JP2652673B2 - 4輪駆動車の動力分配装置 - Google Patents

4輪駆動車の動力分配装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、前後輪へ動力分配する湿式油圧多板クラッ
チを備えた4輪駆動車の動力分配装置に関する。
【従来の技術】
このような4輪駆動車の動力分配装置として、特開昭
61−155027号公報に記載のものが従来知られている。こ
れは、変速機出力軸から前後輪へ分岐して動力伝達する
トランスファ装置のケース内に前輪駆動用と後輪駆動用
との2つ湿式油圧多板クラッチを配置したものであり、
その油圧制御に応じて連続的に任意の比率で前後輪へ動
力分配できるようになっている。ここでこれらの湿式油
圧多板クラッチは、その作動油と潤滑油がトランスファ
装置内の歯車や軸受類の潤滑油と共用されると共に、ク
ラッチプレート押圧用の油圧ピストンがクラッチドラム
と一緒に回転する構成となっている。
【発明が解決しようとする課題】
このように油圧ピストンがクラッチドラムと一緒に回
転する構成のため、油圧ピストン駆動用の油圧室にはク
ラッチドラムの回転に伴って遠心油圧が発生し、これが
制御油圧に加算されて油圧ピストンに作用するようにな
る。従って湿式油圧多板クラッチは、伝達トルクが制御
油圧に応じた設定値よりも過大となって所望の油圧制御
ができなくなると共に、車両が中速から高速域に達して
遠心油圧が大きいときには、直進走行時の車両の軸重配
分の差や加速走行時における重心移動によって前後輪の
タイヤ有効径に差が生じることによって発生する内部循
環トルクを湿式油圧多板クラッチがトルクリミッタとし
て充分に吸収できず、加速性能の低下,燃費の悪化,振
動騒音の発生などを伴う不都合がある。 また湿式油圧多板クラッチはその作動油に歯車類専用
の潤滑油が共用されるため、4輪駆動走行状態で大きく
転舵してスベリ作用が発生する際に、適切な摩擦特性が
得られないためスティックスリップを起こして振動騒音
を発生する問題がある。 さらに、トランスファ装置が2つの湿式油圧多板クラ
ッチを収容して長大化するので、その剛性低下を招いて
駆動系の振動や騒音を増大し、あるいは車室内スペース
を減少する不都合がある。 そこで本発明は、トランスファ側の装置構成がコンパ
クトでありながら前後輪へのトルク分配を任意の比率に
設定可能とし、かつ上記不都合を解消すべく湿式油圧多
板クラッチの油圧室における遠心油圧の発生およびスベ
リ作用する際のスティックスリップの発生を未然に防止
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明は、2つの湿式油圧多板クラッ
チへの作動油の圧力に応じて前後輪を動力分配可能に伝
動構成する4輪駆動車において、上記一方の湿式油圧多
板クラッチはトランスファ付横置きトランスアクスル内
のファイナルギヤとディファレンシャルケースとの間に
介設し、上記他方の湿式油圧多板クラッチはトランスフ
ァ以後の独立差動装置内に区画配置して伝動軸の途中に
介設し、これらの湿式油圧多板クラッチにおける油圧ピ
ストンは、不動部材である上記トランスアクスルまたは
独立差動装置のケース部材をそれぞれシリンダとしてこ
れらに廻り止めして摺動自在に嵌合させ、かつその作動
用油圧室と反対側の作用端部を上記湿式油圧多板クラッ
チのクラッチドラムの端部に内嵌したリテーナプレート
にベアリングを介して圧接して上記クラッチドラム内の
クラッチプレートを押圧するよう構成したものである。
【作用】 このような手段では、ファイナルギヤおよび伝動軸の
回転によりクラッチドラム内のクラッチプレートが回転
しても、各々の湿式油圧多板クラッチにおける油圧ピス
トンは回転せず、これらとトランスアクスルのケース部
材との間に形成される各油圧室には遠心油圧が発生しな
い。そして各湿式油圧多板クラッチの油圧制御により前
後輪へ任意の比率で動力分配される。ここで各湿式油圧
多板クラッチは、所定の組成を有する適切な作動油を使
用することで所望の摩擦特性が得られ、前後輪間の内部
循環トルクの発生の際もしくは、4輪駆動状態で大きく
転舵する場合には、クラッチプレートはスティックスリ
ップを伴なわずに滑らかにスベリ作用する。
【実 施 例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して具体的に説
明する。 第2図は一実施例が適用されるトランスファ付横置き
トランスアクスルを備えた4輪駆動車の動力伝達系を示
し、車体前部にエンジン1,クラッチ2,手動変速機3が左
右方向に横置き配置され、これらの後方に前輪用差動装
置4,トランスファ装置5,プロペラシャフト6,後輪用差動
装置8が配置される。そしてエンジン1からクラッチ2
を介して手動変速機3に入力される動力は、そこで適宜
変速されて出力ギヤ9からファイナルギヤ10,第1の湿
式油圧多板クラッチ7を介して前輪用差動装置4に入力
し、そこから左右の前輪に動力伝達される。また前記フ
ァイナルギヤ10にはトランスファ装置5のトランスファ
ギヤ11が噛合い、このトランスファギヤ11からトランス
ファ軸21,一対の変向用ベベルギヤ12を介して後方に取
出されるトランスファ装置5からの動力は、プロペラシ
ャフト6,第2の湿式油圧多板クラッチ28,ファイナルギ
ヤ13を介して後輪用差動装置8に入力し、そこから左右
の後輪に動力伝達されるようになっている。 ここで前記第1,第2の2つの湿式油圧多板クラッチ7,
28は、それぞれ第3図に示すように電動モータもしくは
エンジンにて直接駆動されるオイルポンプ14a,14b,レギ
ュレータバルブ15a,15b,トランスファクラッチバルブ16
a,16b,デューティソレノイドバルブ17a,17b,パイロット
バルブ18a,18bを有する専用の油圧制御系により走行状
態に応じて適切な制御油圧が供給されるようになってい
る。これらの油圧制御系は略同構成であるのでその一方
について説明すると、オイルポンプ14aからレギュレー
タバルブ15aにより所定の油圧に圧力調整されて湿式油
圧多板クラッチ7に至る油圧回路系にデューティ圧制御
されるトランスファクラッチバルブ16aが介在されると
共に、パイロットバルブ18aを有するパイロット圧回路
系に排出制御用のデューティソレノイドバルブ17aが挿
入されたものである。そして両油圧制御系におけるデュ
ーティソレノイドバルブ17a,17bが制御ユニット19から
のデューティ信号によりそれぞれ所望のデューティ圧に
調整することで、トランスファクラッチバルブ16a,16b
がそれぞれ別個に所望のクラッチ圧に調整されるように
なっている。なおデューティ比とデューティ圧およびク
ラッチ圧との関係は第4図のとおりである。 このような油圧制御系を備える第1の湿式油圧多板ク
ラッチ7は、第1図(a)に示すようにトランスファ付
横置きトランスアクスル内のファイナルギヤ10と前輪用
差動装置4のディファレンシャルケース22との間に介設
される。すなわち第1の湿式油圧多板クラッチ7は、デ
ィファレンシャルケース22をクラッチハブ7bに兼用し、
これを覆うクラッチドラム7aの一端部をファイナルギヤ
10に嵌合固定してなり、クラッチドラム7aの他端部は窓
付きの支持板23を介してケース部材24に回転自在に支持
されている。そしてクラッチドラム7aの内周には複数枚
のリング状クラッチプレート7cが両端部のリテーナプレ
ート7dと共にスプライン嵌合し、一方、クラッチハブ7b
の外周には複数枚のリング状クラッチディスク7eが上記
各クラッチプレート7cと交互に配置されてスプライン嵌
合し、これらのクラッチプレート7c,リテーナプレート7
d,クラッチディスク7eで多板クラッチが構成されてい
る。 ここで前記リテーナプレート7dに押圧力を付与するピ
ストン7fはリング状をなし、不動部材であるケース部材
24に対して摺動自在に嵌合し、かつノックピン25を介し
て廻り止めされており、このケース部材24との間に前記
トランスファクラッチバルブ16aに連通する油圧室7gを
形成する。そしてこの油圧室7gと反対側の作用端部をア
ンギュラコンタクトのレリーズベアリング27を介して前
記リテーナプレート7dに当接する。 前記レリーズベアリング27は、アウタレース27aがピ
ストン7fのシリンダ状ハウジング部7hに適切に嵌め合い
ながら当接し、インナレース27bは、第1図(c)に示
すように前記支持板23の窓23aを貫通して前記クラッチ
ドラム7aの内周にスプライン嵌合するリテーナ部27cを
介してリテーナプレート7dに当接している。 一方、第2の湿式油圧多板クラッチ28は、第1図
(b)に示すようにその油圧制御系と共に前記後輪用差
動装置8のケース部材であるディファレンシャルキャリ
ア部分にコンパクトにまとめられる。すなわちディファ
レンシャルキャリア29には、後輪用差動装置8のドライ
ブピニオン30とプロペラシャフト6側の入力軸31との遊
嵌部を覆うように前方へ突出して入力軸31周囲のエクス
テンションケース32に接続するシリンダ部33が不動部材
として一体形成され、第1図(d)に示すようにこのシ
リンダ部33の下面に前記各バルブ15b,16b,17b,18bを一
体構成したバルブユニット26が、また側面には電動式の
オイルポンプ14bがそれぞれ固定されると共に、シリン
ダ部33内に第2の湿式油圧多板クラッチ28が配置される
のである。 ここで第2の湿式油圧多板クラッチ28は、クラッチド
ラム28aが前記入力軸31後端のフランジ部31aに溶接固定
されると共に、クラッチハブ28bが前記ドライブピニオ
ン30の軸部30aにスプライン嵌合されて入力軸31の端部
にスラストワッシャ34を介して係止されている。そして
クラッチドラム28aの内周には複数枚のリング状クラッ
チプレート28cが両端部のリテーナプレート28dと共にス
プライン嵌合し、一方、クラッチハブ28bの外周には複
数枚のリング状クラッチディスク28eが上記各クラッチ
プレート28cと交互に配置されてスプライン嵌合し、こ
れらのクラッチプレート28c,リテーナプレート28d,クラ
ッチディスク28eで多板クラッチが構成されている。そ
して前記リテーナプレート28dに押圧力を付与するリン
グ状のピストン28fは、不動部材である前記シリンダ部3
3内に摺動自在に嵌合してその区画壁33aおよび内側ガイ
ド筒33bとの間に前記トランスファクラッチバルブ16bに
連通する油圧室28gを形成すると共に、この油圧室28gと
反対側の作用端部をアンギュラコンタクトのレリーズベ
アリング35を介して前記リテーナプレート28dに当接す
る。 前記レリーズベアリング35は、ピストン28fに当接す
るアウタレース35aが爪35bを介して前記内側ガイド筒33
bに回転方向に係合し、インナレース35cが前記クラッチ
ドラム28aの内周にスプライン嵌合したもので、アウタ
レース35aが回転規制されることでピストン28fはシリン
ダ部33に対し廻り止めされている。 一方、入力軸31およびドライブピニオン30の軸部30a
には、クラッチドラム28aの外周側とクラッチハブ28bの
内周側とを連通するように油路31b,30bが形成されてい
る。そしてシリンダ部33内の作動油をクラッチドラム28
aの外周でかきあげて図示しないオイルガイドにより油
路30bに給油し、この作動油を油路30bを介してクラッチ
ハブ28bの内周側に導くことで、スプライン部に半径方
向に設けた図示しない油路を通じて、クラッチプレート
28c,クラッチディスク28e等の多板クラッチを潤滑する
ようになっている。なお、この作動油の漏洩を防止すべ
く、シリンダ部33の区画壁33a内周部とエクステンショ
ンケース32前部内周部にはそれぞれオイルシール36,37
が装着されている。また、差動装置内のハイポイドギヤ
用潤滑油と前記作動油は、特性が異なるため区画壁33a
内周部のオイルシール36でお互いに液密を保つように構
成される。 以上の構成を有する4輪駆動車は、エンジン1からク
ラッチ2を介して手動変速機3に伝達された動力をそこ
で適宜変速し、ファイナルギヤ10からこれを一方は第1
の湿式油圧多板クラッチ7を介して前輪用差動装置4に
入力し、他方は第2の湿式油圧多板クラッチ28を介して
後輪用差動装置8に入力することで4輪駆動する。この
場合、各湿式油圧多板クラッチ7,28の伝達トルクに応じ
て前輪側および後輪側へ動力分配される。そしてこの分
配比は、制御ユニット19からのデューティ比信号に応じ
たクラッチ圧の変化により前輪100%,後輪0%のFF状
態から漸次後輪側の分配を増して前後輪とも直結式の4W
D状態を経て、さらに前輪0%,後輪100%のFR状態とな
るまでの範囲で変化する。そこで制御ユニット19にスロ
ットル開度信号,後輪回転信号,前輪回転信号,アイド
ル信号等の各種の信号を入力して電子制御することで、
自動車の走行状態や路面条件に応じた最適な前後動力分
配が可能となり、走行安定性や運転性を向上することが
できる。 ここで4輪駆動走行中に、車両の前輪と後輪の軸重配
分の差や急加速,登坂時における重心移動によって前後
輪のタイヤ有効径に差が生じた場合には、前後輪間に相
対回転が生じる。このような場合、第1もしくは第2の
湿式油圧多板クラッチ7,28は所望のクラッチ圧に制御さ
れることによりトルクリミッタとして働き、クラッチド
ラム7aもしくは28a側のクラッチプレート7cもしくは28c
とクラッチブ7bもしくは28b側のクラッチディスク7eも
しくは28eとの間にスベリを生じて前後輪の回転差に伴
う内部循環トルクを吸収する。従って4輪駆動走行中の
加速性能や燃費を向上させることができる。また、4輪
駆動車走行中に大きく転舵すると、前後輪の旋回半径の
差より前後輪間に内部循環トルクが発生し、特に低速最
大転舵時が最も大きく、必要以上の駆動力が必要とな
り、車庫入れなどの時、エンストが発生するなどの不都
合が生じる。このような場合、第1もしくは第2の湿式
油圧多板クラッチ7,28は、前述の前後回転数を検出し、
回転比あるいは回転差に応じて所望のクラッチ圧になる
ように減圧制御されて、第1もしくは第2の湿式油圧多
板クラッチ7,28内にスベリを生じてこの問題に対処す
る。従って、旋回時におけるタイトコーナブレーキング
現象が回避できる。また第1もしくは第2の湿式油圧多
板クラッチ7,28がこのようなスベリ作用をする際、クラ
ッチプレート7cもしくは28c,クラッチディスク7cもしく
は28eなどのクラッチプレートが所定の組成による適切
な作動油中に浸漬されていることから所望の摩擦特性が
得られ、スティックスリップは発生しない。従って特に
低速最大転舵時などに不快な振動や騒音が生じることが
なく、また摩擦材についても所望の信頼性および耐久性
が得られる。 ここで各湿式油圧多板クラッチ7,28自体の挙動につい
てみると、ファイナルギヤ10,入力軸31の回転に伴いク
ラッチドラム7a,28aと共にクラッチプレート7c,28c,レ
リーズベアリング27,35のインナレース27bなどが回転し
てもピストン7f,28fは不動部材であるケース部材24,シ
リンダ部33に廻り止めされて回転しない。そのためピス
トン7f,28fとケース部材24,シリンダ部33との間に形成
される油圧室7g,28g内には遠心油圧が発生することがな
く、クラッチプレート7c,28cなどに制御油圧による押圧
力以外に不要な押圧力が加わらない。従って油圧室7g,2
8gの油圧制御は正確なものとなり、微妙な油圧制御も可
能となる。 また各湿式油圧多板クラッチ7,28は、油圧室7g,28gが
ケース部材24,シリンダ部33に形成されるため、回転部
材に油圧室を設けて、静止部材と回転部材間にシールリ
ングを用いる油圧回路を形成する方式に対して、シール
リング等が不要となるのでリークによる圧力ドロップの
危険が少ないことから湿式油圧多板クラッチ7,28の作動
油圧の増圧,減圧の応答性が良い。そして作動油圧の応
答性が良いことから、前輪または後輪がスリップしたと
きなど瞬時に動力分配比を変化させ、車両の挙動を制御
することが可能である。 またこのような湿式油圧多板クラッチ7,28は、その一
方がトランスファ付横置きトランスアクスル内の差動装
置外周に配置され、また他方が独立差動装置内に配置さ
れるので、トランスアクスルが長大化せず、またトラン
スファ装置の構成がコンパクトとなる。従ってトランス
アクスルは剛性が保持され、振動や騒音を増大すること
がない。また、車室内スペースを減少することもない。 なお、以上の実施例はフロントエンジンの4輪駆動車
をベースとしたが、リヤエンジンの4輪駆動車をベース
に構成してもよい。 またマニュアルトランスミッション車に限らずオート
マチックトランスミッション車,無段変速機付車両にも
適用可能である。
【発明の効果】
以上説明したとおり本発明によれば、ファイナルギヤ
および伝動軸の回転によりクラッチドラムが回転して
も、各々の湿式油圧多板クラッチにおける油圧ピストン
は回転せず、これらとトランスアクスルまたは独立差動
装置のケース部材との間に形成される各油圧室には遠心
油圧が発生しない。従って各湿式油圧多板クラッチは制
御油圧に応じた適切な伝達トルクにより前後輪へ任意の
比率で動力分配するようになる。また前輪と後輪間の回
転差に伴なう内部循環トルクの発生の際には一方もしく
は2つの湿式油圧多板クラッチが所定の組成による適切
な作動油を使用することで、湿式油圧多板クラッチに所
望の摩擦特性を発揮させてスティックスリップを伴なわ
ずに滑らかにスベリ作用することでこれを充分に吸収す
るから、旋回時のタイトコーナブレーキング現象を回避
し、また直進走行時の加速性能および燃費を向上させる
と共に、振動騒音の発生も防止できる。 トランスファ付の横置きトランスアクスル内には一方
の湿式油圧多板クラッチのみ配置されるから、トランス
アクスルが長大化せずトランスファ装置の構成がコンパ
クトとなる。従ってトランスアクスルは剛性を維持して
駆動系の振動や騒音の増大を回避すると共に、車室内ス
ペースの減少も解消することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),第1図(b)は本発明の一実施例を示す
要部断面図、第1図(c)は第1図(a)のC−C線断
面図、第1図(d)は第1図(b)のD−D線断面図、
第2図は一実施例が適用される4輪駆動車の伝動系のス
ケルトン図、第3図は一実施例に使用する油圧回路図、
第4図はデューティ圧およびクラッチ圧の特性図であ
る。 1……エンジン、2……クラッチ、3……手動変速機、
4……前輪用差動装置、5……トランスファ装置、6…
…プロペラシャフト、7……第1の湿式油圧多板クラッ
チ、7a……クラッチドラム、7b……クラッチハブ、7c…
…クラッチプレート、7d……リテーナプレート、7e……
クラッチディスク、7f……ピストン、7g……油圧室、7h
……シリンダ状ハウジング部、8……後輪用差動装置、
9……出力ギヤ、10……ファイナルギヤ、11……トラン
スファギヤ、12……ベベルギヤ、13……ファイナルギ
ヤ、14a,14b……オイルポンプ、15a,15b……レギュレー
タバルブ、16a,16b……トランスファクラッチバルブ、1
7a,17b……デューティソレノイドバルブ、18a,18b……
パイロットバルブ、19……制御ユニット、21……トラン
スファ軸、22……ディファレンシャルケース、23……支
持板、23a……窓、24……ケース部材、25……ノックピ
ン、26……バルブユニット、27……レリーズベアリン
グ、27a……アウタレース、27b……インナレース、27c
……リテーナ部、28……第2の湿式油圧多板クラッチ、
28a……クラッチドラム、28b……クラッチハブ、28c…
…クラッチプレート、28d……リテーナプレート、28e…
…クラッチディスク、28f……ピストン、28g……油圧
室、29……ディファレンシャルキャリア、30……ドライ
ブピニオン、30a……軸部、30b……油路、31……入力
軸、31a……フランジ部、31b……油路、32……エクステ
ンションケース、33……シリンダ部、33a……区画壁、3
3b……内側ガイド筒、34……スラストワッシャ、35……
レリーズベアリング、35a……アウタレース、35b……
爪、35c……インナレース、36,37……オイルシール。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの湿式油圧多板クラッチへの作動油の
    圧力に応じて前後輪を動力分配可能に伝動構成する4輪
    駆動車において、 上記一方の湿式油圧多板クラッチはトランスファ付横置
    きトランスアクスル内のファイナルギヤとディファレン
    シャルケースとの間に介設し、上記他方の湿式油圧多板
    クラッチはトランスファ以後の独立差動装置内に区画配
    置して伝動軸の途中に介設し、 これらの湿式油圧多板クラッチにおける油圧ピストン
    は、不動部材である上記トランスアクスルまたは独立差
    動装置のケース部材をそれぞれシリンダとしてこれらに
    廻り止めして摺動自在に嵌合させ、かつその作動用油圧
    室と反対側の作用端部を上記湿式油圧多板クラッチのク
    ラッチドラムの端部に内嵌したリテーナプレートにベア
    リングを介して圧接して上記クラッチドラム内のクラッ
    チプレートを押圧するよう構成してなる4輪駆動車の動
    力分配装置。
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