JPH0786093B2 - 新規な有機化合物 - Google Patents

新規な有機化合物

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JPH0786093B2
JPH0786093B2 JP1552589A JP1552589A JPH0786093B2 JP H0786093 B2 JPH0786093 B2 JP H0786093B2 JP 1552589 A JP1552589 A JP 1552589A JP 1552589 A JP1552589 A JP 1552589A JP H0786093 B2 JPH0786093 B2 JP H0786093B2
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organic
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敬浩 日高
計 山中
博之 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、新規な有機化合物である1,3−ビス[4−
(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニ
ル]ベンゼンに関する。本発明の新規化合物は、その結
晶が透明性に優れ、カットオフ波長が比較的短波長領域
にあり、かつSHG活性が大きく、したがって、非線形光
学有機材料として、光コンピュータや光通信など広範な
分野で光制御素子等として用いることができる。
〈従来の技術〉 非線形光学材料は、レーザー光の周波数変換、増幅、発
振、スイッチングなどの現象を生じ、第2高調波発生
(SHG)、第3高調波発生(THG)、高速度シャッター、
光メモリー、光演算素子などへの応用が可能である。
このように、非線形光学材料は、光周波数を変換する機
能を有しているほか、電場によって屈折率が変化する特
質を生かした光スイッチなどへの応用が可能であるた
め、活発な研究が進められている。
従来、非線形光学材料としては、主として水溶性のKH2P
O4(KDP)、NH42PO4あるいは非水溶性のLiNbO3、KNbO
3などの無機系の単結晶材料(誘電体結晶)が用いられ
てきたが、最近は尿素やp−ニトロアニリン、2−メチ
ル−4−ニトロアニリン(MNA)、4′−(N,N′−ジメ
チルアミノ)−4−ニトロスチルベン(DANS)などの非
線形光学有機材料の開発が進められている。ポリジアセ
チレンやポリフッ化ビニリデンなどの高分子有機材料に
ついても、その非線形光学効果を利用して、制御機能を
有する導波路、光ICなどへの応用が検討されている。
非線形光学有機材料は、非線形性の起源が分子内π電子
であるため、光応答に対して格子振動を伴わず、したが
って無機材料に比べ応答が速く、また、非線形光学定数
が大きいものや吸収領域が変化できるものなどを合成す
ることが可能である。しかも、材料素子化の方法も、単
結晶化によるだけではなく、LB膜、蒸着法、液晶化、高
分子化などの各種の方法が考えられる。
これら非線形光学材料の研究に関しては、例えば、「有
機非線形光学材料」加藤政雄、中西八郎監修(シー・エ
ム・シー社、1985年刊)、「Nonlinear Optical Proper
ties of Organic Molecules and Crystals Vol.I及びVo
l.II D.S.CHEMLA,J.ZYSS編(ACADEMIC PRESS,1987年
刊)などの文献に最近の研究状況がまとめられている。
ところで、非線形光学材料として要求される非線形光学
効果のうち、特に第2高調波発生(SHG)は、変換の効
率が高い等の理由から波長変換の基本技術として位置付
けられている。また、効率よくSHGをおこすために有効
非線形光学定数の大きい材料が求められている。そし
て、材料が光学的非線形性を示すには、空間反転の対称
性を持たないこと、特に、その結晶が対称中心を持たな
いこと、すなわち結晶での分子の配列に反転対称性が生
じないことが実用上必要である。
そこで、対称中心を持たない単結晶を形成し、有効非線
形光学定数が大きく、したがってSHG活性が大きい非線
形光学有機材料の開発が現在最も要求されているところ
である。また、非線形光学材料として実用化するに当た
っては、室温で安定でかつ出来るだけ大きな単結晶を形
成するものであることが望まれる。
また、従来公知の非線形効果を示す有機材料は、化合物
自体のカットオフ波長(吸収端波長)が長波長側へ相当
シフトしており、使用波長範囲が限定されるという問題
点を有している。現在の半導体レーザーの波長は800nm
程度であるので、カットオフ波長はより短波長領域にあ
ることが実用上必要とされる。一般に、非線形光学有機
材料は、π電子共役系の構造に起因して黄色ないしはオ
レンジ色に着色した結晶を与えるが、そのためもありカ
ットオフ波長は、通常、長波長領域に位置している。例
えば、p−ニトロアニリンでは470nm、MNAでは480nm、D
ANSでは430〜580nmといように長波長領域にカットオフ
波長が存在する。そこで、光周波数変換素子としての実
用的な要求特性からは、透明な材料であり、したがって
透明波長域が広く、カットオフ波長が従来のものよりも
短波長領域にあることが求められる。
従来公知の非線形光学無機材料は一般に結晶性が良く、
大きな結晶を得やすいという性質があるが、純度の高い
単結晶が高価であり、潮解性を有し、しかも有機材料に
比較して非線形光学定数が小さいという欠点がある。一
方、非線形光学有機材料には一般に非線形光学定数の大
きいものがあることは知られているが、室温で安定かつ
大きな有機結晶を調製するのが困難である。例えば、従
来知られている有機結晶の内、MNAは対称中心を持たな
い結晶となるためSHG活性を有し、第2高調波発生効率
はLiNbO3の約2000倍もあることが報告されている。しか
し、MNAは大きな単結晶が得られにくいため実用的では
ないという欠点がある。また、尿素は、大きな単結晶を
得やすく、白色・透明で、カットオフ波長も200nmと短
波長であるけれども、SHG活性が低く、また耐湿性に劣
るという欠点がある。p−ニトロアニリンやDANSは、分
子レベルでは分子分極率βは非常に大きい値を示すが、
結晶になると分子の配列に反転対称を持つに至るためSH
Gを活性を示さないという問題がある。
最近、非線形光学有機材料として、各種ジオレフィン化
合物(特開昭61-78748号)、ベンザルアセトフェノン誘
導体(特開昭63-85526号)、N−[2−(5−ニトロフ
リリデン)]−4−メトキシアニリン(特開昭63-96639
号公報)など新規化合物を含む化合物群が開発されてい
る。
しかしながら、SHG活性が大きく、安定で、大きな単結
晶に成長させやすく、しかも透明性に優れ、カットオフ
波長が短い非線形光学有機材料を提供する点ではいまだ
不十分である。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を克服
し、室温で安定で、対称中心を持たない単結晶を形成
し、必要に応じて大きな単結晶に成長させることがで
き、SHG活性が大きく、しかも透明性に優れ、カットオ
フ波長が短波長域にある非線形光学有機材料を提供する
ことにある。
本発明者らは鋭意研究した結果、新規な有機化合物であ
る1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,3−ブタジエニル]ベンゼンが安定かつ結晶性の良い
化合物であり、そしてSHG活性の大きな透明の有機結晶
を形成し、カットオフ波長も比較的短波長領域にあるこ
とを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち、本発明によれば、下記化学式 で表わされる1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼンが提供され
る。
この化合物は、非線形有機材料として好適に使用するこ
とができる。
以下、本発明の構成要素について詳述する。
本発明で用いる化合物の1,3−ビス[4−(4−ジメチ
ルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼン
は、前記式から明らかなように、2つの4−(4−ジメ
チルアミノフェニル)ブテニル基が、π電子共役鎖の中
心であるベンゼンに対して互いにメタ位に結合した構造
を有しているが、メタ位に結合していることにより結晶
の対称性が破られ、かつジメチルアミノ基による分極が
残るためにSHG活性が発現したものと推定できる。
1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3
−ブタジエニル]ベンゼンを合成する方法としては、例
えば、α,α′−m−キシリルトリフェニルホスホニウ
ムブロマイド1モルとp−ジメチルアミノシンナムアル
デヒド2モルとをジメチルホルムアミド溶媒中、不活性
雰囲気下で、ナトリウムメトキシドを滴下することによ
り反応させる方法がある。
1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3
−ブタジエニル]ベンゼンは、結晶性が良好であり、有
機溶剤からスローエバポレイション法などにより容易に
単結晶を得ることができる。その単結晶は室温で安定
で、光損傷を受けにくく、また、加工が容易であるため
デバイス化も容易である。
そして、本発明の1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼンの単結晶
は、その結晶の微粉末が尿素の約2倍のSHG効率を示す
ことから明らかなように優れた非線形光学効果を示す。
また、本発明の1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノ
フェニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼンは、尿素と
同様に透明性に優れ、そのカットオフ波長が452nmと比
較的短波長にあるので、半導体レーザーの波長変換素子
としての使用が可能である。本発明の化合物は、粉末、
単結晶、溶液など各種の態様で非線形光学材料として用
いることができる。
〈実施例〉 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、い
うまでもなく本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
実施例1 トリフェニルホスフィン10.0g(38mmol)と、α,α′
−ジブロモ−m−キシレン5.0g(19mmol)に約40mlのキ
シレンを加えて溶解させる。この溶液を約4時間還流す
ると白色のホスホニウム塩が沈殿する。この沈殿を濾過
し、濾過物をキシレンで洗浄した後、真空乾燥を行なっ
た。この白色粉末をメタノール−エーテル混合溶剤で再
結晶するとα,α′−m−キシリルトリフェニルホスホ
ニウムブロマイドが7.5g得られた。
このようにして得られたα,α′−m−キシリルトリフ
ェニルホスホニウムブロマイド3.94g(5mmol)とp−ジ
メチルアミノシンナムアルデヒド1.75g(10mmol)に20m
lの乾燥したジメチルホルムアミドを加えて溶液にした
後、アルゴン気流下で1.09Nのナトリウムメトキシド12m
lをゆっくり滴下する。
アルゴン雰囲気下で、この溶液を室温で4時間撹拌した
後、濃縮して適量のエタノールを加える。沈殿物を濾過
し、アルコールで洗浄して目的とする化合物1,3−ビス
[4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジ
エニル]ベンゼンを得た。収量は、1.10gであった。
次に、生成物のIR、1H-NMR、UVおよび融点を測定した結
果を以下に示す。
UV(CHCl3):λmax=375nm、 λcutoff=452nm 融点:243-245℃ IRおよび1H-NMRの各スペクトルと帰属を第1表に示す。
また、IRスペクトルを第1図に、1H-NMRスペクトルを第
2図に示す。
上記測定結果から、得られた化合物が前記化学式を有す
る1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,3−ブタジエニル]ベンゼンであることが明確となっ
た。
さらに、得られた化合物の微粉末結晶をNd:YAGレーザー
(波長=1.064μm、出力10mJ/パルス)を照射すると、
第2高調波が発生(SHG)し、入射光の1/2の波長(532n
m)の緑色光が観測できた。また、SHG効率は、尿素の2
倍であった。
この結晶は、室温で安定であり、結晶性も良好で、透明
性に優れている。
〈発明の効果〉 本発明の新規化合物は、室温で安定かつ結晶性が良好
で、SHG活性が大きく、しかも透明性に優れ、カットオ
フ波長が比較的短波長領域にあるので、特に、非線形光
学有機材料として有用であり、半導体レーザーの波長変
換素子としての使用が可能であるなど実用上重要な意義
を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼンのIRスペクトル
を示す図であり、第2図は、1H-NMRスペクトルを示す図
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化学式 で表わされる1,3−ビス[4−(4−ジメチルアミノフ
    ェニル)−1,3−ブタジエニル]ベンゼン。
  2. 【請求項2】請求項1記載の化合物から成ることを特徴
    とする非線形光学用有機材料。
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