JP4252736B2 - データ補間プログラムおよびデータ補間装置 - Google Patents

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JP4252736B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルデータ列から、データ補間演算(内挿演算)により、例えばそのディジタルデータ列の隣接する標本点(サンプリング点)どうしの途中の時点のデータ等、任意の時刻のデータを求めるデータ補間方法、コンピュータ内で実行されてデータ補間演算を行なうデータ補間プログラム、およびデータ補間を行なうデータ補間装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、様々な分野で、ディジタルデータ列から標本点以外の時点のデータを求めることが求められている。
【0003】
例えば、計測の分野において、回転体にロータリエンコーダを取り付けておいてその回転体が所定の回転角度回転するたびにパルスを出力させ、そのパルスのタイミングでその回転体の何らかの物理量(例えば振動)をサンプリングしてディジタルデータ列を得、そのディジタルデータ列を、データ解析のために、時間的に等間隔にサンプリングされたディジタルデータ列に変換する場合に、回転角に応じた標本点から時間に応じた標本点への変換が必要となり、その場合に上記のデータ補間が行なわれる。
【0004】
また、例えば、DAT(ディジタルオーディオテープ)にデータを収録し、それを例えばCD−Rに収録し直す場合に、DATに収録したときのクロックとCD−Rに収録し直すときのクロックとでは周波数が一致していないため、DATに収録したときのクロックに同期した標本化(サンプリング)により得られたディジタルデータ列からCD−Rのクロックに同期した標本点を持つディジタルデータ列に変換する必要があり、その場合にも上記のデータ補間を行なう必要がある。
【0005】
もう1つの例を挙げると、ディジタル収録されたカラオケの伴奏音を、例えば音の高さ(ピッチ)は変えずに再生の速度(テンポ)を変更して再生する場合に、回路動作の基になるクロックは一定であるので、ディジタル収録されている伴奏音のディジタルデータ列から、そのディジタル録音された伴奏音のサンプリング速度とは異なるサンプリング速度でサンプリングされたものと同等のディジタルデータ列を求めて、その求めたディジタルデータ列をそのクロックに同期した速度で出力することが行なわれており、サンプリング速度の異なるディジタルデータ列を求めるにあたり、上記のデータ補間が行なわれる。
【0006】
図1は、アナログ信号の一例を示す図、図2は、図1に示すアナログ信号が標本化されたディジタルデータ列を示す模式図である。
【0007】
図1に示すf(t)で表わされるアナログ信号が与えられた場合に、例えばアナログ・ディジタル変換器により標本化時間間隔Δtで標本化され、図2の丸印の高さ(棒グラフの長さ)に相当する数値で表わされたディジタルデータ列f(nΔt)に変換される。
【0008】
ここで、図2に示すようなディジタルデータ列f(nΔt)から、任意の時刻tの、図2に破線で示すもともとのアナログ信号f(t)に相当するデータを求めることが、ここでいうデータ補間である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来採用されているデータ補間法の1つにゼロ点追加法がある。このゼロ点追加法は、図2に示すようなディジタルデータ列f(nΔt)の隣接する標本点どうしの間に内挿したい数だけゼロ点(データ値ゼロを持つ標本点)を等間隔に追加し、このようにして標本点を何倍にも増やした上でディジタルの低域通過フィルタを通過させる、という手法である。このゼロ点追加法によれば、最初の標本化にあたってエイリアジングノイズを防止するためのフィルタリング処理をきちんと行なっている限りにおいて、ゼロ点として追加した標本点のデータを正確に再生することができる。
【0010】
しかしながら、このゼロ点追加法では、もともとの標本点どうしの間にゼロ点を等間隔に追加する必要があり、追加点数で決まる固定時刻の点のデータは正確に再生できるものの、任意の時刻のデータを再生することは不可能である。
【0011】
また、従来採用されているデータ補間法のうちの他の方法として、染谷&シャノン(Shannon)の標本化定理を利用する方法がある。
【0012】
図3は、その標本化定理の原理説明図である。
【0013】
ここでは、各標本点を中心としたsinc関数が用いられ、式
【0014】
【数13】
Figure 0004252736
【0015】
により、時刻tのデータfint(t)が求められる。
【0016】
この標本化定理を採用すると、やはり最初の標本化にあたってエイリアジングノイズ防止のためのフィタリング処理がきちんと行なわれてさえいれば、数学的には、任意の時刻tのデータを再生することができる。
【0017】
しかしながら、この標本化定理は、式(D)からわかるように無限個の標本点を必要とする。しかしながら現実的には、有限個の標本点のデータで演算を行なう必要を生じ、その分ある程度大きな誤差を含む結果しか求めることができないという問題がある。
【0018】
本発明は、上記事情に鑑み、有限個の標本点のディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻のデータを高精度に求めることができるデータ補間方法、コンピュータ内でそのデータ補間方法を実行するデータ補間プログラム、およびそのデータ補間方法を実施するデータ補間装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のデータ補間方法のうちの第1のデータ補間方法は、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得し、
取得したディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0020】
【数14】
Figure 0004252736
【0021】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し偶数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0022】
【数15】
Figure 0004252736
【0023】
あるいは該内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めることを特徴とする。
【0024】
ここで、「該内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数」とは、例えば内挿関数(B)に、内挿関数(B)自体と実質的に変わらないような何らかの補正項や補正係数などを追加した内挿関数や、あるいは内挿関数(B)の曲線をそのままなぞるスプライン関数など、内挿関数(B)を実質的に真似た式や関数をいう。後述する本発明の第1のデータ補間プログラムおよび本発明の第1のデータ補間装置においても同様である。
【0025】
上記の第1のデータ補間方法によれば、標本数Nが偶数であるという制限はあるものの、これは演算上の実質的な制限にはならず、精度的には極めて高精度に、任意の時刻tのデータを再生することができる。
【0026】
ここで、上記第1のデータ補間方法において、取得したディジタルデータ列に基づいて、上記式(A)に従ってデータfp(t)を求めるにあたり、
取得したディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出し、
切り出したディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めてもよい。
【0027】
ディジタルデータ列が極めて長いときは、データを求めようとする時刻を含む時間領域のディジタルデータ列を窓関数により切り出して、その切り出したディジタルデータ列に基づくデータ補間演算を行なうことで演算時間の短縮化が図られる。
【0028】
また、上記第1のデータ補間方法において、取得したディジタルデータ列に基づいて、上記式(A)に従ってデータfp(t)を求めるにあたり、
取得したディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出し、
切り出した複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求め、
複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めることも好ましい形態である。
【0029】
この方法を採用すると、例えばもともとの標本化時間Δtとは異なる標本化時間で標本化したディジタルデータ列を、短かい演算時間で算出することができる。
【0030】
また、上記目的を達成する本発明のデータ補間方法のうちの第2のデータ補間方法は、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得し、
取得したディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0031】
【数16】
Figure 0004252736
【0032】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し奇数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0033】
【数17】
Figure 0004252736
【0034】
あるいは該内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めることを特徴とする。
【0035】
ここで、「該内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数」とは、内挿関数(B)の場合と同様、例えば内挿関数(C)に、内挿関数(C)自体と実質的に変わらないような何らかの補正項や補正係数などを追加した式や、あるいは内挿関数(C)の曲線をそのままなぞるスプライン関数など、内挿関数(C)を実質的に真似た式や関数をいう。後述する本発明の第2のデータ補間プログラムおよび本発明の第2のデータ補間装置においても同様である。
【0036】
上記の第2のデータ補間方法によれば、N個の標本化データが奇数であるという制限はあるものの、これは演算上の実質的な制限にはならず、精度的には極めて高精度に、任意の時刻tのデータを再生することができる。
【0037】
ここで、上記第2のデータ補間方法において、取得したディジタルデータ列に基づいて、上記式(A)に従ってデータfp(t)を求めるにあたり、
取得したディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出し、
切り出したディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めてもよい。
【0038】
第1のデータ補間方法のときと同様、ディジタルデータ列が極めて長いときは、データを求めようとする時刻を含む時間領域のディジタルデータ列を窓関数により切出して、その切り出したディジタルデータ列に基づくデータ補間演算を行なうことで演算時間の短縮化が図られる。
【0039】
また、上記第2のデータ補間方法において、取得したディジタルデータ列に基づいて、上記式(A)に従ってデータfp(t)を求めるにあたり、
取得したディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出し、
切り出した複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求め、
複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めることも好ましい形態である。
【0040】
これも第1のデータ補間方法のときと同様、この方法を採用すると、例えばもともとの標本化時間Δtとは異なる標本化時間で標本化したディジタルデータ列を、短かい演算時間で算出することができる。
【0041】
また、上記本発明のデータ補間プログラムのうちの第1のデータ補間プログラムは、コンピュータ内で実行され、該コンピュータを、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得するデータ取得部と、
上記データ取得部で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0042】
【数18】
Figure 0004252736
【0043】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し偶数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0044】
【数19】
Figure 0004252736
【0045】
あるいは該内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数(B)を採用して、求めるデータ補間部とを有するデータ補間装置として動作させることを特徴とする。
【0046】
ここで、上記第1のデータ補間プログラムにおいて、上記データ補間部は、
上記データ取得部で取得されたディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出すデータ切出し過程と、
データ切出し過程において切り出されたディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めるデータ演算過程とを有するものであってもよい。
【0047】
また、上記第1のデータ補間プログラムにおいて、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出すデータ切出し過程と、
データ切出し過程により切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求めるデータ演算過程と、
データ演算過程により、複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた、同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めるデータ合成過程とを有するものであることも好ましい形態である。
【0048】
また、上記本発明のデータ補間プログラムのうちの第2のデータ補間プログラムは、コンピュータ内で実行され、そのコンピュータを、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得するデータ取得部と、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0049】
【数20】
Figure 0004252736
【0050】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し奇数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0051】
【数21】
Figure 0004252736
【0052】
あるいは該内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めるデータ演算部とを有するデータ補間装置として動作させることを特徴とする。
【0053】
ここで、上記第2のデータ補間プログラムにおいて、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出すデータ切出し過程と、
データ切出し過程において切り出されたディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めるデータ演算過程とを有するものであってもよい。
【0054】
また、上記第2のデータ補間プログラムにおいて、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出すデータ切出し過程と、
データ切出し過程により切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求めるデータ演算過程と、
データ演算過程により、複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた、同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めるデータ合成過程とを有するものであることも好ましい形態である。
【0055】
また、上記本発明のデータ補間装置のうちの第1のデータ補間装置は、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得するデータ取得部と、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0056】
【数22】
Figure 0004252736
【0057】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し偶数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0058】
【数23】
Figure 0004252736
【0059】
あるいは該内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めるデータ演算部とを備えたことを特徴とする。
【0060】
ここで、上記第1のデータ補間装置において、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出すデータ切出部と、
上記データ切出部において切り出されたディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めるデータ演算部とを有するものであってもよい。
【0061】
また、上記第1のデータ補間装置において、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出すデータ切出部と、
データ切出部により切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(B)あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求めるデータ演算部と、
データ演算部により、複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた、同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めるデータ合成部とを有するものであることも好ましい形態である。
【0062】
また、上記本発明のデータ補間装置のうちの第2のデータ補間装置は、アナログ信号が所定の標本化時間間隔で標本化されることにより得られたディジタルデータ列を取得するデータ取得部と、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0063】
【数24】
Figure 0004252736
【0064】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し奇数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0065】
【数25】
Figure 0004252736
【0066】
あるいは該内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めるデータ演算部と備えたことを特徴とする。
【0067】
ここで、上記第2のデータ補間装置において、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から窓関数によりN個の標本化データからなるディジタルデータ列を切り出すデータ切出部と、
データ切出部において切り出されたディジタルデータ列に基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、上記窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp(t)を求めるデータ演算部とを有するものであってもよい。
【0068】
また、上記第2のデータ補間装置において、上記データ補間部は、
データ取得部で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出すデータ切出部と、
データ切出部により切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記内挿関数(C)あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用したときの上記式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)を求めるデータ演算部と、
データ演算部により、複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた、同一の時刻のデータfp1(t)どうしを合成することにより、該同一の時刻のデータfp(t)を求めるデータ合成部とを有するものであることも好ましい形態である。
【0069】
また、上記第1のデータ補間装置および上記第2のデータ補間装置のいずれにおいても、上記データ取得部の前段に、アナログ信号を受け取りそのアナログ信号を所定の標本化時間で標本化してディジタルデータ列を生成するアナログ・ディジタル変換部を備えてもよい。
【0070】
本発明の第1のデータ補間装置および第2のデータ補間装置は、そのデータ補間装置の外部でアナログ信号からディジタルデータ列に変換されて、その変換後のディジタルデータ列を取得するものであってもよいが、本発明の第1のデータ補間装置あるいは第2のデータ補間装置が、アナログ・ディジタル変換部を備え、外部からアナログ信号を受け取り、自分の内部でディジタルデータ列に変換するものであってもよい。
【0071】
さらに、上記第1のデータ補間装置および上記第2のデータ補間装置において、アナログ・ディジタル変換部を備えた場合に、そのアナログ・ディジタル変換部のさらに前段に、エイリアジングノイズ防止用のアンチエイリアジングフィルタを備えることが好ましい。
【0072】
こうすることにより、自分自身でアンチエイリアジングノイズの混入の防止をコントロールすることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0074】
図4は、本発明のデータ補間装置の一実施形態として動作するデータ補間演算用コンピュータの外観斜視図である。本発明の一実施形態としてのデータ補間装置は、このデータ補間演算用コンピュータ100のハードウェアとその内部で実行されるソフトウェアとの組合せにより実現されている。
【0075】
このデータ補間演算用コンピュータ100は、CPU、RAMメモリ、磁気ディスク、通信用ボード等を内蔵した本体101、本体からの指示によりその表示画面102a上に画面表示を行なうCRTディスプレイ102、このデータ補間演算用コンピュータ内に、オペレータの指示や文字情報を入力するためのキーボード103、表示画面上の任意の位置を指定することによりその位置に表示されているアイコン等に応じた指示を入力するマウス104を備えている。
【0076】
本体101には、CD−ROM105(図5参照)が取り出し自在に装填され、装填されたCD−ROM105をドライブするCD−ROMドライブも内蔵されている。
【0077】
ここでは、CD−ROM105に、本発明の一実施形態としてのデータ補間プログラムが記憶されており、そのCD−ROM105が本体101内に装填され、CD−ROMドライブによりそのCD−ROM105に記憶されたデータ補間プログラムがそのデータ補間演算用コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされる。データ補間演算用コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされたデータ補間プログラムが起動されると、このデータ補間演算用コンピュータ100は、本発明のデータ補間装置の一実施形態として動作する。
【0078】
図5は、図4に示すデータ補間演算用コンピュータ100のハードウェア構成図である。
【0079】
このハードウェア構成図には、中央演算処理装置(CPU)111、RAM112、磁気ディスクコントローラ113、CD−ROMドライブ115、マウスコントローラ116、キーボードコントローラ117、ディスプレイコントローラ118、およびA/D変換ボード120が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0080】
A/D変換ボード120上には、フィルタ121およびA/D変換器122が搭載されており、このA/D変換ボード120は、図4に示すデータ補間用コンピュータ100の本体101内に装填されている。
【0081】
このA/D変換ボード120上のA/D変換器122は、入力されたアナログ信号を所定の標本化時間間隔(サンプリング間隔)Δtで標本化(サンプリング)してディジタルデータ列を生成するものであり、またこのA/D変換ボード120に搭載されたフィルタ121は、A/D変換器122により得られるディジタルデータ列にエイリアジングノイズ(折り返し雑音)が混入するのを防止するための、低域通過型のアンチエイリアジングフィルタである。
【0082】
CD−ROMドライブ115は、図4を参照して説明したように、CD−ROM105が装填され、装填されたCD−ROM105をアクセスするものである。
【0083】
また、図5には、磁気ディスクコントローラ113によりアクセスされる磁気ディスク114、マウスコントローラ116により制御されるマウス104、キーボードコントローラ117により制御されるキーボード103、およびディスプレイコントローラ118により制御されるCRTディスプレイ102も示されている。
【0084】
図6は、本発明の一実施形態としてのデータ補間プログラムの構成を示す図である。
【0085】
ここでは、このデータ補間プログラム200は、CD−ROM105に記憶されており、このデータ補間プログラム200は、データ取得部210およびデータ補間部220から構成されている。また、そのうちのデータ補間部220は、データ切出し過程221、データ演算過程、およびデータ合成過程223から構成されている。このデータ補間プログラム200を構成する各部の作用については後述する。
【0086】
図7は、本発明の一実施形態としてのデータ補間方法の構成を示すフローチャートである。
【0087】
このデータ補間方法は、データ取得ステップ(ステップa)とデータ補間ステップ(ステップb)からなり、データ補間ステップ(ステップb)は、データ切出しステップ(ステップb1)、データ演算ステップ(ステップb2)、およびデータ合成ステップ(ステップb3)からなる。このデータ補間方法は、本実施形態では、図6に示すデータ補間演算プログラムが図4、図5に示すデータ補間演算用コンピュータ100にインストールされて実行されることにより、そのデータ補間プログラムにより実施される。
【0088】
このデータ補間方法の各ステップの作用については、以下に説明する図8のデータ補間装置の説明の際に、図6のデータ補間プログラムの各部の作用も合わせて一緒に説明する。
【0089】
図8は、図4、図5に示すデータ補間演算用コンピュータに図6に示すデータ補間プログラムがインストールされて実行されることにより実現された、本発明のデータ補間装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【0090】
この図8に示すデータ補間装置300には、データ取得部310とデータ補間部320が備えられており、そのうちのデータ補間部320は、データ切出部321、データ演算部322、およびデータ合成部323から構成されている。
【0091】
ここで、図6に示すデータ補間プログラムおよび図7のデータ補間方法との関係では、図8のデータ補間装置300のデータ取得部310は、図6のデータ補間プログラム200のデータ取得部210、および図7のデータ補間方法のデータ取得ステップ(ステップa)に対応し、図8のデータ補間装置300のデータ補間部320は、図6のデータ補間プログラム200のデータ補間部220、および図7のデータ補間方法のデータ補間ステップ(ステップb)に対応し、図8のデータ補間装置300のデータ補間部320を構成するデータ切出部321、データ演算部322、およびデータ合成部323のそれぞれは、図6のデータ補間プログラム200を構成するデータ補間部220をさらに構成する、データ切出し過程221、データ演算過程222、およびデータ合成過程223のそれぞれ、および図7のデータ補間方法のデータ補間ステップ(ステップb)を構成するデータ切出しステップ(ステップb1)、データ演算ステップ(ステップb2)、データ合成ステップ(ステップb3)のそれぞれに対応する。ただし、図8のデータ補間装置300のデータ取得部310およびデータ補間部320(データ切出し部321、データ演算部322、およびデータ合成部323)は、それぞれがハードウェアとソフトウェアとの複合からなるものであるのに対し、図6のデータ補間プログラム200の、それらに対応する要素は、アプリケーションソフトウェアの部分のみからなるものである。また、図7のデータ補間方法は、上述したとおり、本実施形態では、図6のデータ補間プログラムが図4、図5のデータ補間演算コンピュータ100にインストールされてそのデータ補間演算用コンピュータ100内で実行されることにより、そのデータ補間演算コンピュータ100内でそのデータ補間プログラムにより実施される。
【0092】
以下、この図8のデータ補間装置300の各部の作用を説明することで、図6のデータ補間プログラムおよび図7のデータ補間方法の説明に代える。
【0093】
図8のデータ補間装置のデータ取得部310は、図5に示すA/D変換ボード120を制御して、そのA/D変換ボード120におけるフィルタリングおよびA/D変換により得られたディジタルデータ列を、図6のデータ補間プログラム200内に取り込む役割りを成すものであり、ハードウェア上は、図6のデータ補間プログラム200を構成するデータ取得部210を実行するCPU111等がこれに相当する。
【0094】
また、データ補間部320は、データ取得部310で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0095】
【数26】
Figure 0004252736
【0096】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し偶数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0097】
【数27】
Figure 0004252736
【0098】
あるいはその内挿関数(B)と実質的に同等な内挿関数を採用して、求めるものである。
【0099】
あるいは、このデータ補間部320は、データ取得部310で取得されたディジタルデータ列に基づいて、任意の時刻tのデータfp(t)を、式
【0100】
【数28】
Figure 0004252736
【0101】
ここで、t0は、任意の参照時刻
Δtは、標本化時間
Nは、標本数(但し奇数)
{fp(t0+n・Δt)}
(n=0,1,2,…,N−1)はN個の標本化データ
ψ(t)は、内挿関数
を表わす。
に従うとともに、該式(A)中の内挿関数ψ(t)として、
【0102】
【数29】
Figure 0004252736
【0103】
あるいはその内挿関数(C)と実質的に同等な内挿関数を採用して求めるものであってもよい。
【0104】
内挿関数(B)を採用するか内挿関数(C)を採用するかは、標本点の数(標本数)Nが偶数であるか奇数であるかによる。
【0105】
このデータ補間部320は、ハードウェア上は、図6に示すデータ補間プログラム200を構成するデータ補間部220を実行するときのCPU111等がこれに相当する。
【0106】
ここで、図8のデータ補間装置300のデータ補間部320を構成するデータ切出部321では、データ取得部310で取得されたディジタルデータ列から、窓関数により、N個の標本化データからなるディジタルデータ列が切り出される。ここでは窓関数としてハニング窓が採用されている。但し、本発明にいう窓関数はハニング窓に限定されるものではなく、その目的等に応じ、どのような窓関数を用いてもよい。
【0107】
ここで、データ補間部320では、データ取得部310で取得されたディジタルデータ列を構成する全てのデータを用いてデータ補間演算を行なうこともでき、このときは、データ切出部321は作用しない。あるいはこのデータ切出部321は、時間幅が最大に広げられるとともに窓内は全て1の重み付けの窓関数を採用すると考えることもできる。
【0108】
また、データ演算部322では、データ切出部321で切り出されたディジタルデータ列(データ切出部321を作用させずにこのデータ切出部321をそのまま通り抜けたディジタルデータ列を含む)に基づいて、上記式(A)に従って、窓関数の窓内(データ切出部321を作用させなかったときはデータ取得部310で取得されたディジタルデータ列内)の任意の時刻tのデータfp(t)が求められる。
【0109】
ここで、データ切出部321は、データ取得部310で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出す機能を有するものであって、このときは、データ演算部322では、データ切出部321により切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて、上記式(A)に従って、各ディジタルデータ列の切り出しに用いた各窓関数の窓内の任意の時刻tのデータfp1(t)が求められる。
【0110】
また、データ合成部323は、データ切出部321およびデータ演算部322でこのような処理が行なわれるときに作用するものであり、このデータ合成部323では、データ演算部322により、複数の窓関数で切り出された複数のディジタルデータ列それぞれに基づいて求められた、同一の時刻のデータfp1(t)どうしが合成され、これにより、その同一の時刻のデータfp(t)が求められる。
【0111】
図9は、データ切出部によるディジタルデータ列の切出しの様子を示す模式図である。
【0112】
この図9の横軸は時間、縦軸はハニング窓の値であり、例えば時刻0と時刻100との間の1つの山形の曲線が1つのハニング窓を表わしている。ここには、そのようなハニング窓が時間方向に並んだハニング窓群(1)と、そのハニング窓群(1)に対し180°位相がずれたハニング窓群(2)が示されている。
【0113】
この図9の時間軸方向にデータ取得部310で取得したディジタルデータが並んでいるものとし、各ハニング窓群(1),(2)を構成する各ハニング窓それぞれで、そのディジタルデータ列を切り出す。
【0114】
ここで、ハニング窓でディジタルデータ列を切り出すとは、そのハニング窓の内部のディジタルデータ列を抽出し、その抽出したディジタルデータ列を構成する各ディジタルデータに、そのハニング窓の対応する各値を乗算する(そのハニング窓で重み付けをする)ことを意味する。これを数式で表現すると、ハニング窓の窓関数をW(nΔt)、データ取得部で得られた、切出し前のディジタルデータ列をF(t0+nΔt)、切出後のディジタルデータ列をG(t0+nΔt)としたとき、
G(t0+nΔt)=F(t0+nΔt)・W(nΔt) ……(D)
となる。ただしt0は任意の参照時刻、n=0,1,2,……,N−1である。
【0115】
この図9に示す、各ハニング窓のそれぞれでディジタルデータ列を切り出すことが、前述の、「データ取得部310で取得されたディジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個の標本化データからなる複数のディジタルデータ列を切り出す」ことの一例に相当する。
【0116】
データ切出部によりこのようなディジタルデータ列の切り出しが行なわれたときは、データ演算部では、各ハニング窓で切り出された各ディジタルデータ列に関し、前掲の式(A)あるいは(B)、あるいはそれらと同等な式によるデータ補間演算が行なわれる。
【0117】
図10は、データ合成部の作用説明図である。
【0118】
図10には、ハニング窓(1)上のサンプル点(ディジタルデータ)とハニング窓(2)上のサンプル点(ディジタルデータ)が示されている。
【0119】
図9のように時間的に一部が重なった複数のハニング窓でディジタルデータ列を切り出して、切り出されたそれぞれのディジタルデータ列についてデータ補間演算を行なうと、図10に示すように、同じ内挿位置(同じ時点)に、別々のハニング窓で切り出したディジタルデータ列についてそれぞれ1つずつ、合計で複数(ここでは2つ)の補間データが生成される。そこで、データ合成部では、それら同一時点の複数(ここでは2つ)の補間データを合成して1つの内挿位置(1つの時点)について1つの補間データを生成する。ここでは、図9に示すように位相が180°ずれた2つのハニング窓群(1),(2)を採用しており、それら2つのハニング窓群(1),(2)を相互に加算するとその加算値はどの時点でも1となる。そこで、ここに示す例では、1つの内挿位置(1つの時点)について複数(2つ)生成された補間データを相互に加算することによって1つの内挿位置(1つの時点)につき1つの補間データが生成される。
【0120】
図8に戻って説明を続ける。
【0121】
図8に示すデータ補間装置300のデータ取得部310の前段には、アナログ信号を所定のサンプリング間隔Δtでディジタルデータ列に変換するアナログ・ディジタル変換部330が備えられており、さらにその前段には、エイリアジングノイズ防止用のアンチエイリアジングフィルタ340が備えられている。
【0122】
これらアナログ・ディジタル変換部330およびアンチエイリアジングフィルタ340は、図3、図4に示すデータ補間演算用コンピュータ100におけるA/D変換ボード120に搭載されたA/D変換器122およびフィルタ121に相当する。
【0123】
アンチエイリアジングフィルタ340には、外部からアナログ信号が入力され、このアンチエイリアジングフィルタ340では、A/D変換後のディジタルデータ列にエイリアジングノイズ(折り返し雑音)が混入するのを避けるために、その入力されたアナログ信号の高周波成分がカットされる。
【0124】
このアンチエイリアジングフィルタ340により高周波成分がカットされたアナログ信号はアナログ・ディジタル変換部330に入力され、所定の標本化時間間隔(サンプリング時間間隔)Δtごとに標本化(サンプリング)されてディジタルデータ列が生成される。このアナログ・ディジタル変換部330において生成されたディジタルデータ列はデータ取得部310に受け渡され、上述のデータ補間演算処理が実行される。
【0125】
前掲の内挿関数(B),(C)の導出はさらに後に回わし、以下では、本発明のデータ補間方法の、シミュレーション結果、および実際の測定データに適用した例について説明する。
【0126】
図11〜図20は正弦波を元データとしてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。以下、図11を中心に説明し、図12〜図20に関しては図11との相違点について説明する。
【0127】
ここでは、図11(a)に示すような一周期分の正弦波が時間間隔Δt=1.0ごとに100点サンプリングされたものを元データとしている。
【0128】
図11は、その元データ全て(100点)を使って、前掲の式(A)に従って内挿(データ補間)演算を行なった場合のシミュレーション結果を示す図である。
【0129】
図11(a)は100点からなる元データ、図11(b)は内挿(データ補間)演算により得られる、1000点からなる内挿値、図11(c)は、(内挿値−厳密値)からなる誤差、図11(d)は、誤差=(内挿値−厳密値)を厳密値で割り算した結果の絶対値からなる相対誤差を示している。
【0130】
相対誤差は、元データ(正弦波)のゼロ点近傍では、極めて小さい値(厳密値)で割り算をすることになるため値が少し大きくなっているが、全体として、このシミュレーションに用いたコンピュータの演算誤差の限界程度の誤差しかあらわれておらず、式(A)に従えば、有限個のデータ(ここでは100点のデータ)で極めて厳密な内挿値を求めることができることがわかる。奇数個のデータを用いた場合も同様に、極めて厳密な内挿値を求めることができる。
【0131】
図12は、図9,図10を参照して説明したようにして、データ数で5点分の窓の長さを持つハニング窓(すなわち、窓内のデータを、窓の両端に位置するデータ(ゼロ点)を含め左端(時間的に早いもの)から右端(時間的に遅いもの)に向かって順に第1点、第2点、第3点、第4点、第5点とした時、右端(第5点)を除き第1点から第4点までの、合計4点のデータを抽出する長さの窓をもつハニング窓)で順次切り出してデータ補間およびデータ合成をおこなったとき(これを「窓長さ5のとき」と略記する。他の窓長さのときも同様である)のものである。この場合、1つのハニング窓で切り出されるデータの数は4(偶数)であるため、前掲の式(B)に従ってデータ補間(内挿)が行なわれる。図12(a),(b),(c),(d)は、それぞれ図11(a),(b),(c),(d)に対応し、それぞれ、元データ、内挿値データ、誤差、相対誤差を表わしている。
【0132】
この図12の例に示すように、窓長さが短かい場合、誤差は大きくなる。
【0133】
図13〜図18は、それぞれ、窓長さ7,9,11,21,41,81のときのもの、図19,図20は、元データ(正弦波)が100点よりもさらに連続しているものとしたときの、窓長さ101(データ数は100),201(データ数は200)のときのものである。
【0134】
図21は、上記のシミュレーションにおける、窓の長さに対する誤差の最大値を示す図である。
【0135】
この図21から、1つのハニング窓内に正弦波1周期分あるいはそれ以上のディジタルデータ列が存在する場合、極めて厳密な内挿(データ補間)を行なうことができることがわかる。
【0136】
したがって、厳密に再現する必要のある最低周波数を考慮し、1つの窓内にその最低周波数の一周期分以上のディジタルデータ列が入るように窓の長さを決めることにより、厳密なデータの再現を行なうことができる。
【0137】
尚、上記のシミュレーションにおいて示した誤差の量は、採用した窓関数の形にも依存するものであり、ここに示したものはあくまでも窓関数としてハニング窓を使ったときの数値例である。以下に示す適用例についても同様である。
【0138】
次に、本発明のデータ補間演算を実際の計測データに適用した例について説明する。
【0139】
図22は、自動車エンジンの筒内圧の変化を示す図である。
【0140】
ここでは、自動車用4サイクルエンジンの筒内圧を、そのエンジンの回転角度0.25度おきに720度(2回転分)にわたってサンプリングして得た2880点のデータを、内挿(データ補間)演算により一旦2913点のデータに変換し、次いで、その2913点のデータを、もう一度内挿(データ補間)演算を行なって元と同じ2880点のデータに変換したときの、もともとの2880点のデータと内挿(データ補間)演算を2回行なった後の2880点のデータとを比較した。
【0141】
図22(a)は、内挿(データ補間)演算前の2880点からなる元データ値を表わしており、図22(b)は、内挿(データ補間)演算を一回だけ行なった後の2913点のデータ(ここではこれを中間内挿値と称する)を表わしている。
【0142】
図23は、図22(a)の元データのフーリエスペクトルを示す図である。
【0143】
この図23のフーリエスペクトルからわかるように、このデータは、最高値(約60dB)に対し、高周波成分が100dB程度(10-5程度)までしか落ちておらず、わずかながらエイリアジングノイズが混入している。したがって、このデータを基に内挿演算を行なったとき、内挿演算自体は厳密であっても10-5程度の相対誤差が残ることになる。ここではこれを実証する。
【0144】
図24〜図37は、図22(a)の元データに内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【0145】
ここでは、図22を参照して説明したように、図24(a)にも示す2880点の元データ(元データ値)を、内挿(データ補間)演算により一旦2913点のデータ(中間内挿値)に変換し、それを再び、内挿(データ補間)演算により2880点のデータに変換したときの(ここでは、これら2回の内挿(データ補間)演算により得られたデータを再内挿値と称する)、元データ値を再内挿値とを比較した。
【0146】
以下、図24を中心に説明し、図25〜図37については、図24との相違点を説明する。
【0147】
図24は、2880点の元データ全てを用い、前掲の式(A)に基づいて内挿(データ補間)演算を行なって2931点の中間内挿値を得、次いで、今度は前掲の式(B)に基づいてもう一度内挿(データ補間)演算を行なって2880点の再内挿値を得たときの結果を示す図である。
【0148】
図24(a)は、図22(a)と同じ元データ値を示す図、図24(b)は、内挿(データ補間)演算を2回行なった後の再内挿値を示す図、図24(c)は、(再内挿値−元データ値)からなる誤差を示す図、図24(d)は、誤差=(再内挿値−元データ値)からなる誤差を元データ値で割り算し、その結果の絶対値からなる相対誤差を示す図である。
【0149】
図23のエイリアジングノイズのレベルから予想したように、相対誤差は10-5程度である。このことは内挿(データ補間)演算自体は極めて厳密に行なわれていることを意味している。
【0150】
図25は、窓長さ5(この窓により切り出されるデータの数は4)のときの、図24と同様な図である。
【0151】
この例に示すように、窓長さが短かいと誤差は大きくなる。
【0152】
図26〜図37は、窓長さが、それぞれ、7,9,11,17,21,31,41,81,101,201,401,801のときの結果を示す図である。
【0153】
窓長さが長くなるにつれて誤差は低下している。
【0154】
図38は、図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における、窓の長さと相対誤差の最大値との関係を示す図である。
【0155】
窓の長さを長くするほど相対誤差が小さくなっていることがわかる。
【0156】
図39は、図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における、元データから中間内挿値を得るときの窓の長さと演算時間との関係を示す図、図40は、図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における、中間内挿値から再内挿値を得るときの、窓の長さと演算時間との関係を示す図である。
【0157】
これらの図39,図40に示すように、演算時間は窓の長さにほぼ比例しており,実際の内挿(データ補間)にあたっては、必要な精度と演算時間とを考慮して窓の長さを決定することになる。
【0158】
上記の各例に示すように、本発明は、有限個のディジタルデータであってもある程度の標本数が集まれば任意の時刻のデータを極めて厳密に再現することができる。この点、従来のゼロ点追加法にも染谷&シャノン(Shannon)の標本化定理を利用する方法にも見られない本発明の大きな特徴である。標本数を窓関数によりある程度以下に制限したときは誤差を持つことになるが、誤差をかなり低いレベルに抑えつつ演算時間の短縮化が図られる。
次に、前掲の内挿関数(B)および内挿関数(C)を理論的に導出する。以下の理論的な導出から、内挿関数(B)または内挿関数(C)を採用することにより、有限個のデータで任意の時刻のデータを理論上厳密な意味で再現することができることがわかる。
1.はじめに
ここでは、離散的にサンプリングされた周期時系列信号を内挿する時に基礎となることについて、その出発点に位置する事柄について簡単に述べておく。ここでは、従来のサンプリング定理を利用する立場から、ポアソン(Poisson)の求和式を援用し、周期信号に対するサンプリング定理を導出する。その副産物として、標本点を用いた周期信号の内挿公式を導出することにする。
2.従来のサンプリング定理の適用とその変形
今、次の様な周期性を有する周期関数fp(t)を考える。
【0159】
【数30】
Figure 0004252736
【0160】
ここで、Tは周期である。周期関数fp(t)は、
【0161】
【数31】
Figure 0004252736
【0162】
で定義されるフ−リエ変換を持つものとする。
(fp(t)の周期性のために、フ−リエ変換Fp(ω)は、デルタ関数の線型結合の形で表される。従って、フ−リエ変換Fp(ω)は、超関数(一般化関数)として、解釈されるべきものである。)
周期関数fp(t)は、また、帯域制限されている、すなわち、そのフ−リエ変換Fp(ω)は、次のような形を有するものと仮定する。
【0163】
【数32】
Figure 0004252736
【0164】
ここで、限界間隔Δtcが導入された。この間隔Δtcは、ここでは、ナイキスト標本化間隔と呼ばれる。さて、ここで、新しい標本化間隔Δtを導入する。この標本化間隔は限界間隔Δtcよりも小さいか等しい大きさを持ち、その整数倍が周期間隔Tに一致するように設定される。すなわち、新しい標本化間隔Δtは、次式を満たすように設定されるのである。
【0165】
【数33】
Figure 0004252736
【0166】
【数34】
Figure 0004252736
【0167】
ここで導入された整数Nを、ここでは、単位周期の長さと呼ぶことにする。
【0168】
周期関数fp(t)は、帯域制限されているので、通常のサンプリング定理(後述の参考文献1)参照)が適用出来て、関数fp(t)は、
【0169】
【数35】
Figure 0004252736
【0170】
のように表される。ここで、内挿関数φ(t)は、
【0171】
【数36】
Figure 0004252736
【0172】
として与えられる。
【0173】
後述の付記Aより、(2−6)式は、また、
【0174】
【数37】
Figure 0004252736
【0175】
とも表される。
【0176】
(2−8)式で
【0177】
【数38】
Figure 0004252736
【0178】
と置くと、fp(t)の周期性(2−1)を考慮に入れて、
【0179】
【数39】
Figure 0004252736
【0180】
を得る。そこで、
【0181】
【数40】
Figure 0004252736
【0182】
と置くと、(2−10)は、
【0183】
【数41】
Figure 0004252736
【0184】
となり、fp(t)の内挿公式は、1周期内のfp(t)のサンプル値を用いて表されたことになる。従って、残った仕事は、ψ(t)を具体的に評価することである。ポアソン(Poisson)の求和式(後述の付記D、もしくは、後述の参考文献2)参照)を利用すると、(2−11)のψ(t)は
【0185】
【数42】
Figure 0004252736
【0186】
のように、φ(t)のスペクトルΦ(ω)で表されることになる。
【0187】
今の場合、φ(t)は(2−7)で与えられており、等式、
【0188】
【数43】
Figure 0004252736
【0189】
を利用すると、
【0190】
【数44】
Figure 0004252736
【0191】
と見做し得ることが判る。(積分の端点±(π/Δt)は、含まれても、含まれなくても良いということを注意しておく。なぜなら、これらの点は、ルベ−グ測度の意味では、零集合に属するからである。従って、区間表示、[−π/Δt,+π/Δt]や(−π/Δt,+π/Δt)も(2−15)式では許されるのであるが、ここでは、省略した。)この時、(2−13)は、
【0192】
【数45】
Figure 0004252736
【0193】
と書ける。なお、(2−12)で特に、t=t0+m・Δtと置くと、
【0194】
【数46】
Figure 0004252736
【0195】
従って、fp(t)の周期性(2−1)と、(2−5)とを考慮に入れると、
【0196】
【数47】
Figure 0004252736
【0197】
の性質が要求されることになる。
【0198】
さて、ここで、
【0199】
【数48】
Figure 0004252736
【0200】
に注意すると、(2−16)のψ(t)は次式で与えられることになる。
【0201】
【数49】
Figure 0004252736
【0202】
ただし、
【0203】
【数50】
Figure 0004252736
【0204】
とした。(2−20)に(2−21)を入れて、
【0205】
【数51】
Figure 0004252736
【0206】
を得る。ところで、ψ(t)は、(2−18)のψ(n・Δt)=δn,lNを満たす必要があった。つまり、
【0207】
【数52】
Figure 0004252736
【0208】
を満たす必要があった。n≠lNの時、(2−23)がゼロになるには、次式が要求される。
【0209】
【数53】
Figure 0004252736
【0210】
更に、n=lNの時、(2−23)が1になるには、
【0211】
【数54】
Figure 0004252736
【0212】
が要求される。これ以上は、Nが偶数か、奇数かに分けて議論したほうが判り易いので、節を改めて、議論を行なうことにする。
3.周期信号に対するサンプリング定理(1)(Nが偶数の場合)
本節では、Nが偶数の場合を考える。(2−13)、(2−15)、(2−16)、
【0213】
【数55】
Figure 0004252736
【0214】
【数56】
Figure 0004252736
【0215】
【数57】
Figure 0004252736
【0216】
より、
【0217】
【数58】
Figure 0004252736
【0218】
【数59】
Figure 0004252736
【0219】
と置けば良いことが判る。この時、(3−4)と、(2−24)、(2−25)より、
【0220】
【数60】
Figure 0004252736
【0221】
の時か、
【0222】
【数61】
Figure 0004252736
【0223】
の場合のみが許されることが判る。この時、(2−22)と(3−4)、(3−5)より、
【0224】
【数62】
Figure 0004252736
【0225】
を得る。ここで、括弧でくくった符号
【0226】
【数63】
Figure 0004252736
【0227】
は、(3−5a)、(3−5b)のamax、aminの値の取り方に対応していることを示している。
【0228】
こうして、Nが偶数の時の、周期時系列の内挿公式は、(3−6)、(2−12)で与えられることになる。むろん、これが可能なのは、信号が(2−3)の帯域制限条件を満たしている場合であり、(2−12)は、こういった周期時系列に対するサンプリング定理と見做すことができよう。
【0229】
ところで、(3−6)で与えられる内挿関数は複素数値を取る関数であるが、はたして、その虚数部は必要なのか否かという疑問が出て来る。ここでは、この点について考察を加えておく。
(3−6)を、
【0230】
【数64】
Figure 0004252736
【0231】
【数65】
Figure 0004252736
【0232】
【数66】
Figure 0004252736
【0233】
と置く。(3−7)、(3−8)を(2−12)に入れることにより、
【0234】
【数67】
Figure 0004252736
【0235】
【数68】
Figure 0004252736
【0236】
【数69】
Figure 0004252736
【0237】
を得る。ただし、
【0238】
【数70】
Figure 0004252736
【0239】
は、それらがそれぞれ、
【0240】
【数71】
Figure 0004252736
【0241】
に基づいて計算されたことを単に示しているだけであり、これら自身が常に実数値関数であるということを保証している訳ではない。fp(t)自身が複素数値関数の時には、これらも複素数値関数になることを注記しておく。
【0242】
さて、先に、(3−11)の値を調べることにする。(3−11)に(3−8b)を入れると、
【0243】
【数72】
Figure 0004252736
【0244】
を得る。この
【0245】
【数73】
Figure 0004252736
【0246】
の値は、後述の付記Eに述べるように、ゼロとなることが示される。つまり、
【0247】
【数74】
Figure 0004252736
【0248】
という結論を得ることが出来る。こうして、Nが偶数の時の内挿関数は、それが(2−12)の中で用いられる時にのみ意味を持つと考える立場を採るならば、(3−7)、(3−8)、(3−9)、(3−11)、(3−13)より、
【0249】
【数75】
Figure 0004252736
【0250】
の実質的な形、
【0251】
【数76】
Figure 0004252736
【0252】
を次のように導入し得る。
【0253】
【数77】
Figure 0004252736
【0254】
以下では、
【0255】
【数78】
Figure 0004252736
【0256】
の性質について述べておく。
【0257】
1)周期性
【0258】
【数79】
Figure 0004252736
【0259】
ここで、Nが偶数であることを用いた。同様にして、
【0260】
【数80】
Figure 0004252736
【0261】
を得る。(3−15)、(3−16)は(実質的な)内挿関数が、周期N・Δtの周期性を持っていることを示している。
【0262】
2)t=lN・Δt、およびt=n・Δt (n=0,1,2,…,(N−1))での値
(3−6)より、明らかに
【0263】
【数81】
Figure 0004252736
【0264】
を得る。ここで、Nが偶数であることを用いた。同様にして、(3−14)式から、
【0265】
【数82】
Figure 0004252736
【0266】
を得る。
【0267】
次に、離散点、t=n・Δt、(n=0,1,2,…,(N−1))での、
【0268】
【数83】
Figure 0004252736
【0269】
または、
【0270】
【数84】
Figure 0004252736
【0271】
の値について考えておく。まず、n=0に対しては、(3−6)式でt→0の極限を取ることにより、次式を得る。
【0272】
【数85】
Figure 0004252736
【0273】
n=1,2,…,(N−1)に対しては、(3−6)式より、次式を得る。
【0274】
【数86】
Figure 0004252736
【0275】
同様にして、(3−14)式から、
【0276】
【数87】
Figure 0004252736
【0277】
【数88】
Figure 0004252736
【0278】
を得る。ただし、(3−22)では、n=1,2,…,(N−1)の場合を考えている。
3) 中間点t=(N/2)・Δtでの、
【0279】
【数89】
Figure 0004252736
【0280】
の値と、中間点t=(N/2)・Δtの周りでの
【0281】
【数90】
Figure 0004252736
【0282】
の様子
(3−6)式より、
【0283】
【数91】
Figure 0004252736
【0284】
を得る。ここで、Nが偶数であることを用いた。同様にして、(3−14)から、次式を得る。
【0285】
【数92】
Figure 0004252736
【0286】
(3−23)、(3−24)式より、Nが偶数の時の(有効)内挿関数は、周期の中間点でゼロになることが判る。
【0287】
次に、中間点t=(N/2)・Δtの周りでの、
【0288】
【数93】
Figure 0004252736
【0289】
の様子について調べておく。まず、
【0290】
【数94】
Figure 0004252736
【0291】
の実数部については、(3−8a)式より、
【0292】
【数95】
Figure 0004252736
【0293】
を得る。ここでも、Nが偶数であることを用いた。(3−25)式は、次のような対称性を示している。
【0294】
【数96】
Figure 0004252736
【0295】
つまり、
【0296】
【数97】
Figure 0004252736
【0297】
を示している。他方、虚数部については、(3−8b)より、
【0298】
【数98】
Figure 0004252736
【0299】
を得る。(3−28)式は、
【0300】
【数99】
Figure 0004252736
【0301】
を示している。
【0302】
(3−26)、(3−27)式より、Nが偶数の時の内挿関数の実数部(または、有効内挿関数)は、周期の中間点の周りに対称であることが判る。他方、(3−29)式より、Nが偶数の時の内挿関数の虚数部は、周期の中間点の周りに反対称であることが判る。
4.周期信号に対するサンプリング定理(2)(Nが奇数の場合)
本節では、Nが奇数の場合を考える。(2−13)、(2−15)、(2−16)、
【0303】
【数100】
Figure 0004252736
【0304】
【数101】
Figure 0004252736
【0305】
【数102】
Figure 0004252736
【0306】
より、
【0307】
【数103】
Figure 0004252736
【0308】
【数104】
Figure 0004252736
【0309】
と置けば良いことが判る。そして、この時には、
【0310】
【数105】
Figure 0004252736
【0311】
【数106】
Figure 0004252736
【0312】
となるので、(2−22)に(4−4)、(4−5)を入れると、
【0313】
【数107】
Figure 0004252736
【0314】
を得る。以下では、(4−6)のψ(t)の性質について述べておく。
【0315】
1)周期性
(4−6)で、t→t+lN・Δt=t+lTとすると、
【0316】
【数108】
Figure 0004252736
【0317】
となるが、本節では、Nは奇数であるとしているので、結局、
【0318】
【数109】
Figure 0004252736
【0319】
という、ψ(t)の周期性を得ることになる。
【0320】
2)t=n・Δt(n=0,1,2,…,(N−1))での値
(4−6)で、t=n・Δt(n=0,1,2,…,(N−1))、とすると、
【0321】
【数110】
Figure 0004252736
【0322】
従って、
【0323】
【数111】
Figure 0004252736
【0324】
【数112】
Figure 0004252736
【0325】
を得る。これは、(4−7)と合わせて、(2−23)、ひいては、(2−18)を満足していることになる。
【0326】
3)中間点t=(N/2)・Δtでの内挿関数の値と、中間点のまわりの対称性
(4−6)式より、
【0327】
【数113】
Figure 0004252736
【0328】
を得る。Nが偶数の時と異なり、中間点での内挿関数値は、ゼロにはならない。次に対称性であるが、(4−6)式より、次式を得る。
【0329】
【数114】
Figure 0004252736
【0330】
ここで、Nが奇数であることを用いた。こうして、Nが奇数の場合にも、t=(N/2)・Δtのまわりの対称性が示された。
【0331】
こうして、Nが奇数の時の、周期時系列の内挿公式は、(4−6)を内挿関数として、(2−12)、
すなわち、
【0332】
【数115】
Figure 0004252736
【0333】
で与えられることになる。むろん、これが可能なのは、信号が(4−1)の帯域制限条件を満たしている場合であり、(4−12)は、こういった周期時系列に対するサンプリング定理と見做すことができよう。
(付記A) サンプリング定理での時間の原点の採り方の任意性について
サンプリング定理の原形は、
【0334】
【数116】
Figure 0004252736
【0335】
の形をしている。この右辺を変形するために、
【0336】
【数117】
Figure 0004252736
【0337】
と置く。(A−2)より、
【0338】
【数118】
Figure 0004252736
【0339】
従って、
【0340】
【数119】
Figure 0004252736
【0341】
を得るが、これを(A−1)に入れて、更に(A−3)を用いると、
【0342】
【数120】
Figure 0004252736
【0343】
を得る。更に、
【0344】
【数121】
Figure 0004252736
【0345】
と置くと、
【0346】
【数122】
Figure 0004252736
【0347】
を得る。(A−7)の下側の符号を採用することにより、また、gをfで書き換えることにより、
【0348】
【数123】
Figure 0004252736
【0349】
を得る。つまり、サンプリング定理の右辺の時間の原点は、都合の良い所に採って良いことになる。
(付記B) デルタ関数の一表現について
ここでは、デルタ関数に関する公式、
【0350】
【数124】
Figure 0004252736
【0351】
を導出しておく。今、性質の良い関数(試験関数)
【0352】
【数125】
Figure 0004252736
【0353】
(台が有限、且つ、無限回微分可能な関数)を考え、積分、
【0354】
【数126】
Figure 0004252736
【0355】
を考える。積分区間を、(−∞,−ε]、[−ε,+ε],[+ε,+∞)の三つに分けて考え、それぞれ、I1、I2、I3とする。I1、I3について、例えば、I3は、Ω→+∞の場合、
【0356】
【数127】
Figure 0004252736
【0357】
となり、I3は、Ω→+∞とともにゼロに近づく。I1についも同様である。この性質は、Riemann−Lebesgueの補助定理と呼ばれている。残りのI2についてであるが、τ=Ωtなる変数変換をすると、
【0358】
【数128】
Figure 0004252736
【0359】
となり、結局、(B−2)、(B−3)、(B−4)から、(B−1)が言えることになる。なお、(B−4)の導出時に、公式、
【0360】
【数129】
Figure 0004252736
【0361】
を用いた。(B−5)は、図41に示す積分路Cに沿って積分を行なう複素積分、
【0362】
【数130】
Figure 0004252736
【0363】
を評価することにより、容易に示される。
(付記C) コム(Comb)関数とそのスペクトルについて(後述の参考文献3)参照)
[定理C−1]
Comb関数を、
【0364】
【数131】
Figure 0004252736
【0365】
で定義し、フ−リエ変換、逆変換を、
【0366】
【数132】
Figure 0004252736
【0367】
【数133】
Figure 0004252736
【0368】
で定義すると、Comb関数のスペクトルは、
【0369】
【数134】
Figure 0004252736
【0370】
【数135】
Figure 0004252736
【0371】
となる。ただし、
【0372】
【数136】
Figure 0004252736
【0373】
と置いた。
[証明]
今、
【0374】
【数137】
Figure 0004252736
【0375】
なる関数kN(t)を考える。関数kN(t)は、周期Tの周期関数である。今、関数kN(t)のN→∞の極限を考えるに、デルタ関数の一表現、
【0376】
【数138】
Figure 0004252736
【0377】
を利用すると、t∈(−T/2,+T/2)に対し、(C−7)のN→∞での極限は次のようになる。
【0378】
【数139】
Figure 0004252736
【0379】
関数kN(t)が、周期Tの周期関数であることを考えると、関数kN(t)のN→∞の極限は、(C−1)のsT(t)になることが判る。こうして、
【0380】
【数140】
Figure 0004252736
【0381】
が、まず、言えた。次に、(C−9)の両辺をフ−リエ変換する。
【0382】
【数141】
Figure 0004252736
【0383】
【数142】
Figure 0004252736
【0384】
[証明終わり]
(付記D) ポアソン(Poisson)の求和式とフ−リエ級数((後述の参考文献2)参照)
今、一つの関数f(t)を考え、これを、周期Tで重ね合わせた関数、
【0385】
【数143】
Figure 0004252736
【0386】
を考える。fP(t)は、前出(C−1)のST(t)を用いると、
【0387】
【数144】
Figure 0004252736
【0388】
と表せる。畳み込み積分のフ−リエ変換に関する公式、
【0389】
【数145】
Figure 0004252736
【0390】
を用い、また、(C−5)を用いると、
【0391】
【数146】
Figure 0004252736
【0392】
を得る。(D−1)と(D−4)より、
【0393】
【数147】
Figure 0004252736
【0394】
を得る。(D−5)を、ポアソン(Poisson)の求和式と呼ぶ。
(付記E)
【0395】
【数148】
Figure 0004252736
【0396】
の証明
今、周期Tの周期アナログ信号をfp(t)とする。すなわち、
【0397】
【数149】
Figure 0004252736
【0398】
とする。fp(t)は周期信号だから、フ−リエ級数展開が可能であり、次のように表される。
【0399】
【数150】
Figure 0004252736
【0400】
【数151】
Figure 0004252736
【0401】
ただし、(E−3)の積分記号は、1周期に渡る積分を表している。この積分を(近似的にでも)数値計算で計算しようとする時、まず、最初に思い付く公式は、
【0402】
【数152】
Figure 0004252736
【0403】
であろう。ただし、
【0404】
【数153】
Figure 0004252736
【0405】
とした。また、t0は、ゼロでも良い、適当な参照時刻である。(E−4)を参考にして、
【0406】
【数154】
Figure 0004252736
【0407】
と置く。
【0408】
【数155】
Figure 0004252736
【0409】
は、
【0410】
【数156】
Figure 0004252736
【0411】
なる周期性を有する。(E−6)から、
【0412】
【数157】
Figure 0004252736
【0413】
で表すには、
【0414】
【数158】
Figure 0004252736
【0415】
なる公式を利用する。すなわち、(E−6)にexp(j2πmk/N)を掛け、kについて0から(N−1)までの和を取り、(E−8)を利用すると、
【0416】
【数159】
Figure 0004252736
【0417】
を得る。
【0418】
他方、(E−2)において、
【0419】
【数160】
Figure 0004252736
【0420】
【数161】
Figure 0004252736
【0421】
と置くと、(E−5)で定義されたT=N・Δtを用いて、次式を得る。
【0422】
【数162】
Figure 0004252736
【0423】
(E−9)と(E−12)とを比べて、
【0424】
【数163】
Figure 0004252736
【0425】
を得る。(E−13)より、(E−7)の周期性が成り立っていることは明らかである。
【0426】
今、特に信号が、
【0427】
【数164】
Figure 0004252736
【0428】
のように、帯域制限された場合を考える。この時には、
【0429】
【数165】
Figure 0004252736
【0430】
となる。ここで、(E−14)より、
【0431】
【数166】
Figure 0004252736
【0432】
としたので、(E−15)は、k=±N/2に対しても、成り立つことを、注意しておく。
【0433】
さて、(E−6)で
【0434】
【数167】
Figure 0004252736
【0435】
とし、exp(±jπ・t0/Δt)を掛けたものは、
【0436】
【数168】
Figure 0004252736
【0437】
となる。ところが、(E−14)、(E−15)と、その下で述べたことにより、今は、
【0438】
【数169】
Figure 0004252736
【0439】
が言え、従って、
【0440】
【数170】
Figure 0004252736
【0441】
あるいは、
【0442】
【数171】
Figure 0004252736
【0443】
が言える。従って、(3−12)
【0444】
【数172】
Figure 0004252736
【0445】
で与えられる
【0446】
【数173】
Figure 0004252736
【0447】
はゼロ、つまり、
【0448】
【数174】
Figure 0004252736
【0449】
が得られる。
〔参考文献〕
1)Athanasios Papoulis, The Fourier Integral and Its Applications, McGraw−Hill Book Company,1962, Sec. 3−5 in Chap. 3.
2)ibid., Sec. 3−3 in Chap. 3
3)ibid., Sec. 3−2 in Chap. 3
【0450】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば有限個の標本数のディジタルデータ列を用いた内挿(データ補間)により、任意の時刻のデータを高精度に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アナログ信号の一例を示す図である。
【図2】図1に示すアナログ信号が標本化されたディジタルデータ列を示す模式図である。
【図3】標本化定理の原理説明図である。
【図4】本発明のデータ補間装置の一実施形態として動作するデータ補間演算用コンピュータの外観斜視図である。
【図5】図4に示すデータ補間演算用コンピュータのハードウェア構成図である。
【図6】本発明の一実施形態としてのデータ補間プログラムの構成を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態としてのデータ補間方法の構成を示すフローチャートである。
【図8】本発明のデータ補間装置の一実施形態の機能ブロック図である。
【図9】データ切出部によるディジタルデータ列の切出しの様子を示す模式図である。
【図10】データ合成部の作用説明図である。
【図11】正弦波を元データとしその元データを一括して用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図12】正弦波を元データとし窓長さ5のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図13】正弦波を元データとし窓長さ7のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図14】正弦波を元データとし窓長さ9のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図15】正弦波を元データとし窓長さ11のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図16】正弦波を元データとし窓長さ21のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図17】正弦波を元データとし窓長さ41のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図18】正弦波を元データとし窓長さ81のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図19】正弦波を元データとし窓長さ101のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図20】正弦波を元データとし窓長さ201のハニング窓を用いてデータ補間(内挿)を行なったときのシミュレーション結果を示す図である。
【図21】図11〜図20のシミュレーションにおける、窓の長さに対する誤差の最大値を示す図である。
【図22】自動車エンジンの筒内圧の変化を示す図である。
【図23】図22(a)の元データのフーリエスペクトルを示す図である。
【図24】図22(a)の元データを一括して用いて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図25】図22(a)の元データに窓長さ5のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図26】図22(a)の元データに窓長さ7のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図27】図22(a)の元データに窓長さ9のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図28】図22(a)の元データに窓長さ11のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図29】図22(a)の元データに窓長さ17のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図30】図22(a)の元データに窓長さ21のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図31】図22(a)の元データに窓長さ31のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図32】図22(a)の元データに窓長さ41のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図33】図22(a)の元データに窓長さ81のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図34】図22(a)の元データに窓長さ101のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図35】図22(a)の元データに窓長さ201のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図36】図22(a)の元データに窓長さ401のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図37】図22(a)の元データに窓長さ801のハニング窓を作用させて内挿(データ補間)演算を2回行なったときの結果を示す図である。
【図38】図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における窓の長さと相対誤差の最大値との関係を示す図である。
【図39】図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における、元データから中間内挿値を得るときの窓の長さと演算時間との関係を示す図である。
【図40】図24〜図37に結果を示す内挿(データ補間)演算における、中間内挿値から再内挿値を得るときの、窓の長さと演算時間との関係を示す図である。
【図41】積分路を示した図である。
【符号の説明】
100 データ補間演算用コンピュータ
101 本体
102 CRTディスプレイ
103 キーボード
104 マウス
105 CD−ROM
110 バス
111 中央演算処理装置(CPU)
112 RAM
113 磁気ディスクコントローラ
114 磁気ディスク
115 CD−ROMドライブ
116 マウスコントローラ
117 キーボードコントローラ
118 ディスプレイコントローラ
120 A/D変換ボード
121 フィルタ
122 A/D変換器
200 データ補間プログラム
210 データ取得部
220 データ補間部
221 データ切出し過程
222 データ演算過程
223 データ合成過程
300 データ補間装置
310 データ取得部
320 データ演算部
321 データ切出し部
322 データ演算部
323 データ合成部
330 アナログ・ディジタル変換部
340 アンチエイリアジングフィルタ

Claims (8)

  1. アナログ信号を入力し該アナログ信号を標本化時間Δtごとにサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換部と、
    前記アナログ・デジタル変換部で得られたデジタルデータ列から、連続するN個(但し偶数)の各サンプリング時刻(t+nΔt)(但し、n=0,1,2,…,N−1、tはn=0のときのサンプリング時刻)のデジタルデータf(t+nΔt)からなるデジタルデータ列{f(t+nΔt)}を切り出すデータ切出部と、
    時刻tを指定する時刻指定部と、
    内挿関数
    Figure 0004252736
    基づいて、各時刻(t-(t+nΔt))の内挿関数値Ψ(t−(t+nΔt))を算出することにより内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt))}を求める第1演算部、および、前記データ切出部で切り出されたデジタルデータ列{f(t+nΔt)}と、前記第1演算部で求められた内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt)}とに基づいて、時刻tの補間データf(t)を、
    Figure 0004252736
    に従って算出する第2演算部からなるデータ演算部と、を備えたことを特徴とするデータ補間装置。
  2. アナログ信号を入力し該アナログ信号を標本化時間Δtごとにサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換部と、
    前記アナログ・デジタル変換部で得られたデジタルデータ列から、連続するN個(但し奇数)の各サンプリング時刻(t+nΔt)(但し、n=0,1,2,…,N−1、tはn=0のときのサンプリング時刻)のデジタルデータf(t+nΔt)からなるデジタルデータ列{f(t+nΔt)}を切り出すデータ切出部と、
    時刻tを指定する時刻指定部と、
    内挿関数
    Figure 0004252736
    基づいて、各時刻(t-(t0+nΔt))の内挿関数値Ψ(t−(t+nΔt))を算出することにより内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt))}を求める第1演算部、および、前記データ切出部で切り出されたデジタルデータ列{fp(t+nΔt)}と、前記第1演算部で求められた内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt)}とに基づいて、時刻tの補間データf(t)を、
    Figure 0004252736
    に従って算出する第2演算部からなるデータ演算部とを備えたことを特徴とするデータ補間装置。
  3. 前記データ切出部は、前記データ取得部で取得されたデジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個のデジタルデータからなる複数のデジタルデータ列{fp1(t+nΔt)},{fp2(t+nΔt)},…を切り出すものであり、
    前記データ演算部は、前記複数のデジタルデータ列{fp1(t+nΔt)},{fp(t+nΔt)},…のそれぞれに基づいて時刻tの複数の補間データfp1(t),fp2(t),…を算出するものであり、さらに、
    前記複数の補間データfp1(t),fp2(t),…を合成することにより、時刻tの補間データf(t)を求めるデータ合成部を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のデータ補間装置。
  4. 前記アナログ・デジタル変換部のさらに前段に、エイリアジングノイズ防止用のアンチエイリアジングフィルタを備えたことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載のデータ補間装置。
  5. コンピュータ内で実行され、該コンピュータを、
    アナログ信号を入力し該アナログ信号を標本化時間Δtごとにサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換部と、
    前記アナログ・デジタル変換部で得られたデジタルデータ列から、連続するN個(但し偶数)の各サンプリング時刻(t+nΔt)(但し、n=0,1,2,…,N−1、tはn=0のときのサンプリング時刻)のデジタルデータf(t+nΔt)からなるデジタルデータ列{f(t+nΔt)}を切り出すデータ切出部と、
    時刻tを指定する時刻指定部と、
    内挿関数
    Figure 0004252736
    基づいて、各時刻(t-(t+nΔt))の内挿関数値Ψ(t−(t+nΔt))を算出することにより内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt))}を求める第1演算部、および、前記データ切出部で切り出されたデジタルデータ列{f(t+nΔt)}と、前記第1演算部で求められた内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt)}とに基づいて、時刻tの補間データf(t)を、
    Figure 0004252736
    に従って算出する第2演算部からなるデータ演算部と、を備えたデータ補間装置として動作させることを特徴とするデータ補間プログラム。
  6. コンピュータ内で実行され、該コンピュータを、
    アナログ信号を入力し該アナログ信号を標本化時間Δtごとにサンプリングしてデジタルデータに変換するアナログ・デジタル変換部と、
    前記アナログ・デジタル変換部で得られたデジタルデータ列から、連続するN個(但し奇数)の各サンプリング時刻(t+nΔt)(但し、n=0,1,2,…,N−1、tはn=0のときのサンプリング時刻)のデジタルデータf(t+nΔt)からなるデジタルデータ列{f(t+nΔt)}を切り出すデータ切出部と、
    時刻tを指定する時刻指定部と、
    内挿関数
    Figure 0004252736
    基づいて、各時刻(t-(t0+nΔt))の内挿関数値Ψ(t−(t+nΔt))を算出することにより内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt))}を求める第1演算部、および、前記データ切出部で切り出されたデジタルデータ列{f(t+nΔt)}と、前記第1演算部で求められた内挿関数値列{Ψ(t−(t+nΔt)}とに基づいて、時刻tの補間データf(t)を、
    Figure 0004252736
    に従って算出する第2演算部からなるデータ演算部とを備えたデータ補間装置として動作させることを特徴とするデータ補間プログラム。
  7. 前記データ切出部は、前記データ取得部で取得されたデジタルデータ列から、時間的に隣接する窓を有する窓関数どうしが時間的に一部重なるとともに時間的に順次シフトした窓を有する複数の窓関数により、それぞれがN個のデジタルデータからなる複数のデジタルデータ列{fp1(t+nΔt)},{fp2(t+nΔt)},…を切り出すものであり、
    前記データ演算部は、前記複数のデジタルデータ列{fp1(t+nΔt)},{fp(t+nΔt)},…のそれぞれに基づいて時刻tの複数の補間データfp1(t),fp2(t),…を算出するものであり、さらに、前記コンピュータを、
    前記複数の補間データfp1(t),fp2(t),…を合成することにより、時刻tの補間データf(t)を求めるデータ合成部を備えたデータ補間装置として動作させることを特徴とする請求項5又は6記載のデータ補間プログラム。
  8. 前記コンピュータを、さらに、前記アナログ・デジタル変換部のさらに前段に、エイリアジングノイズ防止用のアンチエイリアジングフィルタを備えたデータ補間装置として動作させることを特徴とする請求項5から7のうちのいずれか1項記載のデータ補間プログラム。
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