JPH0784244B2 - ピッキングシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、複数に区分けされた棚に保管された異種の商
品を、受注された商品ごとに取出すピッキングシステム
に関する。

（従来の技術） 傾斜した棚板を備え、その前面に面した棚位置をそれぞ
れの商品の収納位置とし、棚板の傾斜を利用して前方の
商品ケースを取除くと後方の新しいケースが前に出てく
るような構造の流動棚を用い、これを商品保管場所に多
数配置してオーダーリストに応じて所定の種類の商品を
所定個数だけ作業員が次々と取出しているオーダーピッ
キングシステムが知られている。

第２図はこの種の流動棚の一例の概略斜視図であり、同
図において、流動棚10は前方に傾斜している複数段の棚
11を備え、各棚にはそれぞれ異なる商品12の収容された
ケース13が配置され、商品の種別により常に固定された
棚位置が設定されている。そして棚前面に位置したケー
ス13から必要な商品を取出して行き、ケース13が空にな
ればそのケースを除去することにより、次のケースが棚
の前面に出てくるよう形成されている。

このような流動棚10は通常ベルトコンベアに対向して配
置され、作業者が流動棚10から取出した商品をベルトコ
ンベア上のコンテナに収納して詰合わせてから配送部門
に搬送される。

なお、16はアイテム表示灯で、商品を取出す棚の位置を
作業者に報知するもので棚11の当該商品のケースの配置
位置に設けられ、17はデジタル表示器で取出す商品の個
数を表示するもので流動棚10の上部中央に設けられ、18
は押しボタンスイッチで商品の取出しが終了したときに
押すもので流動棚10の側部にそれぞれ設けられている。

（発明が解決しようとする課題） このようなピッキングシステムにおいては、商品12の入
ったケース13が配置される棚位置は、商品の種別ごとに
常に棚11の固定した所定位置に割振りが行われ、扱い商
品のすべてがそれぞれのケース13に収容されて配置され
ている。

したがって、日々の作業でピッキングされる商品は配置
された全商品のうちの一部分であるが、全商品を流動棚
に配置する必要があるため、多数の流動棚を要するとと
もに、これらの流動棚の設置に広いスペースを必要とす
る問題が生じている。また、これらの流動棚に配置され
た商品の種類が多いため、ピッキングすべき商品の取出
しの作業動線が大となり、ピッキング作業の効率が低下
するという不具合も生じている。

なお、季節商品や特売商品などではその販売該当期間に
は受注数量が大きく、したがってピッキング数量も多量
となり、固定した割振りの棚容量ではピッキング用商品
の補充作業の繰返えしが多くなり、作業員がオーバーワ
ークになる虞が生ずる。

本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、
その目的は商品の受注状況に対応した棚位置を設定しよ
うとするピッキングシステムを提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、発注された各種の商品を保管用の流動
棚から取出し、ベルトコンベアに載置されたコンテナに
収容して発注された商品の詰合わせを行うピッキングシ
ステムにおいて、複数の発注データに基づいて商品別に
受注数量の合計を演算する演算手段を設けるとともに、
該演算手段による合計受注数量に基づいて流動棚におけ
る当該商品の棚位置を選択して設定する設定手段を設け
たピッキングシステムが提供される。

（作用） 本発明では商品を収納する流動棚の棚位置を商品の種別
により固定することなく、合計受注数量や商品の容積な
どに基づいて棚位置を選択して設定する作用がある。

（実施例） つぎに本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明
する。

第１図は本発明の一実施例を示す概略構成図であり、同
図において10,10……は第２図にて説明した流動棚であ
り、矢印方向に搬送されるベルトコンベア14上にはコン
テナ15,15……が載置され、これらのコンテナには各店
舗ごと、または配送地区ごとに指定された商品が流動棚
から必要数量取出されて収容されるものである。そし
て、詰込みの終了したコンテナ15は図示していない配送
部門にベルトコンベア14により搬送され、それぞれの配
送先への配送作業が行われることになる。

20は倉庫であり、扱い商品を商品ごとに区分して保管し
ておくもので、流動棚10の商品がピッキング作業により
取出されて残存数量が所定数量に達した場合、同種の商
品を倉庫20より搬出して流動棚10のケース13に補充する
ものである。

流動棚10のそれぞれの棚11には棚番号が付せられ、例え
ば図示の左方一列目の流動棚の下段、中段、上段のそれ
ぞれの棚には１−1,1−2,1−３の棚番号が、二列目の流
動棚の下段、中段、上段にはそれぞれ２−1,2−2,2−３
のような棚番号が付けられており、すべての流動棚10,1
0……の棚11には上記に準じたそれぞれの固有の棚番号
を有している。

また、それぞれの流動棚10は棚コントローラ19が対応し
て取付けられ、中継器32を介して制御装置31に接続され
ている。

33は入力装置で、各店舗ごとまたは配送地区ごとの必要
な商品の種類や数量などの発注データをキーボードの操
作によって制御装置31に入力するものであり、34は表示
装置でCRTディスプレイが使用されて制御装置31の指令
により個別の発注データや集計された発注データなどが
表示されるもの、35はプリンタで処理実績や各種のリス
トなどがプリントアウトされるもの、37はラベル発行器
でベルトコンベア14の末端の近傍に設けられ、詰込みの
終了したコンテナに対して配送先や物品コード、数字な
どを印字したラベルを発行するものである。

制御装置31はマイクロコンピュータよりなりプロセッ
サ、各種メモリ、入／出力回路を備え、入力装置33から
入力される個々の店舗からの発注データに基づいて、商
品ごとの合計受注数量を演算したり、メモリが格納した
制御プログラムを読出して各種の指示を接続した機器に
発令するよう構成されている。なお制御装置31に入力さ
れる発注データは、電話回線を介して店舗から直接に制
御装置31に入力されるように構成してもよい。

つぎにこのように構成された本実施例の作動を説明する
と、入力装置33から入力された個々の店舗からの発注デ
ータは商品別に集計されて、商品ごとの合計受注数量が
演算される。

この演算結果に基づいて、合計受注数量の大きさや当該
商品の容積の大小などに対応して、例えば受注した合計
数量の多い順序に、流動棚10の棚11の棚番号の選択を行
って、受注商品ごとに棚番号を割振り、収納位置を指定
し表示するとともに、各商品の収納位置の棚番号データ
は制御装置31のメモリに格納される。

つぎに倉庫20より商品を搬出して、それぞれの商品の指
定棚位置に受注数量を収納する。なおこのとき、合計受
注数量が多量で棚位置にすべて収納できないときには、
ピッキングの途中で倉庫から補充することになる。

ついで、流動棚10からコンテナ15に商品を収容するピッ
キングが下記のように行われる。

（１）制御装置31が処理を行った配送ファイルを中継器
32に送信する。

（２）中継器32は配送先別のピッキングデータを棚コン
トローラ19を介して流動棚10に送る。

（３）流動棚10はピッキングすべき商品の棚位置に対応
するアイテム表示灯16を点灯し、取出し個数をデジタル
表示器17に表示する。

（４）作業者は指示された商品を指示された数量だけケ
ース13から取出し、ベルトコンベア14上のコンテナ15に
投入する。

（５）取出しの終った商品については流動棚10の押しボ
タンスイッチ18を押して表示を消灯する。

（６）配送先別のピッキングデータによるピッキングが
終了すると、制御装置31はラベル発行器37に指示してケ
ースラベルを発行する。

（７）作業者はベルトコンベア14の末端に搬送されたコ
ンテナ15に、ケースラベルを貼付する。

上述の（１）〜（７）のピッキング作業は従来の一例を
示したものであるが、本実施例における商品ごとの収納
位置の設定は、受注した合計数量の多い順序の他、商品
の容積や重量とその合計受注数量とに基づいて作業員の
作業量のバラツキを平均するように収納位置を設定した
り、また季節商品や特売商品のように受注数量の多い商
品は他の商品に優先して収納するスペースを拡大して設
定することにより受注に対応できるものである。

以上本発明を上記の実施例によって説明したが、本発明
の主旨の範囲内で種々の変形や応用が可能であり、これ
らを本発明の範囲から排除するものではない。

（発明の効果） 本発明によれば、商品を収納する流動棚の棚位置を商品
ごとに固定することなく、商品の受注数量や商品の容
積、重量などに基づいて棚位置の設定を行うので、扱い
商品の全種を収納すべき流動棚の必要がなくなり、ピッ
キングに必要な商品を収納する流動棚のみで十分なた
め、流動棚の配置するスペースを縮少できる効果があ
る。

また本発明によれば、季節商品や特売商品のように時期
に応じて受注数量が大小に変動する商品に対しては、合
計受注量に応じて流動棚の収納場所を大小に変化できる
ので、受注量の多いときは収納場所を拡大することによ
り、商品の補充作業が減じて作業員のオーバーワークが
免れる効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の示す概略構成図、第２図は
商品を収納する流動棚の斜視図である。 10……流動棚、11……棚、12……商品、14……ベルトコ
ンベア、15……コンテナ、31……制御装置。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】発注された各種の商品を保管用の流動棚か
   ら取出し、ベルトコンベアに載置されたコンテナに収容
   して発注された商品の詰合わせを行うピッキングシステ
   ムにおいて、複数の発注データに基づいて商品別に受注
   数量の合計を演算する演算手段を設けるとともに、該演
   算手段による合計受注数量に基づいて流動棚における当
   該商品の棚位置を選択して設定する設定手段を設けたこ
   とを特徴とするピッキングシステム。
2. 【請求項２】前記演算手段はプロセッサを備えたマイク
   ロコンピュータであることを特徴とする請求項（１）記
   載のピッキングシステム。
3. 【請求項３】前記設定手段は商品の合計受注数量と当該
   商品の容積とにもとづいて棚位置を設定するものである
   ことを特徴とする請求項（１）記載のピッキングシステ
   ム。