JP4073469B2 - プラスチック成形機洗浄用樹脂組成物 - Google Patents
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また、作業性を改善する目的で、熱可塑性樹脂にアルキルベンゼンスルフォン酸塩を混合して押出混練機で溶融混練し、洗浄用樹脂組成物とする技術が提案されている。しかしながら、この提案の洗浄用樹脂組成物では、洗浄効果が不十分なケースがある。(特許文献1)
そして、ゲル分率が5〜25%のポリエチレン樹脂単独若しくは界面活性剤を併用した洗浄剤も提案されているが、この提案のものも洗浄効果が不十分な場合がある。(特許文献3)
その一方で、架橋ポエチレン樹脂は電線被覆材、床暖房用パイプ、発泡材等に広く使用されている。しかし、その廃材は加熱しても溶融しないため、再利用が進んでいない。
アルカリ金属炭酸塩の添加による洗浄効果の増大は、シリンダー及びノズル部の洗浄作業中に、樹脂に付着した微量の水分で洗浄剤の系をアルカリ性にして洗浄効果を高めるものと推測される。
本発明の洗浄剤は、熱可塑性樹脂(A)、架橋ポリエチレン樹脂廃材の粉砕物(B)、無機充填剤(C)、界面活性剤(D)、アルカリ金属炭酸塩(E)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(F)を各々所定の比率で計量し、Vミキサー、タンブラー、リボンブレンダー等を用いて予備混合した後、一軸若しくは二軸混練押出機、ニーダー、バンバリミキサー等にて加熱溶融混練し、その後、カットしてペレット状に若しくは粉砕して不定形状品にすることにより得ることができる。ただし、本発明の洗浄用樹脂組成物の混練・製造方法は前記の方法に限定されるものではない。
(参考例1)
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を63.6重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を18.2重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、75トン射出成形機を用い、成形のシリンダー温度は230℃〜250℃で、まずポリプロピレン樹脂の黒色品を成形し、成形終了後シリンダーを引きスクリューを回転させて、前材料を完全に開放で排出させた。その後、ここで製造した洗浄剤500gを成形機に流し、開放でスクリューを回転させ、洗浄作業を洗浄剤が無くなるまで行った。続いて、ポリスチレン樹脂を成形機に投入して100×100×3mmの平板を成形し、全体が透明板になるまでの成形ショットの全板のスプルーとランナー部を含めた成形品の重量の総量を比較した。この成形のシリンダー温度は、230℃〜250℃であった。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は230gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を63.6重量部、有機ベントナイト(C)を18.2重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を参考例1と同様に2軸押し出し機でペレット化して洗浄剤を作製した。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、参考例1と同じ方法で評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は292gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を63.6重量部、セスキ炭酸ナトリウム(E)を18.2重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、参考例1と同じ方法で評価した。本実施例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は287.2gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を70重量部、有機ベントナイト(C)を20重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を10重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、参考例1と同じ方法で評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は274gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を70重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を10重量部、セスキ炭酸ナトリウム(E)を20重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、比較例1と同じ方法で評価した。本実施例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は279gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を70重量部、有機ベントナイト(C)を10重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を10重量部、セスキ炭酸ナトリウム(E)を10重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、比較例1と同じ方法で評価した。本実施例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は267gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=20)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を40重量部、有機ベントナイト(C)を30重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を10重量部、セスキ炭酸ナトリウム(E)を20重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200℃〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、比較例1と同じ方法で評価した。本実施例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は184gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
参考例1と同じポリエチレン樹脂100重量部に、アクリル系洗浄剤(タイホー工業製タイクリーン)を100重量部混合して、洗浄剤とした。そして、その混合物を参考例1と同様の射出成形機を用いて同様の方法で評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は319gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
参考例1と同じポリエチレン樹脂100重量部に、参考例1に使った架橋ポリエチレン樹脂の粉砕物を100重量部混合し、同様に溶融押し出ししてペレット化した。そして、そのペレットを洗浄剤として、参考例1と同様の方法で評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は461gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
参考例1と同じポリエチレン樹脂100重量部に、同様の架橋ポリエチレン樹脂の粉砕物を100重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ソーダを3重量部混合し、溶融押し出ししてペレットを製造した。そして、そのペレットを洗浄剤として参考例1と同様に評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は379gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
参考例1で製造された洗浄剤を評価するにあたり、前材料がガラス繊維強化PPS樹脂の黒色品で、次成形材料が同材料のナチュラル品の場合における洗浄効果を評価した。この場合の射出成形機のシリンダー温度は、320℃〜340℃であり、方法は、参考例1と同様の方法によった。ただしナチュラル品の成形品色に変ったショット数の総重量で表示し、本参考例の場合、全ショットの総重量は265gであった。
実施例3で製造された洗浄剤を評価するにあたり、前材料がガラス繊維強化PPS樹脂の黒色品で、次成形材料が同材料のナチュラル品の場合における洗浄効果を評価した。この場合の射出成形機のシリンダー温度は、320℃〜340℃であり、方法は、参考例1と同様の方法によった。ただしナチュラル品の成形品色に変ったショット数の総重量で表示し、本実施例の場合、全ショットの総重量は177gであった。
高密度ポリエチレン樹脂(MI=4.5)(A)100重量部に、電線被覆廃材の架橋ポリエチレンをプラスチック粉砕機で0.2〜2.5mmに粉砕した粉砕物(B)を45.5重量部、炭酸カルシウム(C)を23.6重量部、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム(D)を9.1重量部、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(F)を3.6重量部それぞれ秤量し、Vミキサーで混合した。そして、その混合物を2軸押し出し機によりシリンダー温度200〜240℃、スクリュー回転数175RPMで押し出してペレットとし、洗浄剤とした。次いで、その洗浄剤の効果を評価するため、参考例1と同じ方法で評価した。本参考例の場合、透明板になるまでの全ショットの総重量は210gで、その後は、全く透明なポリスチレン樹脂の平板を成形することができた。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し、主成分としての架橋ポリエチレン樹脂廃材の粉砕物(B)20〜150重量部と、アルカリ金属炭酸塩(E)1〜35重量部と、を含んで成るプラスチック成形機洗浄用樹脂組成物。
- さらに、界面活性剤(D)5〜25重量部を含んで成る請求項1に記載のプラスチック成形機洗浄用樹脂組成物。
- さらに、無機充填剤(C)5〜50重量部を含んで成る請求項2に記載のプラスチック成形機洗浄用樹脂組成物。
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