JPH0865796A - 超音波探触子 - Google Patents

超音波探触子

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JPH0865796A
JPH0865796A JP20058194A JP20058194A JPH0865796A JP H0865796 A JPH0865796 A JP H0865796A JP 20058194 A JP20058194 A JP 20058194A JP 20058194 A JP20058194 A JP 20058194A JP H0865796 A JPH0865796 A JP H0865796A
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JP
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ultrasonic
ultrasonic probe
acoustic
back member
probe according
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Application number
JP20058194A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yagami
弘之 矢上
Hiroshi Katsumata
洋 勝又
Satoru Nakagawa
哲 中川
Jun Maekawa
純 前川
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】背面から超音波振動子へ向かう反射波の影響を
低減でき、小型で耐久性及び画質等に優れた超音波探触
子の提供。 【構成】背面部材11a,11bを、該超音波振動子1
2の背面側に設け、超音波振動子12面にほぼ平行な面
上に、超音波放出方向とほぼ平行な方向に広がりを有
し、音速及び密度のうち少なくともいずれか1つが異な
る少なくとも2種類以上の材質で形成したもの。このた
め、超音波(反射波)は位相差反射部またはを有する背
面部材11により効率よく互いに弱められて減衰する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用した生
体、物体等の診断、計測等の分野において用いられる超
音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置等で使用される超音波探
触子1のトランスデューサー部は図12に示す。92
は、両面に電極を形成したPZTやPbTiO3等の圧
電振動子であり、94,95は、信号及びグランドのリ
ード線である。
【0003】振動子92の背面には、背面側に放出され
る不要な超音波(以下、背面波という)を吸収する等の
目的のために超音波減衰率の高い樹脂等で形成された背
面負荷材91が設けられている。また、振動子92の表
面には、被検体との間の音響的整合を取るために整合層
93が設けられている。
【0004】しかしながら、上述のような構造を有する
超音波探触子にあっては、背面負荷材として、吸音材を
使用して吸収または散乱により、背面に放出される超音
波を減衰させていた。そのため、その効果を十分に得る
には背面負荷材を十分に厚くする必要があった。
【0005】このため、超音波探触子の小型化を困難に
し、特に外径が1〜数mm程度のカテーテルに内蔵され
た体腔内探触子等のように微小な探触子においては、背
面負荷材の厚みを十分厚くすることができないため、背
面波の吸収及び/または散乱が不完全となり、ハウジン
グ等の、背面側の構造体からの反射が画質劣化等の原因
となっていた。
【0006】また、超音波探触子の小型化に伴い、電極
リードの引回し方法等の実装上の困難も大きくなり、高
周波化によって振動子の厚みが薄くなるための強度不足
等も実装時あるいは耐久性の上で問題となっていた。
【0007】本発明は、上述の超音波探触子の構造及び
背面負荷材の問題点を解決し、小型で耐久性及び画質等
に優れ、かつ実装も容易な超音波探触子を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、超音波振動子と、超音波振動子の背面側に
位相差反射部を備えた超音波探触子であって、位相差反
射部は、超音波振動子の背面側に、超音波振動子面にほ
ぼ平行な面上に、超音波放出方向とほぼ平行な方向に広
がりを有し、音速及び密度のうち少なくともいずれかが
異なる少なくとも2種類以上の音響媒体で形成されてな
る背面部材を備えてなるものである。
【0009】本発明の好ましい態様において、背面部材
を形成する音響媒体は、各々実質的に単一の材質また
は、ほぼ均一な混合物からなる音響媒体である。
【0010】本発明の好ましい態様において、各音響媒
体の背面が、各々該振動子面にほぼ対向する実質的な平
面または曲面を有する形状である。
【0011】本発明の好ましい態様において、背面部材
を構成する音響媒体のうち少なくとも1種類はは、導電
体である。
【0012】本発明の好ましい態様において、背面部材
を構成する音響媒体のうち、少なくとも1種類は、ヤン
グ率及び曲げ強度のうちの少なくともいずれかが超音波
振動子とほぼ等しいか大きいものである。
【0013】本発明の好ましい態様において、背面部材
を構成する音響媒体のうち、少なくとも2種類は、合成
樹脂、ゴムなどのエラストマーから選ばれた高分子材料
からなり、超音波の減衰率が0.3dB/mmMHzよ
り大きいものである。
【0014】本発明の好ましい態様において、背面部材
は、音速及び密度のうち少なくともいずれか1つが異な
る実質的に単一の材質またはほぼ均一な混合物からなる
2種類の音響媒体を、少なくとも1層以上、超音波放出
方向にほぼ垂直に積層したものである。
【0015】本発明の好ましい態様において、背面部材
は、少なくとも1つの、超音波放出方向にほぼ垂直なほ
ぼ円柱状あるいは多角柱状の、実質的に単一またはほぼ
均一な混合物からなる音響媒体の周囲の少なくとも一部
を、音速及び密度のうち少なくともいずれかが異なる他
の該音響媒体で被覆したものである。
【0016】本発明の好ましい態様において、各音響媒
体の背面側の面は、振動子面にほぼ平行なほぼ平面上に
形成されてなるものである。
【0017】本発明の好ましい態様において、背面部材
は、互いに音速がほぼ等しい、複数の音響媒体を超音波
振動子面にほぼ平行に所定間隔離間して設けたものであ
る。
【0018】本発明の好ましい態様において、背面部材
の背面に、さらに、第2背面部材を設けたものである。
【0019】本発明の好ましい態様において、第2背面
部材は、超音波の減衰率が、0.3dB/mmMHzよ
り大きい、合成樹脂、ゴムなどのエラストマーから選ば
れた高分子材料からなるものである。
【0020】本発明の好ましい態様において、第2背面
部材は、合成樹脂、ゴムなどのエラストマーから選ばれ
た高分子材料中に音響インピーダンスの異なる散乱体を
ほぼ均一に混合したものである。
【0021】本発明の好ましい態様において、背面部材
と超音波振動子との間に、音響整合層を設けたものであ
る。
【0022】本発明の好ましい態様において、背面部材
を構成する該音響媒体のうち少なくとも1種類は、電鋳
により金属を超音波振動子背面に一体的に形成したもの
である。
【0023】本発明の好ましい態様において、背面部材
を構成する音響媒体のうち少なくとも1種類は、合成樹
脂、ゴムなどのエラストマーから選ばれた高分子材料を
超音波振動子背面に注型等の方法で一体的に形成したも
のである。
【0024】
【作用】本発明の超音波探触子では、従来の背面部材
(超音波吸収部材)のように、吸収あるいは散乱により
背面に放出される超音波の減衰を行なうのではなく、背
面部材背面に形成された位相差反射部(位相差反射面)
にて、超音波の位相をずらせて積極的に反射させ、反射
波同士の位相差を利用して、その影響を軽減するもので
ある。
【0025】すなわち、背面部材を、超音波振動子面に
ほぼ平行な面上に、超音波放出方向とほぼ平行な方向に
広がりを有する、少なくとも2種類以上の、互いにその
音速及び密度のうち少なくともいずれかが異なる、各々
実質的に単一の材質またはほぼ均一な混合物からなる音
響媒体を有し、かつ、各音響媒体の背面がそれぞれ超音
波振動子面にほぼ対向する実質的な平面または曲面を有
することで、位相差反射部(位相差反射面)を形成し、
背面へ放出される超音波が、各音響媒体に進入する際、
あるいは各音響媒体内部に存在している間に、あるいは
背面部材背面とその背後の物質との境界での反射の際、
あるいは、各音響媒体から超音波振動子面へ再度到達す
る際のうち、少なくとも一つで、背面部材背面とその背
後の物質との境界面から超音波振動子に向かう反射波が
互いに干渉し弱め合うような位相の差を生じさせること
で、背面から超音波振動子へ向かう反射波の影響を効率
よく軽減するものである。
【0026】ここでいう位相差反射部とは、超音波振動
子から背面側に放出された超音波を超音波振動子方向の
反射させることを目的とし、以下の特性を有するもので
ある。
【0027】超音波振動子にほぼ対向して設けられた、
ほぼ平面或いは曲面形状を有する、単一の面或いはそれ
らの複数の組合せにより構成され、前後の媒体の音響特
性の違いにより、超音波の少なくとも一部を反射させる
ものであり、かつこの反射面で反射した超音波が超音波
振動子面あるいは振動子内部に到達した時に、そのうち
の一部の位相と他の位相関係が、超音波振動子面と反射
面の間の媒体或いは反射面の背後の物質の特性により、
超音波振動子から放出時点での位相関係とは異なってく
るという特性を有するものである。
【0028】ここでいう背面部材とは、超音波振動子の
背面側に設置される実質的に単一の音響媒体、あるいは
2種類以上の音響媒体の組合せにより構成される部材
で、超音波振動子から背面方向に放出され、背面部材内
部に入射した超音波の内の一部の位相と他のものの位相
関係を、背面部材の形状もしくは音響的特性により、そ
の内部において、あるいは周囲の物質との境界での反射
の際に入射時と異なる位相関係にする作用を持つものと
する。
【0029】また、ほぼ対向するとは、その部分から超
音波振動子方向へ向かう反射波の大部分が、途中の屈
折、反射、減衰、干渉等を無視して幾何学的位置関係の
みを考えた場合に、超音波振動子有効部に到達するよう
な配置であることとする。
【0030】したがって、この効果を生ずるための背面
部材の厚みは、位相のずれが生ずる程度以上であればよ
く、むしろ厚みが厚くなると超音波の広がりにより、位
相関係が複雑となって、打ち消しが困難となる。
【0031】さらに、この効果を利用して従来の背面部
材としては適さなかった超音波の減衰率の小さい材料を
背面部材として使用することが可能となる。
【0032】以下に、本願発明の原理を説明するが、簡
単のため、3層系として取り扱うとする。
【0033】図2のような3層系で、層からz方向に
連続正弦平面波が入射する場合、層にはz方向の波φ
1Aおよびzと逆方向の波φ1Bが存在することになる。こ
こにおいて、φは速度ポテンシャルを表す。同様に層
にはφ2Aおよびφ2B、層にはφ3Aのみが存在する。但
し、層は、無限に厚いものとする。
【0034】φ1Bが、φ1Aのz=0における反射波φ
1B1と、φ2Bのz=0の透過波φ1B2の重ね合わせである
と考えると、本願発明の目的は、層を超音波振動子、
層を背面波干渉材、層を背後の物質とした場合に、
φ1B2の影響を軽減することである。
【0035】図3は、超音波振動子の背面側及び位相差
反射面の一例を模式的に表したものである。簡単のた
め、媒体と、媒体の厚みは等しいもの(d)とす
る。超音波振動子、媒体、媒体、背後の物質の密度
及び音速をそれぞれρ1,c1、ρ2,c2、ρ3,c3とす
る。また、周波数をνとして、波長λをλ=c/ν、固
有音響インピーダンスZをZ=ρc、波数kをk=2π
/λとする。超音波振動子から位相差反射部(面)に向
かう方向にz軸をとり、超音波振動子背面をz=0とす
ると、位相差反射部は、z=dとなる。
【0036】ここで、背面波干渉材が媒体よりなる部
分及び媒体よりなる部分に対応する速度ポテンシャル
をそれぞれφ、φ′で表すと、本願発明の目的のために
は、φ1B2及びφ1B2′の位相がずれていることが必要で
ある。
【0037】媒体、媒体のそれぞれに対応する入射
波φ1A及びφ1A′が、ともにAexp(−ik1z)で
表される場合について考えると、φ1B2及びφ1B2′は、
数1,数2のようになる。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】今、数1と数2の和の絶対値をとり、これ
に適当な数値を代入し、厚みdの関数として数値計算す
る。
【0041】超音波振動子として、PZT、媒体(背
面部材)を銅、媒体を真鍮、背後の物質を水として、
それぞれの密度、音速を代入すると、図4のグラフが得
られ、この図から、厚みが140μm付近でほぼ打つ消
し合う位相となることが分かる。 この時、超音波振動
子内には、背面が媒体の部分と背面が媒体の部分そ
れぞれから、位相がほぼ反転した波が入射することにな
るため、全体としての、φ1B2による厚み振動及び圧電
変換能が低下する。これにより、不要な反射の影響を軽
減することができる。
【0042】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ実施例に係る超
音波探触子を詳細に説明する。
【0043】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
係わる超音波探触子1の斜視図を示すものである。図1
において、超音波振動子12は、ほぼ平面形状で、両面
に電極(不図示)を蒸着,印刷等で形成したPZT等の
圧電体で、表面には、音響整合層33が設けられてい
る。14は、グラウンドの電極リードで、超音波振動子
12の表面の電極に導電的に接続されている。15は、
信号電極リードで、超音波振動子12の信号電極に導電
的に接続されている。11は、背面部材(背面波干渉
材)で、厚さが0.01mm〜10mm程度、幅が0.
1〜20mm程度、長さが0.1〜20mm程度で、C
u,Ni,Ag,Pt等の金属、セラミック、合成樹脂
等からなり、音速及び密度のうち少なくともいずれかが
異なる材料で各音響媒体11a,11bが形成され、超
音波振動子12の背面にほぼ平行に交互に設けられてい
る。好ましくは、各音響媒体内部での、その形状に応じ
た縦波、横波、あるいは境界面での振動等の超音波波長
の程度か、それ以下の間隔で交互にほぼ密着して並んで
設けられている。
【0044】背面部材11は、超音波振動子12背面に
実質的なずれが生じないように、接着等により設ける
か、金属の場合には、電鋳により金属を超音波振動子背
面に一体的に形成される。また、合成樹脂、ゴムなどの
エラストマーから選ばれた高分子材料の場合には、超音
波振動子12背面に注型等の方法で実質的に一体的に形
成される。
【0045】(実施例2)図5は、本発明の実施例2に
係わる超音波探触子1の斜視図を示すものである。この
実施例では、背面部材21として、各音響媒体に、C
u,Cu系合金,Ag,Ag系合金等の金属を使用し、
超音波振動子22の背面の電極(不図示)に導電的に接
続することで、電極リードとして用いている。24は、
実施例1のグラウンド用の電極リード14と同様の電極
リード、25は、信号線である。
【0046】寸法,構造,材質上で実施例1と異なる点
は、背面部材21の一端が超音波振動子22の一旦を越
えて所定長さ(超音波振動子31の長さの30%程度)
延設され、信号電極リード25に接合されている点であ
る。
【0047】(実施例3)図6は、本発明の実施例3に
係わる超音波探触子1の斜視図を示すものである。 3
2は超音波振動子で、背面部材31背面の各音響媒体3
1a,31bで形成され、各音響媒体31a,31bの
各底面部36が緩やかな凹曲面で、側面に傾きを持たせ
た形状として形成されている。この構造により、位相の
異なる反射波同士を、より重ね合わせて減衰することが
できる。
【0048】音響媒体31a,31bの材質は、実施例
1と同様である。
【0049】(実施例4)図7は、本発明の実施例4に
係わる超音波探触子1を示す斜視図(電極リードは不図
示)で、超音波振動子42は、超音波の集束を目的とし
た曲面形状のものである。この場合は、背面部材41の
内径形状も超音波振動子42の外径形状に実質的に合わ
せて形成されている。超音波振動子42の内径は、使用
する周波数とフォーカス位置に依存し、2mm〜200
mm程度である。曲面形状にした点以外は、実施例1と
同様の寸法、形状、材質である。
【0050】(実施例5)図8は、本発明の実施例5に
係わる超音波探触子1を示す斜視図(電極リードは不図
示)である。本実施例では、超音波放出方向に、ほぼ垂
直なほぼ円柱状の音響媒体51aを、音速及び密度のう
ち少なくともいずれか1つが異なる別の媒体51bで覆
っている。51aは、多角形の形状でも、ほぼ同様の効
果を得ることができる。
【0051】(実施例6)図9は、本発明の実施例6に
係わる超音波探触子1を示す斜視図である。本実施例で
は、背面部材61の更に背面側に第2背面材66を設け
ることにより、背面部材61と第2背面材66の境界面
からの超音波の反射を低減し、また、第2背面材内部へ
透過した超音波を減衰させることができる。
【0052】第2背面材としては、好ましくはエポキシ
系樹脂,ウレタン系樹脂等の接着性の合成樹脂、シリコ
ーンゴム等が使用される。
【0053】第2背面材66を設けた以外は、実施例1
と同様の寸法,構造,材質であり、62は、超音波振動
子、63は、音響整合層、64は、グラウンドの電極リ
ード、65は、信号電極リードである。61a,61b
は、音響媒体で音速及び密度のうち少なくともいずれか
1つが異なるものである。
【0054】(実施例7)図10は、本発明の実施例7
に係わる超音波探触子1を示す斜視図である。
【0055】背面部材71と超音波振動子72との間
に、整合層76を設けたものである。このため、超音波
振動子72背面に放出される不要な超音波をさらに効率
よく取り除くことができる。
【0056】整合層76を設けた以外は、実施例1と同
様の寸法,構造,材質であり、72は、超音波振動子、
73は、音響整合層、74は、グラウンドの電極リー
ド、75は、信号電極リードである。71a,71b
は、音響媒体で音速及び密度のうち少なくともいずれか
1つが異なるものである。
【0057】(実施例8)図11は、本発明の実施例8
に係わる超音波探触子1を示す斜視図(電極リードは不
図示)である。本実施例では、背面部材81を構成する
2種類の音響媒体81a,81bを異なる厚みにするこ
とにより、任意の音響媒体の組合わせについて、さらに
効率よく反射波の位相を調節し、打ち消し合うようにす
ることができる。
【0058】上述の実施例では、セラミック振動子の例
について示したが、本発明はこれに限られるものでな
く、高分子圧電材料、高分子複合材料等他の種類の振動
子についてもほぼ同様の作用、効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、超音波振動子と、超音波振動
子の背面側に位相差反射部を備えた超音波探触子であっ
て、位相差反射部は、超音波振動子の背面側に、超音波
振動子面にほぼ平行な面上に、超音波放出方向とほぼ平
行な方向に広がりを有し、音速及び密度のうち少なくと
もいずれか1つが異なる少なくとも2種類以上の音響媒
体で形成されてなる背面部材を備えてなる超音波探触子
であるので、背面から超音波振動子へ向かう反射波の影
響を低減でき、小型で耐久性及び画質等に優れる。
【0060】背面部材を形成する音響媒体は、各々実質
的に単一の材質または、ほぼ均一な混合物からなる音響
媒体であるものとすることにより、背面から超音波振動
子へ向かう反射波の影響をさらに低減でき、小型で耐久
性及び画質等に優れる。
【0061】各音響媒体の背面が、各々該振動子面にほ
ぼ対向する実質的な平面または曲面を有する形状である
ものとすることにより、背面から超音波振動子へ向かう
反射波の影響をより一層低減でき、小型で耐久性及び画
質等に優れる。
【0062】背面部材を構成する音響媒体のうち少なく
とも1種類を、導電体とすることにより、超音波振動子
電極と導電的に接続でき、信号線の引き回し等の実装を
容易にできる。
【0063】背面部材を構成する音響媒体のうち、少な
くとも1種類は、ヤング率及び曲げ強度のうちの少なく
ともいずれかが超音波振動子とほぼ等しいか大きいもの
であることとすることにより、超音波振動子の補強材と
しての効果が得られる。
【0064】背面部材を構成する音響媒体のうち、少な
くとも2種類は、合成樹脂、ゴムなどのエラストマーか
ら選ばれた高分子材料からなり、超音波の減衰率が0.
3dB/mmMHzより大きいものであるものとするこ
とにより、干渉による減衰に加えて吸収による減衰の効
果も得られる。
【0065】背面部材は、音速及び密度のうち少なくと
もいずれかが異なる実質的に単一の材質またはほぼ均一
な混合物からなる2種類の音響媒体を、少なくとも1層
以上、超音波放出方向にほぼ垂直に積層したものとする
ことにより、加工が容易となる。 背面部材は、少なく
とも1つの、超音波放出方向にほぼ垂直なほぼ円柱状あ
るいは多角柱状の、実質的に単一またはほぼ均一な混合
物からなる音響媒体の周囲の少なくとも一部を、音速及
び密度のうち少なくともいずれか1つが異なる他の音響
媒体で被覆したものであるものとすることにより、加工
が容易になる。
【0066】各音響媒体の背面側の面は、振動子面にほ
ぼ平行なほぼ平面上に形成されてなるようにすることに
より、加工が容易となる。
【0067】背面部材は、互いに音速がほぼ等しい、複
数の音響媒体を超音波振動子面にほぼ平行に所定間隔離
間して設けたものであるものとすることにより、各音響
媒体を通った反射波の、超音波振動子面への到達をほぼ
同時とすることができ、パルス波の場合に、ほぼ対応す
るピーク同士を打ち消し合うことができる。
【0068】背面部材の背面に、さらに、第2背面部材
を設けたことにより、透過波も減衰させることができ、
さらに背後にある超音波振動子を収納するハウジング等
の構造体からの反射の影響を低減できる。
【0069】第2背面部材は、超音波の減衰率が、0.
3dB/mmMHzより大きい、合成樹脂、ゴムなどの
エラストマーから選ばれた高分子材料からなるものであ
るものとすることにより、透過波の減衰を効率よく行う
ことができる。
【0070】第2背面部材は、合成樹脂、ゴムなどのエ
ラストマーから選ばれた高分子材料中に音響インピーダ
ンスの異なる散乱体をほぼ均一に混合したものであるも
のとすることにより、超音波の吸収による減衰に加え、
散乱による減衰の効果も有することができる。
【0071】背面部材と超音波振動子との間に、音響整
合層を設けることにより、背面部材への透過効率を上
げ、パルス波の場合に問題となる、超音波振動子値内の
残存振動を軽減できる。
【0072】背面部材を構成する音響媒体のうち少なく
とも1種類を、電鋳により金属を超音波振動子背面に一
体的に形成したものであるので、接着層の影響がなく、
再現性がよく、加工が容易となる。
【0073】背面部材を構成する音響媒体のうち少なく
とも1種類は、合成樹脂、ゴムなどのエラストマーから
選ばれた高分子材料を超音波振動子背面に注型等の方法
で一体的に形成したものであるものであるので、再現性
がよく、接着層の影響がなく、加工が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係わる超音波探触子の斜
視図である。
【図2】 3層系の超音波の反射を示す模式図である。
【図3】 超音波振動子の背面側及び位相差反射面の一
例を模式的に表したものである。
【図4】 背面部材の厚さ方向の距離と超音波の減衰と
を示す図である。
【図5】 本発明の実施例2に係わる超音波探触子に信
号リード線を設けた斜視図である。
【図6】 本発明の実施例32係わる超音波探触子の斜
視図である。
【図7】 本発明の実施例4に係わる超音波探触子の斜
視図である。
【図8】 本発明の実施例5に係わる超音波探触子の斜
視図である。
【図9】 本発明の実施例6に係わる超音波探触子の斜
視図である。
【図10】 本発明の実施例7に係わる超音波探触子の
斜視図である。
【図11】 本発明の実施例8に係わる超音波探触子の
斜視図である。
【図12】 従来の超音波探触子の斜視図である。
【符号の説明】
1…超音波探触子 11,21,31,41,51,61,71,81,9
1…背面部材 12,22,32,42,52,62,72,82,9
2…超音波振動子 13,23,63,73,93…音響整合層 14,24,64,74,94…電極リード 15,24,65,75,95…信号線リード 66…第2背面部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01S 7/521 (72)発明者 前川 純 静岡県富士宮市三園平818番地 テルモ株 式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波振動子と、該超音波振動子の背面
    側に位相差反射部をを備えた超音波探触子であって、 該位相差反射部は、該超音波振動子の背面側に、該超音
    波振動子面にほぼ平行な面上に、超音波放出方向とほぼ
    平行な方向に広がりを有し、音速及び密度のうち少なく
    ともいずれか1つが異なる少なくとも2種類以上の音響
    媒体で形成されてなる背面部材を備えてなることを特徴
    とする超音波探触子。
  2. 【請求項2】 該背面部材を構成する該音響媒体は、各
    々実質的に単一の材質または、ほぼ均一な混合物からな
    る音響媒体であることを特徴とする請求項1に記載の超
    音波探触子。
  3. 【請求項3】 該各音響媒体の背面が、各々該振動子面
    にほぼ対向する実質的な平面または曲面を有する形状で
    あることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記
    載の超音波探触子。
  4. 【請求項4】 該背面部材を構成する該音響媒体のうち
    少なくとも1種類は、導電体であることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の超音波探触子。
  5. 【請求項5】 該背面部材を構成する該音響媒体のう
    ち、少なくとも1種類は、ヤング率及び曲げ強度のうち
    の少なくともいずれかが該超音波振動子とほぼ等しいか
    大きいものであることを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載の超音波探触子。
  6. 【請求項6】 該背面部材を構成する該音響媒体のう
    ち、少なくとも2種類は、合成樹脂、ゴムなどのエラス
    トマーから選ばれた高分子材料からなり、超音波の減衰
    率が0.3dB/mmMHzより大きいものであること
    を特徴とする請求項1または2に記載の超音波探触子。
  7. 【請求項7】 該背面部材は、音速及び密度のうち少な
    くともいずれかが異なる実質的に単一の材質またはほぼ
    均一な混合物からなる2種類の該音響媒体を、少なくと
    も1層以上、超音波放出方向にほぼ垂直に積層したもの
    であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに
    記載の超音波探触子。
  8. 【請求項8】 該背面部材は、少なくとも1つの、超音
    波放出方向にほぼ垂直なほぼ円柱状あるいは多角柱状
    の、実質的に単一またはほぼ均一な混合物からなる該音
    響媒体の周囲の少なくとも一部を、音速及び密度のうち
    少なくともいずれか1つが異なる他の該音響媒体で被覆
    したものであることを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の超音波探触子。
  9. 【請求項9】 該各音響媒体の背面側の面は、該振動子
    面にほぼ平行なほぼ平面上に形成されてなることを特徴
    とする請求項1ないし8のいずれかに記載の超音波探触
    子。
  10. 【請求項10】 該背面部材は、互いに音速がほぼ等し
    い、複数の音響媒体を該超音波振動子面にほぼ平行に所
    定間隔離間して設けたものであることを特徴とする請求
    項1ないし9のいずれかに記載の超音波探触子。
  11. 【請求項11】 該背面部材の背面に、さらに、第2背
    面部材を設けたことを特徴とする請求項1ないし10の
    いずれかに記載の超音波探触子。
  12. 【請求項12】 該第2背面部材は、超音波の減衰率
    が、0.3dB/mmMHzより大きい、合成樹脂、ゴ
    ムなどのエラストマーから選ばれた高分子材料からなる
    ものであることを特徴とする請求項11に記載の超音波
    探触子。
  13. 【請求項13】 該第2背面部材は、合成樹脂、ゴムな
    どのエラストマーから選ばれた高分子材料中に音響イン
    ピーダンスの異なる散乱体をほぼ均一に混合したもので
    あることを特徴とする請求項11ないし12に記載の超
    音波探触子。
  14. 【請求項14】 該背面部材と該超音波振動子との間
    に、音響整合層を設けたことを特徴とする請求項1に記
    載の超音波探触子。
  15. 【請求項15】 該背面部材を構成する該音響媒体のう
    ち少なくとも1種類は、電鋳により金属を該超音波振動
    子背面に一体的に形成したものであることを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれかに記載の超音波探触子。
  16. 【請求項16】 該背面部材を構成する該音響媒体のう
    ち少なくとも1種類は、合成樹脂、ゴムなどのエラスト
    マーから選ばれた高分子材料を該超音波振動子背面に注
    型等の方法で一体的に形成したものであることを特徴と
    する請求項1ないし10のいずれかに記載の超音波探触
    子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011148618A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 パナソニック株式会社 超音波探触子およびその製造方法
JP2012235925A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Olympus Medical Systems Corp 超音波振動子、超音波振動子の製造方法、超音波内視鏡

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