JPH0784143B2 - 湿式クラッチのプレートの製造方法 - Google Patents

湿式クラッチのプレートの製造方法

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JPH0784143B2
JPH0784143B2 JP62245328A JP24532887A JPH0784143B2 JP H0784143 B2 JPH0784143 B2 JP H0784143B2 JP 62245328 A JP62245328 A JP 62245328A JP 24532887 A JP24532887 A JP 24532887A JP H0784143 B2 JPH0784143 B2 JP H0784143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、センターディファレンシャル装置を有する4
輪駆動車用動力伝達装置に係り、詳しくはセンターディ
ファレンシャル装置の差動を規制する差動制御装置に用
いられる湿式クラッチのプレートの製造方法に関する。
(ロ) 従来の技術 従来、F・F用横置き自動変速機を基本として、その前
輪用アクスルに後輪用駆動軸を被嵌して構成したトラン
スファー部を付設し、4輪駆動車用とした動力伝達装置
が案出されている。
そして、該伝達装置のうちフルタイム方式としたものに
おいては、前記後輪用駆動軸上に摺動のみ自在にスリー
ブ状の切換え部材を配設し、該切換え部材を2つの半体
を結合してなるトランスファーに嵌装したデフロックシ
ャフトを摺動操作することにより切換え、後輪用駆動軸
をその出力軸に直結するように構成したものがある。ま
た、センターディファレンシャル装置によりフロントデ
ィファレンシャル装置とリヤディファレンシャル装置に
入力軸からのトルクを分配すると共に、湿式摩擦多板ク
ラッチを有する差動制御装置によりセンターディファレ
ンシャル装置を制御して、前輪、後輪の回転差を吸収す
るように構成したものがある。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 ところで、湿式摩擦多板クラッチのスリップは該クラッ
チを構成する多数のセパレータプレートと摩擦板の間で
起こされるが、タイトコーナーの走行中に起こるいわゆ
るタイトコーナーブレーキング現象時には前後輪間の回
転差も大きくなり、セパレータプレートと摩擦板が滑ら
かに摺接せずに不快なスティックスリップ振動を生じる
ことがある。
該スティックスリップ振動を、制御油圧を適正に制御す
ることにより解消することも考えられるが、該制御油圧
を適宜制御するには、各車輪の回転速度を常にモニター
する等の複雑で高価な電子制御装置を必要とする。
本出願人は、差動制御装置の油圧アクチュエータにライ
ン圧又は該ライン圧を所定割合で減圧した油圧を常時供
給し、多板クラッチを所定圧着力にて接続して、前後車
輪の回転差を該多板クラッチがスリップすることにより
吸収しつつ、センターディファレンシャル装置にて前後
車輪にトルク分配する4輪駆動車用動力伝達装置を提案
しているが、特に、該装置にあっては上述スティックス
リップ振動の解消が問題となっており、多板クラッチの
摩擦板の改良並びに潤滑装置及び潤滑油の改良等により
改善はされているが、小さなスティックスリップに対し
ては充分ではない。
そこで、本発明は、安価な構成により、スティックスリ
ップ振動をなくして、上述問題点を解消した、センター
ディファレンシャル装置の差動を制御する差動制御装置
に用いられる湿式クラッチのプレートの製造方法を提供
することを目的とするものである。
(ニ) 問題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例え
ば第1図(a),(b)及び第2図を参照すると、トラ
ンスミッションからのトルクを前輪側及び後輪側に分岐
して伝達する4輪駆動車用動力伝達装置のセンターディ
ファレンシャル装置(2)の差動を制御する差動制御装
置(11)に用いられ油圧アクチュエータ(27)により押
圧される湿式クラッチ(26)のプレート(60)の製造方
法において、 プレートを略円板状に打抜くプレス工程と、 該プレス工程で円周方向にうねりを生じたプレートの摺
接面を円周方向に沿って研磨し、円周方向の研磨目
(G)を有する研磨平面部(60d)と、非研磨凹部(60
e)とを円周方向に交互に形成する研磨工程と、 を備えてなることを特徴とする。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、車輌の走行時、前輪と後輪にはトラ
ンスミッションからのトルクがセンターディファレンシ
ャル装置(2)により分岐して伝達されている。そし
て、走行中、路面の状態やタイトコーナの旋回等により
生じる前後車輪の回転差は、例えば所定圧着力にて常時
接続されている湿式多板クラッチ(26)のセパレータプ
レート(60)と摩擦板(61)がスリップすることにより
吸収される。この際、該セパレータプレート(60)は、
摺接面(60b)が研磨材にて円周方向(A)に研磨され
てプレス加工時に生じるうねりの突出部分(60c)を除
去されていると共に、表面組織硬度が均一になっている
ため、摩擦板(61)とスティックスリップを起こすこと
なく滑らかに摺接し、更にうねり(60c)を除去した摺
接面(60b)には多数の研磨目(G)が形成されてオイ
ルの付着性が向上されているため、スティックスリップ
振動は一層効果的に防止される。
詳しくは、非研磨凹部(60e)を通って遠心力等により
比較的大量に流れるオイルが、セパレータプレート(6
0)の摩擦板(61)に対するスリップ等により、研磨平
面部(60d)の研磨目(G)に導かれ、該研磨平面部(6
0d)は摩擦板(61)との摺接面となると共に、該平面部
には研磨目(G)が無数に形成され、かつそれらがすべ
て円周方向に延びており、これにより該研磨平面部(60
d)にあっては、遠心力によりオイルが流出することを
妨げられて、常に充分なオイルが供給・付着されてい
る。
また、プレス加工時に生じるうねりが残された状態でそ
の突出部分(60c)を研磨材による研磨にて除去して、
研磨平面部(60d)と、非研磨凹部(60e)とを形成する
ものであって、オイルの供給・保持のための個別の加工
を必要としない。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのも
のであるが、本発明の構成を何ら限定するものではな
い。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。
第3図に示すように、フルタイム方式の横起き前エンジ
ン式4輪駆動車用動力伝達装置5は、図示しないエンジ
ンからトルクコンバータ及び自動変速機を介して動力伝
達される入力ギヤ1を有しており、該入力ギヤ1はギヤ
マウントケース6に固定されている。該マウントケース
6は、分割ケース片からなると共にボルト12により入力
ギヤ1と共締めされており、かつ支持ケース9にテーパ
ードローラベアリング7a,7bにより支持され、そしてそ
の内部に、フロントディファレンシャル装置3及び差動
制御装置10が収納されている。更に、フロントディファ
レンシャル装置3は、マウントケース6内に後に詳述す
る2個のニードルベアリング11a,11bにより回転自在に
支持されているフロントデフケース3cを有しており、該
デフケース3cはピニオン3pを支持するピニオン軸3dを縦
方向に延びて回転自在に支持してキャリヤを構成してお
り、また左右サイドギヤ3a,3bが左右方向に延びて回転
自在に支持されており、そして各サイドギヤ3a,3bには
それぞれ左右フロントアクスル8l,8rがそれぞれ動力伝
達可能に連結されている(第2図参照)。
また、前記入力ギヤマウントケース6の右側、即ち、エ
ンジンの後方に左右二分割可能なトランスファーケース
13が組付けられていて、このトランスファーケース13内
に入力ギヤマウントケース6、フロントディファレンシ
ャル装置3と同軸的にトランスファー部15が組付けられ
ている。該トランスファー部15はリングギヤマウントケ
ース16を有しており、該リングギヤマウントケース16は
左右二分割可能であって、ハイポイドギヤからなる後輪
駆動用のリングギヤ17を一体的に支承していると共に、
トランスファーケース13に一対のテーパードローラベア
リング19,19を介して回転可能に支持されている。そし
て、ギヤ17にはドライブピニオンシャフト20に形成され
たハイポイドギヤからなるギヤ21が常時噛合しており、
該ドライブピニオンシャフト20は図示されていない公知
のプロペラシャフト及びリヤディファレンシャル装置を
介して左右リヤアクスル軸に動力伝達可能に連結されて
いる。そして、リングギヤマウントケース16内にはセン
ターディファレンシャル装置2が配置されており、セン
ターディファレンシャル装置2は先端が開放状態になっ
ているデフキャリア2cを備えている。更に、該デフキャ
リア2cは入力ギヤマウントケース6から延びているスリ
ーブ部6bに連結されていると共に、連結ボス部2c′の反
対側が開口して開放端になっており、かつ該開放端部分
及び連結ボス部2c′にニードルベアリング23,23を介在
してリングギヤマウントケース16に回転自在に支持され
ている。また、該デフキャリア2cにはピニオン2pを支持
するピニオン軸2dが取付けられており、右方のサイドギ
ヤ2bがリングギヤマウントケース16に直接スプライン結
合しており、また左方のサイドギヤ2aが、デフキャリヤ
連結ボス部2c′内を嵌挿しかつ右フロントアクスル軸8r
に被嵌しているスリーブ部3c1′を介してフロントディ
ファレンシャル装置3のデフケース3cに連結している。
また、入力ギヤマウントケース6のスリーブ部6b先端部
分に形成されたスプラインにスプライン継手22が摺動の
み自在に嵌合しており、該スプライン継手22は図示しな
い操作レバーにより軸方向に操作され、リングギヤマウ
ントケース16のスリーブ部に形成されたスプラインに係
合するロック位置(第3図上半図参照)と非係合となる
解放位置(第3図下半図参照)とに切換えられ、メカデ
フロック機構を構成している。該メカデフロック機構
は、通常時解放位置にあるが、サービス工場等において
タイヤをローラ上に載置して各種検査を行う際にロック
位置に切換えられる。
そして、差動制御装置10は、第2図に詳示するように、
フロントディファレンシャル装置3を覆うようにかつ該
装置3と同軸的に設けられた入力ギヤマウントケース6
内に配置されており、センタデフロッククラッチとなる
湿式摩擦多板クラッチ26及び油圧アクチュエータ27から
なる。
また、湿式摩擦多板クラッチ26は、第2図に示すよう
に、マウントケース6に連結した多数のセパレータプレ
ート60…と、デフケース3cに連結した多数の摩擦板61…
からなり、かつセパレータプレート60…のそれぞれに圧
接・係合可能なように摩擦板61…が組合わされて配置さ
れており、更に湿式摩擦多板クラッチ26は油圧アクチュ
エータ27により押圧制御されるように構成されている。
そして、前記セパレータプレート60…は、第1図(a)
に示すように、マウントケース6に形成したスプライン
と係合するための多数の突起部60a…が形成されている
が、セパレータプレート60は、第1図(b)に示すよう
に、プレス加工時に突起部60a…と共に打ち抜く際に摺
接面60bにうねりが発生する。該うねりが所定量残され
た状態でその突出部60cを取り除くべく、セパレータプ
レート60の両面は第1図(a)矢印Aにて示すように、
セパレータプレート60の円周方向に向けて研削機により
研磨され、第1図(b)に示すうねり突出部60c…を除
去し、かつ該研磨した研磨平面部60dには該研磨による
研磨目Gをセパレータプレート60の円周方向に沿わせて
形成すると共に、前記残されたうねりの凹部に基づき、
非研磨凹部60eが形成され、かつこれら研磨平面部60dと
非研磨凹部60eが円周方向に交互に形成される。これに
より、摩擦板61との間にオイルが供給されかつ溜り易い
状態になって、スティックスリップが一層起こりにくい
ようにすると共に摩擦板61の摩耗も減少する。
また、油圧アクチュエータ27はマウントケース6に形成
されたシリンダ内に油密状に収納されている第1ピスト
ン28及び第2ピストン29、そして両ピストン間に位置し
て油密状に配置されている反力板30を有しており、これ
らピストンは、第1ピストン28が第2ピストン29の外周
鍔部に当接し、かつ反力板30がシリンダ端面に当接し
て、ダブルピストンを構成している。また、第1図に示
すように、トランスファーケース13には差動制御装置10
用のバルブユニット31が設置されており、該ユニット31
からの制御油圧がパイプ32、油路33,35を介して油圧ア
クチュエータ27の第1油室27a及び第2油室27bに作用し
ている。
一方、ギヤマウントケース6はフランジ部6a,ドラム部6
c及びスリーブ6bからなり、フランジ部6aは段付状にな
っており、入力ギヤ1を固定していると共にそのボス部
にて左フロントアクスル軸8lに摺接している。また、ド
ラム部6cはその内面に多板クラッチ26のセパレータプレ
ート用スプラインが形成されており、かつその一端フラ
ンジが前記フランジ部6aにボルト締めされ、また他端が
スリーブ部6bの鍔部に溶着されている。更に、スリーブ
部6bはその鍔部に前記油圧アクチュエータ27を構成する
ピストン28,29及び圧力板30が嵌合されており、かつ該
端がデフケース3cのスリーブ部3c1′を被嵌して延びて
いる。また、フロントディファレンシャル装置3のデフ
ケース3cは2つ割片3c1,3c2からなると共に、ボルト34
にて固定されてなり、更に一方のケース片3c1はその外
周に前記摩擦多板クラッチ26の摩擦板用スプラインが形
成されていると共に、右アクスル軸8rを被嵌するように
してセンターディファレンシャル装置2まで延びる長い
スリーブ部3c1′を有している。そして、該デフケース
スリーブ部3c1′とマウントケーススリーブ6bとの間に
ニードルベアリング11aが介在しており、またデフケー
ス3cの他方のケース3c2肩部とマウントケースフランジ
部6aの片部との間にニードルベアリング11bが介在して
おり、従ってテーパードローラベアリング7a,7bにてラ
ジアル方向及びスラスト方向を支持されているマウント
ケース6内に、両ニードルベアリング11a,11bにてラジ
アル方向を支持されてデフケース3cが回転自在に配置さ
れている。
一方、ケース9に潤滑油供給孔39が形成されており、該
供給孔39から供給される潤滑油はマウントケーススリー
ブ部6bの外側を通ってテーパードローラベアリング7bを
潤滑すると共に、スリーブ部6bに形成された孔40を通っ
てニードルベアリング11a,23,23等を潤滑し、そしてケ
ース13に形成された排出孔41から排出されると共に、ニ
ードルベアリング11aを通ってフロントディファレンシ
ャル装置3方向に導かれた潤滑油は隙間aを通ってマウ
ントケース6内に溜り、湿式摩擦多板クラッチ26のセパ
レータプレート60…及び摩擦板61…を油浴潤滑し、そし
てマウントケース6に形成された排出孔42から排出され
る。この際、ニードルベアリング11aはそのニードル数
等により、潤滑油流量を適宜規制してオリフィスを構成
しており、クラッチ26方向に導入する潤滑油量は所定量
に制御される。更に、スリーブ部3c1′に形成された孔4
3からアクスル軸8rとスリーブ部3c1′との間に導かれた
潤滑油はフロントデフケース3c内に供給され、該ケース
内にオイル溜りを形成し、フロントデフケース3cとマウ
ントケース6aとの間のワッシャ50を潤滑した後、一部は
孔49から排出され、また他の部分はニードルベアリング
11bを潤滑した後、排出孔42から排出される。
ついで、上述構造に基づく作用について説明する。
エンジンの回転は、自動変速機にて適宜変速され、入力
ギヤ1を介して入力ギヤマウントケース6に伝達され
る。そして、通常の走行時即ち運転者がシフトレバーを
Dレンジに入れオートモードを選択した状態にあって
は、バルブユニット31のソレノイドバルブがオン状態に
あり、ライン圧に比例して減圧されたクラッチ圧は、パ
イプ32及び油路33,35を介して油圧アクチュエータ27の
両油室27a,27bに供給され、湿式摩擦多板クラッチ26が
所定圧着力にて接続状態にある。従って、センターディ
ファレンシャル装置2はそのデフキャリア2cと右サイド
ギヤ2aとが所定結合力で結合され、その差動が所定規制
力により制限されたことになる。これにより、路面とタ
イヤとの摩擦力が上述規制力より小さい場合、例えば雪
道、ダート道路等のような摩擦係数の小さい路面の場
合、湿式多板クラッチ26の圧着力に基づきセンターディ
ファレンシャル装置18は略々直結状態にあり、入力ギヤ
マウントケース6の回転は、多板クラッチ26及び一体に
回転するセンターディファレンシャル装置2を介してフ
ロントディファレンシャル装置3のデフケース3cに伝達
され、更にピニオン3pを介して左右サイドギヤ3a,3bに
トルク分配されて左右前輪を駆動すると共に、センター
ディファレンシャル装置2に固定されているリングギヤ
17及びギヤ21を介してドライブピニオンシャフト20に伝
達され、更にリヤディファレンシャル装置によりトルク
分配がなされて左右後輪を駆動する。また、路面とタイ
ヤの摩擦力が上述クラッチ26による規制力と略々平衡し
ている場合、例えば舗装道路を比較的高速で走行してい
る場合、路面の摩擦係数の関係において、タイヤスリッ
プが生じないように湿式多板クラッチ26は滑りなから圧
着する。即ち、センターディファレンシャル装置2は前
後車輪へのトルク分配が50:50に近づくように付勢した
状態で、前後車輪の回転差を吸収しながら前後車輪へト
ルク分配をする。
また、車庫入れ等で、低速で操舵角を大きく切る場合、
前輪及び後輪に回転差が生じるが、この場合スロットル
開度が小さく、従って該スロットル開度に比例したクラ
ッツ圧も低いため、油圧アクチュエータ27による押圧力
も弱く、差動制御装置10の多板クラッチ26の係合力も弱
い。このため、前輪及び後輪の回転差に基づくセンター
ディファレンシャル装置2の左右サイドギヤ2a,2bの相
対回転を許容すべく、多板クラッチ26は滑って、タイト
コーナーブレーキング現象の発生を防止しながら、前後
輪にトルクを伝達する。
この際、湿式多板クラッチ26のセパレータプレート60…
は、多数の突起部60a…と共にプレス加工にて打ち抜く
際に生じる摺接面60bのうねりを、その突出部60cが研磨
材による研磨にて除去されているため、セパレータプレ
ート60は摩擦板61…の摺接面と滑らかに摺接し、更に摺
接面60bの円周方向Aに沿って形成された研磨目Gには
オイルが付着・保持されるため、セパレータプレート60
と摩擦板61は一層滑らかに摺接され、従って湿式摩擦多
板クラッチ26が不快なスティックスリップ振動を起こす
ことはない。
詳しくは、非研磨凹部60eを通って遠心力等により比較
的大量に流れるオイルが、セパレータプレート60の摩擦
板61に対するスリップ等により、研磨平面部60dの研磨
目Gに導かれ、該研磨平面部60dは摩擦板61との摺接面
となると共に、該平面部には研磨目Gが無数に形成さ
れ、かつそれらがすべて円周方向に延びており、これに
より該研磨平面部60dにあっては、遠心力によりオイル
が流出することを妨げられて、常に充分なオイルが供給
・付着されている。
そして、山道等の急なカーブが連続して続く道を比較的
高速で走行する場合、運転者は好みによりオートモード
をオフすることができる。この状態では、差動制御装置
10の油圧アクチュエータ27への油圧の供給は遮断され、
摩擦クラッチ26は解放される。すると、マウントケース
6の回転はスリーブ部6bを介してセンターディファレン
シャル装置2のデフキャリア2cに伝達され、更にデフピ
ニオンから左右のサイドギヤ2a,2bに分岐・伝達され
る。そして、左サイドギヤ2aの回転はスリーブ部3c1
を介してフロントディファレンシャル装置3のデフケー
ス3cに伝達され、更にデフピニオン3pから左右のサイド
ギヤ3a,3bに分岐・伝達されてそれぞれ左右フロントア
クスル軸8l,8rに伝達される。一方、右サイドギヤ2bの
回転は該ギヤとスプライン結合しているギヤマウントケ
ース16に伝達され、更に後輪駆動用リングギヤ17及びギ
ヤ21を介してドライブピニオンシャフト20に伝達され、
そして図示しないプロペラシャフト及びリヤディファレ
ンシャル装置を介して左右後輪に伝達される。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、プレス加工時に
生じるうねりはバラツキが比較的大きく、そのうねりを
所定量残した状態で突出部分が除去されて形成された研
磨平面部を有しているので、セパレータプレート等のプ
レートはバラツキが低減された研磨平面部により摺動す
ることになり、スティックスリップすることなく滑らか
に摺動することができる。
更に、残されたうねりの凹部に基づく非研磨凹部から研
磨平面部にオイルが供給されると共に、研磨平面部には
遠心力に対してオイルの流出を妨げるような円周方向の
研磨目が該平面部に余す余地なく無数に形成されている
ので、オイルの付着性が向上して、より一層効果的にス
ティックスリップを防止し得ることができる。
また、摺動する研磨平面部へオイルを供給する非研磨凹
部は、研磨平面部を形成する際にうねりを所定量残した
状態で研磨するだけで構成することができるので、オイ
ルの供給のために特別に加工する必要がなく、生産コス
トを低減することができる。
従って、これらが相俟って、極めて簡単で安価な構成で
もって、例えばタイトコーナブレーキング現象時に起き
易い不快なスティックスリップ振動の発生を大幅に減少
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、セパレータプレートを示す拡大図であり、
(a)はその側面図、(b)はその平面図、第2図は本
発明に係る湿式多板クラッチを示す拡大断面図、第3図
は本発明に係る4輪駆動車用動力伝達装置を示す断面図
である。 2……センターディファレンシャル装置、5……4輪駆
動車用動力伝達装置、10……差動制御装置、26……湿式
多板クラッチ、27……油圧アクチュエータ、60……セパ
レータプレート、60a……突起部、60b……摺接面、60c
……うねりの突出部(分)、60d……研磨平面部、60e…
…非研磨凹部、61……摩擦板、A……円周方向、G……
研磨目。
フロントページの続き (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 峯元 勇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 明石 光生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 雅晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−74713(JP,A) 特開 昭60−164047(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源からの駆動トルクを前輪側及び後輪
    側に分岐して伝達する4輪駆動車用動力伝達装置のセン
    ターディファレンシャル装置の差動を制御する差動制御
    装置に用いられ油圧アクチュエータにより押圧される湿
    式クラッチのプレートの製造方法において、 プレートを略円板状に打抜くプレス工程と、 該プレス工程で円周方向にうねりを生じたプレートの摺
    接面を円周方向に沿って研磨し、円周方向の研磨目を有
    する研磨平面部と、非研磨凹部とを円周方向に交互に形
    成する研磨工程と、 を備えてなることを特徴とする湿式クラッチのプレート
    の製造方法。
JP62245328A 1987-09-29 1987-09-29 湿式クラッチのプレートの製造方法 Expired - Lifetime JPH0784143B2 (ja)

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JPS60164047A (ja) * 1984-02-02 1985-08-27 Tochigi Fuji Ind Co Ltd 滑り制限差動装置
JPS6274713A (ja) * 1985-09-30 1987-04-06 Aisin Warner Ltd 4輪駆動車の制御機構

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