JPH0783972A - 周波数スペクトル分析装置 - Google Patents

周波数スペクトル分析装置

Info

Publication number
JPH0783972A
JPH0783972A JP25503593A JP25503593A JPH0783972A JP H0783972 A JPH0783972 A JP H0783972A JP 25503593 A JP25503593 A JP 25503593A JP 25503593 A JP25503593 A JP 25503593A JP H0783972 A JPH0783972 A JP H0783972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
spectrum
component
estimated
input signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25503593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3316965B2 (ja
Inventor
Katsutoshi Matsuoka
勝年 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP25503593A priority Critical patent/JP3316965B2/ja
Publication of JPH0783972A publication Critical patent/JPH0783972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3316965B2 publication Critical patent/JP3316965B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Balance (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転体の回転に伴う振動を表わす信号に含ま
れる回転に同期しない成分を、周波数スペクトル分析に
より評価可能とする。 【構成】 回転体の回転周波数を、離散的フーリエ変換
によって得られる所定の周波数点におけるスペクトルに
基づいて推定し(ステップS5)、推定した回転周波数
に基づいて各周波数点における回転周波数成分及びその
高調波成分(回転同期成分)を推定するとともに、もと
のスペクトルから回転同期成分の推定値を削除して(ス
テップS7〜S10)、削除後の各周波数点におけるス
ペクトルに基いて回転非同期成分を評価する(ステップ
S12)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピンドル等の回転時
に発生する振動の回転に同期しない振動成分(以下「非
同期成分」という)を評価するための周波数スペクトル
分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転体の振動の非同期成分を評価する手
法としては、回転に同期して1回転ごとに振動の変位信
号の波形を繰りかえし表示させ、一回転時間中の各時点
における変位信号の変動幅を観測する手法が従来より知
られている。
【0003】また、振動の変位信号を回転に同期して一
定回転分サンプリングし、A/D変換してコンピュータ
に取り込み、1回転中の各サンプリング時点における最
大値及び最小値を求め、評価時点における変動幅(=最
大値−最小値)の1回転中における最大値を非同期成分
として求めることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような時間軸上で非同期成分を評価する方法では、いわ
ゆる同期をとる必要がある。即ち、表示波形を観測する
場合には、オシロスコープ等の波形表示装置に、同期信
号として1回転毎に1パルスの信号を入力する必要があ
る。また、サンプリングしてコンピュータに取り込んで
評価する場合も、同様に1回転毎に1パルスの同期信号
が必要であり、さらに1回転中の多数点でサンプリング
するためのクロックパルスも必要である。
【0005】従って、回転の同期信号を得るためのセン
サ等を設ける必要があるが、回転体の設置状態によって
はセンサ等の取付が困難な場合がある。
【0006】また、時間軸上で非同期成分を評価する場
合、複数種類の非同期成分の周波数が互いに簡単な整数
比の関係にないときには、互いの最大値(最小値)が重
なるまで長時間の観測が必要となる。コンピュータに取
り込んで評価する場合には、サンプリング周期内にA/
D変換並びに最大値及び最小値を求める演算を実行でき
なければ、サンプリングデータをメモリに記憶しなけれ
ばならず、膨大なメモリが必要となる。そのため、回転
体の回転数が高くなると分析が困難であった。
【0007】本発明は上述した点に鑑みなされたもので
あり、回転体に同期のためのセンサ等の付加を必要とせ
ず、長時間の観測も必要なく、さらに回転数も比較的制
限しないで非同期成分の評価を行うことができる周波数
スペクトル分析装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、入力信号をディジタルデータに変換し、該デ
ィジタルデータに所定の窓関数を乗じ、離散的フーリエ
変換を行うことにより前記入力信号の所定の周波数点に
おける周波数スペクトルを算出し、前記入力信号の周波
数スペクトルの分析を行う周波数スペクトル分析装置に
おいて、前記入力信号に含まれる特定周期成分の基本周
波数を、前記所定の周波数点における周波数スペクトル
に基づいて推定する基本周波数推定手段と、該推定した
基本周波数に基づき、前記特定周期成分の基本周波数の
整数倍の周波数成分のスペクトルの推定値を算出するス
ペトクル推定手段と、前記所定の周波数点における周波
数スペクトルから、前記特定周期成分のスペクトルの推
定値を削除する特定周期成分削除手段と、前記特定周期
成分が削除された前記所定の周波数点における周波数ス
ペクトルに基づき、前記特定周期成分以外のスペクトル
を評価するスペクトル評価手段とを設けるようにしたも
のである。
【0009】前記基本周波数推定手段は、前記特定周期
成分の基本周波数近傍の、隣接する周波数点のスペクト
ルの比に基づいて前記基本周波数を推定することが望ま
しい。
【0010】前記スペクトル推定手段は、前記推定した
基本周波数の整数倍の周波数近傍の複数の周波数点のス
ペクトルの中から、前記特定周期成分そのものに対応す
るスペクトルを選択し、該選択した周波数点のスペクト
ルに基づいてその周波数点近傍の周波数点におけるスペ
クトルの推定値を算出することが望ましい。
【0011】前記入力信号を、回転体の回転に伴う振動
を表わす信号とし、前記特定周期成分は前記回転体の回
転周期成分とすることが望ましい。
【0012】
【作用】入力信号に含まれる特定周期成分の基本周波数
が推定され、該推定した基本周波数に基づき、特定周期
成分の基本周波数の整数倍の周波数成分のスペクトルの
推定値が算出され、所定の周波数点における周波数スペ
クトルから、特定周期成分(基本周波数成分及びその高
調波成分)のスペクトルの推定値が削除され、削除後の
周波数スペクトルに基づいて、特定周期成分以外のスペ
クトルが評価される。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。
【0014】図1は本発明の一実施例に係る周波数スペ
クトル分析装置の全体構成を示すブロック図である。同
図において1は、分析対象となるアナログ信号(回転体
の回転に伴う振動を表わす信号)f(t)が入力される
信号入力端子であり、入力された信号f(t)は信号処
理部2に供給される。
【0015】信号処理部2は、信号f(t)を適当な振
幅及び周波数帯域に調整し、A/D変換部3に供給す
る。A/D変換部3は入力信号をディジタルデータf
(n)に変換し、演算制御部4に供給する。
【0016】演算制御部4は、入力されたディジタルデ
ータf(n)をメモリ6に記憶し、その後窓関数W
(n)の乗算、離散的フーリエ変換及び指定された周波
数における非同期成分スペクトルのRMS値の算出等を
行い、その算出結果を表示部5に供給する。表示部5
は、算出結果の表示を行う。
【0017】上記信号処理部2、A/D変換部3、演算
制御部4及び表示部5は、操作部7に接続されており、
使用者の操作により、各種パラメータの設定、表示等が
行えるように構成されている。
【0018】次に図2を参照して本実施例の分析装置の
動作を説明する。図2は、図1の装置における処理手順
をフローチャートとして示したものである。
【0019】先ず、アナログ入力信号f(t)を読み込
み、A/D変換を行った後のディジタル化された変位信
号f(n)を取り込む(ステップS1)。次に、サンプ
ル数をNとし、N個のデータ{f(n),n=0,1,
2,…,N−1}に窓関数W(n)を乗算して、データ
{W(n)・f(n),n=0,1,2,…,N−1}
を得る(ステップS2)。なお、本実施例では窓関数と
してハニング窓を採用しており、 W(n)={1−cos(2πn/N),n=0,1,
…,N−1} である。ハニング窓をかけるのは、離散的フーリエ変換
によるスペクトルの拡がりを抑えるためである。
【0020】次に高速フーリエ変換により、データ{W
(n)・f(n),n=0,1,2,…,N−1}につ
いて離散的フーリエ変換を実行し、複素数データ{F
(m),m=0,1,…,N−1}を得(ステップS
3)、パワースペクトル|F(m)|2(m=0,1,
…,N−1)を算出する(ステップS4)。
【0021】続くステップS5では、回転体の回転周波
数の推定を行う。
【0022】ここで回転周波数をf0とすると、周波数
0の正弦波は一般にAcos(2πf0t+Φ)と表わす
ことができる(Φは位相)が、周波数f0が0およびサ
ンプリング周波数fsの1/2に近い周波数でなけれ
ば、
【0023】
【数1】 と表すことができ、以下のように式が簡単になる。これ
をサンプリング期間0≦t≦TをN分割したサンプル点
0,T/N,…,(N−1)T/Nにおけるサンプル値
系列f(n)として表わすと、
【0024】
【数2】 ただしk=f0T,n=0,1,…,N−1 となる。
【0025】上記f(n)にハニングの窓関数W(n)
=1−cos(2πn/N)を乗算した系列を離散的フー
リエ変換したときの周波数点mにおけるスペクトルF
(m)は、
【0026】
【数3】 となる。
【0027】ここで、k(=f0T)は、離散的フーリ
エ変換後の周波数軸上における回転周波数(推定しよう
としている周波数)に対応するので、kに最も近いmを
1とし、式(2)にm=m1及びm1−1を代入して隣
接するスペクトルの比(以下「スペクトル比」という)
F(m1−1)/F(m1)を算出すると以下のようにな
る(電子情報通信学会、論文誌A、vol.J−70−A,
No.5 著者:田部井誠、上田光宏「FETを用いた高
精度周波数設定法」(1987年5月))。
【0028】
【数4】 ここで、m1はkに最も近いこととしていることから、
|k−m1|<1/2であり、Nは例えば1024のよ
うに大きな値であるとすると、|θ|<<1に対してco
sθ≒1,sinθ≒θと近似できるので、 F(m1−1)/F(m1)≒(k−m1−1)/(k−m1+2) =(Δ−1)/(Δ+2)(Δ=k−m1) …(3) となる。
【0029】上記と同様にしてF(m1+1)/F
(m1),F(m1−2)/F(m1−1)及びF(m1
2)/F(m1+1)を算出すると以下のようになる。
【0030】 F(m1+1)/F(m1)≒(k−m1+1)/(k−m1−2) =(Δ+1)/(Δ−2) …(4) F(m1−2)/F(m1−1)≒(k−m1)/(k−m1+3) =Δ/(Δ+3) …(5) F(m1+2)/F(m1+1)≒(k−m1)/(k−m1−3) =Δ/(Δ−3) …(6) ここで、 F(m1−1)/F(m1)=−a1 …(7.1) F(m1+1)/F(m1)=−b1 …(7.2) F(m1−2)/F(m1−1)=c1 …(7.3) F(m1+2)/F(m1+1)=d1 …(7.4) とおくと、式(3)〜(6)により k=m1+(1−2a1)/(1+a1) …(8.1) =m1+(2b1−1)/(1+b1) …(8.2) =m1+3c1/(1−c1) …(8.3) =m1−3d1/(1−d1) …(8.4) となる。
【0031】以下では、窓関数の影響を補正したパワー
スペクトルが算出されているとして、これをF2(m)
(m=0,1,…,N/2−1)と表わし、その平方根
F(m)を振幅スペクトルと言うことにする。式(8.
1)〜(8.4)のいずれかを用いればk値を算出する
ことができるが、実際には回転周波数の概略値は判明し
ているので、この概略値に対応するフーリエ変換後の周
波数点の近傍でパワースペクトルF2(m)が最大とな
るmをm1として a1=F(m1−1)/F(m1) (式(7.1)) b1=F(m1+1)/F(m1) (式(7.2)) よりa1,b1を求め、a1≧b1であれば式(8.1)を
用いて、またa1<b1であれば式(8.2)を用いてk
値を算出する。
【0032】次に、ステップS6で回転周波数(推定
値)kの高調波成分を算出するためのパラメータpを初
期化し、ステップS7でこれを値1だけインクリメント
してステップS8に進む。
【0033】ステップS8では、回転周波数kのp次高
調波成分(p=1のときは基本周波数成分)を算出する
ための各種パラメータの算出を行う。
【0034】p次高調波周波数(推定値)はpk(p×
k)であり、これに最も近い周波数点mをmpとする
と、式(3)〜(6)及び(7.1)〜(7.4)より
振幅スペクトル比の推定値a∧,b∧,c∧,d∧は以
下のようになる。なお、記号∧は通常a,b,c,dの
上部に付されるハット(推定値であることを表わす)に
相当するものであり、a∧で1つのパラメータを表わす
(図2、ステップS8参照)。 a∧=(1−Δ)/(2+Δ) …(9.1) b∧=(1+Δ)/(2−Δ) …(9.2) c∧=Δ/(3+Δ) …(9.3) d∧=Δ/(3−Δ) …(9.4) ただし、Δ=pk−mpである。
【0035】続くステップS9では、先ずスペクトル比
ap,bpを次式により求める。
【0036】 ap=F(mp−1)/F(mp) …(10.1) bp=F(mp+1)/F(mp) …(10.2) さらに、これらを用いて次式により、スペクトルの類似
度ra,rbを算出する。
【0037】 ra=|(ap−a∧)/a∧| …(11.1) rb=|(bp−b∧)/b∧| …(11.2) このようにして算出される類似度ra,rbは、周波数
点mpの近傍のスペクトルが回転周波数のp次成分にど
れだけ近いかを表わす指標であって、ra=0又はrb
=0のとき、周波数点mp近傍のスペクトルは回転周波
数のp次成分そのものであることを示す。即ち、ra値
又はrb値が小さいほど、p次成分に近いことを示す。
【0038】続くステップS10では、図3のフローチ
ャートに示すようにスペクトル比の推定値a∧,b∧の
大小関係並びに類似度ra,rbと閾値ε(例えば0.
03)との大小関係及びraとrbの大小関係に応じ
て、p次成分のスペクトルを推定し、もとのスペクトル
からその推定値を削除する。
【0039】図4は、スペクトル比の推定値a∧,b∧
の大小関係と、周波数点mp近傍のスペクトルの形との
関係を示す図であり、同図において、スペクトルの大き
い方から4本のパワーを合計したものがp次成分のパワ
ーの99.9%以上となる(ハニング窓を採用している
ことによる)点に着目すれば、上記推定と削除の計算
は、これら4本のスペクトルに対して行えば実用上十分
である。図3の処理は、これを具体的に実行するもので
あり、以下のような処理が行われる。
【0040】(1)a∧≧b∧かつra≦εが成立する
場合(ステップS21,S22,S23 処理) 図4(a)の場合であって、類似度raは閾値ε以下な
ので、F2(mp−1)及びF2(mp)は、ほとんど回転
周波数のp次成分(回転p次成分)であると推定され
る。よって、p次成分削除後のパワースペクトルの推定
値は、以下のようになる。
【0041】
【数5】 ただし、max(x,y)は、x,yのうち大きい方を
求める演算である。
【0042】式(12.1)で、C∧22(mp−1)
は、回転p次成分の周波数点(mp−2)におけるパワ
ーの推定値であり(式(9.3)参照)、式(12.
2)でb∧22(mp)は、回転p次成分の周波数点
(mp+1)におけるパワーの推定値である(式(9.
2)参照)。従って、これらをもとのパワーF2(mp−
2)及びF2(mp+1)から削除することにより、周波
数点(mp−2)及び(mp+1)におけるスペクトルの
推定値F∧2(mp−2)及びF∧2(mp+1)を算出す
ることができる。なお、削除後のパワーを0と比べてい
るのは、推定誤差のためにパワーが負の値となることを
防ぐためである。
【0043】(2)a∧≧b∧かつra>εかつrb≦
εが成立する場合(ステップS21,S22,S24,
S25 処理) 図4(a)の場合であって、類似度rbは閾値ε以下な
ので、F2(mp+1)及びF2(mp)はほとんど回転p
次成分と推定され、p次成分削除後のスペクトルの推定
値は以下のようになる。
【0044】
【数6】 式(13.1)でa∧22(mp)は、回転p次成分の
周波数点(mp−1)におけるパワーの推定値であり
(式(9.1)参照)、式(13.2)でc∧2a∧2
2(mp)は、回転p次成分の周波数点(mp−2)にお
けるパワーの推定値である(式(9,1),(9.3)
参照)。
【0045】(3)a∧≧b∧かつra>εかつrb>
εかつra≦rbが成立する場合(ステップS21,S
22,S24,S26,S27 処理) 図4(a)の場合であって、回転p次成分以外の信号成
分のため、類似度ra,rbはいずれも閾値εを越えて
いるが、ra≦rbよりmpより周波数の高い側からの
他の信号成分の影響が強いと考えられるので、F2(mp
−1)を回転p次成分と推定し、回転p次成分削除後の
スペクトルの推定値は以下のようになる。
【0046】
【数7】 式(14.1)〜(14.3)におけるa∧-22(mp
−1),b∧2a∧-22(mp−1),及びc∧2
2(mp−1)は、それぞれ周波数点(mp),(mp+
1)及び(mp−2)における回転p次成分のパワーの
推定値である。
【0047】(4)a∧≧b∧かつra>εかつrb>
εかつra>rbが成立する場合(ステップS21,S
22,S24,S26,S28 処理) 図4(a)の場合であって、ra>rbよりmpより周
波数の低い側からの回転p次成分以外の信号成分の影響
が強いと考えられるので、F2(mp+1)を回転p次成
分と推定し、回転p次成分削除後のスペクトルの推定値
は以下のようになる。
【0048】
【数8】 式(15.1)〜(15.3)におけるb∧-22(mp
+1),a∧2b∧-22(mp+1),及びc∧2a∧2
b∧-22(mp+1)は、それぞれ周波数点(mp),
(mp−1)及び(mp−2)における回転p次成分のパ
ワーの推定値である。
【0049】一方、図3でa∧<b∧が成立するとき
は、図4(b)の場合に相当し、処理〜に対応する
処理〜が実行される。これらの処理は、処理〜
と同様の処理なので、以下に回転p次成分削除後のスペ
クトルの推定値のみ示す。
【0050】(5)a∧<b∧かつrb≦εが成立する
場合(ステップS21,S29,S30 処理)
【0051】
【数9】 (6)a∧<b∧かつrb>εかつra≦εが成立する場
合(ステップS21,S29,S31,S32 処理
【0052】
【数10】 (7)a∧<b∧かつrb>εかつra>εかつrb≦r
aが成立する場合(ステップS21,S29,S31,
S33,S34 処理)
【0053】
【数11】 (8)a∧<b∧かつrb>εかつra>εかつrb>ra
が成立する場合(ステップS21,S29,S31,S
33,S35 処理)
【0054】
【数12】 図2にもどり、ステップS11では、p値が上限値Pよ
り小さいか否かを判別し、p<Pが成立するときには、
前記ステップS7にもどり、p≧Pが成立するときには
ステップS12に進む。ここで、上限値Pは、k×p<
N/2(Nはサンプル数)を満たす最大のp値である。
上述のように、p=1〜Pに対して回転周波数成分の削
除計算を施した4P個の点以外の(N/2−4P)個の
周波数点のパワースペクトルF2(m)はもとのままと
する。すなわち、F∧2(m)=F2(m)である。
【0055】ステップS12では、上述のようにして算
出された回転非同期成分のスペクトルの評価を行う。
【0056】上述した処理を経た後、パワースペクトル
2(m)の推定値(F∧2(m))は、図4に示すよう
に4〜5本のスペクトルに分散(リーケージ)している
ので、ある周波数点sの近傍のパワースペクトルPsp
は、例えば、
【0057】
【数13】 として評価することができ、これの平方根をとればRM
S値(自乗平均平方根値)となる。
【0058】また、周波数点si(i=1,2,…,
I)にある複数のスペクトルの結合パワーPsptotal
は、
【0059】
【数14】 として評価することができ、これの平方根をとれば総合
のRMS値となる。
【0060】さらに、この場合の回転非同期成分の最大
振幅値Fmaxは、
【0061】
【数15】 として評価することができる。
【0062】以上のように本実施例によれば、回転振動
信号の離散的フーリエ変換を行った後の各周波数点にお
けるスペクトルに基づいて、回転同期成分を推定し、こ
れを各周波数点におけるスペクトルから削除することに
より、回転非同期成分を容易に評価することができる。
即ち、時間軸上で非同期成分を評価する場合のように回
転同期信号を得るためのセンサ等が不要となり、また各
非同期成分間の位相関係の影響を受けないので、短時間
の観測により非同期成分の最大振幅値を評価することが
できる。
【0063】上述した実施例では、窓関数としてハニン
グ窓を用いたが、例えばハミング窓やブラックマン窓等
を用いた場合にも同様の手法を適用することができる。
【0064】例えば、ハミング窓WH(n)=1.08
−0.92cos(2πn/N)を用いると、振幅スペク
トルF(m1)は近似的に、
【0065】
【数16】 Δ=k−m1,|Δ|≦0.5 となるので、各スペクトル比は、例えば
【0066】
【数17】 のように得られるが、これらの式から前記式(8.
1),(8.2)のように回転周波数の推定値k(=m
1+△)をa1やb1で陽に表わすことはできない(上記
式(20.1),(20.2)をkについて代数的に解
くことはできない)。また、ブラックマン窓WB(n)
=0.84−cos(2πn/N)+0.16cos(4πn
/N)を用いると、振幅スペクトルF(m1)は近似的
に、
【0067】
【数18】 Δ=k−m1,|Δ|≦0.5 となり、スペクトル比a1等はΔの5次式となるので、
ハミング窓を用いた場合と同様に推定値kをa1等で陽
に表わすことはできない。
【0068】しかし、それぞれΔの3次方程式あるいは
5次方程式を解くか、またはa1,b1とΔの関係を離散
点の数値表としてあらかじめ作っておいて、スペクトル
比の値a1が与えられたらその近傍の離散点の数値を用
いて補間計算する方法等によってΔすなわちkを求める
ことができる(図2のステップS5)。
【0069】なお、上述の窓関数(ハミング窓又はブラ
ックマン窓)のいずれを用いても、図2のフローチャー
トのステップS6以降はまったく同じでよい。リーケー
ジ抑圧性能が3者中最も低いハニング窓を用いても、理
論上のスペクトル評価(図2、ステップS12)の誤差
は0.1%以下である。
【0070】また、矩形窓WR(n)=1を用いた場
合、すなわちサンプル値f(n)を変えない場合は、
【0071】
【数19】 のようになり、kは容易に求めることができるが、本質
的にリーケージが大きいので、図2のステップS10に
おいて推定し削除すべき周波数点が多くなって計算上不
利であるばかりでなく、同図ステップS12における非
同期成分の評価時の誤差も大きくなる。したがって、矩
形窓は実用的ではない。
【0072】また、上述した実施例では、回転体の回転
に伴う振動の変位信号の周波数スペクトル分析を行う場
合を示したが、これに限るものではなく、分析対象の信
号に含まれる特定周波数成分及びその高調波成分を除い
た成分の分析、評価に適用することも可能である。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、入
力信号に含まれる特定周期成分の基本周波数が推定さ
れ、該推定した基本周波数に基づき、特定周期成分の基
本周波数の整数倍の周波数成分のスペクトルの推定値が
算出され、所定の周波数点における周波数スペクトルか
ら、特定周期成分(基本周波数成分及びその高調波成
分)のスペクトルの推定値が削除され、削除後の周波数
スペクトルに基づいて、特定周期成分以外のスペクトル
が評価されるので、例えば入力信号が回転体の回転に伴
う振動信号であって、特定周期成分が回転同期成分であ
る場合には、時間軸上で回転非同期成分を評価する場合
のように回転同期信号を得るためのセンサ等が不要とな
り、また各非同期成分間の位相関係の影響を受けないの
で、短時間の観測により、非同期成分の最大振幅値を評
価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る周波数スペクトル分析
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の装置における処理の手順を説明するため
のフローチャートである。
【図3】図2の処理の一部を詳細に示すフローチャート
である。
【図4】回転同期成分のスペクトルの一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 信号入力端子 2 信号処理部 3 A/D変換部 4 演算制御部 5 表示部 6 メモリ 7 操作部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号をディジタルデータに変換し、
    該ディジタルデータに所定の窓関数を乗じ、離散的フー
    リエ変換を行うことにより前記入力信号の所定の周波数
    点における周波数スペクトルを算出し、前記入力信号の
    周波数スペクトルの分析を行う周波数スペクトル分析装
    置において、 前記入力信号に含まれる特定周期成分の基本周波数を、
    前記所定の周波数点における周波数スペクトルに基づい
    て推定する基本周波数推定手段と、 該推定した基本周波数に基づき、前記特定周期成分の基
    本周波数の整数倍の周波数成分のスペクトルの推定値を
    算出するスペトクル推定手段と、 前記所定の周波数点における周波数スペクトルから、前
    記特定周期成分のスペクトルの推定値を削除する特定周
    期成分削除手段と、 前記特定周期成分が削除された前記所定の周波数点にお
    ける周波数スペクトルに基づき、前記特定周期成分以外
    のスペクトルを評価するスペクトル評価手段とを設けた
    ことを特徴とする周波数スペクトル分析装置。
JP25503593A 1993-09-17 1993-09-17 周波数スペクトル分析装置 Expired - Fee Related JP3316965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25503593A JP3316965B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 周波数スペクトル分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25503593A JP3316965B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 周波数スペクトル分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0783972A true JPH0783972A (ja) 1995-03-31
JP3316965B2 JP3316965B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=17273270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25503593A Expired - Fee Related JP3316965B2 (ja) 1993-09-17 1993-09-17 周波数スペクトル分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3316965B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08201162A (ja) * 1995-01-25 1996-08-09 Nippon Seiko Kk 周期信号処理装置
JP2002040066A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Furuno Electric Co Ltd 信号周波数算出方法および信号処理装置
JP2004239911A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Bentley Nevada Llc 機械の振動から機械の運転速度を判定するシステム、装置及び方法
JP2009050078A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 機械設備の異常判定装置及び機械設備の異常判定方法
JP2010216938A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Fuji Electric Systems Co Ltd 回転機の振動監視装置および振動監視方法
JP2012068035A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Mitsubishi Electric Corp 周波数解析装置
CN102998528A (zh) * 2012-12-12 2013-03-27 湖南大学 动态正弦畸变信号中频率分量的提取方法及其实现装置
CN103353344A (zh) * 2013-06-25 2013-10-16 国家电网公司 基于自适应stft的旋转机械阶次跟踪方法
JP2015165300A (ja) * 2014-02-05 2015-09-17 国立大学法人電気通信大学 信号中に含まれる正弦成分抽出装置、正弦成分抽出方法及びプログラム
CN106199183A (zh) * 2016-08-16 2016-12-07 国电南瑞科技股份有限公司 一种实现次同步振荡在线辨识告警的pmu和方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08201162A (ja) * 1995-01-25 1996-08-09 Nippon Seiko Kk 周期信号処理装置
JP2002040066A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Furuno Electric Co Ltd 信号周波数算出方法および信号処理装置
JP2004239911A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Bentley Nevada Llc 機械の振動から機械の運転速度を判定するシステム、装置及び方法
JP2009050078A (ja) * 2007-08-20 2009-03-05 Sumitomo Metal Ind Ltd 機械設備の異常判定装置及び機械設備の異常判定方法
JP2010216938A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Fuji Electric Systems Co Ltd 回転機の振動監視装置および振動監視方法
JP2012068035A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Mitsubishi Electric Corp 周波数解析装置
CN102998528A (zh) * 2012-12-12 2013-03-27 湖南大学 动态正弦畸变信号中频率分量的提取方法及其实现装置
CN103353344A (zh) * 2013-06-25 2013-10-16 国家电网公司 基于自适应stft的旋转机械阶次跟踪方法
JP2015165300A (ja) * 2014-02-05 2015-09-17 国立大学法人電気通信大学 信号中に含まれる正弦成分抽出装置、正弦成分抽出方法及びプログラム
CN106199183A (zh) * 2016-08-16 2016-12-07 国电南瑞科技股份有限公司 一种实现次同步振荡在线辨识告警的pmu和方法
CN106199183B (zh) * 2016-08-16 2018-09-28 国电南瑞科技股份有限公司 一种实现次同步振荡在线辨识告警的pmu和方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3316965B2 (ja) 2002-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1148320B1 (en) System and method for analyzing signals generated by rotating machines
US6598004B1 (en) Jitter measurement apparatus and its method
JP3974040B2 (ja) ジッタ測定装置およびジッタ測定方法
US3714566A (en) Apparatus and methods for deriving in essentially real time continuous electrical representations of the fourier and inverse fourier transform
US6915224B2 (en) Method for optimum spectrum analysis
JP3316965B2 (ja) 周波数スペクトル分析装置
WO1998036284A1 (fr) Analyseur de signal en temps reel
WO2004080055A2 (en) Method and apparatus for the recovery of signals acquired by an interleaved system of digitizers with mismatching frequency response characteristics
JP3147566B2 (ja) 周波数スペクトル分析装置
US6751641B1 (en) Time domain data converter with output frequency domain conversion
WO2002103377A1 (fr) Appareil et procede de mesure de scintillement
Guo et al. Order-crossing removal in Gabor order tracking by independent component analysis
JP2000055949A (ja) 周波数分析方法及び周波数分析装置
JPH08184624A (ja) 伝達関数測定装置
JPH11259454A (ja) フーリエ変換装置
JP4242346B2 (ja) 変調された信号の包絡線の決定方法
JP4252736B2 (ja) データ補間プログラムおよびデータ補間装置
JP3438376B2 (ja) 周期信号処理方法および装置
Suchanek et al. Experimental verification of different models of the ADC transfer function
JP3027014B2 (ja) Fftスペクトルアナライザ
JPH0464059A (ja) 分析データ処理装置
JPH05264335A (ja) 回転次数比分析方法および装置
JP2000284008A (ja) 周波数測定方法及び周波数測定装置
JPH0634681A (ja) Fftアナライザ
JP2005078559A (ja) 特性不明システムの同定装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees