JPH0782329A - 人工大理石 - Google Patents

人工大理石

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JPH0782329A
JPH0782329A JP22420693A JP22420693A JPH0782329A JP H0782329 A JPH0782329 A JP H0782329A JP 22420693 A JP22420693 A JP 22420693A JP 22420693 A JP22420693 A JP 22420693A JP H0782329 A JPH0782329 A JP H0782329A
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JP
Japan
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weight
bis
acid
aluminum hydroxide
parts
Prior art date
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Application number
JP22420693A
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English (en)
Inventor
Mitsuzo Tanaka
詳三 田中
Yoshikazu Maki
義和 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、表面平滑性、耐煮沸性に優れた人工
大理石を提供する。 【構成】 本発明はハロゲン化ビスフェノールのアルキ
レンオキサイド付加物とα、β−不飽和ジカルボン酸を
主成分とする不飽和ポリエステル(a)、重合性不飽和
単量体(b)、水酸化アルミニウム、および硬化剤から
なる熱硬化性樹脂成形材料を硬化してなる人工大理石で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、洗面台や浴槽などの住
宅機器や装飾品等に用いられる透明性に優れた大理石調
外観の硬化物を与える人工大理石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂製の人工大理石を得るために
は(メタ)アクリル樹脂をベースとしたものと不飽和ポ
リエステル樹脂をベースとしたものがある。不飽和ポリ
エステル樹脂の場合、複雑な形状への対応のしやすさ、
耐熱性や外観に優れるなどの特長から近年需要の伸びが
著しい。
【0003】不飽和ポリエステル樹脂による人工大理石
の製法の一つとして不飽和ポリエステル樹脂と水酸化ア
ルミニウム、ガラス粉体等とを混合し型に注型する注型
法があるが、生産性が著しく低く、プレスによる加熱加
圧成形が望まれている。加熱加圧成形法では一般的には
80℃以上の成形温度で硬化するため、生産性が高く、
望ましいのであるが、この場合には樹脂が硬化する際の
硬化収縮や冷却に伴う熱収縮に起因して、樹脂と充填剤
の界面の接着不良が発生し、透明性を損ねる。また、表
面平滑性を損ねたり、クラックが入るなどの欠陥が生じ
る。このため、最近では熱可塑性樹脂を低収縮化剤とし
て添加し、表面平滑性の維持やクラックの防止を図るケ
ースが見られる。しかし、この場合には成形品の透明性
が更に低下し、人工大理石としては注型法で得られる透
明感とは、ほど遠いものしか得ることができない。
【0004】また、充填剤として例えば、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、天然石砕片などを用いれば成形品
は不透明になり、深みのある質感のものは得られない。
透明性に優れた性状を必要とする用途では、充填剤とし
ては前記の水酸化アルミニウムやガラス粉体が使用され
る。ガラス粉体はその屈折率が不飽和ポリエステル樹脂
の屈折率と近く、透明性に優れた成形品を得ることは比
較的容易である。しかし、ガラス粉体のアルカリ成分が
不飽和ポリエステル樹脂を侵食し、耐煮沸性の低下に伴
った白濁のため透明性が失われる。また、コスト的にも
高価である。これらの理由から耐煮沸性の必要な人工大
理石の用途には、充填剤として水酸化アルミニウムが使
用されるケースが多い。
【0005】しかし、不飽和ポリエステル樹脂をベース
樹脂とした場合には、その構成要素が一般的には不飽和
ポリエステルと重合性不飽和単量体としてのスチレンで
あるため、耐水性、耐熱性に優れた不飽和ポリエステル
樹脂としては、屈折率は高くても1.58までに限ら
れ、耐煮沸性の良好な、屈折率が1.57である水酸化
アルミニウムを用いた場合には必ずしも透明性は良好と
は言えない。この原因は水酸化アルミニウムの結晶体に
対して光の入射する方向によってはその屈折率が異な
り、結晶体に対して特定の方向からの光の入射に対して
は、一般に言われる水酸化アルミニウムの屈折率よりも
高い。従って、一般に言われる水酸化アルミニウムの屈
折率1.57より高い側に樹脂の屈折率を合致させなけ
れば、より高い透明性は得られない。
【0006】一般的には不飽和ポリエステル樹脂の重合
性不飽和単量体は価格、物性などからスチレンが使用さ
れる場合が多い。ポリスチレンの屈折率は1.59と高
いので、耐煮沸性に優れた水酸化アルミニウムを充填剤
とした場合でも、不飽和ポリエステル樹脂中でスチレン
の含有率が高い状態で硬化した場合に、不飽和ポリエス
テル樹脂と水酸化アルミニウムの屈折率の一致がもたら
されやすく、成形品の透明性は良好なものが得られる。
しかし、この場合には収縮率が大きくなり、結果的には
クラックの入りやすいものとなる。樹脂の屈折率を上げ
るため、重合性不飽和単量体として屈折率の高いクロル
スチレンやクロルメチルスチレンなどを使用することも
考えられるが、この場合には価格、取扱いの方法などに
難点があり、一般的な重合性不飽和単量体であるとは言
えない。
【0007】このように、水酸化アルミニウムを充填剤
として使用した場合、クラックが入らず、表面平滑性や
耐煮沸性に優れた物性を維持しながら透明性にも優れた
大理石調成形品を得ることは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は水酸化アルミ
ニウムを充填剤とした人工大理石を造る場合の前記問題
点を解決するものである。すなわち、本発明の目的は透
明性、表面平滑性、耐煮沸性に優れた人工大理石を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した実
情に鑑みて、鋭意検討を重ねた結果、透明性に優れ、表
面平滑性、かつ、耐煮沸性にも優れた人工大理石を見出
して、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】(但し式中、X、Yはそれぞれ独立にH、
ClおよびBrのうちのいずれかを表わし、XとYが同
時にHであることはない。Zは炭素数1〜6のアルキレ
ン基、−SO2 − 、−S− 、−CO− および −
O− のうちのいずれかを表わす。pは0もしくは1を
表わす。また、mおよびnはそれぞれ独立して1または
2の整数で、R1 、R2 はそれぞれ独立して炭素数2ま
たは3のアルキレン基で、かつ括弧で示された繰り返し
単位ごとに異なっていてもよい。)で示される化合物
(I)を少なくとも50モル%含有してなるグリコール
成分(イ)とα、β−不飽和ジカルボン酸および/また
はその無水物(II)を少なくとも50モル%含有してな
る酸成分(ロ)とを反応させて得られる不飽和ポリエス
テル(a)80〜50重量%、重合性不飽和単量体
(b)20〜50重量%(但し、(a)および(b)の
成分の合計は100重量%である)からなる樹脂組成物
100重量部に対して、水酸化アルミニウム20〜50
0重量部、および硬化剤を配合してなる熱硬化性樹脂成
形材料を硬化してなる人工大理石を提供する。
【0013】
【作用】不飽和ポリエステル(a)とは前記一般式
(I)で示される化合物(I)を少なくとも50モル%
含有してなるグリコール成分(イ)とα、β−不飽和ジ
カルボン酸および/またはその無水物(II)を少なくと
も50モル%含有してなる酸成分(ロ)との反応生成物
であり、通常、その数平均分子量は500〜10000
の範囲のものが好ましい。化合物(I)が50モル%未
満の時やα、β−不飽和ジカルボン酸および/またはそ
の無水物(II)が50モル%未満の場合は、透明性に劣
るとともに耐熱性、耐蝕性が低下し、本発明の目的を達
成できない。また、不飽和ポリエステル(a)は、不飽
和ポリエステル(a)と重合性不飽和単量体(b)との
合計100重量%中で、80〜50重量%の範囲で使用
する。80重量%を越える場合には作業性に劣り、水酸
化アルミニウムの混練作業がしにくい上に耐煮沸性が劣
る。また50重量%未満の場合では表面平滑性に劣る、
クラックが入りやすい等の欠陥が発生する。
【0014】一般式(I)で示される化合物(I)は、
ハロゲン化ビスフェノールのアルキレンオキサイド付加
物で、ハロゲン化ビスフェノールの水酸基にエチレンオ
キサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキ
サイドを2モル以上付加させたもので、例えば、アルキ
レンオキサイドとしてエチレンオキサイドを2モル付加
させた4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´−ジブロモビスフェノールA、4,4´−ビス(2−
ヒドロキシエチル)3,3´−ジクロルビスフェノール
A、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´,5,5´−テトラブロモビスフェノールA、4,4
´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´
−テトラクロルビスフェノールA、4,4´−ビス(2
−ヒドロキシエチル)3,3´−ジブロモビスフェノー
ルS、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´−ジクロルビスフェノールS、4,4´−ビス(2−
ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´−テトラブロモ
ビスフェノールS、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエ
チル)3,3´,5,5´−テトラクロルビスフェノー
ルS、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´−ジブロモビスフェノールF、4,4´−ビス(2−
ヒドロキシエチル)3,3´−ジクロルビスフェノール
F、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´,5,5´−テトラブロモビスフェノールF、4,4
´−ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´
−テトラクロルビスフェノールF、4,4´−ビス(2
−ヒドロキシエチル)3,3´−ジブロモ−ビフェニル
エーテル、4,4´−ビス(2−ヒドロキシエチル)
3,3´−ジクロル−ビフェニルエーテル、4,4´−
ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´−テ
トラブロモ−ビフェニルエーテル、4,4´−ビス(2
−ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´−テトラクロ
ル−ビフェニルエーテル、4,4´ビス(2−ヒドロキ
シエチル)3,3´,5,5´−テトラクロルビフェノ
ール、4,4´ビス(2−ヒドロキシエチル)3,3
´,5,5´−テトラブロモビフェノール、4,4´ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)3,3´,5,5´−テト
ラクロルチオビフェノール、4,4´ビス(2−ヒドロ
キシエチル)3,3´,5,5´−テトラブロモチオビ
フェノール等を挙げることができる。
【0015】また、アルキレンオキサイドとしてプロピ
レンオキサイドを2モル付加させたものとして例えば、
4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3´−
ジブロモビスフェノールA、4,4´−ビス(ヒドロキ
シイソプロピル)3,3´−ジクロルビスフェノール
A、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3
´,5,5´−テトラブロモビスフェノールA、4,4
´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3´,5,5
´−テトラクロルビスフェノールA、4,4´−ビス
(ヒドロキシイソプロピル)3,3´−ジブロモビスフ
ェノールS、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピ
ル)3,3´−ジクロルビスフェノールS、4,4´−
ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3´,5,5´−
テトラブロモビスフェノールS、4,4´−ビス(ヒド
ロキシイソプロピル)3,3´,5,5´−テトラクロ
ルビスフェノールS、4,4´−ビス(ヒドロキシイソ
プロピル)3,3´−ジブロモビスフェノールF、4,
4´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3´−ジク
ロルビスフェノールF、4,4´−ビス(ヒドロキシイ
ソプロピル)3,3´,5,5´−テトラブロモビスフ
ェノールF、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピ
ル)3,3´,5,5´−テトラクロルビスフェノール
F、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)3,3
´−ジブロモ−ビフェニルエーテル、4,4´−ビス
(ヒドロキシイソプロピル)3,3´−ジクロル−ビフ
ェニルエーテル、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロ
ピル)3,3´,5,5´−テトラブロモ−ビフェニル
エーテル、4,4´−ビス(ヒドロキシイソプロピル)
3,3´,5,5´−テトラクロル−ビフェニルエーテ
ル、4,4´(2−ヒドロキシイソプロピル)3,3
´,5,5−テトラクロルビフェノール、4,4´(2
−ヒドロキシイソプロピル)3,3´,5,5´−テト
ラブロモビフェノール、4,4´(2−ヒドロキシイソ
プロピル)3,3´,5,5´−テトラクロルチオビフ
ェノール、4,4´(2−ヒドロキシイソプロピル)
3,3´,5,5´−テトラブロモチオビフェノール等
を挙げることができる。そしてこれらの中から1種また
は2種以上を使用しても良い。
【0016】これらは、通常mおよびnが1の、ハロゲ
ン化ビスフェノールの両端の水酸基に1モルずつのエチ
レンオキサイド、または、プロピレンオキサイドが付加
したものだけでなく、mおよび/またはnが2以上のモ
ル数を付加したものとの混合物である。mおよびnは1
が望ましいが、2以上のものの割合が多くても透明性に
関しては弊害はない。mおよびnが3以上になるとポリ
エステル化した場合には、軟質化され、特に耐煮沸性で
劣る。
【0017】グリコール成分(イ)として用いられる化
合物で、一般式(I)で示される化合物(I)以外の化
合物として、必要により例えば、エチレングリコール、
1,2プロピレングリコール、1,3プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、
水素化ビスフェノールA等が挙げられ、これらの中から
1種または2種以上を使用しても良い。
【0018】α、β−不飽和ジカルボン酸および/また
はその無水物(II)としては、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等を挙げることができ
る。また、不飽和ポリエステルを合成する際の、(II)
以外に用いられる酸成分としての芳香族飽和二塩基酸ま
たはその酸無水物としては、例えば、フタル酸、無水フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラ
ヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸およびこ
れらのエステルなどがあり、脂肪族あるいは脂環族飽和
二塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸およびこれらのエステ
ルなどがあり、これらの中から1種または2種以上を使
用しても良い。
【0019】また上記以外に、例えば、日刊工業新聞社
発行(昭和63年6月30日初版)、滝山栄一郎著「ポ
リエステル樹脂ハンドブック」第31頁、表2.2記載
の酸や、同第35頁記載のグリコール類などを使用して
もよい。
【0020】不飽和ポリエステル(a)は当該業界で公
知の方法に従って製造することができる。例えば、上記
のごとくして選定されたグリコール成分(イ)と酸成分
(ロ)とを150〜250℃の温度範囲で触媒の存在下
もしくは不存在下に、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガ
ス雰囲気下で脱水縮合する方法である。
【0021】重合性不飽和単量体(b)とは、1分子中
に少なくとも1個のビニル性不飽和基を有する常温では
液体の化合物を指し、例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、クロルス
チレン等の芳香族ビニル化合物類;酢酸ビニル、アジピ
ン酸ジビニルエステル等のビニルエステル類;ジアリル
フタレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ジ
(メタ)アクリロオキシエチル等の(メタ)アクリル酸
エステル類等を挙げることができ、これらの化合物の1
種もしくは2種以上を用いることができる。その中で
も、スチレンはその相溶性能、重合反応性等が特に良く
好ましいものである。重合性不飽和単量体(b)は不飽
和ポリエステル(a)と重合性不飽和単量体(b)を合
計した100重量%中、20〜50重量%の範囲で使用
する。重合性不飽和単量体の割合が20重量%未満では
耐水性が悪く、充填剤の水酸化アルミニウムと混合する
際の作業性も悪い。50重量%を越える量であると、成
形材料化して成形した場合にクラックが入る、表面状態
が良くない等の欠陥がでる。
【0022】水酸化アルミニウムはバイヤー法により製
造された化学式Al(OH)3 またはAl23 ・3H
2 Oで表されるものである。市販品としては昭和電工
(株)製のハイジライトH210、H310、H320な
どがあり、その粒径は特に制限はないが、平均粒径1〜
40μmのものが好ましく、また、水酸化アルミニウム
の光電白色度計により測定された白色度は92以上が好
ましい。水酸化アルミニウムの量は、不飽和ポリエステ
ル(a)と重合性不飽和単量体(b)の合計を100重
量部とし、それに対して20〜500重量部が好まし
く、20重量部未満であると表面状態が悪くクラックが
入りやすい。また、500重量部を越える量であると樹
脂との混練が困難で、均一な混和物に成り難く、そのた
め成形品は透明性に欠け、表面状態が良くないものにな
る。
【0023】本発明にかかる熱硬化性樹脂成形材料は、
通常の不飽和ポリエステル樹脂と同様な方法で硬化させ
ることができ、不飽和ポリエステル樹脂業界で公知の硬
化手段をそのまま利用できるものである。例えば、ベン
ゾイルパーオキシド、ターシャリーブチルパーオキシオ
クトエート、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、2,5−ジメチル−2,5ジ(ターシャリーブチル
パーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物やアゾビスイソ
ブチロニトリル等のジアゾ化合物等の硬化剤の存在下加
熱する方法、有機過酸化物と金属石鹸類やアミン化合物
類等の促進剤とを配合する方法、感光剤の存在下に赤外
線、紫外線、電子線等の電磁波を照射する方法等により
硬化させることができる。
【0024】また本発明では補強材を使用することもで
き、その目的のために一般的にはガラス繊維が挙げられ
るが、その他にビニロン、ポリエステル、フェノールな
どの有機繊維、アスベスト、カーボンファイバーなど無
機繊維も挙げることができる。補強材の繊維長さは通常
0.1〜50mmだが、特に長さを限定するものではな
い。添加量は樹脂組成物100重量部に対して0〜50
重量部が通常であるが、添加量が多いと不飽和ポリエス
テル、重合性不飽和単量体と水酸化アルミニウムを混合
した組成物への含浸がしにくい欠点があり、結果的には
透明性を低下させることになる。
【0025】本発明では前記不飽和ポリエステル(a)
および重合性不飽和単量体(b)からなる樹脂組成物1
00重量部に対して、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル
酸を主成分とする酸成分とを反応させて得られるエポキ
シポリ(メタ)アクリレートを5〜45重量部使用する
のが好ましい。エポキシポリ(メタ)アクリレートとし
て、例えばビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)ア
クリル酸との反応生成物、フェノールまたはクレゾール
ノボラックをエポキシ化した、所謂ノボラック型エポキ
シ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物等がある。
【0026】本発明では必要に応じて本発明の効果を阻
害させない程度に各種充填剤、可塑剤、離型剤、滑剤、
着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を併用してもよい。
【0027】また、熱硬化性樹脂成形材料を加熱硬化さ
せる場合には一般的に欠陥として発生し易い、表面平滑
性の不良やクラックに対処するため、低収縮化剤として
ポリスチレンをはじめとする各種熱可塑性樹脂が添加さ
れるが、これらを含有すると著しく透明性を損ねるの
で、該成形材料の組成中には含有させない。
【0028】
【実施例】以下、例を挙げてこの発明を更に詳しく説明
する。なお、例示中「部」とあるのはことわりがない限
り「重量部」を示すものとする。
【0029】(参考例 1)温度計、攪拌装置、温度調
節装置、ガス導入管、およびパーシャルコンデンサーを
備えた四ッ口フラスコに4,4´−ビス(2−ヒドロキ
シイソプロピル)3,3´,5,5´−テトラブロモビ
スフェノールA(以下TBBPAPOと記す。)680
部および無水マレイン酸98部を投入し、窒素気流下に
220℃で酸価18になるまで反応させ、ポリエステル
(以下、ポリエステル(1)と記す)を得た。
【0030】(参考例 2)参考例1において、TBB
PAPOを680部に代えて4,4´ビス(2−ヒドロ
キシエチル)3,3´,5,5´−テトラブロモビスフ
ェノールAを645部使用する以外は参考例1と同様に
して、酸価18になるまで反応させ、ポリエステル(以
下、ポリエステル(2)と記す)を得た。
【0031】(参考例 3)参考例1においてTBBP
APOを680部に代えて4,4´−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)3,3´,5,5´−テトラブロモビスフ
ェノールSを672部使用する以外は参考例1と同様に
して、酸価17のポリエステル(以下、ポリエステル
(3)と記す)を得た。
【0032】(参考例 4)参考例1においてTBBP
APOを680部に代えてTBBPAPOを340部お
よびネオペンチルグリコール53部、また無水マレイン
酸98部に代えてイソフタル酸83部および無水マレイ
ン酸49部使用する以外は参考例1と同様にして、酸価
19のポリエステル(以下、ポリエステル(4)と記
す)を得た。
【0033】(参考例 5)ジエチレングリコール11
1部、イソフタル酸99.7部、およびマレイン酸3
9.2部を用いて参考例1と同様にして酸価19のポリ
エステル(以下、比較ポリエステル(5)と記す)を得
た。
【0034】(参考例 6)温度計、攪拌装置、温度調
節装置、ガス導入管および還流冷却器を備えた四ッ口フ
ラスコにエピクロン810(大日本インキ化学工業株式
会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当
量202)を202部、ハイドロキノン0.1部、トリ
エチルアミン2.0部、アクリル酸72部を仕込み、空
気を導入しながら90〜100℃の温度範囲で11時間
反応させて酸価4.0のエポキシポリアクリレート樹脂
を得た (実施例 1〜7、比較例 1〜6)ポリエステル
(1)〜(4)および比較ポリエステル(5)、重合性
不飽和単量体としてスチレン、充填剤として水酸化アル
ミニウム(昭和電工株式会社製ハイジライトH32
0)、硬化剤としてターシャリーブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート、離型剤としてステアリン酸亜鉛
(アデカファインケミカル(株)製ZNS−P)、更に必
要に応じてエポキシポリアクリレート樹脂やポリスチレ
ンを表1、表2に示す量でミキサーにて攪拌して均一に
分散した。更に補強材として長さ3mmのガラスチョッ
プ5重量部を加えて含浸した。得られた成形材料を30
cm×30cmの平板形状の金型に、成形品の厚みが6
mmになるようチャージし、温度120℃、圧力70k
g/cm2 で10分間の加熱加圧成形を行って成形品を
得た。このようにして得られた成形品を、目視で透明性
と表面平滑性を比較観察し、厚み6mmの成形品の光線
透過率を日本電色工業株式会社製カラーメジャーリング
システムΣ90を使用して測定した。また、得られた成
形品を100℃熱水で耐煮沸テストを300時間連続で
行い、膨れ、クラック、白化の有無を観察し、これを耐
煮沸性として評価し、その結果を表1および表2に示し
た。
【0035】更に、表1および表2に示した実施例1〜
7、比較例1〜6のポリエステル(1)〜(4)および
比較ポリエステル(5)、エポキシポリアクリレート樹
脂、ポリスチレンとスチレンを表中に示した割合で混合
し、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド
1.0重量%、硬化促進剤としてオクテン酸コバルト
0.3重量%添加して6mm板厚に常温で注型し、硬化
後110℃でアフターキュアを2時間行い、アッベ式屈
折率計を使用して25℃で〔ポリエステル+スチレン
(必要に応じてエポキシポリアクリレート樹脂、ポリス
チレン等を添加)〕の屈折率を測定した結果も表1およ
び表2に記載した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明によって、洗面台や浴槽等のよう
に、耐煮沸性能を必要とする住宅機器を生産性よく製造
する事ができる。さらに本発明で得られた成形品は優れ
た透明性、表面平滑性を有するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (但し式中、X、Yはそれぞれ独立にH、ClおよびB
    rのうちのいずれかを表わし、XとYが同時にHである
    ことはない。Zは炭素数1〜6のアルキレン基、−SO
    2 −、−S−、−CO−および−O−のうちのいずれか
    を表わし、pは0もしくは1を表わす。また、mおよび
    nはそれぞれ独立して1または2の整数で、R1 、R2
    はそれぞれ独立して炭素数2または3のアルキレン基
    で、かつ括弧で示された繰り返し単位ごとに異なってい
    てもよい。)で示される化合物(I)を少なくとも50
    モル%含有してなるグリコール成分(イ)とα、β−不
    飽和ジカルボン酸および/またはその無水物(II)を少
    なくとも50モル%含有してなる酸成分(ロ)とを反応
    させて得られる不飽和ポリエステル(a)80〜50重
    量%、重合性不飽和単量体(b)20〜50重量%(但
    し、(a)および(b)の成分の合計は100重量%で
    ある。)からなる樹脂組成物100重量部に対して、水
    酸化アルミニウム20〜500重量部および硬化剤を配
    合してなる熱硬化性樹脂成形材料を硬化してなる人工大
    理石。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001114998A (ja) * 1999-10-18 2001-04-24 Takeda Chem Ind Ltd 不飽和ポリエステル樹脂及び成形材料用組成物

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