JP4612247B2 - トレッド変形測定手段を備えたタイヤおよびタイヤトレッドの変形検出方法 - Google Patents

トレッド変形測定手段を備えたタイヤおよびタイヤトレッドの変形検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッド変形測定手段を備えたタイヤおよびタイヤトレッドの変形検出方法に関し、詳しくは、タイヤトレッドに埋設した電極に電圧を負荷して得られる電気抵抗値の変化からタイヤトレッドの変形量の検出を図り、車体の各種制御システムへの異常信号の伝達を早期に行うものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、自動車の安全性向上等の観点から、ABS(アンチ・ロックブレーキシステム)は標準装備されることが多く、また、トラクション・コントロールシステム等の各種の制御システムも適用される車種が増加している。これらの制御システムは、基本的に車体に設けたセンサー等で車体の挙動を検出し、検出された結果に基づき各種制御を行っている。
【0003】
例えば、ABSの場合では、車軸等にセンサーを設け、検出された車輪回転速度と推定の車体速度から間接的にスリップ率等を算出し、予め設定された範囲内でシステムを作動させて所要の制御を行っている。
【0004】
また、挙動検出用のセンサーを車軸等に設ける以外には、特開平7−81337号、特開平11−248725号、特願平9−11792号においてタイヤのトレッド部にセンサーを取り付けることが開示されている。
【0005】
図7は、特開平7−81337号で開示されているタイヤ歪み警報装置1であり、タイヤTのトレッド部Taに電極2を、リムRに電極3を取り付け、これら電極2、3に検出手段4A、比較手段4B、警報手段4C等を接続している。空気量不足等によりタイヤTが歪むと、電極2、3間の距離も短くなるので、電極2、3間の静電容量を随時測定して測定値が一定レベルを越えると警告するものである。
【0006】
また、図8は、特開平11−248725号に開示されているタイヤ回転センサ5であり、タイヤTのトレッド部Taの内面に間隔をあけて二個取り付けられて、タイヤ回転センサ5が取り付けられた箇所のトレッド部Taが接地すると、信号を発生してタイヤの回転を検知している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ABS等の各種制御システムは、システムの応答速度等を考慮すると、センサー等からの検出が早ければ、それに対応したより迅速な応答が可能となり、自動車の挙動を安全確実に制御することが可能となる。よって、車体の挙動を最も早く検出できる箇所は、路面と接しているタイヤであるので、タイヤの状況、特に、路面との接触により変化している状況を検知できれば、一段と迅速かつ安全な制御が可能となる。
【0008】
よって、現在のABS等では、車体挙動の検知を行うセンサーは、車軸等に設けられているため、間接的な検知となり、どうしても誤差等が大きくなり精度が高く且つ迅速な検知が行えず、制御の内容も実際の状況とは乖離したり、応答も素早く行えない問題がある。
【0009】
また、図7のタイヤ歪み警報装置1や図8のタイヤ回転センサ5では、タイヤのトレッド部に直接、電極あるいはセンサを取り付けているため、より直接的な検出が可能であるが、図7のタイヤ歪み警報装置1は、結局、タイヤのサイドウォール部の歪みを測定していることになり、タイヤの接地しているトレッド部の状況は検出できない問題がある。また、タイヤ歪み警報装置1では、タイヤのトレッド部とリム部にそれぞれ電極を取り付ける必要があるため、取り付けに手間がかかり、リム部も専用品となりコストも非常に上昇する問題がある。
【0010】
また、タイヤ回転センサ5は、車軸で検知するより高精度で車輪の回転状況を検知できるが、検知できるのは回転状況のみなので、トレッド部が実際にどのような過重がかかって変化しているまで検出できず、きめ細かい制御を行うには、検出データが不足する問題がある。
【0011】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたものであり、トレッド部に付加される応力によるトレッド部の変化から、タイヤのトレッド部が路面と接触している状況を検出して、きめの細かい各種制御に貢献することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、タイヤトレッド内部にトレッド幅方向に間隔をあけて少なくとも一組の陽極電極と負極電極とを埋設し、該陽極電極と負極電極との間でタイヤトレッドゴムに負荷される電圧による電気抵抗を測定して、該測定された電気抵抗からタイヤトレッドの変形量を判断する構成としているトレッド変形測定手段を備えたタイヤを提供している。
【0013】
上記タイヤに埋設する陽極電極と負極電極は、車体に搭載する電圧負荷手段および抵抗測定手段と無線で接続している。
このようにタイヤトレッド部に陽極電極及び負極電極を埋設すると、タイヤトレッドゴムのゴム組成物は導電性を有するカーボンブラックを含有しているため、タイヤトレッドゴム自体の電気抵抗を測定することができる。
トレッドゴムに圧縮や剪断等の各種応力が付加された場合、電気抵抗値も急激に変化することを本出願人は知見しており、また、タイヤのトレッドゴムは、一定走行時では周期的に変形しているが、スリップ等の異常時にはトレッドゴムが急激に変化していることが知られている。
【0014】
よって、タイヤトレッド部に埋設された陽極電極及び負極電極に電圧を負荷して電気抵抗値を測定して監察しておれば、急激な変化が生じた時は、トレッド部の接地状況が異常であると判断できる。この判断をABS等の制御システムへフィードバックすることで、従来より早い検知に基づく迅速な制御が可能となり、車体挙動の安定をより高レベルで行うことができる。
なお、電気抵抗値を考える際は、測定された電気抵抗値が体積固有抵抗か表面抵抗であるかを明確にすることが必要であるが、本発明においては、路面と接するタイヤトレッドという性格上、所要の間隔をあけて電極を埋設し、電圧負荷状態の電気抵抗値を測定することと規定する。
【0015】
上記少なくとも一組の陽極側電極及び負極側電極をトレッド周方向に間隔をあけて複数埋設していることが好ましい。このように周方向にもペアとなる電極を設けると、タイヤが一回転する間に、複数回の測定が可能となり一段ときめの細かい制御が可能となる。例えば、周方向に二組電極を埋設すれば、一回転に二回測定が可能となり、埋設数を増加させるほど測定回数も増加できる。なお、各組の間隔が狭い場合等は、異なる組間で通電してしまうおそれもあるので、組間に絶縁板等を埋設して異なる組間の電気抵抗は測定しないようにするのが好ましい。
【0016】
上記タイヤトレッドゴムのカーボンブラックの配合量は、5phr以上50phr以下としている。上記数値範囲にすると、種々の電圧でも一定の精度で電気抵抗を測定できる。なお、電圧が100ボルト以上1000ボルト未満であれば、カーボンブラックは30phrより小さくすることが好適であり、電圧が、10ボルト以上100ボルト未満であれば、カーボンブラックは30phrより大きくすることが好適である。
【0017】
また、本発明は、上記電極埋設タイヤの陽極電極と負極電極に電圧負荷手段および抵抗測定手段を接続し、
上記電圧負荷手段で上記陽極電極と負極電極間に電圧を負荷して、これら電極間のタイヤトレッドの電気抵抗値を測定し、
上記電気抵抗値の変化からタイヤトレッドの変形量を判断しているタイヤトレッドの変形検出方法も提供している。
【0018】
このように、電圧負荷手段と抵抗測定手段を車体に設け、電極埋設タイヤの各電極に接続すると、確実に電気抵抗を測定でき、それに伴いタイヤトレッドの変形量、即ち、タイヤの接地状況を詳細に検出できる。即ち、タイヤの接地状況が異常である状態を検出することを主眼としているため、通常走行時の電気抵抗値と異常時の電気抵抗値の比較を行うだけで目的は達成でき、本発明では、一組の電極間のトータルの電気抵抗値を比較している。
なお、タイヤは回転するため、各電極への電気抵抗値の送受は無線で行うようにすることが好ましく、A/D変換データ無線送信等が適用できる。このように無線送信を用いることにより、電圧負荷手段や抵抗測定手段は車体側に搭載している。
【0019】
上記電圧負荷手段により負荷される電圧は、1ボルト以上1000ボルト以下であり、上記抵抗測定手段は一定間隔毎に電気抵抗値を測定している。負荷電圧を上記のように規定しているのは、1ボルト未満であれば、電気抵抗値が安定しないからであり、1000ボルトを越える場合は、電気抵抗値が低くなりすぎて、常時導電状態となり、タイヤトレッドの変形に対する電気抵抗値の変化の応答性が悪化するためである。また、電気抵抗値の測定は一定間隔にすることで、周期的な変化か、異常な変化であるかを確実に判別することができる。
【0020】
上記抵抗測定手段の測定間隔は、0.0002秒以上0.05秒以下であることが好ましい。異常状態が発生するレベルでのタイヤは、0.06秒から0.11秒で一回転しており、一回転以内で少なくとも一回測定するために、上限を0.05秒に設定する。また、間隔が余りにも短すぎると、データ処理が追従できなくなるため、下限を0.0002秒に設定する。なお、現時点の抵抗測定値は、およそ過去0.05秒間等の抵抗測定平均値と比較して、直前平均値よりも約10%よりも大きな抵抗値になるときを異常と診断して、制御システムにフィードバックすることが好ましく、このような比較判断機能を抵抗測定手段に備えさせるか、あるいは、別体で比較判断手段を設ける必要がある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる電極dを埋設したタイヤ11を装着した車体10を示しており、タイヤ11の電極dと、車体に搭載した電圧負荷手段である電圧負荷ユニット12および抵抗測定手段である抵抗測定ユニット13を、送信手段であるA/D変換データ無線送受機能を有する送信部14を介して非接触的に導通接続させている。
【0022】
図2(A)(B)は、電極dを埋設したタイヤ11であり、タイヤトレッド11aの一箇所11bにトレッド幅方向へ間隔をあけて一組の陽極電極15、負極電極16を埋設している。本実施形態では、陽極電極15、負極電極16は銅箔製のものを使用し、タイヤトレッド11aの溝部11cに挟まれた凸部11dに5cmの間隔をあけて埋設している。これら各陽極電極15、負極電極16は、車体10の電圧負荷ユニット12により各電極間に所要電圧がかけられ、抵抗測定ユニット13により各電極間の電気抵抗、即ちトレッドゴムの電気抵抗を測定するようにしている。
【0023】
また、タイヤ11のトレッドゴムに配合されるカーボンブラックの配合量は、本実施形態では25phrとして、タイヤトレッド11aに所要の導通性を確保している。
【0024】
一方、車体に搭載される電圧負荷ユニット12は、500ボルトの電圧を出力して、タイヤ11の陽極電極15、負極電極16に上記電圧をかけるようにしている。また、抵抗測定ユニット13は、0.005秒間隔で陽極電極15と負極電極16間の電気抵抗を測定するようにしている。また、抵抗測定ユニット13は、測定値を記録しておくメモリ部、現在の測定値と直近の測定値或いは直近の平均値とを比較して現在の測定値が記録された測定値よりも10%以上大きくなると、車体10に搭載されているABS等の制御システムへ異常信号を出力する比較判断部を内蔵している。
【0025】
上記電極埋設タイヤ11を装着した車体10におけるタイヤトレッドの変形検出は、以下のような内容になる。
車体10の走行中、タイヤ11の陽極電極15、負極電極16間には常時、電圧負荷ユニット12により500ボルトの電圧がかけられており、これら電極間の電気抵抗を0.005秒間隔で抵抗測定ユニット13により測定している。
【0026】
車体10の走行が一定走行であれば、図3(A)に示すように、タイヤトレッド11aの変形も周期的な緩やかな変形となり、それに伴い抵抗測定ユニット13で測定される現在の抵抗値と過去の抵抗値の差も10%の範囲内に収まっているので、抵抗測定ユニット13は比較判断部より異常信号を出力していない。
【0027】
一方、車体10が走行中にスリップすると、タイヤ11には、通常の走行ではかからない大きさの圧縮あるいは剪断等の各種応力が種々の方向から付加され、図3(B)に示すように、タイヤトレッド11aが大きく変形する。このように変形すると、陽極電極15、負極電極16間に存在するトレッドゴムの電気抵抗は急激に増大し、抵抗測定ユニット13での現在の抵抗値と過去の抵抗値の差が10%以上となり、抵抗測定ユニット13は比較判断部より異常信号を車体10の制御システムへ出力している。
【0028】
異常信号を受けた制御システムは、即座にABS等を適宜作動させて車体の挙動を安定する方向に制御している。このように本発明では、車体に挙動変化が生じる場合、車体の中で最も早く変化が生じる箇所である路面との接触箇所のタイヤトレッドの変化状況を始終を検出しているので、従来に比べて車体の挙動変化を早い時期に検出でき、それに伴い、検出を受けて応答する各種制御ユニットも従来より早い時期に作動制御でき、その結果、車体の挙動をより早く、より安全に制御している。
【0029】
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、トレッドゴムの配合量は負荷される電圧に応じて5phr以上100phr以下の範囲で適宜設定してもよい。また、電圧負荷ユニット12が電極にかける電圧も1ボルト以上1000ボルト以下であれば適宜設定可能であり、抵抗測定ユニット13の測定間隔も、車体の走行速度レンジを考慮して、0.0002秒以上0.05秒以下の範囲で適宜設定してもよい。
【0030】
更に精度よくタイヤトレッドの変化を測定する場合は、タイヤに埋設する一組の陽極電極と負極電極の組数を増加してもよく、例えば、タイヤの対向箇所に二組の電極を埋設したり、或いは、タイヤを周方向に3等分した箇所に三組の電極を埋設するようにしてもよい。このように複数組の電極を埋設した場合は、抵抗測定ユニットの測定間隔を短縮して、各組毎を連続して測定して、現在と過去の測定値を比較してもよく、また、抵抗測定ユニットを各組毎分用意して、各組毎に独立して、上述した測定を行うようにしてもよい。
【0031】
次に、本出願人が電気抵抗を確実に測定できるようにタイヤのカーボンブラック配合量と負荷電圧の関係を調べるために行った実験内容を以下に説明する。
上記実験は、図4に示すように、タイヤのトレッド部分20のみを形成し、形成したトレッド部分20の一部20aを切り取り、銅箔製の陽極電極21および負極電極22を5cmの間隔をあけて埋設し、その上から切り取った箇所を埋める大きさのトレッドブロック25を接着剤で貼り付けた。このようにして、陽極電極21および負極電極22に接着剤が付着しないようにし、正確な電気抵抗が測定できるようにした。
【0032】
陽極電極21および負極電極22には、負荷電圧を調整できる電気抵抗測定器23(アドバンテスト社製)を接続し、図中の黒矢印方向に1kgf/cm2の応力を重錘により付加して、電気抵抗の変化状況、即ち、明確なピークが生じて、確実に電気抵抗値を特定できるかを判断した。上記ピーク時間は、応力を付加してから、電気抵抗値がピークに達するまでの時間を電気抵抗測定器23に接続したデジタルオシロスコープ24により測定した。なお、デジタルオシロスコープ24の測定間隔(周波数)は、0.005秒間隔(200Hz)に設定した。
【0033】
実験用のトレッド部分20は、カーボンブラックが50重量部と25重量部のものを二種類製作した。具体的なゴム成分は、SBR(スチレンブタジエンゴム)1502を100重量部、カーボンブラックのN220を50重量部あるいは25重量部、老防を1.5重量部、ステアリン酸を2.0重量部、酸化亜鉛を2.5重量部をニーダー60%充填で混合し、その後、硫黄を1.3重量部、促進剤CZを1.8重量部を加えてオープンロールで混合して得た材料をトレッド形状に形成して、15分間、170℃で加硫し、カーボンブラックが50重量部のトレッド部分20Aと、カーボンブラックが25重量部のトレッド部分20Bを完成させた。
【0034】
トレッド部分20Aを用いて、陽極電極21および負極電極22に負荷電圧を0.5ボルトにした場合を比較例1、以下、1ボルトにした場合を実施例1、10ボルトにした場合を実施例2として、これらの実験結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004612247
【0036】
実施例1では、電気抵抗がピークに至る時間は0.01秒であり、また、実施例2では、電気抵抗がピークに至る時間も0.01秒であり、図5にも示すように、実施例2では、明確にピークを特定することができた。一方、比較例1では、ベースが乱れピークを特定して検出することができなかった。
【0037】
上記実験結果より、カーボンブラックが50重量部を越えれば、電圧は少なくとも1ボルト以上負荷しなければ、明確にピークを特定できず、それに伴い電気抵抗値も測定できないことが判明した。上記実験より本出願人は鋭意各種実験を続け、カーボンブラックが30重量部を越えると負荷する電圧を10ボルト以上100ボルト未満の範囲に設定することが好適であるが、他の配合剤の影響により上記数値および電圧範囲が変動することが確認出来た。
【0038】
また、トレッド部20Bを用いて、陽極電極21および負極電極22に負荷電圧を1500ボルトにした場合を比較例2、以下、500ボルトにした場合を実施例3、1000ボルトにした場合を実施例4として、これらの実験結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0004612247
【0040】
実施例3では、電気抵抗がピークに至る時間は0.005秒と非常に短く、図6に示すようにピークを明確に特定して検出できた。また、実施例4では、電気抵抗がピークに至る時間は0.01秒であった。一方、比較例2では、ピークがベースの10%以下となり明確なピークを特定して検出することができなかった。
【0041】
上記実験結果より、カーボンブラックが25重量部を越えれば、電圧は少なくとも500ボルト以上負荷すれば好適であるが、1500ボルトを越えると、明確にピークを特定できず、それに伴い電気抵抗値も測定できないことが判明した。 上記実験より本出願人は鋭意各種実験を続け、カーボンブラックが30重量部未満であると、負荷する電圧を100ボルト以上1000ボルト未満にすることが好適であるが、他の配合剤の影響により上記数値および電圧範囲が変動することを確認した。
【0042】
【発明の効果】
上記した説明より明らかなように、本発明のトレッド変形測定手段を備えたタイヤおよびタイヤトレッドの変形検出方法を用いると、異常時に車体において最も速く挙動の変化が生じるタイヤトレッドの変化を検出できるため、車体に搭載される各種制御システムへ早い時期に異常信号を送ることができ、それに伴い、制御システムも早い時期に応答して、車体の挙動を制御でき、より安全な車体の走行を確保することができる。
【0043】
また、上記電極を埋設したタイヤのカーボンブラックの配合量、電極にかける電圧、電気抵抗の測定時間は、一定の範囲で適宜設定可能であるため、電極埋設タイヤを装着する自動車の種類等に応じて適切なものを選択でき、その結果、車体の挙動を確実に早期に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電極埋設タイヤを装着した車体の概略図である。
【図2】 実施形態に係る電極埋設タイヤの要部であり、(A)は断面図、(B)は側面図である。
【図3】 (A)は一定走行状態の電極埋設タイヤの要部断面図、(B)は異常時の電極埋設タイヤの要部断面図である。
【図4】 カーボンブラックと負荷電圧の実験に係る全体概略図である。
【図5】 実施例2の電気抵抗の状況を示すグラフである。
【図6】 実施例3の電気抵抗の状況を示すグラフである。
【図7】 従来のタイヤトレッドにセンサーを付けた警報装置の概略図である。
【図8】 従来のタイヤトレッドに取り付けたタイヤ回転センサーの概略図である。
【符号の説明】
10 車体
11 タイヤ
11a タイヤトレッド
12 電圧負荷ユニット
13 抵抗測定ユニット
15 陽極電極
16 負極電極

Claims (6)

  1. タイヤトレッド内部にトレッド幅方向に間隔をあけて少なくとも一組の陽極電極と負極電極とを埋設し、該陽極電極と負極電極との間でタイヤトレッドゴムに負荷される電圧による電気抵抗を測定して、該測定された電気抵抗からタイヤトレッドの変形量を判断する構成としているトレッド変形測定手段を備えたタイヤ。
  2. 上記少なくとも一組の陽極側電極及び負極側電極をトレッド周方向に間隔をあけて複数埋設している請求項1に記載のトレッド変形測定手段を備えたタイヤ。
  3. 上記タイヤトレッドゴムのカーボンブラックの配合量は、5phr以上100phr以下にしている請求項1又は請求項2に記載のトレッド変形測定手段を備えたタイヤ。
  4. 上記請求項1乃至請求項3のいずれか1項のタイヤに埋設する陽極電極と負極電極に電圧負荷手段および抵抗測定手段を接続し、
    上記電圧負荷手段で上記陽極電極と負極電極間に電圧を負荷して、これら電極間のタイヤトレッドの電気抵抗値を測定し、
    上記電気抵抗値の変化から走行時におけるタイヤトレッドの変形量を判断しているタイヤトレッドの変形検出方法。
  5. 上記電圧負荷手段により負荷される電圧は、1ボルト以上1000ボルト以下であり、上記抵抗測定手段は一定間隔毎に電気抵抗値を測定している請求項4に記載のタイヤトレッドの変形検出方法。
  6. 上記抵抗測定手段の測定間隔は、0.0002秒以上0.05秒以下である請求項5に記載のタイヤトレッドの変形検出方法。
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