JPH0785403B2 - 陰極線管の内蔵抵抗器 - Google Patents

陰極線管の内蔵抵抗器

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JPH0785403B2
JPH0785403B2 JP61254091A JP25409186A JPH0785403B2 JP H0785403 B2 JPH0785403 B2 JP H0785403B2 JP 61254091 A JP61254091 A JP 61254091A JP 25409186 A JP25409186 A JP 25409186A JP H0785403 B2 JPH0785403 B2 JP H0785403B2
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cathode ray
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一幸 太田
英治 宗本
忍 三橋
仁 永嶋
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【発明の詳細な説明】 本発明を以下の順次で説明する。
A 産業上の利用分野 B 発明の概要 C 従来の技術 D 発明が解決しようとする問題点 E 問題点を解決するための手段 F 作用 G 実施例 G−1 実施例の構成(第1図〜第3図) G−2 絶縁被膜の作成工程(第4図) G−3 実施例の使用状態 G−4 実験結果及び考察(第5図〜第7図) H 発明の効果 A 産業上の利用分野 本発明は、カラー陰極線管等の管体内に電子銃構体と共
に組み込まれる内蔵抵抗体器に関する。
B 発明の概要 本発明は、陰極線管の管体内に電子銃構体と共に組み込
まれて、陰極線管の陽極電圧等の高電圧を分圧し、得ら
てた分圧電圧を電子銃構体に供給する陰極線管の内蔵抵
抗器において、絶縁基板上における複数の電極端子間に
所定のパターンを有した分圧抵抗体層が配され、その分
圧低抗体層が、絶縁基板上に設けられた、夫々の粒径が
実質的に5〜15μmの範囲内に制限されている気泡粒が
分散混在せしめられた絶縁被膜により覆われるものとす
ることにより、陰極線管に組み込まれ、当該陰極線管の
ノッキング処理に際しての高電圧が印加する状況下にお
かれる場合にも、絶縁被膜の絶縁劣化もしくは破壊の発
生を回避でき、その結果、陰極線管のノッキング処理前
後での分圧用抵抗体層の抵抗値変化を著しく低減できる
ようにしたものである。
C 従来の技術 従来、カラーテレビジョン受像機に用いられるカラー陰
極線管等において、陽極電圧以外に、例えば、コンバー
ジェンス電極やフォーカス電極等に供給される高電圧が
必要とされるものがある。斯かる場合、管体内に電子銃
と共に分圧用の抵抗器を内蔵抵抗器として組み込み、こ
れによって陽極電圧を分圧して、夫々の高電圧を得るよ
うにすることが提案されており、このように使用される
従来の内蔵抵抗器の一例として、第8図及び第9図に示
される如くのものが知られている。
第8図は、外表部を形成する絶縁被膜上から透視した状
態の従来の内蔵抵抗器7を示し、第9図は、この従来の
内蔵抵抗器7の全体の側面を示す。この第8図及び第9
図に示される内蔵抵抗器7においでは、セラミック板等
の絶縁基板1上に、導電層が披着されて形成された端子
部、即ち、高電圧が供給される高圧電極端子2,コンバー
ジェンス電極用の高電圧、即ち、コンバーシェンス電圧
が得らえるコンバージェンス電極端子(以下、CV電極端
子という)3及びアース電極端子4が設けられ、また、
CV電極端子3とアース電極端子4との間には所要の抵抗
値を有するジグザズ状パターとされた抵抗体層5aが、高
圧電極端子2とCV電極端子3との間には同じく所要の抵
抗値を有する抵抗体層5bが、さらに、抵抗体層5a及び5b
とCV電極端子3の間に微調整用抵抗体層5cが、夫々披着
されて、分圧低抗体層5が形成されている。そして、第
8図の斜線部分には、分圧抵抗体層5を覆う絶縁被膜6
が施されており、この絶縁被膜6は、鉛ガラス等からな
る流動材料が、乾燥・焼成されて形成されるもので、第
9図に示させる如くに、CV電極端子3及びアース電極端
子4の夫々に近接する部分等の端縁部の厚さが小とされ
る。なお、微調整用抵抗体層5cは、内蔵抵抗器7の製造
過程においてその一部を削除することにより、各端子間
の低抗体層5a及び5bの抵抗値を調整することができるよ
うに設けられている。
第10図は、斯かる構成を有する内蔵抵抗器7がカラー陰
極線管に組み込まれた状態を示す。ここで、管体8のネ
ック部8a内に電子銃構体9が配置されており、この電子
銃構体9は、3個のカソードKに対して共通に第1グリ
ッド電極G1,第2グリッド電極G2,第3グリッド電極G3,
第4グリッド電極G4及び第5グリッド電極G5が順次同軸
上に配列されて形成されている。そして、第5グリッド
電極G5の後段には、コンバージェンス手段10が配置され
ている。各電極G1,G2,G3,G4,G5、及びコンバージェンス
手段10は、相互に所定の位置関係を保持して、ビーディ
ングガラス11によって機械的に連結されており、第3グ
リッド電極G3と第5グリッド電極G5とは、導線13によっ
て、電気的に接続されている。また、コンバージェンス
手段10は、導電板14を介して第5グリッド電極G5に電気
的に接続されて、相対向する内側偏向電極板10a及び10b
と、その外側にこれら内側偏向電極板10a及び10bに対向
して配置される外側偏向電極板10c及び10dとを有して形
成されている。
このような電子銃構体9に対して、第8図及び第9図に
示される如く内蔵抵抗器7が取り付けられており、この
内蔵抵抗器7の高圧電極端子2が第5グリッド電極G5に
導電性取付り片12を介して連結されている。管体8のフ
ァンネル部8bの内壁には、ネック部8aの内壁にまで伸び
るグラファイト導電膜15が披着されており、ファンネル
部8bに設けられた高圧供給ボタン、即ち、陽極ボタン
(図示しない)を通して陽極電圧が供給される。そし
て、導電板14には、導電スプリング16が設けられてい
て、この導電スプリング16がグラファイト導電膜15に接
触することにより、第5グリット電極G5,第3グリッド
電極G3,コンバージェンス手段10の内側偏向電極板10a及
び10b、及び、内蔵抵抗器7の高圧電極端子2に陽極電
圧が供給される。
内蔵抵抗器7のCV電極端子3は、導電性取付け片を介し
コンバージェンス手段10の外側偏向電極板10c及び10dに
連結され、陽極電圧が抵抗体層5a及び5bにより分圧され
てCV電極端子3に得られるコンバージェンス電圧が、外
側偏向電極板10c及び10dに供給される。また、内蔵抵抗
器7のアース電極端子4が、管体8のネック部8aの基部
におけるステム18に貫通埋設されたアース電極端子ピン
19に導電性取付け片を介して連結され、直接もしくは調
整用外付け抵抗を介して接地される。
斯かるカラー陰極線管にあっては、例えば、電子銃構体
9の各部に尖鋭な突起部分等があると、実際の使用にあ
たって不所望な放電を生じることになる。そこで、その
製造過程において、電子銃構体9における尖鋭な突起部
分等の放電を生じ易い部分については、予め放電を生じ
させて溶解整形すること等により、完成品とされた後の
実際の使用時の動作を安定化することを目的としたノッ
キング処理が行われる。このようにノッキング処理工程
においては、例べば、カラー陰極線管の実働時に比して
2〜3倍とされた高電圧(ノッキング電圧)が、第3グ
リッド電極G3,第5グリッド電極G5及び内蔵抵抗器7の
高圧電極端子2に印加され、また、第1,第2及び第4の
各グリッド電極G1,G2及びG4は接地状態とされる。
D 発明が解決しようとする問題点 上述の如くのノッキング処理時には、内蔵抵抗器7の絶
縁被膜6の表面は、一部を除いて、比較的高い電位に帯
電しめられ、この絶縁被膜6には、特に、分圧抵抗体層
5を形成する抵抗体層5aの低圧側で、実働時に比して大
なる電位差がかかることになる。例えば、高電圧が印加
される第3グリッド電極G3に近接した絶縁基板1上に位
置において、比較的低電位とされる抵抗体層5aの部分と
絶縁被膜6の表面との間の電位差が最大となり、従っ
て、斯かる位置(最大電位差位置)で絶縁被膜6に最大
の電位差がかかることになる。そのため、第3グリッド
電極G3付近の位置が高電位差部位とされ、その、高電位
差部位において絶縁被膜6の耐圧を越える電位がかかっ
て絶縁被膜6の絶縁劣化もしくは破壊を生じ、その結
果、抵抗体層5aが被害を受けてその抵抗値を著しく変化
してしまう虞れがある。
斯かる絶縁劣化もしくは破壊による抵抗体層5aの抵抗値
変化の問題に対しては、絶縁被膜6の厚みを大として、
対圧を高めることが有利となる。即ち、絶縁被膜6の膜
厚を大に形成することで、絶縁被膜6の絶縁劣化もしく
は破壊を阻止し、低抗体層5aの抵抗値の変化を抑えるこ
とが可能となる。しかしながら、内蔵抵抗器7とって絶
縁被膜6の膜厚が無闇に大とされることは、コストの面
で不利となり、また、絶縁基板1と絶縁被膜6との膨張
係数の差に起因する内蔵抵抗器7の全体の反りを生じ、
使用時の昇温及び不使用時の降温の熱サイクルによって
絶縁被膜6が絶縁基板1から剥離する、あるいは亀裂を
生じる等の信頼性の低下につながる不都合を生じるとい
う問題が伴われる。
斯かる点に鑑み、本発明は、絶縁基板上に配された複数
の電極端子の間に所定のパターンを有した分圧用の低抗
体層が形成され、この抵抗体層が絶縁基板上に設けられ
た絶縁被膜で覆われる構成を有して、陰極線管に電子銃
構体と共に組み込まれるものとされ、絶縁被膜の膜厚を
増大させることなく、当該陰極線管のノッキング処理に
際しての高電圧の印加される状況下におかれる場合に、
絶縁被膜に高電位差がかかる部位においても、絶縁被膜
の絶縁劣化もしくは破壊の発生を回避でき、その結果、
陰極線管のノッキング処理前後での抵抗体層の抵抗値の
変化を最小限に抑えることができるものとされた陰極線
管の内蔵抵抗器を提供することを目的とする。
E 問題点を解決するための手段 上述の目的を達成すべく、本発明に係る陰極線管の内蔵
抵抗器は、絶縁基板上におけるそれに形成された複数の
電極端子間に所定のパターンを有した抵抗体層が配さ
れ、この抵抗体層が絶縁基板上に設けられた、気泡粒が
分散混在せしめられ、それらの気泡粒の夫々の粒径が実
質的に5〜15μmの範囲内に制限されている絶縁被膜に
より覆われるものとされて構成される。
F 作用 上述の如くに構成される本発明に係る陰極線管の内蔵抵
抗器にあっては、陰極線管に電子銃構体と共に組み込ま
れて陰極線管のノッキング処理に供される場合等におい
て、絶縁被膜に電位差がかけられるとき、絶縁被膜中に
分散混在する夫々の粒径が実質的に5〜15μmの範囲内
に制限されている気泡粒によって、絶縁被膜における電
界集中が緩和され、さらには、絶縁被膜と絶縁基板との
間の熱膨張係数の相違に起因して絶縁被膜に作用する応
力が緩和されて、絶縁被膜が絶縁劣化あるいは破壊を生
じ難いものとされる。このため、実質的に絶縁被膜の絶
縁耐圧が高められることになって、絶縁被膜に陰極線管
のノッキング処理に際しての高電圧が印加される状況下
におかれる場合においても、絶縁被膜の絶縁劣化もしく
は破壊の発生が回避される。しかも、絶縁被膜の膜厚を
増大させる手法がとられず、製造コスト面や信頼性の面
で不利がまねかれる虞がない。
G 実施例 G−1 実施例の構成(第1図〜第3図) 第1図及び第2図は、本発明に係る陰極線管の内蔵抵抗
器の一例を示す。この例は、第8図及び第9図に示され
る従来の内蔵抵抗器7と同様に、絶縁基板上に分圧抵抗
体層が配されるとともにこれを被覆する絶縁被膜が設け
られて形成され、第1図においては、外表部を形成する
絶縁被膜上から透視した状態が示されている。なお、第
1図及び第2図において、第8図及び第9図に示される
各部に対応する部分は、第8図及び第9図と共通の符号
が付されて示されており、それらについての詳細説明は
省略される。
第1図及び第2図に示される本発明に係る陰極線管の内
蔵抵抗器の一例においては、絶縁基板1上に、高圧電極
端子2,CV電極端子3及びアース電極端子4が形成され、
また、CV電極端子3とアース電極端子4との間にジグザ
グ状パターンを有した抵抗体層5aが、高圧電極端子2と
CV電極端子3との間に抵抗体層5bが、そして、抵抗体層
5a及び5bとCV電極端子3の間に微調整用抵抗体層5cが、
夫々配されて、分圧抵抗体層5が形成されており、さら
に、絶縁基板1上には、分圧抵抗体層5を覆う絶縁被膜
60が設けられている。
絶縁被膜60は、例えば、絶縁基板1上に鉛ガラスペース
トが印刷され、乾燥せしめられた後、焼成されて形成さ
れるものとされ、絶縁基板1上に、高圧電極端子2,CV電
極端子3及びアース電極端子4を覆うことなく、分圧抵
抗体層5を覆って広がっており、その全体に亙って、比
較的小なる粒径とされた気泡粒61が分散混在せしめられ
ている。斯かる絶縁被膜60中に分散混在せしめられた気
泡粒61は、第1図及び第2図に示される例の部分断面を
あらわす第3図に示される如く、その粒径が所定の寸法
範囲内で変化するものに制限されており、斯かる寸法範
囲は5〜15μmとされている。
G−2 絶縁被膜の作成工程(第4図) このような気泡粒61が分散混在せしめられた絶縁被膜60
は、例えば、以下に述べられる作成工程により得られ
る。
先ず、電圧電極端子2,CV電極端子3及びアース電極端子
4が形成され、さらに、抵抗体層5a及び5b、及び、微調
整用抵抗体層5cが形成されて、微調整用抵抗体層5cの部
分的削除による抵抗体層5a及び5bの夫々の抵抗値調整が
行われた絶縁基板1上に、鉛ガラスペーストが、高圧電
極端子2,CV電極端子3及びアース電極端子4を覆うこと
なく、かつ、抵抗体層5a及び5bと微調整用抵抗体層5cと
を覆うように印刷され、乾燥せしめられる。鉛ガラスペ
ーストは、例えば、酸化珪素(SiO2)を12〜18重量%,
酸化硼素(B2O3)を14〜20重量%,酸化鉛(PbO)を55
〜48重量%、及び、酸化アルミニウムを11〜18重量%、
夫々含む組成を有するものとされる。
次に、絶縁基板1上で乾燥せしめられた鉛ガラスペース
トが、予め設定された温度変化をもって焼成される。こ
の焼成工程においては、焼成温度が時間経過に伴って、
例えば、第4図(縦軸:焼成温度T、横軸:時間t)に
示される如くに変化せしめられる。
即ち、焼成開始t0後時点t1までの期間の焼成温度Tが、
温度T1まで上昇せしめられる。そして、時点t1から時点
t2までの期間においては、焼成温度Tが略温度T1に維持
され、温度T1が第1のキープ温度とされる。その後、時
点t2から時点t3までの期間に焼成温度Tがさらに上昇せ
しめられ、時点t3において温度T2に達するものとされ
る。鉛ガラスペーストは、この時点t2から時点t3までの
期間内において充分な溶解状態とされる。続いて、時点
t3から時点t4までの期間においては、焼成温度Tが略温
度T2に維持され、温度T2が第2のキープ温度とされる。
そして、時点t4以後、焼成温度Tが温度T2から比較的急
激に低下せしめられて、時点t5で焼成工程が終了する。
斯かる焼成工程において、第2のキープ温度T2の値を選
定することにより、鉛ガラスペーストの焼成後に得られ
る絶縁被膜60を、その中に所望の寸法範囲内、即ち、実
質的に5〜15μmの範囲内に制限された粒径を有する気
泡粒が分散混在するものとなすことができる。具体的一
例にあっては、温度T2は、620〜630℃に設定され、斯か
る場合、温度T1は略465℃とされ、また、時点t1,t2,t3
及びt4は、夫々、時点t0から略40分後,略60分後,略75
分後、及び、略83分後とされる。
G−3 実施例の使用状態 このようにして得られる第1図及び第2図に示される例
は、第8図及び第9図に示される内蔵抵抗器7と同様に
して、第10図に示される如くの陰極線管に組み込まれて
実際の使用に供される。
そして、例えば、組み込まれた陰極線管がノッキング処
理に供されて、絶縁被膜60に比較的大なる電位差がかけ
られるときには、絶縁被膜60に分散混在せしめられた夫
々の粒径が実質的に5〜15μmの範囲内に制限されてい
る気泡粒61が、絶縁被膜60における電界集中を緩和し、
さらには、絶縁被膜60と絶縁基板1との間の熱膨張係数
の相違に起因して絶縁被膜60に作用する応力を緩和する
ように作用して、絶縁被膜60が絶縁劣化あるいは破壊を
生じ難いものとされ、それにより、実質的に絶縁被膜60
の絶縁耐圧が高められることになる。従って、陰極線管
のノッキング処理のもとにあっても、絶縁被膜60の絶縁
劣化もしくは破壊の発生が回避され、陰極線管のノッキ
ング処理の前後におれる分圧抵抗体層5の抵抗値の変化
は極めて小とされる。
斯かる第1図〜第3図に示される例は、所望の厚みの絶
縁被膜60を得るため、鉛ガラスペーストの焼成を2回繰
り返したものとされる。即ち、絶縁基板1上に、鉛ガラ
スペーストが高圧電極端子2,CV電極端子3及びアース電
極端子4を覆うことなく、かつ、抵抗体層5a及び5bと微
調整用低抗体層5cとを覆うように印刷されて乾燥せしめ
られた後、第4図に示される如くの焼成温度Tの変化の
もとで、鉛ガラスペーストの1回目の焼成が行われて、
絶縁基板1上に下層絶縁被膜が形成される。そして、下
層絶縁被膜上に重ねられて鉛ガラスペーストが印刷さ
れ、乾燥せしめられた後、同じく第4図に示される如く
の焼成温度Tの変化のもので、鉛ガラスペーストの2回
目の焼成が行われて、絶縁基板1上の下層絶縁被膜上の
上層絶縁被膜が形成され、これら下層絶縁被膜と上層絶
縁被膜との両者で所望の膜厚の絶縁被膜60が形成されて
いる。斯かる場合には、第3図に示される如く、絶縁被
膜60内に分散混在せしめられた気泡粒61が、その粒径
が、全体的に下層絶縁被膜被膜側で大とされ上層絶縁被
膜側で小とされるものとなる。
G−4 実験結果及び考察(第5図〜第7図) 本願の発明者は、上述の如くに、温度T1が略465℃、時
点t1,t2,t3及びt4が、夫々、時点t0から略40分後,略60
分後,略75分後、及び、略83分後とされたもので、温度
T2の値を変化させて鉛ガラスペーストの焼成を行い、7
種類の内蔵抵抗器の資料S1〜S7を得、それらの夫々につ
いて絶縁被膜中に分散混在せしめられた気泡粒の粒径を
測定するとともに、資料S1〜S7の夫々が組み込まれた陰
極線管をノッキング処理に供して、そのノッキング処理
前後における資料S1〜S7における分圧抵抗体層の変化率
ΔRを測定する実験を行い、下記の表−Aの如くの結果
を得ている。
ここで、資料S4及びS5は、夫々、温度T2が620及び630℃
とされたもとで鉛ガラスペーストの焼成が行われた、本
発明に係る内蔵抵抗器の一例とされている。
そして、資料S2における絶縁被膜内に粒径が2〜5μm
とされて分散混在する気泡粒の様子が第5図に示され、
また、本発明に係る内蔵抵抗器の一例である資料S5にお
ける絶縁被膜内に粒径が8〜15μmとされて分散混在す
る気泡粒の様子が第6図に示され、さらに、資料S6にお
ける絶縁被膜内に粒径が15〜25μmとされて分散混在す
る気泡粒の様子が第7図に示される。
斯かる実験結果から明らかな如く、温度T2が高く設定さ
れるほど絶縁被膜中に分散混在せしめられた気泡粒の粒
径が大とされる。そして、本発明のに係る内蔵抵抗器の
一例である資料S4及びS5の如くに、絶縁被膜中に分散混
在せしめられた気泡粒の粒径が実質的に5〜15μmの範
囲内に制限される場合には、他の資料S1〜S3,S6とS7
比して、分圧低抗体層の変化率ΔRが著しく小となって
おり、陰極線管のノッキング処理工程を経ても、絶縁被
膜の絶縁劣化もしくは破壊を生じていないことが理解さ
れる。
なお、上述の第1図〜第3図に示される例及び内蔵抵抗
器の資料S1〜S7においては、絶縁被膜内に分散混在せし
められる気泡粒の粒径の選択が、鉛ガラスペーストの焼
成工程における第2のキープ温度である温度T2の値の設
定により行われるものとされているが、気泡粒の粒径の
設定を、温度T2の値の設定によらず、鉛ガラスペースト
におけるガラス粒径の選定によって、あるいは、鉛ガラ
スペーストにおけるガラス粒の形成態様を選択すること
によってなすことも可能である。
H 発明の効果 以上の説明から明らかな如く、本発明に係る陰極線管の
内蔵抵抗器は、陰極線管の管体内に電子銃構体と共に組
み込まれて電圧印加状態とされるとき、絶縁基板上にそ
れに配された分圧用の抵抗体層を覆う状態をもって設け
られた絶縁被膜中に分散混在せしめられた、所定の寸法
範囲内、具体的には、実質的に5〜15μmの範囲内に制
限されている粒径を有する気泡粒によって、絶縁被膜に
おける電界集中が緩和され、さらには、絶縁被膜と絶縁
基板との間の熱膨張係数の相違に起因して絶縁被膜に作
用する応力が緩和されて、絶縁被膜が絶縁劣化あるいは
破壊を生じ難いものとされる。従って、実質的に絶縁被
膜の絶縁耐圧が高められることになり、絶縁被膜に陰極
線管のノッキング処理に際しての高電圧が印加される状
況下におかれても、絶縁被膜の絶縁劣化もしくは破壊の
発生が回避される。しかも、絶縁被膜の絶縁耐圧を高め
るべく、絶縁被膜の膜厚が増大せしめられるものとは異
なり、製造コスト面や信頼性の面での不利がまねかれる
虞がないという利点も具えている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る陰極線管の内蔵抵抗器の一例を示
す平面図、第2図は第1図に示される例の側面図、第3
図は第1図及び第2図に示される例についての部分断面
図,第4図は第1図及び第2図に示される例に設けられ
る絶縁被膜の作成工程の説明に供される図、第5図,第
6図及び第7図は夫々絶縁被膜中に分散混在する気泡粒
の様子を示す図、第8図及び第9図は従来の陰極線管の
内蔵抵抗器を示す平面図及び側面図、第10図は第8図及
び第9図に示される内蔵抵抗器が組み込まれた陰極線管
の要部を示す概略構成図である。 図中、1は絶縁基板、2は高圧電極端子、3はコンバー
ジェンス電極端子、4はアース電極端子、5は分圧低抗
体層、60は絶縁被膜、61は気泡粒である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永嶋 仁 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 斎藤 恒成 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−14627(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板と、 該絶縁基板上に配された複数の電極端子と、 上記絶縁基板上における上記複数の電極端子間に所定の
    パターンを有して配された抵抗体層と、 上記絶縁基板上に上記抵抗体層を覆う状態とされて設け
    られた、気泡粒が分散混在せしめられ、該気泡粒の夫々
    の粒径が実質的に5〜15μmの範囲内に制限されている
    絶縁被膜と、 を備えて構成された陰極線管の内蔵抵抗器。
JP61254091A 1986-10-25 1986-10-25 陰極線管の内蔵抵抗器 Expired - Lifetime JPH0785403B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61254091A JPH0785403B2 (ja) 1986-10-25 1986-10-25 陰極線管の内蔵抵抗器

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