JP2577755B2 - 4輪駆動車用動力伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車用動力伝達装置

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JP2577755B2
JP2577755B2 JP62245314A JP24531487A JP2577755B2 JP 2577755 B2 JP2577755 B2 JP 2577755B2 JP 62245314 A JP62245314 A JP 62245314A JP 24531487 A JP24531487 A JP 24531487A JP 2577755 B2 JP2577755 B2 JP 2577755B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、トランスファー部を備える4輪駆動車用動
力伝達装置、特にセンターディファレンシャル装置をト
ランスファー部に備えたフルタイム方式の4輪駆動車用
動力伝達装置に係り、詳しくはトランスファー部の潤滑
装置に関する。
(ロ) 従来の技術 近時、横置き前エンジン・前輪駆動車の動力伝達装置
に、トランスファー部を付加した4輪駆動車用動力伝達
装置が、種々提案されており、このものにあっては、ト
ランスファー部を強制潤滑した潤滑油は排出孔からトラ
ンスアクスルケース内へ戻していた。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 ところで、上述したトランスファー部を備える4輪駆
動車用動力伝達装置は、トランスファー部、特にセンタ
ーディファレンシャル装置を有するトランスファー部で
はトランスアクスル部からの潤滑油を各潤滑部分に安定
して供給しつつケース内に所定量の潤滑油を溜めて、潤
滑油が各潤滑部分を循環すると共に油浴潤滑させること
が望ましいが、トランスアクスル部から離れている関係
上、潤滑油の供給と排出のバランスが難かしく、トラン
スファー部の潤滑油の溜り量が不足したり、また循環が
充分でなく、潤滑不良を生ずる虞れがある。
そこで、本発明は、トランスファーケース内に所定量
の潤滑油を溜めてトランスファー部を油浴潤滑すると共
に、トランスファー部の潤滑油を循環させることによ
り、トランスアクスル部から離れた位置にあるトランス
ファー部を安定して潤滑し、もって上述問題点を解消し
た4輪駆動車用動力伝達装置を提供することを目的とす
るものである。
(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図から第3図を参照して示すと、エンジンから
の回転を変速するトランスアクスル部と、左右のフロン
トアクスル軸(8l,8r)に動力伝達可能に連結するフロ
ントディファレンシャル装置(3)とを収納するトラン
スアクスルケース(9)と、 前記トランスアクスル部と動力伝達可能に連結される
と共に、前記フロントディファレンシャル装置及びリヤ
ディファレンシャル装置と動力伝達可能に連結し、前後
輪にトルク分配するセンターディファレンシャル装置
(2)を有するトランスファー部(15)を収納し、かつ
前記トランスアクスルケース(9)と接合するトランス
ファーケース(13)と、を備える4輪駆動車用動力伝達
装置において、 前記トランスアクスル部を潤滑する潤滑油の一部を、
前記トランスファーケース(13)内に供給する潤滑油供
給手段(39)と、 該供給された潤滑油が前記トランスファー部(15)を
油浴するように前記トランスファーケース内から前記ト
ランスアクスルケース内への該潤滑油の流出を規制する
規制手段(11a,101,102)と、 前記トランスファーケース(13)と前記トランスアク
スルケース(9)とを接合することにより形成され、前
記トランスファー部(15)に供給される潤滑油を溜める
油溜(106)と、 前記トランスファーケースの先端に設けられた排出孔
(66)から前記トランスアクスルケース内(9)へ潤滑
油を循環させる戻り油路(108,109,110)と、を備え、 前記油溜(106)に溜められた潤滑油と前記排出孔(6
6)から排出される潤滑油とのヘッド差に基づく供給油
圧により前記トランスファー部(15)の潤滑油を前記戻
り油路を通じて前記トランスアクスルケース(9)内へ
循環させること、を特徴とする。
望ましくは、前記規制手段は、前記トランスアクスル
部(6)と前記センターディファレンシャル装置(2)
とを連結する第1の中空軸(6b,2c)と、該第1の中空
軸内を同軸的に挿通し、前記センターディファレンシャ
ル装置(2)と前記フロントディファレンシャル装置
(3)とを連結する第2の中空軸(3c)との間に配置さ
れたニードルベアリング(11a)と、 前記トランスファーケース(9)と前記トランスアク
スルケース(13)の接合面に形成され、前記トランスフ
ァーケースに溜められた潤滑油のオーバフローを前記ト
ランスアクスルケース内に排出する連通孔(102,101)
と、を有する。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、トランスアクスル部から潤滑油供
給手段(39)にてトランスファーケース(13)内に供給
された潤滑油は、規制手段(11a,101,102)によりトラ
ンスアクスルケース(9)内への流出を規制されてトラ
ンスファーケース(13)内に溜められ、センターディフ
ァレンシャル装置(2)等のトランスファー部(15)を
油浴潤滑すると共に、油溜(106)に貯溜され、そして
トランスファーケース(13)先端の排出孔(66)から戻
り油路(108,109,110)を介してトランスアクスルケー
ス(9)内に戻される。
該油溜(106)内の潤滑油のヘッドがトランスファー
部(15)への潤滑油供給油圧の基準となり、前記センタ
ーディファレンシャル装置(2)を始めとしてトランス
ファー部(15)全体が油浴潤滑され、かつ上記油溜(10
6)の潤滑油と排出孔(66)から排出される油とのヘッ
ド差に基づき、潤滑油が安定してトランスファー部(1
5)を循環する。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するための
ものであるが、本発明の構成を何等限定するものではな
い。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。
第1図に示すように、フルタイム方式の横置き前エン
ジン式4輪駆動車用動力伝達装置5は、図示しないエン
ジンからトルクコンバータ及び自動変速機を介して動力
伝達される入力ギヤ1を有しており、該入力ギヤ1はギ
ヤマウントケース6に固定されている。該マウントケー
ス6は、分割ケース片からなると共にボルト12により入
力ギヤ1と共締めされており、かつトランスアクスルケ
ース9にテーパードローラベアリング7a,7bにより支持
され、そしてその内部に、フロントディファレンシャル
装置3及び差動制御装置10が収納されている。また、該
トランスアクスルケース9には各部へ潤滑油を供給する
潤滑油供給孔39が形成されており、更に、フロントディ
ファレンシャル装置3は、マウントケース6内に後に詳
述する2個のニードルベアリング11a,11bにより回転自
在に支持されているフロントデフケース3cを有してお
り、該デフケース3cはピニオン3pを支持するピニオン軸
3dを縦方向に延びて回転自在に支持してキャリヤを構成
しており、また左右サイドギヤ3a,3bが左右方向に延び
て回転自在に支持されており、そして各サイドギヤ3a,3
bにはそれぞれ左右フロントアクスル8l,8rがそれぞれ動
力伝達可能に連結されている。更に、該右フロントアク
スル8rの右端にはリテーナ62がスプライン結合されてお
り、該リテーナ62は、後述するトランスファーケース13
の右端に配設されたエンドケース13aにローラベアリン
グ63を介して回転自在に支持されると共に後述するリン
グギヤマウントケース16の右側スリーブ部にニードルベ
アリング65により回転自在に支持されており、該エンド
ケース13aには、トランスファー部15を潤滑した潤滑油
を排出する排出孔66が設けられている。
また、前記入力ギヤマウントケース6の右側、即ち、
エンジンの後方に左右二分割可能なトランスファーケー
ス13が組付けられていて、このトランスファーケース13
内に入力ギヤマウントケース6、フロントディファレン
シャル装置3と同軸的にトランスファー部15が組付けら
れている。また、該トランスファー部15はリングギヤマ
ウントケース16を有しており、該リングギヤマウントケ
ース16は左右二分割可能であって、その合せ面には、潤
滑油の漏洩を防止するOリング60が配設されている。更
に、該リングギヤマウントケース16は、ハイポイドギヤ
からなる後輪駆動用のリングギヤ17を一体的に支承して
いると共に、トランスファーケース13に一対のテーパー
ドローラベアリング19,19を介して回転可能に支持され
ている。そして、ギヤ17にはドリブンピニオンシャフト
20に形成されたハイポイドギヤからなるギヤ21が常時噛
合しており、該ドリブンピニオンシャフト20は図示され
ていない公知のプロペラシャフト及びリヤディファレン
シャル装置を介して左右リヤアクスル軸に動力伝達可能
に連結されている。そして、リングギヤマウントケース
16内にはセンターディファレンシャル装置2が配置され
ており、センターディファレンシャル装置2は先端が開
放状態になっているデフキャリア2cを備えている。更
に、該デフキャリア2cは入力ギヤマウントケース6から
延びているスリーブ部6bに連結されていると共に、連結
ボス部2c′の反対側が開口して開放端になっており、か
つ該開放端部分及び連結ボス部2c′にニードルベアリン
グ23,23を介在してリングギヤマウントケース16に回転
自在に支持されている。また、該デフキャリア2cにはピ
ニオン2pを支持するピニオン軸2dが取付けられており、
右方のサイドギヤ2bがリングギヤマウントケース16に直
接スプライン結合しており、また左方のサイドギヤ2a
が、デフキャリア連結ボス部2c′内を嵌挿しかつ右フロ
ントアクスル軸8rに被嵌しているスリーブ部3c′を介し
てフロントディファレンシャル装置3のデフケース3cに
連結している。
そして、前記トランスアクスルケース9のトランスフ
ァーケース13との合せ面部分には、第2図及び第3図に
示すように、アクスル軸8r等を挿通する孔100a,100bが
設けられている。また、トランスアクスルケース9側の
孔100aの上方には該ケース9内方に連通する孔101が穿
設されており、かつ該孔101と連通するように溝102がト
ランスアクスルケース9の合せ面に刻設されている。更
に、トランスアクスルケース9側の孔100aの一側方には
凹部103が形成されており、該凹部103は、トランスファ
ーケース13に形成された凹部105と接合されて油溜油室1
06を構成している。そして、該油室106の下部は、トラ
ンスアクスルケース9側を隔壁107a、トランスファーケ
ース13側を隔壁107bにより隔絶された戻り油室108を構
成しており、該油室108のトランスファーケース9側に
は、該油室108から潤滑油を排出するトランスアクスル
ケース9内へ排出孔109が穿設されており、更に該油室1
08のトランスファーケース13側には前記排出孔66(第1
図参照)に図示しない油路を介して連通している戻り油
孔110が設けられている。
また、入力ギヤマウントケース6のスリーブ部6bの先
端には、第4図に示すように、段差状にスプライン50が
形成されており、かつ左右に2分割され得るリングギヤ
マウントケース16の分割片16aに形成したスリーブ部16
a′の先端には、前記スリーブ部6bの段差状のスプライ
ンのうち小径のスプラインと同径にスプライン51が形成
されている。更に、前記スリーブ部6bの先端のスプライ
ン50には、これと同径状に大小のスプライン22bをその
内面に形成した段差状のスライド継手22が摺動自在にス
プライン嵌合しており、これによりスライド継手22は、
スリーブ部6bとスリーブ部16a′を連結して入力ギヤマ
ウントケース6とリングギヤマウントケース16を直結
し、センターディファレンシャル装置2の差動機能を規
制し得るロック位置と、入力ギヤマウントケース6及び
リングギヤマウントケース16を解放してセンターディフ
ァレンシャル装置2の差動を作用する解放位置とに適宜
スライドして切換えられる。
そして、第4図及び第5図に示すように、スライド継
手22に隣接して左右方向に配置したスライドバー60に
は、シフトフォーク61が、前記油室106内において一端
に形成したスライド部64の摺動溝64aを摺動自在に嵌合
しかつその他端を前記スライド継手22の外周に形成した
係合溝22aに嵌め込んで配置されている。更に、スライ
ドバー60に隣接して該スライドバー60と直交するように
回動軸82がトランスファーケース13に回動自在に支持さ
れて設置され、また該回動軸82の一端は該ケース13の外
方に突出し、かつ該一端には断面クランク状のアーム83
の一端が取付けられている。そして、回動軸82の他端に
はアーム85を設けたパイプ86が回動不能にして嵌合され
ており、かつ該アーム85の先端はシフトフォーク61のス
ライド部64に形成した切欠部64bに係合している。一
方、トランスファーケース13の外方にはベルクランク状
の操作アーム71が中央部をボルト72により回動自在に支
持されて設置されており、該操作アーム71の一端にはボ
ルト72を中心とする円弧状に形成した長孔71aが形成さ
れ、かつ該長孔71aにはボルト74が嵌挿されている。ま
た、前記アーム83の先端には、トランスファーケース13
に摺動自在に支持されたロッド73の一端がピン75にて回
動自在に取付けられており、かつ該ロッド73の他端に
は、操作アーム71の他端に回動自在に支持したロッド76
の先端が回動自在に連結されている。従って、操作アー
ム71を第4図時計方向、反時計方向に回動すると、操作
アーム71の他端にてロッド76を介してロッド73がアーム
83を回動し、更にアーム85を回動することによりシフト
フォーク61をスライドバー60上で移動して、スライド継
手22をスリーブ部6b上でスライドし、これにより該スリ
ーブ部6bとスリーブ部16a′、即ち入力ギヤマウントケ
ース6とリングギヤマウントケース16を直結してセンタ
ーディファレンシャル装置2の差動を機械的にロックし
得る。
また、差動制御装置10は、第1図に示すように、フロ
ントディファレンシャル装置3を覆うようにかつ該装置
3と同軸的に設けられた入力ギヤマウントケース6内に
配置されており、湿式摩擦多板クラッチ26及びその油圧
アクチュエータ27からなる。該クラッチ26はそのセパレ
ータプレートがマウントケース6に連結されかつその摩
擦板がデフケース3cに連結されており、更にこれらセパ
レータプレート及び摩擦板は油圧アクチュエータ27にて
押圧制御される。また、油圧アクチュエータ27はマウン
トケース6に形成されたシリンダ内に油密状に収納され
ている第1ピストン28及び第2ピストン29、そして両ピ
ストン間に位置して油密状に配置されている反力板30を
有しており、これらピストンは、第1ピストン28が第2
ピストン29の外周鍔部に当接し、かつ反力板30がシリン
ダ端面に当接して、ダブルピストンを構成している。ま
た、トランスファーケース13には差動制御装置10用のバ
ルブユニット31が設置されており、該ユニット31からの
制御油圧がパイプ32、油路33,35を介して油圧アクチュ
エータ27の第1ピストン28及び第2ピストンに作用して
いる(第1図参照)。なお、油路33を挟んだスリーブ6b
の左右にはOリング111が配設されており、作動油が漏
れないようになっている。
一方、トランスアクスルケース9には潤滑油供給孔39
が形成されており、該供給孔39から供給される潤滑油は
両スリーブ部6b,3c′との間に供給され、更にスリーブ
部3c′に形成された孔43,44を通ってアクスル軸8rとス
リーブ部3c′との間に供給される。
なお、前記潤滑油供給孔39,40を挟んだスリーブ部6b
の左右にはOリング91が配設されており、潤滑油が合せ
面方向に漏れないように構成されている。
ついで、上述構成に基づく作用について説明する。
エンジンの回転は、自動変速機にて適宜変速され、入
力ギヤ1を介して入力ギヤマウントケース6に伝達され
る。そして、通常の走行時即ち運転者がシフトレバーを
Dレンジに入力かつオートモードを選択した状態にあっ
ては、バルブユニット31のソレノイドバルブがオン状態
にあり、なお、ソレノイドバルブがオフ状態にある場
合、制御ポートの圧力がドレーンされるように設定して
もよいことは勿論である。この状態ではライン圧(又は
該ライン圧に比例して減圧されたモジュレータ圧)はパ
イプ32及び油路33,35を介して油圧アクチュエータ27の
両油室27a,27bに供給され、湿式多板クラッチ26が所定
圧着力にて接続状態にある。従って、センターディファ
レンシャル装置2はそのデフキャリア2cと右サイドギヤ
2aとが所定結合力で結合され、その差動が所定規制力に
より制限されたことになる。これにより、路面とタイヤ
との摩擦力が上述規制力より小さい場合、例えば雪道、
ダート道路等のよう摩擦係数の小さい路面の場合、クラ
ッチ26の圧着力に基づきセンターディファレンシャル装
置2は略々直結状態にあり、入力ギヤマウントケース6
の回転は、摩擦クラッチ26及び一体に回転するセンター
ディファレンシャル装置2を介してフロントディファレ
ンシャル装置3のデフケース3cに伝達され、更にピニオ
ン3pを介して左右サイドギヤ3a,3bにトルク分配されて
左右前輪を駆動すると共に、センターディファレンシャ
ル装置2に固定されているリングギヤ17及びギヤ21を介
してドリブンピニオンシャフト20に伝達され、更にリヤ
ディファレンシャル装置によりトルク分配がなされて左
右後輪を駆動する。また、路面とタイヤの摩擦力が上述
クラッチ26による規制力と略々平衡している場合、例え
ば舗装道路を比較的高速で走行している場合、路面の摩
擦係数の関係において、タイヤスリップが生じないよう
にクラッチ26は滑りながら圧着する。即ち、センターデ
ィファレンシャル装置2は前後車輪へのトルク分配が5
0:50に近づくように付勢した状態で、前後車輪の回転差
を吸収しながら前後車輪へトルク分配をする。
また、車庫入れ等で、低速で操舵角を大きく切る場
合、前輪及び後輪に回転差が生じるが、この場合スロッ
トル開度が小さく、従ってライン圧(又はライン圧に比
例して減圧した油圧)も低いため、油圧アクチュエータ
27による押圧力も弱く、差動制御装置10の摩擦クラッチ
26の係合力も弱い。このため、前輪及び後輪の回転差に
基づくセンターディファレンシャル装置2の左右サイド
ギヤ2a,2bの相対回転を許容すべく、摩擦クラッチ26は
滑って、タイトコーナーブレーキング現象の発生を防止
しながら、前後輪にトルクを伝達する。
そして、トランスアクスルケース9の潤滑油供給孔39
から供給される潤滑油は、スリーブ6bに形成された孔40
を通って左右に分かれて供給される。この際、潤滑油
は、スリーブ部6bとトランスアクスルケース9との間に
配置された2個のOリング91により該スリーブ部6bとト
ランスアクスルケース9との合せ面より漏洩することは
ない。そして、左方へ供給された潤滑油はニードルベア
リング11aを潤滑し、該ニードルベアリング11aを通って
フロントディファレンシャル装置3方向に導かれ、更に
隙間aを通ってデフケース6内に溜められてクラッチ26
の摩擦板を潤滑し、そしてマウントケース6に形成され
た絞り孔42から排出される。この際、ニードルベアリン
グ11aはそのニードル数等により、潤滑油流量を適宜規
制してオリフィスを構成しており、前記潤滑油供給孔39
から供給された潤滑油がフロントディファレンシャル装
置2側即ちトランスアクスルケース9内に流出する量を
規制する規制手段を構成して、上記潤滑油が、センター
ディファレンシャル装置2等のトランスファー部15を油
浴潤滑するように、トランスファーケース13内に溜めら
れる。一方、上記オリフィスを構成するニードルベアリ
ング11は、クラッチ26方向に導入する潤滑油量を所定量
に制御すると共に、絞り孔42からの排出量が規制され、
デフケース6内が所定レベルに油が溜められ、クラッチ
26は油浴潤滑される。一方、右方へ供給された潤滑油
は、スリーブ部3c′と連結ボス部2c′との間を潤滑する
と共に、該ボス部2c′とスリーブ部6b及び該ボス部2c′
とリングギヤマウントケース16との間及びニードルベア
リング23を潤滑し、リングギヤマウントケース16内にオ
イル溜りを形成して左右サイドギヤ2a,2b、ピニオンギ
ヤ2p及びニードルベアリング23を油浴潤滑する。この
際、リングギヤマウントケース16の一側と他側との接合
面にはOリング60が配設されており、該接合面から潤滑
油が漏洩することはない。また、連結ボス部2c′とスリ
ーブ部6bとの間へ供給された潤滑油の一部は、スリーブ
部6bとスライド継手22との間を通ってスリーブ部6bとト
ランスファーケース13との接合面に達し、該スライド継
手22の外側を通って油溜油室106内に貯溜される。これ
により、該油室106に溜められた油のヘッドがトランス
ファー部15への潤滑油供給油圧の基準となり、排出孔66
から排出される油とのヘッド差に基づく、常に安定した
供給油圧によりトランスファー部15の各箇所に潤滑油を
供給し、かつケース13内に所定レベルにて潤滑油を溜
め、トランスファー部15の各箇所を油浴潤滑する。そし
て、該油室106内の潤滑油が所定量以上になった場合、
所定量以上の潤滑油は溝102及び孔101からテーパードロ
ーラベアリング7bを潤滑しながらトランスファーケース
9内方に排出される。従って、上記溝102及び連通孔101
は、孔100a,100bの上方位置にあって、トランスファー
ケース13内に所定量の潤滑油を確保するものであり、該
トランスファーケース内からトランスアクスルケース9
内への潤滑油の流出を規制する規制手段を構成してい
る。更に、右方に供給された潤滑油の一部は更に、スリ
ーブ部3c′に形成された孔43,44からアクスル軸8rとス
リーブ部3c′との間に導かれ、該孔43,44から左方に導
かれた潤滑油はフロントデフケース3c内に供給され、該
ケース内にオイル溜りを形成する。また、アクスル軸8r
とスリーブ部3c′との間に導かれて右方へ供給された潤
滑油はリングギヤマウントケース16内のオイル溜りへ給
送される。そして、リングギヤマウントケース16内に溜
められた潤滑油は、ニードルベアリング65及びローラベ
アリング63を潤滑した後、排出孔66から排出される。そ
して、排出孔66から排出された潤滑油は、図示しない油
路を通って戻り油孔110から戻り油室108へ戻り、該戻り
油室108に戻った潤滑油は排出孔109からトランスファー
ケース9内方へ排出される。また、トランスアクスルケ
ース9の左アクスル軸8l部分にも潤滑油路67が形成され
ており、該油路67から供給される潤滑油は、左アクスル
軸8lに形成された潤滑孔45,46を介してマウントケース
フランジ部6aのボス部と該アクスル軸8lとの間に供給さ
れ、更に潤滑孔47を介してテーパードローラベアリング
7aを潤滑する。そして、これら潤滑油及びフロントデフ
ケース3c内に溜められた潤滑油は、フロントデフケース
3cとマウントケース6との間のワッシャを潤滑した後、
一部は孔49から排出され、また他の部分はニードルベア
リング11bを潤滑した後排出孔42から排出される。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、規制手段によ
りトランスファーケース内からトランスアクスルケース
内への潤滑油の流出が規制されると共に、油溜内の潤滑
油のヘッドにより、センターディファレンシャル装置を
始めとしたトランスファー部が確実に油浴潤滑される。
また、油溜内の油と排出孔から排出される油のヘッド
差が潤滑油供給油圧となり、該安定した供給油圧により
潤滑油が、潤滑油供給手段からトラスファーケース先端
の排出孔までトランスファー部全体を確実に循環して、
潤滑油の温度上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る4輪駆動車用動力伝達装置を示す
断面図である。そして、第2図は本発明に係るトランス
アクスルケースのトランスファーケースとの接合面を示
す側面図であり、第3図はトランスファーケースのトラ
ンスアクスルケースとの接合面を示す側面図である。ま
た、第4図はシフトフォーク部分を示す拡大断面図であ
り、第5図はその側断面図である。 2a,2b,2p,23,63,65……所定部材、2……センターディ
ファレンシャル装置、2c′,6b……第1の中空軸、3…
…フロントディファレンシャル装置、3c′……第2の中
空軸、5……4輪駆動車用動力伝達装置、8l,8r……フ
ロントアクスル軸、11a,101,102……規制手段(ニード
ルベアリング、連通孔、溝)、9……トランスアクスル
ケース、13……トランスファーケース、15……トランス
ファー部、39……潤滑油供給手段(孔)、66……排出
孔、106……油溜108,109,110……戻り油路(戻り油室、
排出孔、戻り油孔)。
フロントページの続き (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 峯元 勇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 雅晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−80360(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからの回転を変速するトランスア
    クスル部と、左右のフロントアクスル軸に動力伝達可能
    に連結するフロントディファレンシャル装置とを収納す
    るトランスアクスルケースと、 前記トランスアクスル部と動力伝達可能に連結されると
    共に、前記フロントディファレンシャル装置及びリヤデ
    ィファレンシャル装置と動力伝達可能に連結し、前後輪
    にトルク分配するセンターディファレンシャル装置を有
    するトランスファー部を収納し、かつ前記トランスアク
    スルケースと接合するトランスファーケースと、を備え
    る4輪駆動車用動力伝達装置において、 前記トランスアクスル部を潤滑する潤滑油の一部を、前
    記トランスファーケース内に供給する潤滑油供給手段
    と、 該供給された潤滑油が前記トランスファー部を油浴する
    ように前記トランスファーケース内から前記トランスア
    クスルケース内への該潤滑油の流出を規制する規制手段
    と、 前記トランスファーケースと前記トランスアクスルケー
    スとを接合することにより形成され、前記トランスファ
    ー部に供給される潤滑油を溜める油溜と、 前記トランスファーケースの先端に設けられた排出孔か
    ら前記トランスアクスルケース内へ潤滑油を循環させる
    戻り油路と、を備え、 前記油溜に溜められた潤滑油と前記排出孔から排出され
    る潤滑油とのヘッド差に基づく供給油圧により前記トラ
    ンスファー部の潤滑油を前記戻り油路を通じて前記トラ
    ンスアクスルケース内へ循環させること、 を特徴とする4輪駆動車用動力伝達装置。
  2. 【請求項2】前記規制手段は、前記トランスアクスル部
    と前記センターディファレンシャル装置とを連結する第
    1の中空軸と、該第1の中空軸内を同軸的に挿通し、前
    記センターディファレンシャル装置と前記フロントディ
    ファレンシャル装置とを連結する第2の中空軸との間に
    配置されたニードルベアリングと、 前記トランスファーケースと前記トランスアクスルケー
    スの接合面に形成され、前記トランスファーケースに溜
    められた潤滑油のオーバフローを前記トランスアクスル
    ケース内に排出する連通孔と、を有する、 特許請求の範囲第1項記載の4輪駆動車用動力伝達装
    置。
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