JPH0779032A - GaInAs2次元電子ホール素子 - Google Patents

GaInAs2次元電子ホール素子

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JPH0779032A
JPH0779032A JP5222630A JP22263093A JPH0779032A JP H0779032 A JPH0779032 A JP H0779032A JP 5222630 A JP5222630 A JP 5222630A JP 22263093 A JP22263093 A JP 22263093A JP H0779032 A JPH0779032 A JP H0779032A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Gax In1-x As層とInP或はAlx I
n1-x As等の緩衝層とのヘテロ接合を有するGaIn
Asヘテロ接合ホール素子に於いて、2次元電子を安定
して顕現させ高感度なGaInAs2次元電子ホール素
子を得る。 【構成】 層内に歪を有し、且つ最大歪が存在する領域
が規定された範囲内にあるGax In1-x As層並びに
緩衝層をヘテロ接合させる。 【効果】 2次元電子が確実に顕現され、高電子移動度
を安定して得ることができ、もって新たな高感度の2次
元電子GaInAsホール素子を安定的に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GaInAsを含む半
導体ヘテロ接合により顕現される2次元電子ガスを利用
したGaInAs2次元電子ホール素子に係わり、特に
ホール素子の高感度化に関する。
【0002】
【従来の技術】磁界を検知し、その強度、即ち磁界強度
に応じて電気信号を発生する、いわゆる磁電変換素子の
一つとしてホール(Hall)素子が知られている。こ
のホール素子は磁場を印加した際に、ホール効果として
知られている半導体内の電子の運動によって発生するホ
ール電圧を検知量とする一種の磁気センサーであり、磁
気を検出対象とする回転検出、位置検出センサー、或は
電流センサー等としての他、磁界強度測定用の測定子
(プローブ;probe)などとして応用されている。
【0003】ホール素子用途の半導体材料としてはシリ
コン(Si)、ゲルマニウム(Ge)などの元素半導体
の他、アンチモン化インジウム(InSb)、ヒ化イン
ジウム(InAs)やヒ化ガリウム(GaAs)等の元
素周期律表の第 III族に属する元素と、同じく第V族に
属する元素とを化合させてなる III−V族2元化合物半
導体も使用される。しかし、従来の化合物半導体からな
るホール素子を見れば、用いる半導体の物性に依ってホ
ール素子の特性上に一長一短が存在する。例えば、Ga
Asから成るホール素子はGaAs半導体のバンドギャ
ップが比較的大きい事により素子特性の温度変化は少な
いものの、逆に電子移動度が多少低いため積感度はIn
Sbから成るホール素子に比較して低いという欠点があ
る。一方、InSbホール素子はInSb半導体のバン
ドギャップが低いため、特性の温度変化は大きいが高い
積感度が得られる利点を有している。
【0004】最近では、自動車エンジンの精密な回転制
御等高温環境下に於ける精密センシング技術の必要性が
高まり、高いホール電圧を出力する能力を有し且つ温度
による素子特性の変化を低く抑制した高性能ホール素子
が要望されるに至っている。ここでホール電圧は半導体
材料のホール係数に依存し、ホール係数が大きい程ホー
ル電圧の出力能力は高い。また、このホール係数は半導
体材料の電子移動度に比例して増加する。従って、高い
ホール出力電圧を得るには、即ち高感度なホール素子を
得るには高い電子移動度を発現する半導体材料を使用す
る必要がある。
【0005】このため半導体材料の物性面からの検討も
進み、近年では2次元的に閉じ込められた、いわゆる2
次元電子ガス(two-dimensional electron gas)により
顕現される高電子移動度特性を利用したホール素子も発
明されるに至っている(例えば、R.C. GALLAGHER and
W.S. CORAK, Solid-State Electronics, 第9巻(19
66年)、571〜580頁、特公平3−2503
5)。しかし、この様な2次元電子は、旧来よりSi半
導体と二酸化珪素(SiO2)とのヘテロ接合界面に出
現することが知られており、このいわゆるSi−MOS
(metal-oxide-semiconductor )構造により発現される
2次元電子を利用したホール素子は既に1960年代の
半ばに報告されている。
【0006】また、上記のMOS構造による2次元電子
の顕現に加え、GaAsやInP等の2元系化合物半導
体と同様の III−V族合物半導体でも三種類の元素を混
合させてなるヒ化ガリウム・アルミニウム(Alx In
1-x As)やヒ化ガリウム・インジウム(Gax In
1-x As)などの化合物三元混晶とのヘテロ接合によ
り、2次元電子ガスを形成する方法も既に公知となって
いる。
【0007】この様な公知の組合せに基づくヘテロ接合
により形成される2次元電子ガスを得るためのヘテロ接
合は、真性半導体とそれに比較してさらに高いバンドギ
ャップ(band gap)を備えたN形の半導体から構成され
る。例えば、AlGaAsをN形半導体としGaAsを
真性半導体とする2次元電子を得るためのヘテロ接合の
組合せは既に公知であり、この様な公知の組合せに基づ
くヘテロ接合により形成された2次元電子ガスを用いる
半導体装置としては、高電子移動度電界効果型トランジ
スタとして実現されるに至っている(特公昭59-46425、
特公昭59-53714参照)。
【0008】この様な組合せには、他にGax In1-x
As(xは組成比を表わす。)とInPとのヘテロ接合
が知られている。更には、ヘテロ接合を形成する真性半
導体としては上記の化合物半導体に限らず、ゲルマニウ
ム(Ge)などの単体半導体も挙げられており、GaA
sとのヘテロ接合の形成により2次元電子が得られる。
その他、2次元電子ガスを得るための半導体材料の種々
の組合せが既に公知となっているが、2次元電子ガスを
形成するのに肝要な事は、電子親和力を互いに異にする
半導体を結合させることにある(例えば、特公昭59−
53714、特公昭59−46425、USP4,16
3,323参照)。
【0009】この様な電子親和力を異にする半導体材料
の組合せを基に、単にヘテロ接合を形成すれば2次元電
子による高電子移動度特性が安定して得られるとは必ず
しも限らない。この理由を説明するのに上記したAlG
aAsとGaAsとのヘテロ接合を利用したショットキ
ー接合型の高電子移動度トランジスタを例に挙げる。こ
のトランジスタにとって、電子移動度は相互コンダクタ
ンス、雑音指数等の重要なトランジスタ特性を左右する
因子である。ところが、単純にヘテロ接合を形成したの
みでは高い電子移動度が安定して付与されない。これは
2次元電子が存在するか否かはヘテロ界面の急峻性の状
態等にも依存するが、2次元電子が存在したとしても、
電子の散乱等の要因により高電子移動度特性が阻害され
る場合があるからである。このため、従来から電子親和
力の大きいGaAsとより電子親和力の小さいAlGa
Asとのヘテロ界面に、通常アンドープのAlGaAs
層を挿入することが行われている。この無添加層は一般
にスペーサ(spacer)層と呼ばれ、AlGaAs/Ga
Asヘテロ接合系に限らず、AlInAs/GaInA
sヘテロ接合からなる高電子移動度トランジスタ用途の
母体材料にも設けられている。
【0010】しかし、スペーサ層を挿入することによっ
て、電子の散乱等の2次元電子の高電子移動度特性を阻
害する要因の影響は緩和できるものの、シートキャリア
濃度、電子移動度がスペーサ層の膜厚に敏感に影響され
るため、逆にスペーサ層の膜厚の精密な制御が要求さ
れ、新たに薄膜成長工程に煩雑さを加える結果を招いて
いた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】高電子移動度トランジ
スタに限らず、2次元電子を利用するホール素子にあっ
ても係る事態は同様で、スペーサ層を挿入することによ
り高電子移動度特性を得ることが行われている。例え
ば、AlGaAsとGaAsとからなるヘテロ接合によ
る2次元電子を利用するホール素子にあっては、高抵抗
のAlGaAsをスペーサとして用いている(電子情報
通信学会論文誌、Vol.J70 - C、 No.5 1987、p.p.758-76
3 及び Proc.of 6th Sensor Symposium、 Tokyo 1986 p.
p.547-550)。また、GaInAsとAlInAsとのヘ
テロ接合からなるホール素子に於いても、高抵抗のAl
InAsをスペーサとしてヘテロ界面に挿入することが
行われている(Technical Digest of the 11th Sensor
Symposium、 1992 p.p.79-82)。いずれの場合においても
層厚は10nm未満の、通常は2〜5nm程度の極めて
薄い層であり、2次元電子による高電子移動度特性を得
るには、この様な極薄膜層を安定的に制御するための緻
密で且つ精巧な成長技術を必要とし、この技術のもたら
す層厚制御性如何によって所望の高電子移動度特性が得
られるか否かが、即ち、2次元電子による高感度ホール
素子の収率が左右される結果を招いていた。
【0012】更に、GaInAsとInPとのヘテロ接
合系のホール素子への応用を中心に説明するに、このヘ
テロ系の組合せに於いて、Gax In1-x AsをN形半
導体とし、InPを真性半導体としたヘテロ接合によっ
てもたらされとされる2次元電子ガスを磁気感応部とす
る、感度の高いホール素子も提案されている(特開昭6
0−198870)。
【0013】また極く最近では、ヘテロ接合を形成する
組合わせは同一であるが、これとは逆にGax In1-x
Asに真性半導体としての役目を担わせ、InPをN形
半導体とする高感度ホール素子が新たに実現されるに至
っている(例えば、1992年秋季第53回応用物理学
会学術講演会予稿集No.3(1992年応用物理学会
発行)、講演番号16a−SZC−16、1078
頁)。この新たなGaInAsホール素子は特性の温度
変化も比較的小さく、且つまた室温電子移動度が極めて
高いために従来にない優れた積感度をもたらすと報告さ
れている。
【0014】この新たな高感度ホール素子は、従来の2
次元電子による高電子移動度特性を利用するAlGaA
s/GaAsヘテロ接合ホール素子とは薄膜の積層構造
が異なり、旧来のスペーサを要せず直接GaInAsと
InPをヘテロ接合させている。このスペーサを要しな
い簡便なヘテロ接合構造によって高電子移動度特性が安
定して再現良く得られるならば、スペーサ層を挿入する
という緻密で煩雑な工程が除かれ、従来からのホール素
子用途としての薄膜母体材料の製作上の煩雑さが解消さ
れる上に、この新規な高感度なホール素子の製造価格の
上昇をも回避できるという優位性が期待される。
【0015】ところが、この様なGaInAs/InP
ヘテロ接合系によって発現される高電子移動度特性を利
用した高感度ホール素子に於いても、定常的に安定して
所望の高感度特性が得られるとは限らない。それは、こ
のヘテロ系に於いて高移動度が顕現される原因が詳細に
究明されていない上に、安定して形成するに必要とされ
る要件が、未だ明確となっていないことによるものであ
る。よって、従来の高感度ホール素子とは反対に、Ga
x In1-x Asに真性半導体としての役目を担わせ、ス
ペーサを介さずにInPと直接ヘテロ接合してなるホー
ル素子に於いても、高電子移動度特性を顕現するにスペ
ーサを要しないという積層構造上の従来にない利点があ
るものの、GaInAs/InPヘテロ接合ホール素子
に於いて高感度特性が安定して得られないと言う問題が
存在していた。
【0016】一方、ヘテロ接合の界面に歪層を介在さ
せ、高電子移動度特性を得る技術的方法を省みると、既
に高電子移動度電界効果型トランジスタが実現されるに
至っている。このGax In1-x As歪層を介在させて
なる高電子移動度電界効果型トランジスタは、通常pseu
domorphic 型トランジスタと称され、低雑音の信号増幅
用素子として利用されている。この種のトランジスタ用
途の母体材料についてその構成要素を記述すると、Ga
As層上に弾性的に歪を閉じ込めたGax In1-x As
層を堆積し、更にAlGaAs層を堆積させたヘテロ積
層構造を含んでいるのが極く一般的である。このGaA
s層上に堆積するGax In1-x As層にあっては、歪
を閉じ込める必要があることからその膜厚は自ずと限定
され、通常は10nm前後に設定される。この様に従来
のGax In1-x Asからなる歪層を用いて高い電子移
動度特性を得ようとする構造に於いては、歪がGax
1-x As全体に渡って存在しており、このためGax
In1-x As層の膜厚の精密な制御性が必要とされるに
加え、高電子移動度特性を得んがためにGaAsやAl
GaAsの他の物質とのヘテロ接合の界面の急峻化を安
定して達成せねばならぬという、薄膜成長工程上で極め
て煩雑な操作を伴っているのが現状であった。
【0017】しかし、上記の様な歪層を利用したトラン
ジスタは公知であるものの、歪層を含んだ積層構造をも
って得られる2次元電子を利用してホール素子の高感度
化を達成しようとする試みは無い上に、ヘテロ接合を形
成する半導体層の内部に存在する歪層が、ホール素子の
特性、特に高感度化に与える作用、効果さえも未だ明確
になっていないのも事実であり、2次元電子により高電
子移動度が得られると期待されながら、即ち精密センシ
ングデバイスとして高感度な新たなホール素子の出現が
期待されながら、この様な高感度なホール素子の開発が
遅々として進行していないのが現状である。
【0018】本発明は係る事態を克服すべくなされたも
ので、Gax In1-x Asとのヘテロ接合による2次元
電子を具備してなる高感度GaInAsホール素子用途
としての母体材料が、本来保有すべき2次元電子に基づ
く高電子移動度特性を安定して得るために、当該ヘテロ
接合材料の構成要素が具備すべき要件を明確にし、もっ
て感度特性に優れたGaInAs2次元電子ホール素子
を安定的に得る新たな方法を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は従来になく高感
度なGaInAs2次元電子ホール素子を安定して得る
ために、Gax In1-x Asを含むヘテロ接合母体材料
が2次元電子による高電子移動度特性を如何なく、且つ
安定的に発現するために具備すべき要件、特に電子移動
度に及ぼす歪層の役割を明確にして、従来の欠点、特に
ヘテロ接合に於ける2次元電子の発現の不安定性を克服
しようとするものである。即ち、GaxIn1-x Asと
InP又はInPと格子整合するAly In1-y As等
の他の III−V族化合物半導体とのヘテロ接合による2
次元電子を利用する2次元電子ホール素子に於いて、歪
層の存在下で2次元電子による高電子移動度を安定して
顕現するために、先ずGax In1-x As層の層厚を5
0nm以上500nm以下とする。更に、Gax In
1-x Asとこれとヘテロ接合を形成するInP又はAl
y In1-y As等の III−V族化合物半導体層につき、
両層の内部に存在させるべき歪の領域につき定量的な検
討を加え、両層の内部に於いて最大の歪が存在する領域
を、ヘテロ接合界面からの距離にしてGax In1-x
s層内部にあっては10nm以下とし、これとヘテロ接
合をなすInPもしくはAly In1-yAs等にあって
は30nmに限定し、2次元電子に因る高電子移動度特
性を安定的に顕現させ、もって従来になく高感度のGa
InAsホール素子を提供するものである。
【0020】通常、GaInAs2次元電子ホール素子
を得るに当たっては、半絶縁性を有する高抵抗のInP
単結晶基板が使用される。ホール素子の実用上は比抵抗
が104 Ω・cm以上、108 Ω・cm未満のInP単
結晶を基板材料として用いるのが一般的であり、これら
の結晶は液体封止チョクラルスキー(Liquid Encapsula
ted Czochralski;LEC)法や、最近ではVB(Vertic
al Bridgman )法と称される垂直ブリッジマン法等によ
り容易に製作できる。
【0021】このInP単結晶基板上にn形のGax
1-x As(xは組成比を表す。)層を形成する。通常
はInP単結晶基板上にInPを緩衝層(バッファ層)
として堆積するのが一般的である。このバッファ層を設
けることによりInP単結晶基板からのFe不純物の拡
散を抑制したり、結晶欠陥等の伝幡を抑制するなどの効
果を生じるため、高い電子移動度を保持させホール素子
の高感度特性を保持できるなどの利点を招く。また、緩
衝層にはInPに限らず他の材質、例えば、AlInA
sやInPと格子整合するヒ化リン化ガリウム・インジ
ウム(GaInPAs)等の他の III−V族化合物半導
体などを用いても差し支えは無い。
【0022】上記のInPバッファ層並びにGax In
1-x As層の成長方法には、特に制限はなく、液相エピ
タキシャル成長法(Liquid Phase Epitaxial;LPE
法)、分子線エピタキシャル成長法(Molecular Beam E
pitaxial;MBE法)や有機金属熱分解気相成長法、い
わゆるMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitax
ial;MOCVD法とかOMVPE法とも呼ばれる場合も
ある。)、或はまたMOVPEとMBE双方を複合させ
たMO・MBE法などが適用できる。
【0023】また、前記Gax In1-x Asの混晶比x
については、0.37≦x≦0.57とするのが望まし
い。何故ならば、InPに格子整合するGax In1-x
Asの混晶比x=0.47から混晶比がずれるに伴い、
Gax In1-x AsとInPとの格子定数の差、即ち格
子不整合度も顕著となり、多量の結晶欠陥等を誘発し結
晶性の低下を招くばかりか、電子移動度の低下等の電気
的特性をも悪化させ、ホール素子の特性上積感度の改善
に多大な支障を来すからである。
【0024】また、本発明に係わる上記のGax In
1-x As層のキャリア濃度については特段の制限は無い
ものの、このヘテロ接合系に於いて高電子移動度特性を
安定して発揮させるため1×1015cm-3以上5×10
17cm-3以下の範囲にすると好結果が得られる。何故な
らば、キャリア濃度が1×1015cm-3未満であると、
ホール素子とした場合の入力並びに出力電極のオーミッ
ク(Ohmic )特性の不安定性や電極抵抗の増大を招き、
ホール素子特性の不安定性を生ずるからである。一方、
Gax In1-x As層のキャリア濃度が5×1017cm
-3を越えると電子移動度の低下が顕著となり、高い感度
を有するGaInAs/InPヘテロ接合ホール素子を
得るに得策ではないからである。
【0025】次に、Gax In1-x As層と緩衝層とな
すInP或はまたAly In1-y Asとでヘテロ接合を
形成させるに際し、これら両層の内部に歪を設けること
に依って、更なる高電子移動度化が果たされることを本
発明者は見出した。更に、本発明者が出来る限り高い電
子移動度を安定して得るとの観点から鋭意検討を重ねた
結果からは、歪の中で最大の歪が存在する領域を、ヘテ
ロ接合の界面からGax In1-x As層の内部に至る1
0nm以内に位置させ、且つ緩衝層内で最大の歪が存在
する領域を30nm以内とすることによって好結果が得
られることが判明した。
【0026】ここで、歪の存在の確認法並びに歪が存在
する領域の幅を定量する方法であるが、簡便で且つ精緻
な方法として透過型電子顕微鏡によるCAT(Composit
ionAnalysis by Tickness-fringe )法( H.Kakibayash
i and F.Nagata Jpn.J.Appl.Phys. Vol.24 (1985) L 9
05 )が挙げられる。この方法に依り得られる視覚的な
結果の概略を説明すると、例えば、半導体層−Iと半導
体層−IIとのヘテロ接合部のCAT写真には、図3−a
に模式的に示す如く各層に特有の縞(fringe)が
現れる。各半導体層に歪が存在しない場合にあっては、
この縞模様は半導体層−Iと半導体層−IIとが接合して
いる界面、即ち、ヘテロ接合界面に至る迄曲折せずに伸
長することとなる。一方、ここでは仮に半導体層−Iに
歪が存在したと仮定すると、ヘテロ接合を形成すること
に因って図3−bに示す如く半導体層−Iに特有の縞模
様は、結果としてヘテロ接合部の近傍で曲折する。従っ
て、CAT法に依りこの様な縞の曲折の有無を調査すれ
ば歪の存在の有無が判別され得る。また、縞の曲折が終
了するヘテロ界面からの距離、図3−bでは記号dで表
される距離を測長し、観測に供した電子顕微鏡の観測倍
率に応じた補正を加えれば、歪が存在する領域を正確に
求められる(外村 彰 編著、『電子顕微鏡技術』(平
成元年8月31日発行:丸善株式会社)、83頁)。
【0027】このヘテロ接合界面からの特定の領域に歪
を設ける手法には幾つかの方法があるが、例えば、In
P層をエピタキシャル成長させ、次にGax In1-x
s層を堆積させた後の薄膜成長工程の中の冷却工程に於
いて、薄膜成長後のウエハの冷却速度を適宣調節するこ
とにより、比較的容易に歪をGax In1-x As層並び
にInP層の両層の内部に導入出来る。本発明者が鋭意
検討した結果では、MOVPE法に於けるGax In
1-x As及びInP薄膜の一般的な成長温度である60
0℃前後から200℃に約20分間の時間を要して冷却
する、即ち毎分20℃前後の速度をもって冷却すると、
両物質の熱膨張率の差を利用して比較的容易に本発明を
満足する歪を存在させることが出来る。また、InP緩
衝層の成長後、Gax In1-x Asを成長するに当り、
組成比xが所望するのと多少異なるGax In1-x As
を或る程度の層厚をもって成長させてヘテロ界面を形成
し、然る後、予定の組成比のGax In1-x Asを成長
させる場合に於いても、Gax In1-x As並びにIn
P等の緩衝層の内部に歪層を存在させることが出来る。
但し、この場合、所望の組成比と異なる組成比を有する
極端に厚いGax In1-x AsをInPとGax In
1-x Asとのヘテロ接合の界面に介在させると、両層の
内部に導入される歪の存在する領域が適正な範囲を越
え、逆に当該ヘテロ接合材料にGax In1-x Asに高
電子移動度特性を付与出来なくなる。従って、この様な
組成比を変化させることによって歪を導入する方法を選
択するにあっては、歪を導入するために緩衝層上に設け
るこの種のGax In1-x Asの膜厚は最大でも10n
m程度に留めておくのが良い。
【0028】Gax In1-x As層とヘテロ接合をなす
緩衝層の材質は、InPに限定されず、Aly In1-y
Asでも良く、InPと格子整合するGaInPAsな
どの4元混晶であっても良い。Aly In1-y As等を
緩衝層として使用する場合にあっても、Gax In1-x
As層並びに緩衝層の両層の内部に歪を設ける手法は根
本的にはInP緩衝層の場合と同様である。緩衝層とし
てInPもしくはAly In1-y As等のいずれの半導
体材料を採用した場合に於いても、ヘテロ接合の界面か
らの距離にして、Gax In1-x As層の内部に至る歪
にあっては最大の歪が存在する領域を10nm以内に、
緩衝層の内部に存在する歪にあっては最大の歪が存在す
る領域を30nm以下にすることに変わりはない。
【0029】また、Gax In1-x As層と緩衝層に於
いて、ヘテロ接合の界面から両層の内部に向かって存在
する歪層の領域が適正範囲を越えると、当該ヘテロ接合
材料の電子移動度の極端な低下を招くため、必要以上に
歪を導入するのは好ましくない。また、Gax In1-x
As層或は緩衝層のいずれかの層に於いて最大の歪が存
在する領域が適正範囲を越えると2次元電子自体定常的
に存在させる事も困難となり、従って、高い電子移動度
を安定して得られない事態をもたらす。本発明と従来例
によるGa0.47In0.53As層とInP緩衝層とのヘテ
ロ接合材料の室温での電子移動度の差異を表1に示す。
ここに於いて、本発明に係わるヘテロ接合材料の場合、
最大の歪が存在する領域はヘテロ接合界面からGa0.47
In0.53As層側へ8nmの位置にあり、また、InP
層内のそれは22nmの位置に在った。一方、従来例に
於いては、InP層内の最大の歪が存在する領域は本発
明に係わる場合と同じものの、Ga0.47In0.53As層
内で最大の歪が存在する位置はInP緩衝層とヘテロ接
合界面から12nmにあった。同表に掲げる如く、層内
に存在する歪に関し本発明に係わる場合と従来例では、
室温電子移動度に明らかに差が生じており、本発明に沿
って歪を設けることによって、従来に比較し高い電子移
動度が得られていることが判る。これらの歪の付与は、
当該ヘテロ接合材料の成長後での冷却速度を調節するこ
とに依り行ったが、前述の様に歪の導入方法は、別段こ
の方法に限ることはない。
【0030】
【表1】
【0031】ここで、前項に記述した室温での電子移動
度に差異が発生する原因につき説明を加えるに、本発明
に係わる歪を有してなるGa0.47In0.53As/InP
ヘテロ接合材料にあっては、図4に示す如くのシュブニ
コフ ド ハース(Shubnikov de Haas )効果による電
圧の振動が認められ、2次元電子の存在が立証される。
一方、上記の従来例の様に歪の領域に関して本発明によ
らないヘテロ接合材料にあっては、シュブニコフ ド
ハース振動は認められず、2次元電子が存在しないこと
が判明する。従って、前項に記載の室温に於ける電子移
動度の差異は、2次元電子の存在の有無に因ることが明
らかになった。このことは、最大の歪が存在する層内の
領域を本発明の通りに設けないと2次元電子は存在しな
いことを表している。
【0032】ここで、改めてシュブニコフ ド ハース
振動について説明する。これは強磁場下に於ける電子の
サイクロトロン運動に基づく、磁気抵抗(電圧)の磁場
強度に対応した変化、即ち振動のことを指す(例えば、
生駒 俊明、生駒 英明著『化合物半導体の基礎物性入
門』(1991年9月10日初版発行:培風館)、18
7〜192頁、或いは日本物理学会編『半導体超格子の
物理と応用』(1990年9月30日初版第8刷発
行)、42〜46頁参照)。この振動は、2次元電子系
に於いてその2次元電子が存在する面に垂直方向に磁場
が印加された場合に顕著に現れ、水平に磁場が掛かって
も振動は通常生じない。一方、3次元的な電子では、こ
の様な抵抗値なり電圧値なりの磁場方位依存性はない
(例えば、日本物理学会編『半導体超格子の物理と応
用』(1990年9月30日初版第8刷発行)、44頁
参照)。従ってこの振動の観測により2次元電子ガスの
存在の有無が簡便に知れる訳である。具体的な測定法を
Ga0.47In0.53As/InPヘテロ接合系を例に挙げ
て説明すると、先ず、同ヘテロ系を含む試料をホール効
果測定に供する形状に加工し、試料の抵抗、電圧等を測
定するための電極を形成し、然る後、磁界内で抵抗の磁
界強度依存性、磁場方位依存性を測定すればよい。ヘテ
ロ接合部に2次元電子が存在するならば、図4に掲示し
た如くヘテロ接合面に垂直方向に磁場が印加された場合
に於いて、磁場強度の変化に伴って電圧値の周期的変
動、即ちシュブニコフ ド ハース振動が観測されるは
ずである。
【0033】上記のようにしてInP単結晶基板上に成
長させた歪層を含む緩衝層とGaxIn1-x As層から
構成されるヘテロ接合を有するエピタキシャルウエハを
母体材料とし、GaInAsホール素子を製作する。先
ず、公知のフォトリソグラフィー技術、エッチング技術
等の加工技術を駆使し、ホール素子としての機能を発揮
するGax In1-x As層並びにInPバッファ層にい
わゆるメサエッチングを施し、当該素子機能領域をメサ
状に加工する。メサエッチングを施した後、入力用並び
に出力用電極を形成する。
【0034】次に、ここでは電極材料としてAu・Ge
合金を提供するが、電極材料としては別段これに限定さ
れることはなく、n形のGaInAs結晶につきオーミ
ック性電極が得られる材料を使用すれば良い。次に、パ
ッシベーション膜とする絶縁性を有する二酸化珪素(S
iO2 )膜を公知のプラズマCVD法によりウエハ表面
を被覆する。被覆膜としてここでは、二酸化珪素膜を採
用したが他の絶縁性を有する膜、例えば窒化珪素(Si
N)などであっても良い。最後に公知のフォトリソグラ
フィー技術によりダイシングラインを形成する。この様
に図るのはダイシングに使用するスクライバー(sucrib
er)やブレード(brade )などが素子の分離の際にエピ
タキシャル成長層やヘテロ界面に機械的な損傷を与える
のを予め低減するためである。
【0035】係る加工を施した後、GaInAsホール
素子を電気的な特性評価に供し、従来のヘテロ接合の構
成によるGaInAsホール素子の特性も並行して評価
する。ここで、従来のGaInAsホール素子とは、エ
ピタキシャル成長後の冷却速度を極端に大きく設定した
ため、歪層の存在領域が感磁部層全域にわたっているヘ
テロ接合材料から構成された素子を言う。比較の結果を
図5に個別に分離した素子状態での電子移動度の分布の
差として示す。同図から明白な様に、本発明に係わるG
aInAsホール素子にあっては、平均の電子移動度は
従来例に比較して高い値がもたらされている。
【0036】
【作用】Gax In1-x As層及び緩衝層となすInP
もしくはAly In1-y As等の層の双方の層に、両層
から構成されるヘテロ接合界面から特定の距離内に最大
の歪を存在させることにより、当該ヘテロ接合界面に2
次元電子ガスを確実に存在させ、もって当該ヘテロ接合
材料に高い電子移動度特性を付与する作用を有す。
【0037】
【実施例】本発明を実施例を基に詳細に説明する。図1
は本発明に係わるGax In1-x As(xは混晶比を表
す)層とのヘテロ接合を有すホール素子の模式的な平面
図である。また、図2は図1に示した平面模式図の破線
A−A’の方向に沿った垂直断面の概略図である。ヘテ
ロ接合を含むエピタキシャルウエハの形成に当たって
は、鉄を添加してなる比抵抗が約106 Ω・cmの面方
位(100)の半絶縁性高抵抗InP単結晶基板(10
1)に、第一の層として緩衝層となすアンドープInP
層(102)を約100nmの厚さで成長させた。当該
InP層(102)のキャリア濃度をホール(Hal
l)効果法により測定した結果では、約2×1015cm
-3であった。
【0038】然る後、上記のInP緩衝層(102)上
にキャリア濃度が2×1016cm-3で組成比を0.47
としたアンドープn形Ga0.47In0.53As(103)
を250nmの厚さに堆積した。ここでは、旧来の如く
のスペーサ層は挿入しておらず、InP緩衝層(10
2)とGa0.47In0.53As(103)とを直接ヘテロ
接合させた。また、この両層からなるヘテロ接合の界面
には前記のシュブニコフド ハース振動が認められ、2
次元電子の存在が立証されている。本実施例ではGa
0.47In0.53As、InP結晶層の双方共に、結合価が
一価のシクロペンタジエニルインジウム(化学式:C5
5 In)をIn源とする常圧MOVPE法で温度61
0℃で成長させた。
【0039】上記の構造の母体材料の成長が終了した
後、成長温度である610℃より200℃に至る迄、2
0分間で当該材料を冷却した。従って冷却速度は毎分約
20℃である。この冷却速度を採用した場合、Ga0.47
In0.53As並びにInP両層内に於いて最大の歪が存
在する領域は、透過電子顕微鏡による観察ではGa0.47
In0.53As層側ではヘテロ接合界面より8nmであ
り、InP層側で20nmであった。
【0040】次に、Ga0.47In0.53As層(103)
を通常の有機フォトレジスト材で全面に亘り被覆し、そ
の後公知のフォトリソグラフィー技術とエッチング技術
を駆使し、入・出力電極を形成すべき領域並びに感磁部
となす領域(104)をメサ形状に加工した。本実施例
ではメサエッチング加工には無機酸を使用した。
【0041】その後、Ga0.47In0.53As層(10
3)の表面を再び有機レジスト材で全面に亘り被覆し
た。次に各々、一対をなす入力電極(105)と出力電
極(106)を形成すべき領域に存在する上記レジスト
材のみを公知のフォトリソグラフィ技術を利用して除去
し、Ga0.47In0.53As層(103)の表面を露出さ
せた。然る後、Geを重量で約13%程度含むAu・G
e合金を真空蒸着した。その後、当該ウエハを有機溶剤
混合液に浸し、レジスト材を剥離すると同時に蒸着によ
ってレジスト材上に被着した素子の製作上不要となるA
u・Ge合金膜をいわゆるリフトオフ法で除去した。次
に、電極となる合金膜を被着させたウエハを温度420
℃で数分間オーミック性電極を得るために熱処理した。
【0042】更に、当該入・出力用の電極(105及び
106)と電気的に連結させてパッド電極(107)を
各電極に設けた。該パッド電極(107)は、上記に如
くメサエッチングにより露出したInP単結晶基板(1
01)の表層部に載置した。これは熱処理時にGa0.47
In0.53As層とInP緩衝層とのヘテロ接合界面に直
接歪が導入され、当該界面に形成された2次元電子に悪
影響を及ぼすのを防止するためである。
【0043】更に、上記工程を経たヘテロ接合材料の表
面の入・出力電極部以外の領域を、プラズマCVD法に
より二酸化珪素膜(108)で被覆した。また、酸化膜
の堆積膜厚は約400nmとした。
【0044】更に、素子の表面全体を再び一般のフォト
レジスト材で覆い、ウエハの全面に形成されたホール素
子を単体に分離しホール素子チップとなすためのダイシ
ングライン(110)を形成すべくパターニングを施し
た。然る後、ダイシングライン(110)に相当する部
分に於いて、直下に存在する酸化膜(108)、Ga
0.47In0.53As層(103)並びにInP緩衝層(1
02)を順次エッチングにより除去した。更にエッチン
グを進め、InP単結晶基板(101)の表層部に至る
迄構成材料を除去し、ダイシングライン(110)とな
した。
【0045】然る後、このホール素子の電気的特性、特
に積感度に影響を与える電子移動度を従来のGaInA
sホール素子のそれと比較した。ここで言う従来のホー
ル素子とは、Ga0.47In0.53As層並びにInP緩衝
層に内在する歪の領域が、ヘテロ界面よりInP緩衝層
側に約38nm入った位置に最大の歪が位置しているも
のを指す。即ち2次元電子を具備していないGaInA
s/InPヘテロ接合ホール素子を指す。その結果、本
発明に依る2次元電子を利用した新たなGaInAsホ
ール素子では、平均の室温電子移動度が10,000c
2 /V・sに達するのに対し、従来例では平均の電子
移動度が約6,100cm2 /V・sと約40%の差異
が現れ、電気的特性の点からも本発明に依るGaInA
s2次元電子ホール素子の優位性が示された。これはと
りもなおさず、本発明に依り2次元電子を安定して発生
させ得たからである。
【0046】
【発明の効果】歪層をヘテロ界面から特定の距離内に設
けることにより、GaInAs/InPヘテロ接合に高
電子移動度特性を安定して付与する効果をもたらし、も
って高感度のGaInAsホール素子の安定的な供給が
もたらされる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる2次元電子GaInAs/In
Pヘテロ接合ホール素子の模式的な平面図である。
【図2】図1に示すホール素子の破線A−A’に沿った
断面を模式的に示す図である。
【図3】ヘテロ接合を形成する各半導体層のCAT分析
写真の模式図である。図3(a)は歪が存在しない場
合、図3(b)は歪が存在する場合を示す。
【図4】強磁場下に於けるシュブニコフ ド ハース振
動を示す図である。但し、磁場は同試料の一主面に垂直
に印加されている。
【図5】室温電子移動度の分布を示す図である。
【符号の説明】
(101) Fe添加高抵抗InP単結晶基板 (102) InP緩衝層 (103) Ga0.47In0.53As層 (104) 素子機能部メサ領域 (105) 入力電極 (106) 出力電極 (107) パッド電極 (108) 二酸化珪素絶縁膜 (109) ダイシングライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層厚が50nm以上800nm以下であ
    るヒ化ガリウム・インジウム(GaInAs)を含む I
    II−V族化合物半導体層のヘテロ接合により発現される
    2次元電子ガスを利用したことを特徴とするするホール
    素子。
  2. 【請求項2】 ヘテロ接合はその一部に歪層を有するG
    aInAs層と、同じくその一部に歪を内在するGaI
    nAs以外の III−V族化合物半導体とで構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のGaInAsヘテ
    ロ接合2次元電子ホール素子。
  3. 【請求項3】 ヘテロ接合界面からGaInAs層の
    内部に至る10nm以内の距離に最大の歪が存在するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のGaInAs
    2次元電子ホール素子。
  4. 【請求項4】 ヘテロ接合界面からGaInAs以外の
    III−V族化合物半導体層の内部に至る30nm以内の
    距離に最大の歪が存在することを特徴とする請求項1な
    いし3に記載のGaInAs2次元電子ホール素子。
  5. 【請求項5】 GaInAs層とヘテロ接合をなす他の
    III−V族化合物半導体層はリン化インジウム(In
    P)、ヒ化アルミニウム・インジウム(AlInAs)
    もしくはInPと格子整合する半導体からなる層である
    ことを特徴とする請求項1〜4に記載のGaInAs2
    次元電子ホール素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0779031A (ja) * 1993-09-07 1995-03-20 Showa Denko Kk 磁電変換素子
JPH07111347A (ja) * 1993-10-12 1995-04-25 Showa Denko Kk ホール素子
JP2011505964A (ja) * 2007-12-12 2011-03-03 カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド ホールセンサを備えた移植式医療用デバイス
JP2017063106A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 旭化成エレクトロニクス株式会社 ホール素子及びホールセンサ
WO2023021576A1 (ja) * 2021-08-17 2023-02-23 日本電信電話株式会社 ディジタル・アナログ変換回路

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