JPH0927415A - 超電導装置用電流リード - Google Patents

超電導装置用電流リード

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JPH0927415A
JPH0927415A JP7258469A JP25846995A JPH0927415A JP H0927415 A JPH0927415 A JP H0927415A JP 7258469 A JP7258469 A JP 7258469A JP 25846995 A JP25846995 A JP 25846995A JP H0927415 A JPH0927415 A JP H0927415A
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忠利 今吉
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敬昭 坊野
Kiyoshi Sakaki
喜善 榊
Masayuki Konno
雅行 今野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温側リードの導体として用いる高温酸化物超
電導体が常電導転移に伴って破損し通電不能となる事態
が生じても、超電導装置の室温への昇温や破損部分の交
換を行わずとも再度通電が可能な低侵入熱の電流リード
を得る。 【解決手段】良導電性金属を導体とする高温側リード1
3と、低温端に低温端子15を接続した高温酸化物超電
導体を導体とする低温側リード12を、良導電性金属か
らなる中間接続体14により導電接続して直列接続体を
構成し、さらに、中間接続体14と低温端子15との間
に、金属系超電導体あるいは化合物系超電導体からなる
超電導導体を接続して、低温側リード12との並列接続
体を形成する。低温側リード12が破損し通電不能とな
った際には、冷却用のヘリウムガスの流量を増加して超
電導導体を超電導状態とし電流を通流させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、極低温にある超
電導コイルに室温にある電源から電流を通流する電流リ
ード、とくに低温側リードに高温酸化物超電導体を用い
た超電導装置用電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超電導コイルは液体ヘリウム等
の極低温冷媒によって冷却する必要があり、真空断熱容
器内に設けられた液体ヘリウム容器に液体ヘリウムに浸
漬した状態で収納される。電流リードは、極低温に保持
された超電導コイルに室温部にある電源から励磁電流を
通流するために設けられるものであり、通電に伴うジュ
ール発熱、および常温側から極低温側へ熱伝導によって
侵入する熱を抑え、液体ヘリウムの蒸発量を低減するた
めに、電流リードの内部に気化した低温のヘリウムガス
を流して冷却し、除熱するように構成するのが通例であ
る。電流リードの導体には、従来、銅または銅合金等の
良導電性金属が用いられてきたが、断面積を大きくして
ジュール発熱を抑えると熱伝導による侵入熱量が増大
し、断面積を小さくして熱伝導による侵入熱量を抑える
とジュール発熱が増大するので、低減できる液体ヘリウ
ムの蒸発量には限界があった。
【0003】これに対して、高温酸化物超電導体を電流
リードの低温側の導体に用いて構成する電流リード(例
えば、特開昭63−292610号公報参照)が、液体ヘリウム
の蒸発量を大幅に低減するものとして注目されている。
図7は、高温酸化物超電導体を用いた従来の超電導装置
用電流リードを組み込んだ超電導装置を模式化して示す
縦断面図である。
【0004】超電導コイル1は、真空断熱容器4の内部
の液体ヘリウム容器2に液体ヘリウム3に浸漬した状態
で収納され、超電導状態に保持される。電流リード11
は、銅または銅合金等の良導電性金属を導体とする高温
側リード13と、高温酸化物超電導体を導体とする低温
側リード12とを中間接続体14で導電接続した直列接
続体からなり、低温端子15を超電導コイル1の低温接
続導体に接続し、常温端子16を図示しない電源に接続
することにより、超電導コイル1に電流が供給される。
また、電流リード11は、液体ヘリウム容器2で蒸発し
気化した低温のヘリウムガス3Gを低温側リード12の
下端から導入して冷却される。低温側リード12の導体
として用いられているイットリウム系やビスマス系等の
セラミックス系高温酸化物超電導体は、おおよそ液体窒
素温度以下で超電導状態となるのでジュール発熱がゼロ
となり、また、これらの熱伝導率は銅の熱伝導率に比べ
て2〜3桁も小さいので、伝導による侵入熱も低減され
る。とくに高温酸化物超電導材粉末を圧縮成形熱処理し
たバルク型の高温酸化物超電導体を用いれば伝導による
侵入熱は大幅に低減される。
【0005】このように低温側リード12の導体として
高温酸化物超電導体を用いた超電導装置用電流リードで
は、液体ヘリウムの蒸発量を大幅に低減することができ
るが、超電導コイル1を励磁中あるいは定格電流で運転
中に、なんらかの原因により低温側リード12の高温酸
化物超電導体が常電導状態へ転移すると、高温酸化物超
電導体の常電導状態での電気抵抗は通常の金属材料の電
気抵抗に比べて 100倍以上と極めて高いので、瞬時に通
電電流を減衰させなければ温度が上昇して焼損する危険
性がある。低温側リード12が焼損すると、電流リード
11が使用不能となるばかりでなく、超電導コイル1に
蓄積されている磁気エネルギーの外部への取り出しが不
能となり、絶縁破壊等を引き起こし、最悪の場合には超
電導コイル1の損傷や電源の損傷、真空断熱装置4の損
傷等を引き起こす危険性がある。しかしながら、通電を
停止するには励磁されている超電導コイル1の蓄積磁気
エネルギーを外部に放出させる必要があり、超電導コイ
ル1のインダクタンスと、超電導コイル1に接続される
保護抵抗の抵抗値で定まる時定数に従って電流値が減衰
することとなるので、急速な減衰は困難である。この難
点を解消するものとして、高温酸化物超電導体からなる
低温側リード12に並列に保護導体を配設した超電導装
置用電流リードが特開平6−69554 号に開示されてい
る。
【0006】図8は、低温側リードに並列に保護導体を
設置した従来の超電導装置用電流リードの低温側リード
部を拡大して示す縦断面図である。良導電性金属からな
る高温側リード13に中間接続体14を介して直列接続
された高温酸化物超電導体からなる低温側リード12
に、常電導金属からなる保護導体17が並列に電気接続
されている。本構成では、保護導体17を組み込んだこ
とにより、この部分を通って中間接続体14から低温端
子15へと侵入する伝導熱量が増加することとなるが、
低温側リード12を構成する高温酸化物超電導体の常電
導転移が生じた際には、低温側リード12の通電電流の
大部分が保護導体17へと分流することとなるので、低
温側リード12の温度上昇が抑制され、焼損が回避され
ることとなる。仮に低温側リード12が焼損しても保護
導体17が接続されているので、超電導コイルの蓄積磁
気エネルギーは外部の保護抵抗へと安全に取り出される
こととなり、絶縁破壊、超電導コイルの損傷、電源の損
傷、あるいは真空断熱装置の損傷等の発生を確実に防止
することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、超電導
装置用電流リードを、良導電性金属からなる高温側リー
ドと高温酸化物超電導体からなる低温側リードの直列接
続体で構成し、さらに低温側リードに常電導金属からな
る保護導体17を並列に電気接続すれば、液体ヘリウム
の蒸発量の少ない電流リードが得られ、かつ高温酸化物
超電導体が常電導状態に転移しても、超電導コイルや電
源等に損傷を及ぼすことなく蓄積磁気エネルギーを安全
に外部に取り出して超電導装置を停止することができ
る。したがって、低温側リードが損傷していなければ、
高温酸化物超電導体が超電導状態に復帰したのを確認し
て再び通電することが可能となる。
【0008】しかしながら、このように構成した超電導
装置用電流リードにおいても、低温側リードを構成する
高温酸化物超電導体が、常電導転移の際の温度上昇によ
り超電導特性の劣化を生じたり、あるいは焼損する等の
事態にいたると、超電導装置を運転するためには破損部
分の修復が必要となり、そのためには、運転を停止し、
冷却された超電導装置を室温状態に昇温し、破損部分の
交換、修復作業を行い、さらに極低温へと再度冷却する
作業が必要となるので、多大の時間と費用を要し、場合
によっては、高温酸化物超電導体を用いて侵入熱を低減
した電流リードの利点が損なわれてしまうという問題点
がある。
【0009】この発明は、上記のごとき問題点を考慮し
てなされたもので、その目的は、低温側リードの導体と
して用いる高温酸化物超電導体が常電導転移に伴って破
損し、通電不能となる事態が生じても、超電導装置の室
温への昇温や破損部分の交換を行わずとも再度通電が可
能な低侵入熱の超電導装置用電流リードを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、真空断熱容器の液体ヘリウ
ム容器内に液体ヘリウムに浸漬して収納される超電導コ
イルに外部電源より電流を通流する超電導装置用電流リ
ードで、良導電性金属を導体とする高温側リードと、高
温酸化物超電導体を導体とする低温側リードの直列接続
体で構成されるものにおいて、金属系超電導体または化
合物系超電導体からなる超電導導体を低温側リードに並
列に電気接続することとする。
【0011】このように超電導装置用電流リードを構成
し、低温のヘリウムガスを通流して冷却すれば、高温酸
化物超電導体の臨界温度は金属系超電導体や化合物系超
電導体の臨界温度に比べて大幅に高いので、通常の冷却
条件においては、低温側リードは超電導状態となるが、
並列に電気接続した超電導導体は低温側の部分のみ超電
導状態となり高温側リードに近い部分は常電導状態とな
る。したがって、通電電流は低温側リードにのみ流れる
こととなる。通電中に何らかの原因により高温酸化物超
電導体が常電導状態へ転移すると、低温側リードと超電
導導体に、その抵抗比に反比例して電流が流れ、超電導
コイルとその保護抵抗で定まる時定数に従って減衰す
る。このとき、仮に高温酸化物超電導体からなる低温側
リードが破損しても、金属系超電導体または化合物系超
電導体からなる超電導導体が損傷しなければ、超電導装
置用電流リードは高温側リードと超電導導体との直列接
続体として存続することとなる。
【0012】高温側リードと低温側リードを接続する中
間接続体の温度、従って超電導導体の上端部の温度は、
図9に示したように電流リードに通流する冷却冷媒、す
なわち低温ヘリウムガスの流量に大きく依存する。この
温度を化合物系超電導体からなる超電導導体が超電導状
態となる目安を与える20K以下に抑えるには、低温ヘ
リウムガスの流量を図中のF0 以上にすればよい。この
流量F0 は、高温酸化物超電導体を超電導状態に冷却し
て用いる正常の運転条件のヘリウムガス流量の約2倍に
相当する。したがって、万が一低温側リードが破損した
際には、低温ヘリウムガスの流量を正常の運転時の2〜
3倍に上げて、超電導導体を超電導状態に保持すること
により、電流リードの機能を継続して保持することがで
きることとなる。
【0013】また、上記の金属系超電導体または化合物
系超電導体からなる超電導導体は、通電特性を安定にす
るために、通常、銅、アルミニウムあるいはそれらの合
金に埋設して用いており、熱伝導性がよいので、侵入熱
量が多大とならないよう断面積を抑える必要がある。し
たがって、上記の超電導装置用電流リードにおいて、さ
らに、上記の超電導導体に常電導金属、例えばステンレ
ス鋼あるいはチタン材料等の低熱伝導金属からなる保護
導体を並列に電気接続することとする。このようにすれ
ば、高温酸化物超電導体が常電導状態へ転移したとき、
その電流はこの保護導体に分流して効果的に減衰させる
ことができるので、超電導導体の断面積を、超電導状態
での通電容量が定格通電電流を上回る範囲において、小
さく抑えることができ、正常運転時の超電導導体を介し
ての侵入熱を少量に抑制することができる。
【0014】さらに、上記の保護導体を筒状に形成し、
その内部に低温側リードを配することとする。このよう
に構成すれば、保護導体が、電流を分流する役割のみな
らず低温側リードおよび超電導導体の強度補強部材の役
割と低温のヘリウムガスのガイド管の役割を同時に果た
すこととなる。さらに、筒状に形成した上記の保護導体
に、超電導導体を螺旋状に巻回して構成することとす
る。このように構成すれば、中間接続体と低温端子とを
繋ぐ超電導導体の実効長が長くなるので、超電導導体を
介して侵入する伝導熱が低減されることとなる。
【0015】また、筒状に形成した上記の保護導体の外
周に熱絶縁層を付設することとする。あるいはまた、筒
状に形成する上記の保護導体を2層で構成し、その層間
に真空層を形成することとする。このように構成すれ
ば、保護導体の内側は外部と熱的に絶縁されるので、低
温側リードの高温酸化物超電導体が万が一破損し、保護
導体に配設した超電導体に通電中においても、超電導体
は外気温度に左右されず臨界温度以下に保持され、安定
して通電されることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は、この発明による超電導
装置用電流リードの第1の実施例の低温側リード部を拡
大して示す縦断面図である。本実施例においては、良導
電性金属の銅を導体とした高温側リード13と、低温端
に良導電性金属の銅からなる低温端子15を接続したバ
ルク型の高温酸化物超電導体を導体とする低温側リード
12を、良導電性金属の銅からなる中間接続体14によ
り導電接続して直列接続体を構成し、さらに、中間接続
体14と低温端子15との間に Nb3Alの化合物系超電導
体からなる超電導導体18を接続することにより、超電
導導体18を低温側リード12に並列接続している。
【0017】本構成において、正常運転のヘリウムガス
流量では、低温側リード12は全て超電導状態にあるが
超電導導体18の高温側の部分は常電導状態にあるの
で、電流は全て低温側リード12を流れる。高温酸化物
超電導体が何らかの原因により常電導状態に転移する
と、電流は低温側リード12と超電導導体18へと分流
し発熱を伴いながら、超電導コイルの保護回路の時定数
に従って減衰することとなる。この常電導状態への転移
に際して低温側リード12の破損が生じなければ、再度
冷却して正常運転が行われる。この常電導状態への転移
に際して低温側リード12が破損した際には、超電導装
置の昇温、低温側リード12の補修、交換、再冷却等の
一連の作業は行わないで、電流リードに流すヘリウムガ
ス流量を正常運転時の2〜3倍に増量して超電導導体1
8を全て超電導状態にし、この超電導導体18に電流を
流すことにより電流リードの機能を継続させることとな
る。
【0018】なお、電流リードの機能を継続させるに
は、上記のようにヘリウムガス流量を増量する必要があ
り、超電導装置の冷凍機の負荷を増加させることとなる
ので、コストの上昇をもたらすが、この処置は万が一の
場合についての対応であり、すでに述べた装置の停止、
昇温、補修交換、再冷却に要する時間および費用に比較
すると、はるかに効果的である。
【0019】図2は、この発明による超電導装置用電流
リードの第2の実施例の低温側リード部を拡大して示す
断面図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A
面の横断面図である。本実施例では、円筒状に形成され
た低熱伝導金属のステンレス鋼よりなる常電導金属の保
護導体17Aが低温側リード12に並列に接続され、さ
らに保護導体17Aの外周に鉛直方向に形成された溝の
中に Nb3Alの化合物系超電導体からなる超電導導体18
Aが埋設されており、低温側リード12と保護導体17
Aと超電導導体18Aが互いに電気的に並列接続体を構
成している点が特徴である。
【0020】本構成は、通常熱伝導性の良い安定化材に
埋設される超電導導体18Aの断面積を最小限に抑え、
低温側リード12の導体の高温酸化物超電導体が常電導
状態に転移した際には、保護導体17Aへ電流を分流さ
せるもので、第1の実施例に比較して定常時の侵入熱量
が大幅に低減されるのが特徴である。低温側リード12
が破損した際には、第1の実施例と同様に、低温側リー
ド12の補修、交換を行わないで、ヘリウムガス流量を
正常運転時の2〜3倍に増量して超電導導体18Aを全
て超電導状態とし、この超電導導体18Aに電流を流す
ことにより電流リードの機能を継続させる。
【0021】図3は、この発明による超電導装置用電流
リードの第3の実施例の低温側リード部を拡大して示す
断面図で、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A
面の横断面図である。本実施例と上記の第2の実施例と
の差異は、超電導導体18Bの保護導体17Bへの埋設
位置にあり、本実施例では保護導体17Bの内周に鉛直
方向に形成された溝の中に Nb3Alの化合物系超電導体か
らなる超電導導体18Bが埋設されている。本構成で
は、超電導導体18Bが保護導体17Bの内部を流れる
低温のヘリウムガスに直接接して冷却されるので、第2
の実施例に比べて冷却効率が高く、低温側リード12が
破損した際に電流リードとして用いられる超電導導体1
8Bを効果的に冷却することができる。
【0022】図4は、この発明による超電導装置用電流
リードの第4の実施例の低温側リード部を拡大して示す
図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A面の横
断面図である。本実施例と上記の第2の実施例との差異
は、超電導導体18Cが保護導体17Cの外周に形成さ
れた鉛直方向に伸びる螺旋状溝の中に埋設されているこ
とにある。本構成では、超電導導体18Cの中間接続体
から低温端子に至る長さが、第2の実施例に比較して大
幅に長くなるので、超電導導体18Cの熱抵抗が高くな
り、低温端子に侵入する伝導熱量が大幅に低減されると
いう特徴がある。
【0023】図5は、この発明による超電導装置用電流
リードの第5の実施例の低温側リード部を拡大して示す
図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A面の横
断面図である。本実施例と上記の第3の実施例との差異
は、保護導体17Dの外周にエポキシ系樹脂からなる円
筒状の熱絶縁層19が付設されている点にある。本構成
では、保護導体17Dが外部と熱的に絶縁されるので、
保護導体17Dの内周の溝中に埋設された Nb3Alの化合
物系超電導体からなる超電導導体18Dは、外部の温度
に左右されることなく臨界温度以下に保持され、安定し
た運転が可能となる。
【0024】図6は、この発明による超電導装置用電流
リードの第6の実施例の低温側リード部を拡大して示す
図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A面の横
断面図である。本実施例の特徴は、超電導導体18Eを
内周の溝中に埋設した保護導体17Eの外側に、さらに
保護導体17Fが配設され、その層間に円筒状に形成さ
れた真空層20を備えていることにある。本構成では、
真空層20によって保護導体17Eと保護導体17Fと
の間が熱的に絶縁されるので、超電導導体18Eは、上
記の第5の実施例の超電導導体18Dと同様に、外部の
温度に左右されることなく臨界温度以下に保持され、安
定した運転が可能となる。
【0025】なお、上に列記した実施例では、 Nb3Alか
らなる超電導導体を使用するものとしているが、 Nb3Al
に限るものではなく、 Nb3Sn等の化合物系超電導体、あ
るいはNbTi合金等の合金系超電導体を超電導導体に用い
ても、その超電導体の臨界温度に対応させてヘリウムガ
ス流量を増大させることにより、同様の効果が得られる
ことは改めて説明するまでもなく明らかである。
【0026】また、上記の実施例では、ステンレス鋼か
らなる保護導体を使用することとしているが、チタン材
料等の低熱伝導性金属を用いても同様な効果が得られる
ことは明らかである。
【0027】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、真空断
熱容器の液体ヘリウム容器内に液体ヘリウムに浸漬して
収納される超電導コイルに外部電源より電流を通流する
超電導装置用電流リードで、良導電性金属を導体とする
高温側リードと、高温酸化物超電導体を導体とする低温
側リードの直列接続体で構成されるものにおいて、金属
系超電導体または化合物系超電導体からなる超電導導体
を低温側リードに並列に電気接続することとしたので、
低温側リードの高温酸化物超電導体が常電導状態に転移
し、温度が上昇して、破損あるいは超電導特性の劣化が
生じて通電が不能となることがあっても、電流リードの
冷却用のヘリウムガス流量を2〜3倍に増量し、超電導
導体を全長にわたり超電導状態にして電流を流すことに
より、電流リードの機能を継続して保持することができ
るので、多大な時間と経費を必要とする超電導装置の室
温への昇温や破損部分の交換を行わずとも再通電のでき
る超電導装置用電流リードが得られることとなった。
【0028】さらに、上記の超電導導体に常電導金属、
例えばステンレス鋼あるいはチタン材料等の低熱伝導金
属からなる保護導体を並列に電気接続することとすれ
ば、高温酸化物超電導体が常電導状態に転移した際に
は、通電電流は保護導体に流れることとなり、超電導導
体の断面積を小さく抑えることができるので、正常運転
時の侵入熱量が低減される。また、低温側リードが通電
が不能となることがあっても、ヘリウムガス流量を2〜
3倍に増量して超電導導体に電流を流すことにより、電
流リードの機能を継続して保持することができるので、
超電導装置の室温への昇温や破損部分の交換を行わずと
も再通電のできる低侵入熱の超電導装置用電流リードが
得られることとなる。
【0029】さらに、上記の保護導体を筒状に形成し、
その内部に低温側リードを配することとすれば、保護導
体が、電流を分流する役割のみならず、低温側リードお
よび超電導導体の強度補強部材の役割と、低温のヘリウ
ムガスのガイド管の役割を同時に果たすこととなるの
で、低温側リードが通電不能となることがあっても超電
導装置の室温への昇温や破損部分の交換を行わずとも再
通電のできる低侵入熱の超電導装置用電流リードとして
好適である。
【0030】さらに、筒状に形成した上記の保護導体
に、超電導導体を螺旋状に巻回して構成することとすれ
ば、中間接続体と低温端子とを繋ぐ超電導導体の実効長
が長くなり熱抵抗が増大するので、超電導導体を介して
侵入する伝導熱が低減されることとなる。したがって、
低温側リードが通電不能となることがあっても超電導装
置の室温への昇温や破損部分の交換を行わずとも再通電
のできる低侵入熱の超電導装置用電流リードとしてより
好適である。
【0031】また、筒状に形成した上記の保護導体の外
周に熱絶縁層を付設することとすれば、あるいはまた、
筒状に形成する上記の保護導体を2層で構成し、その層
間に真空層を形成することとすれば、保護導体の内側は
外部と熱的に絶縁されるので、保護導体に配設された超
電導体は外気温度に左右されることなく臨界温度以下に
保持され、安定して通電できることとなるので、低温側
リードが通電不能となることがあっても超電導装置の室
温への昇温や破損部分の交換を行わずとも再通電のでき
る低侵入熱の超電導装置用電流リードとしてより好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による超電導装置用電流リードの第1
の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦断面図
【図2】(a)は、この発明による超電導装置用電流リ
ードの第2の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦
断面図で、(b)は(a)のA−A面の横断面図
【図3】(a)は、この発明による超電導装置用電流リ
ードの第3の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦
断面図で、(b)は(a)のA−A面の横断面図
【図4】(a)は、この発明による超電導装置用電流リ
ードの第4の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦
断面図で、(b)は(a)のA−A面の横断面図
【図5】(a)は、この発明による超電導装置用電流リ
ードの第5の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦
断面図で、(b)は(a)のA−A面の横断面図
【図6】(a)は、この発明による超電導装置用電流リ
ードの第6の実施例の低温側リード部を拡大して示す縦
断面図で、(b)は(a)のA−A面の横断面図
【図7】高温酸化物超電導体を用いた従来の超電導装置
用電流リードを組み込んだ超電導装置を模式化して示す
縦断面図
【図8】低温側リードに並列に保護導体を設置した従来
の超電導装置用電流リードの低温側リード部を拡大して
示す縦断面図
【図9】一般的な低温側リードの高温端温度と冷却冷媒
流量の特性図
【符号の説明】
1 超電導コイル 11 電流リード 12 低温側リード 13 高温側リード 14 中間接続体 15 低温端子 16 常温端子 17 保護導体 17A,17B 保護導体 17C,17D 保護導体 17E,17F 保護導体 18,18A 超電導導体 18B,18C 超電導導体 18D,18E 超電導導体 19 熱絶縁層 20 真空層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今吉 忠利 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 坊野 敬昭 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 榊 喜善 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 今野 雅行 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 富岡 章 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空断熱容器の液体ヘリウム容器内に液体
    ヘリウムに浸漬して収納される超電導コイルに外部電源
    より電流を通流する超電導装置用電流リードで、良導電
    性金属を導体とする高温側リードと、高温酸化物超電導
    体を導体とする低温側リードの直列接続体で構成される
    ものにおいて、金属系超電導体または化合物系超電導体
    からなる超電導導体が、前記低温側リードに並列に電気
    接続されていることを特徴とする超電導装置用電流リー
    ド。
  2. 【請求項2】前記超電導導体に常電導金属からなる保護
    導体が並列に電気接続されていることを特徴とする請求
    項1に記載の超電導装置用電流リード。
  3. 【請求項3】保護導体を形成する前記常電導金属が、ス
    テンレス鋼あるいはチタン材料のいずれかであることを
    特徴とする請求項2に記載の超電導装置用電流リード。
  4. 【請求項4】前記保護導体が、筒状に形成されてなり、
    その内部に前記低温側リードが配されていることを特徴
    とする請求項2または3に記載の超電導装置用電流リー
    ド。
  5. 【請求項5】前記超電導導体が、筒状に形成された前記
    保護導体に螺旋状に巻回されていることを特徴とする請
    求項4に記載の超電導装置用電流リード。
  6. 【請求項6】筒状に形成された前記保護導体の外周に熱
    絶縁層が付設されていることを特徴とする請求項4に記
    載の超電導装置用電流リード。
  7. 【請求項7】筒状に形成された前記保護導体が2層で構
    成され、その層間に真空層が形成されていることを特徴
    とする請求項4に記載の超電導装置用電流リード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010283186A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Hitachi Ltd 冷凍機冷却型超電導磁石
JP2015142044A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 株式会社東芝 超伝導マグネット装置
JP2021515415A (ja) * 2018-09-26 2021-06-17 中国科学院合肥物質科学研究院Hefei Institutes Of Physical Science, Chinese Academy Of Sciences 大電流高温超電導電流リード用のヘリウム冷却型高温超電導部材

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