JPH0779815B2 - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JPH0779815B2
JPH0779815B2 JP1085386A JP8538689A JPH0779815B2 JP H0779815 B2 JPH0779815 B2 JP H0779815B2 JP 1085386 A JP1085386 A JP 1085386A JP 8538689 A JP8538689 A JP 8538689A JP H0779815 B2 JPH0779815 B2 JP H0779815B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、多重エコーを低減した超音波プローブに関す
る。
(従来の技術) 超音波プローブは、圧電素子により超音波を発生し、そ
の反射波により対象物内部の状態を検査するものであ
り、人体内部の診断,金属溶接内部の探傷等の各種の用
途に用いられているが、以下、人体を対象として説明す
る。
従来の超音波プローブの断面構造を第4図(a)に示
す。
超音波プローブ10は、圧電素子1の被検体6側には音響
整合層3を配置し、前記圧電素子1の背面側にはこの圧
電素子1の裏面側から放射される超音波を吸収するバッ
キング材4を配置し、前記音響整合層3の被検体6側に
は音波を収束する音響レンズ5を配置した構造を有して
いる。
第4図(b)に示すように圧電素子1から被検体6側を
見た場合、圧電素子1の音響インピーダンスZp,音響レ
ンズ5の音響インピーダンスZf,音響整合層3の音響イ
ンピーダンスがZmfとの関係は、音響整合層3の厚さを
L,発生超音波の波長をλとすると次の式(1)で与えら
れる。
ここでL=λ/4に設定しているので、式(1)は、 (Zmf)2=Zp・Zf …(2) の関係となる。
次に、被検体6側らかプローブ10を見た場合の音響イン
ピーダンスZ10は、 Z10=(Zmf)2/Zb=(Zp/Zb)・Zf …(3) となる。通常圧電素子1の音響インピーダンスZpは25乃
至35×106kg/m2s,バッキング材の音響インピーダンスZb
は4乃至8×106kg/m2sであるため、Zp》Zbの関係とな
り、このインピーダンスZ10は被検体の音響インピーダ
ンスZeと大きく異なるためプローブ表面で大きな反射が
起こる。
第5図は多重エコーの様子を模擬的に示したものであ
る。
被検体6の表面6aに当接した超音波プローブ10からの超
音波ビームには、検査対象臓器8に到達する前に何度も
反射をしてしまうビームがある。例えば、被検体6内の
筋肉層7の裏側7bと筋肉層7の表側7aとで起こる多重エ
コーE1,被検体6の超音波プローブ側反射面10aと筋肉層
7の表側7aとで起こる多重エコーE2,またこれらの組み
合わせの多重エコーE3,E4等がある。そして、第4図に
示すように、圧電素子1,音響整合層3,バッキング材4等
の部材の境界面では、この超音波プローブ側反射面10a
として超音波ビームが反射される。
そして、この超音波プローブ側反射面10aが反射体とし
て被検体6内にあたかもあるように画像表示される。こ
の虚像の原因には、上述のように超音波ビームが何度も
反射する多重エコーが主に考えられる。このように、画
像に虚像があると誤診につながるため虚像はできるだけ
除去する必要がある。
(発明が解決しようとする課題) 画像における虚像は、これら多重エコーE1乃至E4の超音
波プローブ側反射面10aでの反射を防ぐことによって低
減できる。
そこで、本発明の目的は、多重エコーを低減し虚像の発
生を低減した超音波プローブを提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、音響インピーダンスがZpの圧電素子と、前記
圧電素子の被検体側に設けられた音響インピーダンスが
Zmfの第1の音響整合層と、前記圧電素子と背面側に設
けられた音響インピーダンスがZmbの第2の音響整合層
と、前記第1の音響整合層の被検体側に設けられた音響
インピーダンスがZfの音響レンズと、前記第2の音響整
合層の背面側に設けられた音響インピーダンスがZbのバ
ッキング材とからなる積層構造を有し、音響インピーダ
ンスがZeの被検体に対して超音波を送受する超音波プロ
ーブにおいて、 前記積層構造を、各音響インピーダンスがほぼ Zf=Zb=Ze, (Zmf)2=(Zmb)2=Zp・Ze なる関係を有する対称整合構造としたことを特徴とする
ものである。
(作用) 反射波防止用音響整合層,バッキング材,音響整合層を
所定のものを選定し被検体側から見た音響インピーダン
スを被検体とほぼ等しくなるように構成すると、被検体
からの反射波は圧電素子等の部材あ通過するため多重エ
コーを低減できる。
(実施例) 第1図(a)は本発明の第1実施例の超音波プローブの
断面構成図である。
21は圧電セラミックの両面に電極層を融着して成る圧電
素子、22はエポキシ樹脂から成り前記圧電素子21の背面
側にエポキシ系接着材で接着されている反射波防止用音
響整合層,23はエポキシ樹脂等から成り前記圧電素子21
の被検体6側にエポキシ系接着材で接着されている音響
整合層、24は前記圧電素子21の背面側から放射される超
音波を吸収し、前記音響整合層22にエポキシ系接着剤で
接着されているバッキング材である。また、音響レンズ
25は、前記音響整合層23にエポキシ系接着剤で接着され
ている。
第1図(b)は、同図(a)に示す装置20の音響インピ
ーダンスを示すものである。
被検体6側からプローブ20を見た音響インピーダンスZ
20は音響整合層22,23双方の厚さを1/4波長としているの
で、 Z20=Zb・(Zmf/Zmb)2 …(4) となる。ここでZ20がZfと等しくなるようにバッキング
材24,反射波防止用音響整合層22,音響整合層23を選定し
ている。従って、式(4)はZ20=Zf=Zeとなり反射を
低減することができる。
第2図(a)は本発明に係る第2実施例の超音波プロー
ブ30の構成断面図である。
31は圧電セラミックの両面に電極層を融着して成る圧電
素子、32はエポキシ樹脂等から成り前記圧電素子31の背
面側にエポキシ系接着剤で接着されている反射波防止用
音響整合層,33はエポキシ樹脂等から成り前記圧電素子3
1の被検体6側にエポキシ系接着剤で接着されている前
記反射波防止用音響整合層32の音響インピーダンスと等
しい音響インピーダンスを有する音響整合層、34は前記
圧電素子31の背面側から放射される超音波を吸収し、被
検体6の音響インピーダンスとほぼ等しい音響インピー
ダンスを有する例えばシリコンゴム等から成り前記音響
整合層32にエポキシ系接着剤で接着されているバッキン
グ材である。また、音響レンズ35は、被検体6の音響イ
ンピーダンスとほぼ等しい音響インピーダンスを有する
例えばシリコンゴム等から成り前記音響整合層33にエポ
キシ系接着剤で接着されている。
第2図(b)に示すように、圧電素子31,音響整合層(3
2,33),バッキング材34,音響レンズ35,被検体6のそれ
ぞれの音響インピーダンスをZp,Zmb,Zmf,Zb,Zf,Zeとす
る。
一般に圧電素子31の音響インピーダンスZpは25乃至35×
106kg/m2s程度で、バッキング材34の音響インピーダン
スZb及び音響レンズ35の音響インピーダンスZfは被検体
である人体の音響インピーダンスZeに近い1.5×106kg/m
2s程度、音響整合層33の音響インピーダンスZmf及び反
射波防止用音響整合層32の音響インピーダンスZmbは、
2.5乃至14×106kg/m2s程度としている。
圧電素子31から被検体6側を見た場合、圧電素子31の音
響インピーダンスZp,音響レンズ35の音響インピーダン
スZf,音響整合層33の音響インピーダンスZmfとの関係
は、音響整合層33の厚さを発生超音波の1/4波長とする
と前述したように次の式(2)で与えられ、 (Zmf)2=Zp・Zf …(5) の関係となる。
被検体6側からプローブ30を見た音響インピーダンスZ
30は、反射波防止用音響整合層32の厚さを1/4波長とし
ているので、式(4)と同様 Z30=Zb・(Zmf/Zmb)2 …(5) となる。ここで、Zmf=Zmbとしており、しかもZb=Zf=
ZeであるのでZ30はZeと等しくなるので反射を低減でき
る。また、音響整合層32,33双方を等しい音響インピー
ダンスとすればいいので容易に製造することができる。
第3図(a)は本発明に係る第3実施例の超音波プロー
ブ40の構成断面図である。
41は圧電セラミックの両面に電極層を融着して成る圧電
素子、42はエポキシ樹脂等から成り前記圧電素子41の背
面側にエポキシ系接着剤で接着されている反射波防止用
音響整合層,43はエポキシ樹脂等から成り前記圧電素子4
1の被検体6側にエポキシ系接着剤で接着されている音
響整合層、44は前記圧電素子1の背面側から放射される
超音波を吸収し、前記音響整合層42にエポキシ系接着剤
で接着されているゴムから成るバッキング材である。ま
た、音響レンズ45は、被検体6の音響インピーダンスと
ほぼ等しい音響インピーダンスを有する例えばシリコン
ゴム等から成り前記音響整合層43にエポキシ系接着剤で
接着されている。
第3図(b)に示すように、圧電素子41,音響整合層(4
2,43),バッキング材44,音響レンズ45,被検体6のそれ
ぞれの音響インピーダンスをZp,Zmb,Zmf,Zb,Zf,Zeとす
る。
一般に圧電素子41の音響インピーダンスZpは25乃至35×
106kg/m2s程度で、バッキング材44の音響インピーダン
スZbは4乃至8×106kg/m2程度、音響レンズ45の音響イ
ンピーダンスZfは被検体である人体の音響インピーダン
スZeに近い1.5×106kg/m2s程度、音響整合層43の音響
インピーダンスZmf及び反射波防止用音響整合層42の音
響インピーダンスZmbは、2.5乃至14×106kg/m2s程度と
している。
圧電素子41から被検体6側を見た場合、圧電素子41の音
響インピーダンスZp,音響レンズ45の音響インピーダン
スZf,音響整合層43の音響インピーダンスZmfとの関係
は、音響整合層43の厚さを発生超音波の1/4波長とする
と前述したように次の式(2)で与えられ、 (Zmf)2=Zp・Zf …(2) の関係となる。
被検体6側からプローブ40を見た音響インピーダンスZ
40は、反射波防止用音響整合層42の厚さを1/4波長とし
ているので、式(4),(5)と同様 Z40=Zb・(Zmf/Zmb)2 …(6) となる。ここで、反射波防止用音響整合層42の音響イン
ピーダンスZmbを (Zmb)2=Zp・Zb …(7) の関係としている。
具体的に例示するとZb=6×106kg/m2s,Zp=30×106kg/
m2sとすると、式(7)より となり、この値は金属粉末或は金属酸化物粉末を混入さ
せたエポキシ樹脂層の音響インピーダンスの範囲(2.5
乃至14×106kg/m2s)に入るので容易に製造することが
でき、Z40はZp,Zbの値に関わらずZfすなわちZeと等しく
なるので反射を低減できる。
以上、各実施例の超音波プローブについて説明したが、
本発明はこれに限定されることなく種々に変更実施が可
能である。
例えば、第2図の超音波プローブ30では被検体を人体と
して、バッキング材及び音響レンズを人体の音響インピ
ーダンスに合わせてシリコンゴムとしたが、他の対象と
する被検体に合わせて材料を選定してもよい。
[発明の効果] 以上のように、本発明の超音波プローブは被検体側から
超音波プローブを見た音響インピーダンスを被検体の音
響インピーダンスと等しくなるように構成されているの
で、多重エコーを低減し虚像の発生を低減した超音波プ
ローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の第1実施例の超音波プローブの
断面構成図、第1図(b)は第1図(a)の音響インピ
ーダンス説明図、第2図(a)は本発明の第2実施例の
超音波プローブの断面構成図、第2図(b)は第2図
(a)の音響インピーダンス説明図、第3図(a)は本
発明の第3実施例の超音波プローブの断面構成図、第3
図(b)は第3図(a)の音響インピーダンス説明図、
第4図(a)は従来の超音波プローブの断面構成図、第
4図(b)は第4図(a)の音響インピーダンス説明
図、第5図は多重エコーの様子を模擬的に示した説明図
である。 6…被検体、20,30,40…超音波プローブ、21,31,41…圧
電素子、22,32,42…反射波防止用音響整合層、23,33,43
…音響整合層、24,34,44…バッキング材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音響インピーダンスがZpの圧電素子と、前
    記圧電素子の被検体側に設けられた音響インピーダンス
    がZmfの第1の音響整合層と、前記圧電素子の背面側に
    設けられた音響インピーダンスがZmbの第2の音響整合
    層と、前記第1の音響整合層の被検体側に設けられた音
    響インピーダンスがZfの音響レンズと、前記第2の音響
    整合層の背面側に設けられた音響インピーダンスがZbの
    バッキング材とからなる積層構造を有し、音響インピー
    ダンスZeの被検体に対して超音波を送受する超音波プロ
    ーブにおいて、 前記積層構造を、各音響インピーダンスがほぼ Zf=Zb=Ze, (Zmf)2=(Zmb)2=Zp・Ze なる関係を有する対称整合構造としたことを特徴とする
    超音波プローブ。
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