JPH0786251B2 - 床下防蟻処理法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、住宅、公共施設等の床下防蟻処理法に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、白蟻による住宅の被害が問題になっている。これ
は、我が国の住宅には木造のものが多く、かつ気候が湿
潤であることが原因であると考えられる。白蟻は、通風
不良で温暖多湿な暗所を好み、湿った木材を食害するか
らでる。したがって、このような条件の揃った建物の床
下地面部分は、白蟻にとって絶好の繁殖場所となってい
る。

そこで、従来は、土壌に防蟻剤を散布したり防蟻シート
を敷いたり等の防蟻処理を施すようにしていた。

近時は、防湿面や防蟻面を考え、さらに、基礎の強度向
上を図ることもあって、床下地面に土間コンクリートを
打つことが多くなってきている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、土間コンクリートが硬化する際、土間コンクリ
ートが布基礎と接する部分、すなわち、土間コンクリー
トの布基礎側端縁にコンクリートの収縮によりクラック
（ひび割れ）が生じやすいため、上記防蟻剤や防蟻シー
トの効力がなくなった時点で、上記クラックから白蟻が
侵入するという問題があった。

このような事情に鑑み、この発明は、土間コンクリート
の布基礎側端縁にクラックが生じても、白蟻の侵入を防
ぐことができる床下防蟻処理法を提供することを課題と
する。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するため、この発明に係る床下防蟻処理
法は、土間コンクリートと布基礎との接合部において、
土間コンクリートの端部上面に溝を形成する工程と、形
成された溝に防蟻剤を充填する工程とを含むものであ
る。

なお、防蟻剤充填工程において、粘度が高く液状の防蟻
剤を充填するのが好ましい。

〔作用〕

この発明に係る床下防蟻処理法においては、土間コンク
リートと布基礎の接合部において、土間コンクリートの
端部上面に形成された溝に防蟻剤が充填されているた
め、土間コンクリートと防蟻剤との接触面積が大きくな
り、土間コンクリートの布基礎側端縁にクラックが生じ
ても、そのクラックからの白蟻の侵入を防ぐことができ
る。

なお、粘度が高い液状の防蟻剤を充填する場合には、防
蟻剤が溝の形にうまく追随し、しかも、防蟻剤が土間コ
ンクリートと布基礎との間に収縮により生じた隙間やク
ラックに入り込みかつそこに停滞するので、より効果的
に白蟻の侵入を防止することができる。

〔実施例〕

以下に、この発明に係る床下防蟻処理法を実施例に基づ
いて詳しく説明するが、この発明は以下の実施例に限定
されない。

第１図は実施例を表す。図にみるように、この実施例で
は、土間コンクリート１が布基礎２の内側面2aと接する
部分、すなわち、土間コンクリート１の布基礎側端縁1a
の端部上面に溝1bが形成されている。この溝1bには、防
蟻剤３が充填されている。その際、防蟻剤３としては、
粘度が高い液状のものを用いることが好ましい。このよ
うな防蟻剤３を用いれば、防蟻剤３が、溝1bの形にうま
く追随し、しかも、防蟻剤３が、土間コンクリート１と
布基礎２との間の隙間、および、土間コンクリート１の
布基礎側端縁1aにコンクリートの収縮により生じたクラ
ックにも入り込んで停滞し、そこから流れ出さない。こ
のため、床下地面４からの白蟻の侵入路を完全に遮断す
ることができる。また、上記白蟻の侵入路に防蟻剤３が
集中するため、防蟻剤３の効力を長時間持続させること
ができる。なお、上記溝1bの形成は、土間コンクリート
１を打つ際に行ってもよいし、土間コンクリート１を打
った後に行ってもよい。

土間コンクリート１を打つ際に溝1bを形成する場合に
は、まず、土間コンクリート１用の鉄筋と布基礎２の内
側面2aから土間コンクリート１側に延びる鉄筋とを結合
し、鉄筋接合部の上方に溝形成用の型枠を配置する。そ
して、コンクリートを布基礎２の内側に流し込むことで
土間コンクリート１を打つ。続いて、溝形成用の型枠を
外し、型枠により形成された溝1bに粘度が高い液状の防
蟻剤３を充填する。

また、土間コンクリート１を打った後に溝1bを形成する
場合には、土間コンクリート１を打った後に、削岩機等
の機械によって土間コンクリート１の周囲に溝1bを形成
する。そして同様に防蟻剤３を溝1bに充填する。

なお、この発明で使用される防蟻剤としては、例えばク
ロルデン，アルドリン等の有機塩素材、クロルピリホス
等の有機リン剤等の薬剤が挙げられるが、特に限定はし
ない。これらを液体と混合した粘度が高い液状のものが
好ましい。

〔発明の効果〕

この発明に係る床下防蟻処理法によれば、土間コンクリ
ートが硬化収縮する際に、土間コンクリートの布基礎側
端縁にクラックが生じても、白蟻が床下地面からそのク
ラックを通って侵入するのを防止することができる。

なお、防蟻剤が粘度が高い液状の場合には、防蟻剤が溝
の形にうまく追随し、しかも、防蟻剤が土間コンクリー
トと布基礎との間に収縮により生じた隙間やクラックに
入り込みかつそこれ停滞するので、より効果的に白蟻の
侵入を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例に係る床下防蟻処理法によ
り作られた防蟻構造を表す断面図である。 １……土間コンクリート、1b……溝、２……布基礎、３
……防蟻剤

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】土間コンクリートと布基礎との接合部にお
   いて、前記土間コンクリートと端部上面に溝を形成する
   工程と、形成された溝に防蟻剤を充填する工程とを含む
   床下防蟻処理法。
2. 【請求項２】前記防蟻剤充填工程では、粘度が高く液状
   の防蟻剤を充填する、特許請求の範囲第１項記載の床下
   防蟻処理法。