JPH11259454A - フーリエ変換装置 - Google Patents

フーリエ変換装置

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JPH11259454A
JPH11259454A JP10057128A JP5712898A JPH11259454A JP H11259454 A JPH11259454 A JP H11259454A JP 10057128 A JP10057128 A JP 10057128A JP 5712898 A JP5712898 A JP 5712898A JP H11259454 A JPH11259454 A JP H11259454A
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JP
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signal
analog
fourier transform
fourier
equation
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JP10057128A
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English (en)
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Shiyoubou Chiyou
小▲忙▼ 張
Naoyuki Fukuda
尚行 福田
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Original Assignee
Sharp Corp
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 演算処理を高速にかつ高精度に実現すること
ができ、かつ演算回数が少なくて、低消費電力のフーリ
エ変換装置を提供する 【解決手段】 正余弦波信号発生部1は、アナログの直
流信号及び(2N−2)個のアナログの正余弦波信号si
n(ωt),cos(ωt),……を発生し、これらの信号を出力
する。フーリエ係数変換部2は、各フーリエ係数に対応
する各可変抵抗部rr0,ri1,rr1,ri2,…,rr(N-
1)を有しており、各フーリエ係数の変化に応答して、各
可変抵抗部の抵抗を変更する。加算部3は、加算回路3
-1と抵抗rfを備えており、フーリエ係数変換部2にお
ける各フーリエ係数に対応する各可変抵抗部からの出力
を加算し、この加算結果を示すアナログ信号を出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号の分析、信号
の圧縮や復号等の処理に用いられるフーリエ変換を行う
フーリエ変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フーリエ変換は、信号の分析、信号の圧
縮や復号等の処理に欠かせない存在である。その考え方
は、“任意の周期関数は三角関数の和として表せる。”
ということである。周期を持たない信号は、無限大の周
期を持つ関数と考える。
【0003】近年、良く使われているのは、離散的フー
リエ変換である。t=0からt=(N−1)の合計N個
のサンプル値から与えられたサンプル信号の周期は、T
=Nとなる。この信号の周波数fNは、次式(2)から
求められる。
【0004】
【数4】
【0005】この周波数fNの成分が基本波成分とな
り、その整数倍k/Nの高調波成分が求められる。これ
らの周波数成分を用いてフーリエ変換の定義式から、以
下のような離散的フーリエ変換式とその逆変換式を定め
る。
【0006】・フーリエ変換式(正弦波成分と余弦波成
分による表示)
【0007】
【数5】
【0008】・フーリエ逆変換式(正弦波成分と余弦波
成分による表示)
【0009】
【数6】
【0010】ただし、g(n)はサンプル信号、a(n
/N)、b(n/N)はフーリエ係数である。
【0011】上記各式(3),(1)は、正弦波成分と
余弦波成分を分離して表示したフーリエ展開式である。
【0012】また、次式(4)を用いて上記各フーリエ
展開式の複素数表示を求める。
【0013】
【数7】
【0014】・フーリエ変換式(複素数による表示)
【0015】
【数8】
【0016】・フーリエ逆変換式(複素数による表
示):
【0017】
【数9】
【0018】更に、G(n/N)をGn、g(n)をgn
と略記し、次式(7)に示す回転子Tを用いて、上記各
フーリエ変換式を回転子で表示する。
【0019】
【数10】
【0020】・フーリエ変換式(回転子による表示)
【0021】
【数11】
【0022】・フーリエ逆変換式(回転子による表示)
【0023】
【数12】
【0024】ところで、上記各フーリエ変換式は、計算
量が膨大である。このため、これらのフーリエ変換式を
実際的な演算に直接適用するのは困難であり、より実用
的な高速フーリエ変換(以下FFTと称す)が用いられ
る。
【0025】このFFTは、変換式のサンプル信号gk
と回転子Tnkの乗算、及びΣで表される加減算回数を大
幅に減少させたアルゴリズムである。
【0026】このFFTは、幅広い領域で応用され、そ
のアルゴリズムとして、極めて多くの方式が提案されて
いる。各アルゴリズムの方式には、アルゴリズムの容易
さ、演算速度、ソフトウェアプログラムの構成、ハード
ウェアを実現する上での有利性などの面においてそれぞ
れに特徴がある。それらの中で、最も典型的に良く使わ
れているのは、基数2の高速フーリエ変換である。
【0027】この基数2の高速フーリエ変換は、次の様
なものである。まず、サンプル値の数Nが冪乗であると
する。
【0028】
【数13】
【0029】係数1/Nを省略すると、フーリエ変換式
が次のようになる。
【0030】
【数14】
【0031】
【数15】
【0032】ただし、
【0033】
【数16】
【0034】例えば、N=2n0とすると、このアルゴリ
ズムをn0回利用できることになり、この様子を図7に
示す。
【0035】図7において、DFTは離散フーリエ変換
を示しており、例えばN=24とすると、アルゴリズム
を4回繰り返す。
【0036】アルゴリズムは、バタフライ(butterfl
y)演算という基本演算を中心として構成される。バタ
フライ演算を実現するには、入力データと係数のビット
入れ換え(bit reversal)操作を使用する。
【0037】ここでは、高速フーリエ変換だけを紹介し
た。高速フーリエ逆変換についてはGkとgnを互換すれ
ばやり方はほぼ同じであるので、説明を省略する。
【0038】更なる具体例として、特開平5−1894
70号公報、特開平5−174046号公報及び特開平
5−189471号公報に示される技術を挙げることが
できる。
【0039】特開平5−189470号公報は、時系列
データ入力型フーリエ変換方式に関し、ディジタル方式
によるフーリエ変換を開示している。前述のFFTアル
ゴリズムを利用し、多数の演算器とバッファを使って実
時間でフーリエ変換を行なう。N個のデータを集め終る
前に、処理に入ることがこの方式の特徴である。
【0040】特開平5−174046号公報は、演算回
路として乗算器などを用い、ディジタル方式でバタフラ
イ演算を行なう回路構成を示している。
【0041】特開平5−189471号公報は、パタフ
ライ形演算装置がパイプラン方式で、ビット入れ換えア
ドレッシング技術などを利用してFFTを行なう。これ
は典型的なFFTプロセッサの実現方法である。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】前述のFFTアルゴリ
ズムは、オフラインの高級言語によるデータ分析では特
に問題がない。しかし、オンラインで、DSP(Degita
l Signal Processer)を用いてデータ処理を行う場合に
は、つまり、例えば実時間で、フーリエ変換によって圧
縮された音声データや画像データを再生する場合には、
いくつかの問題点がある。
【0043】(1)アルゴリズムはハードにより左右さ
れる。
【0044】ソフトウエアはハードに依存するために、
ハードが変わればソフトとそのアルゴリズムを改めて作
らなければならない。開発期間は長くなる。
【0045】(2)特殊な演算を行なうためにFFT以
外のデータ処理に悪影響を与える。
【0046】バタフライ演算のビット入れ換え操作を実
現するには、特別なアドレッシングをハード化しなけれ
ばならない。このため、同じハードで同時に汎用処理を
させると、命令コードが長くなり、これによって使用率
が悪く、インストラクションメモリサイズが大きくなっ
てしまう。これは、LSIのコストアップ原因の一つに
なる。
【0047】(3)精度は速度に制限される。
【0048】処理精度を上げるために、ビット数をある
程度まで増やす必要がある。FFTアルゴリズムでは、
乗算や加算を多く行うので、それらの演算のキャリア処
理を保証するのに速度(クロック)制限を生じる。
【0049】(4)消耗電力はクロックアップにより増
える。
【0050】DSPによるオンラインデータ処理では、
高速化が要求される。アルゴリズムを高速化するため
に、クロック周波数を上昇させるのはよく使う手法であ
る。ところが、ディジタル回路では、クロック周波数に
比例して、消耗電力は上昇する。これは、電池をなるべ
く長時間使用するために、低消費電力が望まれる携帯用
機器に不向きである。
【0051】例えば、Ti社の汎用DSPであるTMS
320C50は、サンプル値の数N=64のときのFFT演
算に28951サイクル(クロック周波数が40MHzの場
合は72.38μsに相当する)を要する。同様に、N
=256のときのFFT演算には15890サイクル、N=
1024のときのFFT演算には82761サイクルを必要
とする。この様に演算に多くのサイクル数を要する場合
は、演算を速やかに遂行するために、高いクロック周波
数を採用せねばならなず、これによって消費電力が上昇
する。このため、汎用DSPを携帯用機器に用いること
はできない。
【0052】前述の特開平5−189470号公報、特
開平5−174046号公報及び特開平5−18947
1号公報のいずれも、FFT専用のディジタルプロセッ
サを用いるため、上記汎用DSPと同様の問題点があ
る。
【0053】そこで、本発明は、上記従来の技術に鑑み
なされたものであり、演算処理を高速にかつ高精度に実
現することができ、かつ演算回数が少なくて、低消費電
力のフーリエ変換装置を提供することを目的とする。
【0054】
【課題を解決するための手段】上記課題を課題を解決す
るために、本発明のフーリエ変換装置は、複数の正弦波
信号及び複数の余弦波信号を発生する信号発生手段と、
フーリエ係数に対応する回路パラメータをそれぞれ有
し、前記信号発生手段によって発生された前記各正弦波
信号及び前記各余弦波信号をそれぞれ入力する複数のア
ナログ回路と、前記各アナログ回路の出力に対する演算
を行い、これによって得られたアナログ信号を出力する
演算手段とを備えている。
【0055】この様な構成によれば、信号発生手段によ
って、各正弦波信号及び各余弦波信号を発生し、該各正
弦波信号及び該各余弦波信号を各アナログ回路に入力し
ている。これらのアナログ回路は、各フーリエ級数に対
するそれぞれの回路パラメータを有しており、該各フー
リエ級数に基づく演算を該各正弦波信号及び該各余弦波
信号に対して施す。演算手段は、各アナログ回路の出力
に対する演算を行い、アナログ信号を出力する。
【0056】各正弦波信号及び各余弦波信号が上式
(1)における正弦波成分と余弦波成分とすると、演算
手段から出力されたアナログ信号は、上式(1)におけ
る信号g(n)である。
【0057】すなわち、本発明のフーリエ変換装置は、
少なくとも一部分で、アナログ回路を利用しており、次
式(1)のフーリエ逆変換を行う。
【0058】
【数17】
【0059】1実施形態では、前記信号発生手段は、前
記各正弦波信号及び前記各余弦波信号と共に、直流信号
をも発生し、前記各アナログ回路は、フーリエ係数に対
応する回路パラメータをそれぞれ有し、前記信号発生手
段によって発生された前記各正弦波信号、前記各余弦波
信号及び前記直流信号をそれぞれ入力し、前記演算手段
は、前記各アナログ回路の出力に対する演算を行い、こ
れによって得られたアナログ信号を出力する。ここで
は、上式(1)における直流成分をも処理の対象として
いる。
【0060】1実施形態では、前記信号発生手段は、離
散的信号処理回路からなる。例えば、前記信号発生手段
は、1周期の正弦波上の複数ポイントの値を記憶した記
憶手段と、前記記憶手段内の各ポイントの値をそれぞれ
の信号に変換する変換手段と、前記変換手段によって変
換された各信号を保持する保持手段と、前記保持手段に
よって保持されている各信号を相互に異なる各1周期の
間に順次出力することを繰り返して、それぞれの周期の
正弦波信号及び余波信号を発生する信号形成手段とを備
えている。
【0061】この様に前記信号発生手段が離散的信号処
理回路である場合、離散的信号処理回路によって、多様
な正弦波信号及び余弦波信号を高精度で再生することが
できる。
【0062】また、各アナログ回路は、それぞれの入力
(各正弦波信号、各余弦波信号及び直流信号)に対して
それぞれの出力を直ちに発生するので、離散的信号処理
回路(例えばデジタル回路)の利点である高精度並びに
柔軟性と、アナログ回路の利点である高速性を十分に発
揮することができる。
【0063】1実施形態では、前記信号発生手段は、次
式(1)の右辺第1項における定数1に対応する直流信
号、次式(1)の右辺第2項におけるcos(2πkn/
N)に対応する複数の余弦波信号、及び次式(1)の右
辺第3項におけるsin(2πkn/N)に対応する複数
の正弦波信号を発生する。
【0064】
【数18】
【0065】1実施形態では、前記各アナログ回路は、
次式(1)の右辺第1項におけるフーリエ係数a(0)に
対応する回路パラメータ、次式(1)の右辺第2項にお
けるフーリエ係数a(k/N)に対応する複数の回路パ
ラメータ、及び次式(1)の右辺第3項におけるフーリ
エ係数b(k/N)に対応する複数の回路パラメータを
それぞれ有する。
【0066】
【数19】
【0067】1実施形態では、前記演算手段は、前記各
アナログ回路の出力を加算し、これによって次式(1)
の左辺のg(n)に対応するアナログ信号を出力する。
【0068】
【数20】
【0069】1実施形態では、前記各アナログ回路の回
路パラメータが抵抗である。
【0070】1実施形態では、前記各アナログ回路の抵
抗が可変抵抗であって、該各アナログ回路の可変抵抗を
変更する変更手段を備えている。
【0071】ここでは、変更手段によって、各アナログ
回路の回路パラメータ、つまり抵抗の変更を容易に行え
るので、柔軟性に優れている。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。図1は、本発明のフーリエ変換
装置の一実施形態を示している。本実施形態のフーリエ
変換装置は、上式(1)に示すフーリエ逆変換に相当す
る処理を行うものであり、正余弦波信号発生部1、フー
リエ係数変換部2及び加算部3を備えている。
【0073】正余弦波信号発生部1は、アナログの直流
信号及び(2N−2)個のアナログの正余弦波信号sin
(ωt),cos(ωt),……を発生し、これらの信号を出力
する。
【0074】フーリエ係数変換部2は、各フーリエ係数
に対応する各可変抵抗部rr0,ri1,rr1,ri2,…,
rr(N-1)を有しており、各フーリエ係数の変化に応答し
て、各可変抵抗部の抵抗を変更する。
【0075】加算部3は、加算回路3-1と抵抗rfを備
えており、フーリエ係数変換部2における各フーリエ係
数に対応する各可変抵抗部からの出力を加算し、この加
算結果を示すアナログ信号を出力する。
【0076】本実施形態のフーリエ変換装置では、アナ
ログの直流信号とアナログの正余弦波信号を発生し、フ
ーリエ係数変換部2における各可変抵抗部の抵抗を段階
的に変化させ、つまり各フーリエ係数をデジタルで変化
させている。このため、このフーリエ変換装置をアナロ
グディジタル混在回路と称する。
【0077】さて、この様な構成において、次式(1
4)に示す様に、正余弦波信号の主周波数fが式(2)
に示すサンプル信号の基本波の周波数fNに等しいもの
とする。
【0078】
【数21】
【0079】この場合、図2のタイミングチャートに示
す様に、t=0の時点で、正余弦波信号発生部1によっ
て、直流信号及び正余弦波信号が発生されると同時に、
フーリエ係数変換部2によって、各フーリエ係数に対応
するそれぞれの可変抵抗の抵抗値を設定する。この後、
所定の周期T=1/f毎に、フーリエ係数変換部2によ
って、各フーリエ係数に対応するそれぞれの可変抵抗の
抵抗値を逐次更新していけば、このフーリエ変換装置
は、フーリエ逆変換を連続的に行ない、加算部3から
は、次式(15)に示す信号V0(t)が出力される。
【0080】
【数22】
【0081】ただし、抵抗rfの抵抗値をRfとし、各可
変抵抗部rr0,ri0,rr1,ri12,…,rr1(N-1)の抵
抗値をRr0,Ri0,Rr1,Ri12,…,Rr1(N-1)とす
る。
【0082】上記各式(1)及び(15)を比較すると
明らかな様に、各フーリエ係数a,a/(k/N),b
(k/N)は、Rf/Rr0,Rf/Rrn,Rf/inに対応
している。このことから、本実施形態のフーリエ変換装
置は、逆フーリエ変換を行うものであると言える。
【0083】また、次式(16)に示す様に、正余弦波
信号の主周波数fが式(2)に示すサンプル信号の基本
波の周波数fNより高く、フーリエ係数の更新を前と同
じ間隔Tで行なうものとする。
【0084】
【数23】
【0085】この場合は、図3のタイミングチャートに
示す様に、間隔T毎に、正余弦波信号発生部1によって
発生される正余弦波信号をリセットする必要がある。加
算部3の出力信号V0(t)は、時間t=iT〜(iT−Δ
T)の期間のみ有効となる(ただし、iTは各周期Tの
開始時刻)。ΔTの間に、別の処理を実効することがで
きる。
【0086】
【数24】
【0087】上記各式(15),(17)のいずれを用
いるにしても、フーリエ逆変換の結果により得られた信
号V0は、アナログ信号として、そのまま用いても、デ
ィジタル信号に変換してから用いても構わない。
【0088】図4は、正余弦波信号発生部1の具体例を
示すブロック図である。ここでは、Shannonサンプリン
グ定理を適用しており、これによってフーリエ逆変換に
必要な正余弦波信号の個数を低減している。これに伴っ
て、フーリエ係数変換部2の各可変抵抗部の個数も低減
される。
【0089】Shannonサンプリング定理によれば、復元
できる信号の周波数はサンプリング周波数の半分以下で
ある。そして、上式(1)は次式(18)のように書き
換えられ、上式(1)の変数nの上限がN−1からN/
2−1に減少する。
【0090】
【数25】
【0091】正余弦波信号発生部1は、正弦波上のN点
の各電圧値をROM11に記憶している。尚、上記N点
の数は、Nは2の冪乗とするのが望ましい。そうするこ
とにより、N点の各電圧値が正弦波のピークに対して左
右対称(左右で同じ値)になり、このために正弦波の半
周期分の値を省略することができ、ROM11の容量及
び各サンプルホールド回路14の数を半減することがで
きる。
【0092】正余弦の値は、knが0〜(N−1)の範
囲から外れるときに、knをNで割った余りの値に一致
する。
【0093】
【数26】
【0094】三角関数は次の関係式がある。
【0095】
【数27】
【0096】デジタルアナログ変換器12は、正余弦波
信号発生部1から正弦波上の各値を取り出して、これら
の値をアナログ信号に変換し、それぞれのアナログ信号
を出力する。これらのアナログ信号は、アナログデマル
チプレクサ13を介してN個の各サンプルホールド回路
14に分配される。
【0097】N/2−1個の各マルチプレクサ15は、
それぞれの正余弦波がそれぞれのタイミングでとる電圧
値を出力するように予め設定された順序で、各サンプル
ホールド回路14内のアナログ信号を順次取り出して出
力し、これによってN/2−1個の各正弦波信号を発生
させる。また、他のN/2−1個の各マルチプレクサ1
5は、それぞれの周期で、各サンプルホールド回路14
内のアナログ信号を順次取り出して出力し、これによっ
てN/2−1個の各余弦波信号を発生させる。
【0098】こうして各マルチプレクサ15は、各サン
プルホールド回路14内のアナログ信号を順次取り出し
て出力し、2(N/2−1)個の各正余弦波信号を形成
する。
【0099】図4に示す正余弦波信号発生部1では、正
余弦波信号の周波数に特に制限がない。直流信号は、別
系統で生成されて出力される。また、S1は、各サンプ
ルホールド回路14をリフレッシュするための同期信号
を示す。S2は、各マルチプレクサ15の同期信号を示
す。
【0100】同期信号S2を式(2)に示すサンプル信
号の基本波の周波数fNに同期させて、基本波の周波数
Nを正余弦波信号の主周波数fに等しくする。この場
合、図2のタイミングチャートに示した様に、正余弦波
信号発生部1によって、直流信号及び正余弦波信号が発
生される。
【0101】また、同期信号S2の周期を速めることに
よって、サンプル信号の基本波の周波数fNよりも正余
弦波信号の主周波数fを短くする。この場合は、図3の
タイミングチャートに示す様に、加算部3の出力信号V
0(t)は、時間t=iT〜(iT−ΔT)の期間のみ有効
となる(ただし、iTは各周期Tの開始時刻)。このた
め、同期信号S2に同期して、iT〜(iT−ΔT)の
期間のみ、加算部3の出力信号V0(t)を受け側(図示せ
ず)で受けて用いれば、これによってサンプル信号と同
じ周波数スペクトルの信号を復元することができる。こ
の結果、受け側では、ΔTの間に、別の処理を実効する
ことが可能となる。
【0102】上記の例では、各正余弦波信号をタイミン
グ信号S2に同期して離散的に出力する構成を示した
が、連続するアナログ波形としての正余弦波信号を用い
ても、本発明を実現可能である。
【0103】図5は、フーリエ係数変換部2の各可変抵
抗部の具体例を示すブロック図である。
【0104】この可変抵抗部は、電流加算型のものであ
り、l個の抵抗r0,r1,……,r(l-1)と、l個のス
イッチS0とを備えている。各スイッチS0は、フーリエ
係数Qmを示すlビットの各ビットQl-1,Ql-2,…,
0をそれぞれ入力し、ビットの値に応じてオン及びオ
フのいずれかに設定される。各スイッチS0の選択的な
オンによって、フーリエ係数Qmに対応する可変抵抗部
の抵抗値が設定される。
【0105】ここで、フーリエ係数Qmを示すlビット
のデータが可変抵抗部に与えられるとき、可変抵抗部の
各抵抗r0,r1,……,r(l-1)の抵抗値20R0,21
0,……,2(l-1)R0、及びフーリエ係数Qmとその等価
抵抗との関係は。次式(21)で表される。
【0106】
【数28】
【0107】ただし、Qmはフーリエ係数であって、m
=0,1,…,l−1である。
【0108】図6は、フーリエ係数変換部2の各可変抵
抗部の他の具体例を示すブロック図である。
【0109】この可変抵抗部は、電圧加算型のものであ
り、l個の抵抗r0と、(l+1)個の抵抗2r0と、l
個のスイッチS0とを備えている。フーリエ係数Qmを示
すlビットの各ビットQl-1,Ql-2,…,Q0に応答し
て、各スイッチS0がオン及びオフのいずれかに設定さ
れる。各スイッチS0の選択的なオンによって、フーリ
エ係数Qmに対応する可変抵抗部の抵抗値が設定され
る。
【0110】ここで、フーリエ係数Qmを示すlビット
のデータが可変抵抗部に与えられるとき、可変抵抗部の
各抵抗r0,2r0の抵抗値R0,2R0(R0=2R0
2)、及びフーリエ係数Qmとその等価抵抗との関係
は、次式(22)で表される。
【0111】
【数29】
【0112】ただし、Qmはフィルタ係数であって、m
=0,1,…,l−1である。
【0113】尚、本願発明は、上記実施形態に限定され
るものでなく、多様に変形することができる。例えば、
フーリエ係数変換部2内の各可変抵抗部の代わりに、他
の種類の回路(例えばフーリエ係数を容量結合でキャパ
シタンスに変換する回路)を配置する構成であっても良
い。ただし、キャパシタンスやインダクタンスを用いる
と、慣性(残存電圧など)が大きいために、演算の高速
性や高精度を十分に実現することができない。このた
め、可変抵抗を適用するのが望ましい。
【0114】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明の
フーリエ変換装置は、少なくとも一部分で、アナログ回
路を利用しており、上式(1)のフーリエ逆変換を行う
ことができる。
【0115】その構成においては、ソフトウェアに依存
する部分がないので、フーリエ変換を専用のハードのみ
で実現することができ、ソフトウェアの開発を必要とせ
ず、これによる開発期間の長期化を招かずに済む。
【0116】また、特殊な演算を行わないので、装置の
コストを低減することができる。
【0117】更に、演算を繰り返さないので、処理精度
を挙げるためのクロックアップを必要とせず、消費電力
が増大することもない。
【0118】本発明によれば、サンプル値の数N=64
のときのFFT演算に要するサイクル数は64サイクル
である。同様にサンプル値の数N=256のときのFF
T演算に要するサイクル数は256、サンプル値の数N
=1024のときのFFT演算に要するサイクル数は1
024である。これは、先に示した汎用DSPと比較し
て、1/45〜1/80のサイクル数の低減に相当す
る。このため、消耗電力の大幅な低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフーリエ変換装置の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図2】図1の装置の動作を説明するために用いた各信
号のタイミングチャートを示す図である。
【図3】図1の装置の他の動作を説明するために用いた
各信号のタイミングチャートを示す図である。
【図4】図1の装置における正余弦波信号発生部の構成
を示すブロック図である。
【図5】図1の装置におけるフーリエ係数変換部の各可
変抵抗部の一例を示すブロック図である。
【図6】図1の装置におけるフーリエ係数変換部の各可
変抵抗部の他の例を示すブロック図である。
【図7】従来のFFT演算を行う装置を概略的に示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 正余弦波信号発生部 2 フーリエ係数変換部 3 加算部 11 ROM 12 デジタルアナログ変換器 13 アナログデマルチプレクサ 14 サンプルホールド回路 15 マルチプレクサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の正弦波信号及び複数の余弦波信号
    を発生する信号発生手段と、 フーリエ係数に対応する回路パラメータをそれぞれ有
    し、前記信号発生手段によって発生された前記各正弦波
    信号及び前記各余弦波信号をそれぞれ入力する複数のア
    ナログ回路と、 前記各アナログ回路の出力に対する演算を行い、これに
    よって得られたアナログ信号を出力する演算手段とを備
    えるフーリエ変換装置。
  2. 【請求項2】 前記信号発生手段は、前記各正弦波信号
    及び前記各余弦波信号と共に、直流信号をも発生し、 前記各アナログ回路は、フーリエ係数に対応する回路パ
    ラメータをそれぞれ有し、前記信号発生手段によって発
    生された前記各正弦波信号、前記各余弦波信号及び前記
    直流信号をそれぞれ入力し、 前記演算手段は、前記各アナログ回路の出力に対する演
    算を行い、これによって得られたアナログ信号を出力す
    る請求項1に記載のフーリエ変換装置。
  3. 【請求項3】 前記信号発生手段は、離散的信号処理回
    路からなる請求項1に記載のフーリエ変換装置。
  4. 【請求項4】 前記信号発生手段は、 1周期の正弦波上の複数ポイントの値を記憶した記憶手
    段と、 前記記憶手段内の各ポイントの値をそれぞれの信号に変
    換する変換手段と、 前記変換手段によって変換された各信号を保持する保持
    手段と、 前記保持手段によって保持されている各信号を相互に異
    なる各1周期の間に順次出力することを繰り返して、そ
    れぞれの周期の正弦波信号及び余波信号を発生する信号
    形成手段とを備える請求項3に記載のフーリエ変換装
    置。
  5. 【請求項5】 前記信号発生手段は、次式(1)の右辺
    第1項における定数1に対応する直流信号、次式(1)
    の右辺第2項におけるcos(2πkn/N)に対応する
    複数の余弦波信号、及び次式(1)の右辺第3項におけ
    るsin(2πkn/N)に対応する複数の正弦波信号を
    発生する請求項2に記載のフーリエ変換装置。 【数1】
  6. 【請求項6】 前記各アナログ回路は、次式(1)の右
    辺第1項におけるフーリエ係数a(0)に対応する回路パ
    ラメータ、次式(1)の右辺第2項におけるフーリエ係
    数a(k/N)に対応する複数の回路パラメータ、及び
    次式(1)の右辺第3項におけるフーリエ係数b(k/
    N)に対応する複数の回路パラメータをそれぞれ有する
    請求項2に記載のフーリエ変換装置。 【数2】
  7. 【請求項7】 前記演算手段は、前記各アナログ回路の
    出力を加算し、これによって次式(1)の左辺のg
    (n)に対応するアナログ信号を出力する請求項2に記
    載のフーリエ変換装置。 【数3】
  8. 【請求項8】 前記各アナログ回路の回路パラメータが
    抵抗である請求項1及び2のいずれかに記載のフーリエ
    変換装置。
  9. 【請求項9】 前記各アナログ回路の抵抗が可変抵抗で
    あって、該各アナログ回路の可変抵抗を変更する変更手
    段を備える請求項8に記載のフーリエ変換装置。
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