JPH0786025A - 永久電流スイッチ及び超電導マグネットシステム - Google Patents

永久電流スイッチ及び超電導マグネットシステム

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JPH0786025A
JPH0786025A JP5232780A JP23278093A JPH0786025A JP H0786025 A JPH0786025 A JP H0786025A JP 5232780 A JP5232780 A JP 5232780A JP 23278093 A JP23278093 A JP 23278093A JP H0786025 A JPH0786025 A JP H0786025A
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superconducting magnet
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Katsuzo Aihara
勝蔵 相原
Yuichi Kamo
友一 加茂
Kazuhisa Mori
森  和久
Nobuhiro Hara
伸洋 原
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    • H01F6/006Supplying energising or de-energising current; Flux pumps
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/30Devices switchable between superconducting and normal states
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    • H10N60/355Power cryotrons

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明は、安定に動作する永久電流スイッチ、
それを用いた効率の良い超電導システムの構成、そして
効果的な永久電流スイッチの動作方法を提供することに
よって、エネルギーロスが少なく、信頼性の高い超電導
システムを提供することを目的とする。 【構成】上記目的は、適切な超電導臨界温度に調節した
酸化物超電導物質を用いた永久電流スイッチ2を使用
し、それを適切な配置で超電導システムに組み込み、熱
と磁場を同時にコントロールすることによって永久電流
スイッチ2の制御を行うことによって達成される。 【効果】本発明によれば、従来より信頼性の高い安定
で、かつ液体ヘリウム消費量の少ない高効率の永久電流
スイッチ,永久電流モードで運転する超電導システムを
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体ヘリウムを用いて
運転する超電導システムに係わり、冷却することによっ
て超電導性を発現する超電導物質を用いて作り出す永久
電流ループを利用する超電導システムに使用する永久電
流スイッチ、およびそのシステムの構成に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】永久電流状態を使用する超電導装置では
永久電流スイッチと超電導コイルを接続して用いるが、
永久電流スイッチに使用する超電導線はOFF時の電気
抵抗を大きくするため、キュプロニッケルなど比抵抗の
高い金属基材の中に多数の超電導フィラメントを埋め込
んだものが用いられることが多い。このような超電導線
では、金属基材の熱伝導率が銅などの低抵抗金属に比べ
て極めて小さいため、極く僅かな外乱による発熱でも局
部的な温度上昇が大きく、急激な常電導転移(クエン
チ)が起こりやすいものとなっている。そこで、このよ
うな不安定性の発生を防ぐために多くの考案がなされて
おり、特開昭59−96786号,特開昭60−7781号,特開昭6
0−22383号,特開昭60−37790号,特開昭60−46084号
等が開示されているが、十分な安定性が得られていると
は云えない状況である。
【0003】また最近、Tcの高い酸化物超電導体を使
用して永久電流スイッチを作製するような技術の提案
が、特開平1−194310号,特開平1−196685号,特開平1
−194310号,特開平4−176174号 等でなされているが、
何れの場合も永久電流スイッチをOFF状態に保つため
に発生する多量の熱の処理について考えられておらず、
液体ヘリウムのロスが非常に大きくなってしまうと云う
点に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の特開昭
59−96786号,特開昭60−7781号,特開昭60−22383号,
特開昭60−37790号,特開昭60−46084号等は、いずれも
接続部分を機械的に強固に固定し摩擦発熱によるクエン
チの発生を防止するものである。このような従来技術で
は、永久電流スイッチに用いる超電導物質として超電導
臨界温度(Tc)が20K以下の物質を用いていたため、
温度マージンが小さく、その為、永久電流スイッチをO
N状態(超電導状態)で安定に動作させるためには用い
る超電導線材を十分に安定化させておく必要がある。通
常、超電導線材の安定化の為には、超電導物質で作製し
た細線を、熱伝導性がよく電気抵抗が低い銅或いはアル
ミニウムなどの金属との複合化を行うことで対処する。
しかしながら、永久電流スイッチにおいては、スイッチ
OFF状態(常伝導状態)を実現するために常伝導状態
における永久電流スイッチ素子の電気抵抗をある程度以
上高く必要がある。従って、安定化材として電気抵抗の
低い金属を使用することができず、宿命的に永久電流ス
イッチ素子の超電導安定性が悪く、クエンチ等のトラブ
ルを起こすことが多かった。このようなトレードオフに
ある性質はTcの低い超電導物質を用いて永久電流スイ
ッチを作製する限り避けられないものである。そこでT
cの高い酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
を用いることで、上記の問題を避ける様な提案が特開平
1−194310号,特開平1−196685号,特開平1−194310号,
特開平4−176174 号等でなされているが、何れの場合も
永久電流スイッチをOFF状態に保つために発生する多
量の熱の処理について考えられておらず、液体ヘリウム
のロスが非常に大きくなってしまうと云う点に問題があ
った。
【0005】そこで本発明では、永久電流スイッチをO
FF状態に保つ際に発生する熱が、液体ヘリウム側へ侵
入しない様なシステム構成を与えることで上記の問題を
解決する。またこのような超電導システムを構成するた
めに適した永久電流スイッチの作製技術も併せてを提示
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は永久電流スイッ
チを液体ヘリウムの液面より上部に配置し、その永久電
流スイッチと液体ヘリウム液面の間に、熱反射板を配置
することによって、永久電流スイッチで発生した熱が、
液体ヘリウムの方向へは行かずに、クライオスタットの
上部方向に逃げて行くようにすることによって達成され
る。
【0007】更に、本発明は永久電流スイッチを液体ヘ
リウムの液面より上部に配置し、その永久電流スイッチ
を液体窒素等で冷却されたサーマルアンカーの上部、も
しくは内部に配置することによって、永久電流スイッチ
で発生した熱が、液体ヘリウムの方向へは行かずに、ク
ライオスタットの上部方向に逃げて行くようにすること
によって達成される。
【0008】また、上記目的は、永久電流スイッチにT
cを調節した酸化物超電導物質を使用し、そしてそのT
cに応じた装置の構成を与え、適切な方式によってスイ
ッチングすることによって、より効果的に達成されるよ
うになる。
【0009】
【作用】本発明による超電導マグネットシステムを図1
を用いて説明する。
【0010】超電導コイル1は、磁場を発生するための
ものである。Nb−Ti合金の超電導体を用いて線材を
作り、絶縁材とともに巻いてコイルとする。コイルに通
電したときコイル中心に3Tの磁場を発生する。永久電
流スイッチ2はコイル1の上部で液体ヘリウムの液面の
上部に配置してある。コイル1の巻き線端部と永久電流
スイッチ2とは酸化物超電導物質を使用した線材で超電
導接続がなされている。
【0011】保護抵抗3は超電導コイルが常電導転移し
たとき、超電導コイルの蓄積エネルギーを吸収しコイル
の焼損を防止するために組込まれている。本図では抵抗
体を使用したがダイオードを用いることもできる。ま
た、保護抵抗は冷却容器4の外部に組み込むこともでき
る。
【0012】冷却容器4には真空断熱容器を用いた。超
電導コイルは、液体ヘリウムに浸漬して冷却する。
【0013】励磁用電源5は、コイル1の励磁を行うも
ので、定電流制御の直流電源が用いられる。
【0014】本超電導システムの運転操作方法を次に述
べる。液体ヘリウムを冷却容器4に導入し超電導コイル
1を冷却する。次いで、永久電流スイッチ2のヒータを
炊く、もしくは永久電流スイッチ2に付属のコイルに通
電して永久電流スイッチ2内部の酸化物超電導物質で作
製した超電導線に磁場を掛ける、もしくはその両方を同
時に行うことによってスイッチをOFF状態にし、励磁
用電源5により超電導コイルを励磁して所望の磁場を発
生させる。その後ヒータ、もしくはコイル、もしくはそ
の両方に流していた電流をOFFし、永久電流スイッチ
をON状態にする。すなわち永久電流モードにする。励
磁用電源5をOFFにし、不要ならば電源を切り離すこ
ともできる。
【0015】液体ヘリウム中に永久電流スイッチを浸漬
するような超電導システムの構成にした場合、永久電流
スイッチをOFF状態にするために投入した熱量のすべ
てが液体ヘリウムの蒸発を起こさせてしまう。従って、
永久電流スイッチは液体ヘリウムの内部に浸漬されてお
らず、液体ヘリウムの液面からできるだけ遠い位置に配
置されていることがより好ましい。
【0016】図1に示すように、永久電流スイッチをク
ライオスタット内部で液体ヘリウムの液面よりも上部に
設置するようなシステム構成を採ることによって、永久
電流スイッチをOFF状態に保つ際に発生する熱が、液
体ヘリウム側へ侵入する量を低減できる。
【0017】また、図2に示すように、液体ヘリウムの
液面と永久電流スイッチの間に熱の反射板10を設ける
ことによって、永久電流スイッチをOFF状態に保つ際
に発生する熱が、液体ヘリウム側へ侵入する量を更に大
幅に低減できる。
【0018】また、図3に示すように、永久電流スイッ
チを、クライオスタット上部に設置されたサーマルアン
カー11の内部、もしくは直上に配置することによって
も、永久電流スイッチをOFF状態に保つ際に発生する
熱が、液体ヘリウム側へ侵入する量を更に大幅に低減で
きる。
【0019】また、液体ヘリウムから蒸発してきたヘリ
ウムガスを、永久電流スイッチの設置場所に導いて冷却
することによっても、液体ヘリウムのロスを大幅に低減
することを助ける。
【0020】合金もしくは金属間化合物の超電導物質と
酸化物超電導物質の両方を用いた超電導システムにおい
ては、両者を超電導接続することは重要な技術課題であ
る。両方の超電導物質を超電導接続することも可能であ
るが、両者が化学的な反応を起こすなどの技術的困難が
あり、コストもかかる。Tcの高い酸化物超電導物質を
10K以下の温度まで冷却すると、超電導のオーダパラ
メータも大きくなり、銅あるいは銀等の電気抵抗の低い
金属と接触させたときには金属中への超電導の染みだし
距離は長くなる。そこで合金もしくは金属間化合物の超
電導物質と酸化物超電導物質を直接的に超電導接続しな
くても、間に銅あるいは銀等の電気抵抗の低い金属を1
00nm以下の厚さで介在させた状態で両超電導物質を
超電導接続することが可能である。ただしこのような接
合部は磁場に対して弱いので、この様な接合部分は磁場
の弱い部分に配置するか、または接合部分の周りを磁気
シールドで覆うことで接合部分に磁場が掛からないよう
にすることによって、良好な超電導接合性を確保でき
る。
【0021】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグネ
ットシステムにおいて、電流リード部分に酸化物超電導
物質を使用すると、液体ヘリウムの消費量をかなり低減
できることは知られている。このようなシステムの場合
はこの電流リードの間を、酸化物超電導物質を使用した
永久電流スイッチで短絡させることによって、システム
全体の簡素化を図れる。
【0022】本発明の超電導システムでは、永久電流ス
イッチに酸化物超電導物質を使用するが、LnBa2
37-d(ここでLnはY,Ho,Erなどの希土類元
素、0<d<1.0),(Bi1-XPbX)2Sr2CuO6+d
(−1<d<1),(Bi1-XPbX)2Sr2Ca1-YLn
YCu28+d(LnはYもしくはランタノイド元素から選
ばれた一種もしくはそれ以上、−1<d<1),(Bi
1-XPbX)2Sr2Ca2Cu310+d(−1<d<1),
Tl2(Ba1-XSrX)2CuO6+d(−1<d<1,0≦
x≦0.5),Tl2(Ba1-XSrX)2Ca1-YLnYCu2
8+d(LnはYもしくはランタノイド元素から選ばれ
た一種もしくはそれ以上、−1<d<1,0≦x≦0.
5),Tl2Ba2Ca2Cu310+d(−1<d<1),
(Tl1-X-yBiXPby) (Sr1-zBaz)2Ca1-YLnYCu27+d(LnはYもし
くはランタノイド元素から選ばれた一種もしくはそれ以
上、0≦x≦0.3,0≦y≦0.6,0≦x+y≦0.
6,0≦z≦1.0,−1<d<1),(Tl1-X-yBiX
Pby) (Sr1-zBaz)2Ca2Cu39+d(0≦x≦0.3,0
≦y≦0.6,0≦x+y≦0.6,0≦z≦1.0,−
1<d<1)の組成式で示される酸化物超電導物質、あ
るいはその誘導体が使用できる。
【0023】酸化物超電導物質は、合金系あるいは金属
間化合物系の超電導物質に比べて常伝導状態における比
抵抗値が2桁以上高いので、よりコンパクトな永久電流
スイッチとすることができる。そして合金系あるいは金
属間化合物系の超電導物質を用いた永久電流スイッチの
場合とは異なり、酸化物超電導物質を用いた永久電流ス
イッチの場合には臨界温度を高くして冷媒温度とのマー
ジンを大きくすることによって超電導の安定性を確保す
ることができる。
【0024】本発明においては、設計する超電導システ
ムにとってもっとも効率的な運転ができるように、永久
電流スイッチに用いる酸化物超電導物質の組成比を適当
に調節して、所望のTcにした超電導物質を用いて永久
電流スイッチを作製する。
【0025】例えば、超電導システムの設計上、永久電
流スイッチを設置する場所を液体ヘリウムの液面から十
分に離すことができない場合、永久電流スイッチを設置
する場所の温度はかなり低くなる(例えば20K)。こ
のような場合、永久電流スイッチに使用する超電導物質
のTcを高くしておくと(例えば90K)永久電流スイ
ッチをOFF状態にするために相応の出力でヒータ炊く
必要が生ずる。これは、クライオスタット内部に不必要
に大量の熱を持ち込むことになり、ひいては不必要に液
体ヘリウムの蒸発を招くこととなり、好ましくない。こ
のような場合、酸化物超電導物質の組成を調節してTc
を20K〜40K程度に低下させたものを用いて永久電
流スイッチを作製して使用すればよい。このような範囲
にTcを収めるためには超電導物質を構成するCuの形
式電価を2.02〜2.05になるように組成を調節すれ
ばよい。
【0026】また、永久電流スイッチを液体ヘリウムの
液面の上部の、ある程度液体ヘリウムの液面から離れた
位置に配置する場合、例えばクライオスタット内部で4
0K程度の温度になっているような部分に配置するよう
な設計をした場合、Tcを40K〜60K程度に調節し
た酸化物超電導物質を用いて永久電流スイッチを作製す
るようにすればよい。このような範囲にTcを収めるた
めには超電導物質を構成するCuの形式電価を2.05
〜2.09になるように組成を調節すればよい。
【0027】また、永久電流スイッチを液体ヘリウムの
液面の上部の、液体ヘリウムの液面から十分に離れた位
置に配置する場合、例えばクライオスタット内部で60
K程度の温度になっているような部分に配置するような
設計をした場合、Tcを60K〜80K程度に調節した
酸化物超電導物質を用いて永久電流スイッチを作製する
ようにすればよい。このような範囲にTcを収めるため
には超電導物質を構成するCuの形式電価を2.09〜
2.12になるように組成を調節すればよい。
【0028】このように、永久電流スイッチを設置する
場所およびその他の構成部品の配置を工夫すること、及
び永久電流スイッチに適用する酸化物超電導物質のTc
を、システムの設計に適するように調整することによっ
て、より液体ヘリウムのロスが少ない超電導システムを
構築することができる。
【0029】図4は、本発明で使用した永久電流スイッ
チの断面図である。
【0030】永久電流スイッチ2は、図4に示すよう
に、基板12の上面に電流線輪13として酸化物超電導
体で形成し、ヒータ14を基板の下面に接着し、空間1
5を形成する様にケース16が構成してある。ケース1
6には穴17を1箇所以上に設けてある。
【0031】ヒータに通電すると電流線輪は、温度が上
がり超電導状態が破れ抵抗を発生する。この空間ケース
16を設けることによって液体ヘリウム側への余計な熱
の侵入を防止することになる。すなわち、本発明の永久
電流スイッチは少ないヒータ電力で常電導状態を保持で
きる。
【0032】永久電流スイッチをON,OFFする際、
熱のみで制御することはクライオスタット内部に多量の
熱を持ち込むことになり、好ましくない。そこで永久電
流スイッチをOFFにしたい時、熱と同時に磁場を超電
導体に印加することでより少ない投入熱量で超電導体に
有限抵抗を発生せしめることによって、効果的にスイッ
チングすることができる。この時、しようする酸化物超
電導物質がTl2(Ba1-XSrX)2CuO6+d(−1<d
<1,0≦x≦0.5),Tl2(Ba1-XSrX)2Ca1-Y
LnYCu28+d(LnはYもしくはランタノイド元素
から選ばれた一種もしくはそれ以上、−1<d<1,0
≦x≦0.5),Tl2Ba2Ca2Cu310+d(−1<
d<1),(Tl1-X-yBiXPby) (Sr1-zBaz)2Ca1-YLnYCu27+d(LnはYも
しくはランタノイド元素から選ばれた一種もしくはそれ
以上、0≦x≦0.3,0≦y≦0.6,0≦x+y≦
0.6,0≦z≦1.0,−1<d<1)であれば、磁場
は効果的なスイッチングの役目をはたす。(Bi1-XPb
X)2Sr2CuO6+d(−1<d<1),(Bi1-XPbX)
2Sr2Ca1-YLnYCu28+d(LnはYもしくはラン
タノイド元素から選ばれた一種もしくはそれ以上、−1
<d<1), (Bi1-XPbX)2Sr2
Ca2Cu310+d(−1<d<1)であれば更に効果的
である。その理由は図5に示した各酸化物超電導物質の
不可逆磁場(ある温度においてそれ以上の磁場をかける
とゼロ抵抗の電流が流れなくなる最小の磁場)と温度依
存性から明らかである。
【0033】酸化物超電導物質においては、c軸に平行
に磁場を印加した場合の不可逆磁場の方が、c軸に垂直
に磁場を印加した場合のそれよりも低いことから、スイ
ッチングのための磁場を印加する方向は、c軸に平行に
印加する方が好ましい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)図4に示す構造の本発明による永久電流ス
イッチを作製した。
【0035】永久電流スイッチ2は、基板12の上面に
電流線輪13として組成がBi2Sr2Ca0.9Ho0.1
28.1の酸化物超電導物質の膜をレーザアブレーショ
ン法で形成し、ヒータ14としてマンガニンの薄膜ヒー
タを基板の下面に接着した。
【0036】用いた基板は厚さ0.5mm ,幅20mm,長
さ30mmのMgO単結晶で、電流線輪は幅4mm,厚さ2
μm,長さが80mmである。ケース16はポリイミドの
絶縁シートとエポキシ樹脂とで形成した。直径約1mmの
穴17を2箇所に設けてある。
【0037】この永久電流スイッチをヘリウムガスで6
0Kに冷却して試験したところ、臨界電流は25Aで、
ヒータをONして超電導状態を破ったときの常伝導状態
での抵抗値は60Ωであった。ヒータ電力を1W投入と
したとき10秒後に超電導状態から常伝導状態に転移
し、その後0.1W にヒータ電力を下げても常伝導状態
は持続した。
【0038】この永久電流スイッチを用いて、図1に示
す構成の超電導システムを作製した。
【0039】超電導コイル1は、磁場を発生するための
ものである。Nb−Ti合金を用いて幅3mm,厚み0.
1mm の銅と複合化したテープ状線材を作り、アルミナ
不織布とともに巻いてパンケーキコイルとし、これを1
2段積層してコイルとした。
【0040】コイル1の巻き線寸法は巻き線内径が20
mm,巻き線外径が60mm,軸長が40mmである。永久電
流スイッチ2は上記のものを、このシステムの定常運転
時に雰囲気温度が60K±5Kとなる位置に配置してあ
る。
【0041】コイル1の巻き線端部はBi2Sr2CaC
28.1酸化物超電導物質で作製した超電導線材と接続
され、その接続部は液体ヘリウム中に来るように配置し
た。この接合部においては、Bi2Sr2CaCu28.1
とNb−Ti合金は銀を挟んで70nmの距離になるよ
うに接合し、更に、Bi2Sr2CaCu28.1で作製し
た磁気シールド材で覆った。色々検討した結果、この距
離が100nm以上である場合には、100時間に5回
以上この接合部の超電導性が破れる様なことになった。
この距離がこの距離を100nm以下にすると100時
間の運転においても1度もこの接合部の超電導性が破れ
ることはなかった。この距離がこの距離を100nm以
下にし、更にBi2Sr2CaCu28.1で作製した磁気
シールド材で接続部を覆った構造にした場合、1000
時間の運転においても1度もこの接合部の超電導性が破
れることはなかった。Bi2Sr2CaCu28.1とNb
−Ti合金の間に挟む金属層を色々と検討したところ、
純銅,銅の含有率90%以上の合金,銅の含有率90%
以上の合金でも同様の結果がえられた。
【0042】また永久電流スイッチ2とBi2Sr2Ca
Cu28.1酸化物超電導物質で作製した超電導線材は超
電導接続がなされている。
【0043】保護抵抗3として本実施例では1Ωの抵抗
体を使用した。冷却容器4にはステンレス製の真空断熱
容器を用いた。励磁用電源5には、定電流制御の直流電
源を用いた。
【0044】液体ヘリウムを冷却容器4に充填し超電導
コイル1を冷却し、次いで、永久電流スイッチ2のヒー
タに1Wの電力を炊いてスイッチをOFF状態にし、励
磁用電源5により超電導コイルを励磁して磁場を発生さ
せた。20A通電したときコイル中心に1Tの磁場を発
生した。その後にヒータをOFFし永久電流スイッチを
ON状態すなわち永久電流モードにした。電源を切り離
して、コイルの発生磁場の減衰状態を調べたところ10
00時間後の減衰量は0.01% 未満でありと実用上問
題ないことが確認できた。また、永久電流スイッチ2を
液体ヘリウム内部に浸漬したシステム構成の場合に比べ
て、永久電流スイッチをOFF状態に保っていた時の液
体ヘリウムの蒸発量は1/50程度であった。
【0045】本発明に依れば、永久電流モード運転が安
定に動作する超電導システムを、従来の方法に比べて遥
かに少ない液体ヘリウムの蒸発ロスで実現できることが
できることがわかる。
【0046】(実施例2)実施例1と同様の超電導シス
テムを作製し、これに図2に示したように熱反射板10
を2枚追加した。これにより、永久電流スイッチ2を液
体ヘリウム内部に浸漬したシステム構成の場合に比べ
て、永久電流スイッチをOFF状態に保っていた時の液
体ヘリウムの蒸発量は1/100程度に抑制できた。ま
た、永久電流モードで1000時間の運転を行っても、
1度も超電導が破れることはなかった。この結果より、
永久電流スイッチと液体ヘリウム液面の間に、熱反射板
を配置することに依って、更に液体ヘリウムのロスを抑
制できることが分かる。
【0047】(実施例3)実施例2において、クライオ
スタット内部に、蒸発したヘリウムガスの流れを、永久
電流スイッチ2に集めるような役割を担ったガイドを追
加して、蒸発してくる冷たいヘリウムガスが、永久電流
スイッチ2の部分に集まってくるように構成を変更し
た。このようにすることによって、永久電流スイッチ2
を液体ヘリウム内部に浸漬したシステム構成の場合に比
べて、永久電流スイッチをOFF状態に保っていた時の
液体ヘリウムの蒸発量は1/120程度に抑制できた。
また、永久電流モードで1000時間の運転を行って
も、1度も超電導が破れることはなかった。この結果よ
り、永久電流スイッチを、超電導マグネット冷却用の液
体ヘリウムが蒸発したガスで冷却する様な機構を導入す
ることに依って、更に液体ヘリウムのロスを抑制できる
ことが分かる。
【0048】(実施例4)実施例1と同様の超電導シス
テムを作製し、これに図3に示したようにサーマルアン
カー11を追加し、永久電流スイッチ2をその直上に配
置した。これにより、永久電流スイッチ2を液体ヘリウ
ム内部に浸漬したシステム構成の場合に比べて、永久電
流スイッチをOFF状態に保っていた時の液体ヘリウム
の蒸発量は1/100程度に抑制できた。また、永久電
流モードで1000時間の運転を行っても、1度も超電
導が破れることはなかった。永久電流スイッチ2をサー
マルアンカーの内部に埋め込んでも同様の結果が得られ
た。
【0049】この結果より、永久電流スイッチを、クラ
イオスタット上部に設置されたサーマルアンカーの内
部、もしくは直上に配置することに依って、更に液体ヘ
リウムのロスを抑制できることが分かる。
【0050】(実施例5)組成式が(Bi1-XPbX)2
2Ca1-YSmYCu28+d(x=0,0.1,0.2,
0.3,0.4,y=0,0.1,0.2,0.3,0.4,
0.5,0.6,0.7,d=0,0.1,0.2,0.3)
であるような160種類の酸化物超電導物質を用いて、
超電導線材を作製した。安定化材としては銀を使用し、
線材全体に占める超電導物質の体積比は95%とした。
この超電導線材を用いて図6に示す構造を持つ永久電流
スイッチを作製した。上記のようにして作製した超電導
線材をソレノイド状に巻いてコイルを作り20とする。
この時酸化物超電導物質の結晶のc軸がコイルの長手方
向に揃うようにしておく。このコイル20の内側に電磁
石兼ヒータの役割を担うコイル21を銅線によって作製
し、配置する。これらをケース22に収納する。ケース
22には穴23を2箇所に設けた。
【0051】このようにして作製した160種類の永久
電流スイッチを図2に示すマグネットシステムの中に順
次組み込んで、性能の評価を行った。
【0052】(1)0≦x−0.5y+d≦0.02の時 酸化物超電導物質のTcが20K未満で低すぎて、液体
ヘリウムの液面の上部では、クライオスタット内部のど
の場所に配置しても永久電流スイッチのON状態が安定
でなく、しばしば超電導状態が破れてしまった。
【0053】(2)0.02≦x−0.5y+d≦0.0
5の時 酸化物超電導物質のTcは20K〜40Kであった。
【0054】永久電流スイッチを設置する場所を色々と
変えて、安定性を検討したところ、用いる酸化物超電導
物質のTcより20K以上低い環境温度(例えばTc=
35Kに対して、15K以下の環境温度)の場所に永久電
流スイッチを設置した場合には、100時間の永久電流
モード運転中に1度も超電導状態が破れることが無い程
度の安定性が確保できた。しかし、それより温度マージ
ンが少ない場所に設置した場合には、100時間の永久
電流モード運転中に1度以上、超電導状態が破れるよう
な事態が発生した。
【0055】(3)0.05≦x−0.5y+d≦0.0
9の時 酸化物超電導物質のTcは40K〜60Kであった。
【0056】永久電流スイッチを設置する場所を色々と
変えて、安定性を検討したところ、用いる酸化物超電導
物質のTcより20K以上低い環境温度(例えばTc=
50Kに対して、30K以下の環境温度)の場所に永久電
流スイッチを設置した場合には、100時間の永久電流
モード運転中に1度も超電導状態が破れることが無い程
度の安定性が確保できた。しかし、それより温度マージ
ンが少ない場所に設置した場合には、100時間の永久
電流モード運転中に1度以上、超電導状態が破れるよう
な事態が発生した。
【0057】(4)0.09≦x−0.5y+d≦0.1
2の時 酸化物超電導物質のTcは60K〜80Kであった。
【0058】永久電流スイッチを設置する場所を色々と
変えて、安定性を検討したところ、用いる酸化物超電導
物質のTcより20K以上低い環境温度(例えばTc=
70Kに対して、50K以下の環境温度)の場所に永久電
流スイッチを設置した場合には、100時間の永久電流
モード運転中に1度も超電導状態が破れることが無い程
度の安定性が確保できた。しかし、それより温度マージ
ンが少ない場所に設置した場合には、100時間の永久
電流モード運転中に1度以上、超電導状態が破れるよう
な事態が発生した。
【0059】(5)0.12≦x−0.5y+d≦0.2
の時 酸化物超電導物質のTcは80K〜90Kであった。
【0060】永久電流スイッチを設置する場所を色々と
変えて、安定性を検討したところ、用いる酸化物超電導
物質のTcより20K以上低い環境温度(例えばTc=
90Kに対して、70K以下の環境温度)の場所に永久電
流スイッチを設置した場合には、100時間の永久電流
モード運転中に1度も超電導状態が破れることが無い程
度の安定性が確保できた。しかし、それより温度マージ
ンが少ない場所に設置した場合には、100時間の永久
電流モード運転中に1度以上、超電導状態が破れるよう
な事態が発生した。
【0061】永久電流スイッチを配置する部分の温度よ
り20K高い超電導臨界温度を有するように組成を調節
した酸化物超電導物質を永久電流スイッチに用いること
で超電導システムを安定に、永久電流モード下で運転す
ることができることが分かる。
【0062】また、永久電流スイッチのOFF状態を作
り出すためのスイッチング機構として、熱のみを使用す
るような永久電流スイッチを作製して(図6の21がソ
レノイド状に巻かれているのではなく、単に抵抗のより
高いヒータ線を使用したもの)比較したところ、本実施
例の(1)から(5)の何れのケースにおいても、熱と
磁場の両方を使用するタイプの方が液体ヘリウムのロス
が1/2から1/5と少なかった。
【0063】また、永久電流スイッチに使用した酸化物
超電導物質の結晶のc軸を、図6における超電導線で作
製したコイル20の長手方向に対して90±10度以内
に入るようにして永久電流スイッチを作製したところ、
何れの組成の酸化物超電導物質の場合でも、結晶のc軸
をコイル長手方向に平行にそろえた場合と比較して、永
久電流スイッチをOFFするために、2倍以上の液体ヘ
リウムの蒸発を引き起こした。このことより、酸化物超
電導物質のc軸を、スイッチング用の磁場に対して平行
方向にそろえることは有効であることが分かる。
【0064】(実施例6)組成式がTl2(Ba1-X
X)2Ca1-YEuYCu28+d(x=0,0.1,0.
2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.
9,1.0,y=0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.
5,0.6,0.7,d=0,0.1,0.2),或いは
(Bi1-XPbX)2Sr2CuO6+d(x=0,0.1,0.
2,0.3,0.4,d=0,0.1,0.2,0.3)、或
いはTl2(Ba1-XSrX)2CuO6+d(x=0,0.1,
0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,d=0,
0.1,0.2,0.3)であるような多くの種類の酸化物
超電導物質を用いて、超電導線材を作製し、実施例5と
同様にして永久電流スイッチの性能を試験した。
【0065】何れの組成の酸化物超電導物質を使用した
場合においても、そのTcが同じであれば実施例2と同
様の結果が得られた。
【0066】(実施例7)酸化物超電導物質YBa2
36.85を用いて、超電導線材を作製した。粒界部分
に薄くBaCO3 を析出させることによって、超電導物
質同士の結晶粒界が弱い超電導接合となるようにした。
この線材の77Kにおける臨界電流密度の磁場依存性を
図7に示す。このような超電導線材を使用して図8に示
す構造を持った永久電流スイッチを作製し、図1に示し
た超電導システムに組み込んで試験を行った。図8にお
いて超電導線材をソレノイド状に巻いたコイル20の外
側には電磁石兼ヒータの役割を担うコイル21が組み込
んである。また永久電流スイッチは、クライオスタット
内部で温度が77K±5Kの温度になっている場所に設
置した。100G以上の磁場を与えることで永久電流ス
イッチをOFFすることができた。励磁した後、磁場を
消去して、永久電流スイッチをONにして、電源を切り
離して、コイルの発生磁場の減衰状態を調べたところ1
00時間後の減衰量は0.01% 未満でありと実用上問
題ないことが確認できた。
【0067】(実施例8)酸化物超電導物質Tl2Ba2
Ca2Cu310.05(Tc=120Kであった。)を用い
て永久電流スイッチを作製し、図3に示すような超電導
システムに組み込んで試験を行った。図3において、超
電導コイル1は、磁場を発生するためのものである。N
b−Ti合金の超電導体を用いて線材を作り、絶縁材と
ともに巻いてコイルとする。コイルに通電したときコイ
ル中心に3Tの磁場を発生する。永久電流スイッチ2は
コイル1の上部で液体ヘリウムの液面の上部、永久電流
でこのシステムを運転するときの温度が77K±5Kの
温度になるような場所に配置してある。コイル1の巻き
線端部と永久電流スイッチ2とは酸化物超電導物質を使
用した線材は超電導接続がなされている。コイル1と超
電導線材の接続部分では70nm厚さの銀の層を介し
て、酸化物超電導物質とNb−Ti合金を接続した。こ
の銀の部分の厚さは100nm以下であることが好まし
く、それ以上であると接合部分の臨界電流密度が著しく
低下することが確認できている。また銀の代わりに銅で
あっても同様の結果であった。
【0068】保護抵抗3は超電導コイルが常電導転移し
たとき、超電導コイルの蓄積エネルギーを吸収しコイル
の焼損を防止するために組込まれている。本図では抵抗
体を使用したがダイオードを用いることもできる。ま
た、保護抵抗は冷却容器4の外部に組み込むこともでき
る。冷却容器4には真空断熱容器を用いた。励磁用電源
5は、コイル1の励磁を行うもので、定電流制御の直流
電源を使用した。
【0069】液体ヘリウムを冷却容器4に導入し超電導
コイル1を冷却し、次いで、永久電流スイッチ2のヒー
タを炊いてスイッチをOFF状態にし、励磁用電源5に
より超電導コイルを励磁して3Tの磁場を発生させた。
この時、ヒータに発生する熱は5Wであったが、永久電
流スイッチが液体ヘリウム中にはなく、クライオスタッ
トの上部、サーマルアンカーの上部に位置しているた
め、永久電流スイッチの温度マージンを40K以上と大
きくとっても、即ちそれをOFFするためにより多くの
熱が永久電流スイッチ部分で発生しても、液体ヘリウム
の蒸発量は少なく、実施例1においての液体ヘリウムの
蒸発量より5%多い程度に抑えることができた。その後
ヒータに流していた電流をOFFし、永久電流スイッチ
をON状態、すなわち永久電流モードにし、励磁用電源
5を切り離した。コイルの発生磁場の減衰状態を調べた
ところ1000時間後の減衰量は0.001% 未満であ
った。永久電流スイッチの温度マージンを大きくとるこ
とによって非常に安定な永久電流モード運転ができるこ
とが分かる。
【0070】(実施例9)60K以上のTcを有する2
0種類の酸化物超電導物質を使用して図8に示す構造の
永久電流スイッチを作製して、実施例8と同様の超電導
マグネットシステムに組み込んだ。永久電流スイッチを
設置する場所を60K以上の色々な温度のところに選ん
で、酸化物超電導物質使用しているのTcとその設置場
所の温度の差と、永久電流スイッチの安定性を調べた。
両者の差が20Kより小さいと、時々クエンチ現象が起
こった。両者の温度を20K以上にしておけば100時
間の永久電流モードの運転試験でクエンチすることはな
かった。このことから、使用する永久電流スイッチの酸
化物超電導物質のTcは、永久電流スイッチを設置する
温度より少なくとも20K以上高くしておく必要がある
ことが分かる。
【0071】そして、この時液体ヘリウムが蒸発して発
生したガスが当たるような場所に永久電流スイッチを設
置しておけば、液体ヘリウムのロスは10%程度低減で
きることも分かった。
【0072】(実施例10)実施例8と同様な超電導マ
グネットシステムを作製し、超電導コイル1のみを8T
まで磁場を発生できるものに取り替えた。実施例8の場
合と同様の手続きで、永久電流モードの試験を行った。
【0073】コイルの発生磁場の減衰状態を調べたとこ
ろ1000時間後の減衰量は0.001%未満であり、途中
でクエンチは一度も起こらなかった。8Tのコイルを使
用したシステムにおいても、非常に安定な永久電流モー
ド運転ができることが分かる。
【0074】(実施例11)図9に示すような、酸化物
超電導物質を用いて作製した電流リードの途中を酸化物
超電導物質を用いて作製した永久電流スイッチによって
短絡されている様な超電導マグネットシステムを作製し
た。24は酸化物超電導物質を用いて作製した電流リー
ド、25は酸化物超電導物質を用いて作製した永久電流
スイッチ、26は液体ヘリウム、27は超電導コイルで
ある。このような構成により、余分な配線を省略でき、
システム全体をシンプルにすることができた。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、安定で液体ヘリウムの
ロスの少ない、永久電流モードで運転可能な超電導シス
テムを得ることができる。また、本発明の方法によれ
ば、より液体ヘリウムロスの少ない、永久電流スイッチ
のON,OFFが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における超電導システムの断面
図である。
【図2】本発明の実施例における超電導システムの断面
図である。
【図3】本発明の実施例における超電導システムの断面
図である。
【図4】本発明の実施例における永久電流スイッチの断
面図である。
【図5】本発明の説明において、作用の項目での説明に
使用した各酸化物超電導物質の不可逆磁場の温度依存性
を示す図である。
【図6】本発明の実施例における永久電流スイッチの断
面図である。
【図7】本発明の実施例において使用した超電導線材の
臨界電流密度の磁場依存性を示す図である。
【図8】本発明の実施例における永久電流スイッチの断
面図である。
【図9】本発明の実施例における超電導システムの断面
図である。
【符号の説明】
1…超電導コイル、2,25…永久電流スイッチ、3…
保護抵抗、4…冷却容器、5…励磁用電源、6…磁場発
生空間、7…磁気シールド、8…サービスポート、9…
冷媒供給排出口、10…熱反射板、11…サーマルアン
カー、12…基板、13…電流線輪、14…ヒータ、1
5…空間、16,22…ケース、17,23…穴、18
…コイル口出し線、19…ヒータ口出し線、20…超電
導線のコイル、21…常伝導線のコイル兼ヒータ、24
…電流リード、26…液体ヘリウム、27…超電導コイ
ル。
フロントページの続き (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 森 和久 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 原 伸洋 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体ヘリウムに浸した超電導マグネット
    と、該超電導マグネットを駆動あるいは停止させる永久
    電流スイッチと、該超電導マグネットと該永久電流スイ
    ッチを収納するクライオスタットとからなる超電導マグ
    ネットシステムであって、該永久電流スイッチを該液体
    ヘリウムの液面より上部に配置したことを特徴とする超
    電導マグネットシステム。
  2. 【請求項2】液体ヘリウムに浸した超電導マグネット
    と、該超電導マグネットを駆動あるいは停止させる永久
    電流スイッチと、該超電導マグネットと該永久電流スイ
    ッチを収納するクライオスタットとからなる超電導マグ
    ネットシステムであって、該永久電流スイッチを、該超
    電導マグネット冷却用の液体ヘリウムが蒸発したガスで
    冷却することを特徴とする超電導マグネットシステム。
  3. 【請求項3】液体ヘリウムに浸した超電導マグネット
    と、該超電導マグネットを駆動あるいは停止させる永久
    電流スイッチと、該超電導マグネットと該永久電流スイ
    ッチを収納するクライオスタットとからなる超電導マグ
    ネットシステムであって、該永久電流スイッチと液体ヘ
    リウム液面の間に、少なくとも1枚以上の熱反射板を配
    置したことを特徴とする超電導マグネットシステム。
  4. 【請求項4】液体ヘリウムに浸した超電導マグネット
    と、該超電導マグネットを駆動あるいは停止させる永久
    電流スイッチと、該超電導マグネットと該永久電流スイ
    ッチを収納するクライオスタットとからなる超電導マグ
    ネットシステムであって、該永久電流スイッチを、クラ
    イオスタット上部に設置されたサーマルアンカーの内
    部、もしくは直上に配置したことを特徴とする超電導マ
    グネットシステム。
  5. 【請求項5】液体ヘリウムに浸した超電導マグネット
    と、該超電導マグネットを駆動あるいは停止させる永久
    電流スイッチと、該超電導マグネットと該永久電流スイ
    ッチを収納するクライオスタットとからなる超電導マグ
    ネットシステムであって、該超電導マグネットと該永久
    電流スイッチを酸化物超電導物質を用いた超電導線材で
    接続し、かつ該永久電流スイッチが液体ヘリウムの液面
    の上部にあることを特徴とする超電導マグネットシステ
    ム。
  6. 【請求項6】液体ヘリウムで冷却しながら運転する超電
    導マグネットと酸化物超電導物質を用いた永久電流スイ
    ッチの両方を構成要素として含む超電導マグネットシス
    テムであって、該永久電流スイッチを配置する部分の温
    度より20K高い超電導臨界温度を有するように組成を
    調節した酸化物超電導物質を永久電流スイッチに用いた
    ことを特徴とする超電導マグネットシステム。
  7. 【請求項7】液体ヘリウムで冷却しながら運転する超電
    導マグネットと酸化物超電導物質を用いた永久電流スイ
    ッチの両方を構成要素として含む超電導マグネットシス
    テムであって、該永久電流スイッチを配置する部分の温
    度より20K高い超電導臨界温度を有するように組成を
    調節した組成式(Bi1-XPbX)2Sr2Ca1-YLnYCu2O8+d(Ln
    はYもしくはランタノイド元素から選ばれた一種もしく
    はそれ以上、−1<d<1,0.02≦x−0.5y+d
    ≦0.12)で表わされる酸化物超電導物質を該永久電流
    スイッチに用いたことを特徴とする超電導マグネットシ
    ステム。
  8. 【請求項8】液体ヘリウムで冷却しながら運転する超電
    導マグネットと酸化物超電導物質を用いた永久電流スイ
    ッチの両方を構成要素として含む超電導マグネットシス
    テムにおいて、該永久電流スイッチを配置する部分の温
    度より20K高い超電導臨界温度を有するように組成を
    調節した組成式Tl2(Ba1-XSrX)2Ca1-YLnYCu2O8+d(Ln
    はYもしくはランタノイド元素から選ばれた一種もしく
    はそれ以上、−1<d<1,0≦x≦0.5,0.02≦
    −0.5y+d≦0.12)で表わされる酸化物超電導物
    質を該永久電流スイッチに用いたことを特徴とする超電
    導マグネットシステム。
  9. 【請求項9】液体ヘリウムで冷却しながら運転する超電
    導マグネットと酸化物超電導物質を用いた永久電流スイ
    ッチの両方を構成要素として含む超電導マグネットシス
    テムにおいて、該永久電流スイッチを配置する部分の温
    度より20K高い超電導臨界温度を有するように組成を
    調節した組成式(Bi1-XPbX)2Sr2CuO6+d(−1
    <d<1,0.02≦2x+2d≦0.12)で表わされ
    る酸化物超電導物質を該永久電流スイッチに用いたこと
    を特徴とする超電導マグネットシステム。
  10. 【請求項10】液体ヘリウムで冷却しながら運転する超
    電導マグネットと酸化物超電導物質を用いた永久電流ス
    イッチの両方を構成要素として含む超電導マグネットシ
    ステムにおいて、該永久電流スイッチを配置する部分の
    温度より20K高い超電導臨界温度を有するように組成
    を調節した組成式Tl2(Ba1-XSrX)2CuO6+d(0≦
    x≦0.5,0.02≦2d≦0.12)で表わされる酸化
    物超電導物質を該永久電流スイッチに用いたことを特徴
    とする超電導マグネットシステム。
  11. 【請求項11】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    を含み、該超電導マグネットと該永久電流スイッチが、
    合金もしくは金属間化合物の超電導物質と酸化物超電導
    物質の両方によって接続されており、両者を電気的に接
    続する部分が液体ヘリウムによって冷却されているかも
    しくは10K以下の温度に冷却されていることを特徴と
    する超電導システム。
  12. 【請求項12】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    を含み、該超電導マグネットと該永久電流スイッチが、
    合金もしくは金属間化合物の超電導物質と酸化物超電導
    物質の両方によって接続されており、両者を電気的に接
    続する部分が磁気シールド材によって磁気的にシールド
    され、更に該接続部分が液体ヘリウムによって冷却され
    ているかもしくは10K以下の温度に冷却されているこ
    とを特徴とする超電導システム。
  13. 【請求項13】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    を含み、該超電導マグネットと該永久電流スイッチが、
    合金もしくは金属間化合物の超電導物質と酸化物超電導
    物質の両方によって接続されており、両方の超電導物質
    が銅,銀,銅合金,銀合金もしくはそれらの複数からな
    る100nm以下の金属層を介して接合されており、更
    にその接合部分が液体ヘリウムによって冷却されている
    かもしくは10K以下の温度に冷却されていることを特
    徴とする超電導システム。
  14. 【請求項14】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    を含み、該超電導マグネットと該永久電流スイッチが、
    酸化物超電導物質を使用した超電導線材によって接続さ
    れており、該超電導マグネットと該超電導線材の接続部
    分は10K以下の温度に冷却され、該永久電流スイッチ
    はクライオスタット内部で液体ヘリウムの液面より上部
    に配置されていることを特徴とする超電導システム。
  15. 【請求項15】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    を含み、該超電導マグネットと該永久電流スイッチが、
    酸化物超電導物質を使用した超電導線材によって接続さ
    れており、該酸化物超電導物質を用いて作製した電流リ
    ードの一部が、該超電導マグネットと該酸化物超電導物
    質を用いて作製した永久電流スイッチを接続する超電導
    線を兼ねることを特徴とする超電導システム。
  16. 【請求項16】液体ヘリウム冷却で運転する超電導マグ
    ネットと酸化物超電導物質を使用した永久電流スイッチ
    と酸化物超電導物質を使用した電流リードを含む超電導
    システムにおいて、該電流リード同士を該永久電流スイ
    ッチを介して短絡させたことを特徴とする超電導システ
    ム。
  17. 【請求項17】酸化物超電導体を用いた永久電流スイッ
    チにおいて、酸化物超電導物質で作製した導体或いはコ
    イルの長手方向と平行に、常伝導コイルを配置したこと
    を特徴とする永久電流スイッチ。
  18. 【請求項18】請求項1ないし16のいずれかにおい
    て、永久電流スイッチのOFF,ON状態を、熱と磁場
    を同時に与えること、及び熱もしくは磁場の両方もしく
    は一方を取り除くもしくは減少させることによって制御
    することを特徴とする超電導システム。
  19. 【請求項19】酸化物超電導体を用いた永久電流スイッ
    チにおいて、酸化物超電導物質で作製した導体、或いは
    コイルの長手方向と平行に、常伝導コイルを配置したこ
    とを特徴とする永久電流スイッチ。
  20. 【請求項20】超電導物質を構成するCuの結晶内での
    形式電価を2.02以上2.12以下とした酸化物超電導
    物質を用いた永久電流スイッチにおいて、永久電流スイ
    ッチのOFF,ON状態を、熱と磁場を同時に与えるこ
    と、及び熱もしくは磁場の両方もしくは一方を取り除く
    もしくは減少させることによって制御することを特徴と
    する酸化物超電導体を用いた永久電流スイッチ。
  21. 【請求項21】酸化物超電導体を用いた永久電流スイッ
    チにおいて、超電導物質を構成するCuの結晶内での形
    式電価を2.02以上2.12以下とした酸化物超電導物
    質で作製した導体或いはコイルの長手方向と平行に、常
    伝導コイルを配置したことを特徴とする永久電流スイッ
    チ。
  22. 【請求項22】請求項17ないし21のいずれかに記載
    の永久電流スイッチにおいて、該酸化物超電導物質とし
    て、組成式が(Bi1-XPbX)2Sr2Ca1-YLnYCu2
    8+d(LnはYもしくはランタノイド元素から選ばれ
    た一種もしくはそれ以上、−1<d<1)で表わされ、
    Cuの形式電価を調節するために、x,y,dが0.02≦
    x−0.5y+d≦0.12の関係式を満たすように組成
    を調整した酸化物超電導物質を用いることを特徴とした
    永久電流スイッチ。
  23. 【請求項23】請求項17ないし21のいずれかに記載
    の永久電流スイッチにおいて、該酸化物超電導物質とし
    て、組成式がTl2(Ba1-XSrX)2Ca1-YLnYCu2
    8+d(LnはYもしくはランタノイド元素から選ばれ
    た一種もしくはそれ以上、−1<d<1,0≦x≦0.
    5)で表わされ、Cuの形式電価を調節するために、
    x,y,dが0.02≦−0.5y+d≦0.12の関係式
    を満たすように組成を調整した酸化物超電導物質を用い
    ることを特徴とした永久電流スイッチ。
  24. 【請求項24】請求項17ないし21にいずれかに記載
    の永久電流スイッチにおいて、該酸化物超電導物質とし
    て、組成式が(Bi1-XPbX)2Sr2CuO6+d(−1<
    d<1)で表わされ、Cuの形式電価を調節するため
    に、x,dが0.02≦2x+2d≦0.12 の関係式
    を満たすように組成を調整した酸化物超電導物質を用い
    ることを特徴とした永久電流スイッチ。
  25. 【請求項25】請求項17ないし21に記載の永久電流
    スイッチにおいて、該酸化物超電導物質として、組成式
    がTl2(Ba1-XSrX)2CuO6+d(−1<d<1,0
    ≦x≦0.5)で表わされ、Cuの形式電価を調節する
    ために、dが0.02≦2d≦0.12 の関係式を満た
    すように組成を調整した酸化物超電導物質を用いること
    を特徴とした永久電流スイッチ。
  26. 【請求項26】超電導物質同士の結晶粒界に極わずかの
    非超電導物質を析出させることによって、超電導物質同
    士の結晶粒界が弱い超電導接合となるようにし、50〜
    300ガウスの磁場を印加した時の超電導臨界電流密度
    の値が磁場を印加しない場合の超電導臨界電流密度の1
    0分の1以下になるように調節した超電導複合体を用い
    たことを特徴とする永久電流スイッチ。
  27. 【請求項27】超電導物質同士の結晶粒界に極わずかの
    非超電導物質を析出させることによって、超電導物質同
    士の結晶粒界が弱い超電導接合となるようにし、50〜
    300ガウスの磁場を印加した時の超電導臨界電流密度
    の値が磁場を印加しない場合の超電導臨界電流密度の1
    0分の1以下になるように調節した超電導複合体を用い
    ており、この超電導複合体に磁場を印加する或いは磁場
    を消去することでOFF,ONすることを特徴とする永
    久電流スイッチ。
  28. 【請求項28】酸化物超電導物質を用いた永久電流スイ
    ッチにおいて、酸化物超電導物質を用いて作製されたコ
    イルに電流を流したときに発生する磁場の方向と平行に
    該酸化物超電導物質の結晶のc軸の方向を揃えた酸化物
    超電導物質を用いて作製されたコイルを要素として含む
    ことを特徴とした永久電流スイッチ。
  29. 【請求項29】組成式が(Bi1-XPbX)2Sr2Ca1-Y
    LnYCu28+d(LnはYもしくはランタノイド元素
    から選ばれた一種もしくはそれ以上、−1<d<1)で
    表わされ、Cuの形式電価を調節するために、x,y,
    dが0.02≦x−0.5y+d≦0.12 の関係式を満
    たすように組成を調整した酸化物超電導物質を用いて作
    製した超電導コイルであって、該酸化物超電導物質の結
    晶のc軸が該超電導コイルに電流を流したときに発生す
    る磁場の方向と平行に並ぶように作製した超電導コイル
    を含むことを特徴とする永久電流スイッチ。
  30. 【請求項30】組成式が(Bi1-XPbX)2Sr2CuO
    6+d(−1<d<1)で表わされ、Cuの形式電価を調節
    するために、x,dが0.02≦2x+2d≦0.12の
    関係式を満たすように組成を調整した酸化物超電導物質
    を用いて作製した超電導コイルであって、該酸化物超電
    導物質の結晶のc軸が該超電導コイルに電流を流したと
    きに発生する磁場の方向と平行に並ぶように作製した超
    電導コイルを含むことを特徴とする永久電流スイッチ。
  31. 【請求項31】組成式がTl2(Ba1-XSrX)2Ca1-Y
    LnYCu28+d(LnはYもしくはランタノイド元素
    から選ばれた一種もしくはそれ以上、−1<d<1,0
    ≦x≦0.5)で表わされ、Cuの形式電価を調節する
    ために、y,dが0.02≦−0.5y+d≦0.12の
    関係式を満たすように組成を調整した酸化物超電導物質
    を用いて作製した超電導コイルであって、該酸化物超電
    導物質の結晶のc軸が該超電導コイルに電流を流したと
    きに発生する磁場の方向と平行に並ぶように作製した超
    電導コイルを含むことを特徴とする永久電流スイッチ。
  32. 【請求項32】組成式がTl2(Ba1-XSrX)2CuO
    6+d(−1<d<1,0≦x≦0.5)で表わされ、Cu
    の形式電価を調節するために、dが0.02≦2d≦0.
    12の関係式を満たすように組成を調整した酸化物超電
    導物質を用いて作製した超電導コイルであって、該酸化
    物超電導物質の結晶のc軸が該超電導コイルに電流を流
    したときに発生する磁場の方向と平行に並ぶように作製
    した超電導コイルを含むことを特徴とする永久電流スイ
    ッチ。
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