JP2013030926A - 送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信信号を生成するための処理量を低減する技術を提供する。
【解決手段】記憶部40は、複数のサブキャリアのそれぞれに対する三角関数の波形を記憶する。変換部38は、周波数領域の信号と、三角関数の波形とをもとに、時間領域の信号を生成する。ここで、読み出し部48は、記憶部40に記憶した三角関数の波形から、所定の時間における三角関数の波形の値を複数のサブキャリアに対して読み出す。乗算部50は、読み出した値と、周波数領域の信号とをサブキャリアごとに対応づけて乗算する。シンボルゲイン乗算部52、加算部54は、乗算結果を複数のサブキャリアにわたって加算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、通信技術に関し、特にOFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)変調方式に対応した送信装置に関する。
無線通信では、一般にマルチパスが存在しており、これによって受信信号の周波数特性は歪みを受ける。特に、無線通信での伝送速度が高速になるほど、いかにマルチパスの影響を除去するかが大きな課題となる。OFDM方式では、ガードインターバルと称する信号のレプリカを付加することによって送信信号を生成する。ガードインターバルより短いマルチパスに関しては、受信側で適切な信号処理を施すことによって、影響を除去可能である。ガードインターバルは、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を実行した結果の後ろの部分を信号の前に付加することによって生成される。このため、IFFTの処理結果は、いったんメモリに蓄積され、その後ガードインターバルを付加するために、このメモリから処理結果が読み出される。メモリの容量を削減するために、IFFTが高速で2回処理される(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−284596号公報
交差点の出会い頭の衝突事故を防止するために、路車間通信の検討がなされている。路車間通信では、路側機と車載器との間において交差点の状況に関する情報が通信される。また、車車間通信では、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって現在の位置情報をリアルタイムに検出し、その位置情報を車載器同士で交換しあう。その結果、自車両および他車両がそれぞれ交差点へ進入するどの道路に位置するかが判断される。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)と呼ばれる。IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)では、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能が使用されている。そのため、当該無線LANでは、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。このようなCSMA/CAでは、キャリアセンスによって他のパケット信号が送信されていないことを確認した後に、パケット信号が送信される。一方、ITSに無線LANを適用する場合、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要があるために、信号はブロードキャストにて送信されることが望ましい。
このようなITSにおいてOFDM方式を使用する場合であっても、ガードインターバルを付加するための回路規模の低減が望まれる。さらに、ITSの無線周波数として720MHzや760MHzの使用と、帯域幅として10MHzの使用が予定されている。この場合、シンボルクロックとして、10MHzや、その整数倍の20MHzが使用される。一方、シンボルクロック処理によって生じた電源変動等のノイズは、その整数倍の周波数にノイズとなって顕在化する。上述の場合、ITSでの使用帯域720MHzや760MHzに高調波成分が干渉し、通信品質が悪化してしまう。これに対応するため、整数倍してもITSでの使用帯域に入らないような周波数によってデジタル回路を動作させることも望まれる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、送信信号を生成するための処理量を低減する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の送信装置は、複数のサブキャリアのそれぞれに対応した周波数領域の信号を入力する入力部と、複数のサブキャリアのそれぞれに対する三角関数の波形を記憶する記憶部と、入力部において入力した周波数領域の信号と、記憶部に記憶した三角関数の波形とをもとに、時間領域の信号を生成する変換部とを備える。変換部は、記憶部に記憶した三角関数の波形から、所定の時間における三角関数の波形の値を複数のサブキャリアに対して読み出す読み出し部と、読み出し部において読み出した値と、入力部において入力した周波数領域の信号とをサブキャリアごとに対応づけて乗算する乗算部と、乗算部における乗算結果を複数のサブキャリアにわたって加算する加算部と、読み出し部が値を読み出すべき時間を制御するとともに、時間を変えながら、読み出し部、乗算部、加算部に処理を繰り返させる制御部とを備える。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、送信信号を生成するための処理量を低減できる。
本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図1の車両に搭載された無線装置の構成を示す図である。 図1の通信システムにおいて規定されるパケット信号のフォーマットを示す図である。 図2の通信部における送信部の構成を示す図である。 図4の記憶部に記憶されたテーブルのデータ構造を示す図である。 図6(a)−(b)は、図4の記憶部に記憶された三角関数を示す図である。 図4の記憶部に記憶されたデータを使用したGI生成の概要を説明するための図である。 本発明の変形例に係る送信部の構成を示す図である。 図9(a)−(b)は、図8の送信部の周波数特性を示す図である。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。当該通信システムは、ITSに相当する。車車間通信として、端末装置は、車両の速度や位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、これらの情報をもとに車両の接近等を認識する。さらに、基地局装置は、渋滞情報や工事情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。端末装置は、パケット信号を受信するとともに、情報をもとに渋滞の発生や工事区間を認識する。
通信システムは、無線LANと類似しており、OFDMを使用する。ここで、10MHzが処理単位とされる。一方、通信システムは、720MHzあるいは760MHzの無線周波数を使用する。このような状況下において、OFDMシンボルの10MHzあるいはその整数倍の周波数をシンボルクロックに設定した場合、シンボルクロックの整数倍の高調波が発生し、通信システムに干渉を及ぼすおそれがある。これに対応するために、例えば、整数倍の高調波が無線周波数にならないような28MHzがシンボルクロックとして設定される。このようなシンボルクロックにてバタフライ演算がなされることによって、OFDMシンボルあたり160ポイントのデータが生成される。さらに、160ポイントのデータを補間することによって、224ポイントのデータへのアップコンバートがなされる。
このように構成することによって、データ数についてのアップコンバートはなされる。しかしながら、IFFTによって重畳されている周波数成分のみを維持してデータを補間することはできないので、スプリアス特性が悪化する。また、アップコンバート時に用いられる補間フィルタ特性によってはサブキャリアごとにゲインのばらつきが発生してしまうおそれがある。また、このような構成では、IFFTを実行した後に、GIを付加しているので、IFFT後のデータをメモリに格納する必要が生じ、回路規模が増大する。送信信号の特性の悪化を抑制するとともに、送信信号を生成するための処理量を低減するために、本実施例に係る端末装置や基地局装置の送信機能(以下、「送信装置」という)は、次の処理を実行する。
送信装置は、サブキャリアごとの三角関数の波形をメモリに記憶する。ここで、三角関数の周期性を利用することによって、三角関数の波形の一部が記憶されるとともに、正弦関数と余弦関数との関連性を利用することによって、正弦関数と余弦関数との一方だけが記憶されている。その結果、メモリに記憶された三角関数の容量が削減される。送信装置は、入力した周波数領域のOFDM信号と三角関数をサブキャリア単位に乗算する。送信装置は、乗算結果を加算することによって、時間領域のOFDM信号を生成する。ここで、三角関数を読み出す際のメモリの読み出し位置を制御することによって、ガードインターバルが直接生成される。その結果、ガードインターバルを生成するためのメモリが省略される。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、ネットワーク80を含む。なお、各車両12には、図示しない端末装置が搭載されている。また、エリア82が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア82の外側がエリア外84である。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100は、交差点に基地局装置10を配置する。基地局装置10は、ネットワーク80から、渋滞情報や工事情報を受けつける。基地局装置10は、渋滞情報や工事情報が格納されたパケット信号を生成し、パケット信号を報知する。ここで、報知は、基地局装置10によって形成されたエリア82内に存在する端末装置に対してなされる。車両12に搭載された端末装置は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、パケット信号に格納された渋滞情報や工事情報を抽出する。端末装置は、抽出した渋滞情報や工事情報を運転者へ通知する。通知は、例えば、モニタへの表示によってなされる。端末装置は、GPS等によって存在位置に関する情報を取得し、存在位置に関する情報が格納されたパケット信号を生成する。端末装置は、CSMA/CAによってパケット信号を報知する。端末装置は、他の端末装置からのパケット信号を受信すると、他の端末装置が搭載された車両12の接近を運転者へ通知する。
図2は、車両12に搭載された無線装置20の構成を示す。無線装置20は、RF部22、通信部24、処理部26、制御部28を含む。無線装置20は、図1の車両12に搭載された端末装置に相当するが、図1の基地局装置10に相当してもよい。以下では、端末装置と基地局装置10とを総称して「無線装置20」という場合もあれば、端末装置あるいは基地局装置10を「無線装置20」という場合もあるが、これらを明示しないものとする。
RF部22は、受信処理として、図示しない他の無線装置20からのパケット信号をアンテナにて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を通信部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGCも含まれる。
RF部22は、送信処理として、通信部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナから送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサも含まれる。
通信部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、通信部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、通信部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、通信部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM変調方式に対応するので、通信部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFTも実行する。
通信部24において変復調処理の対象とされるパケット信号のフォーマットを説明する。図3は、通信システム100において規定されるパケット信号のフォーマットを示す。図示のごとく、STFが先頭に配置されるとともに、STFに続いてGI2、LTF1、LTF2、SIG、データが配置されている。ここで、STFは、160サンプルの信号であり、16サンプルの信号パターンが10回繰り返されている。つまり、STFでは、後述のLTF1の期間よりも短い期間の信号パターンが10回繰り返されている。LTF1とLTF2とは、64サンプルで同一期間であり、信号パターンも同一である。
GI2は、LTF1あるいはLTF2に対するガードインターバルであり、32サンプルである。また、GI2、LTF1、LTF2とによってLTFが形成されている。なお、LTF1、LTF2とによってLTFが形成されているとしてもよい。SIGは、制御信号であり、80サンプルである。また、データは、1OFDMシンボルあたり80サンプルである。80サンプルには、16サンプルのガードインターバルが含まれている。つまり、ガードインターバルの長さは、ガードインターバルが付加されたOFDMシンボルの長さの1/5に設定される。なお、以上は、シンボルクロックを10MHzとした場合のサンプル数であり、シンボルクロックを高速化すると、それとともにサンプル数も増加する。図2に戻る。
処理部26は、受信処理として、通信部24での復調結果を受けつける。処理部26は、復調結果の内容に応じた処理を実行する。例えば、復調結果の内容が、他の無線装置20を搭載した車両12の存在位置に関する情報である場合、処理部26は、図示しない他の車両12の接近等を運転者へモニタやスピーカを介して通知する。また、復調結果の内容が渋滞情報や工事情報であれば、それらを運転者へモニタやスピーカを介して通知する。処理部26は、送信処理のために、図示しない図示しないGPS受信機、ジャイロスコープ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、図示しない車両12、つまり無線装置20が搭載された車両12の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、これも「存在位置」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。処理部26は、存在位置を格納したパケット信号を生成する。処理部26は、通信部24へパケット信号を出力する。制御部28は、無線装置20の動作タイミングを制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図4は、通信部24における送信部30の構成を示す。送信部30は、スクランブル部32、符号化部34、インタリーブ部36、変換部38、記憶部40、シンボル整形部42、DAC46を含む。変換部38は、読み出し部48、乗算部50、シンボルゲイン乗算部52、加算部54、IFFT制御部56を含む。
スクランブル部32は、送信すべきデータを入力する。まず、スクランブル部32は、0以外の疑似乱数初期値で初期化する。スクランブル部32は、データに対して、長さ127のフレーム同期スクランブラによりスクランブル処理を実行する。また、スクランブル部32は、データに引き続いたスクランブルされた6ビットの「0」をスクランブルされていない6ビットの「0」に置き換える。これらのビットはテールビットに相当し、後述の符号化部34を「0状態」に復帰させる機能を有する。スクランブル部32は、スクランブル処理を実行したデータ(以下、「データ」という)を符号化部34に出力する。
符号化部34は、スクランブル部32からデータを入力する。符号化部34は、データを畳み込み符号器(R=1/2)にて符号化する。ここでは、符号化率R=1/2の生成多項式g=133およびg=171が使用されるものとする。また、符号化部34は、所望の符号化率を得るよう符号化器出力列のいくつかを取り除く。これは、パンクチャード処理であり、送信するビット数を低減することによって符号化率が増加される。なお、受信機側の復号器は、パンクチャード処理によって省かれたビットの位置にダミービット「0」を挿入する。符号化部34は、符号化したデータ(以下、「データ」という)をインタリーブ部36に出力する。
インタリーブ部36は、符号化部34からのデータを入力する。インタリーブ部36は、入力したデータ系列を複数のグループに分離する。インタリーブ部36は、各々のグループの中でビットのインタリーブ処理、つまり並べ替え処理を実行する。各グループの中では、各データは0から47までに番号付けされており、これらは、OFDMサブキャリア番号−26〜−22、−20〜−8、−6〜−1、1〜6、8〜20、22〜26に割り付けられる。なお、サブキャリア番号−21、−7、7、21は飛び越され、これらにはパイロット信号が挿入される。また、中心周波数に対応するOFDMサブキャリア番号「0」は省かれ、ゼロ値が挿入される。その結果、52のサブキャリアのそれぞれに対応した周波数領域のOFDM信号が生成される。また、周波数領域のOFDM信号のうち、一部がパイロット信号であり、残りがデータである。インタリーブ部36は、周波数領域のOFDM信号を変換部38に出力する。
変換部38は、インタリーブ部36からの周波数領域のOFDM信号と、記憶部40に記憶した三角関数の波形とをもとに、時間領域のOFDM信号を生成する。記憶部40に記憶した三角関数の波形については後述する。ここで、変換部38は、シンボルクロックとして、10MHzの3.5倍である35MHzに設定される。つまり、整数倍しても無線周波数にならないようなシンボルクロックが設定される。この場合、OFDMシンボルは、280サンプルで構成されており、そのうちの56サンプルがガードインターバルである。つまり、OFDMシンボルあたりのサンプル数、つまりクロック数が5の倍数になるように設定されている。
記憶部40は、複数のサブキャリアのそれぞれに対する三角関数の波形を記憶する。変換部38に入力された周波数領域のOFDM信号は、複数のサブキャリアに対応づけられており、各サブキャリアに対応した周波数を有するような三角関数の波形が規定されている。図5は、記憶部40に記憶されたテーブルのデータ構造を示す。図示のごとく、サブキャリア番号欄200、波形値欄202が規定される。サブキャリア番号欄200には、サブキャリアを識別するための番号が示されており、前述のごとく、52サブキャリアの場合、サブキャリア番号として、−26〜−1、1〜26が規定されている。ここで、サブキャリア番号−1、1のような、絶対値が等しく、かつ符号が異なったサブキャリア番号に対して、三角関数に対しては、正負が異なるだけなので、いずれか一方だけを記憶させており、他方については、記憶した三角関数から生成させる。このように、正負の関係を有したサブキャリアに対する三角関数の波形が共通化されて記憶されているので、サブキャリア番号欄200において、サブキャリア番号1からN/2だけが規定される。なお、Nは52である。
次に、波形値欄202に記憶された三角関数について説明する。図6(a)−(b)は、記憶部40に記憶された三角関数を示す。図6(a)は、サブキャリア番号「1」に対応した余弦関数の波形であり、図6(b)は、サブキャリア番号「1」に対応した正弦関数の波形である。横軸が時間を示し、縦軸が振幅を示す。図示のごとく、図6(a)のP1からP2は、図7(b)のP1’からP2’と同一の波形である。つまり、正弦関数は、余弦関数の位相をπ/2遅らせた位相を有する。このような関係を利用することによって、三角関数として、正弦関数と余弦関数とのうちの一方の波形だけが記憶される。例えば、図5のA(1)、・・・、A(m)は、余弦関数の波形である。なお、正弦関数の波形だけが記憶されてもよい。
記憶部40から読み出す際の三角関数の時間について説明する。図7は、記憶部40に記憶されたデータを使用したGI生成の概要を説明するための図である。OFDMシンボルは、有効データの後ろの一部が複製され、複製された部分がガードインターバルとして有効データの前に付加されることによって生成される。前述のごとく、ガードインターバルの長さは、OFDMシンボルの1/5と規定されているので、有効データの後ろから1/4の部分がガードインターバルに使用される。以下では、有効データを4つに等分割した場合をさらに詳しく説明する。
例えば、図6(a)をもとに説明すると、P1からP2までの第1期間、P2からP3までの第2期間、P3からP4までの第3期間、P4からP5までの第4期間に分割される。なお、P5での値はP1での値に等しい。第1期間の波形に対する符号を逆にし、かつ第1期間の波形の順序を反転させると、第2期間の波形が生成される。また、第1期間の波形に対する符号を逆にすると、第3期間の波形が生成される。さらに、第1期間の波形の順序を反転させると、第4期間の波形が生成される。つまり、各部分に対応した三角関数の波形の値は、互いに対応する。そのため、記憶部40は、シンボルあたりの三角関数の波形のうち、変換部38において設定されたクロック数の倍数分の1だけを記憶する。図7では、OFDMシンボルの期間の1/5の時間に対応した三角関数の波形だけが記憶される。なお、OFDMシンボルの期間の1/10の時間に対応した三角関数の波形だけが記憶されてもよい。図4に戻る。
読み出し部48は、記憶部40に記憶した三角関数の波形から、所定の時間における三角関数の波形の値を複数のサブキャリアに対して読み出す。読み出すべき波形の時間は、IFFT制御部56から指示される。前述のごとく、記憶部40には、余弦関数のうちの一部に対する波形のみが記憶されているので、読み出し部48は、記憶された値をもとに余弦関数の波形、正弦関数の波形を生成する。さらに、読み出し部48は、時間領域のOFDM信号に含まれるべきガードインターバルを生成するために、有効データに対応した時間における三角関数の波形の値よりも、ガードインターバルに対応した時間における三角関数の波形の値を先に読み出す。読み出し部48は、読み出した波形の値を乗算部50に出力する。
乗算部50は、読み出し部48において順次読み出した値を受けつけるとともに、インタリーブ部36から入力した周波数領域のOFDM信号を受けつける。乗算部50は、サブキャリアごとに対応づけて、読み出した値と周波数領域のOFDM信号を乗算する。これは、サブキャリアごとに、OFDM信号と余弦関数との乗算と、OFDM信号と正弦関数との乗算を実行することに相当する。その結果、サブキャリアごとに、同相成分の乗算結果と直交成分の乗算結果が生成される。乗算部50は、乗算結果をシンボルゲイン乗算部52に出力する。
シンボルゲイン乗算部52は、乗算部50から入力した乗算結果のうち、パイロット信号に対する乗算結果を加算する。シンボルゲイン乗算部52は、加算結果に対して、第1シンボルゲインを乗算することによって第1加算結果を生成する。ここで、第1シンボルゲインは、パイロット信号に対して定められた正規化定数である。例えば、パイロット信号の変調方式がBPSKである場合、第1シンボルゲインは「1」である。また、シンボルゲイン乗算部52は、乗算部50から入力した乗算結果のうち、データに対する乗算結果を加算する。シンボルゲイン乗算部52は、加算結果に対して、第2シンボルゲインを乗算することによって第2加算結果を生成する。ここで、第2シンボルゲインは、データに対して定められた正規化定数であり、第1シンボルゲインと異なるように定められる。例えば、データの変調方式がBPSK、QPSK、16QAMである場合、第2シンボルゲインは、それぞれ「1」、「1/√2」、「1/√10」である。以上の演算は、サンプル単位になされるとともに、同相成分と直交成分のそれぞれに対してなされる。シンボルゲイン乗算部52は、第1加算結果と第2加算結果とをサンプル単位に加算部54に出力する。
加算部54は、第1加算結果と第2加算結果を加算する。その結果、シンボルゲイン乗算部52と加算部54とによって、乗算結果が複数のサブキャリアにわたって加算されている。最終的な加算結果が、時間領域のOFDM信号に相当する。IFFT制御部56は、変換部38の動作タイミングを制御する。前述のごとく、IFFT制御部56は、読み出し部48が記憶部40から値を読み出すべき時間を制御するとともに、時間を変えながら、読み出し部48、乗算部50、シンボルゲイン乗算部52、加算部54を処理をサンプル単位に繰り返させる。
シンボル整形部42は、加算部54から、時間領域のOFDM信号を受けつける。シンボル整形部42は、OFDMシンボルの境界における不連続性を低減するためのフィルタである。シンボル整形部42は、フィルタリングがなされた時間領域のOFDM信号(以下、「時間領域のOFDM信号」という)をDAC46に出力する。DAC46は、時間領域のOFDM信号に対して、デジタル−アナログ変換を実行し、アナログ変換がなされた時間領域のOFDM信号を出力する。
次に変形例を説明する。実施例に係る送信装置は、バタフライ演算を実行する代わりに、テーブルを参照することによって、周波数領域のOFDM信号を時間領域のOFDM信号に変換している。一方、変形例に係る送信装置は、バタフライ演算を実行することによって、周波数領域のOFDM信号を時間領域のOFDM信号に変換する。変形例に係る送信装置は、整数倍したときに無線周波数にならないようなシンボルクロックがデジタル−アナログ変換に使用されるように、時間領域の周波数変換と、周波数領域での事前の振幅・位相補正を実行する。その結果、帯域内の平坦性、帯域外の周波数成分の抑圧効果が維持されつつ、シンボルクロックが無線周波数に与える影響が回避される。事前補正を行うことによって、周波数変換のためのフィルタのタップ数が少ない場合でも、帯域内の特性の悪化が抑制される。
図8は、本発明の変形例に係る送信部60の構成を示す。送信部60は、スクランブル部62、符号化部64、インタリーブ部66、サブキャリア変調部68、信号レベル調節部70、IFFT部72、GI付加部74、シンボル整形部76、周波数変換部78、DAC90を含む。
スクランブル部62、符号化部64、インタリーブ部66は、図4のスクランブル部32、符号化部34、インタリーブ部36と同様であるので、ここでは説明を省略する。サブキャリア変調部68は、変調方式に応じた変調をサブキャリア単位に実行する。また、サブキャリア変調部68は、シンボルゲインの乗算もサブキャリア単位に実行する。ここでも、パイロット信号であるかデータであるかに応じて、第1シンボルゲインや第2シンボルゲインが使用される。サブキャリア変調部68は、変調がなされた周波数領域のOFDM信号(以下、「周波数領域のOFDM信号」という)を信号レベル調節部70に出力する。
信号レベル調節部70は、サブキャリア変調部68からの周波数領域のOFDM信号を入力する。信号レベル調節部70は、サブキャリア単位の補正係数を予め記憶しており、補正係数と周波数領域のOFDM信号とをサブキャリア単位に乗算する。これは、周波数領域のOFDM信号を補正係数によって補正することに相当する。補正係数については、後述する。IFFT部72は、信号レベル調節部70から、周波数領域のOFDM信号を入力し、周波数領域のOFDM信号に対してIFFTを実行する。GI付加部74は、IFFT部72でのIFFTの結果に対してガードインターバルを付加することによって、時間領域のOFDM信号を生成する。シンボル整形部76は、OFDMシンボルの境界における不連続性を低減するためのフィルタである。
周波数変換部78は、シンボル整形部76から、シンボル境界部分に対してフィルタリングを行った結果である時間領域のOFDM信号を受けつける。ここで、周波数変換部78に入力された時間領域のOFDM信号は、10MHzのシンボルクロックで生成されている。周波数変換部78は、FIR(Finite impulse response)フィルタによって構成された補間フィルタである。周波数変換部78は、10MHzの時間領域のOFDM信号を14MHzの時間領域のOFDM信号に変換する。なお、周波数変換後のシンボルクロックは14MHzに限定されなくてもよく、整数倍したときに無線周波数にならないようなシンボルクロックであればよい。
図9(a)−(b)は、送信部60の周波数特性を示す。図9(a)は、周波数変換部78の周波数特性、つまり補間フィルタの周波数特性を示す。補間フィルタのタップ数が有限値に制限されているので、帯域内の周波数特性の変動が生じている。周波数変換部78の小型化を図るためにタップ数を低減さるほど、変動は大きくなる。このような変動によって、信号の伝送特性は悪化する。これに対応するために、前述の信号レベル調節部70は、周波数変換部78における帯域内の周波数特性の変動の影響を低減するために、帯域内のフィルタ特性を考慮して事前に周波数領域のOFDM信号を補正する。図9(b)は、信号レベル調節部70の周波数特性を示す。図示のごとく、信号レベル調節部70は、周波数変換部78の周波数特性の逆特性を有する。なお、信号レベル調節部70は、アナログフィルタの特性を考慮した補正を行ってもよい。図8に戻る。DAC90は、図4のDAC46と同様であるので、ここでは説明を省略する。
本発明の実施例によれば、記憶した三角関数の波形と周波数領域の信号をサブキャリア単位に乗算することによって時間領域の信号を生成するので、整数倍しても無線周波数にならないシンボルクロックの時間領域の信号を生成できる。また、整数倍しても無線周波数にならないシンボルクロックの時間領域の信号が生成されるので、無線周波数の信号への高調波による影響を低減できる。また、無線周波数の信号への高調波による影響が低減されるので、信号の品質を向上できる。また、記憶した三角関数の波形と周波数領域の信号をサブキャリア単位に乗算するので、周波数変換を実行しなくても、整数倍しても無線周波数にならないシンボルクロックの時間領域の信号を生成できる。また、周波数変換を実行しないので、スプリアス特性の悪化を抑制できる。また、周波数変換を実行しないので、サブキャリアごとにゲインのばらつきが発生することを抑制できる。
また、ガードインターバルを生成するために、ガードインターバルに対応した時間における三角関数の波形の値を読み出すので、IFFT後のデータをメモリに格納することを回避できる。また、IFFT後のデータをメモリに格納することが回避されるので、回路規模を低減できる。また、ガードインターバルの長さは、OFDMシンボルの長さの1/5に設定され、シンボルあたりのクロック数が5の倍数になるように設定されるので、記憶すべき三角関数の波形をクロック数の倍数分の1に削減できる。また、記憶すべき三角関数の波形がクロック数の倍数分の1に削減されるので、メモリの容量を低減できる。また、パイロット信号に対する乗算結果を加算してから第1シンボルゲインを乗算するとともに、データに対する乗算結果を加算してから第2シンボルゲインを乗算するので、シンボルゲインの乗算処理を後方に配置できる。また、シンボルゲインの乗算処理が後方に配置されるので、乗算処理のビット数を低減できる。また、乗算処理のビット数が低減されるので、回路規模を低減できる。
また、正負の関係を有したサブキャリアに対する三角関数の波形を共通化して記憶するので、メモリの容量を低減できる。また、三角関数として、正弦関数と余弦関数とのうちの一方の波形を記憶するので、メモリの容量を低減できる。また、時間領域のフィルタと周波数領域の事前補正を組み合わせるので、回路規模の増加を抑えつつ送信信号の帯域内の平坦性を確保できる。また、時間領域のフィルタと周波数領域の事前補正を組み合わせるので、回路規模の増加を抑えつつ帯域外周波数成分を低減できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 基地局装置、 12 車両、 20 無線装置、 22 RF部、 24 通信部、 26 処理部、 28 制御部、 30 送信部、 32 スクランブル部、 34 符号化部、 36 インタリーブ部、 38 変換部、 40 記憶部、 42 シンボル整形部、 46 DAC、 48 読み出し部、 50 乗算部、 52 シンボルゲイン乗算部、 54 加算部、 56 IFFT制御部、 100 通信システム。

Claims (5)

  1. 複数のサブキャリアのそれぞれに対応した周波数領域の信号を入力する入力部と、
    複数のサブキャリアのそれぞれに対する三角関数の波形を記憶する記憶部と、
    前記入力部において入力した周波数領域の信号と、前記記憶部に記憶した三角関数の波形とをもとに、時間領域の信号を生成する変換部とを備え、
    前記変換部は、
    前記記憶部に記憶した三角関数の波形から、所定の時間における三角関数の波形の値を複数のサブキャリアに対して読み出す読み出し部と、
    前記読み出し部において読み出した値と、前記入力部において入力した周波数領域の信号とをサブキャリアごとに対応づけて乗算する乗算部と、
    前記乗算部における乗算結果を複数のサブキャリアにわたって加算する加算部と、
    前記読み出し部が値を読み出すべき時間を制御するとともに、時間を変えながら、前記読み出し部、前記乗算部、前記加算部に処理を繰り返させる制御部とを備えることを特徴とする送信装置。
  2. 前記制御部は、時間領域の信号に含まれるべきガードインターバルを生成するために、前記読み出し部に対して、ガードインターバルに対応した時間における三角関数の波形の値を読み出させることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記変換部において生成されるガードインターバルの長さは、ガードインターバルが付加されたシンボルの長さの1/5に設定され、
    前記変換部は、シンボルあたりのクロック数が5の倍数になるように設定され、
    前記記憶部は、シンボルあたりの三角関数の波形のうち、前記変換部において設定されたクロック数の倍数分の1に対応した部分を記憶することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記入力部において入力した周波数領域の信号のうち、一部がパイロット信号であり、残りがデータ信号であり、
    前記加算部は、パイロット信号に対する乗算結果を加算してから第1シンボルゲインを乗算することによって第1加算結果を生成するとともに、データ信号に対する乗算結果を加算してから第1シンボルゲインとは異なった第2シンボルゲインを乗算することによって第2加算結果を生成し、第1加算結果と第2加算結果を加算することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の送信装置。
  5. 前記記憶部では、正負の関係を有したサブキャリアに対する三角関数の波形が共通化されて記憶されるとともに、三角関数として、正弦関数と余弦関数とのうちの一部の波形が記憶されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の送信装置。
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