JP3438294B2 - ホール素子 - Google Patents

ホール素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ホール素子に係わり、特に III−
V族化合物半導体材料からなるホール素子の高感度化に
関する。
【0002】
【従来の技術】ホール(Hall)素子は磁気センサー
の一種である。ホール素子には、従来からSi等の元素
半導体の他にGaAsやInP等の化合物半導体材料が
利用されている。
【0003】ホール素子の性能を表す特性の一つに積感
度がある。積感度は通常、単位制御電流、単位磁束密度
下で出力されるホール電圧を指す(例えば、片岡 照栄
著「磁電変換素子」昭和46年、日刊工業新聞社、56
頁)。或る素子動作条件下でのホール出力電圧が大き
い、即ち積感度が高い程高感度なホール素子とされる。
高い積感度を得るには移動度が大きい半導体材料からホ
ール素子を形成する必要がある。
【0004】最近では、ホール素子の更なる高感度化の
要望と相まって、GaInAs三元混晶を利用した高感
度ホール素子が実現されている(奥山 忍、五嶋 敏
一、中村寛、第53回応用物理学会学術講演会予稿集、
1992、16a−SZC−16)。GaInAsは従
来から感磁層として用いられてきたGaAs等に比較し
て高い電子移動度が得られるため(例えば、K.Hei
me、「InGaAsField−Effect Tr
ansistor」RESEARCH STUDIES
PRESS Ltd.,1989)、ホール素子の感
度向上が果たせるからである。
【0005】GaInAsを感磁層とする従来のGaI
nAsホール素子では、GaInAs感磁層は半絶縁性
InP単結晶基板上に設けたInP緩衝層と直接ヘテロ
接合させた構成となっている。即ち、従来のGaInA
sホール素子用のヘテロ接合材料にあって、InPとG
aInAsの中間に両層を隔てるためのいかなる半導体
層も挿入されていない(奥山 忍他、第53回応用物理
学会学術講演会予稿集、16a−SZC−16)。
【0006】また、この様な構造に於いてはN型InP
緩衝層のキャリア濃度(n2 cm-3)と膜厚(t2
m)との積値とGaInAs感磁層のキャリア濃度(n
1 cm-3)と膜厚(t1 cm)との積値は次の式(1)
の関係を満足する様に設定すると良いとされる。 n1 ・t1 ≧ n2 ・t2 ・・・・・式(1) 即ち、バンドギャップの小さいGaInAs感磁層のキ
ャリア濃度と膜厚の積値が、よりバンドギャップの大き
いInP緩衝層のそれ以上となる様に設定されている。
InPのバンドギャップは約1.34eVであり、In
Pと格子整合するGa0.47In0.53Asのバンドギャッ
プは約0.86eVである(H.C.Casey an
d M.B.Panish「HETERO STRUC
TURELASERS」−Part B,Acdemi
c Press、1978、p.16)。
【0007】従来からの一般的なn1 は1016cm-3
後でt1 は400nm程度である。また、n2 は1015
cm-3前後で、t2 は100〜200nmである(奥山
忍他、第53回応用物理学会学術講演会予稿集、19
92、16a−SZC−16)。
【0008】バンドギャップの異なる半導体層を直接、
ヘテロ接合させても式(1)に示す関係を満たしていれ
ば或る程度の高電子移動度は得られていた。室温移動度
としてはほぼ12,000cm2 /V・sが得られてい
る(小沼 賢二郎他、第53回応用物理学会学術講演会
予稿集、1992、18a−ZE−3)。GaInAs
ホール素子の積感度としては入力抵抗1100Ωで約7
5mV/mA・kGの積感度が得られている(奥山 忍
他、第53回応用物理学会学術講演会予稿集、199
2、16a−SZC−16)。
【0009】しかし、これらの2層を直接ヘテロ接合さ
せた構成にあっては、安定して高い電子移動度が得られ
ない欠点があった。ヘテロ接合材料の電子移動度の不安
定性は、これを母体材料とするGaInAsホール素子
の感度の不安定性となって現れる。図3に従来のヘテロ
接合構成からなるGaInAsホール素子の感度のロッ
ト毎の変動を示す。ロット毎に母体材料は異なっている
が、母体材料は同一条件で製作している。図3に示す如
く、従来の材料では得られる感度は中央値に対し±20
%程度の不均一性が存在していた。この感度、即ち電子
移動度の不安定性が高感度のGaInAsホール素子を
再現性良く得る妨げとなっていた。
【0010】高感度のGaInAsホール素子を安定し
て得るには、安定して高い電子移動度を発現するヘテロ
材料の構成を考える必要がある。ヘテロ接合でもAlG
aAsとGaAsから構成されるヘテロ接合系もある。
高感度ホール素子用途のAlGaAs/GaAs母体材
料は、GaAs緩衝層、AlGaAs電子供給層やGa
Asコンタクト層等から構成されている(田口 隆志
他、電子情報通信学会誌C、第J70−C巻、第5号、
1987年5月、758頁)。この様な材料構成によっ
て発現される2次元電子ガスは高い電子移動度をもたら
すため、ホール素子の高感度化に有利となるからであ
る。2次元電子ガスはAlGaAsとGaAsとのヘテ
ロ接合によって形成され、GaAs緩衝層側に出現す
る。2次元電子は基本的にはバンドギャップや電子親和
力に差がある2つの半導体材料のヘテロ接合によって得
られるものであるから、図4に示す様な簡略された構造
でも発現される。GaAs/AlGaAsヘテロ接合の
場合、2次元電子が走行する層との意味から、GaAs
緩衝層はチャネル層と称されることもある。
【0011】GaAs/AlGaAsヘテロ接合系で
は、高い電子移動度を安定して得るためにGaAsから
なる緩衝(チャネル)層(112)と、よりバンドギャ
ップの大きなAlGaAsからなる電子供給層(11
4)との中間にAlGaAs挿入層(113)を挿入し
ている。AlGaAs挿入層(113)とGaAs緩衝
層(112)とのヘテロ界面(115)に形成される2
次元電子ガスの移動度の向上を図るためである。2次元
電子ガスの移動度が向上すればホール素子の高感度化が
果たせるからである。
【0012】しかし、上記のAlGaAs/GaAsヘ
テロ系では、GaAs緩衝層(112)とAlGaAs
電子供給層(114)のn・t積値は次の式(2)の関
係にある。 n3 ・t3 < n4 ・t4 ・・・・・式(2) ここで、n3 、t3 は各々、GaAs緩衝層の、n4
4 はAlGaAs電子供給層のキャリア濃度と膜厚を
示す。即ち、従来のホール素子用途のヘテロ接合材料に
於いては、GaInAsホール素子用途のGaInAs
/InP系ヘテロ材料とは反対に、バンドギャップが大
きい半導体層のn・t積がバンドギャップのより小さい
半導体層のそれを遥かに上回っている。
【0013】ヘテロ界面に挿入される図4のAlGaA
s挿入層(113)に相当する半導体層は、同図に示す
電子供給層(114)と同一の半導体で構成されるのが
通例である。即ち、n・t積値の大きい半導体層と同一
の物質で構成されている。AlGaAs/GaAsヘテ
ロ系に限らずGaInAs/AlInAsからなるホー
ル素子用途ヘテロ接合材料にあっても、ヘテロ界面に挿
入される半導体層はヘテロ接合を構成する半導体材料の
内、バンドギャップがより大きな半導体材料からなる電
子供給層と同じ半導体材料、即ちAlInAsから構成
されている(Y.SUGIYAMA、TECHNICA
L DIGEST OF 11TH SENSOR S
YMPOSIUM、1992、79〜82頁)。
【0014】従来のホール素子用途のヘテロ接合系にあ
っては、ヘテロ界面に挿入される半導体層の伝導形は通
常P型であり、そのキャリア濃度は1014〜1015cm
-3である。膜厚は2〜10nmが一般的であるが、バン
ドギャップのより大きな半導体材料から構成される電子
供給層の膜厚に対しての規定は従来から設けられていな
い。また、図4に例示したGaAs緩衝層(112)も
P型が一般的であり、そのキャリア濃度は1014〜10
15cm-3とヘテロ界面に挿入される半導体層(例えば図
4のAlGaAs層(113))のそれとほぼ同一であ
る。緩衝層の膜厚は100〜500nmが一般的であ
る。従って、AlGaAs/GaAsヘテロ系を例にす
ると緩衝層と挿入層のn・t積の関係は次の式(3)で
示される関係にある。 (n・t)GaAs > (n・t)AlGaAs ・・・・・式(3) 式(3)の左項はGaAs緩衝層の、右項はAlGaA
s電子供給層のn・t積を各々、示す。即ち、従来は挿
入層のn・t積はAlGaAsに比べバンドギャップが
小さいGaAsのn・t積を下回っているのが通例であ
った。従って、例えば緩衝層と感磁層との2層をヘテロ
接合させたホール素子用途の材料系に於いて、ヘテロ接
合を構成する半導体層の内、よりバンドギャップの小さ
な半導体層のn・t積値以下である半導体挿入層を設け
ることはなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ヘテロ接合を構成する
n・t積の関係が式(2)とは逆の式(1)の関係にあ
るホール素子用途のGaInAs/InPヘテロ接合系
に於いては、従来からヘテロ界面に半導体層を挿入し、
素子の感度を向上させる試みはなされていない。従っ
て、バンドギャップの小さい半導体層のn・t積がより
バンドギャップの高い半導体層のそれ以上であるヘテロ
接合系に於いて、挿入する半導体層が具備すべき要件も
明確とはなっていない。これが明確となれば高感度のG
aInAsホール素子を安定して得るに寄与するところ
大である。本発明では、GaInAs/InPヘテロ接
合系により高電子移動度を安定して再現良く得るために
ヘテロ界面に挿入すべき半導体層が具備すべき要件を明
確にすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明はキャリア濃度が
1 で膜厚がt1 であるGaInAs感磁層と、n1×
1 以下のキャリア濃度(n2 )と膜厚(t2 )との積
値を有するInP緩衝層とのヘテロ接合からなるGaI
nAsホール素子に於いて、該GaInAsとInPと
の中間にn・t積値が特定範囲に規定されたN型のIn
P半導体層を具備させることにより、安定して高い電子
移動度を顕現すると共に高感度のGaInAsホール素
子を良好な再現性をもって与えるものである。
【0017】GaInAsとInPとの中間に具備する
半導体層、即ちGaInAs/InPヘテロ界面に挿入
する半導体層の、キャリア濃度と膜厚の積値(n・t)
はn1 ・t1 以下とする。n1 ・t1 以上とすると逆に
電子移動度の低下が顕著となるからである。但し、0.
008・n2 ・t2 以上とする。0.008・n2・t2
以下とすると電子移動度の低下が生ずる。即ち、n・
t積値は式(4)の範囲とする。 0.008・n2 ・t2 ≦n・t≦n1 ・t1 ・・・・・式(4)
【0018】ヘテロ界面に挿入する半導体層の一例とし
てはN型のInPがある。InPよりも大きなバンドギ
ャップの半導体層を挿入した場合でも電子移動度を向上
させるには効果がある。これに該当する半導体材料には
GaAsやAlInPなどがある。しかし、GaInA
sホール素子は高い電子移動度を得るためにInPと格
子整合する半導体系から構成されている。しかも、Ga
InAs感磁層はInP緩衝上に堆積するのが一般的で
ある。従って、InP緩衝層上にはInP層を堆積する
のが成長操作からも簡便である。
【0019】挿入するInP層は従来の挿入層の如くP
型とはしない。ホール素子用途のGaInAs/InP
ヘテロ系にあっては、P型InP層を挿入することによ
り、得られる電子移動度が低下するからである。N型の
InP層はInPにドナーとして作用する不純物をドー
ピングすれば得られる。InPのドナー不純物としては
元素周期律表の第IV族に属するSiや第VI族のSやSe
などがある。
【0020】N型InP挿入層のキャリア濃度は5×1
15cm-3、好ましくは1×1014〜1×1015cm-3
以下とする。キャリア濃度がこの値を越えると電子移動
度の低下をもたらす。キャリア濃度はドナー不純物のド
ーピング量を調節すれば達成される。また、InP挿入
層の膜厚は10nm前後とするのが都合が良い。緩衝層
とするInP層のキャリア濃度(n2 )は2×1015
-3程度で、膜厚(t2 )は100nm前後である。従
って、n2 ・t2 の積値以下の条件は満たされる。挿入
層の膜厚は挿入層を構成する半導体層についての成長速
度を基に成長時間を調節すれば制御できる。
【0021】N型InP層を挿入するには、実際は半絶
縁性のInP単結晶基板上にInP緩衝層を先ず堆積さ
せる。次にN型InP層をInP緩衝層上に堆積する。
更に、GaInAs感磁層を堆積する。これにより、結
果としてN型InP挿入層がInP緩衝層とGaInA
s感磁層の中間、即ちInP緩衝層/GaInAs感磁
層ヘテロ界面に存在することとなる。
【0022】感磁層とするGaX In1-X As層の組成
比(x)は0.37≦x≦0.57とすると良い。In
Pとの格子整合するx=0.47から組成比がずれるに
伴い、発現される電子移動度が低下するからである。
【0023】上記のGaInAsやInP層の成長方法
には、特に制限はなく液相エピタキシャル成長法(LP
E法)、分子線エピタキシャル成長法(MBE法)や有
機金属熱分解気相成長法、いわゆるMOVPE(MOC
VD法とかOMVPE法とも呼ばれる場合もある。)が
ある。或はまたMOVPEとMBE双方を複合させたM
O・MBE法などでも良い。
【0024】ホール素子を形成するには特殊なプロセス
技術を必要としない。公知のプロセス技術を用いて形成
すれば良い。
【0025】
【作用】InP挿入層をGaInAs感磁層とInP緩
衝層との中間に存在させることにより、高電子移動度を
安定して顕現する作用を有す。
【0026】
【実施例】本発明を実施例を基に詳細に説明する。図1
は本発明に係わる材料から構成されるホール素子の平面
模式図である。また、図2は図1に示した平面模式図の
破線A−A’の方向に沿った断面模式図である。基板
(101)には比抵抗が約106 Ω・cmの面方位{1
00}の半絶縁性InP単結晶を用いた。
【0027】InP基板(101)上にはInP緩衝層
(102)を常圧MOVPE法で堆積させた。InP緩
衝層(102)はアンドープ層でキャリア濃度は約2×
1015cm-3であった。膜厚は約100nmとした。成
長温度は610℃とした。
【0028】InP緩衝層(102)上には挿入層とな
すN型のInP層(103)を堆積した。成長方式、成
長温度共にInP緩衝層(102)の成長と同一とし
た。採用した成長条件下ではアンドープでもN型を呈す
るInP層が得られたため、故意にドーピングによって
N型InP層を得たわけではない。キャリア濃度は8×
1014cm-3とした。膜厚は10nmとした。従って、
InP挿入層(103)のキャリア濃度と膜厚の積値は
InP緩衝層(102)の積値の1/25となった。
【0029】InP挿入層(103)上にはN型のGa
0.48In0.53As感磁層(104)を成長させた。成長
法は同じくシクロペンタジエニルIn(C55 In)
とトリメチルGaを用いた常圧MOVPE法である。A
s源としてはアルシン(AsH3 )を用いた。成長温度
は610℃とした。同層(104)のキャリア濃度は2
×1018cm-3であった。膜厚は約120nmとした。
【0030】次にGa0.48In0.53As層(104)表
面を通常の有機フォトレジスト材で被覆した。その後、
公知のフォトリソグラフィー技術とエッチング技術を駆
使し、入・出力電極を形成すべき領域並びに磁気感応部
となす領域(105)をメサ(mesa)形状に加工し
た。
【0031】その後Ga0.48In0.53As層(104)
の表面を再び有機レジスト材で全面に亘り被覆した。次
に各々一対をなす入力電極(106)と出力電極(10
7)を形成すべき領域の上記レジスト材のみを公知のフ
ォトリソグラフィ技術を利用して除去し、Ga0.48In
0.53As層(104)の表面を露出させた。然る後、G
eを重量で約13%程度含むAu・Ge合金を真空蒸着
した。その後、当該ウエハを有機溶剤混合液に浸し、レ
ジスト材を剥離すると同時に蒸着によってレジスト材上
に被着した素子の製作上、不要となるAu・Ge合金膜
をいわゆるリフトオフ法で除去した。次に、電極となる
合金膜を被着させたウエハを温度420℃で数分間、オ
ーミック性電極を得るためにアロイングした。
【0032】更に、当該入・出力用の電極(106及び
107)と電気的に連結させてパッド電極(108)を
各電極に設けた。該パッド電極(108)は、上記の如
くメサエッチングにより露出させたInP単結晶基板
(101)の表層部に載置した。
【0033】次に、上記工程を経たヘテロ接合材料の表
面の入・出力電極部以外の領域をプラズマCVD法によ
り二酸化珪素膜(109)で被覆した。また、当該酸化
膜の堆積膜厚は、約400nmとした。
【0034】更に、素子の表面全体を再び一般のフォト
レジスト材で覆い、ウエハの全面に形成されたホール素
子を単体に分離しホール素子チップとなすためのダイシ
ングライン(110)を形成すべくパターニングを施し
た。然る後、ダイシングライン(110)に相当する部
分に於いて、直下に存在する酸化膜(109)、Ga
0.48In0.53As層(104)及びInP挿入層(10
3)を順次、エッチングにより除去した。更に、エッチ
ングを進め、InP単結晶基板(101)の表層部に至
る迄、エッチングし、ダイシングライン(110)とし
た。
【0035】形成したホール素子の電気的特性を評価し
た。その結果を表1に纏めた。従来のホール素子の特性
も評価した。従来のホール素子とは本発明によるホール
素子とエピタキシャル層の構成は同一であるが、GaI
nAsとInPとの中間にInP層を挿入した材料から
形成した素子である。入力抵抗は双方共に1〜1.5k
Ωであった。本発明によるホール素子では従来の素子に
比べ高い電子移動度が得られた。また、積感度も向上し
た。本発明により得られた積感度は従来、高移動度電界
効果型トランジスタ用途と類似の複雑な構造で得られて
いる高感度ホールのそれと同等であった。更に、得られ
る電子移動度も安定した。合計20ロットに於ける電子
移動度の変動は、中央値である10830cm2 /V・
sに対し±5.2%で従来の約1/4に抑制された。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】高い電子移動度を発現し、GaInAs
ホール素子を高感度化を果たす効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるホール素子の平面模式図であ
る。
【図2】図1に示すホール素子の平面模式図の線A−
A’に沿った断面模式図である。
【図3】従来の構成のGaInAsホール素子のロット
毎の感度の変動を示す図である。
【図4】従来の高電子移動度トランジスタ用途のエピタ
キシャルウェーハ構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
(101) InP単結晶基板 (102) InP緩衝層 (103) InP挿入層 (104) GaInAs感磁層 (105) 磁気感応部層領域 (106) 入力電極 (107) 出力電極 (108) パッド電極 (109) 酸化膜 (110) ダイシングライン (111) GaAs基板 (112) GaAsチャネル層 (113) AlGaAs挿入層 (114) AlGaAs電子供給層 (115) ヘテロ界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−275767(JP,A 特開 平5−327059(JP,A) 特開 平7−211954(JP,A) 特開 平6−77556(JP,A) 特開 平6−244475(JP,A) 1992年秋季第53回応用物理学会学術講 演会講演予稿集,No.3,p.1078 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 43/06 G01R 33/07

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア濃度がn1 で膜厚がt1 である
    GaInAs感磁層と、キャリア濃度がn2 で膜厚がt
    2 のInP緩衝層を有するGaInAsホール素子に於
    いて、該GaInAs感磁層とInP緩衝層との中間
    に、キャリア濃度がnで膜厚がtであり、かつキャリア
    濃度と膜厚の積値(n・t)が0.008・n2 ・t2
    ≦n・t≦n1 ・ t1 の範囲にあるN型InP半導体
    層を具備してなることを特徴とするホール素子。
  2. 【請求項2】 N型InP層のキャリア濃度(n)が5
    ×1016cm-3以下である請求項1に記載のホール素
    子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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1992年秋季第53回応用物理学会学術講演会講演予稿集,No.3,p.1078
特開 平5−275767(JP,A

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