JPH0785290B2 - 磁気ヘッドコアの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドコアの製造方法

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JPH0785290B2
JPH0785290B2 JP2128477A JP12847790A JPH0785290B2 JP H0785290 B2 JPH0785290 B2 JP H0785290B2 JP 2128477 A JP2128477 A JP 2128477A JP 12847790 A JP12847790 A JP 12847790A JP H0785290 B2 JPH0785290 B2 JP H0785290B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気ヘッドコアの製造方法に関する。
従来の技術 ビデオテープレコーダ(VTR)等の磁気記録再生装置に
は磁気ヘッドが用いられ、従来から磁気ヘッドコア材と
して、フェライト材料が用いられているが、近年の高密
度記録化、高画質化の要求にともない、高飽和磁束密度
を有するパーマロイ、センダスト、アモルファス合金等
の金属磁性体を用いた磁気ヘッドが脚光をあびている。
その中でもアモルファス合金は、耐食性、耐摩耗性等の
点で優れており、高性能磁気ヘッドのコア材として特に
有望な材料である。
第2図はアモルファス合金を用いた磁気ヘッドコアの斜
視図を示すもので、ヘッドコアはアモルファス合金1に
より構成され、ヘッドコアの両側を非磁性基板2で挟持
した構造になっている。そして両コア反対のギャップ面
3での接合は低融点ガラス4の融着により行われてい
る。また非磁性基板2とアモルファス合金1からなるヘ
ッドコアとの接合は低融点結晶化ガラス5によって行わ
れ、アモルファス合金1と低融点結晶化ガラス5の間に
は、アモルファス合金と低融点結晶化ガラスとの反応を
防止するため、Sio2からなる拡散防止膜6を設けてい
る。
第3図(a)〜(c)はアモルファス合金を用いた磁気
ヘッドコアの従来の製造工程を示す斜視図である。まず
非磁性基板2の片面にアモルファス合金1をスパッタリ
ングにより形成し、さらにアモルファス合金1上にSio2
からなる拡散防止膜6をスパッタリングにより形成する
(第1図(a))。次に非磁性基板2の反対面上に粉末
状の低融点結晶化ガラス5をガラス沈降法などの手法に
より塗布する(同図(b))。ガラス沈降法とは第4図
に示すように、まず粉末状の低融点結晶化ガラス7をエ
タノールと酢酸エチルの混合溶液8中に溶かして撹拌し
(第4図(a))、その混合溶液中に複合基板を入れ
(同図(b))、自然放置または、遠心分離器により複
合基板の片面にガラス粉末を沈降させ(同図(c))、
塗布する方法である。次に以上のようにして作成した基
板を約500℃で急熱急冷の熱処理を施し、粉末状の低融
点結晶化ガラスを溶融させる(同図(d))。
そして、第3図(c)のように、以上の基板を多数積み
重ねて加圧熱処理を行い、一つの積層体を作成する。そ
してこの積層体を加工(切断、研磨、熱処理等)して、
磁気ヘッドコアが完成する。一般にアモルファス合金は
結晶化温度を有し、結晶化温度以上で熱処理を行うと、
アモルファス状態から結晶状態になり、その磁気特性が
劣化する。したがってガラス接着などの熱処理はその結
晶化温度以下で行わねばならず、そのためアモルファス
合金を用いた磁気ヘッドコアの接着用ガラスは、軟化点
の低い低融点ガラスを用いてる。低融点ガラスは一般に
機械的強度が小さいので、ヘッド加工に耐えることが難
しく、そのためアモルファス合金1と非磁性基板2との
接着には機械的強度が大きく、結晶化後の融点も上昇す
る低融点結晶化ガラスを用いている。
発明が解決しようとする課題 このようにアモルファス合金を用いた磁気ヘッドコアの
アモルファス合金と非磁性基板との接着には低融点結晶
化ガラスを用いており、基板への低融点結晶化ガラスの
形成方法はガラス沈降法によるものであった。このガラ
ス沈降法は上記従来の技術で説明したように、粉末ガラ
ス、エタノール、酢酸エチルの混合溶液中に基板を入
れ、粉末ガラスを沈降させる方法で、遠心分離器を使用
することによって、粉末ガラス沈降速度を向上させるこ
とはできるが、一度に数多くの基板を処理することは難
しく、生産性が悪いという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決し、生産性を大幅に向上
させた磁気ヘッドコアの製造方法を提供することを目的
とする。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、非磁性基板の少な
くとも片面に金属磁性材料を形成し、その金属磁性材料
上に拡散防止膜を形成した複合基板の少なくとも片面に
結晶化ガラスをスパッタリングで形成する工程と、前記
結晶化ガラスを形成した複合基板を酸素を含有する雰囲
気中で熱処理する工程と、前記複合基板を積み重ね加圧
熱処理して積層体を形成する工程と、前記積層体を所定
の幅で切断する工程とを有するものである。
作用 本発明は上記構成のように、従来ガラス沈降法によって
行っていた基板への低融点結晶化ガラスの形成方法をス
パッタリングで行うことにより、一回で処理できる基板
枚数を大幅に向上させることができる。また低融点結晶
化ガラス膜を拡散防止膜上に形成する場合においては、
アモルファス合金ターゲット、Sio2ターゲット、低融点
結晶化ガラスターゲットの三つを備えたスパッタ装置を
使用することにより、アモルファス合金膜形成、Sio2
散防止膜形成、低融点結晶化ガラス膜形成を同一スパッ
タ装置内で一度に行うことができ、従来のガラス沈降法
に比べ、大幅な工程削減が可能となる。
しかし、スパッタリングにより形成した低融点結晶化ガ
ラス膜は酸素が不足した不安定な状態にあり、このよう
な状態のガラスで基板の加圧熱処理を行うと、基板が酸
化物の場合は、ガラス基板内の酸素と反応を起こし、接
着層界面に気泡が生じるなどの問題が生じる。
そこで、あらかじめ低融点結晶化ガラス膜の形成された
複合基板を酸素を含有する雰囲気中で熱処理することよ
り、酸素が不足した不安定な状態にある低融点結晶化ガ
ラスを酸素と反応させ、安定な状態にすることができ
る。この処理によりスパッタリングで作成した低融点結
晶化ガラス膜でも接着も気泡の発生などの問題なく安定
に行うことができる。
実施例 以下、本発明の一実施例を第1図に基づいて説明する。
なお、第2図の従来例と同一部分には同一番号を付して
説明する。
第1図(a)に示すように、まず非磁性基板2の片面に
ヘッドコアとなるアモルファス合金1をスパッタリング
などの薄膜形成法により形成する。さらに形成されたア
モルファス合金膜上にSio2からなる拡散防止膜6を形成
する。そして、さらに形成された拡散防止膜6上に低融
点結晶化ガラス5を形成する(第1図(b))。なお、
この実施例では薄膜形成方法はすべてスパッタリング法
で行い、同一スパッタリング装置内にアモルファス合金
ターゲット、Sio2ターゲット、低融点結晶化ガラスター
ゲットの三つを備えたものを使用した。また、この実施
例での各材料の膜厚はアモルファス合金膜厚は20μm、
Sio2膜厚は1μm、低融点結晶化ガラス膜厚は0.5μm
である。また、この実施例でのアモルファス合金の特性
は飽和磁束密度Bs=8300gauss、結晶化温度Tχ=575
℃、キュリー温度Tc=480℃である。そして、以上のよ
うにして作成した複合基板を約500℃の空気中で急熱急
冷の熱処理を行う。そのとき拡散防止膜6上に形成され
た低融点結晶化ガラス5は溶融し、かつ空気中の酸素と
反応して安定な状態になり、しかも急熱急冷であるので
結晶化することはなく非晶質状態のままである。次にそ
の基板を多数積み重ねて加圧熱処理を行い、一つの積層
体を作成する(同図(c))。このとき熱処理によっ
て、低融点結晶化ガラス膜は結晶化し、機械的強度が増
大し、さらに軟化点が非晶質時に比べて約100℃上昇す
るので、以降のヘッドコア製造工程においてもこの接着
層はゆるみや剥離を生じない。続いて、上記積層体を加
工し、一対のコアバー9a,9bを作成する。そして片方の
コアバーのギャップ面に巻線溝10を形成し、ギャップ面
を平滑に研磨し、所定の厚みのSio2等の非磁性材11をス
パッタリング等の薄膜形成法で形成する(同図
(d))。その後、各コアバーのギャップ面を突き合わ
せて加圧熱処理する。そして所定のコア幅に切断線F1,F
2により切断し(同図(e))、ヘッド前面を研磨して
第2図に示したようなヘッドチップが完成する。
このようにして得られた磁気ヘッドコアによる磁気ヘッ
ドは、従来の製造方法によって得られた磁気ヘッドコア
による磁気ヘッドと比較して特性は変わらないが、製造
歩留まりはむしろ向上していることが判った。これはス
パッタリングにより低融点結晶化ガラスの膜厚分布が従
来のガラス沈降法に比べて良くなっているためである。
また製造工程を大幅に削減することができ、製造効率が
向上した。
なお、本発明はアモルファス合金を用いた磁気ヘッドコ
アに限定されるものではなく、他の金属磁性体を用いた
磁気ヘッドコアに応用しても同様の効果が得られるもの
である。
発明の効果 上記実施例から明らかなように本発明は、従来ガラス沈
降法によって行っていた非磁性基板への結晶化ガラス9
形成工程をスパッタリングで行うことにより、一回で処
理できる基板枚数を大幅に向上させることができる。ま
た、結晶化ガラス膜を拡散防止膜上に形成する場合にお
いては、アモルファス合金ターゲット、Sio2ターゲッ
ト、結晶化ガラスターゲットの三つを備えたスパッタ装
置を使用することにより、アモルファス合金膜形成、Si
o2拡散防止膜形成、結晶化ガラス膜形成を同一スパッタ
装置内で一度に行うことができ、従来のガラス沈降法に
比べ、大幅な工程削減が可能となる。さらにこのように
して得られた磁気ヘッドコアによる磁気ヘッドは従来の
製造方法によって得られた磁気ヘッドコアによる磁気ヘ
ッドと比較して特性は変わらないが、製造歩留まりは向
上しているものであり、その産業性は大なるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(e)は本発明のの磁気ヘッドコアの製
造方法を説明するための工程図、第2図はアモルファス
合金を用いた従来および本発明の磁気ヘッドコアの斜視
図、第3図(a)〜(c)は従来の磁気ヘッドコアの製
造方法を説明するための工程図、第4図(a)〜(d)
はガラス沈降法を説明するための模式図である。 1……アモルファス合金(金属磁性材料)、2……非磁
性基板、5……低融点結晶化ガラス(結晶化ガラス)、
6……拡散防止膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−130705(JP,A) 特開 平1−159810(JP,A) 特開 昭62−141609(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板の少なくとも片面に金属磁性材
    料を形成し、その金属磁性材料上に拡散防止膜を形成し
    た複合基板の少なくとも片面に結晶化ガラスをスパッタ
    リングで形成する工程と、前記結晶化ガラスを形成した
    複合基板を酸素を含有する雰囲気中で熱処理する工程
    と、前記複合基板を積み重ね加圧熱処理して積層体を形
    成する工程と、前記積層体を所定の幅で切断する工程と
    を有することを特徴とする磁気ヘッドコアの製造方法。
JP2128477A 1990-05-17 1990-05-17 磁気ヘッドコアの製造方法 Expired - Fee Related JPH0785290B2 (ja)

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