JPH0779044B2 - 積層コア - Google Patents
積層コアInfo
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- JPH0779044B2 JPH0779044B2 JP3574991A JP3574991A JPH0779044B2 JP H0779044 B2 JPH0779044 B2 JP H0779044B2 JP 3574991 A JP3574991 A JP 3574991A JP 3574991 A JP3574991 A JP 3574991A JP H0779044 B2 JPH0779044 B2 JP H0779044B2
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- JP
- Japan
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- insulating layer
- thickness
- eddy current
- current loss
- laminated core
- Prior art date
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- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Coils Or Transformers For Communication (AREA)
Description
源等のトランス等に使用される積層コアに関するもので
ある。
が進められており、これに伴い、スイッチング周波数と
してMHz帯の高周波数が使用されるようになってきてい
る。しかし、スイッチング周波数を高周波数にすると、
トランスに使用するコアに渦電流が発生し、この渦電流
損が急激に増加するという問題が生じる。この渦電流損
をできるだけ小さくするためにはコアを構成する磁性体
の厚みを薄くする必要があり、また、トランスの出力パ
ワーの低下を避けるためには、前記薄型の磁性体を絶縁
層を介して積層し、積層コアとすることが望ましい。こ
のような点から、スイッチング電源用のトランスコアと
して積層コアが広く使用されている。
ライト間に1×106 Ωcm以上の絶縁抵抗を持つ絶縁物を
挟んだものが一般的である。
積層コアは、層間の絶縁層の抵抗率だけに着眼して形成
されており、絶縁層の厚みは全く考慮されていない。そ
のため、絶縁層の厚みが薄くなりすぎると、渦電流損が
大きくなってコアを使った部品が発熱してしまうという
問題が生じ、また、絶縁層の厚みが厚すぎると、磁性体
(フェライト)の占積率が小さくなり、積層コアが大型
化してしまうという問題が生じる。
なされたものであり、その目的は、積層コアの渦電流損
と絶縁層の厚みに関する特性を考慮し、渦電流損の小さ
い、しかも、磁性体の占積率を高めて小型化を達成する
ことができる積層コアを提供することにある。
成するために、次のように構成されている。すなわち、
第1の発明の積層コアは、絶縁層を介して複数の磁性体
が積層されてなる積層コアにおいて、前記絶縁層の厚み
は、前記磁性体の抵抗率をパラメータとして求められる
積層コアの渦電流損と絶縁層厚みの関係を示す特性曲線
上において、渦電流損が絶縁層厚みの増加につれて減少
した後渦電流損が絶縁層の厚みの増加につれてほとんど
減少せずにほぼ一定となる初期領域の厚みに設定されて
いることを特徴として構成されており、また、第2の発
明の積層コアは、前記特性曲線上において、渦電流損が
絶縁層厚みの増加につれて減少した後渦電流損が絶縁層
の厚みの増加につれてほとんど減少せずにほぼ一定とな
る領域で0.1mm 以下に設定されていることを特徴として
構成されている。
の厚みが渦電流損と絶縁層の厚みとの関係を示す特性曲
線上において、渦電流損が絶縁層の厚みの増加につれて
減少した後、ほぼ一定となる初期領域の厚みに設定され
るので、絶縁層の厚みは渦電流損が最低レベルとなる領
域の内で最小の値に設定されることとなり、渦電流損が
小さく、磁性体の占積率が高い、小型の積層コアが形成
される。
の厚みは0.1mm 以下に設定されており、この第2の発明
においても、前記第1の発明と同様に渦電流損が小さ
く、しかも磁性体の占積率が高い小型の積層コアが形成
される。
する。図1には本発明者が実験によって得た積層コアの
渦電流損と絶縁層厚みとの関係を表す特性曲線が示され
ている。この特性曲線は、図2に示すように、フェライ
トからなる同一形状、かつ、同一材料の一対の磁性体1
a,1b間に厚みの異なる絶縁層2を介設して複数の積
層コア3を1ロットの試料として形成し、さらに、各ロ
ットごとに磁性体1a,1bの抵抗率を変えて複数ロッ
トの試料を作り出し、各ロットの積層コア3をMHz帯の
高周波数で駆動させたときの渦電流損と絶縁層厚みの関
係を磁性体1a,1bの抵抗率ρをパラメータとして描
いたものである。この特性曲線により、発明者は絶縁層
2の厚みが所定値を越えると渦電流損は急激に減少し、
さらに絶縁層2の厚みが増加すると渦電流損は一定の値
に収束するという、従来においては知られていなかった
渦電流損と絶縁層厚みとの特徴的な関係を見い出すこと
ができた。
ためには磁性体の抵抗率ρを大きくすればよいことが知
られているが、その抵抗率を大きくするためには材料成
分を変えたり、結晶粒を微細化する等の新材料の開発が
急務となる。しかし、その材料開発はその時点の技術レ
ベルによって左右され、限界が生じてしまう。このよう
なとき、前記特性曲線を利用して絶縁層厚みを渦電流損
が最小となる領域の厚みに設定すれば、積層コアの渦電
流損を磁性体が固有に持つ渦電流損よりもさらにいっそ
う低減することができ、しかも、特性曲線上で、渦電流
損が最小レベルとなる範囲の中で最小の厚み、つまり、
渦電流損が絶縁層厚みの増加に伴い減少した後、一定の
値に収束する初期領域の厚みに設定すれば積層コアの小
型化が図れることになる。本発明はかかる点に着目して
なされたものである。なお、渦電流損は駆動周波数の2
乗に比例して増加することが知られており、駆動周波数
によって渦電流損が変化するが、各駆動周波数に対する
渦電流損と絶縁層厚みとの関係を示す特性曲線の形状は
同一形状となる。このことから、本実施例の説明では各
駆動周波数ごとの全データにおける特性曲線のグラフを
省略し、各ロットの積層コア3を2MHzで駆動したとき
の特性曲線をその代表例として図1に示している。
01Ωm、0.04Ωm、0.16Ωm、0.64Ωm、3Ωmおよび
50Ωmの6ロットの実験例が示されており、磁性体1
a,1bの抵抗率が大きくなるに従い渦電流損は減少し
ている。そして、各ロットとも、絶縁層厚みが大きくな
るにつれて渦電流損は減少するが、この渦電流損は絶縁
層厚みが所定厚みを越えると減少せずにほぼ一定の値に
収束する。このことから、使用する磁性体の抵抗率に応
じ、渦電流損と絶縁層厚みとの関係を示す特性曲線を参
照し、渦電流損が絶縁層厚みの増加に伴い減少した後、
ほぼ一定の値に収束する初期領域の絶縁層厚みを採用し
て積層コアを形成すれば、その積層コアの渦電流損は最
小レベルとなり、しかも、渦電流損がその最小レベルと
なる絶縁層厚みの範囲で最小の絶縁層厚みとなり、小型
化が可能となる。
期領域の絶縁層2の厚みとして、本実施例では小型化に
対応できる絶縁層厚みは磁性体1a,1bの抵抗率が0.
01Ωm〜0.04Ωmまでは1×10-4mm〜3×10-3mmの厚み
に設定している。また、磁性体1a,1bの抵抗率が0.
04Ωm〜0.16Ωmの範囲ではその絶縁層2の厚みを1×
10-3mm〜1×10-1mmに設定してあり、磁性体1a,1b
の抵抗率が0.16Ωm〜0.64Ωmの範囲では絶縁層2の厚
みを1×10-2mm〜1×10-1mmに設定しており、さらに、
磁性体1a,1bの抵抗率が0.64Ωm〜50Ωm未満の範
囲では絶縁層2の厚みを2.5 ×10-2mm〜1×10-1mmの値
に設定している。
構造としたとき、その絶縁層厚みと磁性体の占積率との
関係を表したものである。
の全断面積に対する磁性体部分の断面積の割合を示した
ものであり、占積率90%以上を積層コア3の十分な小型
化が達成できる基準として考えることができる。表1に
よれば、絶縁層厚みが1×10-1mmでは占積率が95%を越
えており、したがって、絶縁層厚みを0.1mm 以下とする
ことにより、磁性体の占積率が十分に高い小型の積層コ
アを形成することができることになる。しかも、図1か
ら分かるように、磁性体の抵抗率が0.01Ωmから3Ωm
の範囲では、いずれも渦電流損が減少した後一定に収束
する初期領域が0.1mm 以下の絶縁層厚みの領域に含まれ
ており、このことから、前記抵抗率の磁性体を使用する
場合、絶縁層厚みを0.1mm 以下とすることで、渦電流損
を最小限にし、かつ、磁性体の占積率の高い小型の積層
コアを得ることができる。
を使用する場合には、磁性体自身の渦電流損はほぼ2.0
×10-1W/cm3と非常に小さい値となり、しかも、0.1mm
の絶縁層2を介設することで、さらにΔPの渦電流損
の低減が図られることとなり、しかも、磁性体の占積率
が95%以上となり、性能および小型化の観点からほぼ最
適な積層コアが得られることとなる。
a,1bの抵抗率が50Ωmのものは、渦電流損が低下後
一定値に収束する初期領域の絶縁層厚みがほぼ1mmとな
り、絶縁層厚みが比較的大きくなる。この50Ωmの磁性
体においては、磁性体自身で渦電流損がほぼ1.1 ×10-2
W/cm3 と十分に小さい値になっており、この場合には
むしろ1mm厚の絶縁層を介設することなく磁性体1a,
1bを直接積層した方が小型の積層コアを得る上では有
利であり、絶縁層2を積層する意味が薄れたものとな
る。しかも、この50Ωmの抵抗率を備えた磁性体を作り
出すのは実用レベルでは非常に困難である。このことか
ら、積層コアに関しては、抵抗率が50Ωm未満の、つま
り、前記特性曲線上で渦電流損の低減が一定値に収束す
る絶縁層厚みの初期領域が0.1mm 以下となる磁性体を用
い、0.1mm 以下の厚みの絶縁層を介設することで、渦電
流損の低減を図り、磁性体の占積率を高めて積層コアの
小型化を図ることが望ましい。
く、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例
では、2個の磁性体1a,1bを積層した場合について
説明したが、磁性体の積層数は特に限定されることはな
く、3個以上の磁性体を積層したものでもよい。また、
上記実施例では磁性体をフェライトにより形成したが、
他の材料、例えば金属磁性体によって形成してもよい。
さらに、磁性体の形状は仕様に応じた様々な態様を採り
得るものである。さらに、絶縁層の材料もプラスチッ
ク、セラミックス等、任意の材料を用いることができる
が、望ましくは誘電率が小さく(例えば4以下)抵抗率
が大きい(例えば108以上)方がよい。
みが渦電流損と絶縁層厚みとの関係を示す特性曲線上に
おいて、渦電流損が絶縁層厚みの増加につれて減少した
後渦電流損がほぼ一定に収束する初期領域の厚みに設定
することで、渦電流損が最小となり、しかもその渦電流
損が最小となる範囲の中で絶縁層厚みを最小に構成でき
るので、渦電流損の非常に小さく、しかも小型の高周波
駆動に適した積層コアを提供することが可能となる。
のにあっては、積層コアの切り口断面に占める磁性体部
分の占積率を大幅に高めることができ、渦電流損の小さ
い、かつ、磁性体の占積率の高い小型の積層コアを作り
出すことが可能となる。
タとして求めた積層コアの渦電流損と絶縁層厚みとの関
係を示す特性曲線である。
料を示す説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁層を介して複数の磁性体が積層され
てなる積層コアにおいて、前記絶縁層の厚みは、前記磁
性体の抵抗率をパラメータとして求められる積層コアの
渦電流損と絶縁層厚みの関係を示す特性曲線上におい
て、渦電流損が絶縁層厚みの増加につれて減少した後渦
電流損が絶縁層の厚みの増加につれてほとんど減少せず
にほぼ一定となる初期領域の厚みに設定されていること
を特徴とする積層コア。 - 【請求項2】 絶縁層を介して複数の磁性体が積層され
てなる積層コアにおいて、前記絶縁層の厚みは、前記磁
性体の抵抗率をパラメータとして求められる積層コアの
渦電流損と絶縁層厚みの関係を示す特性曲線上におい
て、渦電流損が絶縁層厚みの増加につれて減少した後渦
電流損が絶縁層の厚みの増加につれてほとんど減少せず
にほぼ一定となる領域で0.1mm 以下に設定されている積
層コア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3574991A JPH0779044B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 積層コア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3574991A JPH0779044B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 積層コア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04249304A JPH04249304A (ja) | 1992-09-04 |
JPH0779044B2 true JPH0779044B2 (ja) | 1995-08-23 |
Family
ID=12450474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3574991A Expired - Lifetime JPH0779044B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 積層コア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0779044B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2867819B1 (fr) * | 2004-03-22 | 2006-06-02 | Mecanique Magnetique Sa | Palier magnetique actif a auto-detection de position |
JP5203890B2 (ja) * | 2008-10-28 | 2013-06-05 | 株式会社日立産機システム | アモルファス鉄心変圧器及びその製造方法 |
-
1991
- 1991-02-04 JP JP3574991A patent/JPH0779044B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04249304A (ja) | 1992-09-04 |
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