JPH0781337A

JPH0781337A - タイヤ歪み警報装置

Info

Publication number: JPH0781337A
Application number: JP23380993A
Authority: JP
Inventors: Shiro Nakamura; 司朗中村; Yasuhiro Kobayashi; 靖洋小林; Satoru Sudo; 悟須藤
Original assignee: Calsonic Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 1993-09-20
Filing date: 1993-09-20
Publication date: 1995-03-28

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、車両のタイヤに、空気量不足や車
両重量に応じて生じる潰れや変形などの機械的な歪みを
検知するタイヤ歪み検知装置に関し、車両重量の変動に
関わらず、タイヤ歪みを検知できるタイヤ歪み検知装置
を提供することを目的とする。【構成】車両のタイヤにおいて、リム部のタイヤ空気
室側１５および、前記リム部に対向するトレッド部のタ
イヤ空気室側１６に、それぞれ配置された電極１１−
１，１１−２と、前記電極間に形成され、かつタイヤ内
面間の距離に応じて変動する、静電容量成分を検出する
検出手段１２と、前記検出手段１２の出力を設定値と比
較して、前記タイヤの歪みの有無を出力する比較手段１
３と、前記比較手段１３の出力に対応して、音声、また
は可視情報で運転者に警報を発する警報手段１４と、を
備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両のタイヤに、空気
量不足や車両重量の増加に応じて生じる潰れや変形など
が原因で、発生するタイヤ歪みを検知するタイヤ歪み警
報装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】タイヤ歪みが起こると、ころがり抵抗の
増加、高速耐久性の低下、車両の操縦性が低下する。高
速道路の普及した現在では、タイヤ歪みは大事故につな
がる危険が大きいため、タイヤ歪み検査の技術が発展し
てきた。

【０００３】従来、タイヤ歪みの検査手段としては、タ
イヤ内の空気圧を測定して、その空気圧から空気量不足
を判断し、タイヤ歪みの程度を知る検査が行われてい
る。例えば、始業点検時に手でタイヤの硬さを調べ、空
気圧を経験によって推測する検査手段があった。また空
気圧測定器（タイヤゲージ）をタイヤバルブに装着して
空気圧を測定する検査手段があった。

【０００４】また、図４に示すように、実開平３−１０
０５０２号公報記載のタイヤ減圧警報装置も、従来提案
されていた。以下、図４に基づいて説明する。この従来
装置は、走行中においても、タイヤ空気圧が設定値以下
となったときに、運転者に対して警報を与えることを目
的とする。

【０００５】この従来装置の構成は、次のようになる。
タイヤバルブに取り付けて、気密に連結する気圧室４１
を形成する。その気圧室と大気を仕切り、気圧に応動す
るダイヤフラム４２を設ける。そのダイヤフラム４２の
大気側にバネ４３を配置し、タイヤ空気圧に抗する向き
にバネ圧力をかける。そのダイヤフラムには電気接点４
４を取り付け、タイヤ空気圧が適正値以上ならばダイヤ
フラムがバネを押して移動して、その電気接点を開放
し、タイヤ空気圧が適正値未満ならばダイヤフラムがバ
ネに押されて逆に移動し、その電気接点を接触させるよ
うに、スイッチ４５を形成する。そのスイッチは電波送
信回路４６に電源４７を供給して、警報信号を送信する
ように、回路構成されている。以上を一体のハウジング
として、感知ユニット４０とする。その感知ユニットと
は別体として、その警報信号を受信する信号受信回路４
８と、その受信信号の指令により、音声を発する音声発
生回路４９とを運転席に備え、感知ユニット４０からの
警報信号が送信されたときに、運転者に警報を与える。
尚、前記バネ４３がタイヤ空気圧の適正値と対応する弾
力に選択、設定可能にすると、好ましい。

【０００６】この従来装置の作用は、次のようになる。
感知ユニット４０のハウジングをタイヤバルブに取り付
ける。通常状態では、タイヤから気圧室４１に空気が流
入して高圧力になり、ダイヤフラム４２を大気室側に向
かって膨張させる。そして電気接点４４を付勢バネに抗
して押し、スイッチ４５は開放状態にされる。すると、
電源４７からの電流が、電波送信回路４６へ供給され
ず、電波送信回路から警報信号が発生しない。しかし、
タイヤ空気圧が減少して、付勢バネの弾力に対応した適
正値の範囲より低下すると、ダイヤフラムが後退して、
電気接点４４は付勢バネに押されて後退し、スイッチ４
５は閉状態にされる。すると、電源４７からの電流が、
電波送信回路４６に供給され、警報信号が送信される。
信号受信回路４８は、この警報信号を受信し、音声発生
回路４９へ出力を指令することにより、タイヤの異常減
圧の警報を発生する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来技
術による空気圧検出のみでは、以下の理由により、一律
にタイヤ歪みの状態は、検知できなかった。一般に、車
両重量が重いほど空気圧は上昇する。（つまり車両重量
の増加分は、車体と地面の間にあるタイヤの空気圧上昇
分で支えていることになる。）そのため空気圧の変動を
検出したとしても、車両重量の変動に起因するものか、
あるいは空気量不足によるタイヤ歪みに起因するもの
か、判別できない。例えば、空気量不足のタイヤで、且
つ車両重量が重い場合、タイヤは大きく歪み、危険な状
態となるが、車両重量の増加分だけ空気圧は上昇するの
で、空気圧減少を検知できない。

【０００８】トラック・バスの車載量や、乗用車の搭載
人数によって、一般に車両重量は大きく変動する。した
がって、従来技術の検査手段による場合、車両重量にあ
わせて空気圧適正値を変更しなければならず、また、図
４に示すタイヤ減圧警報装置では、異なる弾性のバネに
適宜交換しなければならなかった。しかし、バネの選定
が面倒であり、取り替える手間が大変であった。若し積
載重量が大きく変化するときには、感知ユニット４０を
全体的に取り替える不便があった。

【０００９】また、従来技術では機械的に動作するスイ
ッチ４５を有するので、タイヤのように常に浸水およ
び、振動の影響を受ける場合には、寿命が短くなり、日
常の保守も大変であった。

【００１０】更に、石などによる瞬間的な車両の上下動
に対し、従来技術では空気圧が閾値を上下する状態が起
こり警報発生を繰り返すため、その閾値選定が難しかっ
た。本発明は前述の欠点を改善し、車両重量の変動に関
わらず、タイヤ歪みを検知できるタイヤ歪み警報装置を
提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】図１は、本発明の原理ブ
ロック図である。請求項１記載の発明は、車両のタイヤ
において、リム部のタイヤ空気室側１５および、前記リ
ム部に対向するトレッド部のタイヤ空気室側１６に、そ
れぞれ配置された電極１１−１，１１−２と、前記電極
間に形成されかつタイヤ内面間の距離に応じて変動する
静電容量成分を検出する検出手段１２と、前記検出手段
１２の出力を設定値と比較して前記タイヤの歪みの有無
を出力する比較手段１３と、前記比較手段１３の出力に
対応して音声または可視情報で運転者に警報を発する警
報手段１４と、を備えることを特徴とする。

【００１２】請求項２記載の発明は、請求項１記載の検
出手段１２が、前記電極１１を発振周波数決定要素の一
つにしたＬＣ発振器の発振周波数変化を検出することに
より、前記静電容量変化を検出することを特徴とする。

【００１３】

【作用】請求項１記載の発明にかかわるタイヤ歪み警報
装置では、タイヤ空気圧の変化に基づき警報を発生する
ことではなく、機械的なタイヤ歪み量を検知して、警報
を発生するものである。即ち、空気量不足などに伴うタ
イヤ歪みに応じて、前記電極間の距離は小さくなり、静
電容量は大きくなる。。この電極間の静電容量は、電極
間距離に反比例して変化する。そこで静電容量成分を直
接計測すること、または回路動作により検出すること
で、電極間の距離に応じて、変動する静電容量値を検出
する。この検出値を、タイヤ歪みの閾値と対応して設定
した値と比較し、タイヤの歪み発生の有無を検知する。
この比較結果から、歪み有りの場合に、音声または、可
視情報で運転者に警報を発する。

【００１４】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
両電極がＬＣ発振器の周波数を決定する要素の一つとな
っているから、電極間間隔が変化するとき、発振周波数
の変化が起こり、検出した周波数変化から静電容量の変
化を検出して、タイヤの歪を求めることが出来る。

【００１５】

【実施例】以下、図２に基づいて本発明の実施例につい
て詳細に説明する。図２において、２１−１，２１−２
は電極、２２はＬＣ発振回路、２３はＦＭ検波回路、２
５は電圧比較回路、２７はブザ−ドライブ回路、２８は
ブザ−、を示す。なお、図１の原理ブロック図との対
応を示すと、前記電極２１−１，２１−２は電極１１−
１，１１−２と、前記ＬＣ発振回路２２および前記ＦＭ
検波回路２３は検出手段１２と、前記電圧比較回路２５
は比較手段１３と、前記ブザ−ドライブ回路２７および
前記ブザ−２８は警報手段１４と、それぞれ対応してい
る。

【００１６】動作は以下のようになる。車両のタイヤに
おいて、リム部のタイヤ空気室側および、前記リム部に
対向するトレッド部のタイヤ空気室側に、それぞれ電極
２１−１，２１−２を取り付ける。電極２１間の静電容
量は、電極間距離に反比例する。この電極間の静電容量
を使って、ＬＣ発振回路２２を構成したとき、ＬＣ発振
回路２２の発振周波数は電極間距離の平方根に正比例す
る。そのため、ＬＣ発振回路２２の周波数変化を求める
ことで、電極間距離の変動を求めることができる。即
ち、ＬＣ発振回路２２の発振出力を、ＦＭ検波回路２３
で周波数−電圧変換すれば、その出力電圧値は電極間距
離の平方根に正比例する値となる。このようにして電極
間距離に応動する静電容量成分を、発振周波数変化の形
態で検出できる。

【００１７】したがって、タイヤ空気量不足または、車
両重量過多のため、タイヤが歪んで、タイヤ内の電極間
距離が縮むと、電極間の静電容量は増加する。すると、
ＬＣ発振回路２２の発振周波数は減少し、ＦＭ検波回路
２３の出力電圧は低下する。そこでこの電圧値と、タイ
ヤ歪みの閾値として、予め設定された電圧値を電圧比較
回路２５で比較する。この電圧比較回路２５は、タイヤ
歪みが基準以上となり、すなわち、ＦＭ検波回路２３の
出力電圧が設定電圧値以下になると、次段のブザードラ
イブ回路２７を駆動する。ブザードライブ回路２７はブ
ザー２８を鳴らして運転者にタイヤ歪みを警報する。

【００１８】この構成の装置はタイヤの例えばリム部に
配置しておけば、タイヤ歪みが発生したとき、装置はタ
イヤからブザ−音を鳴らして、運転者に警報する。次
に、図３に基づいて、本発明の別の実施例について詳細
に説明する。図３において、３６は超音波送信回路、３
７は超音波受信回路、３８は点滅表示回路を示す。但
し、超音波送信回路３６に入力する電圧比較回路出力
は、図２と同一構成の装置により得られる。

【００１９】なお、図１の原理ブロック図との対応を示
すと、前記電圧比較回路および超音波送信回路３６は比
較手段１３と、超音波受信回路３７および点滅表示回路
３８は警報手段１４と、それぞれ対応している。

【００２０】動作は以下のようになる。前段の電圧比較
回路では、タイヤ歪みが基準以上となると出力が発生
し、超音波送信回路３６を駆動し、タイヤ周辺に超音波
を出力する。

【００２１】この超音波の受信可能な位置に、超音波受
信回路３７を配置する。超音波受信回路３７がタイヤ歪
み有りを示す超音波を受信すると、次段の点滅表示回路
３８を駆動する。例えば運転席に配置した点滅表示回路
３８は「タイヤ異常」の文字を点滅して、可視情報で、
運転者に警報する。

【００２２】このように、超音波による通信手段を用い
ることにより、タイヤと離れて警報手段を運転席に配置
することが容易になる。なお、ＦＭ検波回路２３内の時
定数を、数秒程度に長くして、悪路走行時などの一瞬の
周波数変動では、検波電圧の変動が発生させないように
すれば、石等による一瞬の車両変動のため、誤ってタイ
ヤ歪みを検知することを防止できる効果がある。又、検
出手段の検出値を平均した値を観測し、平均値の変化を
検知することで、誤警報を防止しても良い。

【００２３】また、実施例で述べた電極２１は金属に限
定されるものではなく、塗装可能な導電材にしても良い
ことは勿論である。さらに、実施例では超音波による通
信を用いたが、それに限定されるものではなく、電波に
よる通信または、光による通信を用いても良いことは勿
論である。そのとき送信回路側では、送信信号を変調信
号とすれば、タイヤ歪みの程度、タイヤの識別コ−ドな
ど、多量のデ−タを送信することができる。

【００２４】なお、本装置の電源として、圧電セラミッ
クを利用した発電機を用いても良い。これは圧電セラミ
ックの先端におもりをつけた構造で、車両の振動によっ
ておもりが振動することで圧電セラミックに振動を与
え、電力を発生する。この電力をコンデンサ等に蓄え
て、本装置の電源として供給する。この発電機を用いる
ことで、装置全体の小型化が可能となり、さらに電池交
換等の手間・費用が掛からない。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、タイヤ空
気圧と車両重量による結果としての、タイヤの歪みを直
接検知することを特徴としている。したがって、車両重
量に関わらず、タイヤ歪みを確実に、かつ容易に検知で
きる。

【００２６】また本発明は構成上、機械的接点によるス
イッチ部を設けていないので、自動車走行中のタイヤの
ように、浸水、振動の影響の特に大きな場合にも、耐久
性、保守性の点で優れている。

【００２７】さらに、走行中の、石などによる瞬間的歪
み発生に対し、検出手段の電気的な応答特性を予め調節
しておくことで、不必要な警報を発生させることが起こ
らない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理ブロック図である。

【図２】本発明の一実施例を示す図である。

【図３】別の実施例を示す図である。

【図４】従来技術を示す図である。

【符号の説明】

１１,２１電極１２検出手段１３比較手段１４警報手段１５リム部の空気室側１６トレッド部の空気室側２２ＬＣ発振回路２３ＦＭ検波回路２５電圧比較回路２７ブザードライブ回路２８ブザー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車両のタイヤにおいて、リム部のタイヤ
空気室側（１５）および、前記リム部に対向するトレッ
ド部のタイヤ空気室側（１６）に、それぞれ配置された
電極（１１−１）（１１−２）と、前記電極間に形成され、かつタイヤ内面間の距離に応じ
て変動する、静電容量成分を検出する検出手段（１２）
と、前記検出手段（１２）の出力を設定値と比較して、前記
タイヤの歪みの有無を出力する比較手段（１３）と、前記比較手段（１３）の出力に対応して、音声、または
可視情報で運転者に警報を発する警報手段（１４）と、を備えることを特徴とするタイヤ歪み警報装置。
【請求項２】前記検出手段（１２）は、前記電極（１
１）を発振周波数決定要素の一つにした、ＬＣ発振器の
発振周波数変化を検出することにより、前記静電容量変
化を検出することを特徴とする請求項１記載のタイヤ歪
み警報装置。