JPH0783714A - 電磁流量計の電極構造および電極組立方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定管の電極取付部に対しての電極およびそ
の組付部品の組立作業を簡単かつ適切に行なえる電磁流
量計の電極構造および電極組立方法を得る。 【構成】 フランジ部１５を有する電極１４の反測定管
側頂部に設けられる端子固定ねじ３０の頭部３０ａを、
弾性部材圧縮用キャップ１８の電極挿通孔１９より大き
く形成する。さらに、電極のフランジ部における反測定
管側にシールド部材２４，２５，２６、弾性部材１６を
介在させてキャップを嵌挿する。そして、電極頂部に端
子固定ねじを締結することで、電極ユニット３１を構成
する。このユニットを、測定管２外周の貫通孔６周囲の
円筒状ボス７による電極取付部３２に組付し、電極先端
を貫通孔内に挿入、係止することで電極部を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、測定管内を流れる被測
定流体の流量を電気的に測定する電磁流量計の電極構造
および電極組立方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】電磁流量計は、測定管内に内方端が臨む
一対の電極間に発生する起電力を検出することにより、
測定管内を流れる導電性流体の平均流量を測定するよう
になっている。このような電磁流量計における電極の取
付構造としては、従来から種々提案されているが、実公
平３−５１７０７号公報等に開示されているように測定
管の外部から取り付ける外挿型電極構造が一般的であ
る。

【０００３】図３および図４は外挿型電極構造を採用し
た従来の電磁流量計を示し、その概略を簡単に説明する
と、図中１は測定管２を収納する両端開放型の筒状体か
らなるケースで、このケース１の外周面には電極挿入孔
３が開設されるとともに、発信器取付用の筒部４が一体
に突設されている。測定管２は、両端が開放するステン
レス製の円筒体からなり、管壁の軸線方向中央部には二
つの電極取付孔６，６（一方のみを図示する）が互いに
対向するよう軸線を一致させて貫通形成されている。

【０００４】また、測定管２の管壁には、前記電極取付
孔６の周囲に筒状の電極取付用ボス部７が外方に向かっ
て一体に（または別体のものを溶接等で固定することに
より一体的に）立設される。さらに、測定管２の外周に
は測定管内における被測定流体の流れ方向および電極１
４の軸線と直交する方向の磁界を形成する一対の鞍型コ
イル１１が配設されている。

【０００５】一方、測定管２の管壁内周面、前記電極取
付孔６の内周面および電極取付孔６の外側周縁部には、
たとえばフッ素樹脂等の絶縁材からなるライニング８，
８ａが連続して施されている。前記電極１４は、前記電
極取付孔６に測定管２の外側から嵌合固定されて、挿入
側端面が測定管２内に臨んで接液端面１４ａを形成して
いる。また、この電極１４の外周面中間部にはフランジ
部１５が一体に設けられ、このフランジ部１５がスプリ
ング１６によって測定管２の外周面にシール部材１７を
介して圧接固定されている。

【０００６】前記電極取付用ボス部７には、前記スプリ
ング１６を収納押圧するキャップ１８が螺合されてい
る。このキャップ１８は、一端が開放するカップ状に形
成されて、開口端側外周面に前記電極取付用ボス部７の
内周面に形成された雌ねじに螺合する雄ねじが形成さ
れ、閉塞端面中央には前記電極１４の反接液側端部が突
出する挿通孔１９が形成されている。

【０００７】そして、電極１４の反接液側端面には、信
号リード線２０の一端に取付けられた端子２１が止めね
じ２２によって接続されている。ケース１の電極挿入孔
３は通常蓋体２３によって気密に閉塞されており、この
蓋体２３を取り外すことで、電極１４の測定管２への取
付け、取り外しが行われる。

【０００８】なお、２４は電極１４とスプリング１６と
の間に介装された絶縁リング、２５はスプリング１６と
キャップ１８との間に介装されたスペーサとしての絶縁
リング、２６は電極１４に嵌装された絶縁スリーブであ
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の電磁流量計において、電極１４の測定管２への取付
部構造にあっては、次のような不具合を生じていた。

【００１０】すなわち、上述した従来構造では、電極１
４を測定管２の電極取付孔６部分に組み付けるにあたっ
ては、始めに電極１４を、その内方端１４ａが電極取付
孔６内に挿入するように組込み、次で電極１４の外周部
に絶縁スリーブ２６を嵌装した状態で、この電極１４の
フランジ部１５の反測定管側に絶縁リング２４、スプリ
ング１６、絶縁リング２５を載せた後、これらを被冠す
るようにキャップ１８を被せ、測定管２側の電極取付用
ボス部７に螺合して固定している。

【００１１】そして、このようにして組立てられる電極
１４の外方端に対し、止めねじ２２で信号リード線２０
の端子２１が接続されることにより、組立てられるよう
になっていた。

【００１２】しかし、上述したような従来構造では、各
構成部品を順次嵌め込み、スプリング１６を圧縮した状
態で、ボス部７にキャップ１８をねじ込むという作業を
要するが、これら電極部を構成する各部品の大きさが小
さく、しかも複数部品で構成されるために、工数がかか
り、組付作業が困難であった。また、このような組付け
時に部品を取り落としたりすると、検出器等の機器内に
入り込み、しかも取出しが困難となる虞れがあり、この
ような問題点を解決し得る何らかの対策を講じることが
望まれている。

【００１３】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、測定管の電極取付部に対しての電極および
その組付部品の組立作業を簡単かつ適切に行なえるよう
にした電磁流量計の電極構造および電極組立方法を得る
ことを目的としている。

【００１４】

【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係る電磁流量計の電極構造は、測定管の
外周に設けられた貫通孔に、フランジ部を中間部に有す
る電極を挿入して係止し、前記貫通孔の周囲に立設した
円筒状ボスに、電極フランジ部の反測定管側に配設した
弾性部材を介してキャップを締結するにあたって、前記
電極の反測定管側頂部に設けた端子固定ねじの頭部を、
キャップの電極挿通孔より大きく形成したものである。

【００１５】また、本発明に係る電磁流量計の電極組立
方法は、測定管の外周に設けられた貫通孔に、フランジ
部を中間部に有する電極を挿入して係止し、このフラン
ジ部の反測定管側にシールド部材、弾性部材を配設し、
貫通孔の周囲に立設した円筒状ボスに、前記弾性部材を
圧縮するキャップを締結固定するにあたって、前記電極
フランジ部の反測定管側にシールド部材、弾性部材およ
びキャップを嵌挿し、電極頂部に端子固定ねじを締結し
て電極ユニットを構成した後、この電極ユニットを前記
貫通孔に挿入し、その後キャップを円筒状ボスに締結す
るようにしたものである。

【００１６】

【作用】本発明によれば、電極の反測定管側の頂部に螺
合される端子固定ねじの頭部を、キャップの電極挿通孔
よりも大きく形成することにより、キャップを、電極に
対し予め弾性部材等と共に一体的に組付けするだけで電
極ユニットを構成でき、しかもこのユニットをそのまま
の状態で測定管側の電極取付部に組付けることにより組
立てが行なえる。

【００１７】また、本発明によれば、電極、シールド部
材、弾性部材、キャップ等を予め電極ユニットとして構
成し、これを測定管の電極取付部に組付けるというきわ
めて簡単な作業により、電極の組付けが行なえる。

【００１８】

【実施例】図１および図２は本発明に係る電磁流量計の
電極構造および電極組立方法の一実施例を示すものであ
り、これらの図において前述した図３、図４と同一また
は相当する部分には同一番号を付して説明は省略する。

【００１９】さて、本発明によれば、測定管２の外周に
貫通孔として設けられた電極取付孔６に、フランジ部１
５を中間部に有する電極１４を挿入して係止し、前記電
極取付孔６の周囲に立設した円筒状ボス部７に、電極フ
ランジ部１５の反測定管側に配設した弾性部材であるス
プリング１６を介してキャップ１８を締結するにあたっ
て、図１および図２から明らかな通り、前記電極１４の
反測定管側頂部に設けた端子固定ねじ３０の頭部３０ａ
を、キャップ１８頂部に形成されている電極挿通孔１９
より大きく形成したところに特徴を有している。

【００２０】ここで、ねじ頭部３０ａの径寸法がφＤ、
キャップ１８の電極挿通孔１９がφｄであるとき、φＤ
＞φｄの関係が成り立つようにしている。また、図中３
３はキャップ３０の頂部に形成されたノッチで、測定管
２側のボス部７にねじ込む際の操作部となるところであ
る。

【００２１】このような構成によれば、電極１４の反測
定管側の頂部に螺合される端子固定ねじ３０の頭部３０
ａを、キャップ１８の電極挿通孔１９よりも大きく形成
するという簡単かつ安価な構成であるにもかかわらず、
キャップ１８を、電極１４に対し予めスプリング１８や
絶縁リング２４，２５、絶縁チューブ２６等と共に一体
的に組立てることにより電極ユニット３１として構成で
き、しかもこの電極ユニット３１をそのままの状態で測
定管２側の電極取付孔６や電極取付用ボス部７による電
極取付部３２に組付けることにより、組立てがきわめて
簡単にしかも確実に行なえる。

【００２２】換言すると、本発明によれば、電極１４に
おけるフランジ部１５の反測定管側に絶縁リング２４，
２５や絶縁スリーブ２６、スプリング１６、およびキャ
ップ１８を嵌挿して付設し、電極１４の頂部に端子固定
ねじ３０を締結することにより、これらの部品を予め電
極ユニット３１として構成した後、この電極ユニット３
１を前記電極取付孔６に挿入し、その後キャップ１８を
円筒状ボス部７に締結するようにしている。

【００２３】特に、このような電極１４の取付部では、
スプリング１６を圧縮した状態で各部材を測定管２の電
極取付部３２に組み付けることが必要で、これを電極組
付時に行なう場合に比べて、予めユニット化して構成す
ると、作業性の面で有利となる。

【００２４】したがって、このような構成では、電極１
４、絶縁リング２４，２５、絶縁スリーブ２６、スプリ
ング１６、キャップ１８等を予め電極ユニット３１とし
て構成することが、きわめて簡単に行なえるばかりでな
く、このようなユニット３１を測定管２の電極取付部３
２に単純に組付けるというきわめて簡単な作業により、
電極１４の組付けが行なえるもので、その利点は大き
い。

【００２５】特に、このような本発明では、小部品によ
る電極組付部品を、予め仮組立としてユニット化して組
み立てておくことができ、作業性の向上、部品の紛失防
止、工数の低減化等を図れる。さらに、このような構成
では、ユニット３１を取り外すことにより、電極部分を
測定管２から取り外すことが可能で、メンテナンス等も
容易に行なえるという利点もある。

【００２６】なお、本発明は上述した実施例構造に限定
されず、各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得るこ
とは言うまでもない。たとえば上述した実施例では、測
定管２をステンレス鋼で一体的に形成し、かつ管壁内周
面、電極取付孔６の内面および周囲にライニング８，８
ａを塗布した場合を示したが、セラミック製の測定管を
用いてもよく、その場合はライニング処理が不要とな
る。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電磁流
量計の電極構造によれば、測定管の外周に設けられた貫
通孔に、フランジ部を中間部に有する電極を挿入して係
止し、前記貫通孔の周囲に立設した円筒状ボスに、電極
フランジ部の反測定管側に配設した弾性部材を介してキ
ャップを締結するにあたって、前記電極の反測定管側頂
部に設けた端子固定ねじの頭部を、キャップの電極挿通
孔より大きく形成するようにしたので、簡単かつ安価な
構造であるにもかかわらず、キャップを、電極に対し予
め弾性部材等と共に一体的に組付けするだけで電極ユニ
ットを構成でき、このユニットをそのままの状態で測定
管側の電極取付部に組付けるだけで電極部の組立てがき
わめて簡単にしかも確実に行なえ、組立性が大幅に向上
するとともに、従来のように電極組立時での部品の落下
問題等を生じる虞れがなくなるという優れた効果を奏す
る。

【００２８】また、本発明に係る電磁流量計の電極組立
方法によれば、測定管の外周に設けられた貫通孔に、フ
ランジ部を中間部に有する電極を挿入して係止し、この
フランジ部の反測定管側にシールド部材、弾性部材を配
設し、貫通孔の周囲に立設した円筒状ボスに、前記弾性
部材を圧縮するキャップを締結固定するにあたって、前
記電極フランジ部の反測定管側にシールド部材、弾性部
材およびキャップを嵌挿し、電極頂部に端子固定ねじを
締結して電極ユニットを組付けた後、この電極ユニット
を前記貫通孔に挿入し、その後キャップを円筒状ボスに
締結するようにしたので、電極、シールド部材、弾性部
材、キャップ等を予め電極ユニットとして構成でき、こ
れを測定管の電極取付部に組付けるというきわめて簡単
な作業により、電極の組付けが簡単かつ確実に行なえる
という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電磁流量計の電極構造および電極
組立方法の一実施例を示す要部断面図である。

【図２】図１の組立状態を説明するための概略分解図で
ある。

【図３】従来の電磁流量計における電極構造を説明する
ための一部を断面して示す概略図である。

【図４】図３における電極取付部を拡大して示す要部断
面図である。

【符号の説明】

１ ケース ２ 測定管 ６ 電極取付孔 ７ 電極取付用ボス部 ８ ライニング ８ａ ライニング １１ コイル １４ 電極 １５ フランジ部 １６ スプリング １８ キャップ ２０ 信号リード線 ２１ 端子 ３０ 端子固定ねじ ３０ａ 頭部 ３１ 電極ユニット ３２ 電極取付部 ３３ ノッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 測定管の外周に設けられた貫通孔に、フ
   ランジ部を中間部に有する電極を挿入して係止し、前記
   貫通孔の周囲に立設した円筒状ボスに、前記電極フラン
   ジ部の反測定管側に配設した弾性部材を介して締結した
   キャップを備えた電磁流量計の電極構造において、 前記電極の反測定管側頂部に設けた端子固定ねじの頭部
   を前記キャップの電極挿通孔より大きく形成したことを
   特徴とする電磁流量計の電極構造。
2. 【請求項２】 測定管の外周に設けられた貫通孔に、フ
   ランジ部を中間部に有する電極を挿入して係止し、この
   フランジ部の反測定管側にシールド部材、弾性部材を配
   設し、前記貫通孔の周囲に立設した円筒状ボスに、前記
   弾性部材を圧縮するキャップを締結固定する電磁流量計
   の電極組立方法において、 前記電極フランジ部の反測定管側にシールド部材、弾性
   部材およびキャップを嵌挿し、電極頂部に端子固定ねじ
   を締結して電極ユニットを構成した後、 この電極ユニットを前記貫通孔に挿入し、その後前記キ
   ャップを円筒状ボスに締結することを特徴とする電磁流
   量計の電極組立方法。