JPH08319430A - アイオノマー樹脂水性分散液及びその製造方法 - Google Patents
アイオノマー樹脂水性分散液及びその製造方法Info
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- JPH08319430A JPH08319430A JP7130273A JP13027395A JPH08319430A JP H08319430 A JPH08319430 A JP H08319430A JP 7130273 A JP7130273 A JP 7130273A JP 13027395 A JP13027395 A JP 13027395A JP H08319430 A JPH08319430 A JP H08319430A
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Abstract
体中の前記COOH基の少なくとも一部が中和されてア
ミン塩を形成し、かつ前記官能基の他の少なくとも一部
がアルミニウムイオン等の多価金属イオンを介して分子
間架橋構造を形成する自己水分散性アイオノマー樹脂
(1)が、水性媒体(2)中に分散したアイオノマー樹
脂水性分散液及び当該樹脂水性分散液の製造法。 【効果】 微粒径で分散の安定したアイオノマー樹脂水
性分散液とすることができ、得られる粒子および樹脂皮
膜は、実質的な熱可塑性を有し強靱で弾性に富んでい
る。
Description
し、強靱で弾性に富んだアイオノマー樹脂水性分散液及
びその製造方法に関し、具体的には塗料、インキ、樹脂
コンパウンド等の分野で適用が可能な樹脂粒子に関す
る。
性モノマーを反応性樹脂乳化物に共存させ、しかる後に
熱または光によって反応させることによって架橋を行う
ことが一般的である。具体的には特開平5−14831
3号公報ではカルボキシル基及び架橋性官能基を有する
ビニル重合体(A)と、疎水性架橋剤(B)との混合物
を、水性媒体中に分散し、架橋せしめることを特徴とす
る架橋粒子の製法が提案されており、疎水性架橋剤
(B)としてポリイソシアネート化合物及び/又はエポ
キシ樹脂が提案されている。しかしながら、この方法は
架橋のためのエネルギー源を必要とする上、乳化物が凝
集する、反応に時間がかかる、未反応物が残留する等の
諸問題を有している。また熱可塑性が著しく小さくなる
ので、塗料等の柔軟で弾性を有するフィルム形成を必要
とする場合、他のフィルム形成能を有する樹脂成分の硬
質マトリックス中にこの架橋粒子をアロイ化するが、架
橋粒子表面と樹脂マトリックスの界面での接着・融合が
必ずしも十分ではなかった。
解性金属キレート化合物を含有した水難溶性芯物質溶液
を、この金属キレート化合物の加水分解物と反応し得る
壁物質含有水性媒体中に分散させることによりマイクロ
カプセルを得る方法が提案されている。しかし、水難溶
性の芯物質の表面で高分子化が起こるため、得られるカ
プセルの機械強度は芯物質の存在によって低下し、また
加水分解反応と高分子化の制御が困難で粒径が不均一に
なる傾向が避けられなかった。
ニルアルコールまたはその誘導体と塩化ジルコニウムの
混合によって得られるキレート樹脂を壁膜とするマイク
ロカプセルの連続製造法が提案されているが、水溶性の
ポリビニルアルコールとジルコニウムの水溶性塩化物の
組み合わせに限定され、塩化ジルコニウムを原料とする
ことによる残留塩素イオンによる配管、機器の腐食の発
生が避けられないという欠点がある。
する課題は、エネルギーを必要とせず容易に架橋可能
で、前記従来技術にない、実質的に熱可塑性であり強靱
で弾性に富んだ樹脂粒子を含む水性分散液及びその製造
方法を提供することにある。
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。
(a)を有する合成樹脂(A)中の前記官能基(a)の
少なくとも一部が一価対イオン(b)と塩を形成し、更
に前記官能基(a)の他の少なくとも一部が多価金属イ
オン(c)を介して分子間架橋構造を形成する自己水分
散性アイオノマー樹脂(1)が水性媒体(2)中に分散
したアイオノマー樹脂水性分散液を提供するにある。
ましい製造方法として、有機溶媒の存在下に、中和によ
り自己水分散しうる、アニオン性の官能基(a)を有す
る合成樹脂(A)と、前記官能基(a)を中和しうる水
溶性一価塩基(B)と、有機溶媒に可溶性の多価金属塩
(C)とを反応させて、前記樹脂(A)中にある官能基
(a)の少なくとも一部が塩基(B)によって中和され
て塩を形成し、かつ前記官能基(a)の他の少なくとも
一部が多価金属塩(C)の多価金属イオン(c)を介し
て分子間架橋構造を形成する自己水分散性アイオノマー
樹脂(1)を得、ついで当該アイオノマー樹脂(1)を
含む溶液を水を必須成分とする水性媒体に分散すること
を特徴とするアイオノマー樹脂水性分散液の製造方法を
提供するにある。
から得られる樹脂粒子あるいは樹脂皮膜は、アニオン性
官能基を有する合成樹脂中の前記官能基の少なくとも一
部が一価の塩基で中和され、分子表面に当該塩が局在化
して存在することに基づいて自己水分散性を示すととも
に、特開平5−148313号公報で記載した方法によ
り得られる永久網目構造を持つ永久ゲルを形成する共有
結合性架橋による架橋粒子とは異なる、可逆的架橋から
なる網目構造を持つ可逆ゲルを形成する多価金属イオン
とアニオン性官能基とのイオン的な結合によるキレート
樹脂粒子あるいは樹脂皮膜でもある。この自己水分散性
アイオノマー樹脂は、極めて強靱で弾性に富んだ性能を
有していて、樹脂粒子間の凝集も少ない。さらにこの可
逆的架橋、即ちイオン結合エネルギーが共有結合と比較
して小さいため、架橋率が高くても良好な熱可塑性を示
すことが可能となる。
(a)はカルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸
基等であって特に限定されるものではないが、このうち
カルボキシル基は一般的であり、良好なアイオノマー樹
脂水性分散液を与える。
についても特に限定されるものではないが、10未満で
は塩形成時の乳化特性と架橋性能が不十分であり、20
0を越えるとアルカリの中和により樹脂が水に膨潤や溶
解しやすく、耐水性が著しく劣る傾向がある。このため
合成樹脂(A)の酸価は10〜200の範囲にあること
が好ましい。但し、架橋率が高い場合には合成樹脂がゲ
ル化しやすいために高酸価樹脂を選択することが好まし
い。
としてアクリル酸樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂等の有機溶剤可溶性の樹脂が挙げられるが、例えばス
チレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルか
らなる群から選ばれる少なくとも一つのモノマーと、
(メタ)アクリル酸との共重合体は、耐水性が良好で好
適である。具体的にはスチレンあるいはα−メチルスチ
レンのような置換スチレン、アクリル酸メチルエステ
ル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸ブチルエス
テル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル等のアク
リル酸エステル;メタクリル酸メチルエステル、メタク
リル酸エチルエステル、メタクリル酸ブチルエステル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エス
テルから選ばれる少なくとも一つ以上のモノマーと、ア
クリル酸、メタクリル酸から選ばれる少なくとも一つ以
上のモノマーを含む(メタ)アクリル酸系共重合体が好
ましい。また樹脂の分子量範囲についても特に制限はな
いが、1000以上10万以下の分子量のものがより好
ましい。かかる樹脂が水性媒体との組み合わせで安定な
樹脂乳化物を形成するものであれば、これらに特に限定
されるものではなく、同時に2種類以上を混合して使用
しても良い。
(1)では、合成樹脂(A)中のアニオン性官能基
(a)の少なくとも一部が一価対イオン(b)と塩を形
成している。ここでいう一価対イオン(b)には、例え
ば後述する水溶性一価塩基(B)より生じるアルカリ金
属イオン、アンモニウムイオン等がある。
(1)は、合成樹脂(A)中のアニオン性官能基(a)
の他の一部が多価金属イオン(c)を介して分子間架橋
される。この多価金属イオン(c)は、後述する有機溶
媒に可溶性の多価金属塩(C)より生じる。当該多価金
属イオン(c)の価数は、2以上であれば良いが、好ま
しくは2または3である。多価金属イオン(c)とし
て、特に好ましいのはカルシウムイオン、バリウムイオ
ン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイ
オンの中から選ばれる少なくとも一つ以上である。これ
らの金属イオンを介して分子間架橋した構造の樹脂は一
般的に無色で、毒性も少なく、良好な強靱でかつ良好な
熱可塑性を示す。
介して架橋した際の架橋率は、合成樹脂の酸価、分子量
と多価金属イオンの価数によって最適なアイオノマー樹
脂水性分散液が得られるよう架橋率を選択すればよい。
造方法としては、有機溶媒の存在下に、中和により自
己水分散しうる、アニオン性官能基(a)を有する合成
樹脂(A)と、前記官能基(a)を中和しうる水溶性一
価塩基(B)と、有機溶媒に可溶性の多価金属塩(C)
とを反応させて得た自己水分散性のアイオノマー樹脂の
有機溶媒溶液を水を必須成分とする水性媒体中に加える
方法;前記自己水分散性のアイオノマー樹脂の有機溶
媒溶液に、前記水性媒体を加える方法;有機溶媒の不
存在下に、前記したアニオン性官能基を有する合成樹脂
(A)と前記した一価塩基(B)と前記した多価金属塩
(C)とを溶融混練し、この混練物を水を必須成分とす
る水性媒体中に加える方法;前記混練物に、前記水性
媒体を加える方法;有機溶媒の存在下にアニオン性官
能基(a)を有する合成樹脂(A)と多価金属塩(C)
とを反応させて得た水分散性となってないアイオノマー
樹脂の有機溶媒溶液に、一価塩基(B)を含む水性媒体
を加える方法;前記水性媒体に、前記した水分散性と
なってないアイオノマー樹脂の有機溶媒溶液を加える方
法;等が例示できる。
基を有する合成樹脂(A)を自己分散性にするために加
える。自己水分散性アイオノマー樹脂の製造に際して反
応系に添加する塩基(B)の量は、該塩基を添加する時
期によって異なるが、合成樹脂(A)の全アニオン性官
能基(a)の60モル%以上、好ましくは80モル%以
上に相当する量を用いるのがよい。この範囲の添加量で
あると特に微粒径で安定したアイオノマー樹脂水性分散
液が得られるので好ましい。必要であれば、製造手段に
よっては100モル%以上に相当する量の塩基(B)を
反応系に添加しておいても差し支えない。一価の水溶性
塩基(B)の加える量を変化させることにより任意の粒
子径の架橋弾性微粒子が得られる。例えばこの塩基
(B)の量を少なくすれば、得られるアイオノマー樹脂
水性分散液の粒子径は大きくなる。このため、架橋率が
高く、樹脂がゲル化して有機溶媒に対する溶解度が低下
して、乳化するのが難しいと思われる場合には、高酸価
の合成樹脂を用い、更に一価の水溶性塩基による中和率
を高くすることによって架橋率が高くても安定なアイオ
ノマー樹脂水性分散液が得られる。
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の
アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエチルアミ
ン、モルホリン等の塩基性物質の他、トリエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールア
ミン等のアルコールアミン系塩基性物質が使用可能であ
るがこれらに限られたものではない。合成樹脂(A)の
有機溶媒溶液に一価の水溶性塩基(B)を混合して樹脂
の中和をし、ついで乳化を行う場合、有機溶媒との相溶
性の良い有機の塩基性物質を用いることがより好まし
い。
(C)としては、2価以上の金属のアルコラート類、ア
シレート類、キレート類であって後述する有機溶媒に可
溶なものであればに特に限定はない。金属イオンを介し
て分子間架橋した構造の樹脂粒子が、無色で、毒性も少
なく、良好な強靱でかつ良好な熱可塑性を示すことか
ら、カルシウム、バリウム、マグネシウム、亜鉛、アル
ミニウム等の多価金属のアルコラート類;前記アルコラ
ートと酢酸、プロピオン酸、酪酸、等の有機カルボン酸
とから得られるアシレート類及び前記アルコラート、ア
シレートと例えばアセチルアセトン、プロピオニルアセ
トンに代表されるβ−ジケトン類やアセト酢酸アルキル
エステル、ジアセト酢酸アルキルエステルに代表される
β−ケト酸エステル類等のキレート化剤とから得られる
キレート類の使用が好適である。好ましくはこれら多価
金属のアシレート類、キレート類である。またこれらの
多価金属塩は併用して用いてもよい。
して添加する多価金属塩(C)の量は、通常、全アニオ
ン性官能基の1〜30モル%程度に相当する添加量で充
分である。アシレート類のごとき多価金属塩では、その
使用量を多くして架橋率が高い樹脂を得ようとすると、
架橋樹脂の有機溶剤に対する溶解度が低下し、ゲル化し
やすい。しかしながら添加する際の手段によっては10
0モル%に相当する量の多価金属塩(C)であっても添
加することができる。例えば多価金属塩(C)の添加量
が全アニオン性官能基の100モル%に達する量であっ
ても、多価金属イオンに対して過剰(余剰)となる量の
キレート化剤を合成樹脂(A)、一価塩基(B)、多価
金属塩(C)を含む有機溶媒の溶液中に加え、これを存
在させたまま反応を行う、或いは前記した(A)、
(B)、(C)成分を反応させて得た乳化前の自己水分
散性アイオノマー樹脂(1)を含む有機溶媒溶液中に過
剰となる量のキレート化剤を追加する等の手段をとる
と、樹脂の架橋のマスク効果が発生し、ゲル化すること
なく微粒子の樹脂乳化が可能となる。余剰量のキレート
化剤が、樹脂乳化物中に存在すると平衡的に実質の樹脂
の架橋は低下するが、樹脂乳化物は水性媒体中に安定に
分散している。そして、樹脂乳化物中にある他の有機溶
剤の留去の際にこのキレート化剤も留去すると、その平
衡は大きく樹脂の架橋に傾き、結果として高架橋率のア
イオノマー樹脂を含む水性分散液が得られる。過剰に加
えることのできるキレート化剤の種類に特に制限はない
が、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、ジアセト
酢酸アルキルエステルの如き揮発性で留去が容易なもの
を使用すると好ましい。その添加量(余剰量)について
も特に制限はないが、低架橋率に相当する量の多価金属
塩(C)を添加するのであればキレート化剤の添加量を
少なく、また高架橋率に相当する量の多価金属塩(C)
を添加するのであればキレート化剤の添加量も増やすと
よい。得られる架橋樹脂乳化物の粒子径は加えるキレー
ト化剤の量が多ければ微粒子化の傾向を呈する。
造に際して用いる有機溶媒には、例えばアセトン、ジメ
チルケトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、メ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素
系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、酢酸エ
チルエステル等のエステル系溶媒、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル等のグリコールエーテル系溶媒、アミド類等が使用
可能である。樹脂成分がアクリル系樹脂の場合にはケト
ン系溶媒とアルコール系溶媒から選ばれる少なくとも1
種類以上の組み合わせが良い。かかる有機溶媒の使用量
は、本発明における効果を達成すれば特に規定されない
が、自己水分散性樹脂/該有機溶媒の重量比が1/1〜
1/20となるような量が好ましい。
基を有する合成樹脂(A)、水溶性一価塩基(B)およ
び多価金属塩(C)を有機溶媒中で攪拌しながら混合し
て反応させるとよい。混合、反応の順序はいずれでもよ
い。好ましくは合成樹脂(A)の有機溶媒溶液に水溶性
の有機一価塩基(B)と、多価金属塩(C)の有機溶媒
溶液とを攪拌しながら混合して反応させる、溶液同士の
混合方法がよい。
は、従来知られている合成樹脂と多価金属塩を溶融混練
する方法と比べて均一な混合が可能であって架橋むらも
少なく、また連続工程によって製造する場合も、原料変
更が極めて容易であるので架橋度、中和度、多価金属イ
オンの種類等の変更が随時可能であり、このため種々の
架橋樹脂粒子を容易に製造できるメリットもある。
を含む有機溶媒溶液には、必要に応じて、分散剤、可塑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を併用しても良い。乳
化方法には、好ましくは合成樹脂(A)と多価金属塩
(B)との有機溶媒溶液に溶媒可溶性の有機一価塩基
(C)を混合溶解して、イオン架橋した合成樹脂を中和
して自己分散性樹脂とした後、滴下等で水と混合して乳
化させる、いわゆる転相乳化法を用いるとよい。この場
合、水を必須成分とする水性媒体中に、自己水分散性ア
イオノマー樹脂を含む溶液を加えても良いが、逆に当該
樹脂を含む溶液中に水性媒体を加えるほうが、均一な粒
子径の水性分散液が得られる点で好ましい。しかしなが
ら、必要に応じて界面活性剤を併用して、強制的に乳化
させこともできる。界面活性剤や保護コロイドは最終的
に得られる粒子の物性を低下させる傾向があるので用い
ないことが好まれる。
化のために使用する水性媒体に必須成分として含まれる
水としては、粒子の安定性のためにイオン交換水以上の
グレードの水が好ましい。水性媒体には必要に応じて着
色剤、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を
併用しても良い。
属アシレート類)を用いた場合、あるいは多価金属イオ
ンによる架橋率が高いアイオノマー樹脂を製造した場
合、有機溶媒中あるいは次の乳化分散中に室温では樹脂
がゲル化しやすくなるが、この場合は有機溶媒溶液や次
の乳化分散中の溶液を加熱することにより有機溶媒中で
の樹脂のゲル化を防止することができ、安定したアイオ
ノマー樹脂水性分散液を得ることが可能となる。
は水に乳化分散させる際の混合を熱時に行う場合の温度
条件としては30℃〜使用した有機溶媒及び水の沸点の
内最も低いものの沸点の範囲が好ましい。
脂水性分散液として用いる場合には、必要に応じて乳化
後に水より低い沸点を有する有機溶媒を除去する工程を
導入することにより、乳化樹脂の溶解・膨潤が最小とな
りさらに安定した樹脂水性分散液が得られる。
散液中には必要に応じて着色剤、分散剤、可塑剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、架橋剤等を併用しても良い。本
発明のアイオノマー樹脂水分散物をアイオノマー樹脂粒
子として用いる場合には、アイオノマー樹脂水性分散液
から水や有機溶媒を除去すればよい。
具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」
は『重量部』を表わす。
チレン/アクリル酸/アクリル酸2エチルヘキシルエス
テル=77/13/10;分子量4万、酸価100)2
0部、トリスアセチルアセトナトアルミニウム0.9部
(架橋率21%に相当する量)、トリエタノールアミン
4.2部(中和率79%に相当する量)をメチルエチル
ケトン90部、イソプロピルアルコール40部に溶解
し、攪拌しながらイオン交換水600部の混合液を毎分
5mlの速度で滴下し、平均粒子径0.2μmのアイオ
ノマー樹脂水性分散液を得た。
チレン/アクリル酸/アクリル酸2エチルヘキシルエス
テル=77/13/10;分子量4万、酸価100)2
0部をメチルエチルケトン90部、エタノール40部に
溶解し、60℃に加温、攪拌しながら酢酸マグネシウム
の5%エタノール溶液4.6部(架橋率6%相当量)と
トリエタノールアミン5部(中和率94%相当量)を加
え、更に60℃で攪拌をながら60℃に加温したイオン
交換水600部を毎分5mlの速度で滴下し、平均粒子
径1μmのアイオノマー樹脂水性分散液を得た。
チレン/アクリル酸/メタアクリル酸=72/12/1
3;分子量4万、酸価155)20部とメチルエチルケ
トン50部とエタノール20部の樹脂溶液に、トリスア
セチルアセトナトアルミニウム6.0部(架橋率100
%相当量)とアセチルアセトン50部とエタノール20
部の混合溶液を混合攪拌し、更にトリエタノールアミン
8.2部(中和率100%相当量)を加えた溶液に、攪
拌しながらイオン交換水600部を毎分5mlの速度で
滴下し、乳化を行った後、ロータリーエバポレーターを
用いて揮発性の有機溶剤を留去して平均粒径0.2μm
のアイオノマー樹脂水分散液を得た。
アセトナトアルミニウムを除き、トリエチルアミン5.
3部(中和率100%相当量)にした組成で、実施例1
と同様の方法で平均粒子径0.1μmのアイオノマー樹
脂水分散物を得た。
するのは困難なため、アイオノマー樹脂粒子の熱可塑性
を利用して、得られた水分散物をガラス板に塗布、15
0℃10分間加熱乾燥して樹脂皮膜とし、鉛筆硬度を測
定した。その結果、以下のように明らかに硬度が増して
おり、本発明の効果があることが判明した。
ら得られる粒子および樹脂皮膜は、自己水分散性である
こととアイオノマー樹脂であることの相乗効果により、
実質的な熱可塑性を有し強靱で弾性に富んでおり、また
本発明の製造方法により微粒径で分散の安定した水性分
散液とすることができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 アニオン性の官能基(a)を有する合成
樹脂(A)中の前記官能基(a)の少なくとも一部が一
価対イオン(b)と塩を形成し、更に前記官能基(a)
の他の少なくとも一部が多価金属イオン(c)を介して
分子間架橋構造を形成する自己水分散性アイオノマー樹
脂(1)が水性媒体(2)中に分散したアイオノマー樹
脂水性分散液。 - 【請求項2】 有機溶媒の存在下に、中和により自己水
分散しうる、アニオン性の官能基(a)を有する合成樹
脂(A)と、前記官能基(a)を中和しうる水溶性一価
塩基(B)と、有機溶媒に可溶性の多価金属塩(C)と
を反応させて、前記樹脂(A)中にある官能基(a)の
少なくとも一部が塩基(B)によって中和されて塩を形
成し、かつ前記官能基(a)の他の少なくとも一部が多
価金属塩(C)の多価金属イオン(c)を介して分子間
架橋構造を形成する自己水分散性アイオノマー樹脂
(1)を得、ついで当該アイオノマー樹脂(1)を含む
溶液を水を必須成分とする水性媒体に分散することを特
徴とするアイオノマー樹脂水性分散液の製造方法。 - 【請求項3】 多価金属イオン(c)の価数が2または
3であるを特徴とする請求項1記載の樹脂水性分散液。 - 【請求項4】 合成樹脂(A)のアニオン性官能基
(a)が、カルボキシル基であることを特徴とする請求
項1記載の樹脂水性分散液。 - 【請求項5】 合成樹脂(A)の酸価が10〜200で
あることを特徴とする請求項1記載の樹脂水性分散液。 - 【請求項6】 合成樹脂(A)が、有機溶剤可溶性の樹
脂である請求項4または5記載の樹脂水性分散液。 - 【請求項7】 合成樹脂(A)が、スチレン、置換スチ
レン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選ば
れる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)アクリル酸
との共重合体である請求項6記載の樹脂水性分散液。 - 【請求項8】 前記有機溶媒への溶解を熱時に行う請求
項2記載の樹脂水性分散液の製造方法。 - 【請求項9】 前記分散を熱時に行う請求項2記載の樹
脂水性分散液の製造方法。 - 【請求項10】 前記有機溶媒への溶解と前記分散を熱
時に行う請求項2記載の樹脂水性分散液の製造方法。 - 【請求項11】 可溶性多価金属塩が、多価金属のカル
ボン酸塩又は金属キレートの中から選ばれる少なくとも
一つであること特徴とする請求項2記載の樹脂水性分散
液の製造方法。
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---|---|---|---|
JP13027395A JP3637581B2 (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | アイオノマー樹脂水性分散液及びその製造方法 |
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JPH08319430A true JPH08319430A (ja) | 1996-12-03 |
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1995
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