JP2004111581A - 超電導マグネット装置 - Google Patents

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大勢持 光一
Yasumi Otani
大谷 安見
Shiyunji Nomura
野村 俊自
Koji Ito
伊藤 孝治
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Abstract

【課題】超電導マグネット装置では、超電導コイルに電流を供給する電流供給部からの発熱、及び熱伝導による熱侵入があり、電流供給部の許容電流密度を低下させ、超電導コイルの臨界電流値を低下させるため、高性能で、安定した通電が行えない。
【解決手段】超電導コイル1を運転状態まで冷却する第1の冷却手段6とは別に、超電導コイル1に電流を供給する電流供給部8に生じる熱を除去する第2の冷却手段10を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍機冷却型の超電導マグネット装置に係り、特に電流供給部の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超電導マグネット装置の超電導コイルの冷却方式には、超電導コイルを冷媒中に浸漬して冷媒の蒸発潜熱で冷却する浸漬冷却型と、冷凍機により冷却する冷凍機冷却型とが一般に用いられている。近年、冷凍機の冷却能力の向上や冷却温度の低温化、超電導臨界温度の高温化等の進歩が著しく、冷凍機冷却型の超電導コイルが大型超電導マグネット装置にも適用されるようになってきた。
【0003】
したがって、これまでの発生磁場を利用する用途のみならず、超電導マグネット装置を利用した超電導エネルギー貯蔵(SMES)装置やリニア鉄道等大型超電導マグネット装置への冷凍機冷却型の超電導マグネット装置の適用が検討されている。
また一方、超電導エネルギー貯蔵に使用される超電導マグネット装置等では大電流化が要望されている。
【0004】
図7は従来の冷凍機冷却型の超電導マグネット装置の一例である。図7において、超電導コイル1は、輻射シールド2や真空容器3で構成された断熱容器4の中に収納され、断熱支持材5で真空容器3内に支持されている。6は真空容器3に取着された冷凍機で、輻射シールド2内に位置する低温側ステージ6aは熱伝導部材7を介して超電導コイル1に熱的に接続され、輻射シールド2外に位置する高温側ステージ6bは輻射シールド2に熱的に接続されている。
8は図示しない励磁電源から超電導コイル1に励磁電流を供給する電流供給部である。
【0005】
この電流供給部8は真空容器3に気密に取着された高温電流リード9と、一端が前記高温電流リード9の真空容器3の内部に延設する一端と接続し、他端が軸封シールド2内に延設し、給電時の熱侵入が最小になるように最適化された高温導体9aと、この高温導体9aの軸封シールド2内に延設する一端と接続し、他端が超電導コイル1の口出しリード1aと接続する酸化物電流リード11とから構成されている。
前記高温導体9aは、輻射シールド2に電気的に絶縁された状態て接続した除熱装置10により冷却されるようになっている。
【0006】
一般に、超電導コイルも、NbTiやNb3Snに代表される約5K付近で運転される低温超電導コイルと、ビスマス(Bi)系線材やイットリウム(Y)系線材に代表される約20K付近で運転される高温超電導コイルとに大別される。超電導マグネット装置として考えた場合、基本構成は同一であっても高温超電導コイルの方がクエンチ現象が起きにくく、冷凍機の冷却能力も大きく取れるなどの理由から冷凍機冷却型の超電導マグネット装置に適していると言える。
【0007】
このように構成された冷凍機冷却型の超電導マグネット装置では、超電導コイル1は、冷凍機6によって熱伝導部材7を介して熱伝導で超電導コイル1に応じた運転温度まで冷却され、電気抵抗がゼロ、いわゆる超電導状態になる。この状態で外部の図示しない励磁電源から電流供給部8を経由して超電導コイル1を励磁し、必要な磁場を発生する。
【0008】
超電導コイル1は電気抵抗がゼロであるため、電流を流してもそれ自身がジュール発熱で温度上昇することはないが、外部から対流、伝導、輻射等によって熱が侵入する可能性がある。熱侵入は超電導コイル1のみならず、輻射シールド2にもある。したがって、電流供給部8からの熱伝導およびジュール発熱による熱侵入が問題になる。従来このような高温電流リード9からの熱伝導およびジュール発熱による熱侵入は除熱装置10、輻射シールド2を介して冷凍機6の高温ステージ6bで冷却除熱される。
【0009】
一方、酸化物電流リード11は、酸化物超電導材で形成されているため発熱はなく、熱伝導率が極めて小さいので、除熱装置10から超電導コイル1への熱侵入は無視できる程度である。しかし、超電導コイル1と輻射シールド2は冷凍機6で冷却されるが、その能力には限度があり、冷凍機冷却型の超電導マグネット装置では、できるだけこの侵入熱を低減して冷凍機6の負荷を軽減する必要がある。また、冷凍機6の冷却能力は現状では、4.2Kで約3W、20Kで30W程度であり、冷凍機冷却型の超電導マグネット装置はヘリウムなどの冷媒を必要としないので、取り扱い性に優れているが、その反面冷却能力は搭載される冷凍機6の能力で左右されるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように冷凍機冷却型の超電導マグネット装置では、超電導コイル1の冷却が冷凍機の冷却能力で左右されるために、電流値が大きく、熱負荷の大きい超電導マグネット装置に適用するには、大電流化に伴う電流供給部8からの侵入熱の増大による臨界電流値の低下や、漏洩磁場領域の拡大等の問題がある。
【0011】
すなわち、電流供給部8を形成する高温電流リード9は、高温導体9aがジュール発熱と伝導熱による除熱装置10への熱侵入が最小になるように材料や断面積および長さを最適設計した場合でも、電流に比例して大きくなりその値は約電流値×1/10ワットである。電流値が1000アンペアの場合は約100ワットにもなる。したがって、この熱侵入を防ぐには高温ステージ6bの冷却能力が100ワット以上を有する冷凍機6を必要とするか、あるいは複数台の使用を選択する必要がある。
【0012】
一般に極低温の冷凍機の冷凍効率は低く大きな低温冷凍機を選択するのは運転コストや、装置小型化の点から得策ではない。特に冷凍機の開発現状を考慮すると、大電流超電導マグネット装置の実現も不可能になる等の問題がある。
【0013】
さらに、高温電流リード9の侵入熱の除熱に関する問題に止まらず、酸化物電流リード11にも問題が生じる。前述したように酸化物電流リード11は熱伝導率も小さく、ジュール発熱もほとんどないことから、超電導コイル1への侵入熱は無視できるものの、第1の問題は酸化物電流リード11の温度特性に起因するもので、図8に一例を示すように、酸化物超電導材の臨界電流密度は温度依存性があり、一般に約70Kから低温では急激に臨界電流密度が増大する。
【0014】
本例ではほぼ液体窒素の温度77K時と比較すると50Kでは約2.5倍にもなっている。見方をかえれば、従来は侵入熱も小さく冷凍機6への熱負荷も少なかったために、酸化物電流リード11の反超電導コイル側の高温端の温度も約50K程度に抑えられていた。しかし、侵入熱の増大でこの部分の温度が高くなり、臨界電流密度が低くなる。この解決策として断面積を大きくして、電流密度を下げて使用することも考えられるが、熱伝導率は小さいもののゼロではなく、断面積を大きくするのは超電導コイル1への侵入熱の増大のみならず、コストも増加する。
【0015】
第2の問題は、酸化物電流リード11の外部磁界依存性で、一例は同様に図8に示すように、外部磁界(T)が強くなるにしたっがて臨界電流密度Icが低下する。したがって、超電導コイル1が大型化して、酸化物電流リード11の設置される位置の漏洩磁界が強くなるとこの問題が顕在化する。
図8において、Y軸の臨界電流は77K時の臨界電流密度Ic(77K)と温度Tにおける臨界電流密度Ic(T)との比である。
【0016】
そこで、本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、励磁電流が大きい等、発熱などによる熱負荷が大きい冷凍機冷却型の超電導マグネット装置でも、電流供給部の許容電流密度を低下させることなく、臨界電流値の低下を抑止し、安定した通電が行える超電導マグネット装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、超電導コイルを運転状態まで冷却する第1の冷却手段と、前記超電導コイルを収納する断熱容器と、前記超電導コイルに電流を供給する電流供給部と、前記電流供給部に生じる熱を除去する第2の冷却手段とを有することを特徴とする。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超電導マグネット装置において、前記第2の冷却手段は冷媒を有し、前記電流供給部は電流リードを有し、前記冷媒によって前記電流リードを冷却してなることを特徴とする。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超電導マグネット装置において、前記電流リードは、前記冷媒により冷却される冷媒温度電流リードと、前記冷媒温度電流リードの一端と電源とを接続する高温電流リードと、前記冷媒温度電流リードの他端と前記超電導コイルとを接続する酸化物電流リードとを有することを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の超電導マグネット装置において、前記冷媒温度電流リードと前記酸化物電流リードとの間に介装され、かつ前記断熱容器と電気的に絶縁した状態で接続された低温電流リードを有することを特徴とする。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の超電導マグネット装置において、前記冷媒温度電流リードと前記酸化物電流リードとの間に介装され、かつ第3の冷却手段に接続し冷却される低温電流リードを有することを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の超電導マグネット装置において、前記電流供給部は、電流リードを有し、電流リードは一端が電源と接続する高温電流リードと、一端が前記高温電流リードの他端と接続され、かつ断熱容器と電気的に絶縁した状態で第3の冷却手段に接続し、冷却される高温導体と、この高温導体の他端と超電導コイルとを接続する酸化物電流リードとを有することを特徴とする。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の超電導マグネット装置において、前記酸化物電流リードの通電断面積を、超電導コイル側よりも温度の高い高温電流リード側を大きくしたことを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項3乃至7のいずれかに記載の超電導マグネット装置において、前記酸化物電流リードの周囲に、少なくとも酸化物電流リードを形成する酸化物超電導材料の結晶軸方向と平行で、電流方向と直交する外部磁場をシールドする磁気シールドを備えたことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る超電導マグネット装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超電導マグネット装置の断面図である。図1において、超電導コイル1は、輻射シールド2や真空容器3で構成された断熱容器4の中に収納され、断熱支持材5で真空容器3内に支持されている。6は真空容器3に取着された冷凍機(第1の冷却手段)で、輻射シールド2内に位置する低温側ステージ6aは、熱伝導部材7を介して超電導コイル1に熱的に接続され、輻射シールド2外に位置する高温側ステージ6bは輻射シールド2に熱的に接続されている。
【0026】
8は電流供給部である。本発明による電流供給部8は、真空容器3に気密に取着された高温電流リード9と、一端が前記高温電流リード9の真空容器3の内部に延設する一端と接続し、他端が軸封シールド2内に延設し、第2の冷却源を具備した除熱装置(第2の冷却手段)10と、この除熱装置10の軸封シールド2の内部に延設する一端と接続し、他端が超電導コイル1の口出しリード1aと接続する酸化物電流リード11とから構成されている。
【0027】
また、除熱装置(第2の冷却手段)10は冷媒12を用いた熱交換器15を備えている。この熱交換器15は、前記冷媒12を収容する冷媒容器13と、冷媒容器13を気密に貫通し、一端を高温電流リード9に、他端を軸封シールド2内で酸化物電流リード11と接続する冷媒温度電流リード14とからなる。
【0028】
さらにまた、前記冷媒容器13には、真空容器3の外部に延設する冷媒供給管及び真空容器3の外部に設けられたポンプ、あるいは真空排気装置等の減圧機構17が接続されている。
【0029】
なお、冷媒12としては液体窒素が一般的であるが、低温寒剤であるヘリウム、窒素、水素、ネオン等の液体または気体で、超電導コイル1の運転温度、侵入熱量によって適宜選択される。さらに、除熱装置10は真空容器3内ではなく、真空容器3外に配設してもよい。
【0030】
次に、このように構成された第1の実施の形態の作用を説明する。超電導コイル1および輻射シールド2は冷凍機6で所定の運転温度まで冷却されることによって超電導状態になる。この状態になると、輻射シールド2からの輻射、断熱支持材5および電流供給部8からの熱伝導による侵入熱を考慮する必要が生じる。
【0031】
次に、高温電流リード9に接続された図示しない電源より電流が供給され、超電導コイル1に通電すると、電流供給部8の各部にジュール発熱が生じる。電流値が大きい超電導マグネットにおいては、これが大きな侵入熱源となる。一般に300K近傍で、導電材の導電率および熱伝導率は、温度が高い程高いために、特に高温電流リード9からの侵入熱が大きい。この高温電流リード9からのジュール発熱と熱伝導による侵入熱は除熱装置10で除熱冷却される。すなわち、高温電流リード9および冷媒温度電流リード14の熱は冷媒12の蒸発潜熱で除熱冷却され、冷媒温度電流リード14と接続される酸化物電流リード11の高温端側の温度はほぼ冷媒12の沸点と同一温度に冷却される。
【0032】
本実施の形態によれば、除熱装置10が備える冷媒12の蒸発潜熱で高温電流リード9からの侵入熱を除熱するので、輻射シールド2や冷凍機6への熱負荷を低減できる。そして、酸化物電流リード11の高温端側の温度上昇を抑制することによって、臨界電流値の低下を抑止して安定した通電が可能となる。
【0033】
ここで、冷媒容器13内を減圧機構17で減圧して、冷媒12の沸点を低下させることによって、酸化物電流リード11の高温端側の温度をさらに低温にできるので、酸化物電流リード11の臨界電流値がさらに向上する。
【0034】
次に本発明の第2の実施の形態について、図2を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態において、同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第1の実施の形態との相違点は、冷媒温度電流リード14と酸化物電流リード11との間に低温電流リード18を介装した点にある。さらに、低温電流リード18の酸化物電流リード11との接続点近傍を、輻射シールド2に対して電気的に絶縁した状態で接続している。
ここで、低温電流リード18はジュール発熱と熱伝導による輻射シールド2への侵入熱の和が最少になるように、材料や寸法が最適化されている。
【0035】
次に、このように構成された第2の実施の形態の作用を説明する。本実施の形態では、最適化された低温電流リード18も除熱機能を発揮するため、除熱装置4の除熱機能と相まって、冷媒温度電流リード14から超電導コイル1への熱侵入を軽減すると共に、酸化物電流リード11の高温端側の温度を冷媒温度よりも低い輻射シールド2の温度に保持できる。したがって、第1の実施の形態よりも酸化物電流リード11の臨界電流値が向上して、安定した通電が可能となる。
【0036】
次に本発明の第3の実施の形態について、図3を参照して説明する。第2の実施の形態との相違点は、低温電流リード18と酸化物電流リード11との接続点近傍を、輻射シールド2ではなく、冷凍機(第3の冷却手段)19に接続した点にある。冷凍機19は冷媒温度電流リード14の温度よりも低温度に冷却された冷却板20を有し、この冷却板20に低温電流リード18が電気的に絶縁された状態で接続されている。
【0037】
次にこのように構成された第3の実施の形態の作用を説明する。本実施の形態では、第2の実施の形態の作用に加え、酸化物電流リード11の高温端側の温度を除熱装置として作用する冷凍機19で冷却された冷却板20の温度まで冷却できる。したがって、第1の冷却手段である冷凍機6の冷却能力や輻射シールド2の温度に関係なく、酸化物電流リード11の高温端側の温度上昇を抑止できるので、酸化物電流リード11の臨界電流値が向上して、安定した通電が可能となる。
【0038】
次に本発明の第4の実施の形態について図4を参照して説明する。本実施の形態においては、真空容器3内において、高温導体9aの一端を高温電流リード9に接続し、他端を酸化物電流リード11を介して超電導コイル1の口出しリード1aに接続している。そして、高温導体9aと酸化物電流リード11との接続点近傍を冷凍機(第3の冷却手段)19の冷却板20に電気的に絶縁された状態で接続している。
【0039】
次にこのように構成された第4の実施の形態の作用を説明する。本実施の形態では、酸化物電流リード11の高温端側の温度を除熱装置として作用する冷凍機19で冷却された冷却板20の温度まで冷却できる。したがって第1の冷却手段である冷凍機6の冷却能力や輻射シールド2の温度に関係なく、酸化物電流リード11の高温側の温度上昇を抑止できるので酸化物電流リード11の臨界電流値が向上し、安定した通電が可能となる。
【0040】
なお、第3、4の実施の形態においては、冷凍機19は冷媒に比して取り扱いが容易で、冷却板20を所定の温度まで容易に冷却することができる。もちろん冷凍機に代えて、冷却板20を冷媒12で直接的あるいは間接的に冷却してもよい。
【0041】
次に本発明の第5の実施の形態について、図5を参照して説明する。図5は酸化物電流リード11の一例を示す斜視図で、酸化物超電導部材11aの両端にそれぞれ銅製の端子11b、11cが固着されている。酸化物超電導部材11aの通電断面積は、高温端側(端子11b側)の方が超電導コイル側に接続される低温端側(端子11c側)よりも大きくなるように形成されている。理想的には、臨界電流の温度依存性を考慮した断面積に最適化するのが望ましい。
本実施の形態によれば、酸化物電流リード11の侵入熱を過大にすることなく、高温端側の電流密度を低温端側よりも低くして、安定した通電ができる。
【0042】
なお、本実施例では酸化物電流リード11の断面形状が4角形であるが、丸棒、円筒など、その形状は本実施例に限定されない。また、バルク材のみならず、酸化物超電導材の集束体でもよく、高温端側の断面積を大きくすればよい。
【0043】
次に本発明の第6の実施の形態について、図6を参照して説明する。酸化物電流リード11の周囲に、少なくとも酸化物電流リード11を形成する酸化物超電導材料、例えば酸化ビスマス、酸化イットリウムなどの材料の結晶軸方向Cと平行で、かつ電流I方向と直交する外部磁場Bをシールドする磁気シールド21を備えている。
本実施の形態によれば、外部磁場Bによる酸化物電流リード11の臨界電流密度の低下を抑止できるので、安定した通電が可能となる。
【0044】
ここで、磁気シールド21をビスマス系やイットリウム系などの超電導材で形成する。このようにすると、外部磁界Bをマイスナー効果で確実に遮蔽できる。また、超電導のため渦電流損失による発熱もなく、熱負荷にならない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、熱負荷が大きい冷凍機冷却型の超電導マグネット装置でも、電流供給部の許容電流密度を低下させることなく、臨界電流値の低下を抑止し、高性能で、安定した通電が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の断面図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の断面図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の断面図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の酸化物電流リードの斜視図。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係わる超電導マグネット装置の酸化物電流リード廻り部を示す斜視図。
【図7】従来の冷凍機冷却型の超電導マグネット装置の断面図。
【図8】酸化物電流リードの温度−外部磁界依存性の一例を示す特性図。
【符号の説明】
1…超電導コイル、2…輻射シールド、3…真空容器、4…断熱容器、5…断熱支持材、6…冷凍機(第1の冷却手段)、7…熱伝導部材、8…電流供給部、9…高温電流リード、9a…高温導体、10…除熱装置(第2の冷却手段)、11…酸化物電流リード、12…冷媒、13…冷媒容器、14…冷媒温度電流リード、15…熱交換器、16…冷媒供給管、17…減圧機構、18…低温電流リード、19…冷凍機(第3の冷却手段)、20…冷却板、21…磁気シールド。

Claims (8)

  1. 超電導コイルを運転状態まで冷却する第1の冷却手段と、前記超電導コイルを収納する断熱容器と、前記超電導コイルに電流を供給する電流供給部と、前記電流供給部に生じる熱を除去する第2の冷却手段とを有することを特徴とする超電導マグネット装置。
  2. 前記第2の冷却手段は冷媒を有し、前記電流供給部は電流リードを有し、前記冷媒によって前記電流リードを冷却してなることを特徴とする請求項1記載の超電導マグネット装置。
  3. 前記電流リードは、前記冷媒により冷却される冷媒温度電流リードと、前記冷媒温度電流リードの一端と電源とを接続する高温電流リードと、前記冷媒温度電流リードの他端と前記超電導コイルとを接続する酸化物電流リードとを有することを特徴とする請求項2記載の超電導マグネット装置。
  4. 前記冷媒温度電流リードと前記酸化物電流リードとの間に介装され、かつ前記断熱容器と電気的に絶縁した状態で接続された低温電流リードを有することを特徴とする請求項3記載の超電導マグネット装置。
  5. 前記冷媒温度電流リードと前記酸化物電流リードとの間に介装され、かつ第3の冷却手段に接続し冷却される低温電流リードを有することを特徴とする請求項3記載の超電導マグネット装置。
  6. 前記電流供給部は、電流リードを有し、電流リードは一端が電源と接続する高温電流リードと、一端が前記高温電流リードの他端と接続され、かつ断熱容器と電気的に絶縁した状態で第3の冷却手段に接続し、冷却される高温導体と、この高温導体の他端と超電導コイルとを接続する酸化物電流リードとを有することを特徴とする請求項1記載の超電導マグネット装置。
  7. 前記酸化物電流リードの通電断面積を、超電導コイル側よりも温度の高い高温電流リード側を大きくしたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
  8. 前記酸化物電流リードの周囲に、少なくとも酸化物電流リードを形成する酸化物超電導材料の結晶軸方向と平行で、電流方向と直交する外部磁場をシールドする磁気シールドを備えたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の超電導マグネット装置。
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