JP2533571B2 - ディファレンシャル装置 - Google Patents

ディファレンシャル装置

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JP2533571B2 JP24530487A JP24530487A JP2533571B2 JP 2533571 B2 JP2533571 B2 JP 2533571B2 JP 24530487 A JP24530487 A JP 24530487A JP 24530487 A JP24530487 A JP 24530487A JP 2533571 B2 JP2533571 B2 JP 2533571B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、ディファレンシャル装置、特にセンターデ
ィファレンシャル装置を有する4輪駆動車用動力伝達装
置におけるフロント又はリヤディファレンシャル装置に
用いて好適なディファレンシャル装置に係り、詳しく
は、ディファレンシャル装置におけるピニオンシャフト
の抜止め構造に関する。
(ロ) 従来の技術 従来、ディファレンシャル装置におけるピニオンシャ
フトの抜止め構造は、デフケース側方から抜止めピンを
打込み、該ピンを差込んだ孔の開放端部分をカシメてピ
ンの抜止めを図ったもの、また同様に抜止めピンを打込
んだ後、ピンを差込んだ孔を塞ぐようにスナップリング
を嵌合し、ピンの抜止めを図ったものがある。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかし、上述カシメによる方法は、カシメ忘れ又はカ
シメが不充分で、抜止めピンが抜落ち、ピニオンシャフ
トが抜出す虞れがあり、またカシメ時に強い力を作用す
ると、デフケースが割れてしまうことがあり、更に組付
けが面倒であると共に、一度カシメると分解することが
困難で、組立て性及び分解性にも問題を生じている。
また、上述スナップリングによる方法は、スナップリ
ングが遠心力により外やすく、抜止めピンが抜落ち、ピ
ンシャフトが抜出す虞れがある。
特に、センターディファレンシャル装置を有する4輪
駆動車用動力伝達装置におけるフロント(又はリヤ)デ
ィファレンシャル装置にあっては、一方のフロントアク
スル軸のみが浮き上がって空転した場合、ピニオンギヤ
に大きな回転が作用し、その結果、ピニオンシャフトも
連れ回りによる大きなトルクが作用して抜止めピンに繰
返し影響し、抜止めピンが脱落しやすくなっており、上
述ピニオンシャフトが抜出す危険性が高くなっている。
そこで、本発明は、デフケースが分割ケースであるこ
とを利用して、抜止めピンが完全に抜出ない構造とし、
もって上述問題点を解消したディファレンシャル装置を
提供することを目的とするものである。
(ニ) 問題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図及び第3図を参照に示すと、ピニオンシャフ
ト3dに支持されるピニオンギヤ3pと、該ピニオンギヤ3p
に噛合する左右サイドギヤ3a,3bと、前記ピニオンシャ
フト3dを支持すると共に前記ピニオンギヤ3p及び左右サ
イドギヤ3a,3bを覆うように構成されているデフケース3
cと、を備えてなるディファレンシャル装置3におい
て、前記デフケース3cを、少なくとも前記ピニオンシャ
フトを含む平面にて分割した複数の分割ケース片3c1,3c
2にて構成し、前記ピニオンシャフト3dに、両端が小径
部4a,4bからなる段付ピン4を挿入し、かつその両端小
径部4a,4bを、前記分割ケース片3c1,3c2に形成した小径
孔5a,5bに嵌合して構成したことを特徴とするものであ
る。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、ディファレンシャル装置例えばフ
ロントディファレンシャル装置3は、エンジンからの回
転がデフケース3cに伝達され、更にピニオンギヤ3pから
左右サイドギヤ3a,3bにトルク分配されて、左右フロン
トアクスル軸8l,8rに伝達される。この際、ピニオンシ
ャフト3dには、デフケース3cの回転に基づく遠心力によ
り、外方へ抜出そうとする力、及びピニオンギヤ3pの回
転に基づく連れ回りによる回転力が作用するが、段付ピ
ン4はその大径部4cがデフケース3cの小径孔5a,5bに当
接して抜出ることを規制されており、その結果、ピニオ
ンシャフト3dが抜出すことを確実に防止されている。
また、組立てに際して、左右サイドギヤ3a,3bを組付
けた状態で、デフケース3cの左右分割片3c1,3c2を、ピ
ニオンギヤ3pを装着した複数のピニオンシャフト3dを挟
むようにしてボルト6により一体に組立てる。この際、
ピニオンシャフト3dに形成した横孔7に段付ピン4の大
径部4cを差込み、その両端小径部4a,4bがそれぞれ分割
ケース片3c1,3c2の小径孔5a,5bに嵌入するように、両分
割ケース片3c1,3c2を組付ける。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って本発明の実施例を説明する。
第2図に示すように、フルタイム方式の横置き前エン
ジン式4輪駆動車用動力伝達装置Uは、図示しないエン
ジンからトルクコンバータ及び自動変速機を介して動力
伝達される入力ギヤ1を有しており、該入力ギヤ1はギ
ヤマウントケース2に固定されている。該マウントケー
ス2は、分割ケース片からなると共にボルト12により入
力ギヤ1と共締めされており、かつ支持ケース9にテー
パードローラベアリング9a,9bにより支持され、そして
その内部に、フロントディファレンシャル装置3及び差
動制御装置10が収納されている。更に、フロントディフ
ァレンシャル装置3は、マウントケース2内に2個のニ
ードルベアリング11a,11bにより回転自在に支持されて
いるフロントデフケース3cを有しており、該デフケース
3cはピニオン3pを支持するピニオン軸3dを縦方向に支持
してキャリヤを構成しており、また左右サイドギヤ3a,3
bが左右方向に延びて回転自在に支持されており、そし
て各サイドギヤ3a,3bにはそれぞれ左右フロントアクス
ル8l,8rがそれぞれ動力伝達可能に連結されている(第
1図参照)。
また、前記入力ギヤマウントケース2の右側、即ち、
エンジンの後方に左右二分割可能なトランスファーケー
ス13が組付けられていて、このトランスファーケース13
内に入力ギヤマウントケース2、フロントディファレン
シャル装置3と同軸的にトランスファー部15が組付けら
れている。該トランスファー部15はリングギヤマウント
ケース16を有しており、該リングギヤマウントケース16
は左右二分割可能であって、ハイポイドギヤからなる後
輪駆動用のリングギヤ17を一体的に支承していると共
に、トランスファーケース13に一対のテーパードローラ
ベアリング19,19を介して回転可能に支持されている。
そして、ギヤ17にはドライブピニオンシャフト20に形成
されたハイポイドギヤからなるギヤ21が常時噛合してお
り、該ドライブピニオンシャフト20は図示されていない
プロペラシャフト及びリヤディファレンシャル装置を介
して左右リヤアクスル軸に動力伝達可能に連結されてい
る。そして、リングギヤマウントケース16内にはセンタ
ーディファレンシャル装置18が配置されており、センタ
ーディファレンシャル装置18は先端が開放状態になって
いるデフキャリア18cを備えている。更に、該デフキャ
リア18cは入力ギヤマウントケース2から延びているス
リーブ部2bに連結されていると共に、連結ボス部18c′
の反対側が開口して開放端になっており、かつ該開放端
部分及び連結ボス部18c′にニードルベアリング23,23を
介在してリングギヤマウントケース16に回転自在に支持
されている。また、該デフキャリア18cにはピニオン18p
を支持するピニオン軸18dが取付けられており、右方の
サイドギヤ18bがリングギヤマウントケース16に直接ス
プライン結合しており、また左方のサイドギヤ18aが、
デフキャリヤ連結ボス部18c′内を嵌挿しかつ右フロン
トアクスル軸8rに被嵌しているスリーブ部3c1′を介し
てフロントディファレンシャル装置3のデフケース3cに
連結している。
また、入力ギヤマウントケース2のスリーブ部2b先端
部分に形成されたスプラインにスプライン継手22が摺動
のみ自在に嵌合しており、該スプライン継手22は図示し
ない操作レバーにより軸方向に操作され、リングギヤマ
ウントケース16のスリーブ部に形成されたスプラインに
係合するロック位置(第2図上半図参照)と非係合とな
る解放位置(第2図下半図参照)とに切換えられ、メカ
デフロック機構を構成している。該メカデフロック機構
は、通常時解放位置にあるが、サービス工場等において
タイヤをローラ上に載置して各種検査を行う際にロック
位置に切換えられる外、脱輪等の非常時にも使用し得
る。
そして、差動制御装置10は、第1図に詳示するよう
に、フロントディファレンシャル装置3を覆うようにか
つ該装置3と同軸的に設けられた入力ギヤマウントケー
ス2内に配置されており、湿式摩擦多板クラッチ26及び
その油圧アクチュエータ27からなる。該クラッチ26はそ
のセパレータがマウントケース2に連結されかつその内
摩擦板がデフケース3cに連結されており、更にこれら摩
擦板は油圧アクチュエータ27にて押圧制御される。ま
た、油圧アクチュエータ27はマウントケース6に形成さ
れたシリンダ内に油密状に収納されている第1ピストン
28及び第2ピストン29、そして両ピストン間に位置して
油密状に配置されている反力板30を有しており、これら
ピストンは、第1ピストン28が第2ピストン29の外周鍔
部に当接し、かつ反力板30がシリンダ端面に当接して、
ダブルピストンを構成している。また、第2図に示すよ
うに、トランスファーケース13には差動制御装置10用の
バルブユニット31が設置されており、該ユニット31から
の制御油圧がパイプ32、油路33,35を介して油圧アクチ
ュエータ27の第1油室27a及び第2油室27bに作用してい
る。
一方、ギヤマウントケース2はフランジ部2a、ドラム
部2c及びスリーブ2bからなり、フランジ部2aは段付状に
なっており、入力ギヤ1を固定していると共にそのボス
部にて左フロントアクスル軸8lに摺接している。また、
ドラム部2cはその内面にクラッチ26の摩擦板用スプライ
ンが形成されており、かつその一端フランジが前記フラ
ンジ部2aにボルト締めされ、また他端がスリーブ部2bの
鍔部に溶着されている。更に、スリーブ部2bはその鍔部
に前記油圧アクチュエータ27を構成するピストン28,29
及び圧力板30が嵌合されており、かつ該端がデフケース
3cのスリーブ部3c1′を被嵌して延びている。
また、フロントディファレンシャル装置3のデフケー
ス3cは2つ割片3c1,3c2からなると共に、ボルト6にて
油密状に固定されてなり、更に一方のケース片3c1はそ
の外周に前記摩擦多板クラッチ26の摩擦板用スプライン
が形成されていると共に、右アクスル軸8rを被嵌するよ
うにしてセンターディファレンシャル装置18まで延びる
長いスリーブ部3c1′を有している。そして、該デフケ
ーススリーブ部3c1′とマウントケーススリーブ6bとの
間にニードルベアリング11aが介在しており、またデフ
ケース3cの他方のケース3c2片部とマウントケースフラ
ンジ部3aの片部との間にニードルベアリング11bが介在
しており、従ってテーパードローラベアリング9a,9bに
てラジアル方向及びスラスト方向を支持されているマウ
ントケース6内に、両ニードルベアリング11a,11bにて
ラジアル方向を支持されてデフケース3cが回転自在に配
置されている。また、デフケース3cはピニオンシャフト
3dを含む平面にて分割されており、かつ第3図に詳示す
るように、そのフランジ部にそれぞれ小径孔5a,5bが形
成されている。また、ピニオンシャフト3dには横方向に
貫通して孔7が形成されており、そして両端が小径部4
a,4bからなる段付ピン4の大径部4cが上部孔7に嵌合
し、該孔7の両端から突出した小径部4a,4bが前記デフ
ケース小径部5a,5bにそれぞれ嵌合している。
そして、デフケース3cは、各分割ケース片3c1,3c2
それぞれサイドギヤ3b,3aをそれぞれ装着した状態で、
ピニオンギヤ3pを支持したピニオンシャフト3dを挟むよ
うにして組付け、ボルト6にて締め付ける。この際、ピ
ニオンシャフト3dに段付ピン4を組付けており、その両
端小径部4a,4bがケース片の小径孔5a,5bに嵌挿するよう
に組付けることにより、容易に抜止めピンを構成する段
付ピン4を組付けることができると共に、デフケース3c
を組立てた後は、段付ピン4の段部が小径孔5a,5bに当
ってピン4が抜落ちることはない。
また、デフケース3の一方のケース片3c2が左サイド
ギヤ3aの裏面側部にスラストワッシャを介して摺接する
と共に、該ギヤ3aのボス部に摺接して側壁を構成してお
り、また他方のケース片3c1の段付部が右サイドギヤ3b
の裏面側部にスラストワッシャを介して摺接すると共
に、該ギヤ3bのボス部に摺接して側壁を構成しており、
これら側壁及びデフケース外周壁にて構成される室C内
に両サイドギヤ3a,3b及びピニオンギヤ3pが収納されて
いる。従って、上記デフケース3c内部の室Cは、潤滑油
が供給されると、該潤滑油を貯溜するオイル溜りを構成
している。
一方、ケース9に潤滑油供給孔39が形成されており、
該供給孔39から供給される潤滑油は、スリーブ部2bに形
成された孔40を通ってニードルベアリング11a,23,23等
を潤滑し、そしてケース13に形成された排出孔41から排
出されると共に、ニードルベアリング11aを通ってフロ
ントディファレンシャル装置3方向に導かれた潤滑油は
隙間aを通ってギヤマウントケース2内に溜められ、ク
ラッチ26の摩擦板を潤滑し、そしてマウントケース6に
形成された排出孔42から排出される。この際、ニードル
ベアリング11aはそのニードル数等により、潤滑油流量
を適宜規制してオリフィスを構成しており、クラッチ26
方向に導入する潤滑油量は所定量に制御される。更に、
スリーブ部3c1′に形成された孔43からアクスル軸8rと
スリーブ部3c1′との間bに導かれた潤滑油はスラスト
ワッシャを通ってフロントデフケース3c内に供給され、
該ケース内に形成された室C内に溜り、フロントデフケ
ース3cとマウントケース6aの間のワッシャを潤滑した後
孔49より排出されると共にニードルベアリング11bを潤
滑した後、排出孔42から排出される。一方、トランスア
クスルケース(支持ケース)9の左アクスル軸8l部分に
も潤滑供給孔50が形成されており、該供給孔50から供給
された潤滑油はアクスル軸8lに形成された横孔47及び縦
孔45そして横孔46を介してマウントケースフランジ部6a
のボス部とアクセル軸8lの間に供給され、更にテーパー
ドローラーベアリング9aに供給される。
ついで、上述構造に基づく作用について説明する。
エンジンの回転は、自動変速機にて適宜変速され、入
力ギヤ1を介して入力ギヤマウントケース2に伝達され
る。そして、通常の走行時においては、バルブユニット
31は接続状態にあって、クラッチ圧がパイプ32及び油路
33,35を介して油圧アクチュエータ27の両油室27a,27bに
供給され、湿式多板クラッチ26が所定圧力にて接続状態
にある。従って、センターディファレンシャル装置18は
そのデフキャリア18cと右サイドギヤ18aとが所定結合力
で結合され、その差動が所定規制力により制限されたこ
とになる。該規制力の範囲内、即ち車輌が通常の路面を
ある速度以上で走行し、前輪及び後輪の走行負荷に大き
な差がない場合、入力ギヤマウントケース2の回転は、
摩擦クラッチ26及び一体に回転するセンターディファレ
ンシャル装置18を介してフロントディファレンシャル装
置3のデフケース3cに伝達され、更にピニオン3pを介し
て左右サイドギヤ3a,3bにトルク分配された左右前輪を
駆動すると共に、センターディファレンシャル装置18に
固定されているリングギヤ17及びギヤ21を介してドライ
ブピニオンシャフト20に伝達され、更にリヤディファレ
ンシャル装置によりトルク分配がなされて左右後輪を駆
動する。
また、車庫入れ等で、低速で操舵角を大きく切る場
合、前輪及び後輪に回転差が生じるが、この場合スロッ
トル開度が小さく、従ってスロットル開度に比例したク
ラッチ圧も低いため、油圧アクチュエータ27による押圧
力も弱く、差動制御装置10の摩擦クラッチ26の係合力も
弱い。このため、前輪及び後輪の回転差に基づくセンタ
ーディファレンシャル装置18の左右サイドギヤ18a,18b
の相対回転を許容すべく、摩擦クラッチ26は滑りつつ該
センターディファレンシャル装置2の差動を制御し、タ
イトコーナーブレーキング現象の発生を防止しながら、
前後輪にトルクを伝達する。
また、雪路、凍結した路面上では、タイヤスリップが
生じて、前輪及び後輪の走行負荷に大きな差が生じる
が、この場合、路面とタイヤ間の摩擦力よりも差動制御
装置10の差動制限力が大きいため、センターディファレ
ンシャル装置18の差動が規制される。この状態では、セ
ンターディファレンシャル装置2は略々一体に回転し、
前輪及び後輪を駆動する。
そして、山道等の急なカーブが連続して続く道を比較
的高速で走行する場合、運転者は好みによりバルブユニ
ット31を切位置に操作することができる。すると、差動
制御装置10の油圧アクチュエータ27へのライン圧の供給
は遮断され、摩擦クラッチ26は解放される。この状態で
は、マウントケース2の回転はスリーブ部2bを介してセ
ンターディファレンシャル装置18のデフキャリア18cに
伝達され、更にデフピニオンから左右のサイドギヤ18a,
18bに分岐・伝達される。そして、左サイドギヤ18aの回
転はスリーブ部3c1′を介してフロントディファレンシ
ャル装置3のデフケース3cに伝達され、更にデフピニオ
ン3pから左右のサイドギヤ3a,3bに分岐・伝達されてそ
れぞれ左右フロントアクスル軸8l,8rに伝達される。一
方、右サイドギヤ18bの回転は該ギヤとスプライン結合
しているギヤマウントケース16に伝達され、更に後輪駆
動用リングギヤ17及びギヤ21を介してドライブピニオン
シャフト20に伝達され、そして図示しないプロペラシャ
フト及びリヤディファレンシャル装置を介して左右後輪
に伝達される。
またこの際、脱輪する等によりデフケース3cに大きな
回転数が作用すると共に、デフピニオン3pが自転し、ピ
ニオンシャフト3dに大きな遠心力と連れ回りによる回転
力が作用しても、段付ピン4の左右両段部がデフケース
片3c1,3c2の小径孔5a,5bに当接して抜落ちることはな
く、ピニオンシャフト3dは確実に保持されると共に自転
が防止される。
なお、上述実施例は、差動制御装置10を、常時差動状
態にして用いるが、これを、常時は非作動状態にし、必
要時にのみ作用する、いわゆるデフロック機構として用
いてもよいことは勿論である。また、ダブルピストンか
らなる油圧アクチュエータ27の第1油室27a及び第2油
室27bに一つの系路からなる油圧を供給し、単なる倍力
機構として用いるが、これを別個の油路により個別に制
御した油圧を供給し、きめ細かいスリップ制御が可能に
なるように構成してもよい。更に、ディファレンシャル
装置として、フロントディファレンシャル装置3に適用
した実施例について説明したが、リヤディファレンシャ
ル装置についても同様に実施できることは勿論であり、
更に場合によっては、センターディファレンシャル装置
にも適用し得る。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、デフケース3c
を、ピニオンシャフト3dを含む平面にて分割すると共
に、該分割ケース片3c1,3c2にそれぞれ形成した小径孔5
a,5bに、ピニオンシャフト3dの抜止めピンを構成する段
付ピン4の両端小径部4a,4bに嵌合したので、デフケー
ス3cを組付けた後は、段付ピンが抜落ちることはなく、
ピニオンシャフト3dが抜出したり、連れ回りして自転す
ることを確実に防止でき、ディファレンシャル装置の信
頼性を向上することができる。また、分割ケース片3c1,
3c2を接合してデフケース3cを組立てる際、同時に板止
めピン4も装着でき、組付け性能を向上し得ると共に、
カシメ等の作業を必要とせず、デフケースが破損するこ
とを防止でき、またデフケース3cを分解する際同時にピ
ニオンシャフト3dも外され、メンテナンス性をも向上し
得る。
特に、大きな遠心力及び連れ回りトルクが作用する、
センターディファレンシャル装置18を有する4輪駆動車
用動力伝達装置におけるフロント又はリヤディファレン
シャル装置に適用した場合でも、ピニオンシャフト3dの
抜止めを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る実施例を示す断面図、第2図は本
発明を適用した4輪駆動車用動力伝達装置を示す断面図
である。そして、第3図はピニオンシャフト部分を示す
拡大断面図である。 1……入力ギヤ、2……ギヤマウントケースディファレ
ンシャル装置、3……(フロント)ディファレンシャル
装置、3a,3b……左右サイドギヤ、3c……デフケース、3
c1,3c2……分割ケース片、4……段付ピン、4a,4b……
小径部、4c……大径部、5a,5b……小径孔、6……ボル
ト、7……(横)孔、10……差動制御装置、15……トラ
ンスファー部、18……センターディファレンシャル装
置、26……湿式摩擦多板クラッチ、27……油圧アクチュ
エータ、U……4輪駆動車用動力伝達装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加納 威倍 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 横山 文友 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・ワーナー株式会社内 (72)発明者 中村 泰也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 峯元 勇 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 雅晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピニオンシャフトに支持されるピニオンギ
    ヤと、該ピニオンギヤに噛合する左右サイドギヤと、前
    記ピニオンシャフトを支持すると共に前記ピニオンギヤ
    及び左右サイドギヤを覆うように構成されているデフケ
    ースとを備えてなるディファレンシャル装置において、 前記デフケースを、少なくとも前記ピニオンシャフトを
    含む平面にて分割した複数の分割ケース片にて構成し、 前記ピニオンシャフトに、両端が小径部からなる段付ピ
    ンを挿入し、かつその両端小径部を、前記分割ケース片
    に形成した小径孔に嵌合してなる、 ディファレンシャル装置。
  2. 【請求項2】前記ディファレンシャル装置が、センター
    ディファレンシャル装置を有する4輪駆動車用動力伝達
    装置におけるフロント又はリヤディファレンシャル装置
    である、 特許請求の範囲第1項記載のディファレンシャル装置。
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