JP2897988B2 - センターディファレンシャル装置を有する4輪駆動車用動力伝達装置 - Google Patents

センターディファレンシャル装置を有する4輪駆動車用動力伝達装置

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JP2897988B2 JP62245303A JP24530387A JP2897988B2 JP 2897988 B2 JP2897988 B2 JP 2897988B2 JP 62245303 A JP62245303 A JP 62245303A JP 24530387 A JP24530387 A JP 24530387A JP 2897988 B2 JP2897988 B2 JP 2897988B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、センターディファレンシャル装置を有する
4輪駆動車用動力伝達装置、特にF・F(フロントエン
ジン・フロントドライブ)を基準としたフルタイム方式
の4輪駆動車用動力伝達装置に係り、詳しくはそのアク
スル軸とギヤマウントケースの摺接面の改良に関する。 (ロ)従来の技術 近時、横置き前エンジン・前輪駆動車の動力伝達装置
に、トランスファー部を付加した4輪駆動車用動力伝達
装置が、種々提案されているが、その一例として、フロ
ントアクスル軸とフロントディファレンシャル装置とを
同芯状に配置するものがあり、このものにあっては、一
方のフロントアクスル軸に、フロントディファレンシャ
ル装置を収納しかつ入力ギヤを固設したギヤマウントケ
ースを被嵌し、該ケースボス部にフロントアクスル軸を
摺接して該軸を支持している。 即ち、本出願人が提案した特開昭62−80354号公報に
示すように、フロントアクスル軸とフロントディファレ
ンシャル装置とを同芯状に配置し、フロントディファレ
ンシャル装置を収納しかつ入力ギヤを固設したギヤマウ
ントケースを、一方のフロントアクスル軸に被嵌し、前
記ギヤマウントケースのボス部に前記フロントアクスル
軸を摺接して該軸を回転自在に支持している。そして、
前記フロントディファレンシャル装置は、そのボス部外
周面を、前記ギアマウントケースのボス部内周面に形成
された支持部に摺接させ、回転自在に支持されている。 (ハ)発明が解決しようとする問題点 ところで、2軸駆動車及びパートタイム方式の4輪駆
動車にあっては、例えフロントアクスル軸の一方がロッ
クしても、入力部材であるギヤマウントケースの回転1
に対して他方のアクスル軸には2の回転が伝達され、入
力回転と同回転の相対回転が生じるだけで、マウントケ
ースボス部にアクスル軸を摺接・支持しても問題を生じ
ないが、センターディファレンシャル装置を有するフル
タイム方式の4輪駆動車にあっては、一方のフロントア
クスル軸のみが浮き上がって空転した場合、該アクスル
軸とマウントケースボス部との間に入力回転の3倍の相
対回転が生ずる。更に、上記センターディファレンシャ
ル装置を有するフルタイム方式の4輪駆動車にあって
は、車両の幅方向寸法の制限により前記ボス部の軸方向
寸法にも制限があるため、アクスル軸とボス部との摺接
面の面積が小さくて面圧が高く、特に製品使用初期の時
点では、前記アクスル軸とボス部との摺接面のあたりが
ついていないため、更に面圧が高くなっている。 このため、上記マウントケースボス部とアクスル軸と
の摺接面における前記大きな相対回転及び高い面圧とが
相俟って、センターディファレンシャル装置を有する4
輪駆動車用動力伝達装置にあっては、アクスル軸とマウ
ントケースボス部との摺接面に焼付きが発生する虞れが
あり、特に自動変速機と組合せて用いる場合、自動変速
機の油圧アクチュエータ用の作動油として用いられるオ
イル(ATF等)は潤滑性が低く、上述焼付きを発生する
虞れが高い。 また、前記ギヤマウントケースには、自動変速機等に
より増幅されたトルクが入力するため、強度を確保する
必要があり、スペースの都合上、前記アクスル軸とボス
部との間にベアリング等を配設することが困難であっ
た。 そこで、本発明は、前記アクスル軸とボス部との間に
ベアリング等を配設することなく、かつ寸法を増大する
ことなく、前記アクスル軸とボス部との焼付きを防止す
る4輪駆動車用動力伝達装置を提供することを目的とす
る。 (ニ)問題を解決するための手段 本発明は上述事情に鑑みなされたものであって、例え
ば第1図及び第2図を参照すると、入力部材(2c)及び
2個の出力部材(2a)(2b)を有するセンターディファ
レンシャル装置(2)と、 前記2個の出力部材の一方(2a)に連結するデフケー
ス(3c)及び前輪用の左右アクスル軸(7l)(7r)にそ
れぞれ連動する2個の出力部材を有するフロントディフ
ァレンシャル装置(3)と、 前記センターディファレンシャル装置の2個の出力部
材の他方(2b)に連結するリャディファレンシャル装置
と、を備え、 変速機からの回転が伝達される入力ギヤ(1)をセン
ターディファレンシャル装置(2)の入力部材(2c)に
連結し、かつ該センターディファレンシャル装置にて差
動が許容されて出力する前記2個の出力部材(2a),
(2b)の回転をそれぞれフロントディファレンシャル装
置(3)のデフケース(3c)及びリヤディファレンシャ
ル装置に伝達してなる4輪駆動車用動力伝達装置(5)
において、 前記入力ギヤ(1)を固定したギヤマンウトケース
(6)を変速機ケース(12)に軸受(14,14′)を介し
て支持し、かつ該ギヤマウントケース内に前記フロント
ディファレンシャル装置(3)を収納すると共に、該フ
ロントディファレンシャル装置のデフケース(3c)の外
周面を、前記軸受(14,14′)を介して前記変速機ケー
ス(12)に支持されている前記ギヤマウントケース
(6)の内周面にベアリング(38)を介して回転自在に
支持し、 前記フロントディファレンシャル装置(3)の前記2
個の出力部材の一方(3a)に連結している一方のアクス
ル軸(7l)に前記ギアマウントケースのボス部(6a)を
同芯状に被嵌し、 少なくとも、前記ボス部(6a)における前記一方のア
クスル軸(7l)と対面する孔面(6a′)に、窒化処理等
の表面処理(50)を施してなることを特徴とする、 センターディファレンシャル装置を有する4輪駆動車
用動力伝達装置にある。 好ましくは、前記一方のアクスル軸(7l)に、前記ボ
ス部(6a)との摺接面へ潤滑油を供給する油路(45,4
6)を形成する。 (ホ)作用 以上構成に基づき、エンジンから自動変速機を介して
伝達される入力ギヤ(1)のトルクは、センターディフ
ァレンシャル装置(2)にてフロントディファレンシャ
ル装置(3)及びリヤディファレンシャル装置に分配さ
れ、そしてそれぞれ左右のフロント及びリヤアクスル軸
に伝達される。この際、入力ギヤ(1)からの大きな荷
重は、ギヤマウントケース(6)から軸受(14,14′)
を介して直接固定ケースである変速機ケース(12)に支
持されているが、該ギヤマウントケース(6)内に収納
されているフロントディファレンシャル装置(3)のデ
フケース(3c)は、ベアリング(38)を介して上記ギヤ
マウントケース(6)に支持されており、かつ寸法的な
制約により、アクスル軸(7l)が上記ギヤマウントケー
ス(6)に回転自在に支持されている。従って、互いに
回転するギヤマウントケースのボス部(6a)とアクスル
軸(7l)との間には、大きな相対回転を生じる。 また、前記フロントディファレンシャル装置(3)の
デフケース(3c)の外周面をベアリング(38)にて支持
することにより、ギヤマウントケース(6)のボス部
(6a)に軸方向寸法の余裕が創設され、該余裕により、
ギヤマウントケースのボス部(6a)と一方のアクスル軸
(7l)との摺接面の面積を広くし、該摺接面であるボス
部の孔面(6a′)に窒化処理等の表面処理(50)を施し
ている。 そして、上記いずれか1個のアクスル軸、例えば左フ
ロントアクスル軸(7l)のタイヤが浮上り空転状態なる
と、入力ギヤ(1)の回転に対して該アクスル軸(7l)
は最大3倍の回転を生じるが、該アクスル軸(7l)と対
面ギヤマウントケースボス部の孔面(6a′)には上記広
い摺接面に窒化化処理等の表面処理(50)が施されて、
大きな相対回転によっても焼付は生じることはない。 なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するための
ものであるが、本発明の構成を何等限定するものではな
い。 (ヘ)実施例 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。 第1図に示すように、フルタイム方式の横置き前エン
ジン式4輪駆動車用動力伝達装置5は、図示しないエン
ジンからトルクコンバータ及び自動変速機を介して動力
伝達される入力ギヤ1を有しており、該入力ギヤ1はギ
ヤマウントケース6に固定されている。該マウントケー
ス6は、分割ケース片からなると共にボルト10により入
力ギヤ1と共締めされており、かつ変速機ケース12に円
錐コロ軸14,14′により支持され、そしてその内部に、
フロントディファレンシャル装置3及び差動制御装置11
が収納されている。更に、フロントディファレンシャル
装置3はマウントケース6内に回転自在に支持されてデ
フケースを構成するフロントデフキャリア3cを有してお
り、該デフキャリア3cにはピニオン3pを支持するピニオ
ン軸3dが縦方向に延びて回転自在に支持され、また左右
サイドギヤ3a,3bが左右方向に延びて回転自在に支持さ
れており、そして各サイドギヤ3a,3bにはそれぞれ左右
フロントアクスル7l,7rがそれぞれ動力伝達可能に連結
されている(第2図参照)。即ち、上記デフキャリア3c
が入力部材を構成し、上記サイドギア3a,3bが2個の出
力部材を構成する。なお、リヤディファレンシャル装置
(図示せず)も、上記フロントディファレンシャル装置
と同様な構成からなる。 また、前記入力ギヤマウントケース6の右側、即ち、
エンジンの後方に左右二分割可能なトランスファーケー
ス13が組付けられていて、このトランスファーケース13
内に入力ギヤマウントケース6、フロントディファレン
シャル装置3と同軸的にトランスファー部15が組付けら
れている。該トランスファー部15はリングギヤマウント
ケース16を有しており、該リングギヤマウントケース16
は左右二分割可能であって、ハイポイドギヤからなる後
輪駆動用のリングギヤ17を一体的に支承されていると共
に、トランスファーケース13に一対の円錐コロ軸受19,1
9を介して回転可能に支持されている。そして、ギヤ17
にはドライブピニオンシャフト20に形成さたハイポイド
ギヤからなるギヤ21が常時噛合しており、該ドライブピ
ニオンシャフト20は図示されていない公知のプロペラシ
ャフト及びリヤディファレンシャル装置を介して左右リ
アアクスル軸に動力伝達可能に連結されている。そし
て、リングギヤマウントケース16内にはセンターディフ
ァレンシャル装置2が配置されており、センターディフ
ァレンシャル装置2は先端が開放状態になっている、所
定要素であるデフキャリア2cを備えている。更に、該デ
フキャリア2cは入力ギヤマウントケース6から延びてい
るスリーブ部6bに継手22を介して連結されていると共
に、連結ボス部2c′の反対側が開口して開放端になって
おり、かつ該開放端部分及び連結ボス部2c′にニードル
ベアリング23,23を介在してリングギヤマウントケース1
6に固転自在に支持されている。また、該デフキャリア2
cにはピニオン2pを支持するピニオン軸2dが取付けられ
ており、前記入力ギヤ1に連結して入力部材を構成する
デフキャリア2cに対して2個の出力部材の一方を構成す
る右方のサイドギヤ2bがリングギヤマウントケース16に
直接スプライン結合しており、また前記2個の出力部材
の他方を構成する左方のサイドギヤ2aが、デフキャリア
連結ボス部2c′内を嵌挿しかつ右フロントアクスル軸7r
に被嵌しているスリーブ軸25を介してフロントディファ
レンシャル装置3のデフキャリア(デフケース)3cに連
結している。なお、スリーブ軸25と入力ギアマウントケ
ーススリーブ部6bとの間にニードルベアリング37が介在
しており、またギヤマウントケース6の内周面とフロン
トデフキャリア3cの外周面の間にニードルベアリング38
が介在している。 また、入力ギヤマウントケース6のスリーブ部6b先端
部分に形成されたスプラインにスプライン継手22が摺動
のみ自在に嵌合しており、該スプライン継手22は図示し
ない操作レバーにより軸方向に操作され、リングギヤマ
ウントケース16のスリーブ部に形成されたスプラインに
係合するロック位置(第1図上半図参照)と非係合とな
る解放位置(第1図下半図参照)とに切換えられ、メカ
デフロック機構を構成している。該メカデフロック機構
は、通常時解放位置にあるが、サービス工場等において
タイヤをローラ上に載置して各種検査を行う際にロック
位置に切換えられる。 そして、差動制御機構11は、第2図に詳示するよう
に、フロントディファレンシャル装置3を覆うようにか
つ該装置3と同軸的に設けられた入ギヤマウントケース
6内に配置されており、湿式摩擦多板クラッチ26及びそ
の油圧アクチュエータ27からなる。該クラッチ26はその
外摩擦板がマウントケース6に連結されかつその内摩擦
板がデフキャリア3cに連結されており、更にこれら摩擦
板は油圧アクチュエータ27にて押圧制御される。また、
油圧アクチュエータ27はマウントケース6に形成された
シリンダ内に油密状に収納されている第1ピストン28及
び第2ピストン29、そして両ピストン間に位置して油密
状に配置されている反力板30を有しており、これらピス
トンは、第1ピストン28が第2ピストン29の外周鍔部に
当接し、かつ反力板30がシリンダ端面に当接して、ダブ
ルピストンを構成している。また、第1図に示すよう
に、トランスファーケース13には差動制御機構11用のバ
ルブユニット31が設置されており、該ユニット31からの
制御油圧がパイプ32、油路33,35を介して油圧アクチュ
エータ27の第1油室27a及び第2油室27bに作用している
(第2図参照)。 一方、ケース12に潤滑油供給孔39が形成されており、
該供給孔39から供給される潤滑油は、スリーブ部6bに形
成された孔40を通ってニードルベアリング37,23,23等を
潤滑し、そしてケース13に形成された排出孔41から排出
される。また、ニードルベアリング37を通ってフロント
ディファレンシャル装置3方向に導かれた潤滑油はマウ
ントケース6内に溜まって、クラッチ26の摩擦板を潤滑
し、そしてマウントケース6に形成された絞り孔42から
排出される。更に、スリーブ軸25に形成された孔43から
アクスル軸7rとスリーブ軸25との間に導かれた潤滑油は
フロントデフケース(デフキャリア)3c内に供給され、
該ケース内にオイル溜りを形成し、そしてサイドギア3a
とデフケース3cとの間のワッシャ及びマウントケース6
とデフケース3cとの間にワッシャ及びニードルベアリン
グ38を潤滑して排出孔49から排出される(第2図参
照)。一方、トランスアクスルケース12に形成された潤
滑油路44から供給される潤滑油は左フロントアクスル軸
7lに形成された潤滑孔47,45,46(第2図参照)を介して
マウントケースボス部6aと該アクスル軸7lとの間に供給
され、該潤滑油がマウントケース6とアクスル軸7lとの
間を潤滑し、そして円錐コロ軸受14を潤滑して排出孔49
から排出される。 そして、入力ギアマウントケース6の左フロトアクス
ル軸7l側のボス部6aの孔面6a′には、焼付防止手段が施
されている。該焼付防止手段の具体例として、第2図に
示すように、ボス部孔面6a′に窒化処理、クロムメッキ
等の表面処理50を施すこと、また第3図に示すように、
内面に上記表面処理を施したスリーブ51をボス部孔面6
a′に圧入することがある。 ついで、上述構造に基づく作用について説明する。 エンジンの回転は、自動変速機にて適宜変速され、入
力ギヤ1を介して入力ギヤマウントケース6に伝達され
る。そして、通常の走行時においては、バルブユニット
31は接続状態であって、ライン圧に比例して減圧したク
ラッチ圧がパイプ32及び油路33,35を介して油圧アクチ
ュエータ27の両油室27a,27bに供給され、湿式多板クラ
ッチ26が所定圧力にて接続状態にある。従って、センタ
ーディファレンシャル装置2はそのデフキャリア2cと右
サイドギヤ2aとが所定結合力で結合され、その差動が所
定規制力により制限されたことになる。これにより、路
面とタイヤとの摩擦力が上述規制力より小さい場合、例
えば、雪道、ダート道路等のように摩擦係数の小さい路
面の場合、クラッチ26の圧着力に基づきセンターディフ
ァレンシャル装置18は直結に近い状態にあり、入力ギヤ
マウントケース6の回転は、摩擦クラッチ26及び一体に
回転するセンターディファレンシャル装置2を介してフ
ロントディファレンシャル装置3のデフキャリア3cに伝
達され、更にピニオン3pを介して左右ガイドギヤ3a,3b
にトルク分配されて左右前輪を駆動すると共に、センタ
ーディファレンシャル装置2に固定されているリングギ
ヤ17及びギヤ21を介してドライブピニオンシャフト20に
伝達され、更にリヤディファレンシャル装置によりトル
ク分配がなされて左右後輪を駆動する。また、路面とタ
イヤとの摩擦力が上述クラッチ26による規制力と略々平
衡している場合、例えば舗装道路を比較的高速で走行し
ている場合、路面の摩擦係数の関係において、タイヤス
リツプが生じないようにクラッチ26は滑りながら圧着す
る。即ち、センターディファレンシャル装置18は前後車
輪へのトルク分配が50:50に近づくように付勢した状態
で、前後車輪の回転差を吸収しながら前後車輪へトルク
分配をする。 また、車庫入れ等で、低速で操舵角を大きく切る場
合、前輪及び後輪に回転差が生じるが、この場合スロッ
トル開度が小さく、従ってクラッチ圧も低いため、油圧
アクチュエータ27による押圧力も弱く、差動制御機構11
の摩擦クラッチ26の係合力も弱い。このため、前輪及び
後輪の回転差に基づくセンターディファレンシャル装置
2の左右サイドギヤ2a,2bの相対回転を許容すべく、摩
擦クラッチ26は滑って、タイトコーナーブレーキング現
象の発生を防止しながら、前後輪にトルクを伝達する。 そして、山道等の急なカーブが連続して続く道を比較
的高速で走行する場合、運転者は好みによりバルブユニ
ット31を切位置に操作することができる。すると、差動
制御機構11の油圧アクチュエータ27へのライン圧の供給
は遮断され、摩擦クラッチ26は解放される。すると、マ
ウントケース6の回転はスリーブ部6bを介してセンター
ディファレンシャル装置2のデフキャリア2cに伝達さ
れ、更にデフピニオンから左右のサイドギヤ2a,2bに分
岐・伝達される。そして、左サイドギヤ2aの回転はスリ
ーブ軸25を介してフロントディファレンシャル装置3の
デフキャリア3cに伝達され、更にデフピニオン3pから左
右のサイドギヤ3a,3bに分岐・伝達されてそれぞれ左右
フロントアクスル軸7l,7rに伝達される。一方、右サイ
ドギヤ2bの回転は該ギヤとスプライン結合しているギヤ
マウントケース16に伝達され、更に後輪駆動用リングギ
ヤ17及びギヤ21を介してドライブピニオンシャフト39に
伝達され、そして図示しないプロペラシャフト及びリヤ
ディファレンシャル装置を介して左右後輪に伝達され
る。 該センターディファレンシャル装置2を作用させてい
る状態で、例えば左前輪が溝に入って浮いてしまう等の
事態が生じると、センターディファレンシャル装置2の
右サイドギヤ2bが固定され、かつフロントディファレン
シャル装置3の右サイギギヤ3bが固定された状態にな
り、入力ギヤマウントケース6の回転は4倍に増速して
左フロントアクスル軸7lに伝達されることになる。その
結果、マウントケース6のボス部6aと左フロントアクス
ル軸7lとの間で入力回転の3倍の相対回転が生じるが、
該部分には表面処理50が施されており、油路45,46から
の潤滑油の供給と相侯って、該部分に焼付きを生じるこ
とはない。 なお、上述実施例は、差動制御機構11を、常時作動状
態にして用いるが、これを、常時は非作動状態にし、必
要時にのみ作用する、いわゆるデフロック機構として用
いてもよいことは勿論である。 (ト)発明の効果 以上説明したように、本発明によると、フロントディ
ファレンシャル装置のデフケースを、その外周面でベア
リングを介してギアマウントケース内周面に回転自在に
支持することにより、該ギアマウントケースのボス部内
周面のディファレンシャル装置支持部を廃することがで
き、該ギヤマウントケースの軸方向寸法を増大させるこ
となく、ボス部とアクスル軸との摺接部分の軸方向寸法
を増大して、摺接面の面積を拡大でき、面圧を低減でき
るため、該ボス部の前記アクスル軸と対面する孔面に窒
化処理等の表面処理を施すのみで、前記摺接面の焼付き
を防止することができる。 また、上記表面処理を施した摺接面に、前記アクスル
軸の油路から潤滑油を供給すると、一層確実に摺接面の
焼付きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明に係る実施例を示す断面図、第2図は
その主要部を示す拡大断面図、第3図は他の実施例を示
す断面図である。 1…入力ギヤ、2…センターディファレンシャル装置、
2a,2b…2個の出力部材(左右サイドギヤ)、2c…入力
部材(デフキャリア)、3…フロントディファレンシャ
ル装置、3a,3b…2個の出力部材(左右サイドギヤ)、3
c…デフケース(デフキャリア)、5…4輪駆動車用動
力伝達装置、6…ギヤマウントケース、6a…ボス部、6
a′…孔面、7l,7r…(左右フロント)アクスル軸、11…
差動制御機構、15…トランスファー部、26…湿式摩擦多
板クラッチ、27…油圧アクチュエータ、50…表面処理、
51…内面に表面処理を施したスリーブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 加納 威倍 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 峯元 勇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 明石 光生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 雅晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−80354(JP,A) 特開 昭59−57032(JP,A) 実開 昭60−166629(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.入力部材及び2個の出力部材を有するセンターディ
    ファレンシャル装置と、 前記2個の出力部材の一方に連結するデフケース及び前
    輪用の左右アクスル軸にそれぞれ連動する2個の出力部
    材を有するフロントディファレンシャル装置と、 前記センターディファレンシャル装置の2個の出力部材
    の他方に連結するリヤディファレンシャル装置と、を備
    え、 変速機からの回転が伝達される入力ギヤを前記センター
    ディファレンシャル装置の入力部材に連結し、かつ該セ
    ンターディファレンシャル装置にて差動が許容されて出
    力する前記2個の出力部材の回転をそれぞれフロントデ
    ィファレンシャル装置のデフケース及びリヤディファレ
    ンシャル装置に伝達してなる4輪駆動車用動力伝達装置
    において、 前記入力ギヤを固定したギヤマウントケースを変速機ケ
    ースに軸受を介して支持し、かつ該ギヤマウントケース
    内に前記フロントディファレンシャル装置を収納すると
    共に、該フロントディファレンシャル装置のデフケース
    の外周面を、前記軸受を介して前記変速機ケースに支持
    さている前記ギアマウントケースの内周面にベアリング
    を介して回転自在に支持し、 前記フロントディファレンシャル装置の前記2個の出力
    部材の一方に連結している一方のアクルス軸に前記ギア
    マウントケースのボス部を同芯状に被嵌し、 少なくとも、前記ボス部における前記一方のアクスル軸
    と対面する孔面に、窒化処理等の表面処理を施してなる
    ことを特徴とする、 センターディファレンシャル装置を有する4輪駆動車用
    動力伝達装置。 2.前記一方のアクスル軸に、前記ボス部との摺接面へ
    潤滑油を供給する油路を形成したことを特徴とする、 特許請求の範囲第1項記載のセンターディファレンシャ
    ル装置を有する4輪駆動車用動力伝達装置。
JP62245303A 1987-09-29 1987-09-29 センターディファレンシャル装置を有する4輪駆動車用動力伝達装置 Expired - Fee Related JP2897988B2 (ja)

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