JPH0782384A - ポリビニルアルコール微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール微粒子の製造方法

Info

Publication number
JPH0782384A
JPH0782384A JP5233194A JP23319493A JPH0782384A JP H0782384 A JPH0782384 A JP H0782384A JP 5233194 A JP5233194 A JP 5233194A JP 23319493 A JP23319493 A JP 23319493A JP H0782384 A JPH0782384 A JP H0782384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pva
polyvinyl ester
fine particles
droplets
polyvinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5233194A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohito Tanimoto
智史 谷本
Kazutoshi Terada
和俊 寺田
Hitoshi Maruyama
均 丸山
Yoshibumi Fukushima
義文 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP5233194A priority Critical patent/JPH0782384A/ja
Publication of JPH0782384A publication Critical patent/JPH0782384A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】(1) 平均口径50μm以下の孔からポリビ
ニルエステル溶液を吐出させることを特徴とするポリビ
ニルエステル溶液からなる液滴の製造方法。 (2) 上記(1)記載の製造方法によりポリビニルエ
ステル溶液からなる液滴を形成させた後、ポリビニルエ
ステルをけん化することを特徴とするポリビニルアルコ
ール微粒子の製造方法。 【効果】 本発明によると、実質的に冷水不溶性であり
水性分散液の良好な状態が維持され、該水性分散液は良
好な粘度特性を有し、かつ水性スラリーを塗工後の乾燥
過程においては溶解して皮膜を形成する性質を有するP
VA微粒子の製造方法および該PVA微粒子の製造方法
に好適なポリビニルエステル溶液からなる液滴の製造方
法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルエステル溶
液からなる液滴の製造方法およびポリビニルアルコール
微粒子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的なポリビニルアルコール
(以下、PVAと略記する)としては、平均粒径200
〜1000μmのPVAが工業生産されている。PVA
は、造膜性および強度に優れていることから、紙用コー
ティング剤(クリアーコーティング剤、顔料コーティン
グ剤)および紙用内添剤などの紙用改質剤;紙、木材お
よび無機物などの接着剤;経糸糊剤などの各種用途に幅
広く使用されている。通常、PVAは水溶液の形態で使
用されているが、高剪断速度での塗工においては、粘度
上昇(ダイラタンシー)、塗膜のスジ状化および塗工液
の飛散などの問題が生じることから、小粒径のPVAを
用いた水性スラリーの検討が行なわれてきた。
【0003】一般的なPVAよりも小粒径のPVAの製
造方法としては、工業生産されたPVAをジェットミル
などを用いて機械的に粉砕する方法(特開平2−225
506号:以下、従来技術Aと略記する);工業生産さ
れたPVAのジメチルスルホキシド溶液を噴霧器を通す
ことにより、平均粒径1mm未満〜数mmの液滴を形成
させた後、該液滴をPVAの非溶媒に添加してPVAを
沈殿させる方法(特開平5−98023号:以下、従来
技術Bと略記する);工業生産されたPVAのジメチル
スルホキシド溶液をシリコーン油などの分散媒体中に分
散させた油性分散液を、PVAの非溶媒に添加して攪拌
することによりPVAを沈殿させる方法(特開平5−9
8024号:以下、従来技術Cと略記する);界面活性
剤を用いて分散重合して得られた平均粒径0.05〜5
0μmのポリビニルエステルの非水性分散液中のポリビ
ニルエステルをけん化する方法(英国特許1,199,
651号:以下、従来技術Dと略記する)が知られてい
る。
【0004】しかしながら、従来技術Aの方法では、平
均粒径3〜30μmのPVAしか得られず、得られたP
VAを用いて調製した水性スラリーを加熱した場合に、
PVAの溶解速度が遅いという問題があった。従来技術
Bの方法では、得られたPVAの粒径分布の範囲は1μ
m未満〜1mm以上であり、PVAの粒径分布が大であ
ることから、得られたPVAを用いて調製した水性スラ
リーを加熱した場合に、PVAの溶解速度が遅いという
問題があった。従来技術Cの方法では、得られたPVA
の粒径の粒径分布の範囲は0.1μm〜100μmであ
り、PVAの粒径分布が大であることから、得られたP
VAを用いて調製した水性スラリーを加熱した場合に、
PVAの溶解速度が遅いという問題があり、さらに、P
VAの精製時に、PVAに付着したシリコーン油などの
分散媒体を除去しにくいという問題があった。従来技術
Dの方法では、得られたPVAの粒径の粒径分布の範囲
は0.01〜100μmであり、PVAの粒径分布が大
であることから、得られたPVAを用いて調製した水性
スラリーを加熱した場合に、PVAの溶解速度が遅いと
いう問題があり、さらに、分散重合時に界面活性剤を使
用しているためにPVAのバイインダー力が低いという
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実質
的に冷水不溶性であって水性分散液の状態が良好に維持
され、かつ水性分散液を塗工後の乾燥過程においては溶
解して皮膜を形成する性質を有するPVA微粒子の製造
方法および該PVA微粒子の製造方法に好適なポリビニ
ルエステルからなる液滴の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討した結果、平均口径50μm以下の孔からポ
リビニルエステル溶液を吐出させることを特徴とするポ
リビニルエステル溶液からなる液滴の製造方法(以下、
第1発明と略記する)および該第1発明記載の製造方法
によりポリビニルエステル溶液からなる液滴を形成させ
た後、ポリビニルエステルをけん化することを特徴とす
るPVA微粒子の製造方法(以下、第2発明と略記す
る)を見出し本発明を完成させるに至った。
【0007】最初に、第1発明について説明する。本発
明のポリビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルなどのビニルエステルの単独重合体およ
び共重合体が挙げられる。尚、本発明のポリビニルエス
テルは、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルエス
テルと共重合可能な他の不飽和単量体を共重合してもよ
い。この不飽和単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、α−ヘキセン、α−オクテンなどオレフィン;(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有単量体、
そのエステルおよびその塩;スチレン;アルキルビニル
エーテル;(メタ)アクリルアミド;2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミ
ドプロパンスルホン酸などのスルホン酸単量体およびそ
の塩;トリメチル−3−(1−アクリルアミド−1,1
−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、トリメ
チル−3−(1−アクリルアミドプロピル)アンモニウ
ムクロライド、1−ビニル−2−メチルイミダゾールお
よびその4級化物などのカチオン性単量体;ビニルトリ
メトキシシランなどのケイ素含有単量体などが挙げられ
る。
【0008】ポリビニルエステルの重合度としては、特
に制限はないが、ポリビニルエステルを完全にけん化し
て得られたPVAの重合度として、重合度の下限は55
0が好ましく、700がより好ましく、1000が特に
好ましく、重合度の上限は30000が好ましく、20
000がより好ましい。ポリビニルエステル溶液の調製
に用いられる溶媒としては、特に制限はないが、メタノ
ール、アリルアルコールおよびベンジルアルコールなど
のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエンおよびクロロ
ベンゼンなどの芳香族系溶媒、テトラヒドロフランおよ
びジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エステル系溶
媒などが挙げられる。ポリビニルエステル溶液の濃度と
しては、特に制限はないが、0.5〜70重量%が好ま
しく、2〜50重量%がより好ましく、3〜40重量%
が特に好ましい。
【0009】ポリビニルエステル溶液を吐出させる孔と
しては、平均口径50μm以下の孔であれば特に制限は
ないが、噴霧器、スプレーノズル、セラミックス製また
はガラス製などの多孔質膜などが挙げられる。該孔の平
均口径は50μm以下であることが必要であり、0.0
01〜10μmが好ましく、0.01〜5μmがより好
ましく、0.05〜2μmがさらにより好ましい。孔の
形状については、特に制限はないが、ノズルの場合には
円形、楕円形、三角形、四角形および五角形などが挙げ
られ、多孔板質膜の場合には不定形でも良い。孔の形状
が円形以外の場合の平均口形は、最大径と最小径を含む
何点かの径の平均値である。吐出圧については、特に制
限はないが、0.1〜500kg/cm↑2が好まし
く、0.3〜100kg/cm↑2がより好ましい。
【0010】ポリビニルエステル溶液は、孔から、空気
中、ポリビニルエステルの貧溶媒中あるいは一旦空気中
に吐出させた後ポリビニルエステルの貧溶媒中に吐出さ
れる。尚、ポリビニルエステル溶液からなる液滴を直ち
にけん化する場合には、ポリビニルエステル溶液を、ポ
リビニルエステルの良溶媒中に吐出しても良い。貧溶媒
としては、ヘキサンなどの飽和炭化水素、ジエチルエー
テルなどが挙げられる。得られた液滴の安定性を向上さ
せる目的で、ポリビニルエステル溶液中あるいは貧溶媒
中に分散剤を併用してもよい。分散剤としては、ソルビ
タンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシ
エチレンソルビタンアルキルエステル、ポリ2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ポリラウリル(メタ)
アクリレート、ポリステアリル(メタ)アクリレートな
どの長鎖アルキル(メタ)アクリレート、ポリビニルバ
ーサテート、ポリビニル2−エチルヘキサノエートなど
の高級脂肪酸ビニルエステルなどが挙げられる。分散剤
の使用量としては、特に制限はないが、分散質100重
量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5
〜10重量部がより好ましい。
【0011】噴霧器およびスプレーノズルを使用する場
合には、吐出後に剪断力を付与しなくても、表面張力に
より液滴が形成されるが、多孔質膜を使用する場合に
は、吐出されたポリビニルエステル溶液に剪断力を付与
させることが好ましい。該剪断力としては、10〜10
000sec↑(−1)が好ましく、100〜1000
sec↑(−1)がより好ましい。剪断力は、ペラー、
バイブレーター、ホモジナイザーなどにより発生させ
る。
【0012】第1発明によると、平均粒径50μm以
下、好ましくは0.001〜10μm以下、より好まし
くは、0.01〜5μm、さらにより好ましくは0.0
5〜2μmのポリビニルエステル溶液からなる液滴が得
られる。第1発明により得られたポリビニルエステル溶
液からなる液滴は、粒径が均一であり、その平均粒径の
標準偏差は、50μm以下が好ましく、10μm以下が
より好ましく、2μm以下がさらにより好ましい。
【0013】次に、第2発明について説明する。第2発
明法は、第1発明記載の製造方法によりポリビニルエス
テル溶液からなる液滴を形成させた後、ポリビニルエス
テルをけん化することを特徴とするPVA微粒子の製造
方法である。ポリビニルエステルのけん化方法として
は、ポリビニルエステル溶液からなる液滴の状態で直ち
にけん化する方法;ポリビニルエステル溶液からなる液
滴の溶媒を乾固させて固体状にしたポリビニルエステル
をけん化する方法;ポリビニルエステル溶液からなる液
滴の分散液の状態でけん化する方法が挙げられる。
【0014】具体的な方法としては、ポリビニルエステ
ル溶液を噴霧器またはスプレーノズルを通すことにより
液滴を形成させた後、該液滴をけん化触媒溶液に導入し
てけん化する方法;ポリビニルエステル溶液を一旦ポリ
ビニルエステルの貧溶媒中に押し出し攪拌することによ
り液滴の分散液を形成させた後、該液滴をけん化触媒溶
液に導入してけん化する方法;形成させた液滴を一旦真
空下または加熱下で溶媒を乾燥させて、平均粒径45μ
m以下、好ましくは9μm以下、より好ましくは0.0
05〜1.5μm、さらにより好ましくは0.02〜
1.8μmのポリビニルエステル粒子を形成させた後、
該ポリビニルエステル粒子をけん化触媒溶液に導入して
けん化する方法;ポリビニルエステル粒子を形成させた
後、該ポリビニルエステル粒子をポリビニルエステルの
貧溶媒中に押し出し攪拌することにより粒子の分散液を
形成させた後、該ポリビニルエステルをけん化する方法
が挙げられる。
【0015】けん化触媒としては、アルカリ触媒および
酸触媒が挙げられる。アルカリ触媒としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ナトリウムメ
チラートなどが挙げられる。酸触媒としては、硫酸、塩
酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられる。けん化
時における全系中のポリビニルエステル濃度は0.1〜
30重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ま
しい。けん化時における全系中のけん化触媒濃度は0.
002〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%が
より好ましく、1〜15重量%が特に好ましい。けん化
反応温度としては20〜100℃が好ましい。
【0016】ポリビニルエステルをけん化して得られた
PVAのけん化度としては、特に制限はないが、70〜
100モル%が好ましく、80〜100モル%がより好
ましく、90〜100モル%がさらにより好ましく、水
性分散液の安定性の点から、けん化度は高いほど好まし
い。PVAの重合度としては、特に制限はないが、PV
Aを完全にけん化して得られたPVAの重合度として、
重合度の下限は550が好ましく、700がより好まし
く、1000が特に好ましく、重合度の上限は3000
0が好ましく、20000がより好ましい。
【0017】けん化反応後、デカント、分液ロート、濾
過または遠心分離などの方法により、PVA粒子を液相
反応媒体から分離することにより、PVA微粒子が得ら
れる。得られたPVA微粒子の平均粒径は35μm以下
であり、より好ましくは5μm以下、さらにより好まし
くは0.1〜2μm、特に好ましくは0.2〜0.9μ
mである。
【0018】本発明により得られた微粒子PVAは、通
常の乾燥;100℃以上での熱処理;メタノールなどの
PVAの貧溶媒中での熱処理により、実質的に冷水不溶
性になる。ここで、実質的に冷水不溶性とは20℃の水
への溶解度が50%以下好ましくは20%以下、より好
ましくは10%以下、さらにより好ましくは5%以下で
あることを意味する。
【0019】本発明により得られた微粒子PVAは、実
質的に冷水不溶性であり水性分散液の状態が良好に維持
され、該水性分散液は良好な粘度特性を有し、かつ水性
分散液を塗工後の乾燥過程においては溶解して皮膜を形
成する性質を有することから、PVAの公知の各種用途
に有用である。例えば、紙用コーティング剤(クリアー
コーティング剤、顔料コーティング剤)および紙用内添
剤などの紙用改質剤;紙、木材および無機物などの接着
剤;経糸糊剤;酢酸ビニルおよびエチレン−酢酸ビニル
などの乳化重合用分散剤;塩化ビニル、スチレンおよび
メタアクリル酸エステルなどの懸濁重合用分散剤;フィ
ルム、シート、繊維およびゲル;感光性樹脂;セメント
改質剤;土木・建築用途などの用途に有用である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定される
ものではない。以下の実施例において特に断りのない限
り、「%」および「部」は、それぞれ「重量%」および
「重量部」を意味する。実施例における物性値は以下の
方法により測定した。 [液滴の平均粒径]:ポリビニルエステル溶液の液滴を
ヘキサン中に分散させ、電気泳動光散乱光度計(大塚電
子(株)製、型式:ELS−800)を用いて測定し、
キュムラント法により算出した。 [PVA微粒子の平均粒径]:PVA微粒子をアセトン
中に分散させ、電気泳動光散乱光度計(大塚電子(株)
製、型式:ELS−800)を用いて測定し、キュムラ
ント法により算出した。 [PVAの重合度]:PVAを完全にけん化し、JIS
−K−6726により測定した。 [PVA微粒子の温水溶解性]:PVA微粒子を水に投
入し、攪拌して分散させて得られた濃度5%の水性スラ
リーについて、50℃、70℃、90℃における溶解時
間を測定した。 [PVA微粒子の冷水溶解性]:20℃の水100部
に、PVA微粒子4部を投入し、30分間攪拌後、遠心
分離によってPVA微粒子を分離し、上澄液中のPVA
濃度を測定して算出した。
【0021】実施例1 ポリ酢酸ビニル(以下、PVAcと略記する)をメタノ
ールに投入し、攪拌しながら50℃に昇温してPVAc
を溶解させた後、室温まで冷却することにより、濃度1
0%のPVAcのメタノール溶液を調製した。得られた
PVAcのメタノール溶液を、噴霧器(ノズル径5μ
m、ノズル数12個)を通すことにより、PVAcのメ
タノール溶液からなる多数の液滴を形成させた後、該液
滴を水酸化ナトリウムのメタノール溶液中に導入し、4
0℃で剪断力100sec↑(−1)で2時間ペラー攪
拌することにより、PVAcをけん化してPVA微粒子
とした。次に、分散液中のナトリウムを中和した後、遠
心分離して得られたPVA微粒子をアセトン/ヘキサン
混合溶媒で洗浄し、さらにヘキサンのみで洗浄し、遠心
分離して得られたPVA微粒子を、80℃で2時間乾燥
した。けん化条件を表1に、得られたPVA微粒子の物
性を表2に示す。
【0022】実施例2〜4 表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様
にして、PVA微粒子を得た。けん化条件を表1に、得
られたPVA微粒子の物性を表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】実施例5 実施例1と同様にして形成させたPVAcのメタノール
溶液からなる多数の液滴をヘキサン中に導入して、分散
液を調製した。この分散液を、40℃の水酸化ナトリウ
ムのメタノール/エタノール(体積比:1/1)混合溶
液に投入し、40℃で剪断力100sec↑(−1)で
2時間ペラー攪拌することにより、PVAcをけん化し
てPVA微粒子とした。次に、実施例1と同様の処理を
行うことにより、PVA微粒子を得た。けん化条件を表
3に、得られたPVA微粒子の物性を表4に示す。
【0026】実施例6 PVAc100部に対して、ポリラウリルアクリレート
3部を分散剤としてPVAcのメタノール溶液に添加し
たこと以外は、実施例5と同様にして、PVA微粒子を
得た。けん化条件を表3に、得られたPVA微粒子の物
性を表4に示す。
【0027】実施例7 実施例1と同様にして形成させたPVAcのメタノール
溶液からなる多数の液滴を真空下で乾燥した得られたP
VAc粒子を40℃の水酸化ナトリウムのメタノール溶
液に投入し、40℃で剪断力100sec↑(−1)で
2時間ペラー攪拌することにより、PVAcをけん化し
てPVA微粒子とした。次に、実施例1と同様の処理を
行うことにより、PVA微粒子を得た。けん化条件を表
3に、得られたPVA微粒子の物性を表4に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】実施例8 PVAcをメタノールに投入し、攪拌しながら50℃に
昇温してPVAcを溶解させた後、室温まで冷却するこ
とにより、濃度30%のPVAcのメタノール溶液を調
製した。得られたPVAcのメタノール溶液を、多孔質
膜(平均孔径0.5μm、材質:ガラス)を通して、剪
断力150sec↑(−1)でペラー攪拌された水酸化
ナトリウムのメタノール溶液中に押し出すことにより、
PVAcのメタノール溶液からなる多数の液滴を形成さ
せた後、40℃で剪断力150sec↑(−1)で2時
間ペラー攪拌することにより、PVAcをけん化してP
VA微粒子とした。次に、分散液中のナトリウムを中和
した後、遠心分離して得られたPVA微粒子をアセトン
/ヘキサン混合溶媒で洗浄し、さらにヘキサンのみで洗
浄し、遠心分離して得られたPVA微粒子を、80℃で
2時間乾燥した。けん化条件を表5に、得られたPVA
微粒子の物性を表6に示す。
【0031】実施例9〜10 表5に示す条件に変更したこと以外は、実施例8と同様
にして、PVA微粒子を得た。けん化条件を表5に、得
られたPVA微粒子の物性を表6に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】実施例11 実施例8と同様にして形成させたPVAcのメタノール
溶液からなる多数の液滴をヘキサン中に導入して、分散
液を調製した。この分散液を、40℃の水酸化ナトリウ
ムのメタノール/エタノール(体積比:1/1)混合溶
液に投入し、40℃で剪断力100sec↑(−1)で
2時間ペラー攪拌することにより、PVAcをけん化し
てPVA微粒子とした。次に、実施例1と同様の処理を
行うことにより、PVA微粒子を得た。けん化条件を表
7に、得られたPVA微粒子の物性を表8に示す。
【0035】実施例12 PVAc100部に対して、ポリラウリルアクリレート
3部を分散剤としてPVAcのメタノール溶液に添加し
たこと以外は、実施例11と同様にして、PVA微粒子
を得た。けん化条件を表7に、得られたPVA微粒子の
物性を表8に示す。
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【発明の効果】本発明によると、実質的に冷水不溶性で
あり水性分散液の良好な状態が維持され、該水性分散液
は良好な粘度特性を有し、かつ水性スラリーを塗工後の
乾燥過程においては溶解して皮膜を形成する性質を有す
るPVA微粒子の製造方法および該PVA微粒子の製造
方法に好適なポリビニルエステル溶液からなる液滴の製
造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 義文 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均口径50μm以下の孔からポリビニ
    ルエステル溶液を吐出させることを特徴とするポリビニ
    ルエステル溶液からなる液滴の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法によりポリビニ
    ルエステル溶液からなる液滴を形成させた後、ポリビニ
    ルエステルをけん化することを特徴とするポリビニルア
    ルコール微粒子の製造方法。
JP5233194A 1993-09-20 1993-09-20 ポリビニルアルコール微粒子の製造方法 Pending JPH0782384A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5233194A JPH0782384A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 ポリビニルアルコール微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5233194A JPH0782384A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 ポリビニルアルコール微粒子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0782384A true JPH0782384A (ja) 1995-03-28

Family

ID=16951224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5233194A Pending JPH0782384A (ja) 1993-09-20 1993-09-20 ポリビニルアルコール微粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0782384A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3816343A1 (en) 2019-10-30 2021-05-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Artificial leather and production method therefor
EP3816342A1 (en) 2019-10-30 2021-05-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Artificial leather and production method therefor
WO2021085427A1 (ja) 2019-10-30 2021-05-06 旭化成株式会社 人工皮革及びその製法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4990795A (ja) * 1972-12-30 1974-08-29
JPH05301968A (ja) * 1992-04-24 1993-11-16 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系球状微粒子の製造法
JPH06136221A (ja) * 1992-10-22 1994-05-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系樹脂の水性分散液

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4990795A (ja) * 1972-12-30 1974-08-29
JPH05301968A (ja) * 1992-04-24 1993-11-16 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系球状微粒子の製造法
JPH06136221A (ja) * 1992-10-22 1994-05-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系樹脂の水性分散液

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3816343A1 (en) 2019-10-30 2021-05-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Artificial leather and production method therefor
EP3816342A1 (en) 2019-10-30 2021-05-05 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Artificial leather and production method therefor
WO2021085427A1 (ja) 2019-10-30 2021-05-06 旭化成株式会社 人工皮革及びその製法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08239539A (ja) コポリマーおよび保護コロイドを含む水性媒質中に再分散可能な化学組成物、その水性ポリマー分散体、その製造方法およびその使用方法
KR20070083672A (ko) 소수성 단량체의 유화 중합
JP5793577B2 (ja) 水系分散液用ポリビニルアセタール微粒子
JP2009149865A (ja) 水性エマルジョン、及びその製造方法
TWI812857B (zh) 乙烯-乙烯醇共聚物及使用其之水溶液
JP3618540B2 (ja) 合成樹脂エマルジョン粉末の製造方法
EP1036101B1 (de) Verfahren zur herstellung von schutzkolloidstabilisierten vinylaromat-1.3-dien-copolymerisaten
JPH0782384A (ja) ポリビニルアルコール微粒子の製造方法
JP3322918B2 (ja) ポリビニルアルコール系樹脂の水性分散液
JP4071182B2 (ja) 合成樹脂粉末および水硬性物質用混和材または打継ぎ材
JP3602590B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体微粒子の製造方法
JPH11292978A (ja) 樹脂粉末の製造方法および樹脂粉末
JP2000297107A (ja) 乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末
JPH0159298B2 (ja)
JP3441195B2 (ja) 水性エマルジョン
JP3579137B2 (ja) 乳化分散安定剤
JPS59219303A (ja) 微小懸濁重合体粒子の製造方法
JPH06184489A (ja) セメントモルタル用打継ぎ材
JPH02120385A (ja) 発泡剤
JPH09286807A (ja) 再乳化性重合体及びその製造方法
JP2000026561A (ja) 再乳化性重合体及びその製造方法
JPH08188620A (ja) ポリビニルアルコール系重合体微粒子の製造方法
JPH0649104A (ja) 共重合体樹脂水性分散液の製造方法
JPH08319430A (ja) アイオノマー樹脂水性分散液及びその製造方法
JPH08188618A (ja) 水性樹脂分散体