように内挿され、ベース100に
設けた支台11で強固に支持されている。

２は前記筒状ケーシング１に内挿支持された高速回転ス
クリューであり、高速駆動モータ３と減速機30により少
なくとも100rpm以上で回転されるようになっている。

前記スクリュー２はスクリュー軸に複数の連続羽根20,2
1,22と撹拌羽根23,24を有している。すなわち、スクリ
ュー軸の基端側から少なくとも１ピッチ以上の連続羽根
20,21が間欠的に形成され、これと間隔をあけて１ピッ
チ以下の最終連続羽根22が形成されている。そして、前
記各連続羽根20と21,21と22の間には、軸線に対し所要
角度の傾きを持った複数の撹拌羽根23,24がそれぞれ放
射状に設けられている。

前記連続羽根20,21,22と撹拌羽根23,24の比率は、連続
羽根を全部合計したピッチとの関係において、（2.5〜
3.5）:1に設定することが、急結剤を固化させることな
く良好な撹拌と送り効果すなわち混練作用と搬送作用を
バランスよく実現する点から重要である。

上記配設比率は本考案者等の知見によるもので、2.5:1
未満では送りは良好でも十分な混合撹拌効果が得られ
ず、3.5:1を超える場合には混合撹拌は良好でも搬送作
用が不十分になり、急結剤の反応が進行して筒状ケーシ
ング内で詰りや閉塞を生じさせる危険があるため適当で
ない。

５は水硬性資料圧入部であり、オープンホッパではな
く、前記基端の連続羽根20域に相当する筒状ケーシング
１に短筒として形成され、フランジ51を介して圧送配管
（ホースを含む）50に直結され、水硬性資料圧送ポンプ
Ｂの吐出側に導かれている。圧送ポンプ６は、ピストン
ポンプ、スネークポンプ、スクイーズ、プランジヤポン
プ、など形式は任意である。

７は急結剤添加部であり、前記水硬性資料投入部５の任
意部位に設けられ、供給ホース70を介して急結剤供給装
置Ｃに導かれている。急結剤添加部７は図示するもので
は斜管であるが、リングノズル形式としてもよい。ま
た、場合によっては、直接筒状ケーシング１に接続して
もよい。

急結剤供給装置Ｃは急結剤が液体である場合にはギヤポ
ンプ等の液送ポンプが用いられる。急結剤が粉体である
場合には加圧注入式一般には空気圧送形式のものが使用
されるが、撹拌効果およびエアによる吹き抜けを防止す
る点から、濃密流圧送形式のものが好適である。

第１図に濃密流圧送形式の一例を示しており、上部にホ
ッパ80を備えたケーシング81にユニバーサルジョイント
83a,83bを介してスクリュー82を回転自在に設け、スク
リュー82の軸線方向には２条のらせん状溝を有するステ
ータ85と吐出ノズル86を直列に設け、ステータ85中には
一端をユニバーサルジョイント83bに偏心支持させたス
ネーク状ロータ87を内挿している。そして、ケーシング
81に数個所にエアレーション用エア添加部88を接続する
一方、吐出ノズル86には圧送用エア添加部89を接続して
いる。

〔実施例の作用〕

次に実施例の装置の作用を説明する。

投射装置本体Ａはベース100を介して移動台車あるいは
吹付けロボットのブーム等に搭載される。施工に当たっ
ては、回転用モータ108,調整用モータ110を駆動すると
ともに、高速駆動モータ３によりスクリュー２を少なく
とも100rpmで回転するとともに、圧送ポンプＢおよび急
結剤供給装置８を作動させる。

圧送ポンプＢから吐出されたウエットミックスの水硬性
資料は配管50を介して濃密搬送され、そのまま筒状ケー
シング１の軸線と交差する方向に設けられている水硬性
資料圧入部５から筒状ケーシング１内に圧入充填され
る。

一方、急結剤供給装置Ｃの駆動シャフト84を駆動し、圧
縮エアを供給すれば、ホッパ80からケーシング81内に装
入された急結剤は、スクリュー82により撹拌されつつエ
アレーション用エア添加部88から注入されたエアと混合
されて高濃度の流動体となり、その前方でスネーク状ロ
ータ87がステータ85の内面接触線を移動しながら回転す
る。これによる自吸引作用でステータ85とスネーク状ロ
ータ87間のポケットに吸い込まれ、スネーク状ロータ87
の運動により吐出ノズル86に高効率で脈動なく正確に連
続吐出される。

急結剤は予めエアレーションにより流動化されているた
め、吐出ノズル86部位で圧送用エア添加部89からのわず
かな量の圧縮エアにより十分な搬送力が創成され、高い
濃度で急結剤添加部７から水硬性資料圧入部５に注加さ
れる。

筒状ケーシング１内ではスクリュー２が前記のように10
0rpm以上の回転数で高速回転している。このため、水硬
性資料圧入部５から圧入された水硬性資料と急結剤は、
第１段の連続羽根20により急速に前送され、次いでこの
連続羽根20が終ったゾーンで速度を幾分低下されながら
高速回転する撹拌羽根23の剪断作用により激しく撹拌さ
れ、次いで中間の連続羽根21に達したところで再び加速
前送され、この中間の連続羽根21の終端から再度高速回
転する撹拌羽根24の剪断作用により激しく撹拌される。
そして混合資料は最終の連続羽根22により加速され、吐
出口10から投射インペラ103内に吐出される。

投射インペラ103に吐出された混合資料は、内インペラ1
07により撹拌、分散され、投射方向調整スリーブ109の
開口位置で設定される角度で半径方向に投射され、施工
面に圧密接着される。

本考案においては、単純にスクリュー羽根により一定速
度で水硬性資料を搬送しつつ撹拌羽根で急結剤を撹拌す
るのでなく、（2.5〜3.5）:1の配設比率の連続羽根20,2
1,22と撹拌羽根23,24とで交互に送り速度の変化と撹拌
作用を加え、しかも全体として100rpm以上で高速送りを
行うため、送りと混練とがバランスよく実現され、秒単
位で硬化反応が開始する急結剤を筒状ケーシング基部近
くの水硬性資料圧入部５ないしその近傍から添加しても
ケーシングや羽根への付着が生じず、水硬性資料と完全
な均一混合状態とすることができる。

圧縮エアによる吹付けでなく、また単にオープンホッパ
から自重投入させてスクリューで前送して投射するので
なく、ポンプ圧送の濃密資料に急結剤を添加してケーシ
ング筒１に圧入し、筒内で急速送りとミキシングを行っ
て投射するため粉塵は発生せず、リバウンドロスも生じ
ないうえに、急結剤を硬化させること無く水硬性資料Ｃ
に十分に分散混合して投射されるため、少ない急結剤量
で目標初期強度のライニング層を創成することができ
る。

次に本考案の具体例を示す。

筒状ケーシング１を鋼板製、長さ600mm、内径150mmφと
し、内部にスクリューを片持ち状に内挿した。スクリュ
ーは、外径40mmφの軸に、1.5ピッチの連続羽根を３
個、中間に0.5ピッチ分の途切れを置いて設け、２つの
途切れ部位にそれぞれ４枚一組の撹拌羽根を設けた。

第１の連続羽根の中間位置に相当する筒状ケーシングに
100mmφの短管を接続して水硬性資料圧入部を形成し、
これをホースによりピストン式コンクリートポンプの吐
出部に接続した。短管の中間に斜めに20mmφの管を接続
し、これをホースにより第１図の急結剤供給装置の吐出
部と接続した。

コンクリートの配合は、セメント360kg/m³、S/A65％、W
/C58％、スランプ10cmとし、これを４m³/hで圧送し、ス
クリューを150rpmで回転させた。急結剤は粉体を用い、
前記配合に３％、５％、７％添加した。急結剤の供給
は、吐出ノズル部位に0.5l/min、ケーシングエアレーシ
ョン部に0.5l/minの圧縮エアを導入することで実施し
た。また、投射インペラは500rpmで回転させた。

以上の結果、急結剤がいずれの添加量の場合も、連続羽
根、撹拌羽根およびインペラに資料を付着、固化させる
ことなく水硬性資料と急結剤を完全に混合して投射する
ことができた。

〔考案の効果〕

以上説明した本考案によるときには、投射インペラ103
を回転駆動するスリーブ102に、先端に吐出口を有する
筒状ケーシング１を非回転に内挿し、この筒状ケーシン
グ１に複数の連続羽根20,21,22を間欠的に設けるととも
に連続羽根間の軸に全連続羽根との配設比率を（2.5〜
3.5）:1とした撹拌羽根23,24を設けた高速回転スクリュ
ー２を内挿し、かつ、筒状ケーシング１には基端の連続
羽根20に相当する部位に外部の圧送ポンプＢと接続した
水硬性資料圧入部５を設けると共に、該水硬性資料圧入
部５またはその近傍に外部の急結剤供給手段と接続した
急結剤添加７部を設けたので、間欠配置の連続羽根20,2
1,22と撹拌羽根23,24とで送り速度の変化と撹拌とが交
互に加えられかつその送りと撹拌とがバランスよく実現
され、従って秒単位で硬化反応が開始する急結剤を水硬
性資料とほぼ同時添加してもケーシングや投射インペラ
の詰り等を生じさせず、高速で効率良く均一混合して投
射インペラから投射することができ、少ない急結剤使用
量で初期強度が高く、かつ密着性にすぐれたライニング
を能率よく形成できるというすぐれた効果が得られる。

請求項２によれば、急結剤がエアレーション用エア添加
部から注入されたエアにより高濃度の流動体となり、そ
れをスネーク状ロータ87の運動によって吐出ノズル86に
吐出するため、急結剤を高濃度でしかも高能率で脈動な
く急結剤添加部８から水硬性資料圧入部７に注加するこ
とができ、しかもその高濃度の急結剤と水硬性資料を連
続羽根と撹拌羽根を所定配設比率で設けた高速回転スク
リュー２により高速で均一混合して投射することができ
るため、更に一段と初期強度が高く、密着性にすぐれた
ライニングを迅速形成できるというすぐれた効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による水硬性資料の投射式施工装置の一
実施例を示す部分切欠側面図、第２図は装置本体の断面
図、第３図は同じくその正面図である。１…筒状ケーシング、２…高速回転スクリュー、20,21,
22…連続羽根、23,24…撹拌羽根、３…高速駆動モー
タ、５…水硬性資料圧入部、７…急結剤添加部、103…
投射インペラ、Ａ…投射装置本体、Ｂ…水硬性資料圧送
ポンプ、Ｃ…急結剤供給装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平１−169099（ＪＰ，Ａ) 特開昭63−7499（ＪＰ，Ａ) 実開昭58−194297（ＪＰ，Ｕ) 実開昭60−97847（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】投射インペラ103を回転駆動するスリーブ1
02に、先端に吐出口を有する筒状ケーシング１を非回転
に内挿し、この筒状ケーシング１に複数の連続羽根20,2
1,22を間欠的に設けるとともに連続羽根間の軸に全連続
羽根との配設比率を（2.5〜3.5）:1とした撹拌羽根23,2
4を設けた高速回転スクリュー２を内挿し、かつ、筒状
ケーシング１には基端の連続羽根20に相当する部位に外
部の圧送ポンプＢと接続した水硬性資料圧入部５を設け
ると共に、該水硬性資料圧入部５またはその近傍に外部
の急結剤供給手段と接続した急結剤添加部７を設けたこ
とを特徴とする水硬性資料の投射式施工装置。
【請求項２】急結剤供給手段が、ケーシング81にスクリ
ュー82を回転自在に設けるとともに、該スクリュー82の
軸線方向に、２条のらせん状溝中にスネーク状ロータ87
を内挿したステータ85と吐出ノズル86とを直列に設け、
かつ前記ケーシング81には数個所にエアレーション用エ
ア添加部88を接続する一方、吐出ノズル86には圧送用エ
ア添加部89を接続している請求項１に記載の水硬性資料
の投射式施工装置。