JPH0780763A - 研削方法及び装置 - Google Patents

研削方法及び装置

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JPH0780763A
JPH0780763A JP22876093A JP22876093A JPH0780763A JP H0780763 A JPH0780763 A JP H0780763A JP 22876093 A JP22876093 A JP 22876093A JP 22876093 A JP22876093 A JP 22876093A JP H0780763 A JPH0780763 A JP H0780763A
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grinding
work
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cutting
diameter grinding
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Norihito Sako
則人 迫
Tetsuya Takagaki
哲也 高垣
Keiji Kawaguchi
桂司 川口
Kanji Handa
貫士 半田
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Toyo Advanced Technologies Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シュー等の支持部材を用いてワークを支持し
ながら、このワークの内外周面を同時にかつ良好に研削
してサイクルタイムの短縮を図る。 【構成】 ワークWの外周面にシュー34,36を当て
てワークWを回転可能に支持しながら、ワークWの外周
面、内周面にそれぞれ外径研削用砥石54、内径研削用
砥石60を圧接させて同時研削を行う。ここで、ワーク
Wに対する両砥石54,60の切込み送りを行う際、ワ
ークW外周面の研削に起因するワーク回転中心移動量Δ
x,Δyに基づいて切込み送り量ΔXO,ΔXIを補正
演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シューやローラ等の支
持部材によりワークを回転可能に支持しながらその研削
を行う方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークの外径研削(円筒研削)や
内径研削(内面研削)を行う手段として、上記ワークを
チャックに装着し、このチャックによりワークを回転さ
せながら同ワークに砥石を接触させるといった通常の研
削のほか、上記チャックに代え、上記ワーク周面の複数
個所をシューやローラといった支持部材に当てた状態で
支持しながらワークを研削する、いわゆる芯なし研削が
知られている(例えば実公平2−36698号公報参
照)。このような研削を実行することにより、チャック
にワークを着脱させる場合に比べ、ワークのセット作業
を大幅に簡略化でき、サイクルタイムを短縮することが
できる利点が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、同一のワークの
外周面、内周面の双方を研削する場合、まずワーク外周
面(もしくは内周面)を外径研削専用(もしくは内径研
削専用)の装置で研削した後、このワークの内周面(も
しくは外周面)を内径研削専用(もしくは外径研削専
用)の装置で研削するといった方法が行われている。こ
のような方法では、一つのワークを加工するのに、外径
研削装置、内径研削装置に対して計2回のセット作業を
要することになり、その分加工能率が低下する。
【0004】本発明は、このような事情に鑑み、同一の
ワークの外周面、内周面の双方を研削する場合に、その
サイクルタイムを大幅に短縮することができる方法及び
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のように同一ワーク
の外周面、内周面の双方を研削する場合、両周面に外径
研削用砥石、内径研削用砥石をそれぞれ同時に圧接させ
ながら加工を行えば、外周面の研削、内周面の研削を個
別に行う場合に比べ、サイクルタイムを大幅に短縮でき
る。しかし、上記のようにシューやローラ等の支持部材
でワークを支持しながら研削を行う場合には、ワーク外
周面の研削が進むにつれて(すなわちワーク外径が小さ
くなるにつれて)、支持部材に対してワーク外周面が漸
次摺動しながらワーク回転中心が移動するため、ワーク
をチャック等で支持する場合と異なり、ワーク内周面を
実際に研削、除去する量だけ内径研削用砥石の切込み送
りを行っても、正確な研削を行うことができない不都合
が生じる。
【0006】本発明は、このような点に着目してなされ
たものであり、円筒状のワークの周面複数個所を支持部
材に当てることによりワークを回転可能に支持しながら
研削を行う研削方法において、外径研削用砥石を回転さ
せながらこの外径研削用砥石を上記ワークの外周面に圧
接させるように切込み送りを行うと同時に、内径研削用
砥石を回転させながらこの内径研削用砥石を上記ワーク
の内周面に圧接させるように切込み送りを行い、かつ、
上記外径研削用砥石による研削に起因するワーク回転中
心の移動量に基づき両研削用砥石の切込み送り量を補正
演算してこの演算した切込み送り量に基づき上記外径研
削用砥石及び内径研削用砥石の切込み送りを制御するも
のである。
【0007】また本発明は、上記ワークの周面と当たる
状態でこのワークを回転可能に支持する複数の支持部材
を備えた研削装置において、外径研削用砥石を回転させ
る外径研削用回転駆動手段と、この外径研削用砥石をワ
ークに圧接させるように切込み送りを行う外径研削用切
込み手段と、内径研削用砥石を回転させる内径研削用回
転駆動手段と、この内径研削用砥石をワークに圧接させ
る方向に切込み送りを行う内径研削用切込み手段と、上
記外径研削用砥石による研削に起因するワーク回転中心
の移動量に基づいて両研削用砥石の切込み送り量を補正
演算する切込み送り量演算手段と、この切込み送り量演
算手段で演算された切込み送り量に基づき、上記外径研
削用砥石及び内径研削用砥石をワークの外周面及び内周
面にそれぞれ同時に圧接させるように上記外径研削用切
込み手段と内径研削用切込み手段の作動を制御する切込
み制御手段とを備えたものである。
【0008】
【作用】上記方法及び装置によれば、ワークの外周面、
内周面に対し、外径研削用砥石、内径研削用砥石の切込
み送りが同時に行われ、両周面の研削が同時に並行して
行われる。ここで、上記ワークは、その周面の複数個所
が支持部材に当てられた状態で支持されているだけなの
で、このワーク外周面の研削が進んでワーク外径が小さ
くなるにつれ、ワーク回転中心は漸次移動するが、この
方法及び装置では、このようなワーク回転中心の移動量
に基づいて両研削用砥石の切込み送り量を補正演算し、
この演算した切込み送り量に基づき上記外径研削用砥石
及び内径研削用砥石の切込み送りを制御しているので、
ワーク外周面、内周面とも、所望の研削量を実際に得る
ことができる。
【0009】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図4に基づいて説
明する。
【0010】図2に示す研削装置は、ワーク支持部1
0、外径研削駆動部12、及び内径研削駆動部14を備
えている。
【0011】ワーク支持部10は、図3にも示すよう
に、ヘッド16に設置される基台18を備え、この基台
18に切込み送り方向(図2,3では左右方向)に延び
る送りねじ20が回転可能に支持されている。この送り
ねじ20は、ジョイント22を介してワーク送りモータ
(内径研削用送り手段)24に連結されている。上記基
台18には、図略の案内装置を介してテーブル28が上
記切込み送り方向(以下、単に「切込み方向」と称す
る。)にスライド可能に支持され、このテーブル28の
下面に固定されたナット部材26が、上記送りねじ20
に螺合されている。
【0012】上記テーブル28上には、ワーク支持部材
30が立設されている。このワーク支持部材30の前面
には、マグネット38が固定されるとともに、シュー支
持部材32が突設され、このシュー支持部材32の適当
な2個所にシュー(支持部材)34,36が固定されて
いる。そして、ワークWの側面がマグネット38に吸着
されながらこのワークWの外周面2個所に上記シュー3
4,36がそれぞれ当接することにより、ワークWがマ
グネット38に対して摺動しながら回転可能となるよう
に支持されるとともに、上記ワーク送りモータ24が作
動して送りねじ20が回転駆動されることにより、テー
ブル28及びワーク支持部材30と一体にワークWが上
記切込み方向に移送されるようになっている。
【0013】外径研削駆動部12は、テーブル40を備
え、このテーブル40は上記べッド16に対して位置決
め送り方向(図2では上下方向)にスライド可能に設置
されており、位置決めモータ42及び図略の送りねじ機
構により上記位置決め送り方向にスライド駆動されるよ
うになっている。上記テーブル40には、上記切込み方
向にスライド可能にテーブル44が設置され、このテー
ブル44は、外径切込みモータ(外径研削用送り手段)
46及び図略の送りねじ機構により、上記テーブル40
に対して上記切込み方向にスライド駆動されるようにな
っている。
【0014】このテーブル44上には、外径研削モータ
(外径研削用回転駆動手段)48及びホイールヘッド5
0が設置されている。このホイールヘッド50の主軸に
は、外径研削用砥石54が装着されるとともに、上記外
径研削モータ48の出力軸がベルト52を介して連結さ
れており、外径研削モータ48の作動により、上記外径
研削用砥石54が回転駆動されるようになっている。
【0015】内径研削駆動部14は、テーブル56を備
え、このテーブル56は上記べッド16に対して上記位
置決め送り方向にスライド可能に設置されており、位置
決めモータ57及び図略の送りねじ機構により上記位置
決め送り方向にスライド駆動されるようになっている。
【0016】上記テーブル56上には、内径研削モータ
を内蔵したホイールヘッド(内径研削用回転駆動手段)
58が設置され、このホイールヘッド58の主軸に内径
研削用砥石60が装着されており、ホイールヘッド58
の作動によって上記内径研削用砥石60が回転駆動され
るようになっている。
【0017】この研削装置は、NC制御装置70を備え
ている。このNC制御装置70は、上記各モータに制御
信号を出力することにより、その作動を制御するもので
あり、切込み送りを制御する手段として、図4に示すよ
うな内径切込み量演算手段71、ワーク送りモータ制御
手段72、外径切込み量演算手段73、外径切込みモー
タ制御手段74、外径研削量記憶手段75、及びワーク
回転中心移動量演算手段76を備えている。
【0018】内径切込み量演算手段71は、研削制御中
における各時刻での目標内径研削量を基本量、後述のワ
ーク回転中心移動量演算手段76で演算されるX方向
(切込み方向)及びY方向(上下方向)の双方について
のワーク回転中心移動量Δx,Δyを補正量として、内
径研削用砥石60の切込み送り量(以下、切込み量と称
する。)ΔIXを演算するものである。
【0019】ワーク送りモータ制御手段72は、内径研
削用砥石60について上記内径切込み量演算手段71で
演算された切込み量が得られるように、ワーク送りモー
タ24の作動を制御するものである。
【0020】外径切込み量演算手段73は、研削制御中
における各時刻での目標外径研削量を基本量、後述のワ
ーク回転中心移動量演算手段76で演算されるX方向の
ワーク回転中心移動量Δxを補正量として、外径研削用
砥石54の切込み量ΔOXを演算するものである。
【0021】外径切込みモータ制御手段74は、ワーク
送りモータ24による切込み送り量も考慮しながら、外
径研削用砥石54について上記外径切込み量演算手段7
3で演算された切込み量が得られるように、外径切込み
モータ46の作動を制御するものである。
【0022】外径研削量記憶手段75は、上記外径切込
みモータ制御手段74による制御下での外径切込みモー
タ46による実際の外径切込み量を一時的に記憶するも
のである。
【0023】ワーク回転中心移動量演算手段76は、上
記外径研削量記憶手段75で記憶された外径研削量に基
づき、この研削に伴うX,Y方向へのワーク回転中心の
移動量Δx,Δyを演算し、上記各切込み量演算手段7
1,73に出力するものである。
【0024】すなわち、上記内径切込み量演算手段7
1、外径切込み量演算手段73、及びワーク回転中心移
動量演算手段76により、本発明における切込み送り量
演算手段が構成され、ワーク送りモータ制御手段72及
び外径切込みモータ制御手段74により、本発明におけ
る切込み制御手段が構成されている。
【0025】次に、この装置の作用を説明する。
【0026】まず、ワークWの側面がマグネット38に
吸着された状態で、このワークWの外周面2個所にシュ
ー34,36が当たるようにワークWがセットされる。
この状態で、位置決めモータ42,57の作動により、
外径研削用砥石54がワークWの外周面に接触可能な位
置に位置決めされるとともに、内径研削用砥石60がワ
ークWの中心穴内に挿入され、外径研削モータ48及び
ホイールヘッド58の作動により、各砥石54,60が
回転駆動される。そして、ワーク送りモータ24及び外
径切込みモータ46の作動により、上記外径研削用砥石
54がワークW外周面に圧接する方向に切込み送りされ
ると同時に、内径研削用砥石60がワークW内周面に圧
接する方向に切込み送りされ、これにより、ワークW自
身の回転を伴いながらその内外周面が同時に並行して研
削されることとなる。
【0027】ここで、研削当初は、上記内径切込み量演
算手段71及び外径切込み量演算手段73は、目標外径
研削量及び目標内径研削量をそれぞれ内径切込み量ΔI
X、外径切込み量ΔOXとして出力するが、外径研削が
進んで外径が次第に小さくなるのに伴い、図1に示すよ
うに、シュー34,36と接触しているだけのワークW
の中心は、同図点Aから、シュー34,36の支持面の
延長面34a,36aにより形成される角の2等分線8
0に沿って移動することとなるため、このワーク回転中
心移動量のX方向成分Δx及びY方向成分Δyをワーク
回転中心移動量演算手段76が演算し、このワーク回転
中心移動量に基づいて各切込み量ΔIX,ΔOXの補正
が逐次行われる。
【0028】次に、上記各切込み量演算手段71,73
及びワーク回転中心移動量演算手段76による演算内容
を図1を参照しながら説明する。
【0029】なお、図1において円弧54aは研削当初
における外径研削用砥石54の外周面位置、円弧54b
は所定量の研削が進んだ段階における外径研削用砥石5
4の外周面位置、円60aは研削当初における内径研削
用砥石60の外周面位置、円60bは上記量の研削が進
んだ段階における内径研削用砥石60の外周面位置、円
WOaは研削当初におけるワークWの外周面位置、円W
Obは上記量の研削が進んだ段階におけるワークWの外
周面位置、円WIaは研削当初におけるワークWの内周
面位置、円WObは上記量の研削が進んだ段階における
ワークWの内周面位置、直線81は研削当初のワーク回
転中心点Aを通るシュー34の支持面の法線、直線82
は上記点Aを通るシュー36の支持面の法線、直線84
は上記点Aを通る水平線、直線86は研削当初の内径研
削用砥石60の中心点E及び上記量の研削が進んだ段階
での内径研削用砥石60の中心点Fを通る水平線、直線
88は上記点Aを通る鉛直線、点Oは直線86,88の
交点(基準点)、点Bは上記量の研削が進んだ段階での
ワーク回転中心点、点Cは上記点Bから直線81に降ろ
した垂線と直線81との交点、角度αは直線81,84
のなす角度、角度βは直線82,84のなす角度であ
る。
【0030】また、以下に示す数式において、OD,I
Dは研削当初のワーク外径及び内径、Od,Idは上記
量の研削が進んだ段階でのワーク外径及び内径、WDは
内径研削用砥石60の外径をそれぞれ示すものとする。
【0031】このような条件下において、まず、上記量
の研削が進んだ段階で設定されるべき切込み量を演算す
るための式の導出を説明する。
【0032】図1の三角形ABCに着目すると、次式が
得られる。
【0033】
【数1】
【0034】ここで、線分ABの長さをLとすると、こ
のLは次式で与えられる。
【0035】
【数2】
【0036】一方、研削当初から現段階までのワーク回
転中心のX方向の移動量Δxの長さは、次式で与えられ
る。
【0037】
【数3】
【0038】この(数3)に前記(数2)を代入すると
次式が得られる。
【0039】
【数4】
【0040】この(数4)に基づいて、ワーク回転中心
移動量演算手段76により、X方向のワーク回転中心移
動量Δxが演算されることになる。
【0041】このワーク回転中心移動量Δxだけ、研削
中にワークWが切込み方向に逃げることになるから、こ
のワーク回転中心移動量Δxと、実際の外径研削量(O
D−Od)/2との和を目標切込み量ΔOXとして演算
すればよい。そこで、内径切込み量演算手段71は、次
式に基づいて内径切込み量ΔIxの演算を逐次行う。
【0042】
【数5】
【0043】次に、上記量の研削が進んだ段階での目標
内径切込み量ΔIXを演算するための式の導出を説明す
る。なお、実際は前記図2,3に示したように内径研削
用砥石60が静止した状態でワークWが切込み方向に移
動することにより、内径切込みが行われるが、図1及び
以下の説明では、ワークWが静止した状態で内径研削用
砥石60が上記切込み方向に移動するものと仮定して式
を展開する。
【0044】図1に示されるように、上記目標内径切込
み量ΔIXは線分EFの長さ、すなわち線分OFの長さ
と線分OEの長さとの差に等しい。従って、両線分O
E,OFの長さが求められれば、内径切込み量ΔIXが
導出できる。
【0045】まず、線分OEの長さ(以下の数式では単
に「OE」と記す。)は、次式により与えられる。
【0046】
【数6】
【0047】ここで、線分AEの長さ(以下の数式では
単に「AE」と記す。)は次式で与えられる。
【0048】
【数7】AE=(Id−WD)/2 従って、Y方向のワーク回転中心移動量Δyが与えられ
れば、線分OEを算出できる。この移動量Δyは、線分
ABの長さLと、線分80,88のなす角度θ2とを用
いると次式で与えられる。
【0049】
【数8】Δy=Lcosθ2 ここで、上記角度θ2は次式で与えられる。
【0050】
【数9】θ2=θ1+β−(π/2) =(π/2)−(α/2)−(β/2)+β−(π/2) =(β−α)/2 よって、Y方向のワーク回転中心移動量Δyは次式で与
えられる。
【0051】
【数10】
【0052】これに前記(数2)を代入すると、次式が
得られる。
【0053】
【数11】
【0054】この式に基づき、ワーク回転中心移動量演
算手段76により上記移動量Δyが演算される。そし
て、この移動量Δyと、前記(数6),(数7)とに基
づき、次式により線分OEの長さが与えられる。
【0055】
【数12】
【0056】一方、線分OFの長さ(以下の数式では単
に「OF」と記す。)は、次式により与えられる。
【0057】
【数13】OF=(ID−WD)/2+Δx この(数13)、上記(数11)、及びΔIX=OF−
OEにより、次式が与えられる。
【0058】
【数14】
【0059】上述のように、以上の演算は、ワークWが
切込み方向に動かずに内径研削用砥石60が移動すると
いう仮定の下で行っているが、実際は内径研削用砥石6
0が動かずにワークWが切込み送りされるので、(数1
4)で与えられる値の正負を逆にしたものを実際の切込
み送り量ΔIXとして採用すればよい。すなわち、内径
切込み量演算手段71は、次式に基づいて内径切込み量
を演算する。
【0060】
【数15】
【0061】以上の各式に基づき、ワーク回転中心移動
量Δx,Δyを加味しながら、目標研削量を正確に得る
ための適切な切込み量ΔOX,ΔIXが算出され、これ
らの切込み量ΔOX,ΔIXに基づいて切込み送りが制
御されることにより、シュー34,36を用いた芯なし
研削でありながら、外径、内径とも適切な量だけ研削さ
れることとなる。そして、これら内外径の研削が同時に
並行して行われることにより、外径研削、内径研削を個
別に行っていた従来技術と比べて加工能率を大幅に高
め、サイクル時間をより一層短縮することが可能とな
る。
【0062】例えば、図5(a)に示すように外径切込
み速度が研削段階に応じて変化する場合でも、これに対
応して変化する、同図(b)に示すようなワーク回転中
心移動量を演算し、このワーク回転中心移動量に基づ
き、同図(c)に示すように、内径研削のみ行う場合の
内径切込み量(実線90)を切込み方向に応じて負方向
(破線91)もしくは正方向(破線92)に補正するこ
とにより、良好な研削を行うことができる。
【0063】なお、上記実施例では、支持部材としてシ
ュー34,36を用いた装置を示したが、本発明はこれ
に限らず、図6に示すように、支持部材として回転可能
なローラ34′,36′を用いる場合にも、上記と同様
にワークWの中心移動量を演算することにより、内外径
の同時研削を実現することができる。
【0064】また、上記実施例では、内径研削用砥石6
0を動かさずにワークW及び外径研削用砥石54を切込
み方向に送るものを示したが、外径研削用砥石54を動
かさず、内径研削用砥石60のテーブル56に内径切込
みモータ24を設けてワークWと内径研削用砥石60の
双方を切込み方向に送る場合にも適用が可能である。さ
らに、ワークWを動かさず、外径研削用砥石54と内径
研削用砥石60の双方を切込み送りするようにしてもよ
い。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明は、比較的ワークの
セット作業が容易な支持部材を用いてワークを支持しな
がら、その外周面、内周面にそれぞれ外周研削用砥石、
内周研削用砥石を当てて同時研削するようにしたもので
あるので、従来に比べ、加工能率を大幅に高め、サイク
ルタイムをより一層短縮することができる。しかも、外
径切込み送り量及び内径切込み送り量を演算するにあた
り、これらの量を外径研削の進行に伴うワーク回転中心
移動量に基づいて補正しているので、上記支持部材によ
る支持でワーク回転中心が自由に移動する状態にありな
がらも、正確かつ良好な研削を維持することができる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるワークと各砥石との
位置関係を示す説明図である。
【図2】上記実施例における研削装置の全体平面図であ
る。
【図3】上記研削装置におけるワーク支持部の正面図で
ある。
【図4】上記研削装置に装備されるNC制御装置の機能
構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は外径切込み量の時間変化の一例を示す
グラフ、(b)は上記外径切込み量の時間変化に対応す
るワーク回転中心移動量を示すグラフ、(c)は上記ワ
ーク回転中心移動量に対応して補正される内径切込み量
を示すグラフである。
【図6】ワークをローラにより支持した例を示す正面図
である。
【符号の説明】 10 ワーク支持部 12 外径研削駆動部 14 内径研削駆動部 24 ワーク送りモータ(内径研削用切込み手段) 34,36 シュー(支持部材) 34′,36′ ローラ(支持部材) 46 外径切込みモータ(外径研削用切込み手段) 48 外径研削モータ(外径研削用回転駆動手段) 54 外径研削用砥石 58 ホイールヘッド(内径研削用回転駆動手段) 60 内径研削用砥石 70 NC制御装置 71 内径切込み量演算手段(切込み送り量演算手段を
構成) 72 ワーク送りモータ制御手段(切込み制御手段を構
成) 73 外径切込み量演算手段(切込み送り量演算手段を
構成) 74 外径切込みモータ制御手段(切込み制御手段を構
成) 75 外径研削量記憶手段 76 ワーク回転中心移動量演算手段(切込み送り量演
算手段を構成) W ワーク Δx X方向へのワーク回転中心移動量 Δy Y方向へのワーク回転中心移動量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 貫士 広島市南区宇品東5丁目3番38号 トーヨ ーエイテック株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状のワークの周面複数個所を支持部
    材に当てることによりワークを回転可能に支持しながら
    研削を行う研削方法において、外径研削用砥石を回転さ
    せながらこの外径研削用砥石を上記ワークの外周面に圧
    接させるように切込み送りを行うと同時に、内径研削用
    砥石を回転させながらこの内径研削用砥石を上記ワーク
    の内周面に圧接させるように切込み送りを行い、かつ、
    上記外径研削用砥石による研削に起因するワーク回転中
    心の移動量に基づき両研削用砥石の切込み送り量を補正
    演算してこの演算した切込み送り量に基づき上記外径研
    削用砥石及び内径研削用砥石の切込み送りを制御するこ
    とを特徴とする研削方法。
  2. 【請求項2】 円筒状のワークの周面と当たる状態でこ
    のワークを回転可能に支持する複数の支持部材を備えた
    研削装置において、外径研削用砥石を回転させる外径研
    削用回転駆動手段と、この外径研削用砥石をワークに圧
    接させるように切込み送りを行う外径研削用切込み手段
    と、内径研削用砥石を回転させる内径研削用回転駆動手
    段と、この内径研削用砥石をワークに圧接させる方向に
    切込み送りを行う内径研削用切込み手段と、上記外径研
    削用砥石による研削に起因するワーク回転中心の移動量
    に基づいて両研削用砥石の切込み送り量を補正演算する
    切込み送り量演算手段と、この切込み送り量演算手段で
    演算された切込み送り量に基づき、上記外径研削用砥石
    及び内径研削用砥石をワークの外周面と内周面にそれぞ
    れ同時に圧接させるように上記外径研削用切込み手段及
    び内径研削用切込み手段の作動を制御する切込み制御手
    段とを備えたことを特徴とする研削装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015074051A (ja) * 2013-10-09 2015-04-20 株式会社ジェイテクト 心なしシュー研削のシミュレーション装置、および、心なしシュー研削のシミュレーション方法
JP2015136741A (ja) * 2014-01-21 2015-07-30 株式会社ジェイテクト 心なしシュー研削のシミュレーション装置、および、心なしシュー研削のシミュレーション方法
JP2015147272A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 株式会社ジェイテクト 心なしシュー研削のシミュレーション装置、および、心なしシュー研削のシミュレーション方法
JP2016093850A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 トーヨーエイテック株式会社 プロファイル研削盤

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