JPH0780191B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法

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JPH0780191B2
JPH0780191B2 JP1024060A JP2406089A JPH0780191B2 JP H0780191 B2 JPH0780191 B2 JP H0780191B2 JP 1024060 A JP1024060 A JP 1024060A JP 2406089 A JP2406089 A JP 2406089A JP H0780191 B2 JPH0780191 B2 JP H0780191B2
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JP
Japan
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thermoplastic resin
cleaning
resin
composition
molding machine
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博之 藤井
健二郎 小濱
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  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱可塑性樹脂の成形機に使用する洗浄用樹脂組
成物とその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
プラスチックの成形加工においては、品種切り替えの際
には先行品種の影響を排除するために幾つかの処置が取
られている。
特に着色品の加工では、青色、黒色などの濃色系のグレ
ードから白色などの淡色系のグレードに切り替えの際
に、成型機の分解掃除や洗浄用樹脂による成形機内の洗
浄などの煩雑な作業とこれに伴う生産停止を余儀なくさ
れるのが実情である。例えば押出造粒成形における切り
替えの場合、押出機を停止し、スクリューを抜き出した
のち、スクリュー及びシリンダー内部をブラッシング等
の方法で清浄にして、再びスクリューを組み込む等の作
業が必要である。
スクリューを抜かずに樹脂を使用して先行品種を置換す
る処置では、洗浄に多量の樹脂を要し、また押出機内部
の複雑な構造部の汚れが除去できないために後続する樹
脂に着色が生じるなどの問題がある。
これらの問題を解消する方法として、洗浄用コンパウン
ドで押出機内部の残留物を除去しやすくして、少量の置
換用樹脂の使用で品種切り替えをする方法がある。
発明者らは、先に特開昭62-195045号公報によって、熱
可塑性樹脂、アルキルベンゼンスルホン酸中性塩及びは
っ水性化合物からなる熱可塑性樹脂組成物が洗浄能力が
優れていることを開示している。
〔発明が解決しようとする課題〕
ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリブチレンテレフタレート、ふっ素樹脂、ナイロ
ン等の高温度で加工するエンジニアリングプラスチック
の品種切り替えでは、更に、洗浄能力の優れたコンパウ
ンドの開発が必要である。
一方、ポリエチレン、ポリスチレン等の汎用プラスチッ
クの品種切り替えでも、更に容易な品種切り替え方法の
出現が期待されている。
本発明の目的は、少量の置換用樹脂を使用することによ
り、高温度で加工するエンジンニアリングプラスチック
の成形機内に残存する先行品種の除去を簡単な操作で達
成できるような熱可塑性樹脂組成物を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、成形機の洗浄方法を種々検討した結果、
熱可塑性樹脂、アルキルベンゼンスルホン酸中性塩に加
えて有機発泡剤を混合して造粒した組成物が高温度で優
れた洗浄能力を有することを見い出し本発明を完成し
た。
すなわち本発明は熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスル
ホン酸中性塩及び有機発泡剤を配合してなるプラスチッ
ク成形機洗浄用の熱可塑性樹脂組成物である。
配合割合としては、熱可塑性樹脂45〜95重量%、アルキ
ルベンゼンスルホン酸中性塩2〜40重量%及び有機発泡
剤0.2〜10重量%を配合してなるプラスチック成形機洗
浄用の熱可塑性樹脂組成物である。
本発明の組成物に使用する有機発泡剤としてはアゾジカ
ルボン酸ジエチル、ヒドラゾジカルボン酸ジエチル、ヒ
ドラゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボンア
ミド及びジニトロペンタメチレンテトラミン等分解温度
が200℃以上の有機発泡剤が好ましく、これらよりなる
群より選んだ少なくとも1種が使用できる。
分解温度が200℃未満では、造粒時に分解発泡してしま
い、洗浄能力が小さくなり好ましくない。有機発泡剤の
使用量は0.2〜10重量%が好ましい。0.2重量%未満では
発泡が不十分なため、洗浄能力が小さく、10重量%を超
える使用量では有機発泡剤の分解残渣の量が大きくな
り、後続の樹脂に混入し、物性に悪影響を残すおそれが
あり、好ましくない。
本発明の組成物に使用する熱可塑性樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン等のポリオレフィン類、エチレン−酢酸ビニルコ
ポリマー、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ
メチルメタアクリレート、MS樹脂、MBS樹脂、AS樹脂、A
AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂などを単独または2種類以上
混合して使用できる。
本発明の組成物に使用するアルキルベンゼンスルホン酸
中性塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩をあげることができる。
アルキルベンゼンスルホン酸中性塩の使用量は2〜40重
量%が好ましい。
2重量%未満では高温度における洗浄能力が小さく、40
重量%を超える使用量では滑性が強すきて洗浄効果が小
さくなり好ましくない。
本発明の組成物には、炭酸カルシウム、タルク、シリ
カ、アルミナ、ガラス繊維等の無機充填剤を加えること
ができる。また架橋剤としてジクミルパーオキサイド等
のパーオキサイド類を混合できる。更にはっ水性化合物
としてステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の
金属石鹸類、カルナバーワックス、ポリエチレンワック
ス等のワックス類、シリコーンなどを混合できる。
その他、ジオクチルフタレート、エポキシ化大豆油など
の可塑剤、ビスフェノールA、ジブチル錫マレート等の
熱安定剤、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、
アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム等の界面活性
剤なども加えることができる。
本発明の組成物の調製は次の方法で行うことができる。
予め混合した組成物を押出機のホッパーに充填し、加熱
した押出機より溶融した組成物を吐出させ、ストランド
をカットしてペレット状組成物を得る。
混合はヘンシェルタイプの高速ミキサー、リボンブレン
ダー、タンブラー等の通常の混合機を樹脂の種類や形状
に応じて使用できる。使用する樹脂の形状は粉状、ビー
ズ状、フレーク状、ペレット状等をあげることができ
る。
押出機のシリンダー温度及びダイス温度は200℃以下が
好ましい。
200℃を超えると有機発泡剤の分解が促進され、使用時
に洗浄能力が低下するので好ましくない。押出機は単軸
スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダー
等を使用できるが、有機発泡剤の分解を制御するため低
温度で混練するのに適した二軸スクリュー押出機の使用
が最も好ましい。
造粒のためのカット方法は水中カット、霧中カットある
いは空中カットのいずれでも良い。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明は、この実施例に限定されるものではな
い。
実施例及び比較例において、熱可塑性樹脂組成物の洗浄
効果は次の方法による洗浄テストにおいて、消費した置
換用樹脂の量及び洗浄に要した時間によって評価する。
洗浄テスト−1 35トン射出成型機を使用してカーボンブラック1重量%
を含有する先行樹脂300gを供給する。次に洗浄用として
本発明の熱可塑性樹脂組成物100gを供給し、更に置換用
樹脂を供給し、射出成型を繰り返し、吐出した樹脂が消
色するまで続ける。消費した置換用樹脂の量及び熱可塑
性樹脂組成物を供給し始めてから消色するまでの時間を
計測する。
洗浄テスト−2 シリンダーのL/Dが30で、シリンダー径が35mmの単軸ス
クリュー押出機を使用して、フタロシアニンブルー2重
量%を含有するポリプロピレンペレットを供給し汚染さ
せる。次に洗浄用として熱可塑性樹脂組成物とポリプロ
ピレンペレットとの混合物250gを供給し、スクリューを
回転させる。押出機のダイスより、前記の混合物が吐出
し始めた時点でスクリューを停止する。3分後、ナチュ
ラルのポリプロピレンペレットを置換用樹脂として供給
して、再びスクリューを回転させる。吐出するストラン
ドが消色するまで続ける。消費した置換用樹脂の量及び
混合物を供給し始めてから消色するまでの時間を計測す
る。
(実施例1) ポリエチレン〔メルトインデックス(JISK6760:190℃,
2.16kg f)1.5g/minのホモポリマー〕4.55kg、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25kg、アゾジカルボン
酸ジエチル0.05kg、ポリエチレンワックス0.15kgを内容
積20lの高速ミキサーにて回転数500rpmで3分間撹拌し
て混合した。
この混合物をL/Dが30で、シリンダー径が30mmの二軸ス
クリュー押出機に供給し、シリンダー温度150℃、ダイ
ス温度160℃の条件でストランドを押し出し、水槽中で
冷却し、ペレタイザーでカットして微黄色で粒状の熱可
塑性樹脂組成物を得た。この組成物を用いて、カーボン
ブラック1重量%を含有する6ナイロン樹脂で汚染させ
た射出成型機の洗浄テストを行った。
射出成型機のシリンダー温度260℃で、また置換用樹脂
としてポリエチレン(メルトインデックス2.5g/min.)
を使用した。
ポリエチレンの消費量は320g、洗浄に要した時間は21分
であった。
(実施例2) ポリプロピレン〔メルトフローレート(JISK6758:230
℃、2.16kg f〕5g/minのホモポリマー〕3.85kg、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸カリウム0.35kg、ヒドラゾジカル
ボン酸ジエチル0.15kg、炭酸カルシウム0.50kg、ポリエ
チレンワックス0.10kg、ステアリン酸亜鉛0.05kg、を実
施例1と同様に混合した。シリダー温度180℃、ダイス
温度190℃以外は実施例1と同様にして組成物を得た。
この組成物を用いて、カーボンブラック1重量%を含有
するポリフェニレンオキサイドで汚染させた射出成型機
の洗浄テストを行った。射出成型機のシリンダー温度30
0℃で、また置換用樹脂としてABS樹脂を使用した。ABS
樹脂の消費量は240g、洗浄に要した時間は17分であっ
た。
(実施例3) ポリスチレン(旭化成(株)製 スタイロン600)3.05k
g、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム1.75kg、ヒ
ドラゾジカルボン酸ジイソプロピル0.10kg、ポリエチレ
ンワックス0.05kg、ステアリン酸カルシウム0.05kg、を
実施例1と同様に混合した。シリンダー温度190℃、ダ
イス温度200℃以外は実施例1と同様にして組成物を得
た。この組成物を用いて、カーボンブック重量1%を含
有するポリフェニレンオキサイドで汚染させた射出成型
機の洗浄テストを行った。射出成型機のシリンダー温度
300℃で、また置換用脂肪としてポリスチレンを使用し
た。ポリスチレンの消費量は220g、洗浄に要した時間は
16分であった。
(実施例4) ABS樹脂(旭化成(株)製 スタイラック200)4.40kg、
ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム0.18kg、アゾ
ジカルボンアミド0.07kg、炭酸カルシウム0.25kg、ステ
アリン酸亜鉛0.05kg、ステアリン酸カルシウム0.05kg、
を実施例1と同様に混合した。シリンダー温度170℃、
ダイス温度170℃以外は実施例1と同様にして組成物を
得た。この組成物を用いて、カーボンブック1重量%を
含有するポリカーボネートで汚染させた射出成型機の洗
浄テストを行った。射出成型機のシリンダー温度260℃
で、また置換用樹脂としてポリスチレンを使用した。ポ
リスチレンの消費量は380g、洗浄に要した時間は24分で
あった。
(比較例1) ポリプロピレン〔メルトフローレート(JISK6758:230
℃,2.16kg f)5.g/minのホモポリマー〕4.00kg、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸カリウム0.35kg、炭酸カルシウム
0.50kg、ポリエチレンワックス0.10kg、ステアリン酸亜
鉛0.05kg、を実施例2と同様の条件で混合及び造粒して
組成物を得た。この組成物を用いて実施例2と同様の条
件で洗浄テストを行った。ABS樹脂の消費量は920g、洗
浄に要した時間は51分であった。
(比較例2) ポリプロピレン〔メルトフローレート(JISK6758:230
℃,2.16kg f)5g/minのホモポリマー〕4.20kg、ヒドラ
ゾジカルボン酸ジエチル0.15kg、炭酸カルシウム0.50k
g、ポリエチレンワックス0.10kg、ステアリン酸亜鉛0.0
5kg、を実施例2と同様の条件で混合及び造粒して組成
物を得た。この組成物を用いて実施例2と同様の条件で
洗浄テストを行った。ABS樹脂の消費量は1280g、洗浄に
要した時間は69分であった。
(実施例5) 実施例2で得た組成物25gとポリプロピレン(メルトフ
ローレート5g/min)200gをビーカー中で混合したものを
使用して押出機の洗浄テストを行った。(洗浄テスト−
2) フタロシアニンブルー2重量%を含有するポリプロピレ
ンで汚染した押出機に、前記混合物を供給し、温度220
℃の条件でスクリュウを回転させた。ダイスより前記混
合物が吐出し始めた時点でスクリューを停止した。3分
後、ナチュラルのポリプロピレンを置換用樹脂として供
給して、再びスクリューを回転させた。吐出するストラ
ンドが消色するまで続けた。消費した置換用ポリプロピ
レンは420g、洗浄に要した時間は8分であった。
(実施例6) 実施例2で得た組成物100gとポリプロピレン(メルトフ
ローレート5g/min)150gをビーカー中で混合したものを
実施例5と同様の条件で洗浄テストを行った。消費した
置換用ポリプロピレンは270g、洗浄に要した時間は7分
であった。
(比較例3) 比較例1で得た組成物100gとポリプロピレン(メルトフ
ローレート5g/min)150gをビーカー中で混合したものを
実施例5と同様の条件で洗浄テストを行った。消費した
置換用ポリプロピレンは3200g、洗浄に要した時間は24
分であった。
実施例1〜4、比較例1〜2のテスト条件と結果を表1
に、また実施例5〜6、比較例3のテスト条件と結果を
表2にそれぞれまとめた。
〔発明の効果〕 本発明の熱可塑性樹脂組成物を洗浄用として使用するこ
とにより、高温度で成形するエンジニアリングプラスチ
ックの品種切り替えにおいて、極めて効果的な方法を実
現できた。
即ち、本発明の熱可塑性樹脂組成物を少量用いることに
より、従来の洗浄用組成物の使用に比べて、著しく後続
の置換用樹脂の量を減少させ、また洗浄時間を短縮出来
た。表1のポリフェニレンオキサイドからABS樹脂への
品種切り替えを例に取ると、置換用樹脂の量を1/3以下
に減少させ、洗浄時間も1/3以下に短縮出来た。
また、ポリプロピレン等汎用樹脂の品種切り替えにおい
て、本発明の熱可塑性樹脂組成物を置換用樹脂に混合希
釈して容易に洗浄する方法を実現できた。表2において
本発明の熱可塑性樹脂組成物をポリプロピレンに混合希
釈して洗浄する場合、従来の洗浄用組成物を10〜40%ポ
リプロピレンに混合希釈する場合に比べて、後続の置換
用樹脂の量を1/5以下に減少させ、洗浄時間も1/3以下に
短縮出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 KBU

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスルホン
    酸中性塩及び有機発泡剤を配合してなるプラスチック成
    形機洗浄用の熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂45〜95重量%に、アルキルベ
    ンゼンスルホン酸中性塩2〜40重量%及び有機発泡剤0.
    2〜10重量%を配合してなるプラスチック成形機洗浄用
    の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】有機発泡剤がアゾジカルボン酸ジエチル、
    ヒドラゾジカルボン酸ジエチル、ヒドラゾジカルボン酸
    ジイソプロピル、アゾジカルボンアミド及びジニトロソ
    ペンタメチレンテトラミンからなる群より選んだ少なく
    とも1種である請求項1又は2記載のプラスチック成形
    機洗浄用の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】二軸押出機を使用して、押出機のシリンダ
    ー温度を200℃以下で組成物を押出してペレット状にす
    ることを特徴とする請求項2記載のプラスチック成形機
    洗浄用の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
JP1024060A 1989-02-03 1989-02-03 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0780191B2 (ja)

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