JPH0784507B2 - プラスチツクレンズ用樹脂 - Google Patents

プラスチツクレンズ用樹脂

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JPH0784507B2
JPH0784507B2 JP15718286A JP15718286A JPH0784507B2 JP H0784507 B2 JPH0784507 B2 JP H0784507B2 JP 15718286 A JP15718286 A JP 15718286A JP 15718286 A JP15718286 A JP 15718286A JP H0784507 B2 JPH0784507 B2 JP H0784507B2
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resin
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plastic lens
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隆行 大津
敬重 村田
康美 鯉沼
良夫 佐野
隆夫 最上
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日本油脂株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、透明性が優れ且つ比較的屈折率の高いプラス
チックレンズ用樹脂に関する。
<従来の技術及び問題点> 近年プラスチックレンズ材料として無機ガラスに代わっ
て合成樹脂材料が使用されるようになってきた。これ
は、プラスチックレンズが軽量性、成形容易性、耐衝撃
性、染色性などの利点を有しているからである。既にこ
れらの例としては、ポリメチルメチクリレート、ポリジ
エチレングリコールビスアリルカーボネート、ポリスチ
レン、ポリカーボネート等が知られているが、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネートでは軽量、耐衝撃性に優れるという長所
を有しているものの屈曲率が1.49程度と低い為レンズと
して用いる場合無機ガラスに比して厚いものが要求さ
れ、高倍率化、軽量化には適さないという欠点があっ
た。
また、ポリスチレン、ポリカーボネートでは屈折率に関
しては1.58〜1.59程度と高いものの、これら樹脂が熱可
塑性である為、射出成形時に複屈折による光学的歪を生
じ易いという問題があり、他にも耐溶剤性、耐擦傷性に
欠けるなどの欠点があった。
そこで最近、高屈折率であって且つこれら従来技術の欠
点を改善するためのいくつかの技術提案がなされてい
る。例えば、特開昭53−7787号公報ではジエチレングリ
コールビスアリルカーボネートとジアリルイソフタレー
トとの共重合体の例、特開昭59−81318号公報ではジア
リルフタレートと不飽和アルコール安息香酸エステルと
の共重合体の例、特開昭59−191708号公報ではビスフェ
ノールAを有するジ(メタ)アクリレート、ジアリルイ
ソヒタレートとジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート等との共重合体の例などが挙げられるが、これら
の場合は意に反して屈折率が1.52〜1.56と低い上、未反
応のアリルモノマーが残存し易いという問題点がある。
他の例としては、特開昭57−28115号公報にスチレン系
ビニル単量体と不飽和カルボン酸重金属塩の共重合物
が、また特開昭60−5507号公報には核ハロゲン置換ジア
リルフタレートと核ハロゲン置換安息香酸アリルとの共
重合体が挙げられているが、これらは屈折率の点では1.
58〜1.60程度と高いものの、金属塩や核ハロゲン置換芳
香族環を有するアリル系モノマーを使用するため重合物
の比重が大きく、レンズが重くなり軽量化が損なわれる
という欠点を有している。
さらに、特開昭55−13747号公報では核ハロゲン置換ス
チレン、ビスフェノールAを有するジ(メタ)アクリレ
ート、ベンジルメタクリレート系モノマー、フェニルメ
タクリレート系モノマーの共重合体が、特開昭59−1332
11号公報では芳香族環を有するヒドロキシジ(メタ)ア
クリレート、ジイソシアネート系化合物とスチレン系モ
ノマーとの重合物が挙げられているが、これらの場合、
屈折率の点では1.60前後と高いものの、重合時の反応速
度が著しく速く重合反応制御が難しく、耐候性に劣り、
比重が大であるなどの問題があった。
<発明の目的> 本発明の目的はプラスチックレンズ用樹脂として望まし
い光学的透明性に優れ、比較的高い屈折率を有し、しか
も耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性が良好であり、且つ比重
が小など諸物性に優れたプラスチックレンズ用樹脂を提
供することを目的とする。
<問題点を解決するための手段> 本発明によれば、一般式Iで示されるビニル基含有芳香
族カルボン酸エステル単量体の1種又は2種以上の混合
物(A) (但しは2以上4以下の整数を表わす)と、一般式II
で示されるジアクリレート単量体の1種又は2種以上の
混合物(B) (但しR1,R2は水素又はメチル基を表わし、m+n=5
以上の整数を表わす。)と、 エステル基に芳香族環を有し単独重合性を持たない不飽
和二塩基酸ジエステル単量体の1種又は2種以上の混合
物(C)とを主成分としてラジカル重合開始剤の存在下
に共重合させて成るプラスチックレンズ用樹脂が提供さ
れる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明において主成分の一つとして用いられる単量体に
は一般式(I) (但しは2以上4以下の整数を表わす)にて表わされ
るビニル基含有芳香族カルボン酸エステル単量体の1種
又は2種以上の混合物(A)が用いられる。この場合
は2以上4以下の整数であり、2未満では重合性及びレ
ンズの耐熱性が低下し、4を超えると単量体の合成が難
しくなる上レンズの耐衝撃性が低下するので使用できな
い。具体的に一般式(1)にて表わされる単量体として
はジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレー
ト、ジアリルテレフタレート、トリメリット酸トリアリ
ル、ピロメリット酸テトラアリル等が挙げられる。
また本発明で主成分の一つとして用いる他の単体量には
一般式(II) (但しR1,R2は水素又はメチル基を表わし、m+n=5
以上の整数を表わす。)にて表わされるジアクリレート
単量体の1種又は2種以上の混合物(B)が用いられ
る。この場合n+mは5以上の整数であればよく、合成
上単一の単量体は得難いので混合物として用いることが
望ましい。n+mが大となるとレンズの耐熱性が低下す
るので30未満程度が好ましい。一般式(II)にて表わさ
れるジアクリレート単量体の具体例としては、ビスフェ
ノールA(アクリロイルオキシジエトキシエチル)(ア
クリロイルオキシトリエトキシエチル)ジエーテル、ビ
スフェノールAジ(アクリロイルオキシトリエトキシエ
チル)エーテル、ビスフェーノールAジ(アクリロイル
オキシトリプロポキシプロピル)エーテル、ビスフェノ
ールFジ(アクリロイルオキシトリエトキシエチル)エ
ーテル、ビスフェノールAジ(アクリロイルオキシペン
タエトキシエチル)エーテル、ビスフェノールFジ(ア
クリロイルオキシトリプロポキシプロピル)エーテル等
が挙げられる。
さらに、本発明にて主成分の一つとして用いる第3の単
量体としてはエステル基に芳香族環を有し単独重合性を
持たない不飽和二塩基酸ジエステル単量体の1種又は2
種以上の混合物(C)が用いられる。この単独重合性を
持たない不飽和二塩基酸ジエステルとしてはフマル酸、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等
の不飽和二塩基酸のジエステルが好ましく、具体的に
は、ジフェニルフマレート、ジベンジルフマレート、ジ
(クロロフェニル)フマレート、ジ−(クロロベンジ
ル)フマレート、ジ−(ブロモベンジル)フマレート、
ジフェニルイタコネート、ジベンジルイタコネート、ジ
(クロロフェニル)イタコネート、ジ(ブロモフェニ
ル)イタコネート、ジ(クロロベンジル)イタコネー
ト、ジ(ブロモベンジル)イタコネート、ジフェニルシ
トラコネート、ジベンジルシトラコネート、ジ(クロロ
フェニル)シトラコネート、ジ(クロロベンジル)シト
ラコネート、ジフェニルメサコネート、ジベンジルメサ
コネート、ジ(クロロフェニル)メサコネート、ジ(ク
ロロベンジル)メサコネート、イソプロピル−ベンジル
フマレート、アリル−ベンジルフマレート、シクロヘキ
シル−ベンジルイタコネート、アリル−ベンジルメサコ
ネート等が挙げられる。
本発明のプラスチックレンズ用樹脂は上記単量体又は単
量体混合物(A),(B),(C)を主成分としてラジ
カル重合開始剤の存在下に共重合させて成るが、共重合
の組成比としては、(A)を10〜95重量%、(B)を5
〜50重量%、及び(C)を1〜80重量%の割合にて用い
るのが好ましく、さらに好ましくは(A)を30〜95重量
%、(B)を5〜40重量%、及び(C)を1〜60重量%
の範囲で用いるのが望ましい。
第1単量体(A)の使用量が10重量%未満ではレンズの
耐熱性が低下し、95重量%を超えると耐衝撃性の低下が
認められ、また、第2単量体(B)については5重量%
未満では耐衝撃性が低下し、50重量%を超えると耐熱性
が低下する傾向にあり、、第3単量体(C)では80重量
%を超えると耐熱性が低下してくるので好ましくない。
本発明のプラスチックレンズ用樹脂は、上記単量体又は
単量体混合物(A),(B),(C)を主成分として共
重合させてなるが他のラジカル重合性ビニルモノマー又
は架橋性ビニルモノマーの1種あるいは2種以上を併用
することもできる。この場合当該モノマーとしては単量
体総重量に対して20重量%以下用いるのが望ましく、使
用可能なラジカル重合性ビニルモノマーあるいは架橋性
ビニルモノマーとしては、スチレン、核メチル置換スチ
レン、核ハロゲン置換スチレン、ジビニルベンゼン、酢
酸ビニル、安息香酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレ
ート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
等が挙げられる。
本発明によるプラスチックレンズ用樹脂を得ようとする
場合、前記単量体成分をラジカル重合開始剤の存在下に
加熱共重合させるが、この際に用いられる重合開始剤と
しては、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルオキシジカ
ーボネート、ターシャリブチルペルオキシ2−エチルヘ
キサノエート、ターシャリブチルペルオキシピバレー
ト、ターシャリブチルペルオキシジイソブチレート、過
酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル等が使用
でき、重合開始剤の使用量としてはモノマー総重量に対
し10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは5重量%
以下である。
本発明のプラスチックレンズ用樹脂を作製するに当って
は、当該原料モノマーにラジカル重合開始剤を加え、直
接所望の型枠に仕込み、系を加熱硬化させることにより
行なわれる。この場合適時、重合系を不活性ガス例え
ば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等で置換ないし雰囲気
下にすることが望ましい。また、原料モノマーにラジカ
ル重合開始剤を添加後、所定の条件下で前もって予備共
重合させておいた後、所定の型内に仕込み、重合を完結
させる方法をとることも可能である。
<発明の効果> 本発明のプラスチックレンズ用樹脂は屈折率が1.56以上
の高屈折率を有しており、光学的透明性に優れ、さらに
耐熱性、耐溶剤性、耐衝撃性が良好であり、比重が小さ
いなどの優れた性能をも兼ね備え、硬化重合時の制御が
し易いなど従来のプラスチックレンズ用樹脂の欠点を改
良した材料を提供し、眼鏡レンズ、カメラレンズ、光学
用素子等のプラスチックレンズ用材料として使用するこ
とができる。
<実施例> 以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
なお、諸物性は以下に記載する方法により測定した。
屈折率、アッベ数−アッベ屈折計 光線透過率−ヘイズメーター(日本電色工業(株)製) 耐熱性−130℃の乾燥器中に2時間放置した後変形、着
色等の変化が認められないものを合格として○とし、不
合格×とした。
耐衝撃性−厚さ2mmの硬化板をFDA規格に従ってテストし
た。
比重−水中置換法により硬化樹脂重量/体積により求め
た。
耐溶剤性−硬化樹脂をアセトン、ベンゼン中に室温で1
昼夜浸漬し表面に曇りのないものを合格○とした。
実施例1 ジアリルイソフタレート6g、 (m+n=5〜10の混合物)2g、ジフェニルイタコネー
ト2gからなる原料混合モノマーにジイソプロピルペルオ
キシジカーボネートを0.3gを混合し、モノマー組成物を
2枚のガラス型(エチレン−酢酸ビニルガスケットを使
用)中に仕込み、40℃の恒温槽中に入れ硬化温度を40℃
にて15時間加熱し、さらに3時間で100℃まで昇温し最
後に100℃で2時間アニーリング処理を行なった。
そして、型から硬化樹脂を取り出し前記物性ステトによ
る評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例2〜10、比較例1〜3 実施例1と同様の手法により、種々の組成の原料モノマ
ーを所定のラジカル開始剤、硬化条件下で硬化樹脂を製
造した。その結果を表1に示す。
なお、比較例として、ジエチレングリコールビスアリル
カーボネート、ジアリルフタレート、スチレンについて
も同様の実験を実施し、その結果についても併記した。
ただし、表中の*印は下記の通りである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式Iで示されるビニル基含有芳香族カ
    ルボン酸エステル単量体の1種又は2種以上の混合物
    (A)と (但しは2以上4以下の整数を表わす) 一般式IIで示されるジアクリレート単量体の1種又は2
    種以上の混合物(B) (但しR1,R2は水素又はメチル基を表わし、m+n=5
    以上の整数を表わす。)と、 エステル基に芳香族環を有し単独重合性を持たない不飽
    和二塩基酸ジエステル単量体の1種又は2種以上の混合
    物(C)とを主成分としてラジカル重合開始剤の存在下
    に共重合させて成るプラスチックレンズ用樹脂。
  2. 【請求項2】上記(A)10〜95重量%、(B)5〜50重
    量%、及び(C)1〜80重量%を含む成分をラジカル重
    合開始剤の存在下に共重合させて成る特許請求の範囲第
    1項記載のプラスチックレンズ用樹脂。
JP15718286A 1986-07-05 1986-07-05 プラスチツクレンズ用樹脂 Expired - Lifetime JPH0784507B2 (ja)

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