JPH0780802A - 木質材及びその用途 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】反りやねじれなどの変形が少なく、また機械的
強度の優れた、特にフラッシュパネル用芯材に好適な木
質板を提供することを目的とする。 【構成】表裏面に縞状の凹凸部を交互に有する単板を、
前記凹凸部が互いに嵌合するように積層して得られる積
層板を、繊維方向に適宜幅で切断するか、又は切断後、
更に嵌合、積層してなる木質材。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ドア、クローゼット等
に多用されているフラッシュパネル用芯材に好適な機械
的強度に優れ、反りの少ない木質材に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から、建築用あるいは住設家具等の
用途に単板積層材（ＬＶＬ）、合板、パーティクルボー
ド、ＭＤＦ等の木質材が多量に使用されている。ところ
がＬＶＬや合板は機械的強度は優れているものの使用環
境下における吸水・吸湿や乾燥によって膨張・収縮が起
こり反りやねじれ等の変形が起こるという問題があっ
た。一方、パーティクルボードやＭＤＦは反りやねじれ
は起こり難いが機械的強度、比重等に難点があった。

【０００３】特に、これらの木質材をフラッシュパネル
の芯材として使用した場合、ＬＶＬや合板では芯材の変
形がフラッシュパネル自体の反りや、ねじれ等の変形の
原因となり、パーティクルボードやＭＤＦでは、フラッ
シュパネルの表裏面に使用した木質板の変形を防止する
だけの剛性がないため、結局フラッシュパネルが変形し
てしまうという問題があった。

【０００４】このようなフラッシュパネルの変形を抑え
る方法として、必要な厚さの幅でＬＶＬを切断して、そ
の切断面で表裏面に使用する木質板と貼り合わせる方法
が採用されている。この場合、板目面よりも反りが発生
しにくい柾目面（切断面が柾目面となる。）で貼り合わ
せているのでフラッシュパネルの変形はある程度防止で
きるが、板目面の変形はそのまま存在するので上述した
問題の根本的な解決にはなり得ないものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のＬＶ
Ｌの柾目使いによる反り防止方法よりも、更に、反りや
ねじれなどの変形が少なく、また機械的強度の優れた、
特にフラッシュパネル用芯材に好適な木質板を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、表裏面
に木質繊維に対して垂直方向に縞状の凹凸部を交互に有
する単板を、前記凹凸部が互いに嵌合するように積層し
て得られる積層板を、繊維方向に適宜幅で切断してなる
木質材が提供され、更に、前記木質材の凹凸部を更に嵌
合、積層してなる木質材が提供され、更にまた、前記木
質材をフラッシュパネル用芯材として使用する用途が提
供される。

【０００７】すなわち、本発明の木質材に用いる表裏面
に木質繊維に対して垂直方向に縞状の凹凸部を交互に有
する単板は、木質繊維が貫通している部分が単板の断面
中央部付近のみであり、その他の部分は木質繊維が切断
されて短くなっており、平単板に比べて木質繊維の膨張
収縮に起因する反りが少ないこと、及び凹凸部を嵌合す
るように積層すれば接着部の接着強度も上昇し、機械的
強度の高い木質材が得られることを見いだし本発明に到
達した。

【０００８】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説
明する。まず、本発明に使用する表裏面に縞状の凹凸部
２２を有する単板２（図１にその斜視図を示す。）につ
いては樹種、製造方法等について特に制限はないが、木
質繊維の方向と凹部及び凸部の形成方向を垂直にするこ
とが必要である。このような単板２は、例えば、アガチ
ス、アピトン、カポール、エゾマツ、トドマツ、杉、檜
等の原木を凹凸状の切削刃を有するロータリレースで切
削する方法で容易に製造できる。また、表裏面に形成さ
れる凹凸部２２の、形状、ピッチについては特に制限が
ないが、単板２を接着積層する際に接着面の不陸、不整
合が生じないよう各単板２２の凹凸部２２の形状を同一
にする必要がある。

【０００９】以下に、本発明の木質材１の製造方法につ
いて説明する。まず、上述した単板２の適宜枚数を、水
性タイプの接着剤、エマルジョンタイプの接着剤、溶剤
タイプの接着剤、ホットメルトタイプの接着剤等の各種
公知の接着剤を用いて該単板２の凹凸部２２が互いに嵌
合するように接着積層して図２に示すように表裏面が使
用した単板２の凹凸部２２と同じ形状を有する積層板３
となす。次いで、積層板３の繊維方向に適宜幅で切断す
るか、あるいは切断した後、凹凸部２２を更に嵌合、積
層して図３（Ａ）で示すような本発明の木質材１を得
る。なお、本発明の木質材１としては、図３（Ｂ）のよ
うに両側に存在する凹凸部２２を更にカットしたものも
もちろん含まれる。

【００１０】

【作用及び効果】本発明により提供される木質板１は貫
通した木質繊維の部分が少ないので、従来の木質板に比
べて吸水・吸湿や乾燥に起因する反りやねじれ等の変形
が少なく、しかも凹凸部２２が嵌合するように積層して
いるので極めて高い機械的強度を有している。また、積
層板３を切断した後、更に凹凸部２２を嵌合積層するこ
とによりかなりの広幅の木質材１でも容易に製造するこ
とができるという利点も有している。したがって、フラ
ッシュパネル用芯材等の分野に好適に使用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明で使用する表裏面に縞状の凹凸部２２を
有する単板２の一例を示す斜視図である。

【図２】単板２を接着積層して得られる積層板３の一例
を示す斜視図である。

【図３】（Ａ）は両側の凹凸部２２をカットしていない
本発明の木質材１の一例を示す斜視図であり、（Ｂ）は
両側の凹凸部２２を更にカットした本発明の木質材１の
他の一例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 木質材 ２ 単板 ２２ 凹凸部 ３ 積層板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表裏面に木質繊維に対して垂直方向に縞状
   の凹凸部を交互に有する単板を、前記凹凸部が互いに嵌
   合するように積層して得られる積層板を、繊維方向に適
   宜幅で切断してなる木質材。
2. 【請求項２】請求項１記載の木質材の凹凸部を更に嵌
   合、積層してなる木質材。
3. 【請求項３】請求項１又は２記載の木質材をフラッシュ
   パネル用芯材として使用する用途。